JP2000150987A - 光ファイバレーザとレーザ装置および光ファイバアンプ - Google Patents

光ファイバレーザとレーザ装置および光ファイバアンプ

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JP2000150987A JP10314164A JP31416498A JP2000150987A JP 2000150987 A JP2000150987 A JP 2000150987A JP 10314164 A JP10314164 A JP 10314164A JP 31416498 A JP31416498 A JP 31416498A JP 2000150987 A JP2000150987 A JP 2000150987A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな励起光源であっても効率よくレーザ励
起する製作容易で扱いやすい高出力ファイバレーザを提
供する。 【解決手段】 一端側に反射鏡5を固定したレーザファ
イバ2をループ状に巻回して会合した部分を接合し、こ
の接合部4に上流側から導波路1を差し込み融着してポ
ンピングレーザを供給する光学カプラを形成し、レーザ
ファイバ2が複数箇所でポンピングレーザを受入するよ
うにしてレーザ光を増大させて、もう一方の端6からレ
ーザ放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ中に含
有させたレーザ活性物質に励起光を供給することによっ
てレーザ発振を行う光ファイバレーザおよび光ファイバ
レーザを用いたレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工またはレーザプリントなどレ
ーザエネルギーを利用する分野において、レーザダイオ
ードの使用範囲が広がっているが、レーザビームの形状
の問題や出力が比較的小さいという問題があってまだま
だ使用できる対象が限られているため、より高出力でよ
り安価なレーザ装置の開発が望まれている。この要請に
応じ得るものとして光ファイバレーザが知られている。
光ファイバレーザはある種の稀土類金属イオンを注入し
た光ファイバにより構成されるが、特にシリカをベース
としたクラッド励起ファイバは高度な光増幅能力を有
し、しかも100MW/cm2水準の光強度でも損傷を
受けない。
【0003】現在でも数kW級の出力を得ることが可能
であるが、このレベルを超える高出力光ファイバレーザ
を得るためには、ダイオードレーザの光を活性ファイバ
に効率良く注入するカップリング法が必要である。従来
は、カップリング法としてファイバの一端または両端部
から励起光を導入する端面励起方式が用いられることが
多かった。端面励起方式では、光ファイバの断面積が小
さいため、クラッド励起ファイバ自体よりむしろ励起光
の形状が問題となる。また、励起光を導入する場所が最
大2カ所しかなく、励起用レーザダイオード(以下、L
Dと記す)の数を増やすことができないので、LDの輝
度を増し出力を上げる他にレーザ装置の高出力化をする
方法がなかった。
【0004】これに対し、ファイバ側面から励起光を導
入する方式を用いて、端面励起方式より励起光の導入場
所を多くすることにより、光ファイバレーザの高出力化
が図られている。レーザファイバの側面から励起光を導
入する方法として、レーザファイバ側面にプリズムを融
着する方法があるが、この方法は光学的アライメントの
精度要求が高く実用的でない。また、レーザファイバの
クラッドにV形の溝を設けてここから励起光を導入する
方法もあるが、この方法も工作精度の要求が高くまたレ
ーザファイバが折れやすくなる問題があった。
【0005】これらの障害を克服する方法として、国際
公開公報W096/20519に、励起光を導入すべき
1本のレーザファイバの側面にフィーディングファイバ
と呼ばれるファイバを融着しこのフィーディングファイ
バから励起光の導入を行う方法が開示されている。この
公報開示の方法で形成される結合部は、レーザファイバ
とフィーディングファイバが出合う位置で径が太くなり
先に進むにつれて元の径に戻るようなテーパが付いてい
る。このテーパ形状は励起光がレーザファイバの側面で
反射を繰り返す間における損失をできるだけ小さくする
ためのものである。テーパ形状をしたフィーディングフ
ァイバにより励起光を導入する部分を本明細書ではアン
グルドカプラと呼ぶことにする。
【0006】図15は、前記国際公開公報に開示された
アングルドカプラを模式的に表した図面である。アング
ルドカプラは直行するレーザファイバに所定の角度でフ
ィーディングファイバを融着したものであり、図から分
かるように、フィーディングファイバから供給された励
起光がテーパ形状の部分で反射する度にテーパ角αだけ
反射面に対する入射角(法線から見た入射方向の角度)
が小さくなる。したがって、全反射を重ねて入射角が臨
界角より小さくなると全反射が起こらず励起光が漏れ出
すようになる。
【0007】このため、励起光の全反射条件が破れる前
に励起光がテーパ形状の部分、すなわちアングルドカプ
ラ部分を通過して、レーザファイバの励起光導波部分に
取り込まれるようにすることが好ましい。フィーディン
グファイバとレーザファイバのなす角度を一定にした場
合、アングルドカプラにおける励起光の反射回数を少な
くするためには、レーザファイバの径を基準としたフィ
ーディングファイバの径をより小さくして、カプラ部分
の長さを短くする必要がある。
【0008】励起光の光源には半導体レーザあるいは半
導体レーザアレイが用いられる場合が多いが、通常これ
らの出力はビーム広がり角が大きく、特に半導体レーザ
アレイの出力光では集光性が悪い。したがって、フィー
ディングファイバの径を小さくすると、励起光源として
半導体レーザアレイを使用した場合、半導体レーザアレ
イからフィーディングファイバへの入射光率が低下する
ので、ファイバレーザを高出力化することができないと
いう問題があった。
【0009】また、広がり角の大きい励起光を小径のフ
ィーディングファイバで伝送すると、フィーディングフ
ァイバから出射するときにはビーム広がり角はさらに大
きくなるため、カプラからレーザファイバに導入された
励起光は全反射条件が破れ易いという問題がある。一
方、カプラ部分での損失を低減させるためレーザファイ
バの径を太くすると、光ファイバが有する可撓性という
特長が失われることになる。
【0010】なお、励起光を供給するアングルドカプラ
を多数配設することにより光ファイバレーザの高出力化
をすることができる。この場合にレーザの出力をより強
化するには、アングルドカプラの間隔をできるだけ短く
してより多くのアングルドカプラを設けるようにするこ
とが好ましい。しかし、アングルドカプラからレーザフ
ァイバに導入された励起光が次のアングルドカプラ位置
に到達すると、その部分で全反射条件が破れある割合で
ファイバ外部に漏れ出てしまう。したがって、複数のア
ングルドカプラを短い間隔でカスケード状に配設した場
合には、アングルドカプラ部分における励起光の漏れの
ため励起効率が低下する。
【0011】なお、励起光が漏れる割合は、アングルド
カプラの終端位置におけるレーザファイバの断面積とフ
ィーディングファイバが融着された部分におけるレーザ
ファイバの断面積の比が大きいほど大きくなる。上述し
たように、アングルドカプラによりレーザファイバに励
起光を導入するファイバレーザ装置でも、目的の性能を
持った装置を製造する場合の条件が厳しく、高出力化し
ようとすると励起光の導入効率が低下してレーザ効率が
劣化するという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、励起光を効率よく導波路に導入で
きる光学カプラを用いて、レーザ効率が高くしかもカス
ケード接続による漏れ出しが少なく容易に高出力化で
き、かつより容易に設計製造できる光ファイバレーザと
これを用いたレーザ装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の光ファイバレーザは、ファイバ中に含まれ
るレーザ活性物質を励起する励起光とレーザ活性物質に
起因するレーザ光とを伝搬し端部よりレーザ光を放射す
るレーザファイバを備え、このレーザファイバがコイル
状に巻かれていて少なくとも1カ所で会合して接合され
た接合部を形成しており、この接合部において屈曲した
レーザファイバの接線方向上流側表面に光注入導波路を
光学的に接合して励起光をレーザファイバに導入する光
学カプラが形成されていることを特徴とする。また、光
学カプラは、接合部に複数のレーザファイバが会合して
いて光注入導波路がその接合部の上流側からくさび状に
介装されて光学的接合されたもので、レーザファイバの
接合面に光注入導波路の軸が来るように配設されている
ものであってもよい。
【0014】本発明の光ファイバレーザは、光学カプラ
において注入する励起光の損失が少なく、レーザ効率が
高い。また従来のサイドカプリング構造を用いた場合と
比較して製作精度の要求が低く、構造的にも強度が高
い。また、多数の光学カプラをカスケード状に配設する
ことが容易に可能で、個々の光学カプラにおける励起光
の光源が小さいものでも、簡単にレーザ出力を強化する
ことができる。特に、レーザファイバをループ状に巻回
して適所で会合させて接合しそこに光学カプラを設けた
ものは、比較的少数の光学カプラで多数回励起光注入を
して容易にファイバレーザの高出力化を図ることができ
る。なお、光学カプラが、複数のレーザファイバが接合
面に対して垂直な方向に層状に接合されていて、光注入
導波路を挟んで2分されているものであってもよい。こ
のような構造では、長いレーザファイバの多重ループで
も接合部で重層化することにより簡単に励起光注入を行
うことができ、効率の高いファイバレーザを容易に得る
ことができる。
【0015】また、光注入導波路から注入する励起光が
レーザ光であって、接合部がレーザ光の広がり角が大き
い方向にレーザファイバを重ねた状態になっていてもよ
い。このような光学カプラではレーザファイバの実質的
な幅が大きくなって、励起光の広がり角が大きくてもレ
ーザファイバ内壁における反射角が大きくならないの
で、効率の良いファイバレーザを得ることができる。さ
らに、光学カプラが、複数のレーザファイバを層状に接
合して形成した複数の接合面において、複数の光注入導
波路の各々をその軸がその接合面上に来るように接合部
分上流側からくさび状に介装して光学的接合してあるも
のであってもよい。このような構造を採用することによ
り、少ない接合部で強力な励起光導入を行うことができ
る。
【0016】また、上記課題を解決するため、本発明の
レーザ装置は、上記の光ファイバレーザ装置と、励起光
光源と、光ファイバレーザ装置より出力されるレーザ光
を集光する集光手段とを備えるレーザ加工装置であるこ
とを特徴とする。本発明のレーザ装置は、レーザファイ
バの可撓性を生かしながら出力強化を行うことができる
ので、加工端を容易に加工位置に合わせることができる
操作性の良い強力なレーザ加工装置となる。さらにま
た、本発明のレーザ装置は同様の構成を有し、レーザフ
ァイバの光信号増幅機能を利用したレーザプリンタであ
っても良い。レーザファイバの可撓性が保全されるため
印刷ヘッドの駆動が容易で、高出力のため高速印刷が可
能である。また、光信号供給部や光学カプラなどの配置
における自由度が大きいため装置設計や製作が容易にな
る利点もある。
【0017】なお、本発明の光ファイバアンプは、ファ
イバ中に含んだ活性物質を励起する励起光と一端から入
力された信号光とを伝搬し、他端より増幅された信号光
を出力するファイバを備えた光ファイバアンプであっ
て、ファイバがコイル状に巻かれていて少なくとも1カ
所で会合して接合された接合部を形成しており、接合部
の少なくとも1カ所において、ファイバが屈曲されてい
て屈曲したファイバの接線方向上流側表面に光注入導波
路を光学的に接合して励起光を導入する光学カプラが形
成されていることを特徴とする。本発明の光ファイバア
ンプは、小さな励起光を集積して信号光に対して大きな
増幅度を得ることができ、また長距離信号伝送が可能に
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光
ファイバレーザの1実施例の概略構成図、図2は本実施
例における光学カプラ部分の構成を表す平面断面図、図
3は図2の光学カプラの動作原理を示す線図、図4と図
5は図2の光学カプラの異なる態様の一部断面斜視図、
図6は本発明に用いる別の光学カプラの断面図、図7は
本実施例における励起光の供給方法の1例を示す構成
図、図8は図7における実施例に用いた光注入導波路部
分の側面図、図9はその平面図、図10は図7の実施例
に用いたレーザファイバの断面を表す斜視図、図11は
本実施例に用いる光学カプラをカスケード接続した状態
を示す構成図、図12は本発明の光ファイバレーザの別
の態様を説明する構成図、図13は本発明のレーザ装置
をレーザ加工装置として実施したときの概念図、図14
は本発明のレーザ装置をレーザプリンタに適用した実施
例の斜視図である。
【0019】
【実施例1】本実施例の光ファイバレーザは、図1に示
すように、何重かのコイル状に巻いた1本のレーザファ
イバ2から形成されている。レーザファイバ2は会合す
る適当な位置で保護膜を剥いでクラッド部分同士が接合
され接合部4を形成する。接合部4には、光注入導波路
1が上流側の股の部分に挿入され固定されて光学カプラ
が形成されていて、図外の光源で発生する励起光をレー
ザファイバ2の中に導入する。
【0020】レーザファイバ2はマルチモードでもシン
グルモードでも良く、例えばシリカを主成分とし外周を
屈折率の低いポリマーでコーティングしてある。レーザ
ファイバ2のコア3にはレーザ活性物質が含まれてい
て、光注入導波路1から注入されてレーザファイバ2中
を伝搬する励起光によりレーザ光が励起される。レーザ
ファイバ2中に発生したレーザ光は、レーザファイバ2
の1端に設けられた反射鏡5で反射し、他端に設けられ
た放射口6から放出される。光学カプラはレーザファイ
バ2が形成するコイルの随所に配設され、1カ所当たり
では比較的小さな励起光光源でも、総合すると十分大き
な励起光エネルギーがレーザファイバ2中に導入できる
ようになっている。
【0021】本実施例の光ファイバレーザに用いられる
光学カプラは2本のレーザファイバ2,2’が一旦接合
してその後再び分離していて、図2に拡大して示すよう
に、2本のレーザファイバ2,2’はクラッド部分で融
着して接合部4を形成しているがコア部分3,3’は交
差することなくそれぞれ独立に上流から下流に連続して
光を伝搬するようになっている。励起光すなわちポンピ
ングレーザを注入する光注入導波路1は、接合部4の上
流側に光注入導波路1の中心軸がレーザファイバ2,
2’の接合面に含まれるように配置され、それぞれレー
ザファイバ2,2’に接する部分で光学的に接合されて
いる。なお、レーザファイバ2,2’はポリマーコーテ
ィングを剥がして露出させたクラッド部分同士を接触さ
せて、例えば融着することで接合される。接合後の境界
は融合して明瞭でなくなる場合が多い。
【0022】レーザファイバ2,2’には既に存在する
レーザ光がコア3,3’の中を上流方向2、2’から下
流方向に向かって流れている。光注入導波路1から注入
されたポンピングレーザはレーザファイバ毎にほぼ半割
されてそれぞれのレーザファイバ2,2’に導入され、
主にクラッド部分を下流方向に流れ下る間にレーザ活性
物質を励起してレーザ発光させ、レーザファイバ中のレ
ーザ光を増幅させる。なお、この光学カプラにおけるレ
ーザファイバ2,2’は、1本のレーザファイバが同じ
位置に戻ってきて接合されたものである。図1では2重
に巻いた状態を示しているが、レーザファイバ2の必要
長や励起光注入の必要回数などに基づいてコイルターン
数を適当に選択することができる。
【0023】また、本実施例における光学カプラでは、
光注入導波路1はマルチモードの光導波路が好ましい。
レーザファイバ2,2’に含ませるレーザ活性物質に
は、イッテルビウムイオンYb3+、ネオジムイオンNd
3+、エルビウムイオンEr3+を加えたイッテルビウムイ
オンYb3+/Er3+、あるいはツリウムイオンTm3+
ホルミウムイオンHo3+を加えたツリウムイオンTm3+
/Ho3+、その他遷移金属類のイオンがよく用いられ
る。レーザ活性物質の濃度は普通10分の数mol%から
数mol%である。レーザ活性イオンはコア3に含有させ
ても良いが、コア3を囲む鞘を形成し、その鞘部分に含
有させてもよい。
【0024】このようなレーザ活性イオンは光学カプラ
から注入されてレーザファイバ中を伝搬されている励起
光によって励起されるとレーザを発生し、発生したレー
ザ光はコア中を伝搬し一方に進行したレーザ光は放射口
6から射出し、他方に進行したレーザ光も終端に設置さ
れた反射鏡5で反射して再びコア3中を伝搬し同じ放射
口6から射出される。
【0025】光学カプラで注入するポンピングレーザの
光強度が小さいときは、光ファイバコーティングの熱的
安定性に対する要求が緩和される。ファイバレーザでは
励起光強度は100kW/cm2程度あれば十分である
から、ソフトガラスあるいは場合によっては高分子材料
を使用して光ファイバを接合部に固定するようにしても
よい。たとえば、シリカ製の光ファイバ2,2’の接合
部分に、同じくシリカ製の励起光注入用光ファイバ1を
紫外線硬化性接着剤を介してくさび状に差し込んで融着
する。なお、光ファイバ1,2,2’を紫外線硬化型ア
クリル樹脂でコーティングしておいて、会合させて融着
させることもできる。
【0026】また、上記接着剤の代わりにシリカの屈折
率に近い屈折率を持つフルオロフォスフェートやBK7
などのソフトガラスを用いてシリカ製光ファイバ1,
2,2’同士を融着させることもできる。なお、レーザ
ファイバ2,2’はコアとクラッドの間に、シリカにフ
ッ素、ゲルマニウムあるいはリンなどを加えて形成した
ソフトな環状緩衝層を設けておいて、溶融時にコアが変
形しないようにしても良い。緩衝層があると光受入ファ
イバ2,2’を融着して接合部を形成するときや、接合
部に光注入ファイバ1を直接的に溶融接続させるときに
コア形状が保全できるので安全である。
【0027】光学カプラにおける別の接合方法では、励
起光を導入する光注入ファイバ1をソフトガラスで形成
し、シリカを主成分とする光受入ファイバ2,2’の接
合部分に挿入し、挿入部分先端を溶融して固定する。こ
の方法は使用する材料の種類が少なくまた工法が簡単に
なる利点がある。
【0028】レーザファイバ32の全長は数mから数1
00mにおよぶ。従って、個々のレーザダイオードアレ
イの出力が小さくても光学カプラの数が多ければ十分強
いレーザ光を得ることができる。なお、同じ構成を伝搬
中に信号光を増幅する光ファイバに適用することもでき
ることは言うまでもない。
【0029】次に、図3を用いて本実施例の光学カプラ
において高い光導入効率が得られる条件を説明する。図
3において、図面上側のレーザファイバ2と図面下側の
レーザファイバ2’が接合している接合部分に光注入導
波路1がくさび状に介装されている。レーザファイバ2
と光注入導波路1がなす交差角をαとすると、レーザフ
ァイバ2は上流側で光注入導波路1と接する位置から緩
やかな円弧を描いて接合面に達する。このときこの円弧
を見込む角はαになる。
【0030】注入された光の全てがレーザファイバ2の
下流側直線部分に達するようにすれば、最も有効にレー
ザファイバ2に供給することができる。すなわち、光注
入導波路1からレーザファイバ2に入射する注入光が光
学カップル部分が始まる位置C0から接合部が終わる位
置C1まで走行する間に注入光の縁部がレーザファイバ
2の壁に達しなければよい。
【0031】そこで、レーザファイバ2への注入光の広
がり角(半分角)をβ、光注入導波路1の幅をTfeed、
レーザファイバ2の幅をTfiberとすると、 C01tanβ<Tfiber−Tfeed/2 であればよい。ところで、レーザファイバ2の曲率半径
をrとすれば、 C01=rsinα。 また、 Tfeed/2=r(1−cosα) であるから、 C01=Tfeed(sinα/2(1−cosα)) =(Tfeed/2)×tan(α/2)。 従って、R=Tfeed/Tfiberとおくと、 tanβ<tan(α/2)×(2/R−1) であることが、注入された光を無駄なく利用するための
十分条件であることが分かる。また、下側のレーザファ
イバ2’は接合面を挟んで対称であるから、全く同じ条
件が成立する。
【0032】上記の関係式から、交差角αが大きくなる
ほど、また幅比Rが小さいほど最大広がり角βが大きく
なり、かなり大きな広がり角βを有する光でも、光導波
路の幅や交差角を選択することにより効率よく光注入で
きることが分かる。このように、本発明の光学カプラは
個々の光導波路形状を問題とせず接合部の形状が重要に
なる。従って光学カプラにおけるレーザファイバや光導
波路の設計が自由になる利点も有する。
【0033】なお、上式における交差角αは、最終的に
はレーザファイバ2が描く円弧に拘束されず、光注入導
波路1の先端の角度を代表する指標になっている。した
がってレーザファイバ2は円弧を描いて接合する必要は
なく、光注入導波路1と平面で接触し接合していても良
い。この場合は、光注入導波路1の幅Tfeedとして、レ
ーザファイバ2との接合が始まる位置C0における幅を
採用すればよい。
【0034】本実施例における最も簡単な光学カプラ
は、上下各1本のレーザファイバ2,2’の接合部4に
光を供給する注入光ファイバ1を嵌入させたものであ
る。受入光ファイバ2,2’は矩形断面を有し、中心に
レーザ活性物質を含有するコア3,3’が配置され、2
本の光ファイバ2,2’が接合する部分の上流にくさび
状に注入光ファイバ1が嵌装されている。
【0035】図4と図5は、本実施例で用いられる各種
態様の光学カプラの一部断面斜視図である。図は、光学
カプラの受入導波路と注入導波路が接合されている部分
で切断した状態を示す。図4に示すものは、上下1層の
受入導波路にそれぞれ複数のレーザファイバが並列に接
合されていて、それぞれのレーザファイバが1本の注入
導波路に直接接触するようになっている光学カプラであ
る。この態様の光学カプラでは1本の注入導波路1から
各レーザファイバ2,2’に直接的に励起光が注入され
るようになっている。
【0036】各レーザファイバはレーザプリンタに用い
る場合のようにそれぞれ独立したものであってもよい
が、1本の光ファイバが多重のループを形成していると
きに光学カプラの位置で会合して接合部を形成するよう
にしても良い。後者のような使用方法は、ファイバレー
ザなどで必要な量の励起光を分割して注入するようにし
て、1カ所で注入する励起光エネルギーを小さくしなが
ら積算した光量を大きくすることにより全体として大出
力化する場合などに効果が大きい。
【0037】図5に示した光学カプラは、上下の光受入
導波路2,2’にそれぞれ複数のレーザファイバが垂直
方向に層状に接合されていて、1本の光注入ファイバ1
から供給される励起光が内層から外層のレーザファイバ
に適当に配分されるようになっている。なお、通常はク
ラッド同士の接合面は融合して光学的な障壁にならない
ので、励起光は外層のレーザファイバまで容易に到達
し、実質的に光受入導波路の幅が大きくなったと同じこ
とになる。
【0038】励起光として半導体レーザから放射される
レーザ光を用いる場合は、レーザ光の広がり角βが光軸
に対して対称でないので、広がり角の大きくなる方向に
レーザファイバを積層すると受光効率が良くなりレーザ
効率も向上する。また、複数のレーザファイバ2を層状
に接合し、各層間に光注入ファイバ1をくさび状に嵌入
したものも使用できる。このような態様のものは励起光
レーザの出力が小さい場合にも、総合した注入エネルギ
ーが大きくなるのでレーザ効率が向上する。
【0039】図6はより多数のレーザファイバを会合さ
せて形成した光学カプラの1例における断面を表す図面
である。レーザファイバ層2が多層に形成されていて、
各層のレーザファイバ層にそれぞれ複数のレーザファイ
バが並列に接合されている。各層のレーザファイバ層2
に挟まれてくさび形の光注入ファイバが設けられる。レ
ーザファイバ同士の境界面7およびレーザファイバ層と
光注入ファイバの境界面8は融合している。このような
構造により、多数のレーザファイバを会合させて1カ所
で光導入することができる。
【0040】図7から図10は、本実施例のレーザファ
イバに光学カプラを用いて励起レーザ光を供給するよう
にした1構成例におけるレーザ光供給部分を表した図面
である。図7は、レーザ光供給部分を表した斜視図であ
る。光注入導波路11は、後端が集光レンズの機能を有
する曲面15をなし、先端が先鋭なくさび状になったレ
ンズダクトである。複数のレーザファイバ12が上下の
層に分かれて集合し、層毎にそれぞれ並列に接合され、
さらに上下層が接合されて接合部13を形成している。
レンズダクト11のくさび状先端部は接合部13に嵌入
して、先端から所定の領域部分14がレーザファイバ表
面と融着している。
【0041】レンズダクト11の後端部レンズ15の後
ろには、レーザダイオードを縦横に重層したダイオード
アレイ16が配設されている。ダイオードアレイ16は
横L 1’縦L2’の方形発光面を有し、面積で1cm2
ら数cm2程度の大きさがある。発光面に行列したレー
ザダイオードは幅1μm程度、長さ100から200μ
m程度の細長い発光領域を持っていて、レーザダイオー
ドから放射されるレーザ光は発光領域に対して垂直方向
に広がり角が大きい。発光面の前面に装着された円柱形
や非球面形の収束用マイクロレンズ17がレーザダイオ
ードの発光領域からのレーザ光をそれぞれ垂直方向に収
束する。
【0042】マイクロレンズ17を通過して適当な広が
り角を持つようになったレーザ光は、さらに水平長さL
1垂直長さL2のレンズ曲面15で収束してレンズダクト
11内に取り込まれる。ポンピングレーザがダイオード
アレイ16からレンズ曲面15まで伝搬する間のパワー
密度増幅率は、 Mlaunch=ηlaunch L1'L2'/L12 (1−a) となる。ここで、ηlaunchは伝達効率で、通常0.95
程度が見込める。
【0043】図8はレンズダクト11部分の側面図であ
る。垂直長さL2の曲面レンズ15に入射する垂直方向
に広がったポンピングレーザをレンズダクト11に取り
込んで、直接にあるいはレンズダクト11の壁で反射し
て、くさび状になった先端部に集光する。図9はレンズ
ダクト11部分の平面図である。水平長さL1の曲面レ
ンズ15に入射する水平方向に広がったポンピングレー
ザをレンズダクト11に取り込んで、水平方向に収縮し
先端部に集光する。
【0044】レンズダクト11の先端部に到達したレー
ザ光は、光ファイバ表面と融着している領域部分14か
ら光ファイバ12に注入される。レンズダクト11から
ポンピングレーザは水平長さl1垂直長さl2の接合部1
3に注入されるから、レンズダクト11におけるパワー
密度増幅率は、 Mduct=ηduct L12/l12 (1−b) となる。ここで、ηductはレンズダクトの伝達効率で、
特殊な表面コーティングがなくても通常0.80以上が
見込める。
【0045】また、図10はレーザファイバ12を切断
して斜め上方から見た斜視図である。幅a1高さa2のク
ラッド部分の中心に直径2rのコアが通っている。接合
部に注入されたポンピングレーザは半径rのコアに吸収
されてレーザ活性物質を励起するので、この間のパワー
密度増幅率は、 Mcp=ηcp l12 /πr2 (1−c) となる。ここで、ηcpはクラッドポンプ型結合部におけ
る伝達効率で、0.50程度の値が見込める。
【0046】結局、全体としてのパワー密度増幅率は、
M=Mlaunch×Mduct×Mcp =ηlaunch×ηduct×ηcp×L1'L2'/πr2 (2) と表すことができる。各効率の積だけ増幅率が小さくな
るが、典型的な例では約40%の総合効率があり、面積
1cm2出力密度1kW/cm2のダイオードアレイを用
いたときに、半径25μm、面積約2×10-3mm2
コアの出力密度は約20MW/cm2となる。
【0047】上記のような光学カプラは、接合部にポン
ピングレーザを注入するので、従来の端面注入型カップ
リングのようにレーザファイバ自体の断面形状によらな
い利点がある。また、ポンピングレーザ注入位置におけ
るパワー密度が小さいため熱因的欠損が生じにくい。こ
れら利点により、レーザファイバや光注入ファイバの設
計や製造が容易である。
【0048】なお、接合部の最小寸法は開口数などから
下記のようにして決められる。 l1,min=L1NAs/NA (3−a) l2,min=L2NAf/NA (3−b) ここで、NAfは水平方向の入射光開口数で典型的には
1程度、NAsは垂直方向の入射光開口数で約10、N
Aはレーザファイバ12の開口数で屈折率1.45のシ
リカ製クラッドと屈折率1.38のコーティングを使用
した普通の光ファイバで0.45程度である。上式に従
えば、マイクロレンズ17で垂直方向のコリメーション
を行うことにより、大きなテーパを取れるようになる。
【0049】上記光学カプラはカスケード状に配設する
ことができる。光学カプラをカスケード状に配設して、
1本の光ファイバに必要とされる導入光を分割して供給
することにより、供給部1カ所当たりの注入エネルギー
を小さくすることができる。注入エネルギーが小さけれ
ば励起光を発生するレーザダイオードアレイは小型でよ
く、また注入箇所におけるエネルギーの集中も緩和され
るため構造上の条件も緩くなって製造が容易になる利点
がある。
【0050】図11は、レーザファイバに励起光を加算
的に注入するために、光学カプラを直列に配設した状態
を示す模式図である。第1のレーザファイバ22は第2
のレーザファイバ23と融着して第1の接合部24を形
成した後に分離して、再び下流で第2の接合部24’を
形成する。マルチモードの光注入ファイバ21,21’
は第1接合部24と第2接合部24’にそれぞれ上流側
から介装され融着等で固定されている。接合部24,2
4’では第1のレーザファイバ22と第2のレーザファ
イバ23のクラッド同士は互いに融着しているが、第1
レーザファイバ22のコア25と第2レーザファイバ2
3のコア26は互いに融合することなくそれぞれのレー
ザファイバの中に把持されている。
【0051】第1の光注入ファイバ21から注入された
光は第1レーザファイバ22と第2レーザファイバ23
とに分割されて伝搬し、さらに第2の光注入ファイバ2
1’から注入される光を合体して増強されて下流に伝搬
していく。第1レーザファイバ22と第2レーザファイ
バ23は1本の連続したレーザファイバであって、レー
ザファイバをループ状に巻回して会合したところに光学
カプラを設けることにより、1カ所毎の励起光注入量は
小さくてもレーザファイバ全長に亘って集積された励起
光注入量が大きくなる。
【0052】レーザファイバでレーザ発振をさせるため
には所定の閾値を超える光エネルギーを注入する必要が
ある。このエネルギーを1カ所で供給しようとすると出
力の拡張性が得られないので高出力化が困難である。
【0053】図12に表したファイバレーザ装置は、1
本のレーザファイバを多重のループに組んで形成したも
のである。レーザファイバ32の一方の端点に反射鏡3
4が取り付けられ、他方の端点はレーザが放射されるレ
ーザ放出口35となっている。レーザファイバ32は適
当箇所で会合して融着し接合部33を形成するが、コア
部分は接合部33において融合することなく形状を保全
した状態で連続していて、反射鏡34からレーザ放出口
35まで光を伝搬できるようになっている。通常、レー
ザファイバ32の全長は通常数mから数100mの範囲
で使用される。
【0054】図示しないレーザダイオードアレイから放
射される励起光を光学カプラ31からレーザファイバ3
2に注入し、この励起光がレーザファイバ32の中を伝
搬する間にコア中のレーザ活性物質を活性化して放出さ
れる光を集積してレーザ放出口35から放射する。従っ
て、個々のレーザダイオードアレイの出力が小さくても
光学カプラの数が多ければ十分強いレーザ光を得ること
ができる。なお、同じ構成は、伝搬する信号光を増幅す
る光ファイバアンプに適用することもできることは言う
までもない。
【0055】ポンピングレーザの吸収をαにするために
必要なファイバの全長Lはコア面積に対する接合部断面
積の割合で決まり、 L=αl12 /σ12Tπr2 (4−a) から求められる。ここで、σ12は吸収断面積、NTはレ
ーザ活性イオンの濃度である。一方、レーザファイバが
ループを形成している場合、αのポンピングレーザ吸収
を行わせるために必要なレーザファイバのループ長Llo
opは、コア面積に対するダブルクラッドファイバの断面
積の比に基づいて、 Lloop=αa12 /σ12Tπr2 (4−b) なる関係式から求めることができる。
【0056】上記のクラッドポンプ型結合部におけるパ
ワー密度増幅率Mcpは1個の端面注入型ダブルクラッド
ファイバの値より大きいためファイバ長が長くなるが、
本実施例のファイバレーザ装置ではファイバレーザの出
力を桁違いに大きくすることができる。
【0057】以下に、レーザファイバをループ状に巻回
したファイバレーザ装置の1例における諸元を示す。レ
ンズダクトの入力側レンズ面の寸法は、ダイオードアレ
イの発光面の寸法(10mm×10mm)より若干大き
く11mm×11mmとして、効率よく光ビームを入力
させると共にアライメントを容易にする。l1,minとl
2,minは、式(3)に基づいてそれぞれ2.13mmと
0.213mmになる。これらの限界値に近付くほど効
率が低下することを考慮して、接合部の寸法l1とl2
それぞれ4.0mmと0.40mmにすると、レンズダ
クトの伝達効率ηductは約0.85の値となる。
【0058】また、ポンピングレーザの吸収係数αが2
0dB値で4.61m-1、吸収断面積σ12が2×10
-242、レーザ活性イオンの濃度NTが4.4×1025
-3すなわち2000ppmとすると、式(4−a)か
らファイバ全長Lは43mとなる。レーザファイバの形
状は比較的自由に選択でき、たとえば0.2mm×0.
4mmの矩形断面を選択すれば式(4−b)から各ルー
プの長さLloopは2.15mとなる。なお、ループに複
数の光学カプラが配設されている場合は、上記ループ長
Lloopはカプラ間の間隔を表す。このようなファイバレ
ーザ装置において1000W出力のダイオードアレイを
用いることにより、出力404W、出力密度20.6M
W/cm2のレーザビームを得ることができる。
【0059】コア径を25μmから5μmに変えるとフ
ァイバの必要長は1.07kmになり、製作費用が大き
くなるばかりでなく、バックグランド損失が大きくなっ
て結合部における伝達効率ηcpが小さくなるので、装置
の実用性がなくなる。このような場合は、接合部のテー
パ部形状を適当に選ぶことで、実用的な装置にできる場
合がある。たとえば、接合部のサイズを0.25mm×
2.5mmにすると必要なファイバ長は418mに減少
する。ただ、接合部の寸法はηductに影響を与えるの
で、大きな出力密度を必要とする場合はファイバ長とテ
ーパ部サイズの間で勘案して妥当な値を決めなければな
らない。
【0060】
【実施例2】図13は、本発明のファイバレーザ装置を
レーザ加工装置に適用したときの構成例を表したもので
ある。レーザファイバ42の一方の端点に反射鏡44が
取り付けられ、他方の端点はレーザ放出口45となって
いて、レーザ放出口45の先端には集束レンズ47が設
けられている。レーザファイバ42は多重ループを形成
し適当箇所に接合部を有し、接合部の上流から光学カプ
ラ41が挿入固定されている。
【0061】光学カプラ41にはレーザダイオードアレ
イ46から放射される励起光が供給され、光学カプラ4
1を介してレーザファイバ42に注入される。この励起
光がレーザファイバ42の中を伝搬する間にコア中のレ
ーザ活性物質を活性化して放出される光を集積してレー
ザ放出口45から放射する。集束レンズ47はレーザビ
ームを集光して加工対象物48に照射し、必要なレーザ
加工を行う。レーザ加工装置はファイバレーザ装置で高
出力化されたレーザビームを用いて溶接や切断などを効
率よく実施する。
【0062】
【実施例3】図14は、本発明のファイバレーザ装置を
レーザプリンタに適用したときの構成例を表したもので
ある。レーザファイバ帯52は複数のレーザファイバを
集束して帯状にしたもので、レーザファイバの1本ずつ
が独立していて末端に設けられた発光ダイオードアレイ
54の素子毎に接続されている。レーザファイバ帯52
はループを形成していてループが交差する位置で接合さ
れている。接合部には光学カプラ51が融着されてい
て、光学カプラ51にはレーザダイオードアレイ56か
らの励起光が供給される。レーザファイバ帯52のもう
一方の端にはプリンタヘッド57が設備されている。プ
リンタヘッド57はレーザファイバ毎に対応した集光レ
ンズを集積したもので、レーザビームの焦点が印刷用紙
58の表面にくるように調整されている。
【0063】印刷するパターンに対応した駆動信号が発
光ダイオードアレイ54に与えられると、発光素子毎に
点滅しレーザファイバに光信号が注入される。レーザダ
イオードアレイ56から注入された励起光によりレーザ
ファイバ中のレーザ活性物質が活性化されているので、
レーザファイバに注入された光信号はコアを伝搬する間
に増幅作用を受けて光強度を増し、プリンタヘッド57
でさらに集束されて印刷用紙58上に与えられたパター
ンを印刷する。このように構成されたレーザプリンタ
は、プリンタヘッド57に繋がるレーザファイバ帯52
の可撓性が大きいためプリンタヘッド57が大きな印刷
用紙58上の端から端までスムーズに移動することがで
きることから、小型から大型まで各種のプリンタとして
高速印刷が可能であり、また印刷面が大きい新聞などに
用いることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光ファイバ
レーザは、光学カプラで導入する励起光に対するレーザ
効率が高く、しかもカスケード接続により励起光を加算
的に注入することができ、また光学カプラ部における漏
れ出しが少ないため、出力の小さいダイオードアレイを
用いても容易に高出力化でき、しかも構造上精密なアラ
イメントを必要としないからより容易に設計製造でき
る。したがって、本発明の光ファイバレーザを用いたレ
ーザ加工装置やレーザプリンタなどのレーザ装置はより
簡単に設計および製造ができ、かつ容易に必要な出力を
備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバレーザの1実施例の概略構
成図である。
【図2】本実施例における光学カプラ部分の構成を表す
平面断面図である。
【図3】図2の光学カプラの動作原理を示す線図であ
る。
【図4】図2の光学カプラの態様を表す一部断面斜視図
である。
【図5】図2の光学カプラの別の態様を表す一部断面斜
視図である。
【図6】図2の光学カプラのさらに別の態様を表す断面
図である。
【図7】本実施例における励起光の供給方法の1例を示
す構成図である。
【図8】図7における光注入導波路部分の側面図であ
る。
【図9】図7における光注入導波路部分の平面図であ
る。
【図10】図7のレーザファイバの断面を表す斜視図で
ある。
【図11】本実施例に用いる光学カプラをカスケード接
続した状態を示す構成図である。
【図12】本発明の光ファイバレーザの別の態様を説明
する構成図である。
【図13】本発明のレーザ装置をレーザ加工装置として
実施したときの概念図である。
【図14】本発明のレーザ装置をレーザプリンタに適用
した実施例の斜視図である。
【図15】従来の光学カプラの作用を説明する概念図で
ある。
【符号の説明】
1 光注入導波路 2,2’ レーザファイバ 3,3’ コア 4 接合部 5 反射鏡 6 放射口 7 レーザファイバ同士の境界面 8 レーザファイバ層と光注入ファイバの境界面 11 光注入導波路(レンズダクト) 12 レーザファイバ 13 接合部 14 融着領域 15 レンズ曲面 16 ダイオードアレイ 17 収束用マイクロレンズ 21,21’ 光注入ファイバ 22,23 レーザファイバ 24,24’ 接合部 25,26 コア 31 光学カプラ 32 レーザファイバ 33 接合部 34 反射鏡 35 レーザ放出口 41 光学カプラ 42 レーザファイバ 44 反射鏡 45 レーザ放出口 46 レーザダイオードアレイ 47 集束レンズ 48 加工対象物 51 光学カプラ 52 レーザファイバ帯 54 発光ダイオードアレイ 56 レーザダイオードアレイ 57 プリンタヘッド 58 印刷用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバ中にレーザ活性物質を含み、該
    レーザ活性物質を励起する励起光と前記レーザ活性物質
    に起因するレーザ光とを伝搬し、端部より前記レーザ光
    を出力するレーザファイバを備えた光ファイバレーザに
    おいて、 前記レーザファイバがコイル状に巻かれていて少なくと
    も1カ所で会合して接合された接合部を形成しており、 該接合部の少なくとも1カ所において、前記レーザファ
    イバが屈曲されていて該屈曲したレーザファイバの接線
    方向上流側表面に光注入導波路を光学的に接合して前記
    励起光を導入する光学カプラが形成されていることを特
    徴とする光ファイバレーザ。
  2. 【請求項2】 前記光学カプラが、前記接合部に複数の
    レーザファイバが会合していて前記光注入導波路が該接
    合部の上流側からくさび状に介装されて光学的接合され
    たもので、前記光注入導波路の軸がほぼ前記レーザファ
    イバの接合面に来るように配設されていて、複数のレー
    ザファイバに励起光を注入することができることを特徴
    とする請求項1記載の光ファイバレーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光ファイバレー
    ザと、該光ファイバレーザの一端に設けた反射鏡と、該
    光ファイバレーザの光学カプラに励起光を供給する励起
    光光源と、該光ファイバレーザより出力されるレーザ光
    を集光する集光手段とを備えることを特徴とするレーザ
    加工装置。
  4. 【請求項4】 一端から他端まで連続する複数のレーザ
    ファイバを含む請求項1または2記載の光ファイバレー
    ザと、該光ファイバレーザの一端に設けて前記複数のレ
    ーザファイバに光信号を与える信号光源と、該光ファイ
    バレーザの光学カプラに励起光を供給する励起光光源
    と、該光ファイバレーザ装置より出力されるレーザ光を
    集光する集光手段とを備えることを特徴とするレーザプ
    リンタ。
  5. 【請求項5】 ファイバ中に活性物質を含み、該活性物
    質を励起する励起光と信号光とを伝搬し、端部より増幅
    された前記信号光を出力するファイバを備えた光ファイ
    バアンプにおいて、 前記ファイバがコイル状に巻かれていて少なくとも1カ
    所で会合して接合された接合部を形成しており、 該接合部の少なくとも1カ所において、前記ファイバが
    屈曲されていて該屈曲したファイバの接線方向上流側表
    面に光注入導波路を光学的に接合して前記励起光を導入
    する光学カプラが形成されていることを特徴とする光フ
    ァイバアンプ。
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