JP2005292224A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非線形素子と画素電極とを積層させるために介在させる層間絶縁層を好適な構成とすることで、動作不具合が生じ難く、信頼性の高い電気光学装置を提供する。
【解決手段】 本発明の電気光学装置は、一対の基板110,120間に液晶層50を挟持してなり、素子基板110の液晶層50側には、対向基板120側に設けられた対向電極23に信号を供給するための配線207が設けられ、さらに配線207と対向基板120側の対向電極23とを一対の基板110,120間で電気的に接続する基板間導通部が形成されている。また、素子基板110の液晶層50側には、TFD素子4と、TFD素子4に信号を送信するためのデータ線13とが形成されなり、TFD素子4及びデータ線13と配線207とを覆う形にて層間絶縁層34が形成され、該層間絶縁層34の液晶層50側に画素電極9が形成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明の電気光学装置は、一対の基板110,120間に液晶層50を挟持してなり、素子基板110の液晶層50側には、対向基板120側に設けられた対向電極23に信号を供給するための配線207が設けられ、さらに配線207と対向基板120側の対向電極23とを一対の基板110,120間で電気的に接続する基板間導通部が形成されている。また、素子基板110の液晶層50側には、TFD素子4と、TFD素子4に信号を送信するためのデータ線13とが形成されなり、TFD素子4及びデータ線13と配線207とを覆う形にて層間絶縁層34が形成され、該層間絶縁層34の液晶層50側に画素電極9が形成されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関する。
従来、液晶装置等の電気光学装置に用いるスイッチング素子として二端子型の非線形素子が知られており、例えば特許文献1又は特許文献2に開示されたような構成のものがある。
特開平8−211410号公報
特開平11−153804号公報
上記特許文献1及び特許文献2では、二端子型の非線形素子としてMIM素子を備えた液晶表示装置が開示されており、該MIM素子と画素電極とが絶縁層を介して接続されている。これら特許文献においては、MIM素子と画素電極を同一平面で形成することの技術的限界を考慮して、これらMIM素子と画素電極とを積層すべく層間膜たる絶縁層を形成している。
一方、液晶表示装置の点灯時に発生する表示ムラのような表示品位低下要因を排除するためには、表示領域(有効画素領域)内でセルギャップ(液晶層厚)が急峻に変化することは好ましくない。つまり、表示品位・セル厚制御の観点から、表示領域(有効画素領域)から出来るだけ離れた領域まで均一なセルギャップであることが望ましい。しかしながら、上記特許文献のように絶縁層を備える液晶表示装置においては、該絶縁層の切れ目でセルギャップが急峻に変化し、表示ムラを引き起こす惧れがある。
本発明は上述の問題を解決するためになされたもので、非線形素子を備える電気光学装置であって、該素子と画素電極とを積層させるために介在させる層間絶縁層を好適な構成とすることで、動作不具合が生じ難く、信頼性の高い電気光学装置を提供することを目的としている。また、特に電気光学装置を液晶装置として用いた場合に、液晶層厚(セルギャップ)の不均一から生じ得る表示不具合等が生じ難い構成を提供することを目的としている。さらに、本発明は、このような電気光学装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置であって、前記各基板の電気光学層側にはそれぞれ電極が形成されており、該一対の基板のうち第1基板の電気光学層側には、第2基板側に設けられた電極に信号を供給するための配線が設けられ、さらに該配線と前記第2基板側の電極とを前記一対の基板間で電気的に接続する基板間導通部が形成されてなるとともに、前記第1基板の電気光学層側には、スイッチング素子と、該スイッチング素子に信号を送信するためのデータ線とが形成されなり、前記スイッチング素子が、第1導電層と第2導電層との間に絶縁層を備える構成の非線形素子である一方、該スイッチング素子及びデータ線と前記配線とを覆う形にて層間絶縁層が形成され、該層間絶縁層の電気光学層側に前記電極が形成されていることを特徴とする。
本発明の電気光学装置では、スイッチング素子たる非線形素子とデータ線とを覆う層間絶縁層を形成し、その層間絶縁層上に電極を形成するものとしているため、電極とスイッチング素子及び/又はデータ線との間の寄生容量を低減することができる。
また、層間絶縁層を介して電極とスイッチング素子及び/又はデータ線とを積層構造にて形成しているため、スイッチング素子及び/又はデータ線を覆う形にて電極を構成することができ、該電極をスイッチング素子及び/又はデータ線と同一平面上に形成する場合に比して、該電極を大きく構成することができ、ひいては有効画素領域を大きくとることができるようになる。
さらに、本発明では、スイッチング素子及びデータ線を覆う層間絶縁層は、第1基板上に形成された配線をも覆う形にて形成されているため、該配線を保護する機能も有している。仮に層間絶縁層がスイッチング素子の形成領域のみに配設され、配線上に層間絶縁層が形成されていない場合には、該配線の耐久性を考慮して耐久性の高い金属材料にて配線を構成する必要があるが、本発明のように層間絶縁層にて配線を覆って保護することで、配線として耐久性に乏しい低抵抗材料を用いることも可能となり、当該電気光学装置の高速駆動化を実現することができるようにもなる。つまり、配線上に層間絶縁層を形成することで、配線が製造上の薬液等に晒されることもないため、その配線に適用可能な材料の幅が広がり、ひいては当該電気光学装置の設計の幅が広がることとなるのである。また、このように層間絶縁層にて配線を覆うことで、配線間の短絡を防止するとともに、該配線間の寄生容量を低減し、さらには配線と対向側の基板に設けられた電極との間の短絡をも防止することができるようになる。
また、層間絶縁層を介して電極とスイッチング素子及び/又はデータ線とを積層構造にて形成しているため、スイッチング素子及び/又はデータ線を覆う形にて電極を構成することができ、該電極をスイッチング素子及び/又はデータ線と同一平面上に形成する場合に比して、該電極を大きく構成することができ、ひいては有効画素領域を大きくとることができるようになる。
さらに、本発明では、スイッチング素子及びデータ線を覆う層間絶縁層は、第1基板上に形成された配線をも覆う形にて形成されているため、該配線を保護する機能も有している。仮に層間絶縁層がスイッチング素子の形成領域のみに配設され、配線上に層間絶縁層が形成されていない場合には、該配線の耐久性を考慮して耐久性の高い金属材料にて配線を構成する必要があるが、本発明のように層間絶縁層にて配線を覆って保護することで、配線として耐久性に乏しい低抵抗材料を用いることも可能となり、当該電気光学装置の高速駆動化を実現することができるようにもなる。つまり、配線上に層間絶縁層を形成することで、配線が製造上の薬液等に晒されることもないため、その配線に適用可能な材料の幅が広がり、ひいては当該電気光学装置の設計の幅が広がることとなるのである。また、このように層間絶縁層にて配線を覆うことで、配線間の短絡を防止するとともに、該配線間の寄生容量を低減し、さらには配線と対向側の基板に設けられた電極との間の短絡をも防止することができるようになる。
本発明の電気光学装置において、前記電気光学層を液晶からなる液晶層とすることができる。このような構成の場合、本発明の電気光学装置は液晶装置として、特に液晶表示装置として好適に用いることができる。
つまり、本発明では、上記配線の形成領域を覆う形にて層間絶縁層を形成しているため、該配線の形成領域においても液晶層の挟持面を平坦化することが可能となる。
一般的に、配線は表示領域(有効画素領域)よりも外側、或いは表示領域と非表示領域(非有効画素領域)との境界付近に形成されるが、該配線の形成領域付近において液晶層厚が不均一となると、その影響が表示領域(有効画素領域)にも及ぶ惧れがあり、これを回避することが好ましい。
そこで、本発明のように層間絶縁層を形成することで、配線形成に基づく液晶層厚(セルギャップ)の不均一化を防止ないし抑制することが可能となり、ひいては表示領域(有効画素領域)において、表示ムラ等の少ない視認性に優れた表示を実現することができるようになる。
また、配線上に層間絶縁層を形成することで、該配線の構成成分が液晶中に溶出して、当該液晶の駆動に不具合が生じることも防止される。
つまり、本発明では、上記配線の形成領域を覆う形にて層間絶縁層を形成しているため、該配線の形成領域においても液晶層の挟持面を平坦化することが可能となる。
一般的に、配線は表示領域(有効画素領域)よりも外側、或いは表示領域と非表示領域(非有効画素領域)との境界付近に形成されるが、該配線の形成領域付近において液晶層厚が不均一となると、その影響が表示領域(有効画素領域)にも及ぶ惧れがあり、これを回避することが好ましい。
そこで、本発明のように層間絶縁層を形成することで、配線形成に基づく液晶層厚(セルギャップ)の不均一化を防止ないし抑制することが可能となり、ひいては表示領域(有効画素領域)において、表示ムラ等の少ない視認性に優れた表示を実現することができるようになる。
また、配線上に層間絶縁層を形成することで、該配線の構成成分が液晶中に溶出して、当該液晶の駆動に不具合が生じることも防止される。
さらに、上記のように本発明の電気光学装置を液晶表示装置として用いた場合には、前記一対の基板がシール材を介して対向配置され、該一対の基板と前記シール材とに囲まれた空間に前記液晶が配置されてなるとともに、前記基板間導通部としての導通粒子が前記シール材の形成領域に配設され、さらに、前記配線が前記シール材の内側から引き廻されてなり、前記層間絶縁層が前記シール材よりも内側の領域であって、該シール材から離間して配設されてなるものとすることができる。
この場合、シール材で囲まれた領域の内側に層間絶縁層を形成しているため、層間絶縁層を介さずに基板間をシールすることができ、その強度(密着性)を良好に確保することができるようになる。したがって、液晶の封止性も高まり、外部からの液晶層内への異物混入を防止ないし抑制することが可能となり、当該電気光学装置の信頼性を高めることが可能となる。なお、配線はシール材の内側であって、上記電極の形成領域よりも外側(シール材側)に形成されているものとすることができる。また、層間絶縁層はスイッチング素子やデータ線を覆う領域から配線を覆う領域まで面一で形成され、配線とシール材との間において、当該層間絶縁層の端部が形成されているものとすることができる。これにより、表示領域(有効画素領域)において液晶層厚が均一となり、表示ムラ等の不具合発生を一層防止ないし抑制することが可能となる。なお、前記液晶層を構成する液晶としては、例えば負の誘電異方性を有するものを用いることができる。
次に、前記配線として、金、銀、銅、アルミニウム、タンタル、クロム、モリブデンのいずれかの純金属もしくはこれらを主成分とする合金、さらにITO等の透明導電膜のいずれか、もしくはその組合せとして構成されたものを採用することができる。このような低抵抗材料の配線を用いた場合、当該電気光学装置の高速駆動が可能となり、表示装置として用いた場合には高精細な動画表示を実現することができるようになる。なお、低抵抗材料を用いた場合にも、該配線は層間絶縁層により保護されるため、劣化等が生じる惧れはない。また、これはタンタル、クロム、モリブデン等の他材料への適用についても同様である。
また、前記第2基板の電気光学層側には、カラーフィルタと、該カラーフィルタを覆う平坦化膜と、該平坦化膜よりも電気光学層側に位置する前記電極とが配設されてなり、前記平坦化膜の端部と、前記層間絶縁層の端部とが平面視した場合に重なる位置にあるものとすることができる。この場合、層間絶縁層及び平坦化膜により、一対の基板の双方で液晶層厚の平坦化が実現され、しかも層間絶縁層及び平坦化膜の端部を平面視した場合に重なる位置に形成することで、液晶層厚の段差発生部を一点に絞ることが可能となり、液晶層厚が不均一となることに基づく不具合発生を最小限に抑えることが可能となる。なお、各端部は基板面に対して緩やかな傾斜面を有していることが好ましく、しかもそれぞれの傾斜角が等しく形成されていることが好ましい。
次に、本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする。ここで、電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。このような電子機器によれば、先に記載の電気光学装置を用いているので、高速で高精細の駆動が可能となるとともに、該電気光学装置を表示部として備えている場合には、有効画素面積が大きい視認性に優れた表示を提供することができるようになる。
次に、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
[電気光学装置]
図1は、本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置について、各構成要素とともに示す対向基板側から見た平面図であり、図2は、その要部の断面図である。図3は液晶表示装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。ここで、本実施形態の電気光学装置は、図示しないバックライトからの光を用いる透過型液晶表示装置であって、スイッチング素子として二端子型非線形素子、ここではTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である。
図1は、本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置について、各構成要素とともに示す対向基板側から見た平面図であり、図2は、その要部の断面図である。図3は液晶表示装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。ここで、本実施形態の電気光学装置は、図示しないバックライトからの光を用いる透過型液晶表示装置であって、スイッチング素子として二端子型非線形素子、ここではTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の液晶表示装置100は、対をなす下基板110と上基板120とが紫外線硬化性のシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶50が封入、保持されている。シール材52は、基板面内において閉ざされた環状(枠状)に形成されており、液晶注入口を備えていない構成となっている。つまり、液晶注入口を封止する封止材を備えておらず、環状全体が同一の材料にて連続的に構成されている。なお、液晶注入口を備え、これを封止材により封止した構成のシール材を用いることもできる。
矩形環状のシール材52のうち、図1に示す下基板110の右辺、左辺(対向した2つの辺)に沿う部分には、下基板110と上基板120との間で電気的に導通するための導電性粒子(基板間導通部)206が含有されている。なお、この導電性粒子206は異方性導電粒子にて構成されている。
下基板110の内面側には複数の画素電極9がマトリクス状に形成される一方、上基板120の内面側には短冊状のストライプ電極23が形成されており、各電極9,23の内面側には更に配向膜(図示略)が形成されている。なお、画素電極9にはスイッチング素子としてTFD素子4(薄膜ダイオード素子、図4参照)が接続されている。
また、本実施の形態では、上基板120よりも下基板110の外形寸法の方が大きく、上基板120と下基板110の3辺(図1における上辺、右辺、左辺)ではほぼ縁(基板の端面)が揃っているが、上基板120の残りの1辺(図1における下辺)からは下基板110の周縁部が張り出すように配置され、張出領域90を形成している。
張出領域90には、下基板110側に形成された画素電極9を駆動するための第1駆動IC201と、上基板120側に形成されたストライプ電極23を駆動するための第2駆動IC202とが実装されている。なお、各駆動IC201,202には図示しない外部接続端子が形成され、当該液晶表示装置100とは異なる外部機器から表示制御信号等を受信可能な構成となっている。
張出領域90には、下基板110側に形成された画素電極9を駆動するための第1駆動IC201と、上基板120側に形成されたストライプ電極23を駆動するための第2駆動IC202とが実装されている。なお、各駆動IC201,202には図示しない外部接続端子が形成され、当該液晶表示装置100とは異なる外部機器から表示制御信号等を受信可能な構成となっている。
第1駆動IC201及び第2駆動IC202は、ともに下基板110上に配設され、しかも矩形状の下基板110の同一の張出領域90に形成されている。第1駆動IC201は、下基板110側に形成された信号線(図示略)を介してTFD素子4(図4参照)、ひいては画素電極9に信号を送信するためのICであって、該下基板110に形成された配線205を介して信号供給が行われている。
第2駆動IC202は下基板110に形成される一方、上基板120に形成されたストライプ電極23に信号を送信するためのICであるため、下基板110に形成された引き廻し配線207を介し、さらにシール材52に形成された導通性粒子206を介してストライプ電極23に信号が供給されるものとなっている。ここで、引き廻し配線207は、図1に示したシール材52の下辺部を跨いで、該シール材52の環状内側から導通性粒子206に接続されている。
上下基板間の電気的導通は、以下のように行われている。
まず、上基板120に形成されたストライプ電極23は、その一端若しくは両端がシール材52の内部に食い込む形にて延在しており、シール材52内部で導電性粒子206に電気的に接続されている。
一方、下基板110側には、上述した第2駆動IC202(図1参照)と接続する引き廻し配線207が形成されており、引き廻し配線207は、図1に示すように、下基板110の下辺側の張出領域90に実装された第2駆動IC202から、下基板110の左右辺方向に延びるように屈曲して形成されており、下基板110の下辺部においてシール材52を跨いで、該シール材52の内側領域を下基板110の左右辺に沿って縦方向に延びている。そして、所定のストライプ電極23と接続する位置にてシール材52(詳しくは導通シール材52b)の内部に導通し、導電性粒子206に電気的に接続されている。
まず、上基板120に形成されたストライプ電極23は、その一端若しくは両端がシール材52の内部に食い込む形にて延在しており、シール材52内部で導電性粒子206に電気的に接続されている。
一方、下基板110側には、上述した第2駆動IC202(図1参照)と接続する引き廻し配線207が形成されており、引き廻し配線207は、図1に示すように、下基板110の下辺側の張出領域90に実装された第2駆動IC202から、下基板110の左右辺方向に延びるように屈曲して形成されており、下基板110の下辺部においてシール材52を跨いで、該シール材52の内側領域を下基板110の左右辺に沿って縦方向に延びている。そして、所定のストライプ電極23と接続する位置にてシール材52(詳しくは導通シール材52b)の内部に導通し、導電性粒子206に電気的に接続されている。
ここで、導電性粒子206は、異方性導電粒子を用いて構成されており、上下方向の接続が確実なものとなるように、上下に弾性変形した形にて配設されている。該粒子206は、基板貼り合わせ前において、液晶層厚を規定するスペーサー(図示略)の直径よりも0.1μm〜1.0μm程度大きな直径を有したものを用いるのが良く、これを上下に1%〜10%程度圧縮させて用いるのが良い。
なお、液晶表示装置100においては、使用する液晶50の種類、すなわちTN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VAN(Vertical Aligned Nematic)モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
このような構成を有する液晶表示装置100の画像表示領域においては、図3に示すように、複数の画素15がマトリクス状に構成されている。また、図3に示すように、液晶表示装置100は第1駆動IC201及び第2駆動IC202を含んでおり、複数の走査線14(対向電極23に相当)と、該走査線14と交差する複数のデータ線13とが設けられ、データ線13は第1駆動IC201からの信号を、走査線14は第2駆動IC202からの信号を各画素15に供給する。そして、各画素15において、データ線13と走査線14との間にTFD素子4と液晶表示要素16(液晶層)とが直列に接続されている。なお、図3では、TFD素子4がデータ線13側に接続され、液晶表示要素16が走査線14側に接続されているが、これとは逆にTFD素子4を走査線14側に、液晶表示要素16をデータ線13側に設ける構成としても良い。
以上のような回路構成により、TFD素子4のスイッチング特性に基づいて液晶表示要素16が駆動制御されるとともに、その液晶表示要素16の駆動に基づいて画素15毎に明暗表示がなされ、液晶表示装置100の表示領域において画像表示が行われるものとされている。
次に、TFD素子4を備えた素子基板110の構成等について詳細に説明する。
図4は、画素電極9、引き廻し配線207、さらにはシール材52が形成された領域近傍の断面構成(図1におけるA−A’断面)を示す図である。また、図5は、1画素当りの平面構成を示す図であって、主として画素電極9とTFD素子4及びデータ線13の平面的位置関係を示す図である。
図4は、画素電極9、引き廻し配線207、さらにはシール材52が形成された領域近傍の断面構成(図1におけるA−A’断面)を示す図である。また、図5は、1画素当りの平面構成を示す図であって、主として画素電極9とTFD素子4及びデータ線13の平面的位置関係を示す図である。
図4に示すように、素子基板110上には、データ線13と、これに接続されたTFD素子4と、上記引き廻し配線207とが同一平面上に形成されている。そして、これらデータ線13、TFD素子4、引き廻し配線207を覆う形にてオーバーコート膜(層間絶縁層)34が形成されており、該オーバーコート膜34上に画素電極9が形成されている。なお、TFD素子4と画素電極9とは、オーバーコート膜34に形成されたコンタクトホール32を介して電気的に接続されている。
一方、素子基板110に対してシール材52を介して対向配置された対向基板120上には、着色部R,G,Bを含むカラーフィルタCFが形成され、該カラーフィルタCFを覆う形にて平坦化膜24が形成されている。そして、平坦化膜24上にはストライプ状の対向電極(ストライプ電極)23が形成されている。なお、カラーフィルタCFに含まれる各着色部R,G,BはそれぞれブラックマトリクスBMを跨いで配設されている。
素子基板110は、絶縁性及び透明性を有するガラス基板或いはプラスチック基板等からなる。データ線13は、クロムによって形成されてなるものであって、画素電極9の形成領域に配設されており、同じく画素電極9の形成領域に配設されたTFD素子4と電気的に接続されている。つまり、データ線13及びTFD素子4は画素電極9と平面的に重なる位置に配設されている。
データ線13と接続されてなるTFD素子4は、タンタル及びクロムによって絶縁膜を狭持した構成の二端子型の非線形素子であって、図5に示すように、いわゆるBack to Back構造を有してなり、該TFD素子4を介してデータ線13と画素電極9とが接続されている。詳しくは、TFD素子4は、タンタルにて構成された第1導電膜と、第1導電膜の表面を酸化してなる酸化タンタル(Ta2O5)にて構成された絶縁膜(絶縁層)と、該絶縁膜上に配設されクロムにて構成された第2導電膜とを素子基板110側から備えてなるものである。そして、第2導電膜の一部がデータ線13と接続され、異なる一部が画素電極9と電気的に繋がる金属配線35と接続されている。
引き廻し配線207は、金、銀、銅、アルミニウム等を主成分とした低抵抗合金材料あるいはタンタル、クロム、モリブデン等のTFD素子を構成する材料やITO等の透明導電膜を主体として構成され、上述した通り素子基板110側に形成された第2駆動IC220に接続されており、素子基板110上であって、シール材52の内側の領域に形成されている。そして、該引き廻し配線207、データ線13、TFD素子4を含む素子基板110には、これらを覆う形にて層間絶縁膜たるオーバーコート膜34が形成されている。
オーバーコート膜34はシリコン酸化膜或いはアクリル樹脂等の透光性絶縁膜にて構成されており、その表面は平坦で、シール材52の形成領域よりも内側まで形成されている。そして、このオーバーコート膜34上にITO等の透明導電材料からなる画素電極9が形成されている。なお、オーバーコート膜34には、画素電極9とTFD素子4とを電気的に接続するためのコンタクトホール32が、TFD素子4とは重ならない位置(つまりTFD素子4の直上以外の領域)であって、画素電極9と平面的に重なる位置に配設されている。
上述の通り、画素電極9はコンタクトホール32を介してTFD素子4と電気的に接続されているわけであるが、TFD素子4から上記コンタクトホール32までは、金属配線35が素子基板110上に設けられており、該金属配線35によって電気的接続が図られている。また、図5に示すように、金属配線35はコンタクトホール32との接続部において、平面視した場合に該コンタクトホール32の開口径よりも大きな径を有したコンタクト部36を有しており、該コンタクト部36においてコンタクトホール32内の画素電極9と接続されている。つまり、TFD素子4からの信号は、金属配線35を介して画素電極9に供給されるようになっている。ここで、金属配線35はCrにより形成されている。
一方、対向基板120には、図4に示すように赤色(R),緑色(G),青色(B)からなる各着色部がブラックマトリクス(BM)にて区画された態様で形成されてなるカラーフィルタCFが配設されている。また、カラーフィルタCFの内面側(液晶50側)には、絶縁材料からなる平坦化膜24が形成され、該平坦化膜24の更に内面側にはストライプ状の対向電極23が形成されている。ここで、平坦化膜24は、カラーフィルタCF上の凹凸を平坦化する機能を有し、シール材52の形成領域よりも内側まで形成され、素子基板110側に形成されたオーバーコート膜34と位置合わせされている。つまり、平坦化膜24とオーバーコート膜34とは、それぞれ同一のパターンにて形成されており、各終端部が平面的に重なるようにそれぞれ配設されている。なお、各終端部は基板面に対して緩やかな傾斜面を有しており、しかもそれぞれの傾斜角が等しく形成されている。
以上のように、本実施の形態の液晶表示装置100では、素子基板110上のTFD素子4及びデータ線13と引き廻し配線207とを覆う形にてオーバーコート膜34が形成され、該オーバーコート膜34の液晶層50側に画素電極9が形成されている。したがって、以下のような優れた効果を奏することとなる。
まず、オーバーコート膜34の形成により、画素電極9とTFD素子4及び/又はデータ線13との間の寄生容量を低減することができる。
また、TFD素子4及びデータ線13を覆う形にて画素電極9を形成しているため、画素電極9をTFD素子4及びデータ線13と同一平面上に形成する場合に比して、該画素電極9を大きく構成することができ、ひいては有効画素領域を大きくとることができるようになる。
また、TFD素子4及びデータ線13を覆う形にて画素電極9を形成しているため、画素電極9をTFD素子4及びデータ線13と同一平面上に形成する場合に比して、該画素電極9を大きく構成することができ、ひいては有効画素領域を大きくとることができるようになる。
また、オーバーコート膜34は、素子基板110上に形成された引き廻し配線207をも覆う形にて形成されているため、該引き廻し配線207を保護する機能も有している。このようにオーバーコート膜34にて引き廻し配線207を覆って保護しているため、本実施の形態のように引き廻し配線207として耐久性に乏しい低抵抗材料(金、銀、銅、アルミニウム等)を用いても、これが侵される不具合もなく、当該液晶表示装置100の高速駆動化を実現している。さらに、このようにオーバーコート膜34にて引き廻し配線207を覆うことで、引き廻し配線207間の短絡を防止するとともに、該引き廻し配線207間の寄生容量を低減し、さらには引き廻し配線207と対向基板120に設けられた対向電極(ストライプ電極)23との間の短絡をも防止している。
また、引き廻し配線207を覆う形にてオーバーコート膜34を形成しているため、該引き廻し配線207の形成領域においても液晶層50の挟持面が平坦化されることとなる。一般的に、引き廻し配線207は表示領域(有効画素領域)よりも外側、或いは表示領域と非表示領域(非有効画素領域)との境界付近に形成されるが、該引き廻し配線207の形成領域付近において液晶層厚が不均一となると、その影響が表示領域(有効画素領域)にも及ぶ惧れがあり、これを回避することが好ましい。そこで、本実施の形態のように、引き廻し配線207上にオーバーコート膜34を形成することで、該配線形成に基づく液晶層厚(セルギャップ)の不均一化を防止ないし抑制することが可能となり、ひいては表示領域(有効画素領域)において、表示ムラ等の少ない視認性に優れた表示を実現することができるようになる。
また、本実施の形態では、シール材52で囲まれた領域の内側にオーバーコート膜34を形成しているため、オーバーコート膜34を介さずに各基板110,120をシールすることができ、その強度(密着性)を良好に確保することができるようになる。したがって、液晶の封止性も高まり、外部からの液晶層内への異物混入を防止ないし抑制することが可能となり、当該電気光学装置の信頼性を高めることが可能となる。
また、本実施の形態では、対向基板120側に形成された平坦化膜24の終端部と、オーバーコート膜34の終端部とが平面視した場合に重なる位置に配設されているため、液晶層厚(セルギャップ)の一層の均一化が図られている。つまり、オーバーコート膜34及び平坦化膜24により、一対の基板110,120の双方で液晶層厚の均一化が実現され、しかもオーバーコート膜34及び平坦化膜24の終端部を平面視した場合に重なる位置に形成することで、液晶層厚の段差発生部を一点に絞ることが可能となり、液晶層厚が不均一となることに基づく不具合発生を最小限に抑えることが可能となる。
なお、以上の実施の形態では、TNモードの液晶を用いた場合について説明したが、例えばVANモードの液晶を用いた場合には、図6に示したような平面構成の画素電極9を用いることが好ましい。図6に示したVANモード対応の画素電極9は、略正八角形の平面形状を有する複数の島状部9aと、これら島状部9aを連結する枝状の連結部9bとから構成されており、各島状部9a内で垂直配向性の液晶分子が配向分割されるものとなっている。
VANモードの液晶表示装置では、液晶50が誘電異方性が負の液晶材料にて構成される。したがって、初期配向状態で液晶分子が基板面に対して垂直に立っているものを、電界印加により倒すわけであるから、何も工夫をしなければ(プレチルトが付与されていなければ)液晶分子の倒れる方向を制御できず、配向の乱れ(ディスクリネーション)が生じて光抜け等の表示不良が生じ、表示特性を落としてしまう。そのため、VANモードの採用にあたっては、電界印加時の液晶分子の配向方向の制御が重要な要素となる。
そこで、図6に示した例においては、画素電極9を略正八角形からなる島状部9aを主体として構成し、各島状部9aにおいて液晶分子の配向方向を規制している。具体的には、画素電極9を八角形に切り欠いたことで対向する電極23との間で斜め電界を生じさせ、該斜め電界に応じたプレチルトを付与するものとしており、その結果、略正八角形の島状部9aの中心から外側に向かって、略同心円状に液晶分子が倒れるようになる。
以上、本発明の電気光学装置の一実施形態として液晶表示装置を示したが、本発明はこれに限定されることなく、反射型の液晶表示装置や、反射表示と透過表示の双方を可能にした半透過反射型の液晶表示装置等にも本発明の構成を採用することができる。また、液晶表示装置(液晶装置)以外にも、電気光学装置として、EL(Electro Luminescence)装置、電子放出素子(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)等に本発明の構成を適用してもよい。
[電子機器]
次に、本発明の上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図7は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記液晶表示装置を用いた表示部を示している。このような電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた表示部を備えているので、表示特性が低下することがない、有効画素面積が最大となった電子機器となる。
また、上記の電子機器は、携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても視認性に優れた表示が可能になっている。
次に、本発明の上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図7は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記液晶表示装置を用いた表示部を示している。このような電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた表示部を備えているので、表示特性が低下することがない、有効画素面積が最大となった電子機器となる。
また、上記の電子機器は、携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても視認性に優れた表示が可能になっている。
4…TFD素子(非線形素子)、9…画素電極、13…データ線、32…コンタクトホール、34…オーバーコート膜(層間絶縁層)、52…シール材、100…液晶表示装置(電気光学装置)、110…素子基板(基板)、120…対向基板(基板)
Claims (7)
- 一対の基板間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置であって、
前記各基板の電気光学層側にはそれぞれ電極が形成されており、該一対の基板のうち第1基板の電気光学層側には、第2基板側に設けられた電極に信号を供給するための配線が設けられ、さらに該配線と前記第2基板側の電極とを前記一対の基板間で電気的に接続する基板間導通部が形成されてなるとともに、
前記第1基板の電気光学層側には、スイッチング素子と、該スイッチング素子に信号を送信するためのデータ線とが形成されなり、前記スイッチング素子が、第1導電層と第2導電層との間に絶縁層を備える構成の非線形素子である一方、該スイッチング素子及びデータ線と前記配線とを覆う形にて層間絶縁層が形成され、該層間絶縁層の電気光学層側に前記電極が形成されていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記電気光学層が液晶からなる液晶層であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記一対の基板がシール材を介して対向配置され、該一対の基板と前記シール材とに囲まれた空間に前記液晶が配置されてなるとともに、前記基板間導通部としての導通粒子が前記シール材の形成領域に配設され、
さらに、前記配線が前記シール材の内側から引き廻されてなり、前記層間絶縁層が前記シール材よりも内側の領域であって、該シール材から離間して配設されてなることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記液晶が、負の誘電異方性を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光学装置。
- 前記配線が金、銀、銅、アルミニウム、タンタル、クロム、モリブデンのいずれかの純金属もしくはこれらを主成分とする合金、さらにITO等の透明導電膜のいずれか、もしくはその組合せとして構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 前記第2基板の電気光学層側には、カラーフィルタと、該カラーフィルタを覆う平坦化膜と、該平坦化膜よりも電気光学層側に位置する前記電極とが配設されてなり、
前記平坦化膜の端部と、前記層間絶縁層の端部とが平面視した場合に重なる位置にあることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気光学装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004103421A JP2005292224A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2004103421A JP2005292224A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2005292224A true JP2005292224A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35325260
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JP (1) | JP2005292224A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018503118A (ja) * | 2014-12-19 | 2018-02-01 | 深▲せん▼市華星光電技術有限公司Shenzhen China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd. | 液晶表示パネルの製造方法 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004103421A patent/JP2005292224A/ja not_active Withdrawn
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