JP2005291332A - 流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、低トルクで消費電力が少なく、信頼性が高く、小型化に最適な流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の流体軸受装置は、軸及びスリーブの少なくとも一方に動圧発生溝を有し、前記軸と前記スリーブとが対向する隙間に潤滑剤が存在する流体軸受装置において、前記潤滑剤は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の流体軸受装置は、軸及びスリーブの少なくとも一方に動圧発生溝を有し、前記軸と前記スリーブとが対向する隙間に潤滑剤が存在する流体軸受装置において、前記潤滑剤は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、動圧型の流体軸受装置、及びそれを用いたスピンドルモータに関する。
流体軸受は、軸と、軸を受けるスリーブとからなり、両者の対向する隙間に潤滑剤が介在する。軸もしくはスリーブに形成された動圧発生溝によって、軸の回転に伴い潤滑剤がかき集められ圧力を発生し、軸がスリーブに非接触で支持される。これにより、高速回転を実現し、また回転時の騒音を軽減することを可能とするものである。
これら流体軸受装置を搭載したスピンドルモータは、媒体の記録密度の向上に不可欠な回転精度、さらに耐衝撃性や静粛性に優れているため、磁気ディスク装置に代表される情報機器用や音響・映像機器に用いられるモータの主流となってきている。そのため、近年、スピンドルモータには、機器の小型化、省エネルギー化の観点から、モータ消費電流の低減、とりわけそのモータ消費電流に大きく影響する流体軸受装置のトルクの低減が強く求められつつある。
流体軸受装置のトルクは充填される潤滑剤の粘度に比例するため、より低粘度な潤滑剤を用いることがトルク低減に有効である。
潤滑剤として、従来のセバシン酸ジオクチル(DOS)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、アジピン酸ジオクチル(DOA)等を用いた流体軸受装置に加え、ネオペンチルグリコールのカプリル酸とカプリン酸の混合エステルを用いた流体軸受装置(特開2000−336383号公報)、ネオペンチルグリコールと炭素数6〜12の一価脂肪酸及び/又はその誘導体とから得られるエステルを用いた流体軸受装置(特開2001−316687号公報)、β位又はβ,β'位にアルキル側鎖を有するジオール成分から誘導されるポリオールエステルを用いた流体軸受装置(特開2002−195252号公報)などが提案されている。
特開2000−336383号公報
特開2001−316687号公報
特開2002−195252号公報
しかし、これら従来例の流体軸受装置は、トルク低減が可能な一方で、潤滑剤の耐熱性が低いために蒸発量が増大し、装置の寿命が短くなり、装置の信頼性が十分確保できないという課題がある。また、その潤滑剤の蒸発量を考慮し、必要以上の余分な潤滑剤を充填する場合は、その分のトルクの増加やコストの増加を招き、加えてスペース確保のために小型化が困難になるという課題を有する。
本発明は、上記課題を鑑み、流体軸受装置の潤滑剤として、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有することで、低トルクで、消費電力が低く、信頼性が高く、かつ小型化に最適な流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の流体軸受装置は、軸とスリーブの少なくとも一方に動圧発生溝を有し、前記軸と前記スリーブが対向する隙間に潤滑剤が存在する流体軸受装置において、前記潤滑剤は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有することを特徴とする。
流体軸受装置の潤滑剤として、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有するため、従来と比べ低粘度となり、低トルクの流体軸受装置を実現できる。さらに、潤滑剤の耐熱性が高く、蒸発量を低減できるため、装置1台当りの潤滑剤の充填量が減少し、コスト低減及び装置の小型化が可能である。本発明の構成によると、低トルクで、消費電力が低く、信頼性が高く、かつ小型化に適した流体軸受装置を実現することができる。
流体軸受装置の潤滑剤として、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有するため、従来と比べ低粘度となり、低トルクの流体軸受装置を実現できる。さらに、潤滑剤の耐熱性が高く、蒸発量を低減できるため、装置1台当りの潤滑剤の充填量が減少し、コスト低減及び装置の小型化が可能である。本発明の構成によると、低トルクで、消費電力が低く、信頼性が高く、かつ小型化に適した流体軸受装置を実現することができる。
本発明の請求項2に記載の流体軸受装置は、請求項1において、前記炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸が2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする。
本発明の構成によると、炭素数や分子構造の異なる飽和脂肪酸を混合して得られるエステルを潤滑剤として用いることにより、単一の場合よりも、低温流動性や蒸発特性等をさらに向上することが可能となり、装置の信頼性の向上とともに使用可能な温度範囲を拡大することもできる。
本発明の構成によると、炭素数や分子構造の異なる飽和脂肪酸を混合して得られるエステルを潤滑剤として用いることにより、単一の場合よりも、低温流動性や蒸発特性等をさらに向上することが可能となり、装置の信頼性の向上とともに使用可能な温度範囲を拡大することもできる。
本発明の請求項3に記載の流体軸受装置は、請求項2において、前記2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸が少なくとも1種が直鎖型飽和1価脂肪酸であることを特徴とする。
直鎖型飽和1価脂肪酸を含むことにより、分岐型のみの場合よりもさらに高耐熱性を有し、かつ粘度の温度変化を抑制することが可能となる。本発明の構成によると、流体軸受け装置の信頼性を向上し、トルクの温度変化抑制を実現することができる。
直鎖型飽和1価脂肪酸を含むことにより、分岐型のみの場合よりもさらに高耐熱性を有し、かつ粘度の温度変化を抑制することが可能となる。本発明の構成によると、流体軸受け装置の信頼性を向上し、トルクの温度変化抑制を実現することができる。
本発明の請求項4に記載の流体軸受装置は、請求項2又は請求項3において、前記2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸が炭素数が同一の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする。
炭素数が異なる飽和1価脂肪酸の場合、いずれか1種の耐熱性や密度等の特性が大きく異なるため、装置の性能が安定しないことがある。本発明の構成によると、2種以上の飽和1価脂肪酸の炭素数が同一であるので、装置の性能を安定させることができ、信頼性の高い流体軸受け装置を実現することができる。
炭素数が異なる飽和1価脂肪酸の場合、いずれか1種の耐熱性や密度等の特性が大きく異なるため、装置の性能が安定しないことがある。本発明の構成によると、2種以上の飽和1価脂肪酸の炭素数が同一であるので、装置の性能を安定させることができ、信頼性の高い流体軸受け装置を実現することができる。
本発明の請求項5に記載の流体軸受装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、前記炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸が炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする。
本発明の構成によると、炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸は、特に潤滑剤としての性能バランスに優れるため、低トルクで消費電力が少なく、信頼性が高い流体軸受装置に最適である。
本発明の構成によると、炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸は、特に潤滑剤としての性能バランスに優れるため、低トルクで消費電力が少なく、信頼性が高い流体軸受装置に最適である。
本発明の請求項6に記載の流体軸受装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかにおいて、前記炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールが3−メチル−1,5−ペンタンジオールであることを特徴とする。
本発明の構成によると、潤滑剤の耐熱性と低温流動性に優れ、装置の信頼性が高く、低温域でも回転起動可能な高性能な流体軸受装置を実現することができる。
本発明の構成によると、潤滑剤の耐熱性と低温流動性に優れ、装置の信頼性が高く、低温域でも回転起動可能な高性能な流体軸受装置を実現することができる。
本発明の請求項7に記載の流体軸受装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかにおいて、前記隙間は、1〜5μmのラジアル半径隙間であることを特徴とする。
本発明の構成によると、潤滑剤の特徴を十分に生かすために最適なラジアル半径隙間であり、低トルクかつ高剛性な流体軸受装置が実現できる。
本発明の構成によると、潤滑剤の特徴を十分に生かすために最適なラジアル半径隙間であり、低トルクかつ高剛性な流体軸受装置が実現できる。
本発明の請求項8に記載の流体軸受装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかにおいて、前記潤滑剤中に含まれる前記隙間の最小寸法より大きい無機物系異物が、流体軸受装置1台当り1000個以下であることを特徴とする。
本発明の構成によると、潤滑剤中に混入している異物が少ないため、トルク変動が小さく、急激なトルク増加や軸受のロックを招くことがない。これにより、高性能かつ信頼性の高い流体軸受装置を実現することができる。
本発明の構成によると、潤滑剤中に混入している異物が少ないため、トルク変動が小さく、急激なトルク増加や軸受のロックを招くことがない。これにより、高性能かつ信頼性の高い流体軸受装置を実現することができる。
本発明の請求項9に記載のスピンドルモータは、請求項1から請求項8のいずれかにおける流体軸受装置を備えることを特徴とする。
本発明の構成によると、モータの消費電流が低く、高性能かつ信頼性の高いスピンドルモータを実現することができる。
本発明の構成によると、モータの消費電流が低く、高性能かつ信頼性の高いスピンドルモータを実現することができる。
本発明の流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータは、低粘度で耐熱性に優れた潤滑剤を用いるため、低トルクで消費電力が少なく、信頼性が高く、小型化に適した流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータを実現できる。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
《実施の形態1》
本発明の実施の形態1について、図2を用いて説明する。
図2は、軸固定式の流体軸受装置の断面の概略を示す図である。図2において、1aはベース、2は軸、2a及び2bはラジアル動圧発生溝、3はスラストフランジ、3aはスラスト動圧発生溝、4はスリーブ、8は潤滑剤、9はスラストプレート、10はラジアル半径隙間である。
本発明の実施の形態1について、図2を用いて説明する。
図2は、軸固定式の流体軸受装置の断面の概略を示す図である。図2において、1aはベース、2は軸、2a及び2bはラジアル動圧発生溝、3はスラストフランジ、3aはスラスト動圧発生溝、4はスリーブ、8は潤滑剤、9はスラストプレート、10はラジアル半径隙間である。
外周面にヘリングボーン形状のラジアル動圧発生溝2a、2bが形成された軸2の一端にスラストフランジ3が固定され軸部が構成されており、軸2の他端はベース1aに圧入固定される。軸部はスリーブ4の軸受孔に挿入されており、スリーブ4には一方の軸受孔をふさぐように、スラストフランジ3に対向してスラストプレート9が取り付けられている。また、スラストプレート9と対向するスラストフランジ3の表面には、スパイラル形状のスラスト動圧発生溝3aが形成されている。これら軸受孔と軸部の隙間には潤滑剤8が充填されている。回転に伴い、潤滑剤8は軸2に形成されたラジアル動圧発生溝2a、2bによってかき集められ、軸2とスリーブ4のラジアル半径隙間10において圧力を発生するため、スリーブ4は軸2に対してラジアル方向に非接触で支持される。また、スラスト方向は、スラスト動圧発生溝3aによって、潤滑剤8がかき集められ、圧力を発生するため、スラストプレート9は浮上し、スラストフランジ3に対し、非接触で支持される。
潤滑剤8としては、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを用いる。その結果、従来と比較してより低トルクで、長期間回転使用できる。このエステルの合成は、所定のアルコール成分と酸成分を触媒存在下もしくは無触媒下で、公知のエステル化反応により行うことができる。
アルコール成分は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールである。この2価アルコールは、直鎖型またはβ位以外に側鎖を持つ分岐型が挙げられ、低温流動性に優れるため、β位以外に側鎖を持つ分岐型が好ましい。さらに、耐熱性に優れるため、α位、γ位、δ位に1つのアルキル側鎖を有するものが好ましい。アルキル側鎖としては、メチル基、エチル基、プロピル基など低級アルキル基が好ましく、より低粘度で、軸受トルクを低減できるため、メチル基がより好ましい。具体的には、1−メチル−1,3−プロパンジオール、1−メチル−1,4−ブタンジオール、1−メチル−1,5−ペンタンジオール、1−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオールなどが挙げられ、耐熱性が優れ軸受の信頼性が向上するため、特に、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが好ましい。
酸成分は、炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸である。
炭素数6〜10の飽和二塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。中でも、コスト面でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ましく、特にアジピン酸がより低分子量で軸受のトルク低減に有効である。炭素数5以下であれば、軸受はより低トルクとなる反面、耐熱性は低く、蒸発量が増加するため、潤滑剤の充填量を増加させる必要があり、コスト面や小型化に不利である。また、炭素数11以上の場合、粘度が大きくなり、軸受のトルク低減の効果は期待できにくい。
また、炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、1種のみ又は2種以上を用いてもよい。2種以上用いる場合は、炭素数が同一の直鎖型と分岐型、炭素数が同一で分岐位置が異なる分岐型、炭素数が異なる直鎖型、炭素数が異なる直鎖型と分岐型、炭素数が異なる分岐型などの組み合わせが挙げられる。より好ましくは、耐熱性に優れ装置の信頼性の向上が可能な直鎖型を少なくとも1種以上用いることである。しかし、炭素数が4以下の場合、軸受はより低トルクとなる反面、耐熱性は低く、蒸発量が増加するため、潤滑剤の充填量を増加させる必要があり、コスト面や小型化に不利である。一方、炭素数が14以上の場合、粘度が大きくなり、軸受のトルク低減の効果は期待できない上、低温流動性に劣る傾向があり、低温度域で回転起動できない場合がある。炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸の中でもより好ましくは、炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸である。炭素数7〜10の直鎖型は耐熱性と低粘度化に優れるため、軸受の信頼性向上と低トルク化に有効である。また、炭素数7〜10の分岐型は耐熱性と低温流動性に優れるため、軸受の信頼性向上と低温度域での回転起動確保に有効である。これら具体的には、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、イソヘプタン酸、イソオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸などが挙げられる。
炭素数6〜10の飽和二塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。中でも、コスト面でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ましく、特にアジピン酸がより低分子量で軸受のトルク低減に有効である。炭素数5以下であれば、軸受はより低トルクとなる反面、耐熱性は低く、蒸発量が増加するため、潤滑剤の充填量を増加させる必要があり、コスト面や小型化に不利である。また、炭素数11以上の場合、粘度が大きくなり、軸受のトルク低減の効果は期待できにくい。
また、炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、1種のみ又は2種以上を用いてもよい。2種以上用いる場合は、炭素数が同一の直鎖型と分岐型、炭素数が同一で分岐位置が異なる分岐型、炭素数が異なる直鎖型、炭素数が異なる直鎖型と分岐型、炭素数が異なる分岐型などの組み合わせが挙げられる。より好ましくは、耐熱性に優れ装置の信頼性の向上が可能な直鎖型を少なくとも1種以上用いることである。しかし、炭素数が4以下の場合、軸受はより低トルクとなる反面、耐熱性は低く、蒸発量が増加するため、潤滑剤の充填量を増加させる必要があり、コスト面や小型化に不利である。一方、炭素数が14以上の場合、粘度が大きくなり、軸受のトルク低減の効果は期待できない上、低温流動性に劣る傾向があり、低温度域で回転起動できない場合がある。炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸の中でもより好ましくは、炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸である。炭素数7〜10の直鎖型は耐熱性と低粘度化に優れるため、軸受の信頼性向上と低トルク化に有効である。また、炭素数7〜10の分岐型は耐熱性と低温流動性に優れるため、軸受の信頼性向上と低温度域での回転起動確保に有効である。これら具体的には、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、イソヘプタン酸、イソオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸などが挙げられる。
酸成分である炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸の用いる割合は限定されないが、炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸の割合が大きいほうが、より高耐熱性で軸受の信頼性向上させるため好ましい。この場合の割合は、酸成分全体を100とした場合のモル比とする。例えば、酸成分として用いる炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸のモル数が同一である場合は、モル比50:50とする。中でも、炭素数6〜10の飽和二塩基酸は、モル比20以下、さらにはモル比10以下が好ましい。
また、本発明の潤滑剤8は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルに、さらに、添加油として他の種類の油を混合させることができる。添加油は、粘度の低減や調整、さらなる耐熱性の向上、別の性能を付加、補完する等の目的に応じて、適宜選択できる。具体的には、鉱物油、ポリαオレフィン、アルキル芳香族、ポリグリコール、フェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸ジエステル、リン酸エステルなど既知の化合物が挙げられる。これら添加油は、1種もしくは2種以上を混合することができる。中でも、ポリオールエステル及び二塩基酸ジエステルは、耐熱性が高く、低温での流動性も優れているため、軸受装置の信頼性向上や低温度域での回転起動確保に有効である。ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルが挙げられ、二塩基酸ジエステルの中では、セバシン酸ジオクチル(DOS)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルなどが挙げられる。
また、潤滑剤8には、これらに加え、添加剤を配合できる。添加剤は、基油の性能を向上、補完する目的で、公知の化合物を選択することができる。具体的には、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、油性剤、極圧剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、導電性付与剤、清浄分散剤等の1種もしくは2種以上を配合することができる。添加剤は、劣化に伴いガス発生や変質を引き起こし、軸受及び装置の性能を低下させるため、配合総量を必要最小限にとどめるべきである。
特に、酸化防止剤は、流体軸受装置の長期信頼性を向上させるためには、必要不可欠である。具体的には、硫黄及び塩素を分子中に含まないフェノール系または同様のアミン系酸化防止剤が流体軸受装置用として最適である。硫黄及び塩素を分子中に含む添加剤は、分解した場合に、腐食性のガスを発生し、装置の性能に大きな影響を与える恐れがある。これらの酸化防止剤は、単独でもしくは併用して使用する。中でも、80〜100℃以上の高温環境下での装置の使用にも十分効果を発揮、維持できる耐熱性の高い、フェノール基を2個以上含有するフェノール系酸化防止剤が好ましい。さらに、低温での流動性を低下させず、装置の回転起動を容易にできる液状タイプの酸化防止剤を選択して使用することが好ましい。
さらに、低粘度で表面保護吸着膜の薄い本発明の潤滑剤8の場合においては、流体軸受装置の起動及び停止時に生じる軸とスリーブの接触に伴う摩擦、摩耗が従来と比較して増大する場合がある。そのため、前記酸化防止剤に加えて、軸及びスリーブの金属表面に皮膜を形成しやすい、硫黄及び塩素を分子中に含まない金属不活性剤及び油性剤の少なくとも一方を添加剤として添加することが最も好ましい。具体的には、硫黄及び塩素を分子中に含まない金属不活性剤としてはベンゾトリアゾール系化合物、油性剤としては炭素数14以上の1価脂肪酸であるn―テトラデカン酸、n―ヘキサデカン酸、n―オクタデカン酸などが推奨される。
また、各種添加剤として知られる汎用の金属塩は、流体軸受装置の起動及び停止時に生じる軸とスリーブの接触に伴う摩擦や摩耗の発熱によって、潤滑剤のエステルが分解したカルボン酸と反応して、カルボン酸塩を形成し沈殿物となる場合があるため、使用しないことが好ましい。
また、潤滑剤8の粘度は、軸受構成が同じ場合、モータ消費電流は潤滑剤の粘度が高いほど大きくなるため、また、モータ消費電流はモータの回転数が高いほど大きくなるため、低い方が良い。しかし、潤滑剤8の粘度が低い場合は、軸の剛性を保つためにラジアル半径隙間10を小さくする必要があり、異物等による軸受の回転ロックが起こる可能性が高くなり、装置の信頼性が低下する。したがって、潤滑剤8の粘度は、20℃において、5〜35mPa・s、より好ましくは5〜30mPa・s、特に10〜25mPa・sの場合に、本発明の潤滑剤の効果を最大限に利用することができる。また、モータの回転数として、一般に、4200rpm、5400rpm、7200rpm、10000rpm、15000rpmなどが用いられる。
また、軸2とスリーブ4のラジアル半径隙間10は1〜5μmの場合に、より好ましくは1.5μm〜4μmの場合に、さらに好ましくは1.5μm〜3μmの場合に、軸受は本発明における潤滑剤8の低粘度化の効果を十分発揮できる。トルクは隙間の逆数に比例し、剛性は隙間のn乗の逆数に比例するため、潤滑剤の粘度に応じた隙間が必要であり、前記範囲であれば、本発明の潤滑剤を用いた場合に低トルクかつ軸受に必要な剛性が容易に得られる。本発明の潤滑剤は、低粘度のため、高温で従来の潤滑剤と同等の軸剛性を確保する場合には、従来よりわずかにラジアル半径隙間を小さくする必要がある。しかし、ラジアル半径隙間が1μm未満であれば、本発明における潤滑剤8を用いても、隙間の影響が大きく、軸受のトルク低減の効果は小さい。また、混入異物や起動停止時に発生する摩耗粉の影響によって、軸受のロックを非常に引き起こしやすくなるため、装置の信頼性が低下する。さらに、軸やスリーブの高い加工精度と組立精度が必要であるため、コストアップの要因となる。また、ラジアル半径隙間が5μmより大きければ、本発明に用いる潤滑剤8の低粘度化の効果が生かされる反面、隙間の影響が大きくなり、軸受剛性が低下するため、実用上の使用に耐えない。また、軸の偏心率が大きくなるため、スピンドルモータに取り付けられる記録媒体である磁気ディスク等の回転面振れが大きくなり、記録再生位置の精度低下や信号強度にばらつきが生じ、磁気ディスク装置の性能を満たせない。さらに、潤滑剤と空気との接触面積が大きくなるため、潤滑剤の酸化劣化が促進され、軸受寿命が短くなるため不適切である。
また、軸2は、直径1〜4mmが好ましい。軸直径が1mm未満の場合、軸受の剛性を確保するため、隙間を大幅に小さくし、軸も長くしなければならないが、隙間を小さくすれば前述の課題があり、軸長さは小型化のため制限が大きく、必要な性能を満たせない。また、軸直径が4mmより大きい場合は、剛性は上がるが、トルクロスが大きくなるため、潤滑剤8の効果が発揮できない。ラジアル半径隙間10との組み合わせからも、より好ましくは直径1.5〜3.5mm、さらに好ましくは直径1.5〜3mmの場合に、本発明の潤滑剤の効果を最大限に利用できる。
軸2の材質としては、ステンレス鋼が最適である。ステンレス鋼は、他の金属と比べ、潤滑剤8のエステル合成時に生じる酸等による軸の腐食が小さく、硬度が高く、摩耗発生量を抑制できるため、低粘度で表面保護吸着膜の薄い本発明の潤滑剤8の場合において有効である。より好ましくは、マルテンサイト系ステンレス鋼である。
また、本発明における潤滑剤8は、軸2とスリーブ4が対向する最小隙間であるラジアル半径隙間10より大きい無機物系異物の混入が軸受装置1台当り1000個以下になるよう濾過処理され軸受に充填されている。この無機物系異物は、スピンドルモータの構成部材や工程での使用治具や空気中の浮遊物などを発生源とする鉄、クロム、銅、アルミニウム、珪素等の元素を含む微粒子である。異物はこの他にも繊維等の有機物系があるが、軟性があるため、特に無機物系異物の管理が重要である。これら無機物系異物は、トルクの増大や変動の要因となるだけでなく、軸やスリーブに固着し、軸受のロックを招く恐れがあるため、可能な限り少なくすることが好ましい。潤滑剤の濾過処理は、最小ラジアル半径隙間の寸法以下の孔径のフィルターで加圧もしくは減圧濾過にて行う。異物のカウントは、前記濾過処理後の潤滑剤をさらに、最小ラジアル半径隙間の寸法以下の孔径のフィルターで濾過し、フィルター上のラジアル半径隙間10より大きな無機物系異物を光学または電子顕微鏡にてカウントする等の方法により行う。濾過処理に供した潤滑剤の量とラジアル半径隙間10より大きな無機物系異物数から、軸受装置1台分の潤滑剤の充填量当りの個数に換算する。
なお、スリーブ4には、銅合金、鉄合金、ステンレス鋼、セラミックス、樹脂等の酸に腐食されにくい材料を使用することが好ましい。さらに、耐摩耗性、加工性、コストの点から、銅合金、鉄合金、ステンレス鋼がより好ましい。また、コスト面から焼結材料でもよく、潤滑剤を焼結材料に含浸させる場合でも同様の効果が得られる。なお、スリーブ材料の一部表面または全表面に、メッキ法、物理蒸着法、化学蒸着法、拡散被膜法などによって表面改質を行ってもよい。
なお、ラジアル動圧発生溝は、軸の外周に形成したが、スリーブの軸受孔面でもよく、あるいは軸の外周面及びスリーブの軸受孔面の両方に形成しても良い。また、スラスト動圧発生溝は、スラストプレートと対向するスラストフランジの表面のみ、あるいは、スラストフランジに対向するスラストプレート側の表面のみ、あるいは、スラストフランジの裏面のみ、もしくは前記3箇所のうちの2箇所以上に形成しても良い。
また、ラジアル及びスラスト動圧発生溝は、ヘリングボーン形状、スパイラル形状のどちらの形状も同様の効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態は、軸部を片端固定としたが、両端固定の場合、スリーブの軸受孔を両端開放した場合でも同様の効果が得られる。
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2について、図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態2における軸回転式の流体軸受装置を有するスピンドルモータの断面図である。本実施の形態においては、流体軸受装置を軸固定から軸回転方式にした点、ベース1aに代えてベース1を有する点、及び、ハブ5とロータマグネット6とステータコイル7とを有する点において、図2における流体軸受装置とは異なる。それ以外の点においては、実施の形態1と同一であり、同様の構成をなすものには同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態2について、図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態2における軸回転式の流体軸受装置を有するスピンドルモータの断面図である。本実施の形態においては、流体軸受装置を軸固定から軸回転方式にした点、ベース1aに代えてベース1を有する点、及び、ハブ5とロータマグネット6とステータコイル7とを有する点において、図2における流体軸受装置とは異なる。それ以外の点においては、実施の形態1と同一であり、同様の構成をなすものには同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
外周面にヘリングボーン形状のラジアル動圧発生溝2a、2bが形成された軸2の一端にスラストフランジ3が固定され、他端に磁気ディスク等を取り付ける為のハブ5が圧入され、回転部が形成されている。一方、回転部を受けるスリーブ4は、ベース1に圧入されており、その一端にはスラストプレート9が取り付けられて固定部が形成されている。そして、スラストプレート9とスラストフランジ3とが対向するようにスリーブ4の軸受孔に軸部が挿入されており、スラストプレート9と対向するスラストフランジ3の表面には、へリングボーン形状のスラスト動圧発生溝3aが形成されている。これら軸受孔と軸部の隙間には潤滑剤8が充填され軸受装置が形成される。また、ベース1に形成された壁にはステータコイル7が設けられ、ハブ5の内周面にステータコイル7と対向してロータマグネット6が取り付けられて、モータ駆動部が構成される。
このモータ駆動部により回転部が回転駆動すると、ラジアル方向、スラスト方向とも実施の形態1と同様に潤滑剤8に動圧が発生し、回転部と固定部とが非接触で回転支持される。
なお、スピンドルモータには、通常1枚以上のアルミニウム製またはガラス製の磁気ディスクがハブ5に装着される。中でも、2.5インチサイズ以下の小型の磁気ディスクを搭載されるスピンドルモータにおいて本発明は有効である。
以下、本発明のスピンドルモータについて、実施例1〜5、比較例1及び比較例2を用いて、さらに詳細に説明する。
以下、請求項1〜6に記載の本発明の流体軸受用潤滑剤について、実施例1〜5、比較例1及び比較例2を用いてさらに詳細に説明する。
実施例1〜5、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、酸化防止剤としてフェノール基を2個含有するフェノール系である4,4'−メチレンビスー2,6−ジーtert−ブチルフェノール0.5重量%を配合した。なお、本発明に示す添加剤の配合量すなわち重量%は、基油及び添加剤を含めた潤滑剤の総重量に対する割合である。
また、いずれの潤滑剤もあらかじめ孔径2.5μm以下のフィルターで減圧濾過処理を行い、異物除去を行っている。
実施例1〜5、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、酸化防止剤としてフェノール基を2個含有するフェノール系である4,4'−メチレンビスー2,6−ジーtert−ブチルフェノール0.5重量%を配合した。なお、本発明に示す添加剤の配合量すなわち重量%は、基油及び添加剤を含めた潤滑剤の総重量に対する割合である。
また、いずれの潤滑剤もあらかじめ孔径2.5μm以下のフィルターで減圧濾過処理を行い、異物除去を行っている。
(実施例1)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−ノナン酸(モル比5:95)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−ノナン酸(モル比5:95)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
(実施例2)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとセバシン酸/n−オクタン酸(モル比11:89)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとセバシン酸/n−オクタン酸(モル比11:89)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
(実施例3)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−オクタン酸(モル比11:89)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−オクタン酸(モル比11:89)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
(実施例4)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−ノナン酸/2−メチルヘキサン酸(モル比12:44:44)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−ノナン酸/2−メチルヘキサン酸(モル比12:44:44)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
(実施例5)
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−オクタン酸/n−デカン酸(モル比5:57:38)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸/n−オクタン酸/n−デカン酸(モル比5:57:38)とから得られるエステルを潤滑剤とした。
(比較例1)
ネオペンチルグリコールとn−ノナン酸とから得られるポリオールエステルを潤滑剤とした。
ネオペンチルグリコールとn−ノナン酸とから得られるポリオールエステルを潤滑剤とした。
(比較例2)
ジエステルであるセバシン酸ジオクチル(DOS)を潤滑剤とした。
ジエステルであるセバシン酸ジオクチル(DOS)を潤滑剤とした。
前記の実施例1〜5、比較例1及び比較例2の潤滑剤が規定の同一量充填され、軸とスリーブのラジアル半径隙間を2.5μm、軸を直径3mmのマルテンサイト系ステンレス鋼、スリーブを銅合金とした流体軸受装置を備えたスピンドルモータを構成し、0℃及び20℃の環境下にて、回転数5400rpmのモータ消費電流を測定した。
なお、比較例1の20℃のモータ消費電流値を100として、各例のモータ消費電流値を示した。その測定結果を表1に示す。さらに、前記スピンドルモータを−20℃及び−40℃の環境下に5時間放置後、それぞれのスピンドルモータにおいて−20℃及び−40℃での回転起動の可否を評価した。
また、100℃で500時間連続回転後に、ハブを取り外し、スリーブの開放端と軸の隙間すなわち潤滑剤の充填された液面を上面から顕微鏡にて確認し、液面の有無を評価した。潤滑剤の液面が確認できない場合は、蒸発量が大きく、液面が蒸発によって軸受内部に入り込んでおり、性能維持に必要な潤滑剤量が不十分であり信頼性不足と判断した。
なお、比較例1の20℃のモータ消費電流値を100として、各例のモータ消費電流値を示した。その測定結果を表1に示す。さらに、前記スピンドルモータを−20℃及び−40℃の環境下に5時間放置後、それぞれのスピンドルモータにおいて−20℃及び−40℃での回転起動の可否を評価した。
また、100℃で500時間連続回転後に、ハブを取り外し、スリーブの開放端と軸の隙間すなわち潤滑剤の充填された液面を上面から顕微鏡にて確認し、液面の有無を評価した。潤滑剤の液面が確認できない場合は、蒸発量が大きく、液面が蒸発によって軸受内部に入り込んでおり、性能維持に必要な潤滑剤量が不十分であり信頼性不足と判断した。
表1から明らかなように、実施例1〜実施例5はいずれの場合においても、比較例2に比べ、モータ消費電流が低減されており、−40℃の極低温域でも、回転起動可能であった。一方、比較例1はモータ消費電流こそ、実施例1〜実施例5よりも低いものの、−20℃以下では全く回転起動できず、さらに液面が観察されず蒸発量も大きかった。
なお、この場合、実施例1〜実施例5、比較例1及び比較例2における潤滑剤の低温流動性を示す流動点とモータ回転起動可能温度とは、必ずしも一致していない。これは、JIS−K2269等で測定される流動点は、環境放置時間が定義されていないなど、実際の固化温度と異なることが要因に挙げられる。
以上のことから、本発明の流体軸受装置及びスピンドルモータでは、低トルクかつ長寿命であり、−40℃でも回転起動可能である。
本発明に係る流体軸受装置及びそれを用いたスピンドルモータは、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のモータとして利用することができる。
1、1a ベース
2 軸
2a、2b ラジアル動圧発生溝
3 スラストフランジ
3a スラスト動圧発生溝
4 スリーブ
5 ハブ
6 ロータマグネット
7 ステータコイル
8 潤滑剤
9 スラストプレート
10 ラジアル半径隙間
2 軸
2a、2b ラジアル動圧発生溝
3 スラストフランジ
3a スラスト動圧発生溝
4 スリーブ
5 ハブ
6 ロータマグネット
7 ステータコイル
8 潤滑剤
9 スラストプレート
10 ラジアル半径隙間
Claims (9)
- 軸及びスリーブの少なくとも一方に動圧発生溝を有し、前記軸と前記スリーブとが対向する隙間に潤滑剤が存在する流体軸受装置において、前記潤滑剤は、炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールと炭素数6〜10の飽和二塩基酸と炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸とから得られるエステルを含有することを特徴とする流体軸受装置。
- 前記炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受装置。
- 前記2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、少なくとも1種が直鎖型飽和1価脂肪酸であることを特徴とする請求項2に記載の流体軸受装置。
- 前記2種以上の炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、炭素数が同一の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の流体軸受装置。
- 前記炭素数5〜13の飽和1価脂肪酸は、炭素数7〜10の飽和1価脂肪酸であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の流体軸受装置。
- 前記炭素数4〜8でβ位にアルキル側鎖を持たない2価アルコールは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の流体軸受装置。
- 前記隙間は、1〜5μmのラジアル半径隙間であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の流体軸受装置。
- 前記潤滑剤中に含まれる前記隙間の最小寸法より大きい無機物系異物が、流体軸受装置1台当り1000個以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の流体軸受装置。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の流体軸受装置を備えたスピンドルモータ。
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