JP2005291611A - 空調システム及び空調機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 室内状況や気象条件に応じた最適な空調制御を、簡易に且つ安価に行うことができる空調システム及び空調機器を提供する。
【解決手段】 この空調システムは、エアコン1と、該エアコン1による空調空間である室内Rの所定箇所に配置される複数のセンサ機能付きICタグT1〜T5と、これらICタグT1〜T5と無線通信を行うと共に、エアコン1にICタグT1〜T5との無線通信結果に関しデータ通信可能とされたICタグリーダライタ5とを備える。エアコン1の制御部は、ICタグT1〜T5の配置位置情報が取得可能とされていると共に、前記ICタグリーダライタ5を介してICタグT1〜T5が感知した環境情報が取得可能とされ、前記位置情報と環境情報とに基づいて、エアコン1の空調動作を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は空調システム及び空調機器に関し、特に温度や湿度等の環境情報を感知できるセンサ機能付きICタグを用いて、空調制御が行えるようにした空調システム及び空調機器に関するものである。
従来、空調機器の空調動作を制御する方法としては、空調機器本体に設置された温度センサや湿度センサ等の環境情報感知センサのセンシング情報に基づき、仮想される室内環境状況に最も適合すると判定される所定の制御パターンを適宜当てはめることで、空調機器の運転制御が行われるのが一般的である。すなわち、一般的な室内状況を想定して作成された室内環境の推定情報、いわば経験則を適用して推定された室内環境情報に基づいて、空調機器の制御部はユーザの空調リクエストにマッチするよう、空調動作の制御信号を生成し、現況の室内環境が前記「推定された室内環境」に近付くよう空調機器を運転するという制御がなされている。
一方、空調空間内に温度センサ等を配置し、そのセンシング情報に基づいて空調機器の空調動作制御を行う空調システムも知られている(特許文献1、特許文献2)。例えば特許文献1には、空調空間を幾つかのゾーンに区分し、各空調ゾーンにおける空調利用者の皮膚温度や発汗量を感知するセンサを兼ねるマウスを各空調ゾーンに配置し、そのセンシング情報と外気温などの気象条件を参照しつつ、各空調ゾーンにおける最適空調条件を求めて空調機器の運転制御を行う技術が開示されている。
ところで、近年、所定のデータ情報を記憶すると共に、所定のリーダライタとの無線通信が可能とされたICタグが汎用されつつある。このようなICタグにおいて、昨今では各種のセンサ機能が搭載され、前記リーダライタに対してそのセンシング情報を無線送信できるICタグが登場するに至っている。
特開2003−42508号公報 特開平5−33990号公報
従来の一般的な空調動作制御においては、経験則を適用して推定された室内環境情報をベースとして空調機器の運転制御を行うことから、必ずしも最適な運転制御が行われない場合が多々あった。すなわち、空調空間の状況はユーザによってまちまち(例えば室内に大きなタンスが有る等、空調に影響を与える障害物が存在することがある)であるのに拘わらず、モデル的な室内環境を想定して制御部は制御信号を生成することから、各ユーザにおける空調空間状況に応じた最適な空調制御、つまりカスタマイズされた空調制御を行うことは困難であるという不都合があった。
カスタマイズされた空調制御を行うには、空調空間内に多数の環境情報感知センサを配備し、これらのセンサから適宜センシング情報を収集し、これを空調制御に反映させることが理想となるが、かかる空調制御を簡易に且つ比較的安価に実現する具体的な空調システムは未だ提案されていないのが実情である。
従って本発明は、経験則に依存するのではなく、室内状況や気象条件に応じた最適な空調制御を、簡易に且つ安価に行うことができる空調システム及び空調機器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる空調システムは、空調動作を制御する制御部を備える空調機器と、該空調機器による空調空間内の所定箇所に配置され、空調のための環境情報を感知するセンサ機能を備えるICタグと、該ICタグと無線通信が可能なICタグリーダライタとを備え、前記制御部は、前記ICタグの配置位置情報が取得可能とされていると共に、前記ICタグリーダライタを介してICタグが感知した環境情報が取得可能とされ、前記位置情報と環境情報とに基づいて、前記空調機器の空調動作を制御する機能を具備することを特徴とする。
この構成によれば、空調のための環境情報を感知するセンサ機能を備え、ICタグリーダライタと無線通信が可能とされたICタグを用いるので、空調空間の適所に複数のICタグを配置すれば、空調空間各所の環境情報、例えば温度等の情報を多点的に収集することができるようになる。そして、空調機器の制御部にて、これらICタグが感知した環境情報と、ICタグが配置箇所を示す位置情報とを取得することにより、当該空調空間の現況の環境情報を把握し、この現況環境情報に基づいて最適な空調動作制御を行うことができるようになる。
本発明の請求項2にかかる空調システムは、請求項1において、ICタグの配置位置情報を入力する位置情報入力手段を備え、該位置情報入力手段に対する入力操作により、前記制御部がICタグの配置位置情報を取得するよう構成されていることを特徴とする。この構成によれば、ユーザはICタグの配置位置情報を、空調機器の操作パネルや操作リモコン、或いは当該空調機器の制御部に接続されたパソコン等の位置情報入力手段から入力することができるようになる。
本発明の請求項3にかかる空調システムは、請求項1において、前記制御部は、ICタグの配置位置情報を取得するために、前記空調機器をICタグ位置推定動作モードで動作させることが可能とされており、前記ICタグ位置推定動作モードは、少なくとも特定の空調条件で空調動作を行う第1の空調動作と、該第1の空調動作とは異なる条件で空調動作を行う第2の空調動作とを実行させるものであり、前記第1の空調動作と第2の空調動作とにおいて、それぞれICタグが感知した環境情報の相違に基づいてICタグの配置位置を推定することで、ICタグの配置位置情報を取得するよう構成されていることを特徴とする。この構成によれば、ユーザがICタグの配置位置情報を別段マニュアル入力せずとも、制御部の指令に基づくICタグ位置推定動作モードにより、ICタグの配置位置情報を自動取得することができるようになる。
本発明の請求項4にかかる空調システムは、請求項1において、センサ機能を備えるICタグが感知する環境情報が、温度、湿度、振動の少なくとも1種以上であることを特徴とする。この構成によれば、空調のための環境情報として重要な情報である温度、湿度、振動をセンシングし、そのセンシング情報に基づいて空調動作の制御が行われる。
本発明の請求項5にかかる空調システムは、請求項1において、センサ機能を備えるICタグが、断熱性のプレートを介して空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする。この構成によれば、ICタグが取り付け部位(貼付部位)に対して熱的に遮断されることとなり、当該ICタグが備えるセンサ機能(温度センサ等)に対してICタグ貼付部位が保有している熱の影響が及ばないようにすることができる。
本発明の請求項6にかかる空調システムは、センサ機能を備えるICタグが、高熱伝導性のプレートを介して空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする。この構成によれば、ICタグが温度センサ機能を備えている場合に、上記の断熱性のプレートを用いる場合と逆に、ICタグ貼付部位の温度を高熱伝導性のプレートを介してセンシングできるようになる。
本発明の請求項7にかかる空調システムは、断熱性のプレートと高熱伝導性のプレートとを連接して複合プレートとし、それぞれのプレート上にセンサ機能を備えるICタグを載置してICタグ付き複合プレートを構成し、この複合プレートが空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする。この構成によれば、断熱性プレート側のICタグは、当該ICタグ貼付部位の保有熱の影響を受けずにセンシングでき、一方、高熱伝導性プレートのICタグは、当該ICタグ貼付部位の温度等をセンシングできるようになる。
本発明の請求項8にかかる空調機器は、空調機器本体と、該空調機器本体の動作制御を行うと共に、ICタグと無線通信が可能なICタグリーダライタからの情報を取得可能とされた制御部とを備え、前記制御部は、ICタグの配置位置に関する情報を取得するICタグ配置位置情報取得部と、ICタグから送信される空調のための環境情報を取得する環境情報取得部と、該環境情報取得部が取得した環境情報に基づいて空調空間の現況データを生成する室内環境データ生成部と、比較・演算部とを備え、前記比較・演算部は、ユーザの空調設定情報若しくは所定のメモリ情報による指令空調データと前記室内環境データ生成部が生成した現況データとを比較・演算し、前記指令空調データに基づいて室内環境を実現させるよう空調機器本体を動作させるための動作制御信号を生成するものであることを特徴とする。この構成によれば、空調機器の制御部が備える前記比較・演算部により、ICタグから取得した配置位置情報と環境情報に基づいた最適な動作制御信号が生成され、該動作制御信号に基づいて空調機器本体の動作制御がなされるようになる。
請求項1にかかる空調システムによれば、ICタグが感知した環境情報と、ICタグの配置箇所を示す位置情報とから、空調すべき空間の現況の環境情報を把握して最適な空調動作制御を行うことが可能となるので、従来のように経験則をあてはめた定型的な空調制御に比べて、ユーザ毎の室内状況等に応じた、より適確な空調制御を行えるという利点がある。またICタグは近時廉価化が進んでおり、ICタグリーダライタによる無線式であるので配線等の煩わしさも無いことから、簡易に且つ安価に空調システムを構築することができるというメリットもある。
請求項2にかかる空調システムによれば、ユーザはICタグの配置位置情報をパソコン等の位置情報入力手段から入力できるので、ICタグの増設や配置位置変更を行う場合でも、容易に対応することができる。
請求項3にかかる空調システムによれば、ユーザがマニュアル入力せずともICタグの配置位置情報を自動的に取得できるので、ICタグの増設や配置位置変更を行った場合等に改めて位置情報入力をする必要が無くなり、よりユーザの利便性を向上させることができるという効果がある。さらに、ユーザが意図せずICタグの配置位置が変更されてしまった場合、例えばICタグが所定の取り付け位置から落下した場合や、ICタグが取り付けられた家具類を気付かずに移動させてしまった場合等においても、移動後のICタグの位置情報を取得できるという利点もある。
請求項4にかかる空調システムによれば、ICタグから空調のための環境情報として重要な情報となる温度、湿度、振動のうちの少なくとも一種をセンシング情報として取得し、これを空調制御に反映させるので、より快適な空調制御が行えるようになる。
請求項5にかかる空調システムによれば、ICタグが備える温度センサ機能等に対してICタグ貼付部位が保有している熱の影響が及ばないようにすることができるので、例えばICタグ配置箇所における気温を、ICタグ貼付部位の保有熱の影響を受けることなく正確に測定できる。従って、正確な室内気温状況に基づいた空調制御が行えるという利点がある。
請求項6にかかる空調システムによれば、ICタグ貼付部位の温度を高熱伝導性のプレートを介してセンシングできるので、例えば倉庫内等で収納物の温度管理を中心として空調制御を行う場合等に有利となる。
請求項7にかかる空調システムによれば、上述した室内気温測定と、収納物の温度管理等を同時に行えるようになり、より一層正確な空調制御を行うことができ、例えば倉庫内等でよりシビアに収納物の温度管理を行えるようになる。また、請求項3に構成によりICタグの配置位置検知を自動的に行う場合において、高熱伝導性プレートを介して取り付けられたICタグからの温度情報は専ら貼付部位の温度を示し、これを位置検出推定に用いるのは不適であることから、連接している断熱性プレートに取り付けられているICタグからの温度情報に基づいて配置位置検知を行うようにすれば、不具合無く自動的に配置位置推定が行えるようになる。
請求項8にかかる空調機器によれば、ICタグから取得した配置位置情報と環境情報に基づいた最適な動作制御信号が生成され、該動作制御信号に基づいて空調機器本体の動作制御が行えるので、従来のように経験則をあてはめた定型的な空調制御に比べて、ユーザ毎の室内状況等に応じた、より適確な空調制御を行える空調機器を提供できる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
図1は、本発明にかかる空調システムを、一般家庭の室内Rに適用した場合を概略的に示す図である。この空調システムは、家庭用エアーコンデショナー等からなる空調機器(以下、エアコンという)1と、該エアコン1による空調空間である室内Rの所定箇所に配置される複数のICタグT1〜T5と、これらICタグT1〜T5と無線通信を行うと共に、エアコン1にICタグT1〜T5との無線通信結果に関しデータ通信可能とされたICタグリーダライタ5とを備えている。なお、ICタグリーダライタ5を図示するように別置型とせず、エアコン1に組み込むようにしても良い。
ICタグT1〜T5は、室内Rにおいて散在的に配置し、室内R全域の環境情報をまんべんなく取得できるようにすることが望ましい。例えば図1に示すように、部屋の出入口Eの近傍(空調機器1の設置壁面)に第1のICタグT1、床面F上(室内Rの低層部)に第2のICタグT2、机Dなどの家具類の上(室内Rの中層部)に第3のICタグT3、窓Wの近傍に第4のICタグT4、及び天井近く(室内Rの高層部)であってエアコン1の設置壁面と対面側の壁面に第5のICタグT5を配置する。このように、室内Rの低〜高層部、壁面位置、或いは出入口Eや窓W等の環境変動が比較的大きい部分等を考慮して、ICタグT1〜T5を分散的に配置することが望ましい。
なお、図1では室内Rに家具類があまり配置されていない場合を例示しているが、本発明かかる空調システムは、机上の空調制御シミュレーションでは想定しにくいような障害物が多々存在している如き室内Rに適用する場合に特に効果的である。また、一般家庭の室内だけでなく、オフィス空間や工場、倉庫等の空調にも勿論適用することができる。
本発明で用いるICタグT1〜T5としては、ICタグリーダライタ5と無線によるデータ通信が可能であると共に、室内Rの環境情報を感知するセンサ機能を具備するものが用いられる。無線通信に用いられる周波数帯については特に限定はないが、比較的長距離(数m〜10m程度)の無線通信が可能な帯域を選定することが望ましく、例えばUHF帯、又は2.45GHz帯を使用するICタグを用いることができる。
センサ機能については、空調制御を行うにあたり有用となる環境情報をセンシングできる機能が選択され、例えば温度(室内の気温だけでなく、室内の物品等の温度も含む)、湿度、振動やひずみ(風量を振動やひずみに置換して検知する)等のセンサ機能を選択することができる。中でも、温度や湿度については、エアコン1の暖房や冷房の温度決定、除湿機能の動作要否判定にあたり重要な情報となるので、少なくとも温度及び/又は湿度のセンシング機能が搭載されたICタグを選定することが望ましい。なお、このような機能を備えたICタグの市販品としては、例えばエイリアンテクノロジー社「セミパッシブ型タグ」を例示することができる。
図2は、無線通信が可能なICタグTの一例を示す平面図である。このICタグTは、細長いフレキシブルなベースフィルム641の中央部にICチップ6が配置され、両端側にそれぞれアンテナ631、632が配置される構造とされている。前記ICチップ6は通信機能、クロック発信機能、メモリ機能、及び上述のセンサ機能などを備えるチップである。このICチップ6には一対の電極611、612が取り付けられており、これらICチップ6と電極611、612とは支持フィルム60により一体化されている。そして電極611、612は、前記アンテナ631、632と導通状態とされた接合端子621、622と電気的に接続され、ICチップ6とアンテナ631、632とからなる電気回路が構成されている。なお、これらの構成部品は、ベースフィルム641により、その上下面が封止されている。
上記ICタグT1〜T5は、室内Rの所定箇所に直置きしても良いし、何らかの支持材を介在させて取り付けるようにしても良い。例えば図3(a)に示すように、貼付面70に対して、断熱性プレート71を介してICタグTaを貼り付けるようにしても良い。この場合、貼付面70が保有している熱が断熱性プレート71により遮断され当該ICタグTaに影響を及ぼさなくなるので、例えばICタグTaにより室内Rの気温を測定するときに有利である。
あるいは、図3(b)に示すように、貼付面70に対して、高熱伝導性プレート72を介してICタグTbを貼り付けるようにしても良い。この場合、逆に貼付面70の温度を当該ICタグTbにより正確に検知できるようになり、例えば室内、倉庫内、保冷庫内、若しくは博物館内等において、保管物、収納物、展示物等の温度管理を行う場合に有利である。
さらに、図3(c)に示すように、断熱性プレート71と高熱伝導性プレート72とを連接して複合プレートとし、それぞれのプレート71、72の上に、ICタグTa、Tbを載置してICタグ付き複合プレート73を構成し、この複合プレート73を貼付面70に取り付けるようにしても良い。このような複合プレート73を用いれば、上述の気温測定と、温度管理等とを同時に行えるようになり、より一層正確な空調制御を行うことができるようになる。また、後述するICタグの配置位置検知の自動検知において、高熱伝導性プレート72側のICタグTbを温度管理用として用い、一方断熱性プレート71に取り付けられているICタグTaからの温度情報をICタグ配置位置検知用に用いることができる。
図4は、本実施形態にかかる空調システムの構成を示すブロック図である。この空調システムは前述の通りエアコン1、ICタグリーダライタ5、及びICタグT1〜T5からなり、前記エアコン1は、エアコン本体部10、エアコン制御部20、操作情報入力部30、及びセンサ部40を備えている。
エアコン本体部10は、風向き調整を行うフラップ11、吹き出す冷暖房風の風量調整を行うファン12、夏季において送出風の除湿を行う除湿部13、及びコンプレッサー14等を備えている。フラップ11は送風口に配置される複数の板状部材からなり、駆動モータによりその傾斜角度が調整されることで風向き調整が可能とされている。ファン12は円筒状の組み立てられた羽部材からなり、駆動モータで回転されることにより熱交換器を経由した空気を室内へ送風するもので、前記駆動モータの回転力制御により風量調整が可能とされている。除湿部13は送出する冷房風を加熱するヒータ等からなり、前記ヒータによる加熱温度調整により除湿度合いが調整可能とされている。コンプレッサー14は冷媒を圧縮して循環させるものであり、その運転制御により冷暖房の温度が調整可能とされている。
ICタグT1は、ICタグリーダライタ5との無線通信を行う送受信部61、ICタグT1の動作全体を制御するマイクロプロセッサ62、空調空間内の温度を計測する温度センサ部63、空調空間内の湿度を計測する湿度センサ部64、温度センサ部63及び湿度センサ部64が検出したアナログ値の温度・湿度データをデジタル変換するA/D変換部65、デジタル変換された温度・湿度データを格納するメモリ部66、当該ICタグT1の認証情報となるアドレスを発信するタグアドレス発信部67、及び電源部68を備えている。なお、リアルタイムで計測した温度・湿度データをICタグリーダライタ5へ送信させる場合は、前記メモリ部66は省略でき、また、受信電波による起電力を利用する場合は、前記電源部68を省略することができる。
送受信部61は、図2に示す例ではアンテナ631、632及びマイクロプロセッサ62が備える変調部等が相当し、ICタグリーダライタ5に対しデータ情報を、UHF帯、又は2.45GHz帯の無線電波に変調して送信すると共に、ICタグリーダライタ5からの無線電波を受信する。
マイクロプロセッサ62は、クロック発信部を備え、常時あるいは所定の時間毎に該クロック発振部から発信されたデータサンプリングクロックに基づき、A/D変換部65を用いて温度センサ部63、湿度センサ部64のデータサンプリングを行い、そのデータを送受信部61から、タグアドレス発信部67より発信されるアドレス情報を付してICタグリーダライタ5に送信する。データサンプリングの間隔と送受信部61からの送信間隔は異なっていてもよく、送受信部61からの送信間隔をデータサンプリングの間隔よりも長くしてもよい。この場合、メモリ部66に一端データ情報を一旦格納した上での送信が行われる。なお、前記マイクロプロセッサ62、温度センサ部63、湿度センサ部64、A/D変換部65、メモリ部67、及びタグアドレス発信部67は、図2に示すICチップ6として一体的に集積されたものを用いることが好ましい。
他のICタグT2〜T5も、上記と同様な構成を備えている。但し、タグアドレス発信部67から発信されるアドレス情報はタグ識別が行えるよう、異なるアドレス情報が付されている。このような構成を備えるICタグT1〜T5は、自発的に、若しくはICタグリーダライタ5からデータ要求に応じて、各々アドレス情報と感知した環境情報(温度情報、湿度情報)とをICタグリーダライタ5に送信するものである。
ICタグリーダライタ5は、前記エアコン制御部20と有線データ通信を行うデータ通信部51、ICタグT1〜T5と無線通信を行う送受信部52、ICタグT1〜T5それぞれが保有しているアドレス情報を識別するタグアドレス識別部53、及びICタグT1〜T5から送信されたデータから温度情報、湿度情報をそれぞれ処理する温度情報処理部54、湿度情報処理部55を備えている。
データ通信部51は、ICタグリーダライタ5とエアコン制御部20との間のインターフェースを行い、温度情報処理部54、湿度情報処理部55に取り込まれた温度情報、湿度情報データのデータ転送等を制御する。送受信部52は、ICタグT1〜T5のアンテナ631、632から送信される、データ情報が重畳された無線電波を受信し、これを変調する。
タグアドレス識別部53は、使用されているICタグT1〜T5のアドレス情報を記憶しており、ICタグT1〜T5の各タグアドレス発信部67にてアドレス情報を付加された状態で送信されてくる温度情報及び湿度情報データが、どのICタグT1〜T5からのものかを識別可能とする機能を果たす。なお、ICタグリーダライタ5からICタグT1〜T5へ向けてデータ送信する場合は、このタグアドレス識別部53にてICタグT1〜T5各々のアドレス情報が付加される。
温度情報処理部54及び湿度情報処理部55は、取り込まれた温度情報及び湿度情報データに対し、タグアドレス識別部53から与えられるタグアドレス情報を付加し、必要に応じて当該温度情報及び湿度情報データをA/D変換して、前記データ通信部51へ送信するものである。
エアコン制御部20は、制御プログラム等が記憶されたROMや、データ情報を一時的に記憶させるRAM等からなり、データ通信部21、操作情報取得部22、ICタグ位置情報取得部23、リーダライタ情報取得部24、室内環境データ生成部25、比較・演算部26、動作制御部27、制御パターン記憶部28、センサ情報取得部29、及び外部データ入力部201を備えている。
データ通信部21は、ICタグリーダライタ5のデータ通信部51から転送されるデータを受け付ける。操作情報取得部22は、エアコン本体部10に設けられるタッチパネルや操作リモコン等の操作情報入力部30からユーザ入力する空調制御に関するリクエスト情報、例えば冷房・除湿・暖房運転の別、空調温度、風量、フラップ11の動作有無、タイマー情報、マニュアル制御・オート制御の別等の情報を受け付ける。
ICタグ位置情報取得部23は、ICタグT1〜T5の配置位置に関する情報を取得する。その取得方法としては、例えば
(1)前記操作情報入力部30や、制御部20に接続されたパソコンP等の位置情報入力手段により、ユーザがICタグT1〜T5の配置位置情報を入力し、その入力情報を、前記操作情報取得部22を介してICタグ位置情報取得部23が配置位置情報として取得する方法、若しくは、
(2)エアコン1を所定のモードで運転(ICタグ位置推定動作モード)し、このときICタグT1〜T5から送信されるデータ情報に基づいて演算を行い、該演算結果に基づいて配置位置を推定し、その推定情報をICタグ位置情報取得部23が配置位置情報として取得する方法(具体例については後で詳述する)
等が挙げられる。
リーダライタ情報取得部24は、リーダライタ5から転送されてくる温度及び湿度に関するデータ情報、並びにタグアドレス情報を取得し、前記データ情報をICタグT1〜T5各々のアドレス情報に関連づけて一時的に格納する。
室内環境データ生成部25は、リーダライタ情報取得部24に格納されている温度及び湿度に関するデータ情報を定期的に取得し、またタグアドレス情報を空調空間である室内Rの区画状況(床面、天井、及び壁面の配置に関する室内状況)に当てはめることで、現状における室内Rの環境状況に関するデータを生成する。例えば室内温度に関するデータを生成する場合、図1に示すようなICタグの配置状況である場合、床面F上(室内Rの低層部)に配置されているICタグT2が計測した温度データと、室内Rの中層部に配置されているICタグT4(T1、T3)が計測した温度データと、室内Rの高層部に配置されているICタグT5が計測した温度データとに基づいて、室内Rの上下方向の温度勾配状況を求める。また、異なる壁面近くにそれぞれ配置されたICタグT1、T3〜T5が計測した温度データと、室内の中央部に配置されたICタグT2が計測した温度データとに基づいて、室内Rの横方向の温度勾配状況を求める。この場合、室内環境に影響を与え易い出入口E近くのICタグT1や窓W近くに配置されているICタグT3が計測した温度データには、所定の重み係数を乗じるようにしても良い。このように、ICタグT1〜T5から位置情報付きで与えられた温度データに基づき、例えば室内Rの上下方向、横方向の温度勾配状況を求めることができ、これにより室内Rの現状における温度分布状況を把握することができる。室内環境データ生成部25は、このような温度分布状況を符号化する等してデータ化し、これを室内Rに現状における環境データ(現況データ)として比較・演算部26に送信する。
比較・演算部26は、前記現況データと、ユーザが操作情報入力部30等において設定した空調設定情報(指令空調データ)とを比較し、両者に隔たりがある場合に、エアコン本体部10をどのように駆動すればユーザのリクエストにマッチさせることができるかを、制御パターン記憶部28に記憶されている各種の運転パターンに照らして演算し、エアコン本体部10の各部を制御するための動作制御信号を生成する。なお、ユーザが空調設定情報を特に入力しておらず、オート運転モードとされているときは、該オート運転モードに関するメモリ情報が上記指令空調データとなる。
動作制御部27は、エアコン本体部10の各動作部、つまりフラップ11、ファン12、除湿部13、及びコンプレッサー14を実際に駆動・制御する信号を発生する。また動作制御部27は、前記比較・演算部26により生成された動作制御信号に基づいて、前記エアコン本体部10を実際に駆動させる駆動信号を発生する。
制御パターン記憶部28は、各種の運転パターンや、シミュレーション的な運転モード等を記憶し、比較・演算部26における演算処理等の際に、その記憶データを適宜提供する。
センサ情報取得部29は、エアコン1自身が備えているセンサ40(温度センサや湿度センサ等)が計測する環境データを取得するものである。このセンサ40から取得される温度・湿度データ等は、位置情報が既知の環境データとして取り扱うことができ、前記室内環境データ生成部25における室内Rの現況データ作成に供するべく、センサ情報取得部29において取得された前記環境データを定期的に室内環境データ生成部25へ転送するよう構成することが好ましい。
外部データ入力部201は、エアコン1(制御部20)に接続される外部機器からの情報を受け付けるものであり、図示するようにパンコンPなどの操作端末から入力される遠隔制御情報等を取得する。なお操作端末は、携帯電話や、インターネットを経由するパソコン等であっても良い。
以上の通り構成された本発明にかかる空調システムの動作につき、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。前提として、例えば図1に示すように、室内RにICタグリーダライタ5を備えたエアコン1が設置され、また室内Rの所定位置にICタグT1〜T5が配置されているものとする。
まず、エアコン1の電源が投入されると、自動運転モードとされている場合は空調制御の周期か否か(ステップS11)、またマニュアル運転モードとされている場合はユーザからの空調リクエストがあるか否か(ステップS12)が確認され、いずれもがNoの場合は、空調の終了時刻(電源OFF)か否かが確認され(ステップS21)、終了時刻でない場合(ステップS21でNo)は、同様なループが繰り返される。なお、エアコン1の電源投入により、ICタグT1〜T5と制御部20とは、ICタグリーダライタ5を介してデータ伝送が可能な状態(スタンバイ状態)となる。
一方、空調制御の周期である場合(ステップS11でYes)、又はユーザからの空調リクエストがある場合(ステップS12でYes)、つまり操作情報入力部30から空調制御に関するリクエスト情報が入力された場合、若しくはパソコンP等の外部機器から同様なリクエスト情報の入力がなされた場合、制御部20の操作情報取得部22、若しくは外部データ入力部201はかかるリクエスト情報を取得する(ステップS13)。実際は、エアコン1の電源投入後にリクエスト情報の入力がない場合でも、前回の運転での設定情報が、このステップS13においてリクエスト情報として取得される。
続いて、ICタグT1〜T5の室内Rにおける配置位置情報が取得される(ステップS14)。この取得方法としては、前述の通り位置情報入力手段(操作情報入力部30又はパソコンP)からマニュアルで入力する方法(ステップS3)か、或いはエアコン1をICタグ位置推定動作モードで動作させて自動的に取得する方法(ステップS4)があり、いずれか一つ、若しくは両者を適宜併用して用いることができる。
ICタグT1〜T5の配置位置をマニュアルで入力するよう設定されている場合(ステップS3)、一度ICタグT1〜T5の配置位置に関する情報が入力されれば、ICタグT1〜T5の配置位置が変更されない限り、配置位置情報を固定的に扱えることから、制御部20が備えるメモリ部に記憶させるようにすれば良い。そして、エアコン1の電源投入と同時に、前記メモリ部に記憶されているICタグT1〜T5の配置位置情報を毎回取得させるよう構成しても良い。なお、ICタグT1〜T5の配置位置をユーザが変更した場合、又は新たなICタグを追加した場合、ユーザが前記位置情報入力手段から入力した変更・追加後の配置位置情報をステップS14において取得することとなる。
一方、ICタグT1〜T5の配置位置を自動的に取得するよう設定されている場合(ステップS4)、制御部20は、エアコン1をICタグ位置推定動作モードで動作させ、これによりICタグT1〜T5の配置位置情報を取得する。この取得方法につき、図6及び図7に基づいて詳述する。
図6は、ICタグの配置位置情報を取得するためのICタグ位置推定動作モードの概略を説明するための説明図であり、図7はかかるICタグ位置推定動作モードにおける動作を示すフローチャートである。先ず、エアコン1が通常の運転動作モードからICタグ位置推定動作モードに移行され、ICタグ位置推定動作モードの実行が開始される(ステップS41)。この開始タイミングは、エアコン1の電源投入時であっても良いし、運転動作モードの最中に(ユーザに気付かれないように)適宜割り入れるものであっても良い。
ICタグ位置推定動作モードが開始されると、エアコン制御部20の動作制御部27は、例えば図6に示すように、室内Rの低層部に向けて所定の風量、温度での送風を所定時間行うよう(第1の空調動作S1を所定時間行うよう)、エアコン本体部10のフラップ11(風向き)、ファン12(風量)、及びコンプレッサー14(空調温度)を適宜駆動させる(ステップS42)。そして、第1の空調動作S1が所定時間経過した後、例えば各ICタグT1〜T5の温度センサ部63が感知している温度情報等を、ICタグリーダライタ5を介して制御部20のリーダライタ情報取得部24に取得させ(ステップS43)、該取得データを図示省略のメモリ部に各ICタグT1〜T5の配置位置情報に関連づけて記憶させておく(ステップS44)。
続いて、第1の空調動作S1とは異なる条件、例えばフラップ11を駆動して風向きを室内Rの高層部に変更した第2の空調動作S2を所定時間実行させる(ステップS45)。そして、上記と同様に、第2の空調動作S2が所定時間経過した後、各ICタグT1〜T5の温度センサ部63が感知している温度情報等を、リーダライタ情報取得部24に取得させる(ステップS46)。
このように例えば風向きを変更させることで、室内Rの各所に配置された各ICタグT1〜T5に対する空調条件が、第1の空調動作S1と第2の空調動作S2とで変化することとなる。具体的には、第1の空調動作S1ではICタグT1、T2に対しては空調送風が直接当てられるが、第2の空調動作S2では風向きが室内Rの高層部に変更されたことから送風の直接的な吹き当りが為されなくなる。逆に、第1の空調動作S1では送風の直接的な吹き当りがなかったICタグT3〜T5については、第2の空調動作S2への移行により送風の直接的な吹き当りが始まることとなる。これを要因として、第1の空調動作S1と第2の空調動作S2とにおいて、各ICタグT1〜T5がそれぞれ検知する温度は、その配置位置応じた特有の変化特性を示すこととなる。
そして、第1の空調動作S1と第2の空調動作S2とにおいて各ICタグT1〜T5がそれぞれ検知した温度(温度の変化度合い)、動作時間、及び過去の経験値データやシュミレーションデータ等をデータ情報として、比較・演算部26において演算処理等を行う(ステップS47)ことで、各ICタグT1〜T5の配置位置の推定データを作成する(ステップS48)。
具体的には、例えば床面Fに配置されているICタグT2に注目すれば、第1の空調動作S1では空調送風が直接吹き当てられることから比較的高温の温度をICタグT2は検知するが、第2の空調動作S2に移行すると空調送風は直接吹き当らなくなり、例えば暖房モードでエアコン1が動作している場合は暖気が上昇することから、ICタグT2が検知する温度は他のICタグに比べて比較的大きく低下することとなる。従って、各ICタグT1〜T5の配置位置が未知であっても、第1の空調動作S1から第2の空調動作S2への移行により比較的大きな温度変化特性を示したICタグは、室内Rの低層部であって、且つエアコン1の近くの側に配置されたICタグであろうことが推定できるようになる。同様に他のICタグについても、その温度変化特性は配置位置特有の変化特性を示すことから、配置位置の推定を行うことができる。より高精度な配置位置の推定を行うために、第1の空調動作S1及び第2の空調動作S2だけでなく、さらに複数回の配置位置推定のための空調動作を行うようにしても良い。
このようにして作成された各ICタグT1〜T5の配置位置推定データが、ステップS14において各ICタグT1〜T5の配置位置情報として取得される。この構成によれば、ユーザがICタグの配置位置情報を別段マニュアル入力せずとも、ICタグの配置位置情報を自動取得することができ、またICタグの配置変更や追加を行った場合でも、ICタグの配置位置情報を自動取得できるという利点がある。
図5のフローチャートに戻って、各ICタグT1〜T5の配置位置情報が確定した状態において、各ICタグT1〜T5が感知したセンサ情報(環境情報)を取得する(ステップS15)。具体的には、各ICタグT1〜T5の温度センサ部63、湿度センサ部64が感知した温度・湿度データを、タグアドレス発信部67から発せられるアドレス情報と共にリアルタイムに、またはメモリ部66に一旦記憶させた上で、送受信部61を経由してICタグリーダライタ5に無線送信し、ICタグリーダライタ5はこれを受信してエアコン制御部20へデータ通信部51を介して転送し、制御部20内のリーダライタ情報取得部24が、データ通信部20を介して前記温度・湿度データを取得する。
このようにして取得された温度・湿度データに基づいて、前述した手法で室内データ生成部25が室内Rの環境状況に関する現況データを作成し、この現況データに基づいて比較・演算部26は、ユーザのリクエスト等による指令空調データと比較・演算する(ステップS16)。そして、エアコン本体部10の動作制御を行う必要があるかが判断され(ステップS17)、つまり前記指令空調データと現況データとが乖離しているかを比較し、所定値の乖離が有ると判断したとき(ステップS17でYes)、その乖離を解消して室内Rがユーザの望む環境となるような動作制御信号を、制御パターン記憶部28に記憶されているシミュレーションデータ等を参照しつつ生成する。この動作制御信号は動作制御部26へ送られ、動作制御部26はかかる動作制御信号に基づいて、エアコン本体部のフラップ11、ファン12、除湿部13、及びコンプレーサー14を実際に動作させる信号を発生し、該動作信号によりこれらの動作状態が制御される(ステップS18)。
この間も、各ICタグT1〜T5が感知したセンサ情報は逐次取得されており(ステップS19)、指令空調データ(ユーザのリクエスト)と室内環境データ生成部25が逐次生成する現況データとの比較が比較・演算部26において行われ、リクエストにマッチする状態に至っているかが確認される(ステップS20)。
リクエストにマッチしていない場合(ステップS20でNo)、上記ステップS18の制御動作が継続される。一方、リクエストにマッチする空調状態に至った場合(ステップS20でYes)、空調の終了時刻でない限り(ステップS21でNo)、ステップS11に戻り空調動作が継続される。これはステップS17で動作制御の必要無し(ステップS17でNo)と判断された場合も同様である。
以上が本発明にかかる空調システムの基本動作フローの一例であるが、種々のオプション機能を付加することができる。例えばオプション機能として、各ICタグT1〜T5の動作異常を検知し、これをユーザに報知するような機能を組み込むことができる。図8は、このようなICタグ動作異常検知を行う場合の動作を示すフローチャートである。
先ず、エアコン1が空調動作を実行している場合において(ステップS51)、各ICタグT1〜T5が感知したセンサ情報を定期的に取得する(ステップS52)。そして、所定時間空調動作が実行された場合において、各ICタグT1〜T5から取得された温度データ等の経時変化をテーブル化させる。そして、このようなデータテーブルと、標準的なデータテーブルとを比較させるようにする(ステップS53)。この標準的なデータテーブルとしては、過去の運転時において同様に作成されたデータテーブルを例えば制御パターン記憶部28に記憶させておき、その平均データ等に基づいたもの、若しくはシミュレーションデータに基づくもの等を採用することができる。
上記各ICタグT1〜T5から取得された温度データ等の経時変化データテーブルと標準的なデータテーブルとの比較の結果、その経時変化状態が標準的データテーブルに比べて妥当か否かが判定され(ステップS54)、妥当であると判断された場合(ステップS54でYes)は、そのまま空調動作を継続させる(ステップS55)。一方、妥当でないと判断された場合(ステップS54でNo)、例えば警報音や警報ランプを発する等して、ユーザに対して警告を行わせる(ステップS56)ようにした上で空調動作を継続させる。
ここで、上記ステップS53において、ICタグT1〜T5のうちのいずれかが動作不良・動作不具合を起こしている場合、例えば、
(a)空調動作を相当時間行っているのに拘わらず、特定のICタグから送信される温度データに何等変化がない、
(b)特定のICタグから送信される温度データの経時変化が、過去の同様な運転履歴において感知した経時変化データに比べて、明らかに大きすぎる、若しくは小さすぎる、
といった状況が生じることとなる。
実際の状況において、上記(a)の状態が生じたときは、その特定のICタグが何らかの障害物の影に隠れてしまい空調温度変化を検知できなくなった場合、ICタグのセンサ機能が作動していない場合等が想定される。また上記(b)の状態が生じたときは、その特定のICタグが配置位置から落下した場合、ユーザが気付かずにICタグを移動させてしまった場合等が想定される。このような場合、ステップS54において「妥当でない」と判定し、警報音を発したりや警報ランプを点灯させ、加えて操作情報入力部30等に具備されているLCDパネル等に「ICタグ○○の動作が異常と思われます。ICタグ○○の配置位置を確認してください」などとのメッセージを表示させ、ユーザに警告を与えるようにする。
なお、上記(b)の問題の場合は、前述のICタグ位置推定動作モードを採用しているときは、移動後の配置位置を自動的に推定することが可能であるので、必ずしも警告を行わせる必要はない。また、上記(a)の問題が検知されたときでも、そのような無応答のICタグからの情報を無視し、他のICタグから送信されるセンサ情報に基づいて空調制御を行わせるようにしても良い。
以上説明したような実施形態にかかる空調システムによれば、ICタグT1〜T5が感知した環境情報と、ICタグT1〜T5の配置箇所を示す位置情報とから、空調すべき室内Rの現況の環境情報を把握して最適な空調動作制御を行うことが可能となるので、従来のように経験則をあてはめた定型的な空調制御に比べて、ユーザ毎の室内Rの状況に応じた、より適確な空調制御を行えるようになる。
本発明にかかる空調システムを、一般家庭の室内Rに適用した場合を概略的に示す模式図である。 無線通信が可能なICタグTの一例を示す平面図である。 ICタグの取り付け状態を示す断面図である。 本発明にかかる空調システムの構成の一例を示すブロック図である。 図4に示す空調システムの動作を示すフローチャートである。 ICタグの配置位置情報を取得するためのICタグ位置推定動作モードの概略を説明するための説明図である。 ICタグ位置推定動作モードにおける動作を示すフローチャートである。 ICタグ動作異常検知を行う場合の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エアコン(空調機器)
10 エアコン本体部(空調機器本体)
20 エアコン制御部
22 操作情報取得部
23 ICタグ配置位置情報取得部
24 リーダライタ情報取得部
25 室内環境データ取得部
26 比較・演算部
27 動作制御部
30 操作情報入力部(位置情報入力手段)
40 センサ
5 ICタグリーダライタ
T、Ta、Tb、T1〜T5 ICタグ
51、61 送受信部
6 ICチップ
63 温度センサ部(環境情報を感知するセンサ機能)
64 湿度センサ部(環境情報を感知するセンサ機能)
67 タグアドレス発信部
71 断熱性プレート
72 高熱伝導性プレート
73 複合プレート

Claims (8)

  1. 空調動作を制御する制御部を備える空調機器と、
    該空調機器による空調空間内の所定箇所に配置され、空調のための環境情報を感知するセンサ機能を備えるICタグと、
    該ICタグと無線通信が可能なICタグリーダライタとを備え、
    前記制御部は、前記ICタグの配置位置情報が取得可能とされていると共に、前記ICタグリーダライタを介してICタグが感知した環境情報が取得可能とされ、前記位置情報と環境情報とに基づいて、前記空調機器の空調動作を制御する機能を具備することを特徴とする空調システム。
  2. ICタグの配置位置情報を入力する位置情報入力手段を備え、該位置情報入力手段に対する入力操作により、前記制御部がICタグの配置位置情報を取得するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  3. 前記制御部は、ICタグの配置位置情報を取得するために、前記空調機器をICタグ位置推定動作モードで動作させることが可能とされており、
    前記ICタグ位置推定動作モードは、少なくとも特定の空調条件で空調動作を行う第1の空調動作と、該第1の空調動作とは異なる条件で空調動作を行う第2の空調動作とを実行させるものであり、
    前記第1の空調動作と第2の空調動作とにおいて、それぞれICタグが感知した環境情報の相違に基づいてICタグの配置位置を推定することで、ICタグの配置位置情報を取得するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  4. センサ機能を備えるICタグが感知する環境情報が、温度、湿度、振動の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  5. センサ機能を備えるICタグが、断熱性のプレートを介して空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  6. センサ機能を備えるICタグが、高熱伝導性のプレートを介して空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  7. 断熱性のプレートと高熱伝導性のプレートとを連接して複合プレートとし、それぞれのプレート上にセンサ機能を備えるICタグを載置してICタグ付き複合プレートを構成し、この複合プレートが空調空間内の所定箇所に配置されることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  8. 空調機器本体と、該空調機器本体の動作制御を行うと共に、ICタグと無線通信が可能なICタグリーダライタからの情報を取得可能とされた制御部とを備え、
    前記制御部は、ICタグの配置位置に関する情報を取得するICタグ配置位置情報取得部と、ICタグから送信される空調のための環境情報を取得する環境情報取得部と、該環境情報取得部が取得した環境情報に基づいて空調空間の現況データを生成する室内環境データ生成部と、比較・演算部とを備え、
    前記比較・演算部は、ユーザの空調設定情報若しくは所定のメモリ情報による指令空調データと前記室内環境データ生成部が生成した現況データとを比較・演算し、前記指令空調データに基づいて室内環境を実現させるよう空調機器本体を動作させるための動作制御信号を生成するものであることを特徴とする空調機器。
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