JP2005292217A - 異方性拡散媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 任意の直線を軸に回転した場合においても直線透過光量が入射角依存性を示す内部構造を有し、かつ表面の散乱特性が調整可能な異方性拡散媒体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなる樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、樹脂層の内部には、複数の棒状硬化領域の集合体が形成されており、複数の棒状硬化領域は、全て所定の方向Pに対して平行に延在し、かつ樹脂層の少なくとも一方の表面に凹凸が形成され、この表面凹凸の算術平均粗さRaが0.15μm≦Ra≦1.0μmを満たし、凹凸の最大高さRyが1.0μm≦Ry≦5.0μmを満たす異方性拡散媒体。また、この異方性拡散媒体の製造方法を提供する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、入射角度に応じて透過光の拡散特性が変化する異方性拡散媒体およびその製造方法に関する。
光拡散性を有する部材は、古くから照明器具や建材に使われていただけでなく、最近のディスプレイ、特にLCDにおいても広く利用されている。これらの部材の光拡散発現機構としては、表面に形成された凹凸による散乱(表面散乱)、マトリックス樹脂とその中に分散されたフィラー間の屈折率差による散乱(内部散乱)、及び表面散乱と内部散乱の両方によるものが挙げられる。ただし、これらの光拡散部材には、一般にその拡散性能は等方的であり、入射角度を少々変化させても、その透過光の拡散特性が大きく異なることはなかった。
しかしながら、特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという光制御板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この光制御板なる特殊な光拡散部材は、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素―炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物に、特定方向から紫外線を照射して硬化させたプラスチックシートであり、そのシートに対して特定の角度をなす入射光のみを選択的に散乱させるというものである。
この光制御板を作製するための材料としては、上述の「それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性炭素―炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物」以外にも、ウレタンアクリレートオリゴマーを含む組成物が開示されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。また、分子内に重合性炭素―炭素二重結合を有する化合物Aと、このAとの屈折率差が0.01以上である重合性炭素―炭素二重結合を有しない化合物Bとの組み合わせや、分子内に重合性炭素―炭素二重結合を複数有し、その硬化前後の屈折率差が0.01以上である化合物が列挙されており(例えば、特許文献5参照。)、更に、ラジカル重合性化合物とビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物との組み合わせも開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
また、この光制御板の製造方法としては、角度特性の異なる光制御板を積層して複数の角度の選択散乱を生ぜしめる方法(例えば、特許文献7参照。)、分割した複数の領域の少なくともひとつの領域に線状光照射源からの光を照射し、他の領域には別の角度から線状光照射源や点光源からの光を照射して、散乱する角度範囲が異なる種々の領域を形成する方法(例えば、特許文献8参照。)、互いに隔てて配置した複数の線状照射光源から同時に光を照射する方法(例えば、特許文献9参照。)、さらに、光重合性組成物の膜状体の幅方向に線状光源を配置しこの膜状体を長さ方向に移動させることによる連続生産方法(例えば、特許文献10参照。)が提案されている。
しかしながら、これらの光制御板が示す、特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという散乱特性の入射角依存性は、特許文献2で図解されるように、光制御板作製時にその上空に配置した線状光源を光制御板表面に投影した線を中心にして光制御板を回転させた場合に観察されるものである。すなわち、線状光源の投影線と直交する線を中心に回転した場合は、散乱特性の入射角依存性がほとんど見られないか、先の線状光源の投影線を中心に回転させた場合とは大きく異なる散乱特性の入射角依存性を有することになる。
そのような従来の光制御板の模式図を図1に示す。図1に示すように、従来の光制御板は、シート状の基体内に、屈折率の異なる板状の領域が互いに平行に形成されていると言われている。図1におけるA―A線断面の電子顕微鏡写真を図2(a)に、B―B線断面の電子顕微鏡写真を図2(b)に示す。図に示すように、従来の光制御板は、A―A線断面で見た場合には屈折率の異なる領域が交互に現れているが、B―B線断面で見た場合には屈折率の変化がなく、均質である。つまり、A―A線断面内では入射角依存性が見られるが、B―B線断面内では入射角依存性がほとんど見られない。
これらの光制御板形成の原理は、必ずしも明らかになっていないが、「屈折率の異なる領域がある方向に配向した状態で存在するように硬化する」と記載されていることから(例えば特許文献11参照。)、光重合性組成物の光重合過程において、空間的に不均一に反応が進行して屈折率の異なる微小構造が形成されるものと考えられる。ここで、特定の角度からの入射光だけを選択的に散乱することができるという散乱特性の入射角依存性を示すためには、屈折率が異なる領域が規則性を持ってある方向に配向することが必要であり、そのためには線状光源による光照射が必須のようである。すなわち、面光源や拡散光源照射では微小構造が形成されないので透明となり、点光源や平行光照射では微小構造は形成されるが規則性がないため方向性のない光散乱を与えるだけになってしまうと記載されている(例えば、特許文献8、12、および13参照。)。
以上説明した光制御板は、特異な光拡散性を示すものであるが、上述の如く特定の方向に回転させた場合だけしか散乱特性の入射角依存性を示さないため、特定方向の視覚を制限するための建材用途で使用されているだけである。
なお、一定角範囲の入射光だけを透過し、それ以外の入射光は遮光する性質を有する、ライトコントロールフィルムまたはルーバーフィルムと呼ばれている光学フィルムも知られており、古くは計器盤の背面照明や、最近ではディスプレイの視角制御、すなわち覗き見防止用途で用いられてきている。これは、透明プラスチック層と着色プラスチック層とを交互に多数積層圧着して作製したブロックを、上記プラスチック層に対して直角ないし所定の角度で平削ぎにして得られるものである(例えば、特許文献14,15参照。)。このルーバーフィルムは、そのフィルム厚さ方向に一定の傾きで着色ルーバーが等間隔で配置された構造であるため、ルーバーの向きにほぼ平行な光線は透過するが、隣接する複数のルーバーを通過するような角度で入射する光については、ルーバーで吸収されて透過できないことになるものである。
特開平1―77001号公報 特開平1―147405号公報 特開平1―147406号公報 特開平2―54201号公報 特開平3―109501号公報 特開平6―9714号公報 特開昭63―309902号公報 特開平1―40903号公報 特開平1―40905号公報 特開平2―67501号公報 特開平2―51101号公報 特開平1―40906号公報 特開平3―87701号公報 特開昭50―92751号公報 特許第3043069号
しかしながら、このルーバーフィルムも、特定の角度からの入射光だけを透過するという異方性は示すものの、先の光制御板と同様にルーバーの設けられている方向を中心にフィルムを回転させる場合にだけ光透過性に変化が見られるものであり、ルーバーと直交する直線を中心にフィルムを回転させても透過光の入射角度依存性は見られないものである。
本発明者は、以上の従来技術を踏まえて異方性拡散媒体の改良を目指し、散乱特性の入射角依存性が異方性拡散媒体内の特定の直線を軸として回転した場合だけに見られるものではなく、他の任意の直線を軸として回転した場合でも同様の散乱特性の入射角依存性を示すような異方性拡散媒体、およびその製造方法を既に特願2004―074180号で提供した。しかしながら、この方法で作製した異方性拡散媒体は、その特殊な内部構造により異方性拡散を示すものであるが、その表面が平滑であるため光沢があり、表面散乱による微妙な散乱特性の調整を行うことは出来なかった。そこで、これまでの異方性拡散媒体において、表面散乱をも調整できる媒体を開発すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の方法で作製することにより、上記異方性拡散媒体の表面に凹凸を自己組織的に形成せしめることが出来ることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明では、光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなる樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、樹脂層の内部には、複数の棒状硬化領域の集合体が形成されており、複数の棒状硬化領域は、全て所定の方向Pに対して平行に延在し、かつ樹脂層の少なくとも一方の表面に凹凸が形成され、この表面凹凸の算術平均粗さRaおよび凹凸の最大高さRyが下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする異方性拡散媒体を提供するものである。
〔数3〕
0.15μm≦Ra≦1.0μm (1)
〔数4〕
1.0μm≦Ry≦5.0μm (2)
また、本発明では、所定の方向Pに沿って延在する直線が法線に一致することを特徴とする異方性拡散媒体を提供するものであり、さらに、表面に凹凸が形成されている異方性拡散層を透明基体上に積層した構成からなる異方性拡散媒体を提供するものである。
また、本発明は、これらの異方性拡散媒体の製造方法として、光硬化性化合物を含む組成物をシート状に設け、これに直線Pの方向から平行光線を照射して、組成物を硬化させてなる製造方法を提供するものである。さらに詳細には、直線Pの方向から平行光線を照射して組成物を硬化させる際に、組成物における平行光線の出射側の面を大気中に露出するか、または可撓性のシートで覆うことを特徴とするものである。
本発明の異方性拡散媒体においては、複数の棒状硬化領域とその周辺とで屈折率が異なっていると思われ、そのため、所定の方向Pからの入射光に対応する直線透過光量が所定の方向Pまたはその近傍に最小値を示し、所定の方向Pから傾斜した角度からの入射光に対応する直線透過光量は、この傾斜角度が大きくなるにしたがって増加し、ある角度以上で飽和値を示すようになる。すなわち、この異方性拡散媒体の一方の側の任意の点におけるあらゆる方向からの入射光の各入射方向に対応するそれぞれの直線透過光量を、異方性拡散媒体の他方の側の空間の上記任意の点に対応する出射点を起点として出射方向にベクトル表示した場合に、これらベクトルの先端を結んで得られる曲面は、所定の方向Pに対称軸を有する釣鐘状曲面を示すことになる(図3参照)。
さらに、本発明の異方性拡散媒体の樹脂層は、その少なくとも一方の表面が凹凸を形成しており、前記の所定の表面粗さを有している。この凹凸は異方性拡散媒体を作製する際に自己組織的に形成されるものである。すなわち、本発明の異方性拡散媒体の製造方法は、光硬化性化合物を含む組成物をシート状に設け、所定の方向Pに配された点状光源からシートに対して平行紫外線を照射し、組成物を硬化させ、シート中に複数の棒状硬化領域の集合体を形成するものである。ここにおいて、シート状の光硬化性化合物を含む組成物は、紫外線の入射する側から硬化を始め、その機構は解明されていないものの所定の方向Pに平行な向きに棒状硬化領域を形成しながら硬化が進行していく。更に、この硬化が紫外線の入射側と反対側まで達した時に、シート状の光硬化性化合物を含む組成物の接している基体の材質が屈曲性を有する場合に、棒状硬化領域の成長点が突出する形で裏面に凹凸が形成されることになるのである。
このように、本発明の異方性拡散媒体では、シート中に棒状硬化領域の集合体が形成されているという特別な内部構造に起因する異方性拡散機能と、その棒状硬化領域に対応する表面凹凸形状に起因する等方性拡散機能とを併せ持っているものである。そのため本発明の異方性拡散媒体に形成される表面凹凸は、JIS B 0601−1994に準拠した表面粗さで表現した場合、次の範囲内であることが必要である。
算術平均粗さ: 0.15≦Ra≦1.0 (μm)
最大高さ: 1.0≦Ry≦5.0 (μm)
算術平均粗さRaが0.15μm未満、または最大高さRyが1.0μm未満では、表面が平滑過ぎて、本発明の特徴である表面凹凸に起因する等方性拡散機能がほとんど示されないため好ましくない。Raが1.0μmより大きいか、またはRyが5.0μmより大きい場合は、表面凹凸に起因する等方性散乱機能が主となり内部構造に起因する異方性拡散機能がほとんど発現しないため、これも好ましくない。
以下に、これらを順次詳細に説明することにする。
本発明の異方性拡散媒体では、その拡散特性の入射角依存性は、媒体表面に所定の角度で交わる直線Pを含む任意の入射面内においてほぼ同一であり、直線Pを中心に対称性を有することを特徴としている。一般に拡散特性としては、JIS―K7105やJIS―K7136で示される拡散透過率や平行光線透過率、ヘイズで表現されるが、これらは積分球にサンプルを密着させて光漏れがないような条件で、法線方向から光を照射して測定されるものであり、入射角度を任意に変えての測定は想定されていない。すなわち、異方性拡散媒体の拡散特性の入射角依存性を評価するための公的に認められた方法は存在しない。そこで、本発明では、図4に示すように、図示しない光源と受光器3との間にサンプルを配置し、サンプル表面の直線Lを中心として角度を変化させながらサンプルを直進透過して受光器3に入る光量を測定するという測定原理により直線透過光量の入射角依存性の評価を行うことにした。具体的な装置としては、市販のヘイズメーターや変角光度計、分光光度計において、光源と受光部との間に回転可能なサンプルホルダーを設けたものを使用することができる。ここで得られる光量の値はあくまで相対的なものであるが、直線透過光量の角度依存性として図5で示されるような測定結果を得ることが出来る。なお、以下直線光線透過量により散乱特性の角度依存性を説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、ヘイズメーターで測定される拡散透過率や平行光線透過率、ヘイズ等の値を代用することも可能である。
本発明の異方性拡散媒体について、以下詳細に説明を行う。
図6に、本発明の一実施形態である異方性拡散媒体の模式図を示す。光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなるシート状の異方性拡散媒体1の内部には、微小な棒状硬化領域2が多数形成されている。これら棒状硬化領域2は、異方性拡散媒体1の法線S方向に配された点状光源から互いに平行な紫外線を照射して形成されており、これら棒状硬化領域は全て法線S方向と平行に形成されている。このような本発明の異方性拡散媒体の一例における断面の電子顕微鏡写真を、図7(a)および図7(b)に示す。これらは図6におけるA―A線断面図およびB―B線断面図である。すなわち、本発明で言う棒状硬化領域の集合体とは、図6に模式的に表したが、図7に示す電子顕微鏡写真に基づくものであって、このような断面形状を有するように形成されたものを意味するものである。また、棒状とは照射光源から推定して図6では円柱状に模式的に記載したが、厚さ方向に棒状に形成された状態を意味するもので、その形状は円状、多角形状、不定形状など、特に限定されるものではない。
図6に示す異方性拡散媒体を透過する直線透過光量の入射角依存性を説明する模式的断面図を図8に示す。図8において、符号2は棒状硬化領域を模式的に表したものであり、ここでは棒状硬化領域は法線S方向へ伸びている。この異方性拡散媒体の上方から光が入射し、下方へ出射する場合、法線S方向、つまり棒状硬化領域の延在方向から入射した入射光Iは、異方性拡散媒体を通過する際に強く拡散されるため、その対応する直線透過光量は小さい。図8では、これをIと同じ向きを持ち、直線透過光量に比例した大きさを持つ透過光ベクトルTで表している。次に、この入射光Iから一定の角度だけ傾斜した入射光Iについては、これに対応する直線透過光量は増加するため、その透過光ベクトルTはTより大きくなっている。さらに、入射光Iよりも深い角度からの入射光Iでは、その対応する透過光ベクトルTはTよりもさらに大きくなっている。
入射光Iから傾斜する全ての入射光について上記と同様に透過光量をベクトルで表現し、そのベクトル先端部を結ぶと、図8に破線で示す対称性を持つ曲線が得られる。さらに、入射光Iを含む他の断面について同様の検討を行った場合も、すべての断面について図8と同様の破線の曲線が得られる。すなわち、全ての方向について得られる透過光ベクトルの先端を結ぶと、図3に示すような法線S方向に軸を有する釣鐘状曲面が得られることになる。
本発明の異方性拡散媒体は上記の実施形態のみに限定されるものではなく、例えば図9に示すような、法線S方向から任意の角度傾斜した方向Pを対称軸とした入射光角度依存性を有する異方性拡散媒体とすることも可能である。
図9に示す異方性拡散媒体を透過する直線透過光量の入射角依存性を説明する模式的断面図を図10に示す。図10において、符号2は棒状硬化領域を模式的に表したものである。この異方性拡散媒体についても上記と同様の検討を行うと、棒状硬化領域の延在方向であるP方向からの入射光I、それに対して傾斜する入射光I、Iのそれぞれに対応する透過光ベクトルT、T、Tの先端を結べば、図10に破線で示した曲線が得られ、さらに入射光Iを含む全ての断面について同様に透過光ベクトルの先端を結べば、図3に示すような方向Pに対称軸を有する釣鐘状曲面が得られる。
前記特許文献1等に基づいて作製された光制御板も、図5と同じ入射角依存性を示すが、これは図4に示された特定の直線Lを中心にサンプルを回転させた場合だけであって、サンプル面内の直線Lと直交する直線を中心に回転させた場合は、直線透過光量の入射角依存性がほとんど示されないか、全く異なった様相を呈することになる。すなわち、図11に示す直線Lと同じ向きの線状光源から光照射を行って作製した光制御板について、直線Lを中心に光制御板を回転させた場合の直線透過光量の角度依存性は図12の実線で示されるが、直線Lと直行する直線Mを中心に回転させた場合は、破線のように全く異なった入射角依存性を示すのである。
しかしながら、本発明の異方性拡散媒体は、光硬化性化合物を含む組成物に、直線Pの方向から平行光線を照射して、該組成物を硬化させて作製されるものであり、この直線Pを含むあらゆる入射面内において直線透過光量の入射角依存性がほぼ同一であり、その形状は直線Pを中心に対称性を示すものである。図13に、本発明の異方性拡散媒体に対して、それを作製する際に照射した平行光線の入射方向を代表して直線Pで示している。直線Pの異方性拡散媒体との交点をOとし、異方性拡散媒体の法線Sと直線Pとで作る入射面P1が定義され、またこの入射面P1と垂直で直線Pを含む入射面P2も定義される。この2つの入射面P1とP2における直線透過光量の入射角依存性を図14に示す。なお、ここでは直線Pの方向を入射角0°としているが、両入射面について入射角依存性はほとんど同じであり、その形状も直線Pを中心に対称性を示すことが示されている。これは、直線Pを含むあらゆる入射面について直線透過光量の入射角依存性を測定して立体化すれば、直線Pを中心とした釣鐘状の回転体が形成されることを意味している。
なお、ここで直線Pを含むあらゆる入射面内において直線透過光量の入射角依存性がほぼ同一であると述べたが、この「ほぼ同一」について説明する。直線透過光量の入射角依存性は図5に示されるように、特定の入射角度範囲で直線透過光量が低下して谷状を示しており、ここで半値幅を異方性拡散特性の入射角度範囲と定義することが出来る。本発明では、異なる入射面において入射角度範囲の差が15°以内であるものについて「ほぼ同一」と定義するものである。
また本発明では、直線透過光量の入射角依存性の形状が所定の方向Pを中心に対称性を示すものであると述べたが、ここで言う対称性とは、図5において方向Pを指す入射光の入射角を0°として、入射角がプラス側の領域における直線透過光量の最大値と最小値の差をΔR、同様にマイナス側のそれをΔLで表し、0.5≦(ΔR/ΔL)≦2の関係が成立する場合を言うものである。
本発明の異方性拡散媒体は、光硬化性化合物を含む組成物に、直線Pの方向から平行光線を照射して、該組成物を硬化させることにより作製されるが、この直線Pの方向としては、媒体の法線からの傾きが45°以内であることが求められ、30°以内が好ましく、15°以内であることがより好ましい。また、この直線Pが法線と一致することも本発明の好ましい形態である。なお、45°以上の深い傾きから光を照射した場合、照射光の吸収効率が悪く製造上不利であり、また本発明に示される直線Pを含む任意の入射面内における直線透過光量の入射角依存性の同一性を保てないため好ましくない。これは図10からも明らかなように、方向Pの法線に対する傾斜が大きい場合、方向Pに対して同じ角度だけ傾斜した入射光Iどうしであっても、異方性拡散媒体中の光路長がそれぞれ著しく異なってしまい、透過光Tの光量に差が生じてしまうからである。
本発明の異方性拡散媒体は、以上説明した内部構造とそれに起因する光学特性の他に、表面凹凸を有するものである。図15に示すように、この表面凹凸部4および5は棒状硬化領域2に対応しているため、その凸部4の間隔は棒状硬化領域の直径に依存することになるが、これは光硬化性化合物や光開始剤の種類や配合量、紫外線照射方法等により調整することが出来る。また、凹凸部4および5の高さについても、基体6の種類や厚さを選択することにより調整が可能であり、ガラスや金属のような硬度の高い基体上で異方性拡散媒体を作製した場合には、表面凹凸はほとんど得られないが、PETフィルムのような可撓性の高い基体を使用した場合、上述の内部構造に対応した表面凹凸が形成される。すなわち、基体の可撓性が高いほど凹凸の高さが大きくなることから、基体の材質と厚さを選択することにより、凹凸の高さの調整も可能である。
本発明の異方性拡散媒体の形態としては、光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなる異方性拡散層単独、該異方性拡散層を透明基体上に積層した構成、異方性拡散層の両側に透明基体を積層した構成が提供可能である。ここで透明基体としては、透明性は高いもの程良好であって、全光線透過率(JIS K7361―1)が80%以上、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上のもの、また、ヘイズ値(JIS K7136)が3.0以下、より好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.5以下のものが好適に使用できる。透明なプラスチックフィルムやガラス板等が使用可能であるが、薄く、軽く、割れ難く、生産性に優れる点でプラスチックフィルムが好適である。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミド、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セロファン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィン樹脂等が挙げられ、これらの単独または混合、更には積層したものを用いることが出来る。また基体の厚さは、用途や生産性を考慮すると1μm〜5mm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは、50〜150μmである。
また、本発明の異方性拡散媒体を形成する基体として、上記の他に、木材パルプから形成される紙、および合成紙等が使用可能である。木材パルプを主原料とした紙としては、LBKP単独またはNBKPとLBKPとを混合したものを用いることができる。NBKPとLBKPを混合して用いる場合、紙質を考慮すると、NBKPの配合比が50%以下となる割合が好ましい。さらに、原紙強度が維持できる範囲内であれば、古紙を配合することもできる。
また、原紙として用いられる木材パルプ紙の強度を向上させる目的で、紙力増強剤を内添することもできる。紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、カチオン化でんぷん、アセチル化でんぷん等の変性でんぷん、メラミン樹脂、尿素樹脂、CMC、グァーガム、変性グァーガム、ポリアミド樹脂、ポリアミン系樹脂、エポキシ変性ポリアミド等が挙げられる。
また、各種の合成樹脂を主原料として、無機充填剤および他の添加剤を加えて溶融混練し、シート状に押出し、2軸延伸法によって製膜し、紙化することによって天然紙の持つ種々の性質を付与した従来の合成紙が使用可能である。主原料の合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、または塩化ビニル等が挙げられる。合成紙は天然紙と比較して強度、耐水性、寸法安定性、耐候性、無塵性等の特性が優れている。
合成紙の製造法としては、2軸延伸法以外にも、スプリットファイバーを積層して紙化を行う方法、微少発泡のフィルムから紙化を行う方法、各種合成繊維を短く切断して従来の湿式抄紙法で合成繊維紙を得る方法、合成繊維とセルロース繊維を混合して半合成繊維紙を得る方法、さらに従来の湿式法によらずに乾式で不織布の製造方法によって紙化を行う方法等が挙げられる。
さらに、木材パルプ紙や合成紙に対し、上述した各種プラスチックフィルムの薄膜を積層したラミネート紙を本発明の基体として用いることもできる。ラミネート方法としては、加熱してフィルムを融着させるホットラミネート法や、常温で接着するフィルムを積層するコールドラミネート法等、特に限定されない。
次に、本発明の異方性拡散媒体は、光硬化性化合物を含む組成物を硬化した異方性拡散層を含むものであるが、この組成物としては次のような組み合わせが使用可能である。
(1)後述する単独の光重合性化合物を使用するもの
(2)後述する複数の光重合性化合物を混合使用するもの
(3)単独又は複数の光重合性化合物と、光重合性を有しない高分子化合物とを混合して使用するもの
いずれの組み合わせにおいても、光照射により異方性拡散層中に、屈折率の異なるミクロンオーダーの微細な構造が形成されるようであり、これにより本発明に示される特異な異方性拡散特性が発現できるものと思われる。従って、上記(1)では光重合の前後における屈折率変化が大きい方が好ましく、また(2)、(3)では屈折率の異なる複数の材料を組み合わせることが好ましい。なお、ここで屈折率変化や、屈折率の差とは、具体的に0.01以上、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上の変化や差を示すものである。
本発明の異方性拡散層を形成するのに必須な材料である光硬化性化合物は、ラジカル重合性またはカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーから選択される光重合性化合物と光開始剤とから構成され、紫外線及び可視光線を照射することにより重合・固化する材料である。
ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するもので、具体的にはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2―エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―アクリロイロキシフタル酸、ジシクロペンテニルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6―ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。なお、同様にメタクリレートも使用可能であるが、一般にはメタクリレートよりもアクリレートの方が光重合速度が速いので好ましい。
カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基やビニルエーテル基、オキセタン基を1個以上有する化合物が使用出来る。エポキシ基を有する化合物としては、2―エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ビフェニルのグリシジルエーテル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類が挙げられる。
更に、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2―(3,4―エポキシシクロヘキシル―5,5―スピロ―3,4―エポキシ)シクロヘキサン―メタ―ジオキサン、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ(3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシル―3’,4’―エポキシ―6’―メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3’,4’―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ジ(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル)―4,5―エポキシテトラヒドロフタレート等の脂環式エポキシ化合物も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なおビニルエーテル化合物は、一般にはカチオン重合性であるが、アクリレートと組み合わせることによりラジカル重合も可能である。
またオキセタン基を有する化合物としては、1,4―ビス[(3―エチル―3―オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3―エチル―3―(ヒドロキシメチル)―オキセタン等が使用できる。
なお以上のカチオン重合性化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
ラジカル重合性化合物を重合させることの出来る光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2―クロロチオキサントン、2,4―ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2―ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2―ジメトキシ―1,2―ジフェニルエタン―1―オン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニルプロパン―1―オン、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2―メチル―1―[4―(メチルチオ)フェニル]―2―モルフォリノプロパノン―1、1―[4―(2―ヒドロキシエトキシ)―フェニル]―2―ヒドロキシ―2―メチル―1―プロパン―1―オン、ビス(シクロペンタジエニル)―ビス(2,6―ジフルオロ―3―(ピル―1―イル)チタニウム、2―ベンジル―2―ジメチルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―ブタノン―1、2,4,6―トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
またカチオン重合性化合物の光開始剤は光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることが出来る化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が使用され、これらの対イオンには、BF 、PF 、AsF 、SbF 等のアニオンが用いられる。具体例としては、4―クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド―ビス―ヘキサフルオロホスフェート、(4―メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4―メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t―ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5―イソプロピルベンゼン)(η5―シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
本発明において、上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部程度配合される。これは、0.01重量部未満では光硬化性が低下し、10重量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害が出てくるからである。これらの光開始剤は、通常粉体を光重合性化合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することも出来る。このような溶剤としては光重合性であることが更に好ましく具体的には炭酸プロピレン、γ―ブチロラクトン等が挙げられる。また、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。更に光重合性化合物を加熱により硬化させることの出来る熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することも出来る。この場合光硬化の後に加熱することにより光重合性化合物の重合硬化を更に促進し完全なものにすることが期待できる。
本発明では、上記の光硬化性化合物を単独で、または複数を混合した組成物を硬化させて、異方性拡散層を形成することが出来る。また、光硬化性化合物と光硬化性を有しない高分子樹脂の混合物を硬化させることによっても本発明の異方性拡散層を形成可能である。ここで使用できる高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン―アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩ビ―酢ビ共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂と光硬化性化合物は、光硬化前は十分な相溶性を有していることが必要であるが、この相溶性を確保するために各種有機溶剤や可塑剤等を使用することも可能である。なお、光硬化性化合物としてアクリレートを使用する場合は、高分子樹脂としてはアクリル樹脂から選択することが相溶性の点で好ましい。
本発明の異方性拡散媒体は、上述の光硬化性化合物を含む組成物をシート状に設け、これに直線Pの方向から平行光線を照射して、該組成物を硬化させることにより製造されるものである。ここで、光硬化性化合物を含む組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。また、組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に組成物をキャストすることも出来る。
シート状に設けた光硬化性化合物を含む組成物に光照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。なお、棒状の発光面を有する光源は、本発明では不適当である。このような棒状光源を使用すると、板状の硬化領域が形成され、図1、図2、および図12に示す従来の光拡散媒体となってしまう。本発明では、シート状に形成された光硬化性化合物を含む組成物に対して、所定の方向(直線P)から平行光線を照射させる必要があり、レジストの露光に使用される露光装置を使用することが好ましい。また、サイズが小さいものを作製する場合は、紫外線スポット光源を用いて十分離れた距離から照射することも可能である。
本発明の異方性拡散媒体を作製するための、基体の選定と光照射の方法は次のような例が挙げられる。ひとつは、可撓性のフィルム基体7上に光硬化性化合物を含む組成物をシート状に配設し、その上を必要により他の透明基体で覆い、下方から光照射を行う例である。この場合、下に敷いた可撓性フィルム基体側に接する光硬化性化合物を含む組成物の硬化した表面に凹凸が生じ、結果的に両者は剥離し易くなるため、この可撓性フィルムは必ずしも透明なものでなくても構わない(図15参照)。また他の例としては、透明性の高い基体上に、同様の光硬化性化合物を含む組成物を配設した後、その表面を別の基体で覆うことなく、透明基体側から光照射を行う方法がある。ここでは、透明基体側から成長を開始した棒状硬化領域はそのまま未硬化成分が消費されるまで成長するため、同一の組成物で比較すれば最も大きな表面凹凸を形成することになる(図16参照)。更に、光硬化性化合物を含む組成物を2枚の透明な可撓性フィルムで狭持し、その両側から光照射して、両側に表面凹凸を形成することも可能である(図17参照)。
光硬化性化合物を含む組成物をシート状にしたものに照射する光線は、該光硬化性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。この波長帯を使って本発明の異方性拡散層を作製する場合、照度としては0.01〜100mW/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mW/cmの範囲である。照度が0.01mW/cm以下であると硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cm以上であると光硬化性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、目的の異方性拡散特性を発現できなくなるからである。
次に、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[比較例]
76×26mmサイズのスライドガラスの縁部全周に、ディスペンサーを使い硬化性樹脂で高さ0.5mmの隔壁を形成した。この中に下記の紫外線硬化樹脂組成物を滴下し、別のスライドガラスでカバーした。
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 100重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−6EO−3A)
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 1重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:Darocure1173)
この両面をスライドガラスで挟まれた0.5mmの厚さの液膜に対して、UVスポット光源(浜松ホトニクス社製、商品名:L2859−01)の落射用照射ユニットから垂直に距離30cmで、照射強度30mW/cmの紫外線を10秒間照射した。その後両側のスライドガラスを外して両面が平滑な異方性拡散媒体を得た。
[実施例]
2枚のスライドガラスのうちの1枚を厚さ75μmの剥離PETフィルムに変えた以外の条件は全て比較例と同様にして、異方性拡散媒体を作製した。なお、紫外線はスライドガラス板側から照射した。
上記比較例および実施例で得られた異方性拡散媒体について、JIS B 0601−1994に準拠して測定した表面粗さを表1に示す。
Figure 2005292217
表1から分かるように、異方性拡散媒体の表側は鏡面光沢に近い平滑さを有するが、裏面の方は凹凸が現れている。さらに、裏面に接触している材質が硬いガラスの場合(比較例)よりも柔らかいPETフィルムの方(実施例)がその表面粗さの程度が大きくなることも示されている。
続いて、ゴニオフォトメーター(村上色彩社製、商品名:GP−5)を使い、光源からの直進光を受ける位置に受光部を固定した。その間のサンプルホルダーに実施例および比較例で得られた異方性拡散媒体をセットし、サンプルを回転させてそれぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。その結果を図18に示す。
比較例は内部構造に起因する異方性拡散特性が顕著に現れており、直線透過光量の最大値と最小値との差がかなり大きいのに対し、実施例の方は内部構造起因の異方性拡散特性に表面凹凸の影響が加わったため、直線透過光量の最大値と最小値の差はかなり小さくなり、また0°付近の直線透過光量のピークが顕著に大きくなっている。
以上説明したように、本発明によれば、直線透過光量の入射角依存性が異方性拡散媒体内の特定の直線を軸として釣鐘状曲面となるような従来にない特徴的な特性を有する異方性拡散媒体、およびその製造方法を提供することができる。
従来の光制御板の一例を示す模式図である。 (a) 図1の従来の光拡散媒体におけるA―A線断面(線状光源の向きと垂直な断面)を示す電子顕微鏡写真である。(b)図1の従来の光拡散媒体におけるB―B線断面(線状光源の向きと平行な断面)を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の異方性拡散媒体を透過する直線透過光量の入射角依存性を説明する模式図である。 異方性拡散媒体の直線透過光量の入射角依存性の評価方法を示す模式図である(直線Lのみを回転軸とした場合)。 異方性拡散媒体の直線透過光量の入射角依存性の評価における入射角と直線透過光量の関係を示すグラフである。 本発明の異方性拡散媒体の実施形態を示す模式図である。 (a)図6の本発明の異方性拡散媒体におけるA―A線断面を示す電子顕微鏡写真である。(b)図6の本発明の異方性拡散媒体におけるB―B線断面(A―A線断面に直交する断面)を示す電子顕微鏡写真である。 図6の異方性拡散媒体を透過する直線透過光量の入射角依存性を説明する模式的断面図である。 本発明の異方性拡散媒体の他の実施形態を示す模式図である。 図9の異方性拡散媒体を透過する直線透過光量の入射角依存性を説明する模式的断面図である。 異方性拡散媒体の直線透過光量の入射角依存性の評価方法を示す模式図である(直線LおよびMを回転軸とした場合)。 従来の光拡散媒体の直線透過光量の入射角依存性の評価における入射角と直線透過光量の関係を示すグラフである。 所定の直線P方向から平行光線を照射して作製した本発明の異方性拡散媒体における直線透過光量の入射角依存性を説明する模式図である。 本発明の異方性拡散媒体の直線透過光量の入射角依存性の評価における入射角と直線透過光量の関係を示すグラフである。 本発明の異方性拡散媒体の表面凹凸部の形成方法を示す模式図である。 本発明の異方性拡散媒体の表面凹凸部の形成方法を示す模式図である。 本発明の異方性拡散媒体の表面凹凸部の形成方法を示す模式図である。 実施例および比較例の異方性拡散媒体に対する入射光の入射角と直線透過光量の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 異方性拡散媒体
2 棒状硬化領域
3 受光部
4 凸部
5 凹部
6 (透明)基体
7 フィルム基体
I 入射光
T 透過光
P 入射方向
P1,P2 入射面
S 異方性拡散媒体表面の法線

Claims (5)

  1. 光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなる樹脂層を有する異方性拡散媒体であって、上記樹脂層の内部には、複数の棒状硬化領域の集合体が形成されており、上記複数の棒状硬化領域は、全て所定の方向Pに対して平行に延在し、かつ上記樹脂層の少なくとも一方の表面に凹凸が形成され、この表面凹凸の算術平均粗さRaおよび上記凹凸の最大高さRyが下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする異方性拡散媒体。
    〔数1〕
    0.15μm≦Ra≦1.0μm (1)
    〔数2〕
    1.0μm≦Ry≦5.0μm (2)
  2. 前記所定の方向Pに延在する直線が法線に一致することを特徴とする請求項1に記載の異方性拡散媒体。
  3. 請求項1または2に記載の異方性拡散層を、透明基体上に積層した構成からなることを特徴とする異方性拡散媒体。
  4. 光硬化性化合物を含む組成物をシート状に設け、これに前記直線Pの方向から平行光線を照射して、上記組成物を硬化させてなることを特徴とする請求項1に記載の異方性拡散媒体の製造方法。
  5. 前記直線Pの方向から前記平行光線を照射して前記組成物を硬化させる際に、上記組成物における上記平行光線の出射側の面を大気中に露出するか、または可撓性のシートで覆うことを特徴とする請求項4に記載の異方性拡散媒体の製造方法。
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