JP2005292122A - 全反射減衰を利用した測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全反射減衰を利用した測定装置において、測定精度を向上させる。
【解決手段】 測定チップ9の誘電体ブロック10と金属膜12との界面10bに光ビーム13を入射させ、界面10bで反射された光ビーム13中の暗線位置を測定する測定装置において、反射された光ビーム13を二次元状に配列された複数の受光素子を備えてなる光検出手段17により受光し、光検出手段17の受光素子が出力する光検出信号から、抽出手段19において異常画素列を抽出し、異常画素列を除く画素列の受光素子からの出力信号に基づいて、界面10bで反射した光ビーム13中の暗線位置を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面プラズモンの発生を利用して試料の分析を行う表面プラズモン共鳴測定装置等の全反射減衰を利用した測定装置に関するものである。
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
従来より、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置が種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特許文献1)。
上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角θSPより表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、真空中の光速をc、金属、被測定物質の誘電率をそれぞれεm、εsとすると、以下の関係がある。
Figure 2005292122
すなわち、上記反射光強度が低下する入射角である全反射減衰角θSPを知ることにより、被測定物質の誘電率εs、つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
なおこの種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角θSPを精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特許文献2に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば非特許文献1の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角θSPの角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角θSPを測定し、該全反射減衰角θSPの角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰角θSPの角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角θSPの角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角θSPの角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる。
このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め形成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角θSPの角度変化量の測定を行っている。
上記測定チップに試料液を供給し、センシング物質と被検体とが結合すると、センシング物質の屈折率が変化し、全反射減衰角θSPの角度が変化する。従って測定開始から所定時間経過した時点での、測定開始からの全反射減衰角θSPの角度変化量を求めることにより、被検体がセンシング物質と結合するか否かを判定し、また結合する場合には、被検体とセンシング物質との結合状態などを分析することができる。
特開平6−167443号公報 特開平11−326194号公報 「分光研究」第47巻 第1号(1998)
感度向上のために用いられる特許文献2に記載のアレイ状の光検出手段は、既述のとおり、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものであり、各成分についての反射角度方向に直交するビーム幅方向成分については1つの受光素子により受光するため、各受光素子からの出力はビーム幅方向の全ての情報を含んでいる。さて、測定チップの薄膜表面あるいはセンシング物質の一様性に問題がある場合や光学系の一部に汚れがある場合などには、暗線の一部が変形する(例えば、暗線の一部がなまる)場合がある。従って、従来のアレイ状の光検出手段を備えた測定装置においては、測定チップや光学系の一部に非一様性、汚れなどの欠陥により暗線の一部が変形した場合には、その影響を含んだ測定結果を得ることとなり、検出感度の低下に繋がる虞があった。
本発明は上記事情に鑑みて、測定チップや光学系等の一部の一様性の欠如もしくは汚れなどによる信号の検出感度の低下を抑制することができる測定装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の測定装置は、光ビームを発生させる光源と、
前記光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持する試料保持部を備えてなる測定チップと、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して前記誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる種々の角度で、かつ該界面に対して所定のビーム幅で入射させる光ビーム入射光学系と、
前記界面で全反射した光ビーム中の暗線位置を測定する測定手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、
前記測定手段が、前記界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、前記測定チップに保持させた前記試料についての前記二次元画像を検出した前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、前記試料についての暗線位置を前記抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであることを特徴とするものである。
本発明の第二の測定装置は、光ビームを発生させる光源と、
前記光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持する試料保持部を備えてなる測定チップと、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して前記誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる種々の角度で、かつ該界面に対して所定のビーム幅で入射させる光ビーム入射光学系と、
前記界面で全反射した光ビーム中の暗線位置を測定する測定手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、
前記測定手段が、前記界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、前記測定チップに保持させた参照試料についての前記二次元画像を検出した前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、前記試料についての暗線位置を前記抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであることを特徴とするものである。
ここで、異常な画素データとは、測定装置の測定チップの薄膜等における不均一性、光学系に付着する汚れ等により生じるものである。
なお、「暗線位置を測定する」とは、分析対象試料の屈折率と一義的に対応する全反射解消角θSPを求めることのみならず、分析対象試料の屈折率差に対応する全反射解消角の変化量等、暗線位置に関連する値を測定することを含むものとする。
第一および第二の測定装置においては、前記抽出手段を、前記光検出手段からの出力のうち前記ビーム幅方向に配列されている画素列の出力分布プロファイルを求め、該出力分布プロファイルを正規分布と比較して該正規分布からの解離率が規定値より大きい画素を含む前記入射角度方向の画素列を前記異常画素列として抽出するものとすることができる。
また、第二の測定装置においては、前記抽出手段を、参照試料として互いの屈折率差が既知である複数の試料についての前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列された画素列毎における、前記入射角度方向への暗線位置の変化を求め、該変化が前記屈折率差から得られる理想的な変化と異なる画素列を前記異常画素列として抽出するものとしてもよい。
上記各測定装置においては、光検出手段は、前記ビーム幅方向と前記入射角度方向との二次元状に複数の受光素子が配列されてなるものであってもよいし、前記ビーム幅方向に複数の受光素子が配列されてなる受光部と、該受光部を前記入射角度方向に移動させる移動部とからなるものであってもよい。
上記のような測定装置としては、金属膜を上記薄膜層として用いる前述の表面プラズモン共鳴測定装置や、誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成された光導波層とからなる層を上記薄膜層として用いる前述の漏洩モード測定装置等がある。
なお、本発明の測定装置においては、暗線位置を検出する方法として、差分法のみならず、例えばSurface plasmon resonance: instrumental resolution using photo diode array (Measurement Science and Technology, 11(2000) 1630-1638)に開示されているような重心法(centriod algorism)を用いてもよい。
本発明の全反射減衰を利用した第一の測定装置は、界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、測定チップに保持させた前記試料についての前記二次元画像を検出した前記光検出手段からの出力に基づいて、入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、試料についての暗線位置を抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであるため、光路上の極一部に非一様な部分があり、暗線が変形したとしても、その影響のない測定結果を得ることができる。
本発明の全反射減衰を利用した第二の測定装置は、界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、測定チップに保持させた参照試料についての前記二次元画像を検出した光検出手段からの出力に基づいて、入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、参照試料についての暗線位置を抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであるため、光路上の極一部に非一様な部分があり、暗線が変形したとしても、その影響のない測定結果を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態の表面プラズモン共鳴測定装置の概略構成を示す図であり、同図(A)は測定装置の側面形状を示す側面図、同図(B)は光ビームの光路および光検出手段の受光面上における光ビームの像を模式的に示す平面図である。
上記表面プラズモン共鳴測定装置1は、測定チップ9と、光ビーム13を発生する光源であるレーザ光源14と、上記光ビーム13を測定チップ9に対して入射させる入射光学系15と、測定チップ9で反射された光ビーム13を受光する光検出手段17と、後述の抽出手段19を含み、光検出手段17からの出力を受けて反射された光ビーム中の暗線位置を求める信号処理部20と、信号処理部20に接続された表示手段21とからなる。
測定チップ9は、四角錐の4つの稜線が集まる頂角を含む一部分が切り取られ、かつこの四角錐の底面に試料液11を貯える試料保持部として機能する凹部10cが形成された形状の誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の凹部10cの底面に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる薄膜層である金属膜12とからなる。この誘電体ブロック10は、例えば透明樹脂等により形成することができる。なお、金属膜12の上に後述するセンシング媒体30を設けてもよい。
入射光学系15は、レーザ光源14から射出された光ビーム13を平行光化するコリメータレンズ15aと、この平行光化された光ビーム13を上記界面10bに向けて収束させる集光レンズ15bとから構成されている。
光ビーム13は、集光レンズ15bにより上述のように集光されるので、界面10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なお、この入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そのため、界面10bで全反射した光ビーム13には、種々の反射角で全反射された成分が含まれることになる。また、光ビーム13は、所定のビーム幅W(図1(B)参照)で界面10bに対して入射される。
なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ光源14をその偏光方向が上記所定の方向となるように配設すればよい。その他、光ビーム13を界面10bに対してp偏光で入射させるように波長板で光ビーム13の偏光の向きを制御するようにしてもよい。
光検出手段17は、二次元状に配列された複数の画素を有するCCDであり、複数の画素は、図1の紙面に略平行な方向(入射角度方向)Xとこれに直交するビーム幅方向Yの二次元状に配列されており、CCD17の受光面が光ビーム13の伝播方向に対して略直交するように配置されている。すなわち、界面10bにおいて種々の反射角で全反射された光ビーム13の各成分を、CCD17の入射角度方向X並びのそれぞれ異なる画素により受光するように、かつ光ビーム13のビーム幅方向の成分をビーム幅方向Y並びのそれぞれ異なる画素により受光するようにCCD17が配置されている。
上記構成の表面プラズモン共鳴測定装置における試料分析の方法について説明する。ここでは、金属膜12の上に特定物質と結合するセンシング媒体30を固定した場合における、試料液11中の分析対象物質とセンシング媒体30との結合状態の測定方法について説明する。センシング媒体30と特定物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体が挙げられる。なお、一般に、センシング媒体30をリガンド、試料液11中の分析対象物質をアナライトという。
図1に示す通り、レーザ光源14から射出された光ビーム13は、入射光学系15を通して、誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上に収束される。
界面10b上に収束され、この界面10bで全反射された光ビーム13は、コリメータレンズ16を通してCCD17によって検出される。CCD17は、各画素において検出された上記光ビーム13の強度分布を示す信号を出力する。
界面10bに特定入射角θSPで入射した上記光ビーム13の成分は、金属膜12とこの金属膜12に接している物質との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度が鋭く低下する。つまり上記特定入射角θSPが全反射解消角であり、この角度θSPにおいて反射光強度は極小値を示す。この反射光強度が低下する領域は、図1にDで示すように、界面10bで全反射された光ビーム13中の暗線として観察される。
図2(A)は、界面10bで全反射された光ビーム13のCCD17の受光面上における像、図2(B)は、CCD17の出力から得られるX方向強度分布プロファイル、図2(C)は、CCD17のX列方向に隣接する列同志の差分からなるX方向差分プロファイルをそれぞれ示すものである。
ここでは、CCD17として、X方向に複数列Xa〜Xn、Y方向に複数列Y1〜Y7受光素子が配列されたものを示しているが受光素子数(画素数)は任意に設定可能である。既述のとおり、X方向は光ビーム13の界面10bへの入射角度方向に対応し、Y方向は光ビーム13の幅方向に対応する。なお、X方向位置は入射角θと一義的に対応するものである。なお、以下において、Y方向に延びる列をX列といい、X方向の各位置a〜nのそれぞれにおいてY方向に延びる列をそれぞれXa、Xb・・・Xn列という。同様にX方向に延びる列をY列といい、Y方向の各位置1〜7のそれぞれにおいてX方向に延びる列をそれぞれY1、Y2・・・Y7列という。
光ビーム13中の暗線Dは例えば、図2(A)に示す像としてCCD17の受光面に入射し、この受光面上に入射する。測定装置においては、この光ビーム13中に発生する暗線Dの変化(移動)を検出することにより試料分析がなされる。
列Xa〜Xnの各列毎にY方向並びの受光素子からの出力を加算し、例えば、Xh列の出力(強度)Iは、図中右下がり斜線で示す複数の受光素子の出力の和で示され、Xa列〜Xn列のそれぞれの出力からなる光ビーム13のX方向の強度分布プロファイルは図2(B)のように表される。なお、以下において、受光素子は画素PXYで表し、下付により二次元画像上における位置を示すものとする。例えば、X方向のa列かつY方向1列にある画素をPa1で表す。
信号処理部20においては、図2(C)に表されるような画素列Xa〜Xnの隣接画素列からの出力の差分プロファイルを求め、暗線を含む隣接画素列Xh、Xiを検出する。暗線を含む隣接画素列の画素データの差分値をSPR信号とし、このSPR信号の変化に基づいて暗線位置の変化を得る。ここで、画素データとは受光素子からの出力(電圧)に相当するものである。分析対象試料とセンシング物質の結合状態が変わると、すなわち、金属膜上に接している物質の屈折率が変化するために暗線位置が変化するので、上記差分値が変化する。したがって、この差分値を時間の経過とともに連続的にもしくは断続的に測定し続けることにより、分析対象試料とセンシング物質との結合状態の変化を測定することができる。
さて、信号処理部20において、説明の便宜上、画素列Xa〜Xnの出力を各列のY方向並びの受光素子全てからの出力の和であるとしたが、既述のように、界面に不均一な箇所がある場合、光学系の一部が汚染されている場合等の光路上に不均一な部分がある場合等暗線のプロファイルに異常が生じる場合にはその影響を含むものとなる。したがって、信号処理部20においては、異常の有無を検出し、異常がある場合その異常部分を検出した画素を抽出し、その画素からの出力をSPR信号算出時に用いないように抽出手段19により異常画素を含む画素列Yを抽出し、その影響を排除した上でSPR信号を算出する。なお、界面が不均一(非一様)になっている原因としては、例えば、金属膜上に固定化されているセンシング媒体であるリガンドが不均一な場合が挙げられる。また、リガンドの非一様性は、固定化時に生じる不均一さのほか、固定化後、感度校正を行うためのバッファ分注、洗浄時に一部剥がれが生じる不均一さ等が挙げられる。
抽出手段19における異常画素列の抽出方法の例を説明する。まず、CCDのX方向ならびの列からの出力(強度)分布プロファイルを用いて異常画素列を抽出する方法を説明する。
図3(A)、(B)はそれぞれ、光路上に問題のない場合、界面の一部に非一様な部分がある等光路上に不均一な部分がある場合にCCDにより検出された光ビームの像であり、同図(a)、(b)はそれぞれの場合において、暗線を検出しているX方向の画素列Xh、XiのY方向の強度分布プロファイルである。図3(B)に示すように、光路上に不均一な部分がある場合、暗線の一部に飛びが生じる等の影響がある。図3(A)の光ビームの像を検出した際の、暗線を含む画素列Xh、XiのY方向の画素の画素データに基づく強度分布プロファイルはほぼ正規分布を示す。一方、図3(B)の光ビームの像を検出する際の、暗線を含む画素列Xh、Xiの画素データに基づく強度分布プロファイルには正規分布(図中点線n)から解離した部分が生じる。
そこで、暗線を検出している受光列XのY方向の強度分布プロファイルに対して正規分布でフィッティングを行い、正規分布からの解離率が規定値より大きい画素を異常画素として検出し、この異常画素を含むY方向の4列目を異常画素列として抽出する。図3(b)においては、正規分布nから10%以上解離している(図中の両矢印で示す範囲に入っていない)画素Ph4、Pi4を異常画素としており、この異常画素Ph4、Pi4を含むY方向並びの列、Y4列を異常画素列として抽出する。以後、このY4列に含まれる画素の画素データはSPR信号の算出時に用いない。なお、異常画素列を抽出することは、正常画素列を抽出すると言い換えることもできる。すなわち、正規分布からの解離率が規定値以下のものだけを正常画素とし、該正常画素を含む画素列を正常画素列として抽出してもよい。なお、光ビームの像をほとんど受光しないY1、Y7列の画素の画素データはSPR信号の算出時に用いても用いなくてもよい。
信号処理部20においては、SPR信号の取得時に抽出手段19による上述の処理を行い、異常画素を排除した画素からの出力に基づいてSPR信号を算出すればよい。1つの分析対象試料の結合状態の変化を測定する場合には、該分析対象試料についての最初のSPR信号取得時に抽出手段19による上述の処理を行い異常画素列を抽出すればよい。
また、一般に、分析対象試料についての測定前に、感度校正のために屈折率が既知である参照試料液についての測定を行うので、その場合には、参照試料液についてのSPR信号取得時にも、既述のように異常画素列を抽出し、該異常画素列を除いた画素の画素データからSPR信号を取得することにより、感度校正の精度を向上させることができる。参照試料液についての測定時に異常画素列を抽出した場合には、分析対象試料についての測定時は、参照試料液についてのSPR信号測定時に抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列からの出力に基づいてSPR信号を演算すればよい。
抽出手段19における異常画素列の抽出方法の別の例について説明する。
既述のように、一般に分析対象試料についての測定前に、感度校正のために屈折率が既知である参照試料液についてのSPR信号を取得して感度校正値を求める。
ここでは、感度校正のために予め屈折率が既知の3種類の参照試料液A、B、CについてSPR信号を取得する場合について説明する。
測定装置において、CCDの各受光素子からの出力は受光光強度に応じた電圧Vであり、暗線近傍の2列からの出力の差分値をSPR信号とし、このSPR信号から全反射減衰位置の変動(屈折率変動)を演算している。この信号値は屈折率と比例関係となるように設定されているが、その傾きは、装置、測定チップに依存するため、各分析対象試料の測定前に傾きを測定する。この得られた傾きを用いて分析対象試料についての感度校正した測定結果を得る。
具体的には、屈折率が既知であるn1、n2、n3(n1<n2<n3かつ、n3−n2=n2−n1=Δn)についてのSPR信号を測定し、屈折率変化に対するSPR信号の変化を求める。なお、感度校正の際には分析対象試料を測定する測定チップ9を用い、その測定チップ9中に、屈折率n1の参照試料液Aを分注しSPR信号を測定、その後、参照試料液Aを吸い取り洗浄後、屈折率n2の参照試料液Bを分注しSPR信号を測定、さらに、参照試料液Bを吸い取り洗浄後、屈折率n3の参照試料液Cを分注しSPR信号を測定する。屈折率対SPR信号は図4で表され、この傾きを校正値として求める。
従来この手法により校正値を得る場合、Y方向の光ビーム成分を全て含む出力からSPR信号を求めていたため、ビーム幅方向のプロファイルに異常があった場合にはその異常部分のデータをも含む測定値となっていた。すなわち、本来n1、n2、n3の変化が図4の白丸(○)に沿った点線のような傾きとなるはずのものが、参照試料液AとBの測定の間にリガンドの一部が剥がれるなどの異常が生じその影響を受け、例えばばつ(×)に沿った実線で示す傾きを校正値として得ることとなる場合がある。
そこで、抽出手段19において、各画素列Y1〜Y7毎に、n1、n2、n3の参照試料液測定時の暗線位置の変化を求め、該変化が屈折率差から得られる理想的な変化と異なる画素列を異常画素列として抽出する。具体的には、Y1からY7の各画素列からそれぞれ傾きを求め、所定の範囲外の値を示す画素列を異常画素列とし、所定の範囲の値を示す画素列からの出力のみを用いるものとする。暗線を含む隣接するX列に配列されている画素のうち、異常画素列Yの画素からの出力を排除した両列の出力の差分を取れば、図4中黒丸(●)に沿った一点鎖線で示すように、信号値は下がるが、異常画素の影響を受けない傾きを得ることができる。
抽出手段19においては、参照試料液の屈折率差が既知であることから、前述の傾きの理想的な値が求められる。したがってこの理想的な値から所定の範囲外の値を示す画素列を異常画素列と抽出することができる。また、正常な画素列は、屈折率差に応じた変化を示し、ほぼ同様の傾きを示すはずであるため、各画素列の傾きを互いに比較し、多くの画素列から得られたほぼ同様の傾きを中心とし、該傾きから大きく異なる傾きを示した画素列を異常画素列として抽出してもよい。なお、図3(B)に示すような光ビームの像を検出している場合、光ビームがほとんど入射しない画素列Y1、Y7については異常画素列とみなされる。
このように、感度校正のための参照試料液についてのSPR信号取得時に、抽出手段19において異常画素列Yを抽出しておき、分析対象試料についての測定時には、上記異常画素列の画素データをのぞく画素データに基づいてSPR信号を演算する。
このように、本実施形態の測定装置においては、抽出手段19により異常画素列を抽出し、該異常画素列を除く画素列の画素データに基づいてSPR信号を検出するため、光路上の一部に欠陥が生じ、暗線プロファイルが変形していた場合にもその影響を受けず、精度よい測定結果を得ることができる。
なお、光検出手段としては、ビーム幅方向と入射角度方向との二次元状に複数の受光素子が配列されてなるものとして、上述のCCDセンサを挙げたが、CCDセンサのほか、二次元状にフォトダイオードが配列されてなるフォトダイオードアレイであってもよい。
また、別の光検出手段を備えた測定装置を第二の実施形態として図5に示す。図5に示す測定装置は、第一の実施形態と同様に表面プラズモン共鳴測定装置であり、同図(A)は測定装置の側面形状を示す図であり、同図(B)は、本測定装置の光検出手段70の受光部71の移動方向を示す平面図である。なおこの図5において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
図5に示す光検出手段70は、ビーム幅方向に複数の受光素子71aが配列されてなる受光部71と、該受光部71を入射角度方向に移動させる移動部とからなるものである。このように、1画素列もしくは数画素列を有する受光部71を、移動部により入射角度方向に移動させることにより結果として二次元状のビーム像を得るように構成することもできる。
受光部71は移動台80の上に固定され、この移動台80には、上記矢印X方向に延びる精密ねじ81に螺合した雌ねじブロック82が固定されている。移動台80は図示外のガイド手段によって、精密ねじ81の長軸と平行な方向に移動自在に支持されている。精密ねじ81の両端部は、固定台83の上に取り付けられた2つの軸支部84、84に回転自在に支持され、またその一端は正逆回転するステッピングモータ85の駆動軸に連結されている。したがって、ステッピングモータ85によって精密ねじ81が回転されると、雌ねじブロック82が矢印X方向に螺進退して、移動台80に固定された受光部71がこの方向に直線移動する。本実施の形態では、上述した要素80〜85によって、受光部71を移動させる移動手段が構成されている。
上記移動台80の、つまり受光部71の矢印X方向位置は位置検出手段としてのエンコーダ86によって検出され、受光部71からの出力がエンコーダ86からの検出位置を示す出力信号と関連付けて上述の第一の実施形態のCCDで取得される二次元画像と同様の二次元画像として信号処理部20で処理される。
上述の表面プラズモン共鳴測定装置は、一部の構成を変更することにより漏洩モード測定装置とすることができる。図6は、上述の表面プラズモン共鳴測定装置の一部を変更して構成した漏洩モード測定装置の(A)側面形状を示す側面図、および(B)光ビームの光路および光検出手段の受光面上における光ビームの像を模式的に示す平面図である。なおこの図6において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
この漏洩モード測定装置も、上述の表面プラズモン共鳴測定装置と同様に測定チップ9を用いるように構成されている。この測定チップ9の上面に形成された凹部10cの底面にはクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されている。これらクラッド層40と光導波層41とによって薄膜層が形成されている。
誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
上記構成の漏洩モード測定装置において、レーザ光源14から射出された光ビーム13を誘電体ブロック10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビーム13の多くの成分が誘電体ブロック10とクラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬されるようになる。こうして導波モードが励起されると、特定入射角で入射した入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bに特定入射角で入射し、全反射された光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41上の試料液11の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角である全反射解消角を知ることによって、試料液11の屈折率や、それに関連する試料液11の特性を分析することができる。本実施形態の漏洩モード測定装置においても、二次元画像を得ることができる光検出手段17と、異常なデータを排除して暗線位置を求める抽出手段19を含む信号処理部20を備えることにより、測定チップの一様性の一部欠如、もしくは光学系の一部の汚染等による感度低下を抑制し、精度よく暗線位置(暗線変化)を求めることができる。
なお、上記各実施の形態にかかる測定装置の測定チップとして、1つの試料保持部を有する誘電体ブロックからなるものを示したが、例えば、特開2003-202285に開示されているような、誘電体ブロックの上部に1次元状もしくは2次元状に複数の試料保持部を備えたセンサユニット(測定プレート)の1つの試料保持部およびそれに対応する誘電体ブロック部を1つの測定チップとみなすことができる。また、試料保持部と誘電体ブロックとが別体に構成されていてもよい。
さらに、図7および図8に示す流路タイプの測定チップを用いてもよい。図7は流路タイプの測定チップを複数備えたセンサユニットの正面図、図8は図7に示したセンサユニットの部分断面図である。
センサユニット100は、光ビームに対して透明であり、平滑な上面110aに薄膜層としての金属膜112が形成された誘電体ブロック110(本体)と、この誘電体ブロック110に形成された金属膜112上に密接される流路部材115とから構成される。
流路部材115は、入口116aから測定部116cに至る供給路116b、および測定部116cから出口116eに至る排出路116dから構成される流路116が、流路部材115の長手方向に渡って複数形成されており、この複数の流路116が直線状に配置されている。
図8に示すように、流路部材115の下部には、供給路116bの出口と排出路116dの入口が開口され、また流路部材115の下面に位置する金属膜112の表面と接する領域に、この供給路116bの出口と排出路116dの入口を囲むシール部115aが形成されており、このシール部115aの内側が測定部116cとなる。このため、流路部材115を誘電体ブロック110の金属膜112上に密接させた場合に、このシール部115a内の測定部116cが流路として機能するようになる。すなわち、この流路部材115が試料保持部として機能する。なお、シール部115aは、流路部材115の上部部分(供給路と排出路が形成されている部分)と一体形成されたものであってもよいし、上部部分とは異なる素材により形成され、後付されたものであってもよく、例えばOリング等を流路部材115の下部に取り付けたものであってもよい。なお、このようなセンサユニット100においては、1つの流路とそれに対応する誘電体ブロックの部分が1つの測定チップに相当する。
このセンサユニット100においては、蛋白質を含む液体試料が使用されることが想定されるが、流路116内で液体試料中の蛋白質が固着してしまうと測定を正確に行うことが困難となってしまうため、流路部材115の材料としては蛋白質に対する非特異吸着性を有しないことが好ましく、具体的にはシリコン、ポリプロピレン等を用いるとよい。
このセンサユニット100に対して試料を供給する場合には、流路部材115の入口116aに試料供給用ピペットチップを挿入し、出口116eに試料吸入用ピペットチップを挿入し、試料供給用ピペットチップから試料を流路116の測定部116cに供給すればよい。
なお、上記センサユニット100においては、流路部材115に複数の流路116を直線状に配置したものとしたが、勿論流路116を一つのみ配置したもの、または複数の流路116を行列状に配置したものとしてもよい。
このような流路タイプの測定チップを用いた測定装置の場合も、既述の実施形態の測定装置の場合と同様に、二次元画像を得ることができる光検出手段と、異常なデータを排除して暗線位置を求める抽出手段を含む信号処理部を備えることにより、測定チップの一様性の一部欠如、もしくは光学系の一部の汚染等による感度低下を抑制し、精度よく暗線位置(暗線変化)を求めることができる。
本発明の実施の形態による表面プラズモン共鳴測定装置の概略構成を示す側面図および光路を模式的に示す平面図 光ビームの受光面における像、入射角度方向における強度分布および差分プロファイルを示す図 抽出手段による異常画素列抽出方法を説明するための図 校正値を求めるためのSPR信号と屈折率の関係を示す図 本発明の第二の実施の形態による表面プラズモン共鳴測定装置の概略構成を示す側面図および光検出手段を説明するための平面図 漏洩モード測定装置の一例を示す図 センサユニットの正面図 図7に示すセンサユニットの部分断面図
符号の説明
9 測定チップ
10 誘電体ブロック
10b 界面
12 金属膜
13 光ビーム
14 レーザ光源
15 入射光学系
16 コリメータレンズ
17 光検出手段(CCD)
19 抽出手段
20 信号処理部
21 表示手段

Claims (6)

  1. 光ビームを発生させる光源と、
    前記光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持する試料保持部を備えてなる測定チップと、
    前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して前記誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる種々の角度で、かつ該界面に対して所定のビーム幅で入射させる光ビーム入射光学系と、
    前記界面で全反射した光ビーム中の暗線位置を測定する測定手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、
    前記測定手段が、前記界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、前記測定チップに保持させた前記試料についての前記二次元画像を検出した前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、前記試料についての暗線位置を前記抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであることを特徴とする測定装置。
  2. 光ビームを発生させる光源と、
    前記光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持する試料保持部を備えてなる測定チップと、
    前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して前記誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる種々の角度で、かつ該界面に対して所定のビーム幅で入射させる光ビーム入射光学系と、
    前記界面で全反射した光ビーム中の暗線位置を測定する測定手段とを備えてなる全反射減衰を利用した測定装置において、
    前記測定手段が、前記界面で全反射した光ビームの像を互いに直交するビーム幅方向と入射角度方向の二次元状に配列された複数画素からなる二次元画像として検出する光検出手段と、前記測定チップに保持させた参照試料についての前記二次元画像を検出した前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列されている画素列のうち異常な画素データを出力する画素を含む異常画素列を抽出する抽出手段とを備え、前記試料についての暗線位置を前記抽出手段により抽出された異常画素列を除く画素列の画素データに基づいて求めるものであることを特徴とする測定装置。
  3. 前記抽出手段が、前記光検出手段からの出力のうち前記ビーム幅方向に配列されている画素列の出力分布プロファイルを求め、該出力分布プロファイルを正規分布と比較して該正規分布からの解離率が規定値より大きい画素を含む前記入射角度方向の画素列を前記異常画素列として抽出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
  4. 前記抽出手段が、参照試料として互いの屈折率差が既知である複数の試料についての前記光検出手段からの出力に基づいて、前記入射角度方向に配列された画素列毎における、前記入射角度方向への暗線位置の変化を求め、該変化が前記屈折率差から得られる理想的な変化と異なる画素列を前記異常画素列として抽出するものであることを特徴とする請求項2記載の測定装置。
  5. 前記光検出手段が、前記ビーム幅方向と前記入射角度方向との二次元状に複数の受光素子が配列されてなるものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の測定装置。
  6. 前記光検出手段が、前記ビーム幅方向に複数の受光素子が配列されてなる受光部と、該受光部を前記入射角度方向に移動させる移動部とからなるものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の測定装置。
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