JP2005292592A - 表面処理シリカ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリカをアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムで処理することにより、表面処理シリカの表面積当り0.3〜3μmol/m2のアルミナ成分を付着せしめることにより、得ることができる。上記接触処理は、特に、乾式で実施して得られたものが好適である。
【選択図】 なし
Description
高速化、小型化により、トナーを帯電させるための摩擦が不十分になる傾向にあり、短時間の摩擦であっても速やかに所定の帯電量まで達することができる、優れた帯電の立ち上がり特性が要求されている。
また、上記ヒュームドシリカにおいて、予め適度に疎水化処理したものを用いることも可能である。
(式中、Alは、アルミニウム原子、X1、X2は、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の加水分解性基をそれぞれ示し、nは1〜3の整数を示す。)
前記アルミニウムアルコキシド、及びハロゲン化アルミニウムを具体的に例示するとトリクロロアルミニウム、トリブロモアルミニウム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム等が挙げられる。好適には、副生物としてハロゲン化水素等の腐食性ガスが発生しないアルミニウムアルコキシドを用いる方が良い。更には、液状であり取り扱いが容易であるトリ−sec−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムを用いることが好ましい。
本発明において、表面処理シリカに付着しているアルミナ成分の量は、蛍光X線、ICP質量分析、ICP発光分析等の公知の方法により測定することが可能である。例えば、以下のようなICP発光分析法により測定することができる。
(1)表面処理シリカ、約1.0gを秤量し、50%のふっ化水素酸、69%の硝酸を1:1で混合した溶液10mlに溶解させる。
(2)上記溶解液から1mlを採取し、白金坩堝に入れる。更に、濃硫酸1mlを加え、200℃に加熱したホットプレートにのせて、白煙がでるまで加熱する。その後、溶液をメスフラスコに移し、純水で薄め100mlとする。
(3)ICP発光分析装置にて、(2)で調製した溶液のAl濃度を測定する。溶液中のAl濃度と(1)で秤量した表面処理シリカの質量から、表面処理シリカ中に含まれるAl原子の質量%を算出する。
(4)表面処理シリカの表面積当りに付着しているアルミナ成分の量(Y)を、以下の式により算出する。
Y:アルミナ成分の量(μmol/m2)
W:(3)で算出した表面処理シリカ中のAl原子の割合(質量%)
S:BET法により測定した表面処理シリカの比表面積(m2/g)
本発明において、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触によって得られた表面処理シリカは、そのままでも本発明の目的とする効果を発揮するが、かかる接触後に、水蒸気と接触せしめ、接触反応後に残存するアルコキシ基又はハロゲンを除去することが、より効果的である。なお、上記水蒸気との接触処理は、後に疎水化処理を行う場合には、かかる疎水化処理と同時に行うことも可能である。
本発明において、上記水蒸気との接触処理は、前記アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとの接触処理と同時に行うと、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムがシリカと接触する前に反応雰囲気中の水蒸気と加水分解反応し凝集体を形成するため、目的の表面処理シリカを得ることは困難である。
上記具体的な水蒸気との接触処理の方法としては、アルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムの処理を行った後のシリカを撹拌下あるいは流動床として、水蒸気を直接流通する方法、窒素等のキャリアガスとともに分圧を調整して水蒸気を導入する方法、反応器に水の気化器を付設して水蒸気を導入する方法等が挙げられる。上記水蒸気による加水分解処理は、密閉系、開放系のいずれで実施してもよい。また、加水分解効率を高める目的で塩酸やアンモニア等の酸塩基触媒を水蒸気に添加してもよい。
(1)50mlのサンプル瓶に、表面処理シリカ0.5gを入れ、5.0×10−3mol/lのピリジン溶液30mlを加える。ピリジン溶液の溶媒には、メチルイソブチルケトンを用いる。
(2)槽温度が20℃に調整された超音波洗浄器(BRANSON社製 8210)内で、1時間、超音波を照射する。
(3)遠心分離機で表面処理シリカを沈降させ、上澄み液20mlを100mlのメチルイソブチルケトンで薄める。
(4)1×10−2mol/lの過塩素酸溶液を用いて(3)で希釈した溶液を滴定する。過塩素酸溶液の溶媒には、メチルイソブチルケトンを用いる。終点は、過塩素酸溶液の添加量に対して、ガラス電極と銀−塩化銀電極との間に生じる電位差の変化量が一番大きくなる点とする。表面処理シリカに吸着したピリジンの量(mol)は、吸着前のピリジン溶液の濃度と吸着後のピリジン溶液の濃度との差と、(1)で加えたピリジン溶液の量である30mlの積により、算出される。
(5)表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量は、以下の式により算出される。
P:表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量(μmol/m2)
Z:吸着したピリジンの量(mol)
S:表面処理シリカの比表面積(m2/g)
本発明では、このようにして製造した表面処理シリカに疎水化処理を施すことが、流動性付与効果及び優れた環境安定性を発揮する上で好ましい。
本発明においては、前述の表面処理シリカよりなる電子写真トナー用の外添剤をも提供する。
ポリエチレン樹脂((株)セイシン企業社製PEW−2000、平均粒子径8μm)にシリカ試料が2質量%となるように混合して擬似トナーを作製した。この擬似トナー1gとシリコーン樹脂でコートされたフェライトキャリア99gをサンプル瓶に入れ、25℃、50%相対湿度の恒温恒湿室で24時間調湿した。卓上ローラーミルでサンプル瓶を回転、混合し、東芝ケミカル(株)社製ブローオフ粉体帯電測定装置TB−200型にてブローガス圧0.1MPa、ブロー時間30秒間の条件で帯電量を測定した。
上記の帯電量の測定において、調湿環境を高温高湿条件として35℃、85%相対湿度、及び低温低湿条件として10℃、15%相対湿度に変更し、帯電量の測定を行った。環境安定性を下記の環境安定性指数により評価した。この値が小さいほど環境安定性が良好である。
HH:高温高湿条件での帯電量
LL:低温低湿条件での帯電量
(流動性の評価)
球状ポリスチレン樹脂(綜研化学(株)社製SX−500H、平均粒子径5μm)に対して、シリカ試料を1質量%となるように添加し、ミキサーで十分に混合した。これを25℃、60%相対湿度で調湿した。この混合粉試料の流動性を、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製、PT−R型)にて圧縮度を測定することにより評価した。圧縮度とは次式で示される。
(式中のゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重とは、それぞれ、以下の通りである。
ゆるみ見掛け比重:100mlのカップに試料粉を入れ、タッピングをしない状態で測定した見掛け比重
固め見掛け比重 :100mlのカップに試料粉を入れ、180回タッピングした後の見掛け比重)
圧縮度の値が小さいほど、流動性が良好と判定する。
疎水化シリカ粒子0.2gを容量250mlのビーカー中の50mlの水に加え、マグネティックスターラーで攪拌した。これにビューレットを使用してメタノールを加え、疎水化シリカ粒子の全量がビーカー内の溶媒に濡れて懸濁した時点を終点として、滴定をした。この際メタノールが直接試料に触れない様に、チューブで溶液内に導いた。終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの容量%の値を疎水化度(M値)とした。
比表面積200m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスを流通しながら250℃で120分間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム9gを1cStのシリコーンオイル9gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を18g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を18gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を36g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を36gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を72g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を72gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
比表面積200m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスの流通をしながら250℃を2時間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。その後ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム36gを50cStのシリコーンオイル80gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
比表面積200m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。その後、撹拌と窒素ガスを流通しながら250℃で120分間保持した。この操作よって、ヒュームドシリカの吸着水は0.05%未満となった。その後ミキサーを密閉して、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウム36gをオクタメチルシクロテトラシロキサン80gで希釈したものをノズルで噴霧した。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
1cStのシリコーンオイルの代わりに2−ブタノールを用い、その量を36gとした以外は実施例3と同様に処理を行った。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの代わりにトリ−sec−ブトキシアルミニウムを用いその添加量を82g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を82gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
シリカ原体を比表面積60m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−05)とし、モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を11g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を11gとした以外は、実施例1と同様の処理を実施した。
比表面積200m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−102)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
比表面積60m2/gのヒュームドシリカ((株)トクヤマ製レオロシールQS−05)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間攪拌を継続した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理シリカを抜き出した。
四塩化珪素及びトリクロロアルミニウムの蒸気をバーナーに導入し、酸水素炎で燃焼することにより、シリカ、アルミナの複合酸化物を得た。複合酸化物中のアルミナ成分の含有量は15%であり、比表面積が180m2/gである。
複合酸化物中のアルミナ成分の含有量が1.0%であり、比表面積が170m2/gであること以外は比較例3と同様に処理を行った。表面処理複合酸化物のアルミナ成分の含有量は0.95%となった。
酸水素炎で燃焼することにより得られたアルミナ粒子(比表面積100m2/g)400gをミキサーに入れて撹拌し、窒素雰囲気に置換すると同時に、250℃に加熱した。次に、水蒸気をミキサー内の分圧で60kPa導入し、その後ミキサーを密閉してヘキサメチルジシラザンを120g導入した。ミキサーの内圧はゲージ圧で100kPaとなった。そのまま60分間保持した後に、ミキサー内を脱圧し、窒素で置換した後に、表面処理アルミナ粒子を抜き出した。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を144g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を144gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
モノ−sec−ブトキシジ−iso−プロピルアルミニウムの添加量を6g、希釈に用いた1cStのシリコーンオイルの量を6gとした以外は、実施例1と同様に処理を行った。
Claims (6)
- シリカにアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムを接触せしめることによって、酸化アルミニウム換算で0.3〜3μmol/m2となる割合で、該シリカ表面にアルミナ成分を付着せしめたことを特徴とする表面処理シリカ。
- シリカが、ヒュームドシリカである請求項1記載の表面処理シリカ。
- シリカとアルミニウムアルコキシド又はハロゲン化アルミニウムとを乾式で接触させた請求項1、2記載の表面処理シリカ。
- 該表面処理シリカの表面積当りのピリジン吸着量が、0.02〜0.3μmol/m2であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の表面処理シリカ。
- 疎水化度が40以上に疎水化処理された請求項1〜4の何れか一項に記載の表面処理シリカ。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の表面処理シリカよりなることを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
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