JP2005292592A - 表面処理シリカ - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカよりなり、大きな負の帯電量、優れた帯電の立ち上がり特性、及び環境安定性を有し、特に、複写機やレーザープリンター等に使用される電子写真用トナーの外添剤として有用な表面処理シリカを提供する。
【解決手段】シリカをアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムで処理することにより、表面処理シリカの表面積当り0.3〜3μmol/mのアルミナ成分を付着せしめることにより、得ることができる。上記接触処理は、特に、乾式で実施して得られたものが好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な表面処理シリカに関する。詳しくは、シリカよりなり、大きな負の帯電量、優れた帯電の立ち上がり特性及び環境安定性を有し、更には流動性付与効果に優れた、複写機やレーザープリンター等に使用される電子写真用トナーの外添剤として有用な表面処理シリカを提供する。
複写機やレーザープリンター等の電子写真技術において現像剤に使用されるトナーには、流動性の付与や帯電効率の向上、帯電量の制御等を目的に、シリカ、チタニア、アルミナ等の外添剤が一般的に用いられる。
近年、印刷の高速化、装置の小型化、及びカラー化が進むにつれ、より厳しい性能がトナー及びその外添剤に要求されるようになった。
高速化、小型化により、トナーを帯電させるための摩擦が不十分になる傾向にあり、短時間の摩擦であっても速やかに所定の帯電量まで達することができる、優れた帯電の立ち上がり特性が要求されている。
また、カラートナーにおいては、モノクロ用トナーに用いられているような有色の帯電制御剤を用いることができないこと、及び複数色のトナーの重ねあわせにより色彩を出すため、各色のトナーの帯電量を厳しく制御する必要があることから、外添剤に対する帯電量制御の要求が強まっている。
更に、かかる帯電制御への要求と関連して、様々な環境下においてもある一定の帯電量を示すこと、すなわち高温高湿下と低温低湿下における帯電量の差が小さい、優れた環境安定性が要求されている。
外添剤として広く用いられているシリカは、他の外添剤と比較して負の帯電量が大きく、また流動性付与効果に優れるという特性を有している一方で、帯電の立ち上がり特性、及び環境安定性が悪いという欠点を有している。
この欠点を改善する方法としては、シリカの代わりにシリカとアルミナの複合酸化物を用いることが提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、上記の複合酸化物は、帯電の立ち上がり特性、環境安定性はある程度良好であるが、アルミナ由来の正帯電性による負の帯電量の減少、及び流動性付与能力が低下するという点において、未だ改善の余地があった。
特開2000−181130 特開2003−57871
したがって、本発明の目的は、シリカ本来の流動性付与効果を低下させることなく、大きな負の帯電量を有し、且つ優れた帯電の立ち上がり特性及び環境安定性を有するシリカを提供すること、特に、トナー用外添剤として有用な表面処理シリカを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シリカの表面をアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムで処理して、該シリカの表面積当り酸化アルミニウム換算で0.3〜3μmol/mのアルミナ成分を付着せしめることによって、前記複合酸化物によっては達成できなかった、目的とする特性のシリカが得られることを見出した。そして、かかるシリカが、前記トナー用外添剤として優れた効果を発揮し得ることを確認し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、シリカ表面をアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムで処理することにより、該シリカの表面積当り酸化アルミニウム換算で0.3〜3μmol/mのアルミナ成分を付着せしめたことを特徴とする表面処理シリカが提供される。
また、本発明によれば、上記表面処理シリカよりなるトナー用外添剤が提供される。
本発明の表面処理シリカは、シリカの大きな負帯電量、及び流動性付与効果を維持しつつ、優れた帯電立ち上がり性能、環境安定性を有するシリカ粒子である。また、表面に強い酸点を有しており、固体酸触媒としても有用である。
本発明の表面処理シリカが、上記優れた特性を示す理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
即ち、少量のアルミナ成分をシリカ表面に効率良く付着させることにより、シリカが本来持つ流動性付与効果を維持しつつ、粒子表面の体積抵抗を下げることができ、表面電荷の移動が促進されるため、優れた帯電の立ち上がり性能を示すと共に、低温低湿下における過剰な帯電量を適度にリークすることができるため、優れた環境安定性を示す。また、アルミナ成分がシリカ表面に化学的に結合することによりシリカ・アルミナ複合酸化物を形成し、表面に酸点を生成するため、強く負に帯電する性質を持つ。結果として、表面に付着したアルミナの正帯電の性質を打ち消すことができ、大きな負の帯電量を示すものと推測している。
本発明において、アルミニウムアルコキサイド又はハロゲン化アルキルを接触せしめる前のシリカである原体シリカは、公知の方法によって得られたシリカが特に制限なく使用される。例えば、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカなどが代表的である。また、これらのシリカは一部又は全部が溶融されたシリカであっても良い。
上記ヒュームドシリカとは、珪素化合物や金属珪素を酸水素火炎中で燃焼して製造されるシリカ粒子をいう。特に、四塩化ケイ素等の珪素化合物を用いるのが一般的である。上記ヒュームドシリカは、沈殿法シリカ等の湿式法で製造されるシリカと区別するため、「乾式シリカ」或いは「気相法シリカ」とも呼ばれることもある。
また、湿式シリカとしては、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中でシリカを析出させる沈澱法シリカが代表的である。一般的には、「ホワイトカーボン」とも称されている。
尚、同様に珪酸ソーダを酸で中和することによって作るゲル法シリカも湿式シリカの一種であり、これを粉砕したものは本発明の原体シリカとして用いることができる。
湿式シリカも製造条件を変えることにより各種のシリカが得られており、比表面積がおよそ50〜1000m/gの範囲のものが得られている。湿式シリカは、その製造方法より、一次粒子径がおよそ3〜50nmの微細粒子が合成途中で生成した凝集粒子であると考えられている。これらの湿式シリカは、通常、中和反応後に濾過や洗浄を行い、乾燥後、必要により粉砕して粉末として得られる。一般的に、入手可能な湿式シリカ粒子の平均粒子径は1〜数100μmである。
更に、ゾル−ゲル法シリカは、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの珪素のアルコキシドを酸性あるいはアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解することによって作るものである。珪素のアルコキシドは高価であるが、原料が蒸留によって高純度化できるため極めて高純度のシリカが得られるという特徴がある。加水分解を酸性もしくはアルカリ性の濃厚溶液中で行うと、バルク状のシリカが得られ、それを粉砕することによって、1〜数100μmの不定形のシリカ粒子が得られる。
本発明において、原体シリカは、上述したヒュームドシリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲルシリカの中から、用途に応じて好適なものを選択して使用することが可能である。特に、ヒュームドシリカは、流動性付与効果に優れており、電子写真トナー用外添剤に使用する原体シリカとして好適である。
本発明において、原体シリカとして上記ヒュームドシリカを用いる場合の物性は、特に限定されない。例えば、比表面積は特に限定されないが、好ましくは10〜400m/g、更に好ましくは20〜380m/gが好適に使用される。高比表面積のヒュームドシリカほど、負の帯電量が大きく、また少量の添加でも流動性付与効果が発揮されるといったメリットがある。その反面、高比表面積のヒュームドシリカほどトナー樹脂への埋没が起こりやすく、経時的に流動性が悪くなる傾向があるため、使用するトナーに応じて適度な比表面積のものを選択するのが良い。また、複数の比表面積を有するシリカを適量ずつ混合して用いることも可能である。
また、上記ヒュームドシリカにおいて、予め適度に疎水化処理したものを用いることも可能である。
本発明において、アルミニウムアルコキシド、及びハロゲン化アルミニウムは、下記の一般式で示すものを用いることができる。
AlX 3−n
(式中、Alは、アルミニウム原子、X、Xは、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の加水分解性基をそれぞれ示し、nは1〜3の整数を示す。)
前記アルミニウムアルコキシド、及びハロゲン化アルミニウムを具体的に例示するとトリクロロアルミニウム、トリブロモアルミニウム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム等が挙げられる。好適には、副生物としてハロゲン化水素等の腐食性ガスが発生しないアルミニウムアルコキシドを用いる方が良い。更には、液状であり取り扱いが容易であるトリ−sec−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムを用いることが好ましい。
本発明において、シリカとアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとを接触せしめる方法は特に限定されないが、乾式で接触を行うことは、均一にアルミナ成分を付着させる上で好適である。
本発明において、乾式で接触するとは、湿式で接触する方法、即ち、水や有機化合物等の溶媒にアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを存在せしめた液中にシリカを分散させて接触せしめる方法と区別されるものである。
かかる乾式で接触する方法は特に限定されないが、具体的には後述するように、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの蒸気をシリカと接触させる方法、シリカへアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの原液あるいは溶液を噴霧して接触せしめる方法等が挙げられる。
シリカを乾式で接触処理する方法を更に具体的に示せば、窒素等のキャリアガスで搬送された蒸気を撹拌状態や流動床のシリカへ流通させて接触処理する方法や液状のアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの原液あるいは溶液を微細な霧状にして撹拌下のシリカへ噴霧する方法等がある。
このうち、ミキサー中で攪拌し流動化した状態のシリカ粉末にアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの原液あるいは溶液を噴霧する方法は、簡単に実施でき、また、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとシリカの反応効率も高くなるので、好適である。
上記のミキサー中の攪拌においては、シリカが流動化し、且つ安定した攪拌状態が得られるように、攪拌の回転数及び攪拌ばねの形状を選定することが好ましい。
上述のアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを噴霧する方法において、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムは、液状のものは原液のまま、粘性が高い液や固形状のものはアルコールやエーテル、ヘキサンやトルエン等の炭化水素系溶媒、シリコーンオイル、環状シロキサン等の非水溶媒で希釈あるいは溶解し、それを反応器内へスプレーノズル等で霧状にして供給する。霧状にすることによってシリカ凝集物の生成を回避できるとともに、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムをシリカ表面に均一に付着させることができる。
前記希釈する溶媒としては、シリコーンオイル又は環状シロキサンを好適に用いることができる。かかるシリコーンオイル及び環状シロキサンは、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとシリカとの反応に悪影響を及ぼすことなく、希釈溶媒として有効に使用することができる効果のみならず、疎水化剤としても効果を発揮するため、後記の疎水化工程の短縮、表面処理シリカの疎水化度の向上等の利点があり、本発明において好適である。
前記のアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを噴霧する際の噴霧粒径は、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの種類や濃度、液粘度、また、噴霧装置の形態、サイズや反応装置のサイズ、形状によって異なるため、特に制限されないが、一般的には数μm〜数百μmであり、より小さい方が好ましい。噴霧装置は、一般に使用されているスプレーノズル、アトマイザー等を使用することができる。
本発明において乾式で接触処理を実施する場合、原体となるシリカの吸着水は、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触処理前に予め0.1%未満、好ましくは0.05%未満、さらに好ましくは0.01%未満に減らすことが、得られる表面処理シリカの流動性付与特性を高めるために好ましい。
この場合の吸着水は、一般に、物理吸着水と呼ばれる水分を指し、105℃、2時間の乾燥による重量減少で測定される水分である。シリカの吸着水が、1質量%以上と多い条件の場合、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触処理時に反応雰囲気中の水蒸気濃度が高まって、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムがシリカと接触する前に反応雰囲気中の水蒸気と加水分解して縮合し、凝集体を形成し易い。
上記吸着水の除去は、例えば、100〜400℃、好ましくは120〜350℃に加熱した容器内に原体となるシリカを入れ、脱水した窒素等の不活性ガスを、例えば2時間以上かけて、十分に流通することによって得ることができる。更に、適度に疎水化処理されたシリカを原体とすると、吸着水の除去が簡単に実施できる場合もある。
アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムによるシリカの処理は、密閉容器内で実施することが、反応率を向上させることができ、好ましい。
また、処理温度を100〜400℃、好ましくは120〜350℃として実施することにより、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとシリカとの反応が促進されるとともに、均一な処理に有効に働いて帯電の立ち上がり特性や流動性付与特性を向上させ、更に、反応副生物や未反応の処理剤を系外へ除去しやすいので好ましい。一方、400℃を超える高温では、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムがシリカと接触する前に熱分解してしまい、均一な処理を行うことは困難である。
前記接触処理方法としては、例えば、所定温度に加熱した容器内に原体となるシリカを仕込み、撹拌しつつ窒素等の不活性ガスで容器内を十分にガス置換することによって、シリカを処理温度に加熱した後、反応容器を密閉し、噴霧ノズル等を使用してアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを導入することによって乾式接触処理を開始するのが好ましい。
更に、処理時間は、シリカの性状やアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの種類、処理温度等によって異なるので特に限定されないが、一般的には、5分間から3時間とすることが好ましい。
本発明の表面処理シリカは、表面に酸化アルミニウム換算で0.3〜3μmol/mとなる割合で、アルミナ成分が付着している。上記アルミナ成分の量が0.3μmol/mより少ない場合は本発明の効果が十分に発揮されず、また、3μmol/mより多い場合には、アルミナ由来の正帯電性の効果のため負の帯電量が減少し、更には流動性付与能力が低下する。
本発明において、表面処理シリカに付着しているアルミナ成分の量は、蛍光X線、ICP質量分析、ICP発光分析等の公知の方法により測定することが可能である。例えば、以下のようなICP発光分析法により測定することができる。
(1)表面処理シリカ、約1.0gを秤量し、50%のふっ化水素酸、69%の硝酸を1:1で混合した溶液10mlに溶解させる。
(2)上記溶解液から1mlを採取し、白金坩堝に入れる。更に、濃硫酸1mlを加え、200℃に加熱したホットプレートにのせて、白煙がでるまで加熱する。その後、溶液をメスフラスコに移し、純水で薄め100mlとする。
(3)ICP発光分析装置にて、(2)で調製した溶液のAl濃度を測定する。溶液中のAl濃度と(1)で秤量した表面処理シリカの質量から、表面処理シリカ中に含まれるAl原子の質量%を算出する。
(4)表面処理シリカの表面積当りに付着しているアルミナ成分の量(Y)を、以下の式により算出する。
Y=(W×10)/(2×27.0×100×S)
Y:アルミナ成分の量(μmol/m
W:(3)で算出した表面処理シリカ中のAl原子の割合(質量%)
S:BET法により測定した表面処理シリカの比表面積(m/g)
本発明において、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触によって得られた表面処理シリカは、そのままでも本発明の目的とする効果を発揮するが、かかる接触後に、水蒸気と接触せしめ、接触反応後に残存するアルコキシ基又はハロゲンを除去することが、より効果的である。なお、上記水蒸気との接触処理は、後に疎水化処理を行う場合には、かかる疎水化処理と同時に行うことも可能である。
本発明において、上記水蒸気との接触処理は、前記アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触処理と同時に行うと、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムがシリカと接触する前に反応雰囲気中の水蒸気と加水分解反応し凝集体を形成するため、目的の表面処理シリカを得ることは困難である。
上記具体的な水蒸気との接触処理の方法としては、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの処理を行った後のシリカを撹拌下あるいは流動床として、水蒸気を直接流通する方法、窒素等のキャリアガスとともに分圧を調整して水蒸気を導入する方法、反応器に水の気化器を付設して水蒸気を導入する方法等が挙げられる。上記水蒸気による加水分解処理は、密閉系、開放系のいずれで実施してもよい。また、加水分解効率を高める目的で塩酸やアンモニア等の酸塩基触媒を水蒸気に添加してもよい。
本発明の表面処理シリカは、後述の方法により測定されるピリジン吸着量が、0.02〜0.3μmol/mであることが好ましい。ピリジン吸着量は、シリカ表面とアルミナが結合することによりシリカ・アルミナ複合酸化物を形成して、生成する酸点の量と関係しており、本発明の表面処理シリカが大きな負の帯電量を示す指標となる。
即ち、上記ピリジン吸着量が0.02μmol/m未満では、帯電の立ち上がり特性が低下する傾向にある。また、ピリジン吸着量が0.3μmol/mを超えるものを得ることは、工業的に効率的ではない。
本発明において、ピリジン吸着量は、以下の方法により測定することができる。
(1)50mlのサンプル瓶に、表面処理シリカ0.5gを入れ、5.0×10−3mol/lのピリジン溶液30mlを加える。ピリジン溶液の溶媒には、メチルイソブチルケトンを用いる。
(2)槽温度が20℃に調整された超音波洗浄器(BRANSON社製 8210)内で、1時間、超音波を照射する。
(3)遠心分離機で表面処理シリカを沈降させ、上澄み液20mlを100mlのメチルイソブチルケトンで薄める。
(4)1×10−2mol/lの過塩素酸溶液を用いて(3)で希釈した溶液を滴定する。過塩素酸溶液の溶媒には、メチルイソブチルケトンを用いる。終点は、過塩素酸溶液の添加量に対して、ガラス電極と銀−塩化銀電極との間に生じる電位差の変化量が一番大きくなる点とする。表面処理シリカに吸着したピリジンの量(mol)は、吸着前のピリジン溶液の濃度と吸着後のピリジン溶液の濃度との差と、(1)で加えたピリジン溶液の量である30mlの積により、算出される。
(5)表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量は、以下の式により算出される。
P=(Z×10)/(0.5×S)
P:表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量(μmol/m
Z:吸着したピリジンの量(mol)
S:表面処理シリカの比表面積(m/g)
本発明では、このようにして製造した表面処理シリカに疎水化処理を施すことが、流動性付与効果及び優れた環境安定性を発揮する上で好ましい。
本発明における疎水化処理は、特に限定されず、公知の方法により行うことができる。例えば、表面処理シリカを撹拌下に疎水化剤を噴霧して処理する方法や、疎水化剤蒸気を流動床や撹拌下の表面処理シリカへ導入する方法が挙げられる。
疎水化剤も、公知の処理剤を何ら制限されずに使用することができる。具体的に例示すれば、シリル化剤として、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類やテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のシラザン類等がある。
また、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイル等のシリコーンオイルや、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のシロキサン類も疎水化剤として好ましい。
さらに、脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸が挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩も疎水化剤として有効である。
これらのうち、シリル化剤が最も一般的であり、さらにアルコキシシラン類、シラザン類は処理を実施し易いため好ましい。
本発明においては、このような疎水化剤の1種類を単独で、あるいは、2種類以上の場合は混合するか、または、順次段階的に表面処理して、用途に応じて要求される疎水度を達成することができる。
前記処理によって得られる表面処理シリカの疎水化度は、後述のM値で、40以上に調整することが好ましい。疎水化度が40未満である場合、流動性付与効果及び環境安定性が悪くなる傾向にある。
本発明においては、前述の表面処理シリカよりなる電子写真トナー用の外添剤をも提供する。
本発明のトナー用外添剤が適用可能なトナーとしては、黒トナー、及び、カラートナーのいずれにも使用でき、また、磁性一成分、非磁性一成分、二成分等のいずれの電子写真システムにも使用可能である。トナーのバインダー樹脂も、一般的に使用されるスチレン/アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等、特に制限なく適用可能である。また、トナー製造方法も、主流の粉砕・混練法はもとより、懸濁重合や乳化重合等の重合法で得られたトナーにも適用できる。
本発明のトナー用外添剤は、その他のトナーの構成材料に関しても、公知のものを任意に配合したトナーに対して適用することができる。黒の着色剤やシアン、マゼンタ、イエロー等のカラー着色剤、正帯電及び負帯電の帯電制御剤、ワックス等の離型剤も当該分野で通常使用される材料を何ら制限なく使用できる。
本発明の外添剤のトナーに対する添加量は、得られるトナーが所望する特性となるような量であれば、特に制限はされないが、通常0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%とするのが好ましく、公知の方法でトナーに添加できる。
さらに、トナーを製造する際には本発明の外添剤は単独で使用されるものとは限らず、必要に応じて本発明の外添剤以外の疎水化シリカ粒子を組み合わせたり、チタニア、アルミナ等のシリカ以外の酸化物微粒子や、テフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン等の定着助剤等の他の添加剤を併用することも可能である。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
本発明の表面処理シリカに関する諸物性の測定方法は、以下の通りである。
(帯電量の測定)
ポリエチレン樹脂((株)セイシン企業社製PEW−2000、平均粒子径8μm)にシリカ試料が2質量%となるように混合して擬似トナーを作製した。この擬似トナー1gとシリコーン樹脂でコートされたフェライトキャリア99gをサンプル瓶に入れ、25℃、50%相対湿度の恒温恒湿室で24時間調湿した。卓上ローラーミルでサンプル瓶を回転、混合し、東芝ケミカル(株)社製ブローオフ粉体帯電測定装置TB−200型にてブローガス圧0.1MPa、ブロー時間30秒間の条件で帯電量を測定した。
帯電量は60分間混合した時点の値を採用した。また、帯電の立ち上がり特性は、5分間混合/60分間混合の帯電量の比で表わした。この値が1に近いほど帯電の立ち上がり特性が良好である。
(環境安定性の評価)
上記の帯電量の測定において、調湿環境を高温高湿条件として35℃、85%相対湿度、及び低温低湿条件として10℃、15%相対湿度に変更し、帯電量の測定を行った。環境安定性を下記の環境安定性指数により評価した。この値が小さいほど環境安定性が良好である。
環境安定性指数=(HH−LL)/{(HH+LL)/2}
HH:高温高湿条件での帯電量
LL:低温低湿条件での帯電量
(流動性の評価)
球状ポリスチレン樹脂(綜研化学(株)社製SX−500H、平均粒子径5μm)に対して、シリカ試料を1質量%となるように添加し、ミキサーで十分に混合した。これを25℃、60%相対湿度で調湿した。この混合粉試料の流動性を、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製、PT−R型)にて圧縮度を測定することにより評価した。圧縮度とは次式で示される。
圧縮度=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重×100
(式中のゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重とは、それぞれ、以下の通りである。
ゆるみ見掛け比重:100mlのカップに試料粉を入れ、タッピングをしない状態で測定した見掛け比重
固め見掛け比重 :100mlのカップに試料粉を入れ、180回タッピングした後の見掛け比重)
圧縮度の値が小さいほど、流動性が良好と判定する。
(疎水度(M値)の測定)
疎水化シリカ粒子0.2gを容量250mlのビーカー中の50mlの水に加え、マグネティックスターラーで攪拌した。これにビューレットを使用してメタノールを加え、疎水化シリカ粒子の全量がビーカー内の溶媒に濡れて懸濁した時点を終点として、滴定をした。この際メタノールが直接試料に触れない様に、チューブで溶液内に導いた。終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの容量%の値を疎水化度(M値)とした。
実施例1
比表面積200m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスを流通しながら250℃で120分間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム9gを1cStのシリコーンオイル9gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した。
次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間保持した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
実施例2
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を18g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を18gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
実施例3
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を36g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を36gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
実施例4
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を72g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を72gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
実施例5
比表面積200m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスの流通をしながら250℃を2時間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。その後ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム36gを50cStのシリコーンオイル80gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
実施例6
比表面積200m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスを流通しながら250℃で120分間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。その後ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム36gをオクタメチルシクロテトラシロキサン80gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
実施例7
1cStのシリコーンオイルの代わりに2−ブタノールを用い、その量を36gとした以外は実施例3と同様に処理を行った。
実施例8
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの代わりにトリ−sec−ブトキシアルミニウムを用いその添加量を82g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を82gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
実施例9
シリカ原体を比表面積60m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−05)とし、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を11g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を11gとした以外は、実施例1と同様の処理を実施した。
比較例1
比表面積200m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
比較例2
比表面積60m/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−05)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
比較例3
四塩化珪素及びトリクロロアルミニウムの蒸気をバーナーに導入し、酸水素炎で燃焼することにより、シリカ、アルミナの複合酸化物を得た。複合酸化物中のアルミナ成分の含有量は15%であり、比表面積が180m/gである。
この複合酸化物400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。 次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間保持した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理複合酸化物を抜き出した。表面処理複合酸化物のアルミナ成分の含有量は14%となった。
比較例4
複合酸化物中のアルミナ成分の含有量が1.0%であり、比表面積が170m/gであること以外は比較例3と同様に処理を行った。表面処理複合酸化物のアルミナ成分の含有量は0.95%となった。
比較例5
酸水素炎で燃焼することにより得られたアルミナ粒子(比表面積100m/g)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間保持した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理アルミナ粒子を抜き出した。
比較例6
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を144g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を144gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
比較例7
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を6g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を6gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
以上の実施例、比較例の製造条件を表1にまとめて記載する。また、製造された表面処理シリカの基礎物性を表2、応用物性を表3にそれぞれ記載する。
上記の実施例により製造された表面処理シリカ粉末は、本発明の請求項に記載された物性を有しており、負の帯電量が大きく、良好な立ち上がり特性及び環境安定性を示している。帯電量、及び流動性付与効果は、シリカの比表面積により異なるため、比較例1と実施例1〜8、比較例2と実施例9を比較することにより、本発明のシリカが優れていることが理解される。
比較例1、2に記載された表面処理シリカは、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムによる処理がなされていないため、帯電の立ち上がり特性及び環境安定性が悪い。
比較例3、4に記載された表面処理複合酸化物粒子は、帯電の立ち上がり特性及び環境安定性には改善が見られるものの、負の帯電量が減少させてしまっている。また、流動性付与能力に劣る。
比較例5に記載された表面改質アルミナ粒子は、正帯電性を示しており、帯電の立ち上がり特性及び環境安定性が悪い。
比較例6に記載された表面処理シリカは、アルミナ成分の付着量が本発明の範囲より多く、負の帯電量が小さくなっており、また流動性付与能力が劣る。
比較例7に記載された表面処理シリカは、アルミナ成分の付着量が本発明の範囲より少なく、帯電の立ち上がり特性及び環境安定性が悪い。
Figure 2005292592
Figure 2005292592
Figure 2005292592

Claims (6)

  1. シリカにアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを接触せしめることによって、酸化アルミニウム換算で0.3〜3μmol/mとなる割合で、該シリカ表面にアルミナ成分を付着せしめたことを特徴とする表面処理シリカ。
  2. シリカが、ヒュームドシリカである請求項1記載の表面処理シリカ。
  3. シリカとアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとを乾式で接触させた請求項1、2記載の表面処理シリカ。
  4. 該表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量が、0.02〜0.3μmol/mであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の表面処理シリカ。
  5. 疎水化度が40以上に疎水化処理された請求項1〜4の何れか一項に記載の表面処理シリカ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の表面処理シリカよりなることを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
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