JP2005292313A - 多モード光ファイバ及び多モード光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザの出射光を、単純な構成の光学系を用いて高効率で光ファイバに入射できる。
【解決手段】多モード光ファイバ10は、コア14とこれを取り囲む形でクラッド12を具えている。この多モード光ファイバの特徴は、z 軸方向に垂直な断面13において、コアの断面形状が楕円形であることである。半導体レーザの近視野像は半導体レーザのp-n接合に沿う方向が楕円の長軸となる楕円形状をしているので、この近視野像と相似形となるように、多モード光ファイバの入射端面におけるコアの形状が形成されている。このような光ファイバに半導体レーザの出射光を入射させるためには、結合光学系として凸レンズを用いて半導体レーザの近視野像を多モード光ファイバの入射面のコア断面上に結像させる。コア断面形状と半導体レーザの近視野像とは相似形であるので、この近視野像をコア断面の内部に完全に納まるように結像させることが可能である。このようにすれば、半導体レーザの出射光は、ほぼ完全に多モード光ファイバに入射される。
【選択図】図2
【解決手段】多モード光ファイバ10は、コア14とこれを取り囲む形でクラッド12を具えている。この多モード光ファイバの特徴は、z 軸方向に垂直な断面13において、コアの断面形状が楕円形であることである。半導体レーザの近視野像は半導体レーザのp-n接合に沿う方向が楕円の長軸となる楕円形状をしているので、この近視野像と相似形となるように、多モード光ファイバの入射端面におけるコアの形状が形成されている。このような光ファイバに半導体レーザの出射光を入射させるためには、結合光学系として凸レンズを用いて半導体レーザの近視野像を多モード光ファイバの入射面のコア断面上に結像させる。コア断面形状と半導体レーザの近視野像とは相似形であるので、この近視野像をコア断面の内部に完全に納まるように結像させることが可能である。このようにすれば、半導体レーザの出射光は、ほぼ完全に多モード光ファイバに入射される。
【選択図】図2
Description
この発明は、多モード光ファイバ及びその製造方法に関する。特に半導体レーザの出射光を高効率で入射できる多モード光ファイバの構造に関する。
半導体レーザの出射光を光ファイバに効率よく入射させる技術が求められている。これは、半導体レーザの出射光を直接にレンズによって集光して所望の照射対象に照射させるという目的以外に、半導体レーザの出射光を光ファイバに入射させ、この光ファイバによって半導体レーザの出射光を導波させ所望の照射対象の近くまでこの出射光を伝播させてから照射するという用途が多いためである。例えば、半導体レーザと光ファイバとをモジュール化して構成される光ファイバモジュールを例に取れば、この光ファイバモジュールは、半導体レーザの出射光が光ファイバに直接にあるいはマイクロレンズを介して入射され、この光ファイバから半導体レーザの出射光が取り出されるよう、半導体レーザと光ファイバとが一体化された構造である。そこで、この半導体レーザからの出射光を光ファイバに効率よく入射させる技術が必要となる。
半導体レーザからの出射光を光ファイバに効率よく入射させる技術として、幾つか提案されている。
例えば、複数のレーザ光源と、一端がレーザ光源ごとに結合された複数の光ファイバで他端は複数の光ファイバを集合して形成されてなる1本のバンドルファイバと、このバンドルファイバから出射された光線束の拡がりを縮小する光学装置とを備えたレーザ光の照射装置が提案されている。この光学装置の出射側には一端からレーザ光線束を入射し他端から出射する1本のコアを有する光ガイドが設けられ、かつ、バンドルファイバの外径に対する光ガイドのコア径の比率(縮小率)とバンドルファイバを構成する光ファイバの開口数(NA1)及び光ガイドの開口数(NA2)との間にNA2 ≧(NA1 /縮小率)×ηの関係が成立するように設計されている。ここで、ηは光ファイバのクラッド厚さ等によって決まる係数である。(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、レーザの出射光のエネルギーのうち何割が光ファイバに入力されるかを与える結合効率は、光ファイバの開口数、光ガイドの開口数、及び光ファイバのクラッド層の厚み等による制限を受けるため、光ガイドの出射端における輝度をあまり大きくできないという問題がある。
また、複数の低出力の多モード半導体レーザから放射される光をシリンドリカルレンズで集光・整形し、全反射ミラーあるいはプリズムで反射させ、それらのビームをできるだけ密にかつ略平行に配置し出力を集光し、結合する構成の装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。このように合成された光は、略平行な光線束を形成するため、集光レンズを配置してマルチモード光ファイバに集光することができる。このため、単位面積あたりのエネルギー密度も増加するという利点を有している。
しかしながら、光ファイバの出射端で高い輝度を確保できる代わりに、光学系が複雑となる。
半導体レーザからの出射光を光ファイバに導入する場合には、上記に述べた問題点の他に、本質的な問題として以下のような問題がある。
半導体レーザの出射光が出射される半導体端面における出射光のエネルギー強度分布(以後「半導体レーザの近視野像」または単に「近視野像」ということもある。)は、図1に示すように円形ではなく楕円形であるという点である。図1は、半導体レーザの近視野像を説明するための、半導体レーザの概略的な構造図である。近視野像は、半導体レーザのp-n接合に沿う方向に長軸をもつ楕円形状である。
一方、半導体レーザの出射光を、光ファイバに入射させるためには、半導体レーザの出射光をレンズ等で集光して光ファイバのコア内に入射光を入射させる必要がある。半導体レーザの出射端における近視野像を、レンズ等で光ファイバの入射端におけるコア端面に結像させる必要がある。一般に広く利用されている光ファイバは、光ファイバ端面におけるコアの断面形状が円形である。しかし、上述のように半導体レーザの近視野像は円形ではないので、レンズ等で光ファイバの入射端に結像される半導体レーザの近視野像と光ファイバの入射端におけるコア端面形状とは一致しない。すなわち両者を重ね合わせることが出来ない。そのために半導体レーザの出射光を効率よく光ファイバに入射させることができない。
特開平7-27950号公報
特開2000-241659号公報
すなわち、半導体レーザの出射光を、単純な構成の光学系を用いて高効率で光ファイバに入射できる技術が求められている。そこで、この発明は、単純な光学系でかつ高輝度の光を光ファイバに挿入することができる多モード光ファイバの構造及びこの多モード光ファイバを製造する方法である。
上述の目的を達成するため、この発明の光ファイバは、この多モード光ファイバを伝播する光の進行方向に対して垂直な断面(以後「端面」という。)における、この多モード光ファイバのコア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形もしくは近似的に相似形であるように形成されている。
また、クラッドの形状が、この多モード光ファイバの端面において、コアの外周を等しい厚みで囲む形状である。
また、上述の多モード光ファイバを、この光ファイバを伝播する光の進行方向に対して平行に束ねられてファイババンドルの形状として構成される。
また、上述の多モード光ファイバであって、このファイババンドルの出射端面のクラッドの外周の形状が円形である。
上記多モード光ファイバは、次に示す方法で製造する。すなわち、多モード光ファイバの端面におけるコアの形状が正方形であるプリフォーム光ファイバを製造する工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程では、多モード光ファイバの端面におけるコア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形もしくは近似的に相似形となるように形成される。
また、多モード光ファイバの端面におけるコア及びクラッドの形状が円形であり、かつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造する工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程では、多モード光ファイバの端面におけるクラッドの形状が、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成される。
この発明の多モード光ファイバによれば、端面におけるこの多モード光ファイバのコア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形もしくは近似的に相似形であるように形成されているので、近視野像をレンズ等の単純な光学系で多モード光ファイバの入射端面に結像すれば、多モード光ファイバの入射端面におけるコアの外形に、あるいはこのコアの外形の内側に近視野像を重ねることが可能となる。このことにより、半導体レーザの出射光のエネルギーを効率よくコアに導入することができるので、高輝度の光を光ファイバに挿入することができる。
また、クラッドの形状が、この多モード光ファイバの端面において、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となっているので、このクラッドの厚みを、多モード光ファイバを伝播する光のエバネッセントフィールド(エバネッセント場)が、クラッド層の外部において十分に弱くなる程度に、クラッド層の厚みを設定することができ、クラッドの一部から多モード光ファイバを伝播する光が漏れ出すことがない。
また、上述の多モード光ファイバを、この光ファイバを伝播する光の進行方向に対して平行に束ねられてファイババンドルとして構成されているので、複数の半導体レーザからの出射光を効率よく結合させて一本の光ファイバ(ファイババンドル)を伝播させることが可能となる。これによって、ファイババンドルの出射端から出射される光の輝度は半導体レーザの数に比例して高輝度にすることが可能となる。
また、上述の多モード光ファイバであって、この多モード光ファイバのファイババンドルの出射端面のクラッドの外周の形状が円形である構造とすることにより、多モード光ファイバの出力端を他の光学系と、結合治具等を用いて機械的に結合する場合に好都合となる。
また、前述の方法で上述のコアが正方形である多モード光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造すれば、プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程では、クラッドの形状を長方形に構成することができる。プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程において現実的には、クラッドの形状を長方形と楕円形の中間の形状として構成することができる。
従ってこのように構成すれば、多モード光ファイバの端面における、コア形状が、半導体レーザの出射光線の近視野像(楕円形である。)と近似的に相似形となるように形成されることは明らかである。ここで近似的であるという意味は、コア形状が円又は正方形である場合と比べて、コア形状が長方形もしくは長方形と楕円形の中間の形状である場合のほうが、楕円形である半導体レーザの出射光線の近視野像との合致度が高くなるという意味である。
また、前述の方法で上述の多モード光ファイバを製造すれば、多モード光ファイバの端面におけるコア及びクラッドの形状が円形であり、かつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして用いて、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばせば、クラッドの形状は楕円形に形成される。従ってこのように構成すれば、多モード光ファイバの端面におけるクラッドの形状が、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成されることは明らかである。そして、コアの形状も楕円形となるので、半導体レーザの出射光線の近視野像(楕円形である。)と近似的に相似形となるように形成されることも明らかである。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明が理解できる程度に各構成部分の形状、大きさ及びそれらの位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の材料及び条件等を用いることがあるが、これらの材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、従って何らこれらに限定されない。
<第1の実施例>
図2を参照してこの発明の第1の実施例である多モード光ファイバの構造を説明する。この発明の第1の実施例である多モード光ファイバ10は、コア14とこれを取り囲む形でクラッド12を具えている。この多モード光ファイバ10の特徴は、多モード光ファイバ10を伝播する光の伝播方向(z軸方向)に垂直な断面13において、コア14の形状が長方形であることである。また、この断面13が多モード光ファイバ10の入射面である。
図2を参照してこの発明の第1の実施例である多モード光ファイバの構造を説明する。この発明の第1の実施例である多モード光ファイバ10は、コア14とこれを取り囲む形でクラッド12を具えている。この多モード光ファイバ10の特徴は、多モード光ファイバ10を伝播する光の伝播方向(z軸方向)に垂直な断面13において、コア14の形状が長方形であることである。また、この断面13が多モード光ファイバ10の入射面である。
図1を参照して上述したように、半導体レーザの近視野像は半導体レーザのp-n接合に沿う方向に長軸をもつ楕円形状をしているので、この近視野像と断面13におけるコアの断面形状とが近似的に相似形となるように、多モード光ファイバ10のコア14が形成されている。
半導体レーザの出射光線束を多モード光ファイバに入射させるには、以下に示す構成の光学系が使われる。この光学系を、図3を参照して説明する。半導体レーザの出射光線束を多モード光ファイバに入射させる光学系は、半導体レーザ20、結合光学系36及び多モード光ファイバ34を具えて構成される。半導体レーザ20の近視野像22は、p-n接合24に沿う方向に長軸をもつ楕円形状をしている。結合光学系36は、集光性能を有する、例えば凸レンズ26が利用される。凸レンズ26によって、半導体レーザ端面における近視野像22が、多モード光ファイバ34の入射端面28におけるコア断面32上に像30として結像される。
コア断面32は長方形もしくは長方形と楕円形との中間形状であり、像30と近似的に相似形であるので、像30をコア断面32の内部にほぼ納まるように形成することが可能である。このようにすれば、半導体レーザ20からの出射光は、ほぼ完全に多モード光ファイバ34に入射される。ただし、100%半導体レーザ20からの出射光を多モード光ファイバ34に入射されるためには、半導体レーザのキャビティーを構成する光導波路の開口数よりも多モード光ファイバ34の開口数のほうが大きいことが前提であることはいうまでもない。
以上説明したように、この発明の第1の実施例である多モード光ファイバによれば、多モード光ファイバのコアの断面形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と近似的に相似形であるように形成されている。そのため、近視野像を、原理的には凸レンズ一枚という単純な光学系を用いることで、半導体レーザの出射光のエネルギーを効率よくコアに導入することができる。
<第2の実施例>
図4を参照して、この発明の第2の実施例である多モード光ファイバ42の構造を説明する。クラッド38の形状が、この多モード光ファイバの端面39において、コア40の外周を等しい厚み d で囲む形状である。クラッド38の形状が、この多モード光ファイバ42の端面において、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となっているので、このクラッドの厚み d を、多モード光ファイバ42を伝播する光のエバネッセントフィールド(光の消衰場)が十分に弱くなる程度に設定することができ、クラッドの一部から多モード光ファイバを伝播する光が漏れ出すことがない。
図4を参照して、この発明の第2の実施例である多モード光ファイバ42の構造を説明する。クラッド38の形状が、この多モード光ファイバの端面39において、コア40の外周を等しい厚み d で囲む形状である。クラッド38の形状が、この多モード光ファイバ42の端面において、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となっているので、このクラッドの厚み d を、多モード光ファイバ42を伝播する光のエバネッセントフィールド(光の消衰場)が十分に弱くなる程度に設定することができ、クラッドの一部から多モード光ファイバを伝播する光が漏れ出すことがない。
エバネッセントフィールドは、コア40とクラッド38の境界からクラッドの外側に向かって、この多モード光ファイバ42を伝播する光の波長程度の幅の領域に存在する。そして、多モード光ファイバ42を伝播する光の波長の数倍程度だけ、コア40とクラッド38の境界からクラッド外側に向かって離れると、その強度はほぼ0となってエバネッセントフィールドはほぼ存在しなくなる。従って、エバネッセントフィールドが事実上存在しないとみなせる程度以上の厚みに、コア40の外周を包み込んでいるクラッド38の厚み d を設定すればよい。因みに、通常光通信における光搬送波として利用される赤外光の波長は、ほぼ1.5μm程度であるので、クラッド38の厚み d を4.5μm以上に設定すればよい。これは現状の光ファイバの製造技術をもってすれば十分実現できる値である。
<第3の実施例>
図5を参照してこの発明の第3の実施例である多モード光ファイバ50の構造を説明する。多モード光ファイバ50の構造は、第1及び第2の実施例である多モード光ファイバ10または42を、結合領域59において、この光ファイバを伝播する光の進行方向(図5において z と矢印で示す方向)に対して平行に束ねられてファイババンドルとして構成される。多モード光ファイバ52乃至58として、第1または第2の実施例である多モード光ファイバ10または42を利用する。多モード光ファイバ52乃至58のコア(52a乃至58a)及びクラッド(52b乃至58b)の構造はそれぞれ、第1または第2の実施例である多モード光ファイバ10または42と同一の構造である。
図5を参照してこの発明の第3の実施例である多モード光ファイバ50の構造を説明する。多モード光ファイバ50の構造は、第1及び第2の実施例である多モード光ファイバ10または42を、結合領域59において、この光ファイバを伝播する光の進行方向(図5において z と矢印で示す方向)に対して平行に束ねられてファイババンドルとして構成される。多モード光ファイバ52乃至58として、第1または第2の実施例である多モード光ファイバ10または42を利用する。多モード光ファイバ52乃至58のコア(52a乃至58a)及びクラッド(52b乃至58b)の構造はそれぞれ、第1または第2の実施例である多モード光ファイバ10または42と同一の構造である。
ファイババンドル構造は、光ファイバ融着技術を利用することによって形成できる。
第1または第2の実施例である多モード光ファイバ10または42を、結合領域59において、このファイババンドルを伝播する光の進行方向(図5において z と矢印で示す方向)に対して平行に束ねられてファイババンドルの形状として構成される。このような第3の実施例の多モード光ファイバ50に対して、光ファイバ52乃至58それぞれに、半導体レーザの出射光を、図3を参照して説明したような結合光学系34を介して入射させることができる。このことによって、複数(ここでは4個)の半導体レーザからの出射光を効率よく結合させてファイババンドルを伝播させることが可能となる。これによって、ファイババンドルの出射端(ここでは結合領域59の出射端59out)から出射される光の輝度は、半導体レーザの数に比例して高輝度にすることが可能となる。
<第4の実施例>
図6を参照してこの発明の第4の実施例である多モード光ファイバ60の構造を説明する。多モード光ファイバ60が、上記第3の実施例である多モード光ファイバ50の構造と異なる点は、結合領域62のクラッドの外周60sが、矩形ではなく円形である点である。このような構造を形成するには、第3の実施例である多モード光ファイバ50を形成した後、線引き法等により、結合領域59をクラッドの外周60sが円形となるように整形すればよい。
図6を参照してこの発明の第4の実施例である多モード光ファイバ60の構造を説明する。多モード光ファイバ60が、上記第3の実施例である多モード光ファイバ50の構造と異なる点は、結合領域62のクラッドの外周60sが、矩形ではなく円形である点である。このような構造を形成するには、第3の実施例である多モード光ファイバ50を形成した後、線引き法等により、結合領域59をクラッドの外周60sが円形となるように整形すればよい。
多モード光ファイバ60のファイババンドルの出射端面のクラッドの外周60sの形状が円形である構造とすることにより、多モード光ファイバの出力端を他の光学系と、結合治具等を用いて機械的に結合する場合に好都合となる。一般的に機械的な結合光学系は、外周形状が円形である光ファイバあるいはファイババンドルを前提に設計されているので、クラッドの外周60sが円形に形成されたファイババンドルは、他の光学系と、結合治具等を用いて機械的に結合する場合に好都合である。
<第5の実施例>
第5の実施例は、第1の実施例の光ファイバの製造方法である。すなわち、多モード光ファイバの端面におけるコアの形状が正方形であるプリフォーム光ファイバを製造する第1の工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす第2の工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。第2の工程では、多モード光ファイバの端面における、コアの断面形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形となるように形成される。
第5の実施例は、第1の実施例の光ファイバの製造方法である。すなわち、多モード光ファイバの端面におけるコアの形状が正方形であるプリフォーム光ファイバを製造する第1の工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす第2の工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。第2の工程では、多モード光ファイバの端面における、コアの断面形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形となるように形成される。
石英系光ファイバを例にとって、第1の実施例の多モード光ファイバの製造方法を説明する。多モード光ファイバの端面におけるコアの形状が正方形であるプリフォーム光ファイバを、通常の二重坩堝法等によって形成する(第1の工程)。このプリフォーム光ファイバを、コア形状が長方形となるように正方形コアの縦横方向の圧縮率が異なるように配慮しつつ、線引きを行なう(第2の工程)。石英の軟化点は1,700℃であり、線引きには2,000℃以上が必要である。この加熱源としては、誘導加熱炉等を利用することができる。第2の工程では、現実的にはコア形状が長方形と楕円形の中間の形状として構成される。
上述したように、コアが正方形である多モード光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造すれば、第2の工程では、クラッドの形状を長方形に構成することができる。従ってこのように構成すれば、多モード光ファイバの端面における、コア形状が、半導体レーザの出射光線の近視野像(楕円形である。)と近似的に相似形となるように形成できる。
<第6の実施例>
第6の実施例は、第2の実施例の光ファイバの製造方法である。すなわち、多モード光ファイバの端面におけるコア及びクラッドの形状が円形であり、かつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造する第1の工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす第2の工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。第2の工程では、多モード光ファイバの端面におけるクラッドの形状が、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成される。
第6の実施例は、第2の実施例の光ファイバの製造方法である。すなわち、多モード光ファイバの端面におけるコア及びクラッドの形状が円形であり、かつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造する第1の工程と、このプリフォーム光ファイバを引き伸ばす第2の工程とを含む多モード光ファイバの製造方法である。第2の工程では、多モード光ファイバの端面におけるクラッドの形状が、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成される。
第6の実施例では、第1の工程において、多モード光ファイバの端面におけるコアの形状が円形であるプリフォーム光ファイバを製造する点が、上述の第5の実施例と異なる点である。第1及び第2の工程は、基本的に上述の第5の実施例と同様である。
第6の実施例によれば、多モード光ファイバの端面におけるコア及びクラッドの形状が円形であり、かつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして用いて、このプリフォーム光ファイバを線引き法等で引き伸ばすことができる。このようにすることで、クラッドの形状は楕円形に形成される。
こうして形成された多モード光ファイバは、多モード光ファイバの端面におけるクラッドの形状が、コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成される。そして、コアの形状も楕円形となるので、半導体レーザの出射光線の近視野像(楕円形である。)と近似的に相似形となるように形成される。
以上説明したように、第1乃至第4の実施例の多モード光ファイバによれば、端面におけるこの多モード光ファイバのコア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形であるように形成されている。その結果として、半導体レーザの出射光のエネルギーを効率よくコアに導入することができる。
また、第5および第6の実施例の多モード光ファイバの製造方法によれば、上述の第1及び第2の実施例の多モード光ファイバを製造することができる。
10、34、42、50、52、54、56、58、60:多モード光ファイバ
12、38:クラッド
14、40:コア
20:半導体レーザ
22:半導体レーザの近視野像
24:p-n接合
26:凸レンズ
30:像
32:コア断面
36:結合光学系
59、62:結合領域
12、38:クラッド
14、40:コア
20:半導体レーザ
22:半導体レーザの近視野像
24:p-n接合
26:凸レンズ
30:像
32:コア断面
36:結合光学系
59、62:結合領域
Claims (6)
- 多モード光ファイバであって、
該多モード光ファイバを伝播する光の進行方向に対して垂直な断面における、該多モード光ファイバのコア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形もしくは近似的に相似形であることを特徴とする多モード光ファイバ。 - 請求項1に記載の多モード光ファイバであって、該多モード光ファイバを伝播する光の進行方向に対して垂直な断面における、該多モード光ファイバのクラッドの形状が、前記コアの外周を等しい厚みで囲む形状であることを特徴とする多モード光ファイバ。
- 請求項1又は2に記載の多モード光ファイバを、該光ファイバを伝播する光の進行方向に対して平行に束ねられてファイババンドルとして構成されることを特徴とする多モード光ファイバ。
- 請求項3に記載の多モード光ファイバであって、前記ファイババンドルの出射端面のクラッドの外周の形状が円形であることを特徴とする多モード光ファイバ。
- 多モード光ファイバの製造方法であって、
伝播する光の進行方向に対して垂直な断面(以後「端面」という。)におけるコアの形状が正方形であるプリフォーム光ファイバを製造する工程と、
該プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程とを含み、
該プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程が、前記端面における、コア形状が、半導体レーザの出射光線束の近視野像と相似形もしくは近似的に相似形となるように形成する工程であることを特徴とする多モード光ファイバの製造方法。 - 多モード光ファイバの製造方法であって、
伝播する光の進行方向に対して垂直な断面(以後「端面」という。)におけるコア及びクラッドの形状が円形でありかつ両者が同心円である光ファイバをプリフォーム光ファイバとして製造する工程と、
該プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程とを含み、
該プリフォーム光ファイバを引き伸ばす工程が、前記端面における、該多モード光ファイバのクラッドの形状が、前記コアの外周を等しい厚みで囲む形状となるように構成する工程であることを特徴とする多モード光ファイバの製造方法。
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004104819A patent/JP2005292313A/ja not_active Withdrawn
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