JP2005293991A - フラットハーネス - Google Patents

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剛久 井出
興治 ▲崎▼山
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Abstract

【課題】 導体と接続端子との接続部分への高い防水性と衝撃などに対する高い耐久性を備えたフラットハーネスを提供する。
【解決手段】 複数の導体が非極性ポリマーからなる絶縁被覆により覆われて平面状に並設されたフラットケーブル2と、このフラットケーブル2に側面から接続される接続面を有する極性ポリマーからなるハウジング10と、このハウジング10に保持されると共に前記ハウジング10の接続面から突出して前記フラットケーブル2の絶縁被覆に食い込んで導体を挟み込むことによって圧接する圧接端子8aと、ハウジング10の接続面側を覆い圧接端子8aと導体との接続部を内部に封入するモールド部9とを備える。モールド部9は、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分とするホットメルト組成物からなる。
【選択図】 図5

Description

この発明は、自動車等に搭載される電装部品(補機)と、これらの間を接続するフラットケーブル(Flat Cable:FC)等から構成されるフラットハーネスに関し、特にフラットケーブルの導体とコネクタに備えられた圧接端子との接続部分の防水性及び耐久性を向上させたフラットハーネスに関する。
従来より、自動車等の電装部品(補機)間を接続するものとして、複数の導体が絶縁被覆により覆われて平面状に並設されたフラットケーブルを利用したフラットハーネスが知られている。フラットハーネスは、各補機間又はコネクタ間を接続する複数の電線にフラットケーブルを用いたものであり、フラットケーブルを構成する各電線の端末には、圧着端子が取り付けられ、これらの圧着端子は、各補機や補機に接続されるコネクタ等に内蔵されている。
このようなフラットハーネスを自動車等に配索する場合、場所によってはハーネスに備えられたコネクタに防水性が要求されることがある。特にコネクタに内蔵された圧着端子などの接続端子とハーネスの導体との接続部分には、高い防水性と、この防水性と併せて耐久性も要求されることがある。従来、このような端子と導体との接続部分に樹脂モールドを施してモールド部を形成し、このモールド部により接続部分を封止して防水性及び耐久性を両立させることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−167821号公報(第5−7頁、第1図)
しかしながら、このようにモールド部のみによって接続部分を封止するだけでは、その接続部分に与えられた衝撃等によりモールド部がコネクタなどから剥離して防水性が保たれなくなる場合がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、導体と接続端子との接続部分への高い防水性と衝撃などに対する高い耐久性を備えることができるフラットハーネスを提供することを目的とする。
本発明に係るフラットハーネスは、複数の導体が非極性ポリマーからなる絶縁被覆により覆われて平面状に並設されたフラットケーブルと、このフラットケーブルに側面から接続される接続面を有する極性ポリマーからなるハウジングと、このハウジングに保持されると共に前記ハウジングの接続面から突出して前記フラットケーブルの前記絶縁被覆に食い込んで前記導体を挟み込むことによって圧接する圧接端子と、前記ハウジングの接続面側を覆い前記圧接端子と前記導体との接続部を内部に封入するモールド部とを備え、前記モールド部が、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分とするホットメルト組成物であることを特徴とする。
本発明において、モールド部を形成するホットメルト組成物の各主成分の機能は、次の通りである。すなわち、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、本発明に係るモールド樹脂又はホットメルト組成物に極性を持たせるものである。本発明に係るモールド樹脂又はホットメルト組成物は、この樹脂を添加することによって、極性ポリマーであるとともに溶解性パラメーターがオレフィン系とは大きく離れているPBTやPAとも良好に接着することが可能となる。すなわち、マレイン酸変性ポリオレフィンは、オレフィン系のノンハロゲン材料に対する接着性を維持しつつ、通常ポリオレフィン系ホットメルト組成物では接着が困難なPBTやPAなどの極性ポリマーに対する接着性発現に大きく寄与するものである。また、C9水添石油樹脂は、その添加によりタック(初期粘着力)を発現させる機能があり、この機能により、PBTやPAなどの極性ポリマーに対する接着性向上にも大きく寄与することができる。さらに、C9水添石油樹脂は、マレイン酸変性ポリオレフィン等の材料に相溶してホットメルト組成物の溶融粘度を低下せしめ充填作業性を向上させ、かつ材料への濡れ性を発現させることができる。
また、C9水添石油樹脂及びアモルファスポリオレフィンは、オレフィン系のベース材料であり、その溶解性パラメーターがオレフィン系のノンハロゲン材料に近いため、これらの樹脂によりオレフィン系のノンハロゲン材料に対する接着性を向上させることができる。また、スチレンエチレンプロピレンスチレンゴムは、熱衝撃性等を向上させるものである。
本発明に係るフラットハーネスによれば、ハウジングの接続面側を覆い圧接端子と導体との接続部を内部に封入するモールド部が、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分とするホットメルト組成物であるマレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分としているので、ポリオレフィン系材料などの非極性ポリマーとPBTやPAなどの極性ポリマーの両方に対する接着強度が高く、導体と圧接端子との接続部分への高い防水性と衝撃などに対する高い耐久性を確保することができる。
本発明の第1の実施形態においては、前記圧接端子が、前記フラットケーブルの長手方向の複数箇所に装着され、前記圧接端子が接続された導体が、前記圧接端子間において切断され、前記導体の切断された部分の両側に配置された圧接端子が、それぞれ異なる回路を形成する。
本発明の第2の実施形態においては、前記ハウジングがコネクタハウジングであり、前記コネクタハウジングが、相手方コネクタが挿入される嵌合部を有し、前記圧接端子が、前記コネクタハウジングに保持されて前記相手方コネクタと電気的に接続される接続端子の基端側に形成され、前記コネクタハウジングの嵌合部に装着されて前記相手方コネクタが前記コネクタハウジングに完全挿入された状態で前記相手方コネクタと前記コネクタハウジングとの間を液密状態に保つ弾性体からなるシール材を備え、前記コネクタハウジングには、前記相手方コネクタの挿入方向に前記コネクタハウジングを貫通する貫通穴が形成され、前記シール材が、前記コネクタハウジングに装着されるシール材本体部と、このシール材本体部と一体的に形成されて前記コネクタハウジングの貫通穴に挿通されて、その挿通方向先端側が前記貫通穴から突出する取付部とを備え、前記モールド部が前記シール材の取付部が突出した側の前記貫通穴の開口部を封止すると共に、前記貫通穴から突出したシール材の取付部を前記コネクタハウジングに固定していることを特徴とする。
本発明の第3の実施形態においては、前記ハウジングがコネクタハウジングであり、前記コネクタハウジングが、前記接続面側からこれと反対側へ貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔が、前記接続面側から前記反対側までの間に、前記反対側における断面積よりも小さい断面積の最小断面積部を有し、前記モールド部が、前記貫通孔の内部にも充填されていることを特徴とする。
本発明の第4の実施形態においては、前記モールド部が、前記フラットケーブルを構成する複数の導体のうち、一部の導体と前記圧接端子との接続部分のみを封止することを特徴とする。
本発明の第5の実施形態においては、内部に電子部品を収容し開口部を有する本体部を更に備え、前記圧接端子が、前記本体部に収容された電子部品と前記フラットケーブルの導体とを電気的に接続する接続端子の基端側に形成され、前記ハウジングが、前記本体部の開口部を塞ぐように設けられ、前記本体部の開口部と前記ハウジングとの間には、前記開口部の縁に沿ったモールド充填用の環状空間が形成され、前記ハウジングには、前記環状空間に連通するモールド注入用の穴が設けられていることを特徴とする。
本発明の第6の実施形態においては、前記ハウジングが、自動車の電装部品である補機の本体部を構成するものであり、前記本体部が、電子部品を実装し所定の配線パターンが形成された基板を備え、前記圧接端子が、前記基板の前記配線パターンと接続されると共に前記フラットケーブルの各導体のうち、少なくとも一部の導体と接続される接続端子の基端部に形成されたものであり、前記フラットケーブルが、前記補機の外形に沿うように配置されていることを特徴とする。
本発明の第7の実施形態においては、前記圧接端子が、先端側に他の回路と接続される接続部が形成された接続端子の基端側に形成され、前記ハウジングが、前記接続端子を収容する端子収容孔を有し、前記接続端子が、板状の金属母材を打ち抜き/折り曲げ加工して形成され、前記接続部及び圧接端子間の所定位置に前記端子収容孔に収容された際に前記端子収容孔を塞ぐ蓋部を備えてなるものであることを特徴とする。
また、本発明に係るモールド部を構成するホットメルト組成物において、前記マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が5〜25重量%、前記C9水添石油樹脂が15〜50重量%、前記アモルファスポリオレフィンが30〜55重量%、及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムが1〜20重量%であることが好ましく、特に前記マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が10〜20重量%、前記C9水添石油樹脂が35〜40重量%、前記アモルファスポリオレフィンが35〜50重量%、及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムが5〜15重量%であることがより好ましい。
マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂をマレイン酸又は無水マレイン酸によって変性処理されたものであり、この変性処理は、従来から知られている方法によって行なうことができる。例えば、単軸混練押出機または二軸混練押出機を用いて、ポリオレフィン樹脂にマレイン酸または無水マレイン酸を過酸化物とともに加えて混練し、グラフト反応を行なうことにより得ることができる。マレイン酸変性率は、マレイン酸基換算で1〜10重量%であることが好ましい。本発明に係るホットメルト組成物に用いられるマレイン酸変性ポリレフィン樹脂としては、例えばマレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレンなどがある。
C9水添石油樹脂は、石油のC9留分であるスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンを単独または2以上共重合して得られるC9石油樹脂に部分水素添加又は完全水素添加されたものであり、水素添加は、従来から知られている方法によって行なうことができる。水添の程度は、他の材料との相溶性、耐候性、耐熱性及び色調から完全水素添加のC9石油樹脂が好ましい。本発明に係るホットメルト組成物に用いられるC9水添石油樹脂としては、例えばイ−ストマンケミカル社製リガライトRタイプ、荒川化学社製アルコンPタイプ及びMタイプなどがある。
アモルファスポリオレフィンは、プロピレン単独あるいはプロピレンと他のオレフィンを共重合した非晶性のオレフィン系ポリマーであり、これらの分子量は、1000〜100000程度のものが適当である。本発明に係るホットメルト組成物に用いられるアモルファスポリオレフィンとしては、例えばチッソ社製ビスタック、三洋化成社製ビスコール、デグサ社製ベストプラストなどのアモルファスポリプロピレンがある。
本発明に係るモールド部に使用されるホットメルト組成物は、これらマレイン酸変性オレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを混合することにより得ることができ、混合装置としては、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などが用いられる。
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態に係るフラットハーネスを示す簡易レイアウト図、図2は、このフラットハーネスに使用されるフラットケーブルの一部拡大図である。
フラットハーネス1は、絶縁被覆に覆われて平面状に並設された複数の導体からなるフラットケーブル2と、このフラットケーブル2に装着された複数のコネクタ3a,3b,3c,3dと、このフラットケーブル2の両端部間の所定位置に装着された中継コネクタ6とから構成され、コネクタ3a〜3dが嵌合されるコネクタ接続部を備えた各補機7a,7b,7c,7dが取り付けられたモジュール100等に取り付けられ、各補機7a〜7d間を電気的に接続する。なお、コネクタ3a〜3dには、補機7a〜7dと接続される後述する接続端子が、中継コネクタ6には、他のハーネスと接続される後述する中継用接続端子がそれぞれ備えられている。また、これらコネクタ3a〜3d及び中継コネクタ6の接続端子及び中継用接続端子とフラットケーブル2の導体との接続部分には、後述するモールド部が形成されている。
フラットケーブル2は、図2に示すように、例えばCu又はAlからなる丸型導体の単線や撚り線等の線材からなる導体4a,4b,4c,4d,4eを、ポリエチレン(PE)及びポリオレフィン(PO)等の非極性ポリマーからなる絶縁被覆5で覆い、各絶縁被覆5間がそれぞれ互いに絶縁被覆5と同じく絶縁樹脂からなるブリッジ部5aにより結合されたフラットケーブル構造からなる。なお、フラットケーブル2は、平角導体からなる導体4がラミネート又は押出しによって平面的に形成された絶縁被覆5により覆われた構造からなるフレキシブルフラットケーブルであっても良い。
図3は、フラットハーネス1における中継コネクタ6の部分を示す斜視図、図4は、この装着部分からモールド部を除去した様子を示す斜視図、図5は図3のA−A’断面図である。
中継コネクタ6は、コネクタハウジング10、接続端子8及び樹脂モールド部9により構成されている。コネクタハウジング10は、一方の側に相手方コネクタが挿入される嵌合部10aを有すると共に、他方の側にフラットケーブル2が添設される接続面10bを有し、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)等の極性ポリマーにより形成されている。接続端子8は、例えば図6に示すように、同合金の金属板をプレス成形して形成されたもので、相手方コネクタの接続端子と接続される接続部8bと、フラットケーブル2の絶縁被覆5に食い込んで、導体4を挟み込んで圧接するフォーク端子形状の圧接部8aとを有する。
フラットケーブル2の中継コネクタ6の装着部分は、コネクタハウジング10の接続面10b全体が覆われるように、接続端子8の圧接部8aとフラットケーブル2の各導体4a〜4eとの接続部分を包含するモールド部9で封止されている。一見するとこの中継コネクタ6の装着部分において各導体4a〜4eがそれぞれ圧接部8aに圧接されているように見えるが、実際には、図4に示すように、中継コネクタ6の装着部分においてこれら導体4a〜4eのうち、導体4a及び4eが切断されて、導体4aは4a1と4a2とに分離され、導体4eは4e1と4e2とに分離されたうえで、それぞれが接続端子8の圧接部8aに圧接されている。なお、図3に示すように、このモールド部9の、モールド部9からフラットケーブル2が露出する端部と隣接する端部には、フラットケーブル2の長手方向と直交する方向に、この長手方向に沿って複数の溝9aが形成されており、ある程度の屈曲自在性を持たせることによりフラットケーブル2の断線等を防止する構造となっている。
ここで、モールド部9は、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分とするホットメルト組成物により形成されているので、非極性ポリマー、極性ポリマーの両方に対して良好な接着性を有し、導体と圧接端子との接続部分への高い防水性と衝撃などに対する高い耐久性を確保することができる。
なお、導体4a(4eも同様であるが、以下省略する)を単に切断した場合、切断された導体4aのそれぞれの切断部分は、図7に示すような状態でモールド部9により封止されていると良い。即ち、同図(a)に示すように、それぞれの導体4a1及び4a2の切断部分近傍は、フラットケーブル2における中継コネクタ6の装着部分において、接続端子8の圧接部8aにそれぞれ接続されると共に、それらの切断面4a11と4a21とが接触若しくは対向しない状態となるように図中上方向に折り曲げられて封止されている。この場合、中継コネクタ6に、この折り曲げ状態を保持するためのリブ10cが形成されていると良い。一方、導体4a1及び4a2の切断面4a11及び4a21が接触若しくは対向しない状態となるように図中下方向に折り曲げてモールド部9で封止する場合、同図(b)に示すように、コネクタハウジング10に、導体4a1,4a2の折り曲げ先端を嵌合する凹部10d,10eが形成されていると良い。このようにすれば、導体4a1,4a2の短絡等を防止することができる。
また、所定の導体4の所定範囲を切り落とした場合、中継コネクタ6にその所定範囲に嵌り込む突起部を形成しておけば、フラットケーブル2と接続端子8との接続位置を位置決めすることができる。例えば、図4に示した中継コネクタ6に、上記突起部を形成した場合、図8に示すように、形成した突起部10f,10gに導体4a1,4a2の間の部分及び導体4e1,4e2の間の部分を挿入して接続端子8の圧接部8aと圧接すれば、接続位置の位置決めを行うことができる。
第2の実施形態
図9は、本発明の第2の実施形態を示す図で、図1のフラットハーネス1における例えばコネクタ3b等に用いられ、その一部断面を示す側面図である。
コネクタ3bは、この例ではレセプタクルコネクタであり、各補機7a〜7dのコネクタ接続部としてのプラグコネクタ(図示せず)が嵌合する凹部形状の嵌合部11と、接続端子20が収容される接続端子収容部12と、嵌合部11からプラグコネクタの嵌合方向(図中矢印方向)に貫通する貫通穴13とを有するコネクタハウジング14を備えてなる。コネクタハウジング14は、極性ポリマーからなる。接続端子20は、圧接端子であり、フラットケーブル2の導体(図示せず)が圧接部20aに圧接されて接続されている。
このコネクタ3aのコネクタハウジング14には、図10に示すようなシール材30が固定されている。シール材30は、エラストマなどの弾性体からなり、接続端子収容部12の外壁部12aに内周部31cが嵌るリング状のシール材本体部31と、貫通穴13を通ってその先端部32bが嵌合部11形成側と反対側のコネクタハウジング14の端部14aに突出する取付部32とを備えてなり、シール材本体部31の外周部31dには、溝31aが形成され、取付部32の挿入方向先端側には、爪部32aが形成されている。溝31aは、嵌合部11へのプラグコネクタ嵌合時にシール材本体部31の変形を吸収すると共にプラグコネクタとの密閉性を高めるために設けられている。なお、取付部32は、爪部32aが形成されてないいわゆるストレート形状であっても良い。また、シール材30のシール材本体部31の内周部31cは、接続端子収容部12の外壁部12aにピッタリと嵌るリング形状のため、これらの間の防水性は確保される構造となっている。
一方、シール材30の取付部32は、貫通穴13を通ってその先端部32bがコネクタハウジング14の端部14a側に突出すると共に、その爪部32aが貫通孔13の開口端周縁に係合する状態となっている。しかし、取付部32は、必ずしも貫通穴13を塞ぐようにピッタリと嵌る形状ではないため、これらの間には隙間が生じる場合がある。そのため、コネクタハウジング14の端部14a側に、図5に示すようなモールド部40を形成して接続端子20とフラットケーブル2との接続部分や少なくとも取付部32の先端部32bが突出した側の貫通穴13の開口部を封止する。このモールド部40により取付部32の先端部32bや爪部32aはコネクタハウジング14に封止固定され、これにより、シール材30はコネクタハウジング14に固定される。なお、シール材30の取付部32が爪部32aを有しないストレート形状の場合も同様にモールド部40によりシール材30がコネクタハウジング14に封止固定される。
プラグコネクタは、その嵌合部がコネクタハウジング14の嵌合部11の内壁部11aとシール材30のシール材本体部31の外周部31dとの間に嵌り込むため、プラグコネクタとコネクタ3aとの接続部分は嵌合部11においてシール材30により密閉される。このように、このシール材の固定構造によれば、接続端子20とフラットケーブル2との接続部分を封止するモールド部40によりシール材30の取付部32をコネクタハウジング14に封止してシール材30を固定するため、高い防水性を実現しつつ確実に固定することができる。モールド部40の材質について第1の実施形態で述べたものと同様である。
第3の実施形態
図11は、本発明の第3の実施形態を示す図で、図1のフラットハーネス1における例えばコネクタ3b等に用いられるコネクタハウジング部分の平面図である。
図11に示すように、コネクタ3bに用いられる前述と同様の樹脂からなるコネクタハウジング51のフラットケーブル2との接続面51a側には、接続端子と接続されるフラットケーブル2の導体4をコネクタハウジング51に位置決めするリブ52が複数設けられ、端子収容孔53に収容された接続端子20の圧接部20aが露出している。また、コネクタハウジング51の導体4が添設される所定位置には、貫通孔54が複数形成されている。貫通孔54は、図12に示すように、モールド部形成側の端部から反対側の端部までの間に、反対側の端部における断面積よりも小さい断面積の最小断面積部を有する形状で形成されており、この例では図12に示すように、コネクタハウジング51のフラットケーブル2との接続面51aに開口端を有する第1貫通孔54aと、この第1貫通孔54aと連通し、第1貫通孔54aよりも大きい内径を備えコネクタハウジング51の他のコネクタとの嵌合部55側に開口端を有する第2貫通孔54bとから構成されている。
図13は、このコネクタのコネクタハウジング51にモールド部を形成する様子を示す工程図であり、フラットケーブル2と接続されモールド部が形成された場合の図11のB−B´断面部分を示す断面図である。
まず、フラットケーブル2の導体4と端子収容孔53に収容された接続端子の圧接部20aとの接続後に、その接続部分を包含する状態の空間部56を形成する形状の上治具60aをコネクタハウジング51のフラットケーブル2との接続側に取り付け、嵌合部55側に貫通孔54の第2貫通孔54bの途中までを塞ぐ凸部61が形成された下治具60bを取り付ける。上治具60aには、外部から空間部56に連通するモールド注入孔62が形成されており、このモールド注入孔62には、モールド注入装置(図示せず)の注入先端部63が接続されている。上治具60aと下治具60bとをコネクタハウジング51に取り付けたら、モールド注入装置から前述と同様の組成を有するホットメルト樹脂などからなるモールド樹脂64を注入先端部63及びモールド注入孔62を介して空間部56内に充填する。空間部56内に充填されたモールド樹脂64は、フラットケーブル2の導体4と接続端子の圧接部20aとの接続部分のみならず、第1貫通孔54aを通って凸部61の先端部がある第2貫通孔54bの途中まで到達する。こうして空間部56に充填されたモールド樹脂64が固まると、モールド部65が形成される。
このモールド部65は、導体4と圧接部20aとの接続部分(図示せず)を封止すると共に第1貫通孔54a及び第2貫通孔54bの途中までの貫通孔54を封止する。第2貫通孔54bは第1貫通孔54aよりも大きな内径を有するため、このようにモールド部65が形成された結果、第2貫通孔54bに形成された部分がフラットケーブル2との接続側に形成された部分に対して楔のような役割を果たす。このため、コネクタハウジング51のフラットケーブル2との接続側に形成されたモールド部65が衝撃などによりコネクタハウジング51から剥離し難い構造を実現すると共に、導体4と圧接部20aとの接続部分や嵌合部55への高い防水性を実現するコネクタ3aを構成することができる。
なお、コネクタハウジング51の貫通孔54の形状を、この貫通孔54を構成する第1貫通孔54aと第2貫通孔54bとの接続部が第1貫通孔54aから第2貫通孔54bにかけてテーパ形状を形成するように構成しても良い。
第4の実施形態
図14は、本発明の第4の実施形態に係る防水構造が適用されたセンサを示す一部省略分解斜視図、図15は、同センサにモールド部が形成された場合の図14におけるC−C´断面図、図16は、同センサにモールド部が形成された場合の図14におけるD−D´断面図である。
電子部品であるセンサ70は、例えば自動車の補機として図1のフラットケーブル2の途中に接続される。図14(a)に示すように、このセンサ70は、一方の端部が開口するケース71a内に図示しない電子部品を収容してなる本体部71と、この本体部71の開口部を塞ぐ平板状のハウジング72と、このハウジング72に保持されて先端部が本体部71の電子部品と接続され基端部がフラットケーブル2の導体4と接続される圧接部20aを構成する接続端子20と、ハウジング72のフラットケーブル2との接続面72e側を封止するモールド部73とを備えて構成されている。
本体部71のケース71aの開口端縁部71bに突条71cが形成され、これと対向するハウジング72の面には、突条71cをいわゆるインロー構造で取り囲む外周壁72a及び内周壁72bが形成されている。ハウジング72には、ケース71aの開口端縁部71b、ハウジング72、その外周壁72a及び内周壁72bで形成される環状空間74と連通する2つの貫通孔72cが形成されている。ハウジング72の外周壁72aの2箇所には、外周壁72aの一部を下側に延長させた形態の係合片72dが形成されている。一方、本体部71のケース71aの外周面には、ハウジング72の係合片72dと係合する係合爪71dが形成されている。このため、本体部71とハウジング72とは、係合爪71dと係合片72dとが係合されることにより結合されるようになっている。
本体部71とハウジング72とが結合された状態で、フラットハーネス2と圧接部20aとの接続部をホットメルト樹脂で封止してモールド部73を形成したとき、ホットメルト樹脂は、貫通孔72cを介して環状空間74に充填されるので、この環状空間74に充填されたホットメルト樹脂により防水機能が実現されることになる。これにより、本体部71の内部にシール材を充填させることなくセンサ70の防水処理を施すことができ、防水のための材料の削減が可能となる。そして、この場合にも、本体部71のケース71a、ハウジング72及びモールド部73は、前述した樹脂を用いることにより、接着強度向上による防水機能向上を図ることができる。
第5の実施形態
図17は、本発明の第5の実施形態に係るセンサの一部省略分解斜視図、図18は、同センサのケーブル接続構造を説明するための一部省略外観斜視図、図19は、同センサの外観斜視図である。
電子部品としてのセンサ80は、例えば自動車の補機として図1のフラットケーブル2の途中に接続される。図17に示すように、補機としてのセンサ80は、本体部81と、この本体部81の先端側に装着されて、本体部81を、図示しない固定部材に固定するためのリテーナ82と、本体部81の基端側に保持された接続端子83と、本体部81の基端側を封止するモールド部84a,84bとにより構成されている。
本体部81は、前述した樹脂からなる筒状のハウジング81aと、このハウジング81aの内部に収容された電子部品としての回路基板81bと、この回路基板81bに接続されて本体部81の先端部に設けられたセンサ検知部81cとを備えている。接続端子83は、圧接部83aと接続部83bとからなる。圧接部83aは、ハウジング81aの基端側面側に、筒状のハウジング81aの軸に対して直交する方向に突出し、ハウジング81aの側面と平行な接続面に沿うように配置されたフラットケーブル2の導体4と接続される。接続部83bは、回路基板81bに装着及び接続される。そして、これら圧接部83aとフラットケーブル2との接続部分、及び接続部83bと回路基板81bとの接続部分が、それぞれモールド部84a,84bで封止されることにより、センサ80が構成されている。このモールド部84a,84bも前述したホットメルト樹脂を用いたものである。
第6の実施形態
図20は、本発明の第6の実施形態に係るフラットハーネスの一部拡大平面図、図21は、図20のE−E´断面図である。
図20は、図1のフラットハーネス1のコネクタ3a〜3d(この例では、コネクタ3cを選択して説明する。)のフラットケーブル2における装着部分を示しており、この部分は、後述する接続端子20の圧接部20aとフラットケーブル2の所定の導体4a,4bとの接続部分のみを包含するモールド部9で封止されている。このため、モールド部9は、コネクタ3cの装着部分を通る、接続端子と接続されていない導体4c〜4dの部分には形成されていない。このようにこのフラットハーネス1のコネクタ3a〜3dの装着部分では、モールド部9が所定の導体(例えば、コネクタ3cでは導体4a,4b)と接続端子20との接続部分のみを包含する状態で形成されているため、コネクタ3a〜3dの装着部分でフラットケーブル2を構成する各導体4a〜4e全体を包含する状態のモールド部9が形成されている場合に比べてモールド樹脂の消費量を抑えることができ、材料の無駄を少なくすることができる。
なお、フラットケーブル2の接続端子20と接続される導体4a,4bの間のブリッジ部5a及び導体4bと隣接する導体4cとの間のブリッジ部5aには、それぞれ導体4a,4bに沿って所定の長さのスリット22が各導体4a〜4eの配列方向に複数形成されており、これにより、導体4a,4bと接続端子20の圧接部20aとの圧接を行い易くすると共に、圧接部20aのピッチずれを吸収するようになっている。
第7の実施形態
図22は、本発明の第7の実施形態に係るフラットハーネス1の中継コネクタの分解斜視図、図23は、図22にモールド部を加えたF−F´断面図である。
中継コネクタ90は、ハウジング91と、このハウジング91に保持される接続端子92と、接続端子92とフラットケーブル2との接続部を封止するモールド部93とにより構成されている。ハウジング91は、接続端子92を収容するための端子収容孔91aが形成された前述した樹脂からなる。接続端子92は、板状の金属母材を打ち抜き/折り曲げ加工して形成されたもので、先端側に中継コネクタ90と嵌合される他のハーネスの他のコネクタに収容された他の接続端子と接続される筒状の接続部92bを備えると共に、基端側に複数の圧接部92aを備える。また、接続端子92の接続部92bと圧接部92aとの間には、接続端子92の接続部92bが完全に端子収容孔91aに収容された際に端子収容孔91aの圧接部92a側の開口端を塞ぐ蓋部92cが形成されている。この蓋部92cは、例えば端子収容孔91aに隙間なく圧入される。このため、この蓋部92cがモールド部93を構成するホットメルト樹脂の端子収容孔91aへの流入を防ぐ。これにより、接続端子92の接続部92bの筒状空間をモールドして封止してしまうことを防止することができる。
ホットメルト樹脂の実施例

次に、以上の各実施形態での使用に適したホットメルト組成物の実施例について説明する。先ず、表1に示す樹脂1乃至5を2軸ニーダーを用いて200℃で溶融混練することによって実施例1乃至5に係るホットメルト組成物を得た。なお、実施例及び比較例においてホットメルト組成物の溶融粘度は、JIS K 6862に基づいてブルックフィ−ルド形粘度計を用いて180℃で測定し、軟化点は、JIS K 6863に基づいて測定した。
Figure 2005293991
樹脂1:マレイン酸変性ポリプロピレン(ユニロイヤルケミカ社製、ポリボンド3200)
樹脂2:マレイン酸変性ポリエチレン(日本製紙ケミカル社製、アウロ−レン150S)
樹脂3:C9水添石油樹脂(荒川化学工業社製、アルコンP-140)
樹脂4:アモルファスポリプロピレン(デグサ社製、ベストプラスト828)
樹脂5:スチレンエチレンプロピレンスチレンゴム (クラレ社製、セプトン
2002)
実験例1
次に、非極性ポリマーであるポリエチレン相互に対する実施例1乃至5に係るホットメルト組成物の接着性を検証するために、剥離試験をJIS K 6854(T型試験:剥離片はたわみ性材料同士)に基づいて行なった。剥離試験1は、初期状態で行なったものであり、剥離試験2は、120℃雰囲気下で24時間放置後、常温状態で行なったものであり、剥離試験3は、−40℃雰囲気下で24時間放置後の状態で行なったものであり、剥離試験4は、水中で沸騰1時間後の状態で行なったものである。これらの結果を表2に示す。
Figure 2005293991
次に、比較例1として、ポリエステル系ホットメルト組成物、比較例2としてポリアミド系ホットメルト組成物(TRL社製、テルメルト865)、比較例3としてポリオレフィン系ホットメルト組成物(商品名マクロメルト Q5353、ヘンケル社製)、及び比較例4としてポリアミド系ホットメルト組成物(旭化学合成製、RN−254)を用意し、これらについても実施例1乃至5に係るホットメルト組成物と同様に剥離試験を行なった。その結果を表3に示す。
Figure 2005293991
表2及び3から明らかなように、実施例1乃至5に係るホットメルト組成物の方が、比較例1乃至4に係るホットメルト組成物よりも非極性ポリマー相互に対する接着性が優れていることが分かる。
実験例2
次に、極性ポリマーであるPBT相互に対する実施例1乃至5に係るホットメルト組成物の接着性を検証するために、実験例1と同様に剥離試験をJIS K 6854によって行なった。その結果を表4に示す。
Figure 2005293991
次に、実験例1で用いた比較例1乃至3に係るホットメルト組成物を用いても同様に2つのPBTの相互に対する接着性の試験を行なった。その結果を表5に示す。
Figure 2005293991
表2乃至表5から明らかなことは、比較例1,2は、極性ポリマーであるPBT相互に対する接着性については比較的良好な接着性を示したものの、非極性ポリマー相互の接着性に劣り、比較例3は、非極性ポリマー相互の接着性については比較的良好な接着性を示したものの、極性ポリマー相互の接着性は著しく劣っているという点である。また、比較例4については、非極性ポリマー相互の接着性に劣るものであった。これに対し、実施例1乃至5に係るホットメルト組成物は、比較例1乃至4に係るホットメルト組成物と比較して、極性ポリマー相互、及び非極性ポリマー相互の接着性が何れも遜色なく良好であった。
実験例3
次に、実施例1乃至5並びに比較例1乃至4に係るホットメルト組成物について、塩水耐圧リーク試験(防水限界試験)を行なった。塩水耐圧リーク試験は、図24に示すように、コネクタハウジング121に保持された圧接端子122をケーブル123の一端に装着し、圧接部をホットメルト組成物からなるモールド樹脂124でモールドすると共に、これをケーブル123の他端に接続された金属電極125と一緒に試験槽127内の塩化ナトリム水溶液126に浸漬して行う。この状態で、圧接端子122と金属端子125との間に標準抵抗129を介して直流電源130により直流電圧を印加して、標準抵抗129の両端の電圧を電圧計131で監視し、所定値以上のリーク電流が観測されるまでの時間を測定する。なお、試験は、恒温槽128の内部の温度サイクル環境下にて行なった。その結果を表6に示す。
Figure 2005293991
表6から明らかなように実施例1乃至5に係るホットメルト組成物の方が比較例1乃至4に係るホットメルト組成物に比し防水限界、すなわち防水耐久性に優れていることが分かる。
この発明の第1の実施形態に係るフラットハーネスの簡易レイアウト図である。 同フラットハーネスに使用されるフラットケーブルの一部拡大図である。 同フラットハーネスにおける中継コネクタの部分を示す斜視図である。 同中継コネクタの部分からモールド部を除去した様子を示す斜視図である。 図3のA−A’断面図である。 同中継コネクタに用いられる接続端子の外観斜視図である。 同中継コネクタの変形例を示す部分断面図である。 同中継コネクタの他の変形例を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るコネクタの一部断面を示す側面図である。 同コネクタに使用されるシール材の外観斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るコネクタに用いられるコネクタハウジング部分の平面図である。 同コネクタハウジングの一部を示す側面図である。 同コネクタハウジングにモールド部を形成する様子を示す図11のB−B´断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る防水構造が適用されたセンサを示す一部省略分解斜視図である。 同センサにモールド部が形成された場合の図14におけるC−C´断面図である。 同センサにモールド部が形成された場合の図14におけるD−D´断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るセンサの一部省略分解斜視図である。 同センサのケーブル接続構造を説明するための一部省略外観斜視図である。 同センサの外観斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係るフラットハーネスの一部拡大平面図である。 図20のE−E´断面図である。 本発明の第7の実施形態に係るフラットハーネスの中継コネクタの分解斜視図である。 図22にモールド部を加えたF−F´断面図である。 実験例4に用いた塩水耐圧リーク試験装置の概略構成図である。
符号の説明
1…フラットハーネス、2…フラットケーブル、3a〜3d…コネクタ、4,4a〜4e…導体、5…絶縁被覆、6…中継コネクタ、7a〜7d…補機、8,20,83,92…接続端子、9,40,65,73,84a,84b,93…モールド部。








Claims (10)

  1. 複数の導体が非極性ポリマーからなる絶縁被覆により覆われて平面状に並設されたフラットケーブルと、
    このフラットケーブルに側面から接続される接続面を有する極性ポリマーからなるハウジングと、
    このハウジングに保持されると共に前記ハウジングの接続面から突出して前記フラットケーブルの前記絶縁被覆に食い込んで前記導体を挟み込むことによって圧接する圧接端子と、
    前記ハウジングの接続面側を覆い前記圧接端子と前記導体との接続部を内部に封入するモールド部とを備え、
    前記モールド部が、
    マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、C9水添石油樹脂、アモルファスポリオレフィン及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムを主成分とするホットメルト組成物である
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記モールド部は、
    前記マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が5〜25重量%、前記C9水添石油樹脂が15〜50重量%、前記アモルファスポリオレフィンが30〜55重量%、及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムが1〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のフラットハーネス。
  3. 前記モールド部は、
    前記マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が10〜20重量%、前記C9水添石油樹脂が35〜40重量%、前記アモルファスポリオレフィンが35〜50重量%、及びスチレンエチレンプロピレンスチレンゴムが5〜15重量%であることを特徴とする請求項1記載のフラットハーネス。
  4. 前記圧接端子は、前記フラットケーブルの長手方向の複数箇所に装着され、
    前記圧接端子が接続された導体は、前記圧接端子間において切断され、
    前記導体の切断された部分の両側に配置された圧接端子は、それぞれ異なる回路を形成するものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  5. 前記ハウジングはコネクタハウジングであり、
    前記コネクタハウジングは、相手方コネクタが挿入される嵌合部を有し、
    前記圧接端子は、前記コネクタハウジングに保持されて前記相手方コネクタと電気的に接続される接続端子の基端側に形成され、
    前記コネクタハウジングの嵌合部に装着されて前記相手方コネクタが前記コネクタハウジングに完全挿入された状態で前記相手方コネクタと前記コネクタハウジングとの間を液密状態に保つ弾性体からなるシール材を備え、
    前記コネクタハウジングには、前記相手方コネクタの挿入方向に前記コネクタハウジングを貫通する貫通穴が形成され、
    前記シール材は、前記コネクタハウジングに装着されるシール材本体部と、このシール材本体部と一体的に形成されて前記コネクタハウジングの貫通穴に挿通されて、その挿通方向先端側が前記貫通穴から突出する取付部とを備え、
    前記モールド部は前記シール材の取付部が突出した側の前記貫通穴の開口部を封止すると共に、前記貫通穴から突出したシール材の取付部を前記コネクタハウジングに固定している
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  6. 前記ハウジングはコネクタハウジングであり、
    前記コネクタハウジングは、
    前記接続面側からこれと反対側へ貫通する貫通孔を有し、
    前記貫通孔は、前記接続面側から前記反対側までの間に、前記反対側における断面積よりも小さい断面積の最小断面積部を有し、
    前記モールド部は、前記貫通孔の内部にも充填されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  7. 前記モールド部は、前記フラットケーブルを構成する複数の導体のうち、一部の導体と前記圧接端子との接続部分のみを封止する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  8. 内部に電子部品を収容し開口部を有する本体部を更に備え、
    前記圧接端子は、前記本体部に収容された電子部品と前記フラットケーブルの導体とを電気的に接続する接続端子の基端側に形成され、
    前記ハウジングは、前記本体部の開口部を塞ぐように設けられ、
    前記本体部の開口部と前記ハウジングとの間には、前記開口部の縁に沿ったモールド充填用の環状空間が形成され、
    前記ハウジングには、前記環状空間に連通するモールド注入用の穴が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  9. 前記ハウジングは、自動車の電装部品である補機の本体部を構成するものであり、
    前記本体部は、電子部品を実装し所定の配線パターンが形成された基板を備え、
    前記圧接端子は、前記基板の前記配線パターンと接続されると共に前記フラットケーブルの各導体のうち、少なくとも一部の導体と接続される接続端子の基端部に形成されたものであり、
    前記フラットケーブルは、前記補機の外形に沿うように配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
  10. 前記圧接端子は、先端側に他の回路と接続される接続部が形成された接続端子の基端側に形成され、
    前記ハウジングは、前記接続端子を収容する端子収容孔を有し、
    前記接続端子は、板状の金属母材を打ち抜き/折り曲げ加工して形成され、前記接続部及び圧接端子間の所定位置に前記端子収容孔に収容された際に前記端子収容孔を塞ぐ蓋部を備えてなるものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフラットハーネス。
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