JP2005295685A - 安定化電源 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速な応答特性を有する定電圧補償回路およびそれを用いる安定化電源を提供すること。
【解決手段】出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給排電型定電圧補償回路であって、給電電力制御素子と、給電電力素子制御手段と、を備えてなり、給排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の前記応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器および排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とする給排電型定電圧補償回路とした。
【選択図】図16
【解決手段】出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給排電型定電圧補償回路であって、給電電力制御素子と、給電電力素子制御手段と、を備えてなり、給排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の前記応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器および排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とする給排電型定電圧補償回路とした。
【選択図】図16
Description
本発明は、定電圧回路に付加されて、定電圧回路と協調して働き、負荷変動に対する応答特性を改善する定電圧補償回路およびこのような定電圧補償回路を備える安定化電源に関する。
近年、大規模集積回路(Large Scale Integrated CIrcuit)の集積密度は向上し、年々大規模化し、動作速度は高速化しており、これにともない、大規模集積回路に印加される電圧の低電圧化と大規模集積回路で消費される電力の大電力化、すなわち、大規模集積回路に流れる電流である負荷電流の大電流化が進んでおり、更に、高速な応答特性が求められている。このような要求に応ずる安定化電源としては、図17に示すようなDC/DCコンバータ900が、電力損失が無く小型化が可能となる点で好適であり多用されており、このようなDC/DCコンバータ900は、パルス幅制御方式定電圧回路と称され、PWM(Pulse width Modulation)制御回路903からのパルス信号を、ドライブ回路を介してスイッチング素子901とフライホイール素子902とに伝達し、安定化電源の出力端電圧Eoutが一定の電圧となるようにこのパルス信号のパルスの幅を調整するようにフィードバック制御系が構成されている。すなわち、出力端電圧Eoutを増加させる場合にはスイッチング素子901のゲートに印加されるパルスの幅を広くし、出力端電圧Eoutを減少させる場合にはスイッチング素子901のゲートに印加されるパルスの幅を狭くして、出力端電圧Eoutを自動的に定電圧特性とするものである。なお、スイッチング素子901から供給される電力はインダクタ904と平滑コンデンサ905とで平滑されて直流に戻され、負荷907の両端に印加され、負荷電流Ioutが負荷907に流れる。
このようなDC/DCコンバータ900に接続される負荷907で消費される電流Ioutの大きさの急激な変動が生じた場合に、定電圧特性を維持するには、第1の方法としては、DC/DCコンバータ900の出力段に設ける平滑コンデンサ905の容量を大容量化する方法があった。
また、第2の方法としては、DC/DCコンバータ900のスイッチング素子901およびフライホイール素子902の開閉(ON−OFF)する周波数であるスイッチング周波数を高くして、制御系の応答速度を向上させ急激な負荷変動に追従させる方法があった。
更に、第3の方法としては、図18に示すように、多相式DC/DCコンバータ950を用いて応答特性を改善して、急激な負荷変動に追従させる方法もあり、従来技術の多相式DC/DCコンバータ950は、スイッチング素子911ないしスイッチング素子915、並びに、フライホイール素子921ないしフライホイール素子925のスイッチング位相をずらした複数のDC/DCコンバータを並列に並べて、各々のDC/DCコンバータのインダクタ951ないしインダクタ955を通過する電流である出力電流Iout1ないし出力電流Iout5を加算して、負荷957に供給される出力電流Ioutを得ることにより等価的に制御系の応答速度を向上させ急激な負荷変動に追従させる方法があった。
このようなDC/DCコンバータの並列動作は、図19に示される。スイッチング素子911ないしスイッチング素子915を制御するパルス信号S11ないしパルス信号S51と出力電流Iout1ないし出力電流Iout5および出力電流Ioutの波形から解るように、個々のDC/DCコンバータのスイッチング周波数を低く抑えながら、等価的に5倍のスイッチング周波数で動作するのと同様に作用させ、応答特性を改善するものであった。なお、図18では5相の場合を示しているが、相数は5相に限られず任意の整数で良いものである。
特表2003−527062号公報
しかしながら、益々大電力化する大規模集積回路の負荷変動に対応するには、上述した3つのいずれの方法を用いても問題があった。
まず、第1の方法の問題点について述べる。理想的な電圧源、すなわち、負荷がどのように変化しても出力電圧が一定である電源であれば、図21および図22に示すように、負荷が要求する負荷要求電流Irが、その大きさを急激に変化しても、理想状態における出力端の電圧Erは、常に一定の値に維持されるものである。
しかしながら、図17に示す従来のDC/DCコンバータ900の出力段に設けられている現実の平滑コンデンサ905の特性は、図20に示すように、コンデンサの内部電極等の抵抗である直列等価抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)およびリード線やコンデンサの電極パターン等のインダクタンスである直列等価インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)を有するために、負荷907に供給される負荷要求電流Irの量が急激に増加する場合には、図21の実測データが示すように、直列等価抵抗および直列等価インダクタンスの作用により平滑コンデンサ905の容量Cの値を大きくしたとしても、出力端とグランド端の間の実際の電圧である出力端電圧Eoutを一定の値に保持することができず、出力端電圧Eoutは一瞬低下し、負荷に流れる電流である出力電流Ioutは徐々にしか増加できないものである。また、逆に負荷電流が急激に減少する場合には、図22の実測データが示すように、直列等価抵抗および直列等価インダクタンスの作用により出力端電圧Eoutを一定の値に保持することができず、出力電圧は一瞬上昇し、このために、出力電流Ioutは徐々にしか減少できないものであった。
このような、直列等価抵抗や直列等価抵抗の影響を少しでも減らそうとして、図17に示すDC/DCコンバータ900において、平滑コンデンサ905に、直列等価抵抗および直列等価抵抗の値が小さい高周波特性の良いコンデンサ906を並列に接続することが行われてきたが、すべての問題を解決できる程の大きな改善効果は生じなかった。
次に、第2の方法、すなわち、図17に示すDC/DCコンバータ900のスイッチング周波数を高くして制御系の応答速度を高速化して、平滑コンデンサ905に頼らずに負荷電流の急変に対応する方法の問題点について述べる。この方法では、年々進む、大規模集積回路の大電流化に比べて、スイッチング素子901およびフライホイール素子902の高速化、インダクタンス904の高周波損失の低減を図る技術の進歩が現状では十分ではないために、回路における損失が周波数を高くするとともに増大し、電力効率が悪くなった。
最後に、第3の方法の問題点について述べる。図18に示す多相式DC/DCコンバータ950では、スイッチング素子911ないしスイッチング素子915、フライホイール素子921ないしフライホイール素子925、インダクタ951ないしインダクタ955における損失が小さく、かつ、応答速度の速い電源の提供が可能ではあるものの、スイッチング素子911ないしスイッチング素子915およびフライホイール素子921ないしフライホイール素子925の各々のスイッチのON/OFFの位相関係の同期がとれるように管理して多相式DC/DCコンバータ950を運転しなければならず、相数が大きくなるほど、制御回路が複雑化して、回路規模も大きくなり、その結果コストも上昇するものであった。
そこで、本発明は、上述の問題を解決し、高速な応答特性を有する安定化電源を提供することを目的とする。
請求項1の本発明の給電型定電圧補償回路は、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給電型定電圧補償回路であって、出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、出力端に接続される第2の給電電力端と、第1の給電電力端と第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに第1の給電電力端と第2の給電電力端との間に電流を流すように給電電力制御素子の給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、を備えてなり、給電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものである。
請求項2の本発明の給電型定電圧補償回路は、請求項1に記載の給電型定電圧補償回路において、給電電力制御素子は、第1の給電電力端であるソースと、第2の給電電力端であるドレインと、給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、給電電力素子制御手段は、給電電力制御用MOSFETと、給電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力給電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力給電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される給電電圧低域濾波器と、を有してなり、給電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、給電電力制御用MOSFETのゲートに給電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、給電電圧低域濾波電圧差より給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに電力給電用MOSFETのソースと電力給電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものである。
請求項3の本発明の排電型定電圧補償回路は、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く排電型定電圧補償回路であって、グランド端に接続される第1の排電電力端と、出力端に接続される第2の排電電力端と、第1の排電電力端と第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに第1の排電電力端と第2の排電電力端との間に電流を流すように排電電力制御素子の排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、を備えてなり、排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものである。
請求項4の本発明の排電型定電圧補償回路は、請求項3に記載の排電型定電圧補償回路において、排電電力制御素子は、第1の排電電力端であるソースと、第2の排電電力端であるドレインと、排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、排電電力素子制御手段は、排電電力制御用MOSFETと、排電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力排電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力排電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される排電電圧低域濾波器と、を有してなり、排電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、排電電力制御用MOSFETのゲートに排電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、排電電圧低域濾波電圧差より排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに電力排電用MOSFETのソースと電力排電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものである。
請求項5の本発明の給排電型定電圧補償回路は、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給排電型定電圧補償回路であって、出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、出力端に接続される第2の給電電力端と、第1の給電電力端と第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに第1の給電電力端と第2の給電電力端との間に電流を流すように給電電力制御素子の給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、グランド端に接続される第1の排電電力端と、出力端に接続される第2の排電電力端と、第1の排電電力端と第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに第1の排電電力端と第2の排電電力端との間に電流を流すように排電電力制御素子の排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、を備えてなり、給排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器および排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものである。
請求項6の本発明の給排電型定電圧補償回路は、請求項5に記載の給排電型定電圧補償回路において、給電電力制御素子は、第1の給電電力端であるソースと、第2の給電電力端であるドレインと、給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、給電電力素子制御手段は、給電電力制御用MOSFETと、給電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力給電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力給電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される給電電圧低域濾波器と、を有してなり、給電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、給電電力制御用MOSFETのゲートに給電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、給電電圧低域濾波電圧差より給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに電力給電用MOSFETのソースと電力給電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものであり、排電電力制御素子は、第1の排電電力端であるソースと、第2の排電電力端であるドレインと、排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、排電電力素子制御手段は、排電電力制御用MOSFETと、排電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力排電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力排電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される排電電圧低域濾波器と、を有してなり、排電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記排電電力制御用MOSFETのゲートに排電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、排電電圧低域濾波電圧差より排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに電力排電用MOSFETのソースと電力排電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものである。
請求項7の本発明の安定化電源は、請求項1もしくは請求項2記載の給電型定電圧補償回路、または請求項3もしくは請求項4記載の排電型定電圧補償回路、または請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路の少なくとも一つを有するものである。
請求項8の本発明の安定化電源は、請求項1または請求項2記載の給電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、給電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、を有するものである。
請求項9の本発明の安定化電源は、請求項3または請求項4記載の排電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、排電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、を有するものである。
請求項10の本発明の安定化電源は、請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、給排電型定電圧補償回路が給電動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、給排電型定電圧補償回路が排電動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、を有するものである。
請求項1の本発明の給電型定電圧補償回路では、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給電型定電圧補償回路であって、出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、出力端に接続される第2の給電電力端と、第1の給電電力端と第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに第1の給電電力端と第2の給電電力端との間に電流を流すように給電電力制御素子の給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、を備えてなり、給電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものであるので、負荷に供給する電力が急激に増加する場合においても、給電型定電圧補償回路から負荷に電力供給をして出力端における電圧降下を回復し、負荷に略一定電圧の電力を供給可能とできる。また、給電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされているので、給電型定電圧補償回路の動作開始電圧を特別に設定することなく、出力端電圧差が給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに自動的に給電型定電圧補償回路を働かせることができる。
請求項2の本発明の給電型定電圧補償回路では、請求項1に記載の給電型定電圧補償回路において、給電電力制御素子は、第1の給電電力端であるソースと、第2の給電電力端であるドレインと、給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、給電電力素子制御手段は、給電電力制御用MOSFETと、給電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力給電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力給電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される給電電圧低域濾波器と、を有してなり、給電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、給電電力制御用MOSFETのゲートに給電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、給電電圧低域濾波電圧差より給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに電力給電用MOSFETのソースと電力給電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものであるので、給電電力制御素子としてMOSFETを用いることにより、電力損失が少ない高速の給電型定電圧補償回路とすることができ、また、電力給電用MOSFETと給電電力制御用MOSFETの2個のMOSFETを備えることにより、給電電力制御素子に要求される条件と給電電力素子制御手段に要求される条件の最適化を同時に図ることができる。
請求項3の本発明の排電型定電圧補償回路は、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く排電型定電圧補償回路であって、グランド端に接続される第1の排電電力端と、出力端に接続される第2の排電電力端と、第1の排電電力端と第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに第1の排電電力端と第2の排電電力端との間に電流を流すように排電電力制御素子の排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、を備えてなり、排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものであるので、負荷に供給する電力が急激に減少する場合においても、出力端から排電型定電圧補償回路により電力を排出して、出力端における電圧上昇を抑え、負荷に略一定電圧の電力を供給可能とできる。
また、排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされているので、排電型定電圧補償回路の動作開始電圧を特別に設定することなく、出力端電圧差が排電電圧低域濾波電圧差より小さいときに自動的に排電型定電圧補償回路を働かせることができる。
請求項4の本発明の排電型定電圧補償回路は、請求項3に記載の排電型定電圧補償回路において、排電電力制御素子は、第1の排電電力端であるソースと、第2の排電電力端であるドレインと、排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、排電電力素子制御手段は、排電電力制御用MOSFETと、排電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力排電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力排電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される排電電圧低域濾波器と、を有してなり、排電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、排電電力制御用MOSFETのゲートに排電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、排電電圧低域濾波電圧差より排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに電力排電用MOSFETのソースと電力排電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものであるので、排電電力制御素子としてMOSFETを用いることにより、電力損失が少ない高速の排電型定電圧補償回路とすることができ、また、電力排電用MOSFETと排電電力制御用MOSFETの2個のMOSFETを備えることにより、排電電力制御素子に要求される条件と排電電力素子制御手段に要求される条件の最適化を同時に図ることができる。
請求項5の本発明の給排電型定電圧補償回路は、出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給排電型定電圧補償回路であって、出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、出力端に接続される第2の給電電力端と、第1の給電電力端と第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに第1の給電電力端と第2の給電電力端との間に電流を流すように給電電力制御素子の給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、グランド端に接続される第1の排電電力端と、出力端に接続される第2の排電電力端と、第1の排電電力端と第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、出力端の電圧とグランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに第1の排電電力端と第2の排電電力端との間に電流を流すように排電電力制御素子の排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、を備えてなり、給排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、定電圧回路の応答速度より速くなされ、給電電圧低域濾波器および排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされていることを特徴とするものであるので、負荷に供給する電力が急激に増加する場合においては、給排電型定電圧補償回路から負荷に電力供給をし、負荷に供給する電力が急激に減少する場合においては、出力端から給排電型定電圧補償回路に電力を排電するので、負荷に略一定電圧の電力を供給可能とでき、また、給電電圧低域濾波器および排電電圧低域濾波器の応答速度が定電圧回路の応答速度より遅くなされているので、給排電型定電圧補償回路の動作開始電圧を特別に設定することなく、出力端電圧差が給電電圧低域濾波電圧差より小さいとき、および、出力端電圧差が排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに自動的に給排電型定電圧補償回路を働かせることができる。
請求項6の本発明の給排電型定電圧補償回路は、請求項5に記載の給排電型定電圧補償回路において、給電電力制御素子は、第1の給電電力端であるソースと、第2の給電電力端であるドレインと、給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、給電電力素子制御手段は、給電電力制御用MOSFETと、給電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力給電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力給電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される給電電圧低域濾波器と、を有してなり、給電電力制御用MOSFETのソースに出力端電圧差を付与し、給電電力制御用MOSFETのゲートに給電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、給電電圧低域濾波電圧差より給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに電力給電用MOSFETのソースと電力給電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものであり、排電電力制御素子は、第1の排電電力端であるソースと、第2の排電電力端であるドレインと、排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、排電電力素子制御手段は、排電電力制御用MOSFETと、排電電力制御用MOSFETのドレインおよび電力排電用MOSFETのゲートに一端を接続され、電力排電用MOSFETのソースに他端を接続される負荷抵抗と、排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される排電電圧低域濾波器と、を有してなり、排電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記排電電力制御用MOSFETのゲートに排電電圧低域濾波電圧差を付与して、出力端電圧差が、排電電圧低域濾波電圧差より排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに電力排電用MOSFETのソースと電力排電用MOSFETのドレインとの間に電流を流すものであるので、給電電力制御素子および排電電力制御素子としてMOSFETを用いることにより、電力損失が少ない高速の給排電型定電圧補償回路とすることができ、また、電力給電用MOSFETと電力排電用MOSFET並びに給電電力制御用MOSFETおよび排電電力制御用MOSFEを備えることにより、給電電力制御素子および排電電力制御素子に要求される条件と給電電力素子制御手段および排電電力素子制御手段に要求される条件の最適化とを同時に図ることができる。
請求項7の本発明の安定化電源は、請求項1もしくは請求項2記載の給電型定電圧補償回路、または請求項3もしくは請求項4記載の排電型定電圧補償回路、または請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路の少なくとも一つを有するものであるので、負荷の急激な変化が生じるときには、給電型定電圧補償回路、排電型定電圧補償回路または給排電型定電圧補償回路の少なくとも一つが負荷の急激な変化を吸収するように働き、出力端の電圧を一定の値に保持できる安定化電源の提供が可能となる。
請求項8の本発明の安定化電源は、請求項1または請求項2記載の給電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、給電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、を有するものであるので、給電型定電圧補償回路からの電力供給と、パルス幅のONデューティを所定の値に確保したパルス幅制御方式定電圧回路からの電力供給が同時に行われ、給電型定電圧補償回路の動作時間を短くして、給電型定電圧補償回路での電力損失を減少させ、給電型定電圧補償回路の小型化ができるので、安定化電源を小型化することができる。
請求項9の本発明の安定化電源は、請求項3または請求項4記載の排電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、排電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、を有するものであるので、出力端から排電型定電圧補償回路への電力の排出が開始されると、パルス幅制御方式定電圧回路からの電力供給が制限され、排電型定電圧補償回路の動作時間を短くして、排電型定電圧補償回路での電力損失を減少させ、排電型定電圧補償回路の小型化ができるので、安定化電源を小型化することができる。
請求項10の本発明の安定化電源は、請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路と、パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路は、給排電型定電圧補償回路が給電動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、給排電型定電圧補償回路が排電動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、を有するものであるので、給排電型定電圧補償回路が給電動作をしているときもパルス幅のONデューティを所定の値に拡張したパルス幅制御方式定電圧回路からの電力供給が同時に行われ、排電型定電圧補償回路が排電動作をしているときはパルス幅のONデューティを所定の値に制限したパルス幅制御方式定電圧回路からの電力供給が制限されるので、給排電型定電圧補償回路の動作時間を短くして、給排電型定電圧補償回路での電力損失を減少させ、給排電型定電圧補償回路の小型化ができ、更に、安定化電源を小型化することができる。
1)第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態の安定化電源を図1のブロック図に沿って説明する。第1の実施の形態の安定化電源100は、入力端13と出力端12とを有する定電圧回路10、および、定電圧回路10の出力端12に少なくとも接続される給電型定電圧補償回路19を有してなるものであり、安定化電源100の出力端12とグランド(Ground:接地)端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には直流電源8が接続され、直流電源8の極性は、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものであり、また、出力端12の極性も、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。
本発明の第1の実施の形態の安定化電源を図1のブロック図に沿って説明する。第1の実施の形態の安定化電源100は、入力端13と出力端12とを有する定電圧回路10、および、定電圧回路10の出力端12に少なくとも接続される給電型定電圧補償回路19を有してなるものであり、安定化電源100の出力端12とグランド(Ground:接地)端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には直流電源8が接続され、直流電源8の極性は、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものであり、また、出力端12の極性も、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。
また、定電圧回路10は、図17に示すスイッチング周波数が100kHz程度である従来のDC/DCコンバータであっても、あるいは、広く用いられているシリーズドロップ方式の応答速度の遅い定電圧回路であっても良いものである。
ここで、定電圧回路10の応答速度が制限される理由は、定電圧回路10はフィードバック制御系により構成されており、制御系に用いられる構成部品の周波数応答との関係で、サーボ帯域に制限があるので、高速応答が望めないことによるものである。更に、定電圧回路10がスイッチング方式の電源である場合には、例えば、スイッチング周波数が100kHzであれば、10μSec毎にしか制御が行えないので、この点からも応答速度は制限されるものである。
以下において、「電圧差」という用語を用いるが、「出力端電圧差」の定義は、出力端12の電圧とグランド端14の電圧がどれだけ異なるかをいうものであって、出力端12の電圧である出力端電圧Eoutが正極性の場合、負極性の場合に関わらず、その電圧の差、すなわち、正の値である絶対値をいうものであり、出力端電圧差|Eout|と表記をする。また、「給電端濾波電圧差」の定義は、後述する低域濾波器の出力電圧とグランド端14の電圧がどれだけ異なるかをいうものであって、低域濾波器の出力電圧が正の場合、負の場合に関わらず、その電圧の差、すなわち、正の値である絶対値をいうものであり、給電端濾波電圧差|Ekl|と表記するものであり、電圧差の用語には、基準となる電圧からの各部における電圧が正となる正極性の場合、負となる負極性の場合の両方が含まれるものである。
給電型定電圧補償回路19は、給電電力制御素子20を有しており、給電電力制御素子は入力端13に接続される第1の給電電力端23と出力端12に接続される第2の給電電力端24と第1の給電電力端23と第2の給電電力端24との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端25とを備えている。
更に、給電型定電圧補償回路19は、給電電力制御素子20の給電電力制御端25を制御する給電電力素子制御手段22を有しており、給電電力素子制御手段22は出力端電圧差|Eout|が、出力端電圧Eoutを図示しない低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端14の電圧との電圧差である給電端濾波電圧差|Ekl|より小さいときに第1の給電電力端23と第2の給電電力端24との間に電流を流すように給電電力制御素子20の給電電力制御端25を制御するものであり、給電型定電圧補償回路19の応答は、定電圧回路10の応答速度より速くなるようになされ、給電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるようになされていることを特徴とするものである。
ここで、給電型定電圧補償回路19の応答速度が速く設定できる理由は、給電型定電圧補償回路19は直接に負荷7に電流を供給するものであり、更に、給電型定電圧補償回路19は常時動作をするのではなく、短時間しか動作しないために定常的に大電力を供給する大電力特性が要求されず、単位時間当たりの電流変化率である電流スルーレイト特性が良好である高速の電力素子が使用可能だからである。
また、給電型定電圧補償回路19の第2の給電電力端24を負荷7の電源端子の近傍に接続することによって、配線が有する図示しない漏れインダクタンスの影響によるスルーレイトの悪化を少なくでき、より効果的であり、更に、給電型定電圧補償回路19への電力を、電源8より電圧の高い図示しない別電源から供給すれば第1の給電電力端23と給電型定電圧補償回路19の入力電源との間に介在する漏れインダクタンスによる電圧降下の悪影響を軽減でき、電源8よりも供給電圧の低い図示しない電源より給電型定電圧補償回路19に電力を供給すれば、給電型定電圧補償回路19における電力損失を軽減できるものであるので、給電型定電圧補償回路19の入力電源と定電圧回路の入力電源が必ずしも同一のものである必要はないものである。
(1) 第1の実施例
出力端電圧Eoutが、正極性である場合と、負極性である場合との両方を実施の形態は含むものであるが、まず、図2に沿って正極性の場合の第1の実施例の説明をする。図2に示す第1の実施例の安定化電源300においては、定電圧回路310は、パルス幅制御方式定電圧回路であり、正極性の電源308に定電圧回路310の入力端313が接続され、定電圧回路310の出力端312には正極性の一定の電圧を発生させている。給電型定電圧補償回路319は、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFET320を用いており、第1の給電電力端であるPチャンネルMOSFET320のソース323は入力端313に接続され、第2の給電電力端であるPチャンネルMOSFET320のドレイン324は出力端312に接続され、給電電力制御端であるPチャンネルMOSFET320のゲート325を備え、給電電力素子制御手段322として、ドレイン335、ソース337、ゲート336を有する給電電力制御用MOSFETであるNチャンネルMOSFET330と、NチャンネルMOSFET330のドレイン335およびPチャンネルMOSFET320のゲート325に一端を接続され、PチャンネルMOSFET320のソース323に他の端を接続される負荷抵抗332と、低域濾波器を構成する濾波器用抵抗333および濾波器用コンデンサ334とで構成される給電電圧低域濾波器とを備えている。出力端312には負荷307が接続され電力が供給されている。
出力端電圧Eoutが、正極性である場合と、負極性である場合との両方を実施の形態は含むものであるが、まず、図2に沿って正極性の場合の第1の実施例の説明をする。図2に示す第1の実施例の安定化電源300においては、定電圧回路310は、パルス幅制御方式定電圧回路であり、正極性の電源308に定電圧回路310の入力端313が接続され、定電圧回路310の出力端312には正極性の一定の電圧を発生させている。給電型定電圧補償回路319は、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFET320を用いており、第1の給電電力端であるPチャンネルMOSFET320のソース323は入力端313に接続され、第2の給電電力端であるPチャンネルMOSFET320のドレイン324は出力端312に接続され、給電電力制御端であるPチャンネルMOSFET320のゲート325を備え、給電電力素子制御手段322として、ドレイン335、ソース337、ゲート336を有する給電電力制御用MOSFETであるNチャンネルMOSFET330と、NチャンネルMOSFET330のドレイン335およびPチャンネルMOSFET320のゲート325に一端を接続され、PチャンネルMOSFET320のソース323に他の端を接続される負荷抵抗332と、低域濾波器を構成する濾波器用抵抗333および濾波器用コンデンサ334とで構成される給電電圧低域濾波器とを備えている。出力端312には負荷307が接続され電力が供給されている。
なお、上述のように第1の実施例では、出力端312の電圧は正電圧であるので、出力端電圧Eoutと出力端電圧差|Eout|とは等しく、給電端濾波電圧Eklと給電端濾波電圧差|Ekl|とは等しくなるものである。また、以下において、ゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|という用語を用いるが、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)は、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間に加わる電圧であってドレイン・ソース間に電流が流れ始める電圧であり、ゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|は、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の絶対値を示すものであり、第1の実施例では、NチャンネルMOSFET330としてエンハンスメント型MOSFETを用いるので、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)とゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|とは等しくなるものである。
NチャンネルMOSFET330のソース337は出力端312に接続されて出力端電圧Eoutが与えられ、NチャンネルMOSFET330のゲート336は、グランド端314に他の一端を接続される濾波器用コンデンサ334と、出力端312に他の一端を接続される濾波器用抵抗333との接続点に接続されて出力端の電圧Eoutを低域濾波した信号である給電端濾波電圧Eklが与えられ、出力端電圧Eoutが給電端濾波電圧EklよりNチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)以上小さいときにNチャンネルMOSFET330のドレイン335に電流を流して負荷抵抗332に電圧を発生させて、PチャンネルMOSFET320のソース323とPチャンネルMOSFET320のドレイン324との間に電流を流す様に、負荷抵抗332に接続にされるPチャンネルMOSFET320のゲートを制御するものである。なお、出力端電圧Eoutが正であるので電流は、ソース323からドレイン324へ向かうものである。
ここにおいて、PチャンネルMOSFET320は、ゲート・ソース間電圧Vgsが負である場合にのみソースからドレインに電流が流れるエンハンスメント特性を有しており、一方、NチャンネルMOSFET330は、ゲート・ソース間電圧Vgsが正である場合にのみドレインからソースに電流が流れるエンハンスメント特性を有している。
NチャンネルMOSFET330は、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)、すなわち、ドレイン電流が流れ始めるソースを基準とするゲート電圧の値、が0Vに近い程、給電型定電圧補償回路319が速やかに作動するので、出力端312における電圧降下の量を少なくすることができるものである。従って、多種類のNチャンネルMOSFETの中から、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)が0.05V(ボルト)程度のものを選択し、また、トランスコンダクタンスも大きい方がゲート・ソース間電圧Vgsの変化に対するドレイン電流の変化量が大きいので制御ゲインも大きくなり望ましいものであり、トランスコンダクタンスを等価的に大きくするためにNチャンネルMOSFETを並列に複数個使用しても良いものである。また、負荷抵抗332については、負荷抵抗332の値が大きい程、負荷抵抗332における消費電力は小さく制御ゲインが大きくなる反面、PチャンネルMOSFET320のゲートとソース間に存在する容量に蓄積される電荷の放電を行う作用が弱くなり、PチャンネルMOSFET320のソースとドレイン間の電流のOFF(切断)速度が遅くなるので、OFF速度の点から適切な値を選択するべきものである。
給電電力制御素子であるP チャンネルMOSFETの選択においては、電力素子としての条件、例えば、スイッチング速度、流し得る最大許容電流値、ドレイン・ソース間ON抵抗の値、許容電力損失等に制限が課せられ、給電電力制御用MOSFETであるNチャンネルMOSFET330には制御素子としての条件、例えば、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の値、トランスコンダクタンスの値等の要求が課せられるが、ここでは、電力給電用MOSFETと給電電力制御用MOSFETとについて、各々の用途に適合するMOSFETを選択して、給電型定電圧補償回路319の動作の最適化を図ることができるものである。
給電型定電圧補償回路319の作用を説明する。濾波器用抵抗333と濾波器用コンデンサ334とで低域濾波器を構成し、この給電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路310の応答速度より遅くなるように設定されており、給電型定電圧補償回路319の応答速度は定電圧回路310の応答速度より速く設定されている。ここで、給電電圧低域濾波器の応答速度は、[式1]で示されるように、濾波器用コンデンサ334の容量値C334と濾波器用抵抗333の値R333とで定まる時定数の大きさに依存するので任意に定め得るものである。すなわち、時定数τ1が大きいと、濾波器用コンデンサ334の両端の電圧変化は、出力端電圧Eoutが変動しても直ぐには反応しないゆっくりしたものとなる。
τ1=(C334×R333) …[式1]
τ1=(C334×R333) …[式1]
出力端312とNチャンネルMOSFET330のソース337とは直接に接続されているので、出力端電圧EoutがNチャンネルMOSFET330のソース337に付与され、一方、出力端電圧Eoutが直接に濾波器用抵抗333と濾波器用コンデンサ334で構成される給電電圧低域濾波器で濾波されて、給電端濾波電圧EklとしてNチャンネルMOSFET330のゲート336に付与されるので、このとき、[式2]に示す関係式、すなわち、出力端電圧差|Eout|が給電端濾波電圧差|Ekl|よりNチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|以上に小さいことが成立すれば、NチャンネルMOSFET330の性質に基づきNチャンネルMOSFET330のドレイン335に電流が流れる。ここで、[式2]における|Vgs(th)|は、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧差である。
|Eout|<|Ekl|−|Vgs(th)| …[式2]
|Eout|<|Ekl|−|Vgs(th)| …[式2]
NチャンネルMOSFET330のドレインに電流が流れれば、負荷抵抗332の両端に電圧が生じ、負荷抵抗332の両端にはPチャンネルMOSFET320のゲート325およびソース323が接続されており、負荷抵抗332の両端の電圧がPチャンネルMOSFET320のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の値を超えれば、PチャンネルMOSFET320のソース323からドレイン324に電流Ihが流れて負荷307に供給される。このとき、NチャンネルMOSFET330のトランスコンダクタンスが大きいと、PチャンネルMOSFET320のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の特性にはあまり影響されずに、ほとんど、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の特性のみにより、PチャンネルMOSFET320の電流が制御されるので、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)をどのように選択するかにより、給電型定電圧補償回路319の動作が開始する電圧を定めることができる。
給電型定電圧補償回路319と定電圧回路310と給電型定電圧補償回路319に用いられる低域濾波器の応答特性が、作用に密接に関係しているので、この点について、更に詳細に説明する。負荷要求電流Irがステップ状に急増する場合の単位時間当たりの電流増加量である電流スルーレイトは、負荷307が大規模集積回路である場合には、100A/μSecにも達する。このような、大きな電流スルーレイトが発生するのは、例えば、大規模集積回路の特定の回路部の動作開始、大規模集積回路を多数マウントした基板を活電状態で挿入する等を行う場合である。
定電圧回路310は、スイッチングレギュレータ方式の安定化電源であり、その応答特性の実測した時定数は120μSec(マイクロ秒)程度であり、このような100A/μSecに達する大きな電流スルーレイトを有する負荷変動には対処できない。
一方、図2に示す給電型定電圧補償回路319の応答特性について説明すると、給電型定電圧補償回路319の応答を制限するものは、給電電力制御素子320および制御素子330のスピード並びに給電型定電圧補償回路319と直列に存在する配線が有する、望まざる漏れインダクタンスであるので、給電電力制御素子320および制御素子330のスピードが速く、漏れインダクタンスの量が小さい場合には、給電型定電圧補償回路319の応答速度は、100A/μSecに達する大きな電流スルーレイトに追従するように十分に速くすることができる。
一方、図2に示す給電型定電圧補償回路319の応答特性について説明すると、給電型定電圧補償回路319の応答を制限するものは、給電電力制御素子320および制御素子330のスピード並びに給電型定電圧補償回路319と直列に存在する配線が有する、望まざる漏れインダクタンスであるので、給電電力制御素子320および制御素子330のスピードが速く、漏れインダクタンスの量が小さい場合には、給電型定電圧補償回路319の応答速度は、100A/μSecに達する大きな電流スルーレイトに追従するように十分に速くすることができる。
低域濾波器の特性に関しては、濾波器用抵抗333および濾波器用コンデンサ334とからなる低域濾波器のカットオフ周波数の逆数に比例する値である、[式1]で示す時定数が大きいほど、給電端濾波電圧Eklをホールドする能力が高くなるが、安定化電源100の電圧立ち上げ時においては、負荷307に電力を供給するために定電圧回路310を立ちあげてから給電型定電圧補償回路319が応答するまでの時間が長くなるので、必要な限度で時定数を大きくするのが望ましく、例えば、定電圧回路310の応答速度の10倍から10000倍程度応答が遅い事が望ましいものである。しかしながら、少なくとも定電圧回路310より応答が遅ければ、発明の効果はその応答速度差に応じて生じるものである。このように、定常状態における出力端312の出力端電圧Eoutを低域濾波した給電端濾波電圧Eklは、給電型定電圧補償回路319の動作開始の基準の電圧となるので、特別に基準の電圧発生器を備える必要もないものであり、給電端濾波電圧Eklを基準電圧として給電型定電圧補償回路319は動作するので、設定電圧のバラツクが生じる定電圧回路310と給電型定電圧補償回路319と組み合わせた場合でも、設定電圧のバラツキの影響も受けず、給電型定電圧補償回路319を動作させることができるものである。
次に第1の実施例における安定化電源300の作用を実測データに基づき説明する。図3は、時間tを横軸にとって安定化電源300の各部の信号波形を示すものであり、図3(A)は負荷307の両端の電圧が一定に保たれる場合に負荷7に流れるであろう、負荷が要求する負荷要求電流Irを示し、図3(B)は定電圧回路310から負荷7に実際に流れる電流Itを示し、図3(C)は出力端電圧Eoutを示し、図3(D)は給電端濾波電圧Eklを示し、図3(E)は出力端電圧Eoutと給電端濾波電圧Eklとの差すなわち、NチャンネルMOSFET330のゲート336とソース337との間の電圧を示し、図3(F)は給電型定電圧補償回路319から負荷307に流れる電流Ihを示し、図3(G)は安定化電源300から負荷307に実際に流れる出力電流Ioutを示す。ここで、出力端電圧Eoutが正極性であるので、負荷要求電流Ir、定電圧回路310から負荷307に流れる電流It、給電型定電圧補償回路319から負荷307に流れる電流Ih、安定化電源100から負荷307に流れる出力電流Iout、の各々の向きは、グランド端314へ向かって流れるものである。
時刻t1から時刻t2まで間における安定化電源300の作用を各部の波形を引用して説明する。図3(A)に示すように、時刻t1において負荷要求電流Irは、ステップ状に増加するので、図3(B)に示すように、定電圧回路310の応答は、ステップ状の変化に直ちに追従できず、定電圧回路310からの電流Itは段々と増加し続ける。図3(C)に示すように、出力端電圧Eoutは、負荷307が要求する要求負荷電流Irの量を供給できないために時刻t1の時点から急激に小さくなるが、従来のように電圧は大きく落ち込むことなく、給電型定電圧補償回路319の作用により、僅かにゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)に応じた電圧だけ落ち込み、図3(D)に示すように、低域濾波器の応答は定電圧回路の応答速度より遅くなるように設定されているので、給電端濾波電圧Eklは略一定の値を維持し、図3(E)に示すように、出力端電圧Eoutと給電端濾波電圧Eklとの電圧であるゲート・ソース間電圧Vgsが発生して、この大きさは、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を超過するので、図3(F)に示すように、給電型定電圧補償回路319から負荷307に電流Ihが流れ、図3(G)に示すように、電流Ihと電流Itの合成電流が出力電流Ioutとして流れ、この出力電流Ioutの大きさは、略負荷要求電流Irに追従するように流れる。
次に、時刻t2における安定化電源の作用を各部の波形を引用して説明する。図3(A)に示すように、時刻t2においても負荷要求電流Irは同じ値を保ち続けて変化しないが、図3(B)に示すように、定電圧回路310の応答は負荷要求電流Irの変化に略追従し、定電圧310からの電流Itの大きさは略負荷要求電流Irの大きさに達し、図3(C)に示すように、負荷要求電流Irと出力電流Ioutとの差が少なくなってきて、出力端電圧Eoutは定常状態に向かって回復し、図3(D)に示すように、低域濾波器の応答は定電圧回路の応答速度より遅くなるように設定されているので、給電端濾波電圧Eklは略一定の値を維持し、図3(E)に示すように、出力端電圧Eoutと給電端濾波電圧Eklとの電圧差 であるゲート・ソース間電圧Vgsはゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を超過することは無く、図3(F)に示すように、給電型定電圧補償回路319から負荷307に流れる電流Ihの大きさは零となり、図3(G)に示すように、定電圧回路310からの電流Itのみで出力電流Ioutが維持される。
以上の説明においては、定電圧回路310からの出力電圧の波形が完全なDC波形であるとして説明をして来た、しかしながら、DC/DCコンバータを定電圧回路310に用いる場合には、現実の定電圧回路310からの電圧波形は、理想的なDC波形ではなく、リップルを含んでいる。リップルとは、スイッチングの周期で生じるものであり、平滑コンデンサの等価直列インダクタンス(E.S.L)の作用により、平滑コンデンサの容量の値を大きくしても低減が困難で、定電圧回路310の出力端312に出力されるDC電圧に重畳する山谷を有する周期的な電圧波形である。リップルが存在する場合において、リップルの最も低い点の出力端電圧Eoutの値であるボトム値ebが、給電型定電圧補償回路319が動作を開始する電圧である、給電端濾波電圧Eklからゲート・ソース間閾値電圧ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を引いた値よりも低下する場合には、給電型定電圧補償回路319は動作を開始してリップルの量を圧縮する効果も生じる。
第1の実施例は、電力制御手段に用いるNチャンネルMOSFET330のトランスコンダクタンスを大きいものに選んで、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値Vgs(th)の値に依存して給電型定電圧補償回路319の動作開始電圧を定めるようにすることができ、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の小さなNチャンネルMOSFET330を選択することにより、負荷307に流れる出力電流Ioutが急激に変化した過渡状態における出力端電圧Eoutの急激な電圧低下の量をNチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の範囲にすることができるものである。
また、定電圧回路310が、DC/DCコンバータである場合のように、出力にリップル電圧が重畳している場合には、リップル低減作用においても効果を奏することができるものである。
また、NチャンネルMOSFET330の入力インピーダンスが高いので、濾波器用コンデンサ334の容量値を小さくでき、濾波器用コンデンサ334の小型化が図れる。NチャンネルMOSFET330の入力インピーダンスが高いので、更に、濾波器用抵抗333の抵抗値を大きくでき、そのために、濾波器用抵抗333に流れる電流の量が小さくなり、濾波器用抵抗333での電力損失は低減される。
同様に、負荷抵抗332に接続されるPチャンネルMOSFET320のゲートインピーダンスが高いので、負荷抵抗332の電力損失についても小さくすることができる。更に、NチャンネルMOSFET330が果たす機能とPチャンネルMOSFET320が果たす機能とが完全に分かれているので、各々の機能に応じた最適なデバイス設計により給電型定電圧補償回路319の最適化を図ることができ、IC化についても、MOSプロセスのみを用いるのでIC化が容易に可能となるものである。
なお、以上に述べた第1の実施例は、出力端電圧が正である場合を説明したが、電源308に替えて負の電圧を発生する電源を用い、出力端12の電圧Eoutがグランド端14に対して負である、定電圧回路を用いる場合においても同様に作用するものである。このときは、給電型定電圧補償回路は、給電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、PチャンネルMOSFETを用いれば、極性が異なるのみで第1の実施例と同様の原理で動作し、この場合、第1の実施例における出力端電圧Eout、給電端濾波電圧Eklのいずれの値も負の値となるが、[式2]が成立すれば、第1の実施例とまったく同様に作用するものである。この場合には、正極性における負荷要求電流Ir、定電圧回路310から負荷307に流れる電流It、給電型定電圧補償回路319から負荷307に流れる電流Ih、安定化電源300から負荷307に流れる出力電流Iout、の向きは、負極性においてはすべて逆方向となり、グランド端から流れだす方向となるものである。
第1の実施の形態は、第1の実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、正極性に対応する給電型定電圧補償回路の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のPNPトランジスタを用い、給電電力素子制御手段としてNPNトランジスタを用い、ドレインをコレクタに対応させ、ソースをエミッタに対応させ、ゲートをベースに対応させた接続にすれば第1の実施例と同様に作用するものであり、ドレインをコレクタに、ソースをエミッタに、ゲートをベースに、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)をベース・エミッタ間閾値電圧Vbe(th)に読み替えれば、第1の実施例と同様な作用の説明ができるものであり、更に、給電電力制御素子として電力用のPNPトランジスタを用い、給電電力素子制御手段として、NチャンネルMOSFETを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、NPNトランジスタを用いても良いものである。
また、負極性に対応する給電型定電圧補償回路の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のNPNトランジスタを用い、給電電力素子制御手段としてPNPトランジスタを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のNPNトランジスタを用い、給電電力素子制御手段として、PチャンネルMOSFETを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、PNPトランジスタを用いても良いものである。
更に、正極性、負極性を問わず、給電電力素子制御手段としてMOSFETまたはトランジスタを差動増幅器構成として、差動増幅器の一方の入力端に出力端電圧Eoutを付与し、他方の入力端に給電端濾波電圧Eklを付与するようにしても良いものであり、このような構成を採用すれば、出力端電圧差|Eout|が、給電端濾波電圧差|Ekl|より小さければ、第1の給電電力端と第2の給電電力端との間に電流を流すように給電電力制御端を制御するようにできるものであり、また、差動増幅器の一方の入力端に出力端電圧Eoutを付与し、他方の入力端に給電端濾波電圧Eklを抵抗で分圧して付与しても良く、このような構成を採用すれば、抵抗で分圧する分圧比を調整することにより出力端電圧差|Eout|と給電端濾波電圧差|Ekl|との差が任意の値以上であって、出力端電圧差の方が大きくなるときに給電型定電圧補償回路の動作を開始させることができる。
また、更に、正極性に対応する給電型定電圧補償回路の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFETを用い、そのドレインを第1の給電電力端として用い、そのソースを出力端に接続される第2の給電電力端として用い、給電電力制御端であるゲートに給電電圧低域濾波器を接続し、給電端濾波電圧Eklを付与する構成を採用しても良く、負極性に対応する給電型定電圧補償回路と同様の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFETを用い、そのドレインを第1の給電電力端として用い、そのソースを出力端に接続される第2の給電電力端として用い、給電電力制御端であるゲートに給電電圧低域濾波器を接続し、給電端濾波電圧Eklを付与する構成を採用しても良いものであり、このような構成を採用すれば回路素子の少ない簡便な給電型定電圧補償回路を提供することができるものである。
2)第2の実施の形態
第1の実施の形態の安定化電源においては、負荷電流が急激に増加する場合に出力端12の電圧の値を略定電圧とする作用を有するものの、負荷電流が急激に減少する場合に出力端電圧Eoutを略定電圧とする作用はなく、負荷電流が急激に減少する場合には負荷に印可される電圧の値は大きくなってしまう。すなわち、出力電流Ioutが急激に減少すると、定電圧回路10の応答は負荷変動の応答速度に追いつけないために、出力端電圧Eoutは、急激に上昇してしまうのである。
第1の実施の形態の安定化電源においては、負荷電流が急激に増加する場合に出力端12の電圧の値を略定電圧とする作用を有するものの、負荷電流が急激に減少する場合に出力端電圧Eoutを略定電圧とする作用はなく、負荷電流が急激に減少する場合には負荷に印可される電圧の値は大きくなってしまう。すなわち、出力電流Ioutが急激に減少すると、定電圧回路10の応答は負荷変動の応答速度に追いつけないために、出力端電圧Eoutは、急激に上昇してしまうのである。
そこで、図4に示す第2の実施の形態の安定化電源90は、このように負荷電流が急激に減少する場合に出力端電圧Eoutを略一定の電圧とする作用を有するものであり、第2の実施の形態の安定化電源を図4のブロック図に沿って説明する。なお、第2の実施の形態の説明において、第1の実施の形態の説明におけるものと同一の構成および作用を奏する部分については、同一の名称、または、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示す第2の実施の形態の安定化電源90は、入力端13と出力端12とを有する定電圧回路10、および、定電圧回路10の出力端に接続される排電型定電圧補償回路69を有してなるものであり、安定化電源90の出力端12とグランド端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には、直流電力を供給する直流電源8が接続され、グランド端14に対する入力端13および出力端12における電圧の極性が正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。ここで、電圧差の定義は第1の実施の形態におけるものと同様であり、また、定電圧回路10は第1の実施の形態におけるものと同様である。
排電型定電圧補償回路69は、排電電力制御素子70を有しており、排電電力制御素子70はグランド端14に接続される第1の排電電力端73と出力端12に接続される第2の排電電力端74と第1の排電電力端73と第2の排電電力端74との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端75とを備えてなり、更に、排電型定電圧補償回路69は、排電電力制御素子70の排電電力制御端75を制御する排電電力素子制御手段72を有しており、排電電力素子制御手段72は出力端電圧Eoutとグランド端14の電圧との電圧差である出力端電圧差|Eout|が、出力端電圧Eoutを図示しない低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端14の電圧からの電圧差である排電電圧低域濾波電圧差|Ehl|より大きいときに第1の排電電力端73と第2の排電電力端74との間に電流を流すように排電電力制御素子70の排電電力制御端75を制御するものであり、排電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるように設定され、排電型定電圧補償回路69の応答は、定電圧回路10の応答速度より速く設定され、排電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるようになされていることを特徴とするものである。
排電型定電圧補償回路69の応答速度が速く設定できる理由は、排電型定電圧補償回路69は応答を遅らせるインダクタンスを介せずに直接に負荷7から電流を排出するものであり、更に、排電型定電圧補償回路69は常時動作をするのではなく、短時間しか動作しないために定常的に大電力を供給する大電力特性が要求されず、単位時間当たりの電流変化率である電流スルーレイト特性が良好である高速の電力素子が使用可能だからである。
また、排電型定電圧補償回路69の第1の排電電力端73および第2の排電電力端74を負荷7の電源端子の近傍に接続することにより配線が有する漏れインダクタンスの影響によるスルーレイトの悪化を少なくでき、より効果的である。
(2) 第2の実施例
第2の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端314の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端314の電圧よりも低い負極性との両方について実施が可能であるが、まず、図5に沿って正極性の場合について以下に具体的な排電型定電圧補償回路の実施例を挙げて説明をする。第1の実施例と同一の構成および作用を奏する部分には同じ名称、または、同じ符号を付して、あるいは符号を付さずに説明を省略する。図5に示す第2の実施例の安定化電源350においては、排電型定電圧補償回路369は、排電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFET370を用いており、第2の排電電力端74であるNチャンネルMOSFET370のドレイン374は出力端312に接続され、第1の排電電力端73であるNチャンネルMOSFET370のソース373はグランド端314に接続され、排電電力制御端75であるNチャンネルMOSFET370のゲート375を備え、排電電力素子制御手段372として、ドレイン385、ソース387、ゲート386を有する排電電力制御用MOSFETであるPチャンネルMOSFET380と、PチャンネルMOSFET380のドレイン385およびNチャンネルMOSFET370のゲート375に一端を接続され、NチャンネルMOSFET370のソース373に他の端を接続される負荷抵抗382と、低域濾波器を構成する濾波器用抵抗383および濾波器用コンデンサ384とで構成される排電電圧低域濾波器を備えている。
第2の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端314の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端314の電圧よりも低い負極性との両方について実施が可能であるが、まず、図5に沿って正極性の場合について以下に具体的な排電型定電圧補償回路の実施例を挙げて説明をする。第1の実施例と同一の構成および作用を奏する部分には同じ名称、または、同じ符号を付して、あるいは符号を付さずに説明を省略する。図5に示す第2の実施例の安定化電源350においては、排電型定電圧補償回路369は、排電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFET370を用いており、第2の排電電力端74であるNチャンネルMOSFET370のドレイン374は出力端312に接続され、第1の排電電力端73であるNチャンネルMOSFET370のソース373はグランド端314に接続され、排電電力制御端75であるNチャンネルMOSFET370のゲート375を備え、排電電力素子制御手段372として、ドレイン385、ソース387、ゲート386を有する排電電力制御用MOSFETであるPチャンネルMOSFET380と、PチャンネルMOSFET380のドレイン385およびNチャンネルMOSFET370のゲート375に一端を接続され、NチャンネルMOSFET370のソース373に他の端を接続される負荷抵抗382と、低域濾波器を構成する濾波器用抵抗383および濾波器用コンデンサ384とで構成される排電電圧低域濾波器を備えている。
PチャンネルMOSFET380のソース387は出力端312に接続されて出力端電圧Eoutが与えられ、PチャンネルMOSFET380のゲート386は、グランド端314に他の一端を接続される濾波器用コンデンサ384と、出力端312に他の一端を接続される濾波器用抵抗383との接続点に接続されて濾波電圧に応じた排電電圧低域濾波電圧Ehlが与えられている。
ここにおいて、NチャンネルMOSFET370は、ゲート・ソース間電圧Vgsが正である場合にのみドレインからソースに電流が流れるエンハンスメント特性を有しており、一方、PチャンネルMOSFET380は、ゲート・ソース間電圧Vgsが負である場合にのみソースからドレインに電流が流れるエンハンスメント特性を有している。PチャンネルMOSFET380は、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)、すなわち、ドレイン電流が流れ始めるソースを基準とするゲート電圧の値が0Vに近い程、定電圧回路310 の出力端312における電圧上昇の量を少なくすることができるので、多種類のPチャンネルMOSFETの中からゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の値が0Vに近いものを選択することが望ましく、ここではゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)が−0.05V(ボルト)程度のものであり、また、トランスコンダクタンスも大きい方がゲート・ソース間電圧Vgsの変化に対するドレイン電流の変化量が大きいので制御ゲインも大きくなり望ましいものであり、トランスコンダクタンスを等価的に大きくするためにPチャンネルMOSFETを並列に複数個使用しても良いものであり、また、負荷抵抗382については、負荷抵抗382の値が大きい程、負荷抵抗382における消費電力は小さく制御ゲインが大きくなる反面、NチャンネルMOSFET370のゲートとソース間に存在する容量に蓄積される電荷の放電を行う作用が弱くなり、NチャンネルMOSFET370のソースとドレイン間の電流のOFF(切断)速度が遅くなるので、OFF(切断)速度の点から適切な値を選択するべきものである。
給電電力制御素子であるN チャンネルMOSFET370の選択においては、電力素子としての条件、例えば、スイッチング速度、流し得る最大許容電流値、ドレイン・ソース間ON抵抗の値、許容電力損失等の要求が課せられ、給電電力制御用MOSFETであるPチャンネルMOSFET380には制御素子としての条件、例えば、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の値、トランスコンダクタンスの値等の要求が課せられる。
ここでは、電力給電用MOSFETと排電電力制御用MOSFETとについて、各々の用途に適合するMOSFETを選択して、排電型定電圧補償回路369の動作の最適化を図ることができるものである。
排電型定電圧補償回路369の作用を説明する。濾波器用抵抗383と濾波器用コンデンサ384とで低域濾波器を構成し、この排電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路310の応答速度より遅くなるように設定されており、排電型定電圧補償回路369の応答速度は定電圧回路10の応答速度より速く設定されている。ここで、給電電圧低域濾波器の応答速度は、[式3]で示されるように、濾波器用コンデンサ384の容量値C384と濾波器用抵抗383の値R383とで定まる時定数の大きさに依存するので任意に定め得るものである。
τ2=(C384×R383) …[式3]
τ2=(C384×R383) …[式3]
出力端12とPチャンネルMOSFET380のソース387とは直接に接続されているので、出力端電圧EoutがPチャンネルMOSFET380のソース387に付与され、一方、出力端電圧Eoutが直接に濾波器用抵抗383と濾波器用コンデンサ384で構成される排電電圧低域濾波器で濾波されて、排電端濾波電圧EhlとしてPチャンネルMOSFET380のゲート386に付与されるので、このとき、[式4]に示す関係式、すなわち、出力端電圧差|Eout|が、排電電圧低域濾波電圧差|Ehl|にPチャンネルMOSFET380のゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|以上であることが成立すれば、PチャンネルMOSFET380のドレイン385に電流が流れる。ここで、ゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|は、PチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間電圧の絶対値である。
|Eout|>|Ehl|+|Vgs(th)| …[式4]
|Eout|>|Ehl|+|Vgs(th)| …[式4]
PチャンネルMOSFET380のドレインに電流が流れれば、負荷抵抗382の両端に電圧が生じ、負荷抵抗382の両端にはNチャンネルMOSFET370のゲート375およびソース373が接続されており、負荷抵抗332の両端の電圧がNチャンネルMOSFET370のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の値を超えれば、NチャンネルMOSFET370のドレイン374からソース373に電流Ihが流れて出力端312から電流が排出される。このとき、PチャンネルMOSFET380のトランスコンダクタンスが大きいと、NチャンネルMOSFET370のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の特性にはあまり影響されずに、ほとんど、NチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の特性のみにより、NチャンネルMOSFET370の電流が制御されるので、PチャンネルMOSFET380のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)をどのように選択するかにより、排電型定電圧補償回路369の動作が開始する電圧を定めることができる。
排電型定電圧補償回路369に用いられる低域濾波器の応答特性は例えば、定電圧回路310の応答速度の10倍から10000倍程度応答が遅い事が望ましいものであるが、少なくとも定電圧回路310より応答が遅ければ、発明の効果はその応答速度差に応じて生じるものである。このように、定常状態における出力端12の出力端電圧Eoutを低域濾波した排電端濾波電圧Ehlは、排電型定電圧補償回路369の動作開始の基準の電圧となるので、特別に基準の電圧発生器を備える必要もないものである。
このように、排電端濾波電圧Ehlを基準電圧として排電型定電圧補償回路369は動作するので、設定電圧のバラツキが生じる定電圧回路310と、排電型定電圧補償回路369と組み合わせた場合でも、設定電圧のバラツキの影響も受けず、排電型定電圧補償回路369を動作させることができるものである。
次に第2の実施例における安定化電源350の作用を説明する。図6は、時間tを横軸にとって安定化電源350の各部の信号波形を示すものであり、図6(A)は負荷307の両端の電圧が一定に保たれる場合に負荷307に流れるであろう、負荷が要求する負荷要求電流Irを示し、図6(B)は定電圧回路310から負荷307に実際に流れる電流Itを示し、図6(C)は出力端電圧Eoutを示し、図6(D)は排電端濾波電圧Ehlを示し、図6(E)は出力端電圧Eoutと排電端濾波電圧Ehlとの差すなわち、PチャンネルMOSFET380のゲート386とソース387との間の電圧を示し、図6(F)は出力端312から排電型定電圧補償回路369に流れる電流Ihを示し、図6(G)は安定化電源350から負荷307に実際に流れる出力電流Ioutを示す。ここで、出力端電圧Eoutが正極性であるので、負荷要求電流Ir、定電圧回路310から負荷307に流れる電流It、出力端312から排電型定電圧補償回路369に流れる電流Ih、安定化電源100から負荷307に流れる出力電流Iout、の各々の向きは、グランド端314の向きに流れるものである。
時刻t1から時刻t2まで間における安定化電源350の作用を各部の波形を引用して説明する。図6(A)に示すように、時刻t1において負荷要求電流Irは、ステップ状に増加するので、図6(B)に示すように、定電圧回路310の応答は、ステップ状の変化に直ちに追従できず、定電圧回路310からの電流Itは段々と減少し続ける、図6(C)に示すように、出力端電圧Eoutは、負荷307が要求する要求負荷電流Irの量以上を供給しようとして時刻t1の時点から急激に大きくなるが、排電型定電圧補償回路369を設けない従来のように電圧は大きく上昇することなく、排電型定電圧補償回路369の作用により、僅かにPチャンネルMOSFET380のゲート386とソース387との間の電圧差|Vgs(th)|に応じた電圧だけ上昇し、図6(D)に示すように、低域濾波器の応答は定電圧回路の応答速度より遅くなるように設定されているので、排電端濾波電圧Ehlは略一定の値を維持し、図6(E)に示すように、出力端電圧Eoutと給電端濾波電圧Ehlとの電圧であるゲート・ソース間電圧Vgsが発生して、この大きさは、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を超過するので、図6(F)に示すように、出力端312から排電型定電圧補償回路369に電流Ihが流れ、図3(G)に示すように、電流Ihと電流Itの合成電流が出力電流Ioutとして流れ、この出力電流Ioutの大きさは、負荷要求電流Irに追従するように流れる。
次に、時刻t2における安定化電源の作用を各部の波形を引用して説明する。図6(A)に示すように、時刻t2においても負荷要求電流Irは同じ値を保ち続けて変化しないが、図6(B)に示すように、定電圧回路310の応答は負荷要求電流Irの変化に略追従し、定電圧310からの電流Itの大きさは略負荷要求電流Irの大きさとなるように減少し、図6(C)に示すように、負荷要求電流Irと出力電流Ioutとの差が少なくなってきて、出力端電圧Eoutは定常状態に向かって回復し、図6(D)に示すように、低域濾波器の応答は定電圧回路の応答速度より遅くなるように設定されているので、排電端濾波電圧Ehlは略一定の値を維持し、図6(E)に示すように、出力端電圧Eoutと給電端濾波電圧Eklとの電圧差 であるゲート・ソース間電圧Vgsはゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を超過することは無く、図6(F)に示すように、出力端312から排電型定電圧補償回路369に流れる電流Ihの大きさは零となり、図6(G)に示すように、定電圧回路310からの電流Itのみが出力電流Ioutとして流れる。
以上の説明においては、定電圧回路310からの出力電圧の波形が完全なDC波形であるとして説明をして来た。しかしながら、リップルが存在する場合において、リップルの最も高い点の出力端電圧Eoutの値であるピーク値epが、排電型定電圧補償回路369が動作を開始する電圧である、排電端濾波電圧Ehlにゲート・ソース間閾値電圧ゲート・ソース間閾値電圧差|Vgs(th)|を加算した値よりも上昇する場合には、排電型定電圧補償回路369は動作を開始してリップルの量を圧縮する効果も生じる。
第2の実施例は、電力制御手段に用いるPチャンネルMOSFET380のトランスコンダクタンスを大きいものに選んで、PチャンネルMOSFET380のゲート・ソース間閾値Vgs(th)の値に依存して排電型定電圧補償回路369の動作開始電圧を定めるようにすることができ、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の小さなPチャンネルMOSFET380を選択することにより、負荷307に流れる出力電流Ioutが急激に変化した過渡状態における出力端電圧Eoutの急激な電圧上昇の量をPチャンネルMOSFET380のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)の範囲にすることができるものである。
また、定電圧回路310が、DC/DCコンバータである場合のように、出力にリップル電圧が重畳している場合には、リップル低減作用においても効果を奏することができるものである。
また、PチャンネルMOSFETの入力インピーダンスが高いので、濾波器用コンデンサ384の容量値も小さくでき、濾波器用抵抗383に流れる電流の量も小さく、濾波器用抵抗383での電力損失を低減でき、負荷抵抗382の電力損失も負荷抵抗382に接続されるNチャンネルMOSFETのゲートインピーダンスが高いので、小さくすることができ、更にPチャンネルMOSFET380とNチャンネルMOSFET370との機能が完全に分かれているので、各々の機能に応じた最適なデバイス設計により排電型定電圧補償回路369の最適化を図ることができ、IC化についても、MOSプロセスのみを用いるのでIC化が容易に可能となるものである。
なお、以上述べた第2の実施例は、出力端電圧が正である場合を説明したが、出力端の電圧がグランド端に対して負である場合においても同様に説明できるものである。すなわち、負極性の排電型定電圧補償回路は、排電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、NチャンネルMOSFETを用いれば、極性が異なるのみで、[式4]が成立し、第2の実施例と同様に作用するものである。
この場合には、正極性における負荷要求電流Ir、定電圧回路310から負荷307に流れる電流It、出力端312から排電型定電圧補償回路369に流れる電流Ih、安定化電源350から負荷307に流れる出力電流Iout、の向きは、負極性においてはすべて正極性の場合とは逆向きとなり、グランド端から流れ出す方向となる。
なお、第2の実施の形態は、第2の実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、正極性に対応する給電型定電圧補償回路の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のNPNトランジスタを用い、給電電力素子制御手段としてPNPトランジスタを用い、ドレインをコレクタに対応させ、ソースをエミッタに対応させ、ゲートをベースに対応させた接続にすれば第2の実施例と同様に作用するものであり、ドレインをコレクタに、ソースをエミッタに、ゲートをベースに、ゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)をベース・エミッタ間閾値電圧Vbe(th)に読み替えれば、第2の実施例と同様な作用の説明ができるものであり、更に、給電電力制御素子として電力用のNPNトランジスタを用い、給電電力素子制御手段として、PチャンネルMOSFETを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、PNPトランジスタを用いても良いものである。
また、負極性に対応する給電型定電圧補償回路の別の変形例としては、給電電力制御素子として電力用のPNPトランジスタを用い、給電電力素子制御手段としてNPNトランジスタを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のPNPトランジスタを用い、給電電力素子制御手段として、NチャンネルMOSFETを用いても良く、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFETを用い、給電電力素子制御手段として、NPNトランジスタを用いても良いものである。
更に、正極性、負極性を問わず、給電電力素子制御手段としてMOSFETまたはトランジスタを差動増幅器構成として、差動増幅器の一方の入力端に出力端電圧Eoutを付与し、他方の入力端に給電端濾波電圧Eklを付与するようにしても良いものであり、このような構成を採用すれば、出力端電圧差|Eout|が、給電端濾波電圧差|Ekl|より大きいときに第1の排電電力端と第2の排電電力端との間に電流を流すように排電電力制御端を制御するようにできるものであり、また、差動増幅器の一方の入力端に出力端電圧Eoutを抵抗で分圧して付与し、他方の入力端に排電端濾波電圧Eklを付与しても良く、このような構成を採用すれば、抵抗で分圧する分圧比を調整することにより出力端電圧差|Eout|と排電端濾波電圧差|Ekl|との差が任意の値以上であって、出力端電圧差の方が大きくなるときに排電型定電圧補償回路の動作を開始させることができる。
また、更に、正極性に対応する排電型定電圧補償回路の別の変形例としては、排電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFETを用い、そのドレインを第1の排電電力端として用い、そのソースを出力端に接続される第2の排電電力端として用い、排電電力制御端であるゲートに排電電圧低域濾波器を接続して、排電端濾波電圧Eklを付与する構成を採用し、負極性に対応する排電型定電圧補償回路の別の変形例としては、排電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFETを用い、そのドレインを第1の排電電力端として用い、そのソースを出力端に接続される第2の排電電力端として用い、排電電力制御端であるゲートに排電電圧低域濾波器を接続し、排電端濾波電圧Eklを付与する構成を採用すれば、回路素子の少ない簡便な排電型定電圧補償回路を提供することができる。
3)第3の実施の形態
図7に示す第3の実施の形態の安定化電源60は、第1の実施の形態に示す給電型定電圧補償回路19と第2の実施の形態に示す排電型定電圧補償回路69とを有する給排電型定電圧補償回路80および定電圧回路10を備えるものである。なお、第1の実施の形態または第2の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す第3の実施の形態の安定化電源60は、第1の実施の形態に示す給電型定電圧補償回路19と第2の実施の形態に示す排電型定電圧補償回路69とを有する給排電型定電圧補償回路80および定電圧回路10を備えるものである。なお、第1の実施の形態または第2の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
安定化電源60の出力端12とグランド端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には、直流電力を供給する直流電源8が接続され、グランド端14に対する直流電源8の電圧の極性が正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものであり、グランド端14に対する出力端12の電圧の極性が正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。なお、給排電型定電圧補償回路80は、第1の実施の形態の給電型定電圧補償回路19と、第2の実施の形態の排電型定電圧補償回路69とを組み合わせてなるものであり、定電圧回路10の出力端12と給排電型定電圧補償回路80とは接続されているものである。
給排電型定電圧補償回路80は、給電電力制御素子20を有しており、給電電力制御素子は入力端13に接続される第1の給電電力端23と出力端12に接続される第2の給電電力端24と第1の給電電力端23と第2の給電電力端24との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端25とを備えてなり、更に、給電型定電圧補償回路19は、給電電力制御素子20の給電電力制御端25を制御する給電電力素子制御手段22を有しており、給電電力素子制御手段22は出力端電圧Eoutとグランド端14の電圧との電圧差である出力端電圧差|Eout|が、出力端電圧Eoutを図示しない低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端14の電圧との電圧差である給電端濾波電圧差|Ekl|より小さいときに第1の給電電力端23と第2の給電電力端24との間に電流を流すように給電電力制御素子20の給電電力制御端25を制御するものであり、給電型定電圧補償回路19の応答は、定電圧回路10の応答速度より速くなるようになされ、給電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるようになされていることを特徴とするものである。
また、給排電型定電圧補償回路80は、排電電力制御素子70を有しており、排電電力制御素子70はグランド端14に接続される第1の排電電力端73と出力端12に接続される第2の排電電力端74と第1の排電電力端73と第2の排電電力端74との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端75とを備えてなり、更に、排電型定電圧補償回路69は、排電電力制御素子70の排電電力制御端75を制御する排電電力素子制御手段72を有しており、排電電力素子制御手段72は出力端電圧Eoutとグランド端14の電圧との電圧差である出力端電圧差|Eout|が、出力端電圧Eoutを図示しない低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧とグランド端14の電圧からの電圧差である排電電圧低域濾波電圧差|Ehl|より大きいときに第1の排電電力端73と第2の排電電力端74との間に電流を流すように排電電力制御素子70の排電電力制御端75を制御するものであり、排電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるように設定され、排電型定電圧補償回路69の応答は、定電圧回路10の応答速度より速く設定され、排電電圧低域濾波器の応答速度は、定電圧回路10の応答速度より遅くなるようになされていることを特徴とするものである。
第3の実施の形態は、このように第1の実施の形態と第2の実施の形態の両方の構成を有するので、第1の実施の形態の作用と第2の実施の形態の作用とをあわせ持つものであり、負荷7に流れる電流が急増する場合および急減する場合のいずれの場合も出力端12の電圧を略一定値に保つことができるものである。
(3)第3の実施例
第3の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第3の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
第3の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第3の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
図8に示す第3の実施例の安定化電源450は、定電圧回路310および給排電型定電圧補償回路480を備えるもので、給排電型定電圧補償回路480は、第1の実施例に示す給電型定電圧補償回路319と第2の実施例に示す排電型定電圧補償回路369とを組み合わせたものであり、第3の実施例において、第1の実施例または第2の実施例におけると同一の構成および作用を奏する部分については、第1の実施例または第2の実施例におけると同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
安定化電源450においては、定電圧回路310は、PWM方式のステップダウンDC/DCコンバータであり、給排電型定電圧補償回路480は、給電電力制御素子として電力用のPチャンネルMOSFET320を用いており、第1の給電電力端23であるPチャンネルMOSFET320のソース323は入力端313に接続され、第2の給電電力端24であるPチャンネルMOSFET320のドレイン324は出力端312に接続され、給電電力制御端25であるPチャンネルMOSFET320のゲート325を備え、給電電力素子制御手段322として、ドレイン335、ソース337、ゲート336を有する給電電力制御用MOSFETであるNチャンネルMOSFET330と、NチャンネルMOSFET330のドレイン335およびPチャンネルMOSFET320のゲート325に一端を接続され、PチャンネルMOSFET320のソース323に他の端を接続される負荷抵抗332と、濾波器用抵抗333および濾波器用コンデンサ334とで構成される低域濾波器である給電電圧低域濾波器を備えている。
NチャンネルMOSFET330のソース337は出力端312に接続されて出力端電圧Eoutが与えられ、NチャンネルMOSFET330のゲート336は、グランド端314に他の一端を接続される濾波器用コンデンサ334と、出力端12に他の一端を接続される濾波器用抵抗333との接続点に接続されて給電端濾波電圧Eklが与えられ、出力端電圧Eoutが給電端濾波電圧Eklよりも、給電電力制御用MOSFETであるNチャンネルMOSFET330のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)以上小さいときにNチャンネルMOSFET330のドレイン335に電流を流して負荷抵抗332に電圧を発生させて、PチャンネルMOSFET320のソース323とPチャンネルMOSFET320のドレイン324との間に電流を流す様に、負荷抵抗332に接続にされるPチャンネルMOSFET320のゲートを制御するものである。
また、給排電型定電圧補償回路480は、排電電力制御素子として電力用のNチャンネルMOSFET370を用いており、第2の排電電力端74であるNチャンネルMOSFET370のドレイン374は出力端312に接続され、第1の排電電力端73であるNチャンネルMOSFET370のソース373はグランド端314に接続され、排電電力制御端75であるNチャンネルMOSFET370のゲート375を備え、排電電力素子制御手段72として、ドレイン385、ソース387、ゲート386を有する排電電力制御用MOSFETであるPチャンネルMOSFET380と、PチャンネルMOSFET380のドレイン385およびNチャンネルMOSFET370のゲート375に一端を接続され、NチャンネルMOSFET370のソース373に他の端を接続される負荷抵抗382と、濾波器用抵抗383および濾波器用コンデンサ384とで構成される低域濾波器である排電電圧低域濾波器を備えている。
PチャンネルMOSFET380のソース387は出力端312に接続されて出力端電圧Eoutが与えられ、PチャンネルMOSFET380のゲート386は、グランド端314に他の一端を接続される濾波器用コンデンサ384と、出力端312に他の一端を接続される濾波器用抵抗383との接続点に接続されて濾波電圧に応じた排電電圧低域濾波電圧Ehlが与えられ、出力端電圧Eoutが、排電電圧低域濾波電圧EhlにPチャンネルMOSFET380のゲート・ソース間閾値電圧Vgs(th)を加算した値より大きいときに、排電電力制御用MOSFETであるPチャンネルMOSFET380のドレイン385に電流を流して負荷抵抗382に電圧を発生させて、NチャンネルMOSFET370のドレイン374とNチャンネルMOSFET370のソース373との間に電流を流す様に、負荷抵抗382に接続にされるNチャンネルMOSFET370のゲートを制御するものである。
ここにおいて、給電電圧低域濾波器を構成する濾波器用抵抗333および濾波器用コンデンサ334の値と、排電電圧低域濾波器を構成する濾波器用抵抗383および濾波器用コンデンサ384の値とは、同一の値でも異なる値であっても良いが、同一の値である場合には、給電端濾波電圧Eklと排電端濾波電圧Ehlとは同一の電圧であるので、この場合は、一方の濾波器のみを設けて、濾波器用抵抗333と濾波器用コンデンサ334の接続点にNチャンネルMOSFET330のゲート336およびPチャンネルMOSFET380のゲート386を接続しても同様の作用をするものである。
第3の実施例の作用は、第1の実施例において説明した作用と第2の実施例において説明した作用をあわせ持つものである。すなわち、第3の実施例においては、負荷が要求する負荷要求電流Irが急激な増加または急激な減少をする場合においても、略一定の電圧を付加に供給して、負荷要求電流Irに略追従する出力電流Ioutを負荷に流すことができ、リップル抑圧効果においても、リップルを含む出力端電圧Eoutのピーク値epおよびボトム値ebの両方を抑圧することができるものである。
また、第3の実施例の回路構成に限られず、上述した、第1の実施例の種々の変形例と第2の実施例の種々の変形例のいかなる組み合わせを採用しても良いものであり、正極性のみならず負極性にも対応ができるものである。
4)第4の実施の形態
第1の実施の形態の安定化電源においては、負荷電流が急激に増加する場合に、給電型定電圧補償回路19が作動を開始して、給電型定電圧補償回路19より負荷に電力を供給して、出力端電圧Eoutの値を略一定の電圧とする作用を有するので、定電圧回路10がパルス幅制御方式定電圧回路である場合には、出力端に十分な電力が供給されていると判断してスイッチング素子のONデューティを制御するPWM信号のパルス幅を狭めしまい、その結果、定電圧回路10からの電力供給が十分に行えず、長時間に渡り給電型定電圧補償回路19から負荷7に電力を供給し続けることとなる。どの程度パルス幅が狭まるかは、定電圧回路10の制御系としての特性、すなわち、開ループゲインの大小により決まり、開ループゲインが大きい場合には、パルス幅の狭まりは少ない。しかしながら、速い応答に対して影響度の大きい、高い周波数における開ループゲインは、一般には十分に大きなものを得ることができないのでパルス幅の狭まりは避けられず、給電型定電圧補償回路19の動作開始後に、定電圧回路10からの電力供給量は低減して、給電型定電圧補償回路19から長時間に渡り負荷7に電力が供給されることとなっているのが現状であった。
第1の実施の形態の安定化電源においては、負荷電流が急激に増加する場合に、給電型定電圧補償回路19が作動を開始して、給電型定電圧補償回路19より負荷に電力を供給して、出力端電圧Eoutの値を略一定の電圧とする作用を有するので、定電圧回路10がパルス幅制御方式定電圧回路である場合には、出力端に十分な電力が供給されていると判断してスイッチング素子のONデューティを制御するPWM信号のパルス幅を狭めしまい、その結果、定電圧回路10からの電力供給が十分に行えず、長時間に渡り給電型定電圧補償回路19から負荷7に電力を供給し続けることとなる。どの程度パルス幅が狭まるかは、定電圧回路10の制御系としての特性、すなわち、開ループゲインの大小により決まり、開ループゲインが大きい場合には、パルス幅の狭まりは少ない。しかしながら、速い応答に対して影響度の大きい、高い周波数における開ループゲインは、一般には十分に大きなものを得ることができないのでパルス幅の狭まりは避けられず、給電型定電圧補償回路19の動作開始後に、定電圧回路10からの電力供給量は低減して、給電型定電圧補償回路19から長時間に渡り負荷7に電力が供給されることとなっているのが現状であった。
このように、長時間、給電型定電圧補償回路19から電力を供給し続けると、給電型定電圧補償回路19での電力損失が増大して好ましくなく、第4の実施の形態は、定電圧回路10として、パルス幅制御方式定電圧回路を用い、給電型定電圧補償回路19が動作したことを検知して、強制的にパルス幅のONデューティを所定の値に拡張して、定電圧回路から負荷7に対して可能な限り電力を供給し、給電型定電圧補償回路19の作動する時間を短縮するものである。
そこで、本発明の第4の実施の形態の安定化電源を図9のブロック図に沿って説明する。なお、第1の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態の安定化電源700は、入力端13と出力端12とを有するパルス幅制御方式定電圧回路710およびパルス幅制御方式定電圧回路710の出力端12に接続される給電型定電圧補償回路19を有してなるものであり、安定化電源700の出力端12とグランド端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には、直流電力を供給する直流電源8が接続され、直流電源8の極性は、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものであり、また、出力端12の極性も、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。
パルス幅制御方式定電圧回路710は、スイッチング素子701とフライホイール素子702とドライブ回路706とPWM制御回路705を備える点は従来のパルス幅制御方式定電圧回路と同様のものである。ここで、フライホイール素子702は、ダイオードであっても、スイッチング素子701とドライブ回路により駆動され相補的な動作をするスイッチング素子であっても良いものである。相補的とは、スイッチング素子701がON(導通)するとき、フライホイール素子702はOFF(切断)するものであり、スイッチング素子701がOFF(切断)するとき、フライホイール素子702はON(導通)するものであり、また、スイッチング素子701とフライホイール素子702とが、完全に相補的に働くのではなく、スイッチング素子701とフライホイール素子702のONが同時に生じることがないようにデッドタイムを設けるように制御されるものであっても良いものである。
第4の実施の形態におけるパルス幅制御方式定電圧回路710は、従来のパルス幅制御方式定電圧回路に加えて、パルス幅の拡張指示信号S707を発生する拡張指示信号発生手段703と拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(拡張値)とするパルス幅拡張手段704とを備えており、拡張指示信号発生手段703は、給電型定電圧補償回路が動作を開始すると、拡張指示信号発生手段703から拡張指示信号S707を発生し、パルス幅拡張手段704は、拡張指示信号S707によりパルス幅の拡張が指示されたときに、PWM制御回路705からの信号に替えて、パルス幅のONデューティを所定の値(拡張値)とするパルス信号をドライブ回路706に供給してスイッチング素子701を介しての電力供給量を増加させるものであり、これにより、給電型定電圧補償回路19の動作時間の短縮を図ることができるものである。
ここで、パルス幅のONデューティの所定の値(拡張値)とは、100%を上限として予め定める任意の値であり、通常は50%以上に設定するのが望ましく、より望ましくは80%以上であり、所謂、ステップダウン型のパルス幅制御方式定電圧回路を第4の実施の形態に使用する場合には、100%が最適である。一方、所謂、ステップアップ型のパルス幅制御方式定電圧回路においては、最適なパルス幅のONデューティの値は、図示しないエネルギー蓄積インダクタンスが飽和しない最大のONデューティである。
(4)第4の実施例
第4の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第4の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
第4の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第4の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
図10に沿って第4の実施例の説明をする。なお、第1の実施例ないし第3の実施例におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。第4の実施例の安定化電源800は、給電型定電圧補償回路319とパルス幅制御方式定電圧回路810とを備え、パルス幅制御方式定電圧回路810は、入力端813に正極性の電源808を接続し、出力端812には、大規模集積回路である負荷807を接続し、スイッチング素子801、フライホイール素子802、スイッチング素子801をドライブするドライブ回路806、フライホイール素子802をドライブするドライブ回路898、PWM制御回路805、拡張指示信号発生手段803、パルス幅拡張手段804を主なる構成部として備える。給電型定電圧補償回路319は第1の実施例に示したものと同様のものであるので、説明は省略する。
第4の実施例におけるPWM制御回路805において、PWM変調用コンパレータ811の出力端とパルス幅制限用AND回路817の入力端817a(入力端でaと記されている側を指す。以下、他のICについても同様の表記をする。)とを直接に接続する場合は、従来のPWM制御回路と同じものとなる。しかしながら、ここでは、パルス幅拡張手段804であるパルス幅拡張用OR回路832の入力端832b(入力端でbと記されている側を指す。以下、他のICについても同様の表記をする。)にはPWM変調用コンパレータ811の出力端が接続され、パルス幅拡張用OR回路832の入力端832aには拡張指示信号発生手段803である拡張指示信号発生用コンパレータ830の出力端が接続されており、パルス幅拡張用OR回路832の出力端がパルス幅制限用AND回路817の入力端817aに接続されている点において、背景技術とは異なる。また、拡張指示信号発生用コンパレータ830の入力端は負荷抵抗332とNチャンネルMOSFET330のドレイン335との接続点に接続され、他の入力端は所定の電圧値の電源831が接続されている。
第4の実施例の安定化電源800の作用の説明をする。まず、PWM制御回路805の作用説明を行う。差動増幅器として作用する誤差信号増幅用オペアンプ819の入力端は、パルス幅制御方式定電圧回路810の出力端812に接続されて出力端電圧Eoutが入力され、誤差信号増幅用オペアンプ819の他の入力端には、パルス幅制御方式定電圧回路810の基準電圧を発生させる基準電源840が接続されているので、出力端電圧Eoutと基準電圧値との差の電圧が増幅されて誤差信号増幅用オペアンプ819の出力端より出力され、PWM変調用コンパレータ811の入力端に入力されている。PWM変調用コンパレータ811の他の入力端には、のこぎり波発信器816が接続され、PWM変調用コンパレータ811の入力端に入力される誤差信号増幅用オペアンプからの信号はPWM変調をされてPWM変調用コンパレータ811の出力端、すなわち、パルス幅拡張用OR回路832の入力端832bには、図11(A)に示すように入力信号の大きさに応じてONデューティが変化するPWM信号が得られる。
ここで、負荷抵抗332とドレイン335との接続点から拡張指示信号発生用コンパレータ830の入力端に入力される電圧が、電源831の電圧値を上回る場合、すなわち、給電型定電圧補償回路319が動作をしていない場合には、図11(B)で示すように、拡張指示信号発生用コンパレータ830の出力端からパルス幅拡張用OR回路832の入力端832aにLowレベルの拡張指示信号S807が印加され、負荷抵抗332とドレイン335との接続点から拡張指示信号発生用コンパレータ830の入力端に入力される電圧が、電源831の電圧値を下回る場合、すなわち、給電型定電圧補償回路319が動作をしている場合には、拡張指示信号発生用コンパレータ830の出力端からパルス幅拡張用OR回路832の入力端832aにHighレベルの拡張指示信号S807が印加される。
上限パルス幅設定用コンパレータ812の出力端には、電源813の電圧に応じたONデューティの上限を定める所定の幅のPWM信号を発生し、パルス幅制限用AND回路817の入力端817bには、図11(C)に示すように、上限パルス幅設定用コンパレータ812の出力端からの信号が印加されている。
OR回路818の出力端の信号を図11(D)に示す。この信号は、拡張指示信号S807がHighとなっても、AND回路817の入力端子817bに、ONデューティの上限を定めるPWM信号が入力されているので、OR回路818の出力端の信号は、ONデューティの上限が制限される範囲でONデューティが拡張された信号となる。なお、OR回路818の入力端818bには電源815の電圧に応じてONデューティの下限を定める、コンパレータ814の出力端が接続されている。
OR回路818の出力端はドライブ回路806およびドライブ回路898を介してスイッチング素子801およびフライホイール素子802を制御するので、給電型定電圧補償回路319が動作をしている場合には、パルス幅のONデューティを上限まで大きくして、パルス幅制御方式定電圧回路810からの電力供給を最大とすることができる。これにより、出力端812の電圧を速く規定の値とすることができ、給電型定電圧補償回路319の動作を短時間とすることができる。
また、負荷抵抗332とドレイン335との接続点の電圧を検出して拡張指示信号S807を発生するのみではなく、図示しない電流センサを設けて、給電型定電圧補償回路319から出力端812に電流が流れ始めたときにHighレベルとなる拡張指示信号S807を発生する構成を採用することもできる。
また、出力端が正極性である場合のみならず、負極性に対しても、定電圧電源の極性と給電型定電圧補償回路の極性を変更すれば、対応が可能となるものである。
また、出力端が正極性である場合のみならず、負極性に対しても、定電圧電源の極性と給電型定電圧補償回路の極性を変更すれば、対応が可能となるものである。
5)第5の実施の形態
第2の実施の形態の安定化電源90においては、負荷電流が急激に減少する場合に、排電型定電圧補償回路69が作動を開始して、出力端電圧Eoutの値を略一定の電圧とする作用を有するので、定電圧回路10がパルス幅制御方式定電圧回路である場合には、出力端に更に電力を供給するべきと判断してスイッチング素子のONデューティを制御するPWM信号のパルス幅を広げてしまい、その結果、定電圧回路10からの電力供給が続き、長時間、出力端12から排電型定電圧補償回路69に電力を供給し続けることとなる。ここで、どの程度パルス幅が広がるかは、定電圧回路10の制御系としての特性、すなわち、開ループゲインの大小により決まり、開ループゲインが大きい場合には、パルス幅の広がりは少ない。しかしながら、速い応答に対して影響度の大きい、高い周波数における開ループゲインは、一般には十分に大きなものを得ることができず、パルス幅の広がりは避けられず、排電型定電圧補償回路69の動作開始後においても、出力端12から排電型定電圧補償回路69に長時間に渡り電力が供給されることとなっているのが現状であった。
第2の実施の形態の安定化電源90においては、負荷電流が急激に減少する場合に、排電型定電圧補償回路69が作動を開始して、出力端電圧Eoutの値を略一定の電圧とする作用を有するので、定電圧回路10がパルス幅制御方式定電圧回路である場合には、出力端に更に電力を供給するべきと判断してスイッチング素子のONデューティを制御するPWM信号のパルス幅を広げてしまい、その結果、定電圧回路10からの電力供給が続き、長時間、出力端12から排電型定電圧補償回路69に電力を供給し続けることとなる。ここで、どの程度パルス幅が広がるかは、定電圧回路10の制御系としての特性、すなわち、開ループゲインの大小により決まり、開ループゲインが大きい場合には、パルス幅の広がりは少ない。しかしながら、速い応答に対して影響度の大きい、高い周波数における開ループゲインは、一般には十分に大きなものを得ることができず、パルス幅の広がりは避けられず、排電型定電圧補償回路69の動作開始後においても、出力端12から排電型定電圧補償回路69に長時間に渡り電力が供給されることとなっているのが現状であった。
このように、長時間、排電型定電圧補償回路69から電力を排出し続けると、排電型定電圧補償回路69での電力損失が増大して好ましくなく、第4の実施の形態は、定電圧回路10として、パルス幅制御方式定電圧回路を用い、排電型定電圧補償回路69が動作したことを検知して、強制的にパルス幅のONデューティを所定の値(縮小値)として、定電圧回路10からの電力供給を断って、排電型定電圧補償回路69の作動する時間を短縮するものである。
本発明の第5の実施の形態の安定化電源750を図12のブロック図に沿って説明する。なお、第2の実施の形態または第4の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
そこで、第5の実施の形態の安定化電源750は、入力端13と出力端12とを有するパルス幅制御方式定電圧回路720およびパルス幅制御方式定電圧回路720の出力端12に接続される第2の実施の形態におけると同様の排電型定電圧補償回路69を有してなるものであり、安定化電源750の出力端12とグランド端14との間には負荷7が接続されており、入力端13とグランド端14との間には、直流電源8の極性は、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものであり、また、出力端12の極性も、グランド端14に対して正極性、すなわち正の電圧であっても、負極性、すなわち、負の電圧であっても良いものである。
第5の実施の形態におけるパルス幅制御方式定電圧回路720は、従来のパルス幅制御方式定電圧回路に加えて、排電型定電圧補償回路69が作動した場合に縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段708と、縮小指示信号S721を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(縮小値)とするパルス幅縮小手段709とを備えており、縮小指示信号発生手段708は、縮小指示信号S721を発生し、パルス幅縮小手段709は、縮小指示信号S721が付与されたときに、PWM制御回路705からの信号に替えて、パルス幅のONデューティを所定の値(縮小値)とするパルス信号をドライブ回路706に供給してスイッチング素子701を介しての電力供給量を減少させるものであり、これにより、排電型定電圧補償回路69の動作時間の短縮を図ることができるものである。
ここで、パルス幅のONデューティの所定の値とは、0%を下限として予め定める任意の値であり、通常は50%以下に設定するのが望ましく、より望ましくは20%以下であり、0%が好適である。
(5)第5の実施例
第5の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第5の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
第5の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第5の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
図13に沿って第5の実施例の説明をする。第5の実施例の安定化電源850は、第2の実施例と同様の排電型定電圧補償回路369とパルス幅制御方式定電圧回路860とを備える。パルス幅制御方式定電圧回路860における構成部で、第4の実施例におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
縮小指示信号発生手段853を構成する縮小指示信号発生用コンパレータ833の入力端には、排電型定電圧補償回路369における負荷抵抗382とPチャンネルMOSFET380のドレイン385との接続点が接続され、縮小指示信号発生用コンパレータ833の他の入力端には所定の電圧値の電源834が接続されている。パルス幅縮小手段809は、AND回路836とNAND回路835とが結合されて、等価的には、入力端の一方である入力端835bが負論理であるAND回路となっている。AND回路836の入力端836aおよびNAND回路835の入力端835aにはOR回路818の出力端が接続され、NAND回路835の入力端835bには、縮小指示信号発生用コンパレータ833の出力端が接続されている。
第5の実施例の安定化電源850の作用の説明をする。PWM制御回路805の作用により、図14(A)に示すように、OR回路818の出力端、すなわち、AND回路836の入力端836aには出力端電圧Eoutの大きさに応じてONデューティが変化するPWM信号が得られる。
ここで、負荷抵抗382とドレイン385との接続点から縮小指示信号発生用コンパレータ833の入力端に入力される電圧が、電源834の電圧値を下回る場合、すなわち、排電型定電圧補償回路369が動作をしていない場合には、図14(B)で示すように、縮小指示信号発生用コンパレータ833の出力端からNAND回路835の入力端835bにLowレベルの拡張指示信号S857が印加され、負荷抵抗382とドレイン385との接続点から縮小指示信号発生用コンパレータ833の入力端に入力される電圧が、電源834の電圧値を上回る場合、すなわち、排電型定電圧補償回路369が動作をしている場合には、縮小指示信号発生用コンパレータ833の出力端からNAND回路835の入力端835bにHighレベルの拡張指示信号S857が印加される。
AND回路836とNAND回路835とは結合されて、入力端835aが正論理、入力端835bが負論理のAND回路となっているので、図14(C)に示すように、NAND回路835の入力端835bがLowレベルである場合には、AND回路836の入力端836aおよびNAND回路835の入力端835aに印加される信号レベルがそのままAND回路836の出力端に出力され、NAND回路835の入力端835bがHighレベルである場合には、AND回路836の出力端は、Lowレベルとなる。AND回路836の出力端はドライブ回路806およびドライブ回路898を介してスイッチング素子801およびフライホイール素子802を制御する。従って、NAND回路835の入力端835bがHighレベルである場合にはパルス幅のONデューティを0%として、パルス幅制御方式定電圧回路860からの電力供給を停止することができる。これにより、出力端812の電圧を速く規定の値とすることができ、排電型定電圧補償回路369の動作を短時間とすることができる。
また、負荷抵抗382とドレイン385との接続点の電圧を検出して拡張指示信号S807を発生するのみではなく、図示しない電流センサを設けて、出力端812から排電型定電圧補償回路369に電流が流れ始めたときに縮小指示信号S857がHighレベルの信号を発生する構成を採用することもできる。
また、出力端が正極性である場合のみならず、負極性に対しても、定電圧電源の極性と排電型定電圧補償回路の極性を変更すれば、対応が可能となるものである。
6)第6の実施の形態
図15に示す第6の実施の形態の安定化電源780は、第4の実施の形態に示す安定化電源700と第5の実施の形態の安定化電源750の機能をあわせ持つものである。安定化電源780は、パルス幅制御方式定電圧回路740と、第3の実施の形態の給排電型定電圧補償回路80と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路740は、給排電型定電圧補償回路80が給電動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号S707を発生する拡張指示信号発生手段703と、拡張指示信号S707を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(拡張値)とするパルス幅拡張手段704と、給排電型定電圧補償回路80が排電動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号S721を発生する縮小指示信号発生手段708と、縮小指示信号S721を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(縮小値)とするパルス幅縮小手段709とを有する。なお、第3の実施の形態、第4の実施の形態または第5の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
図15に示す第6の実施の形態の安定化電源780は、第4の実施の形態に示す安定化電源700と第5の実施の形態の安定化電源750の機能をあわせ持つものである。安定化電源780は、パルス幅制御方式定電圧回路740と、第3の実施の形態の給排電型定電圧補償回路80と、を備え、パルス幅制御方式定電圧回路740は、給排電型定電圧補償回路80が給電動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号S707を発生する拡張指示信号発生手段703と、拡張指示信号S707を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(拡張値)とするパルス幅拡張手段704と、給排電型定電圧補償回路80が排電動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号S721を発生する縮小指示信号発生手段708と、縮小指示信号S721を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値(縮小値)とするパルス幅縮小手段709とを有する。なお、第3の実施の形態、第4の実施の形態または第5の実施の形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分には、同一の名称、あるいは同一の符号を付して説明を省略する。
第6の実施の形態の安定化電源780は、第4の実施の形態と同様の拡張指示信号S707を発生する拡張指示信号発生手段703および第5の実施の形態と同様の縮小指示信号S721を発生する縮小指示信号発生手段708とを備えるので、作用においても第4の実施の形態の作用である、拡張指示信号S707に従ってパルス幅制御方式定電圧回路740からの電力供給量を増加させる作用と、第5の実施の形態の作用である、縮小指示信号S721に従ってパルス幅制御方式定電圧回路740からの電力供給量を減少させる作用の両方の作用を有して、給排電型定電圧補償回路80の動作時間の短縮を図ることができるものである。
(6)第6の実施例
第6の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第6の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
第6の実施の形態は、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも高い正極性と、出力端電圧Eoutがグランド端14の電圧よりも低い負極性との両方を含むのであるが、まず、正極性の場合について第6の実施例を挙げて、より詳細に説明する。
図16に沿って第6の実施例の説明をする。第6の実施例の安定化電源880は、パルス幅制御方式定電圧回路870と第3の実施例に示した給排電型電源補償回路480とを備え、パルス幅制御方式定電圧回路870は、第4の実施例で説明した、拡張指示信号発生用コンパレータ830からなるパルス幅拡張手段804、パルス幅拡張用OR回路832からなるパルス幅拡張手段804、第5の実施例で説明した、縮小指示信号発生用コンパレータ833からなる縮小指示信号発生手段853、パルス幅縮用AND回路836からなるパルス幅縮小手段809のすべてを備えるので、安定化電源880の作用は、第4の実施例の安定化電源800の作用と第5の実施例の安定化電源850の作用の両方をあわせ持つものであり、パルス幅拡張手段804およびパルス幅縮小手段809の作用により、給排電型定電圧補償回路480の動作時間を短くすることができる。
また、出力端が正極性である場合のみならず、負極性に対しても、定電圧回路の極性と給排電型定電圧補償回路の極性を変更すれば、対応が可能となるものである。
以上、本発明の実施形態および実施例を説明したが、ここでは具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、本発明の実施形態および実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものでもない。
60、90、100、300、350、450、700、750、780、800、850、880 安定化電源
10、310、710、720、740、810、860、870 定電圧回路
19、319 給電型定電圧補償回路
69、369 排電型定電圧補償回路
80、480 給排電型定電圧補償回路
12、312、812 出力端
13、313、813 入力端
8、308、808 電源
7、307、807 負荷
14、314 グランド端
20、320 給電電力制御素子
70、370 排電電力制御素子
22、322 給電電力素子制御手段
72、372 排電電力素子制御手段
333、383 濾波器用抵抗
334、384 濾波器用コンデンサ
710、810、720、860、740、870 パルス幅制御方式定電圧回路
703、803 拡張指示信号発生手段
704、804 パルス幅拡張手段
708、853 縮小指示信号発生手段
709、809 パルス幅縮小手段
10、310、710、720、740、810、860、870 定電圧回路
19、319 給電型定電圧補償回路
69、369 排電型定電圧補償回路
80、480 給排電型定電圧補償回路
12、312、812 出力端
13、313、813 入力端
8、308、808 電源
7、307、807 負荷
14、314 グランド端
20、320 給電電力制御素子
70、370 排電電力制御素子
22、322 給電電力素子制御手段
72、372 排電電力素子制御手段
333、383 濾波器用抵抗
334、384 濾波器用コンデンサ
710、810、720、860、740、870 パルス幅制御方式定電圧回路
703、803 拡張指示信号発生手段
704、804 パルス幅拡張手段
708、853 縮小指示信号発生手段
709、809 パルス幅縮小手段
Claims (10)
- 出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給電型定電圧補償回路であって、
前記出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、前記出力端に接続される第2の給電電力端と、前記第1の給電電力端と前記第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、
前記出力端の電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、前記出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに前記第1の給電電力端と前記第2の給電電力端との間に電流を流すように前記給電電力制御素子の前記給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、を備えてなり、
前記給電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、前記定電圧回路の前記応答速度より速くなされ、前記給電電圧低域濾波器の前記応答速度が前記定電圧回路の前記応答速度より遅くなされていることを特徴とする給電型定電圧補償回路。 - 前記給電電力制御素子は、
前記第1の給電電力端であるソースと、前記第2の給電電力端であるドレインと、前記給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、
前記給電電力素子制御手段は、
給電電力制御用MOSFETと、前記給電電力制御用MOSFETのドレインおよび前記電力給電用MOSFETの前記ゲートに一端を接続され、前記電力給電用MOSFETの前記ソースに他端を接続される負荷抵抗と、前記給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される前記給電電圧低域濾波器と、を有してなり、
前記給電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記給電電力制御用MOSFETの前記ゲートに前記給電電圧低域濾波電圧差を付与して、
前記出力端電圧差が、前記給電電圧低域濾波電圧差より前記給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに前記電力給電用MOSFETの前記ソースと前記電力給電用MOSFETの前記ドレインとの間に電流を流すものである請求項1に記載の給電型定電圧補償回路。 - 出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く排電型定電圧補償回路であって、
前記グランド端に接続される第1の排電電力端と、前記出力端に接続される第2の排電電力端と、前記第1の排電電力端と前記第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、
前記出力端の電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、前記出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに前記第1の排電電力端と前記第2の排電電力端との間に電流を流すように前記排電電力制御素子の前記排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、を備えてなり、
前記排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、前記定電圧回路の前記応答速度より速くなされ、前記排電電圧低域濾波器の前記応答速度が前記定電圧回路の前記応答速度より遅くなされていることを特徴とする排電型定電圧補償回路。 - 前記排電電力制御素子は、
前記第1の排電電力端であるソースと、前記第2の排電電力端であるドレインと、前記排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、
前記排電電力素子制御手段は、
排電電力制御用MOSFETと、前記排電電力制御用MOSFETのドレインおよび前記電力排電用MOSFETの前記ゲートに一端を接続され、前記電力排電用MOSFETの前記ソースに他端を接続される負荷抵抗と、前記排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される前記排電電圧低域濾波器と、を有してなり、
前記排電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記排電電力制御用MOSFETの前記ゲートに前記排電電圧低域濾波電圧差を付与して、
前記出力端電圧差が、前記排電電圧低域濾波電圧差より前記排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに前記電力排電用MOSFETの前記ソースと前記電力排電用MOSFETの前記ドレインとの間に電流を流すものである請求項3に記載の排電型定電圧補償回路。 - 出力端とグランド端との間に一定電圧の直流を発生する定電圧回路と協調して働く給排電型定電圧補償回路であって、
前記出力端の電圧と同極性の電圧が印加される第1の給電電力端と、前記出力端に接続される第2の給電電力端と、前記第1の給電電力端と前記第2の給電電力端との間を通過する電流の量を制御する給電電力制御端と、を有する給電電力制御素子と、
前記出力端の電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である出力端電圧差が、前記出力端の電圧を低域濾波器である給電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である給電電圧低域濾波電圧差より小さいときに前記第1の給電電力端と前記第2の給電電力端との間に電流を流すように前記給電電力制御素子の前記給電電力制御端を制御する給電電力素子制御手段と、
前記グランド端に接続される第1の排電電力端と、前記出力端に接続される第2の排電電力端と、前記第1の排電電力端と前記第2の排電電力端との間を通過する電流の量を制御する排電電力制御端と、を有する排電電力制御素子と、
前記出力端電圧差が、前記出力端の電圧を低域濾波器である排電電圧低域濾波器で濾波した濾波電圧と前記グランド端の電圧との電圧差である排電電圧低域濾波電圧差より大きいときに前記第1の排電電力端と前記第2の排電電力端との間に電流を流すように前記排電電力制御素子の前記排電制御端を制御する排電電力素子制御手段と、
を備えてなり、
前記給排電型定電圧補償回路の負荷に供給する電力の変動に対する応答速度が、前記定電圧回路の前記応答速度より速くなされ、前記給電電圧低域濾波器および前記排電電圧低域濾波器の前記応答速度が前記定電圧回路の前記応答速度より遅くなされていることを特徴とする給排電型定電圧補償回路。 - 前記給電電力制御素子は、
前記第1の給電電力端であるソースと、前記第2の給電電力端であるドレインと、前記給電電力制御端であるゲートと、を有する電力給電用MOSFETであり、
前記給電電力素子制御手段は、
給電電力制御用MOSFETと、前記給電電力制御用MOSFETのドレインおよび前記電力給電用MOSFETの前記ゲートに一端を接続され、前記電力給電用MOSFETの前記ソースに他端を接続される負荷抵抗と、前記給電電力制御用MOSFETのゲートに接続される前記給電電圧低域濾波器と、を有してなり、
前記給電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記給電電力制御用MOSFETの前記ゲートに前記給電電圧低域濾波電圧差を付与して、
前記出力端電圧差が、前記給電電圧低域濾波電圧差より前記給電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上小さいときに前記電力給電用MOSFETの前記ソースと前記電力給電用MOSFETの前記ドレインとの間に電流を流すものであり、
前記排電電力制御素子は、
前記第1の排電電力端であるソースと、前記第2の排電電力端であるドレインと、前記排電電力制御端であるゲートと、を有する電力排電用MOSFETであり、
前記排電電力素子制御手段は、
排電電力制御用MOSFETと、前記排電電力制御用MOSFETのドレインおよび前記電力排電用MOSFETの前記ゲートに一端を接続され、前記電力排電用MOSFETの前記ソースに他端を接続される負荷抵抗と、前記排電電力制御用MOSFETのゲートに接続される前記排電電圧低域濾波器と、を有してなり、
前記排電電力制御用MOSFETのソースに前記出力端電圧差を付与し、前記排電電力制御用MOSFETの前記ゲートに前記排電電圧低域濾波電圧差を付与して、
前記出力端電圧差が、前記排電電圧低域濾波電圧差より前記排電電力制御用MOSFETのゲート・ソース間閾値電圧差以上大きいときに前記電力排電用MOSFETの前記ソースと前記電力排電用MOSFETの前記ドレインとの間に電流を流すものである請求項5に記載の給排電型定電圧補償回路。 - 請求項1もしくは請求項2記載の給電型定電圧補償回路、または請求項3もしくは請求項4記載の排電型定電圧補償回路、または請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路の少なくとも一つを有する安定化電源。
- 請求項1または請求項2記載の給電型定電圧補償回路と、
パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、
前記パルス幅制御方式定電圧回路は、
前記給電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、
前記拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、を有する安定化電源。 - 請求項3または請求項4記載の排電型定電圧補償回路と、
パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、
前記パルス幅制御方式定電圧回路は、
前記排電型定電圧補償回路が動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、
前記縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、
を有する安定化電源。 - 請求項5もしくは請求項6記載の給排電型定電圧補償回路と、
パルス幅制御方式定電圧回路と、を備え、
前記パルス幅制御方式定電圧回路は、
前記給排電型定電圧補償回路が給電動作を開始したことを検出して、パルス幅の拡張を指示する拡張指示信号を発生する拡張指示信号発生手段と、
前記拡張指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅拡張手段と、
前記給排電型定電圧補償回路が排電動作を開始したことを検出して、パルス幅の縮小を指示する縮小指示信号を発生する縮小指示信号発生手段と、
前記縮小指示信号を付与されてパルス幅のONデューティを所定の値とするパルス幅縮小手段と、
を有する安定化電源。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004107159A JP2005295685A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 安定化電源 |
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JP2005295685A true JP2005295685A (ja) | 2005-10-20 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015004951A (ja) * | 2013-05-23 | 2015-01-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 調理器の液晶駆動装置 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004107159A patent/JP2005295685A/ja active Pending
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