JP2005290412A - 内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法及び前記浸炭方法に用いられるワーク保持機構 - Google Patents

内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法及び前記浸炭方法に用いられるワーク保持機構 Download PDF

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Abstract

【課題】ワークに浸炭焼入れを施す際において、前記ワークを軸部材に対して装着又は取り外す際の作業効率を向上させる。
【解決手段】支軸部材14の上部に環状のリング部材32を一体的に装着し、前記リング部材32の外周に形成された環状突起部34の頂部34aの外周径を、支軸部材14に挿通される複数のインナレース16a〜16eの歯形形状部24の内周径より小さくする。また、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが積層された際、その最上部のインナレース16aの開口部20と歯形形状部24との境界部位46と、リング部材32の外周に形成された環状突起部34の頂部34aの高さ方向に沿った位置が一致又は略一致するように配設する。そして、頂部34aと境界部位46との間には所定間隔のクリアランス48が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内周面に歯形形状を有する部材に対して浸炭処理を施す内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法及び前記浸炭方法に用いられるワーク保持機構に関する。
従来から、金属製部材の表層部に炭素を拡散させて焼入れ処理を行うことにより、前記表層部を硬化させる浸炭方法が知られている。
例えば、バーフィールドタイプの等速自在継手を構成するインナレース等のように内周面にセレーションが形成された部品に対して浸炭方法を用いた場合、インナレースの外周面及び内周面を含む全表面に均一の深さで硬化層が形成されるため、使用時に力が加わると内周面のセレーション部分にクラックが発生するおそれがある。インナレースの内周面に必要以上に硬化層が形成されるからである。なお、クラックが発生する点については、トリポートタイプの等速自在継手を構成するスパイダも同様である。
クラックの発生を防止するために、セレーション部分に浸炭防止剤(例えば、ニッケルメッキ等)を塗布する防炭処理を施し、あるいは前記セレーション部分の表面を硬化させないために該セレーション部分を平面スペーサ、防炭プレート等によって囲繞する方法が採用されている。
しかしながら、浸炭防止剤を用いる前者の方法では、浸炭焼入れ処理をした後に前記浸炭防止剤をインナレースから剥離除去する作業が必要となって煩雑であると共に、前記インナレースの表層部に対する硬化層の深さを調整することができないという不都合がある。
また、平面スペーサ、防炭プレート等を用いる後者の方法では、平面スペーサ等の設置作業を人力によって行わなければならないため、多大な労力と時間を要し、生産効率が低下するという不都合がある。
このような不具合を克服するために、本出願人は、パイプ等からなる支軸部材にワークとなるインナレースを挿通し、複数のインナレースを支軸部材に対して順次積層させ、前記インナレースの内周面と、支軸部材の外周面との間に形成される環状の間隙を一定距離に保持することにより、前記間隙を介して供給されるガスによってインナレースの内周面に形成される硬化層の深さを略均一とすると共に、インナレースの内周面に形成される硬化層を、外周面の硬化層よりも浅く形成する浸炭方法を提案している(特許文献1参照)。
また、本出願人は、特願2003−398724号において、パイプ等からなる支軸部材にワークとなるインナレースを挿通し、複数のインナレースの上部及び下部にそれぞれ環状部材を挿通させ、前記環状部材の孔部と支軸部材との間の環状の間隙を所定間隔に保持することにより、前記間隙から前記インナレースの内周面へと供給されるガス又は冷却油の流量を制御し、インナレースの内周面に形成される硬化層の深さを略均一とすると共に、インナレースの内周面に形成される硬化層を、外周面の硬化層よりも浅く形成する浸炭方法を提案している。
特開平9−324257号公報
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、簡便な方法によってワークの外周面と歯形形状を有する内周面とに対してそれぞれ異なる深さの硬化層を高精度に形成すると共に、前記ワークを軸部材に対して装着及び取り外す際の作業効率の向上を図ることが可能な内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法及び前記浸炭方法に用いられるワーク保持機構を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、基台に立設され、一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に調整部材が装着された軸部材に対して内周面の孔部を介して挿通可能なワークを有し、前記ワークの内周面に形成された歯形形状部と前記軸部材との間に所定の離間間隔からなる第1間隙を形成し、前記ワークの歯形形状部の内周径より小径の外周径を有する前記調整部材が装着された前記軸部材の軸線方向に沿って複数のワークを順次積層し、複数のワークによって形成された第1間隙と、前記調整部材とワークの歯形形状部との間に形成された所定の離間間隔からなる第2間隙とを前記軸部材の軸線方向に沿って連通させると共に、前記調整部材の最大外周径となる調整部の前記軸部材における高さ方向に沿った位置と、前記軸部材に積層された複数のワークにおける最上部のワークの所定角度傾斜して開口した開口部と前記歯形形状部との境界となる境界部位近傍の高さ方向に沿った位置とを一致させる工程と、
所定の離間間隔からなる第1及び第2間隙の連通状態を保持しながら積層された複数のワークを熱処理炉内に搬入し、前記複数のワークを所定温度に加熱すると共に、前記熱処理炉内に浸炭剤を供給して、前記調整部材と歯形形状部との間の第2間隙を介して前記ワークの前記歯形形状部と前記軸部材との間の第1間隙に前記浸炭剤を流入させて浸炭処理を施す工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、軸部材の一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に調整部材が装着された状態で、前記軸部材に孔部を介して複数のワークを積層させる。そして、ワークの歯形形状部と軸部材との間に所定間隔を有する第1間隙を形成すると共に、前記ワークの歯形形状部の内周径より小径な調整部材と前記歯形形状部との間に第2間隙が形成される。そして、同時に、前記軸部材に積層された複数のワークの最上部のワークの開口部と前記歯形形状部との境界部位近傍の高さ方向に沿った位置と、前記調整部材の最大外周径となる調整部の高さ方向に沿った位置とを一致させる。
次に、調整部材の調整部と、ワークにおける境界部位近傍との高さ方向に沿った位置が一致した状態で、軸部材に保持された複数のワークを熱処理炉の内部に搬入し、前記ワークを所定温度に加熱すると共に、前記熱処理炉の内部に浸炭剤を供給することにより、ワークの歯形形状部の内周径より縮径して形成された調整部材とワークの歯形形状部との間の間隙に浸炭剤を流入させ、前記ワークの歯形形状部と軸部材との間へと流通する浸炭剤によって歯形形状部を有するワークの内周面に対して浸炭処理が施される。
その際、ワークの歯形形状部の内周径より小径な調整部材によって、ワークと軸部材との間の第1間隙内を流通する浸炭剤の流量が制限されるため、ワークの内周面に、その外周面よりも浅い硬化層を形成することができる。従って、ワークの内周面に形成される歯形形状部の形状のバラツキが抑制されることにより、前記複数のワークの内周面の寸法精度を好適に保持することができる。
また、調整部材が装着された軸部材に複数のワークを挿通させる際、又は、浸炭処理が終了して前記軸部材から複数のワークを取り出す際に、前記調整部材がワークの歯形形状部の内周径より小径に形成されているため、作業時においてワークが調整部材に接触することない。そのため、軸部材に対する複数のワークの装着又は取り出し作業を簡便に行うことができるため、浸炭処理を行う際の作業効率をより一層向上させることができる。
また、本発明は、熱処理炉内に搬入された複数のワークに対して浸炭剤を供給して浸炭処理を施す際に前記複数のワークを保持するワーク保持機構において、
基台と、
前記基台の上面に所定間隔離間して略平行又は略直交するように交差して設けられ、前記ワークを支持する枠体と、
前記基台の上面と略直交する方向に立設し、前記ワークの内部に形成された孔部を介して複数のワークが積層される軸部材と、
前記軸部材の一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に設けられ、前記軸部材に積層された複数のワークにおいて最上部又は最下部に配設されたワークの孔部の内周面と対向する位置に配設される環状の調整部材と、
を備え、
前記調整部材の最大外周径が、前記ワークの孔部の内周面に形成された歯形形状部の内周径より小さく形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ワーク保持機構において軸部材の一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に環状の調整部材を設け、前記調整部材の外周径をワークの内周面に形成される歯形形状部の内周径より小さくなるように形成している。
そして、調整部材が装着された軸部材に複数のワークを挿通させた際、ワークの歯形形状部と調整部材との間に間隙が形成される。
従って、熱処理炉の内部に浸炭剤が供給された際、調整部材とワークの歯形形状部との間に形成される間隙によって前記ワークの歯形形状部と軸部材との間へと流入する浸炭剤の流量が制限される。その結果、ワークの内周面に、その外周面よりも浅い硬化層を形成することができると共に、前記ワークの内周面に形成される歯形形状部の形状のバラツキが抑制されるため、前記複数のワークの内周面の寸法精度を好適に保持することができる。
また、調整部材の外周径が、ワークの内周面に形成される歯形形状部の内周径より小さくなるように形成されているため、前記調整部材が装着された軸部材に複数のワークを挿通する際に、前記ワークの歯形形状部と調整部材とが接触することがなく、前記ワークを軸部材に対して簡便且つ好適に挿通させることができる。一方、浸炭処理が施された複数のワークを軸部材から取り出す際にも同様に、前記ワークの歯形形状部と調整部材とが接触することがないため、前記ワークを軸部材から簡便且つ好適に取り出すことができる。
そのため、複数のワークを軸部材に挿通させる際、及び、ワークを軸部材から取り出す際に、軸部材に装着された調整部材をその都度脱抜させることなく作業を行うことができる。そのため、ワークの浸炭処理を行う際の作業効率を一層向上させることができる。
さらに、調整部材の外周面に、最大外周径となる調整部を形成し、前記調整部材が軸部材に装着された際に、前記調整部の高さ方向に沿った位置を、前記軸部材に積層された複数のワークにおける最上部のワークの所定角度傾斜して開口した開口部と前記歯形形状部との境界となる境界部位近傍の高さ方向に沿った位置と一致させるとよい。
これにより、熱処理炉内で浸炭処理が行われる際に、ワークの境界部位の近傍と調整部材の調整部との間から該ワークの内周面へと流入する浸炭剤の流量を好適に制御することができる。従って、ワークを所定温度に加熱させる加熱工程においてワークの内部の温度の急激な上昇を抑制することができるため、ワークの歯形形状部に熱歪み等が発生することを防止することができる。
さらにまた、調整部材に、該調整部材の外周部から軸線方向に沿った一端部側及び/又は他端部側の少なくとも一方側に向かって徐々に縮径するように所定角度傾斜した傾斜面を形成するとよい。
これにより、軸部材に対して複数のワークを挿通させる際、又は、前記ワークを軸部材から取り外す際に、前記ワークの傾斜面との接触作用下に該ワークが、軸部材の軸芯に向かって変位するようにガイドされるため、前記ワークの軸部材の挿通作業又は前記軸部材からの取り出し作業がより一層容易になる。
また、ワークに対して浸炭処理が行われる際に、熱処理炉内に供給される浸炭剤を、調整部材の傾斜面に沿ってワークの内周面と軸部材との間の間隙へと導くことができるため、前記浸炭剤をワークの内周面へと流入させる際の流量制御が容易となる。
さらに、調整部を、半径外方向に突出した頂部を有する環状突起部とすることにより、前記調整部を、その頂部を介して容易且つ確実にワークの境界部位近傍の高さ方向に沿った位置と一致させることが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、複数のワークが挿通される軸部材の一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に環状の調整部材を設け、前記調整部材の外周径をワークの内周面に形成される歯形形状部の内周径より小さくなるように形成することにより、前記調整部材とワークの歯形形状部との間を介してワークの内周面へと流入する浸炭剤の流量を制限している。その結果、ワークの内周面に、その外周面よりも浅い硬化層を形成することができると共に、前記複数のワークの内周面の寸法精度を好適に保持することができる。
また、調整部材が装着された軸部材に対して複数のワークを挿通及び取り出す際に、前記ワークの歯形形状部と調整部材とが接触することがないため、前記ワークを軸部材に対して簡便且つ好適に挿通及び取り出すことができ、それに伴って、前記ワークの浸炭処理を行う際の作業効率を一層向上させることができる。
本発明に係る内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法について、これを実施する熱処理装置との関係において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態に係る浸炭方法を実施する熱処理装置は、複数のワークを上下方向に積層した状態で保持するワーク保持機構10(以下、単に保持機構10という)を含む(図1参照)。保持機構10は、図1に示されるように、略平行に並設された複数の枠体12と、前記枠体12の長手方向に沿って所定間隔離間する複数の支軸部材(軸部材)14とを有する。支軸部材14は軸線方向に沿って延在する円柱状に形成され、隣接する一組の枠体12間に、例えば、溶接等の方法によって固着されている。
また、浸炭処理が施されるワークとしては、図2に示されるように、バーフィールドタイプの等速自在継手を構成するインナレース16が用いられる。このインナレース16は、例えば、図示しない冷間鍛造加工装置等によって予め製造され、軸線方向に沿って所定の直径を有する貫通孔(孔部)18が形成され、前記貫通孔18には一端部側に所定角度傾斜して開口した開口部20が形成されている。インナレース16の外周面には、実質的にボール転動溝として機能する半円形状溝部22が円周方向に沿って所定角度離間して複数個形成され、前記貫通孔18の内周面には、ドライブシャフトを嵌合するためのセレーションからなる歯形形状部24が形成されている。
支軸部材14は、図1に示されるように、枠体12に固定される第1軸部26と、前記第1軸部26の上端に該第1軸部26より縮径して形成される第2軸部28とからなり、前記第2軸部28の外周面には、ねじが刻設されたねじ部40が形成されている。そして、前記第2軸部28には、図2に示されるように、ねじ部40を介して環状のリング部材(調整部材)32(図2参照)が螺合され、前記第1軸部26と第2軸部28との境界に形成される段部30によって前記リング部材32が軸線方向に沿って係止されている。
リング部材32の外周面には、軸線方向に沿った略中央部に最も拡径した環状突起部(調整部)34が形成されると共に、前記環状突起部34の最大外周となる頂部34aから前記リング部材32の軸線方向に沿った一端面及び他端面側に向かって徐々に縮径するようにそれぞれ傾斜面36a、36bが形成されている。そして、リング部材32の一端面及び他端面は、軸線と略直交するようにそれぞれ略平面状に形成されている。
また、リング部材32の内部には、軸線方向に沿って貫通したねじ孔38が形成され、前記ねじ孔38を介して支軸部材14の第2軸部28に螺合されている。
さらに、リング部材32の環状突起部34の頂部34aの外周径Aは、支軸部材14に挿通されるインナレース16の歯形形状部24の内周径Bより小さく形成されている(A<B)。そのため、リング部材32が装着された支軸部材14にインナレース16を挿通させた際においても、該インナレース16の内周面がリング部材32の環状突起部34に接触することがない。
一方、図2に示されるように、支軸部材14の上部に装着されたリング部材32は、その環状突起部34の頂部34aの高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置が、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが積層された際において、最上層のインナレース16aの開口部20と歯形形状部24との境界となる境界部位46の近傍の高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置と一致又は略一致するように配設されている(図3参照)。
換言すると、リング部材32における環状突起部34の頂部34aと、最上層のインナレース16aの境界部位46とが水平線上で略対向し、且つ、前記環状突起部34の頂部34aと前記インナレース16の境界部位46の近傍との間には所定間隔離間した環状のクリアランス(間隙)48が形成されている。
図3に示されるように、この頂部34aと前記インナレース16の境界部位46の近傍との間のクリアランス48の略水平方向への距離Eが、例えば、2〜7mmの範囲内(2≦E≦7)となるように設定されている。なお、前記クリアランス48の距離Eを、3〜6mmの範囲内(3≦E≦6)とするとさらに好適である。
すなわち、図15に示される距離Eを変化させることに伴って、インナレース16を支軸部材14に挿入・離脱させる際の作業性、浸炭焼入れを行った際において前記インナレース16に生じる熱歪みの程度及び前記インナレース16の歯形形状部24の硬化層の深さが変化する。
詳細には、前記距離Eが2mm未満(E<2)である場合には、インナレース16と支軸部材14との間のクリアランス48が狭いため、前記インナレース16を支軸部材14に挿入・離脱させる際の作業性が悪化する(図15中、×印参照)と共に、前記距離Eを2mm以上(E≧2)とすることにより前記クリアランス48が広がるため、前記作業性が改善されて良好(図15中、△参照)となり、前記距離Eを3mm以上(E≧3)とすることにより作業性が最適(図15中、○印参照)となる。
また、インナレース16における歯形形状部24に生じる熱歪みは、前記距離Eが7mm未満(E<7)で予め設定された許容範囲内に対して最適(図15中、○印参照)となり、前記距離Eが8mm以上(E≧8)となる時点で前記許容範囲から外れて不適となる(図15中、×印参照)。
さらに、浸炭焼入れを行った際におけるインナレース16の歯形形状部24の硬化層深さは、距離Eが2mm未満(E<2)又は、7mm超過(E>7)である場合に所望の硬化層深さに対して不適となり(図15中、×印参照)、2mm以上(E≧2)又は、7mm以下(E≦7)になると所望の硬化層深さとなると共に(図15中、△印参照)、3〜6mmの範囲内(3≦E≦6)において最適となる(図15中、○印参照)。
すなわち、インナレース16の支軸部材14への挿入・装着する際の作業性、浸炭焼入れ時における前記インナレース16に対する熱歪みの程度及び前記インナレース16への硬化層深さを考慮した場合には、リング部材32の頂部34aと前記インナレース16の境界部位46の近傍との間に形成されるクリアランス48の略水平方向に沿った距離Eを、2〜7mmの範囲内(2≦E≦7)となるように設定するとよい。また、前記距離Eを、3〜6mmの範囲内(3≦E≦6)とするとさらに好適である。
本発明の第1の実施の形態に係る浸炭方法を実施する熱処理装置は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、貫通孔18を介してインナレース16を開口部20が上方となるように支軸部材14の軸線方向に沿って挿通し、複数のインナレース16a〜16eを前記支軸部材14に沿って順次積層する。この際、インナレース16a〜16eの歯形形状部24の内周径Bより支軸部材14の上部に装着されたリング部材32における環状突起部34の頂部34aの外周径Aの方が小さく形成されているため(A<B)、前記インナレース16a〜16eがリング部材32に接触することがない。そのため、インナレース16a〜16eを保持機構10の支軸部材14へと挿通させる際においても、支軸部材14にリング部材32を装着したままの状態でインナレース16a〜16eの積層作業を行うことができる。
そして、支軸部材14に挿通された複数のインナレース16a〜16eの歯形形状部24と前記支軸部材14の外周面との間には、周方向に沿って略均一で、且つ、所定の離間間隔を有する環状間隙(第1間隙)50が形成されている。
また、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが積層された際、図3に示されるように、支軸部材14の上部に装着されたリング部材32における環状突起部34の頂部34aが、最上層のインナレース16aの境界部位46近傍の高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置と一致又は略一致した状態で対向し、前記環状突起部34の頂部34aと前記インナレース16の境界部位46の近傍との間に所定の間隔の環状のクリアランス(第2間隙)48が形成される。換言すると、リング部材32における環状突起部34の頂部34aと、インナレース16の境界部位46とが、略同一水平面状に存在している状態にある。
このように、インナレース16の内周面に形成された歯形形状部24と支軸部材14の外周面、前記インナレース16の開口部20と支軸部材14の上部に装着されたリング部材32における環状突起部34の頂部34aとが、それぞれ所定間隔離間した状態を維持しながら、複数のインナレース16a〜16eが積層された保持機構10を図示しない熱処理炉の室内に搬入し、前記インナレース16に対して浸炭処理を施す。
このインナレース16に対して浸炭処理を施す場合には、熱処理炉の閉塞された室内において、図示しない加熱手段を介して前記インナレース16を所定温度に加熱する昇温工程が行われ、次に、図示しないガス供給手段を介して浸炭剤としてのガス(例えば、メタンガス、プロパンガス、RXガス等の変成ガス、プロパンガス)が供給される浸炭工程が行われる。
そして、熱処理炉の室内に供給されたガス中の炭素成分がインナレース16の外周面に吸収されることによって、前記外周面の表層部に所定の深さの硬化層が形成される。
一方、複数のインナレース16a〜16eの内周面には、支軸部材14の上部に設けられたリング部材32における環状突起部34の頂部34aとインナレース16の境界部位46の近傍との間のクリアランス48を介してガスが流入する。その際、このクリアランス48によって支軸部材14に積層された複数のインナレース16a〜16eの上部側より該インナレース16の内周面に流入されるガスの流量が抑制される。
また、それに加えて、インナレース16a〜16eの内周面に形成された歯形形状部24は、所定の離間間隔を有する環状間隙50を介して支軸部材14の外周面と対峙しているため、前記環状間隙50に沿って循環するガスの流量がさらに制限される。従って、インナレース16a〜16eの外周面と比較して、該インナレース16a〜16eの内周面に形成された歯形形状部24に対してガス中の炭素成分が吸収される量が制限され、前記歯形形状部24にはインナレース16の外周面よりも浅い硬化層が形成される。
このようにインナレース16a〜16eに対して浸炭工程が行われた後に、順次、熱処理炉の閉塞された室内のガスを排気する拡散工程、前記熱処理炉の内部の温度を略一定の焼入れ保持温度に保持する均熱工程がなされ、次に、前記加熱されたインナレース16a〜16eを所定温度に冷却するための冷却工程が行われる。そして、外周面と内周面とに異なる深さの硬化層が形成されたインナレース16a〜16eの浸炭焼入れ処理が完了する。
そして、浸炭処理が完了した後に支軸部材14に挿通された複数のインナレース16a〜16eを取り出す場合には、最上層に積層されたインナレース16aから順次、支軸部材14の軸線方向に沿って上方へと取り出す。その際、インナレース16a〜16eの歯形形状部24の内周径Bより支軸部材14に装着されたリング部材32における環状突起部34の頂部34aの外周径Aの方が小さく形成されているため(A<B)、前記リング部材32を支軸部材14から脱抜することなくインナレース16を好適に取り出すことができる。
以上のように、第1の実施の形態では、保持機構10に保持された複数のインナレース16a〜16eに浸炭処理を行う際、前記インナレース16a〜16eの内周面へのガス及び冷却油の流入量を制御するために前記支軸部材14の上部に環状のリング部材32を一体的に設けている。そして、リング部材32の外周面には、半径外方向に突出した環状突起部34が形成され、前記環状突起部34の頂部34aの外周径Aが、支軸部材14に挿通されるインナレース16の歯形形状部24の内周径Bより小さくなるように形成されている(A<B)。
これにより、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eを挿通させる際、又は、浸炭処理が完了した後に支軸部材14から前記インナレース16a〜16eを取り出す際にリング部材32を支軸部材14からその都度脱抜させることなく作業を行うことができる。そのため、インナレース16a〜16eの浸炭処理を行う際の作業効率を一層向上させることができる。
また、支軸部材14に積層された複数のインナレース16a〜16eにおいて、リング部材32における環状突起部34の頂部34aの高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置を、最上層のインナレース16aの開口部20と歯形形状部24との境界となる境界部位46の近傍の高さ方向に沿った位置と一致又は略一致させることにより、前記インナレース16aの境界部位46と環状突起部34の頂部34aとの間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御することができる。なお、図3に示されるように、リング部材32における環状突起部34の頂部34aの高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置を、前記インナレース16aにおける境界部位46の高さ方向に沿った位置と完全に一致させるとさらに好適である。
それにより、加熱工程においてインナレース16a〜16eの内部の温度が急激に上昇することを抑制することができると共に、反対に、冷却工程において環状間隙50の内部の温度が急速に低下することを抑制することができるため、インナレース16a〜16eにおける歯形形状部24に熱歪み等が生じることを防止することができる。
換言すると、図4に示されるように、環状突起部34の頂部34aの高さ方向に沿った位置が、インナレース16aの境界部位46の近傍の高さ方向に沿った位置と一致又は略一致せずに、枠体12(図2参照)側(軸線下方向)に所定長Cだけオフセットしている場合には、前記インナレース16aにおける開口部20近傍の歯形形状部24が、リング部材32と対向していない状態となる。そのため、浸炭工程におけるガス、又は、冷却工程における冷却油が供給された際に該ガス又は冷却油が剥き出しとなった前記歯形形状部24に直接的に触れることとなる。
これにより、リング部材32とインナレース16aとの間のクリアランス48を介してインナレース16a〜16eの内周面へとガス及び冷却油が流入される場合と比較して、インナレース16aの歯形形状部24が、浸炭工程では高温となり、反対に冷却工程においては低温となるため、前記インナレース16aの歯形形状部に熱歪み等が生じることとなる。
一方、反対に、環状突起部34の頂部34aが、図5に示されるように、枠体12(図2参照)から離間する方向(軸線上方向)に所定長Dだけオフセットしている場合には、前記環状突起部34によってインナレース16aの内周面とリング部材32の環状突起部34との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流れが妨げられ、前記インナレース16a〜16eの内周面へと流入させる際の流量制御が困難となる。
さらに、リング部材32における環状突起部34の頂部34aと、インナレース16aの開口部20と歯形形状部24との境界となる境界部位46の近傍との間のクリアランス48を介してインナレース16a〜16eの内周面へとガスを流入させることにより、複数のインナレース16a〜16eの上部側よりインナレース16の内周面と支軸部材14の外周面との間の環状間隙50に流入されるガスの流量が抑制される。従って、インナレース16a〜16eの外周面と比較して、前記歯形形状部24には前記外周面よりも浅い硬化層が形成される。その結果、インナレース16a〜16eの外周面と内周面とにそれぞれ異なる深さの硬化層を形成することができる。
さらにまた、リング部材32には、半径外方向に突出した環状突起部34の頂部34aから一端面及び他端面側に向かって所定角度傾斜して縮径する傾斜面36a、36bが形成されているため、支軸部材14に対して複数のインナレース16a〜16eを挿通させる際、又は、前記インナレース16a〜16eを支軸部材14から取り外す際に、該傾斜面36a、36bによってインナレース16a〜16eが、支軸部材14の軸芯に向かって変位するようにガイドされるため、前記インナレース16a〜16eの挿通又は取り出し作業がより一層容易になる。
また、浸炭工程におけるガス及び冷却工程における冷却油を、リング部材32の傾斜面36aに沿って下方へと流れるように導くことができるため、前記ガス及び冷却油をインナレース16aの開口部20とリング部材32における環状突起部34の頂部34aとの間のクリアランス48からインナレース16a〜16eの内周面へと流入させる際の流量制御が容易となる。
次に、第1の実施の形態に係る浸炭方法を実施する熱処理装置の保持機構10において、支軸部材14に装着されるリング部材の変形例について説明する。なお、第1〜第5変形例に係るリング部材100、110、120、130、140において、その外周径及び軸線方向に沿った長さは、リング部材32と略同等に形成される。
図6に示されるように、第1変形例に係るリング部材100では、該リング部材100の外周面102が、軸線と平行な略同一直径に形成されると共に、その外周面102における軸線方向に沿った上部及び下部からそれぞれ傾斜面104a、104bが形成されている。この傾斜面104a、104bは、リング部材100の軸線方向に沿った一端面106a及び他端面106bに向かって徐々に縮径するように所定角度傾斜して形成されている。
そして、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図2参照)が挿通された際、前記リング部材32の外周面102が、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と対向するように装着されている。
このように、リング部材100の外周面102が、略同一直径、且つ、その軸線方向に沿って所定高さに形成されているため、インナレース16aにおける境界部位46の近傍と前記リング部材100との間に形成されるクリアランス48を簡便に略一定に制御することができる。また、リング部材100の外周面102が、境界部位46と略対向した位置から該リング部材100を高さ方向(矢印Z方向)に沿って若干だけ変位し、前記リング部材100における傾斜面104a又は傾斜面104bの外周面102との近傍部位と境界部位46とが略対向する位置となった場合に、最上層のインナレース16aが積層された位置に応じて前記傾斜面104a、104bによって前記クリアランス48を徐々に変化させることができる。換言すると、リング部材100と境界部位46との高さ方向(矢印Z方向)に沿った相対的な位置関係が変わった場合でも、前記クリアランス48が急激に変化することがない。
そのため、インナレース16aとリング部材100との間の形成されるクリアランス48の制御が容易となり、前記インナレース16aとリング部材100との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御し、該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができるという利点がある。
図7に示されるように、第2変形例に係るリング部材110では、該リング部材110が断面略楕円状に形成され、支軸部材14の第2軸部28に螺合されることにより一体的に固定されている。そして、リング部材110は、該リング部材110の最も半径外方向に拡径した外周面の最外径部位(調整部)112が、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図2参照)が挿通された際に、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と略対向する位置に配設されている。換言すると、リング部材110における外周面の最外径部位112と、インナレース16aの境界部位46の近傍との高さ位置が一致又は略一致するように設けられている。
このように、インナレース16aの境界部位46の近傍に対して、断面略楕円状に形成されたリング部材110の最外径部位112の近傍を略対向させることにより、図7に示される前記リング部材110の最外径部位112が、前記境界部位46と高さ方向に一致した状態から高さ方向に沿って若干変位して設けられた場合においても、最上層のインナレース16aが積層された位置に応じて前記リング部材110の最外径部位112と境界部位46の近傍との間に形成されるクリアランス48を徐々に変化させることができる。
そのため、インナレース16aとリング部材110との間の形成されるクリアランス48の制御が容易となり、前記インナレース16aとリング部材110との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御することができるという利点がある。
図8に示されるように、第3変形例に係るリング部材120では、該リング部材120の外周面122が、軸線と平行な略同一直径に形成されると共に、軸線方向に沿った一端面124a及び他端面124bが略平面状に形成されている。そして、リング部材120を支軸部材14の上部に一体的に装着した際、前記リング部材120の外周面(調整部)122が、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図2参照)が挿通された際に、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と対向するように配設されている。
このように、リング部材120の外周面122が、略同一直径、且つ、その軸線方向に沿って所定高さだけ形成されているため、該リング部材120とインナレース16aの境界部位46の近傍との間に形成されるクリアランス48を簡便に略一定に制御することができる。そのため、インナレース16aとリング部材120との間の形成されるクリアランス48の制御が容易となり、前記インナレース16aとリング部材120との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御し、該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができるという利点がある。
また、図6に示される第1変形例に係るリング部材100と比較して、該リング部材100における傾斜面104a、104bを加工する必要がないため、リング部材120の製造コストを抑制することができるという利点がある。
図9に示されるように、第4変形例に係るリング部材130では、該リング部材130の上部側にあたる一端面132aが略平面状に形成され、前記一端面132aの外縁部から下方に向かって略直交するように外周面134が略一定直径で形成されている。また、外周面134の下端からリング部材130の他端面134bに向かって徐々に縮径するように所定角度傾斜した傾斜面136が形成されている。
そして、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図2参照)が挿通された際、前記支軸部材14に装着されたリング部材130における外周面(調整部)134、又は、該外周面134近傍の傾斜面(調整部)136が、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と略対向するように配設されている。
このように、リング部材130を構成する外周面134、又は、該外周面134近傍の傾斜面(調整部)136のいずれか一方を、インナレース16aの境界部位46の近傍と対向するように設け、前記境界部位46に対して外周面134を略対向する位置に設けた場合には、該境界部位46と外周面134との間のクリアランス48を簡便に略一定に制御することができ、一方、前記傾斜面136における外周面134との近傍部位を前記境界部位46に対して略対向する位置に設けた場合には、最上層のインナレース16aが積層された位置に応じて該境界部位46の近傍と傾斜面136との間のクリアランス48を徐々に変化させることができる。
そのため、インナレース16aとリング部材130との間の形成されるクリアランス48の制御が容易となり、前記インナレース16aとリング部材130との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御し、該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができるという利点がある。
また、図1に示される第1の実施の形態に係るリング部材32と比較して、該リング部材32における傾斜面36a、36bを両端面に加工する必要がないため、リング部材130の製造コストを抑制することができるという利点がある。
さらに、インナレース16a〜16eを支軸部材14から離脱させる際、該インナレース16a〜16eがリング部材130に形成される傾斜面136によってガイドされるため、前記インナレース16a〜16eを離脱させる際の作業性を向上させることができる。
図10に示されるように、第5変形例に係るリング部材140では、該リング部材140の上部側にあたる一端面142aが略平面状に形成され、この一端面142aの外縁部よりリング部材140の他端面142b側に向かって徐々に縮径するように所定角度傾斜した傾斜面144が形成されている。そして、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図2参照)が挿通された際、前記支軸部材14に装着されたリング部材140の傾斜面(調整部)144が、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と略対向するように配設されている。
このように、リング部材140の外周面に、下方に向かって徐々に縮径するように傾斜した傾斜面144を形成し、前記傾斜面144をインナレース16aの境界部位46の近傍と略対向するように配設することにより、最上層のインナレース16aが積層された位置に応じて該境界部位46の近傍と傾斜面144との間のクリアランス48を徐々に変化させることができる。そのため、インナレース16aとリング部材140との間の形成されるクリアランス48の制御が容易となり、前記インナレース16aとリング部材140との間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御し、該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができるという利点がある。
次に、第2の実施の形態に係る浸炭方法を実施する熱処理装置を構成するワーク保持機構200(以下、単に保持機構200という)を図11に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る浸炭方法を実施する熱処理装置のワーク保持機構10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この第2の実施の形態に係る保持機構200では、支軸部材14の上部に第1リング部材(調整部材)202を設けると共に、該支軸部材14の下部にも同様に第2リング部材(調整部材)204を設けているという点で、第1の実施の形態に係る保持機構10と相違している。
第1リング部材202は、支軸部材14の第2軸部28にねじ部40を介して螺合され、前記支軸部材14の上部に一体的に固定されている。
また、第2リング部材204は、略中央部に軸線方向に沿って形成される挿通孔(図示せず)を介して支軸部材14の軸線に沿って挿通され、枠体12の上面に載置される。なお、第1及び第2リング部材202、204は略同一形状に形成され、その外周面には軸線方向に沿った略中央部に最も拡径した環状突起部34の頂部34aが形成されると共に、前記環状突起部34の頂部34aから前記リング部材32の一端面及び他端面側に向かって徐々に縮径するようにそれぞれ傾斜面36a、36bが形成されている。
第1及び第2リング部材202、204における環状突起部34の頂部34aの外周径Aは、支軸部材14に挿通されるインナレース16の歯形形状部24の内周径Bより小さく形成されている(A<B)。換言すると、支軸部材14の軸線方向に沿って複数のインナレース16を挿通させた際、最下層のインナレース16eの内部に第2リング部材204が収納された状態となる。
さらに、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが積層された際、前記支軸部材14の上部に装着された第1リング部材202における環状突起部34の頂部34aが、最上層のインナレース16aの境界部位46近傍の高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置と一致又は略一致した状態で対向し、前記環状突起部34の頂部34aと前記インナレース16における境界部位46の近傍との間に所定の間隔の環状のクリアランス48が形成されている。
この第1及び第2リング部材202、204が装着された保持機構200によって浸炭処理を行う場合には、熱処理炉の室内に供給されたガス中の炭素成分がインナレース16a〜16eの外周面に吸収されることによって、前記外周面の表層部に所定の深さの硬化層が形成される。
一方、インナレース16a〜16eの内周面には、支軸部材14の上部に設けられた第1リング部材202における環状突起部34の頂部34aと歯形形状部24との間のクリアランス(間隙)48aを介してガスが流入すると共に、最下層のインナレース16eの内部に配設された第2リング部材204における環状突起部34の頂部34aと歯形形状部24の開口部20との間のクリアランス(間隙)48bを介してガスが流入する。その際、このクリアランス48a、48bによって支軸部材14に積層された複数のインナレース16a〜16eの上部側及び下部側からインナレース16の内周面に流入されるガスの流量が抑制される。
また、同様に、冷却工程において第1及び第2リング部材202、204における環状突起部34の頂部34aとインナレース16の内周面との間のクリアランス48a、48bを介してインナレース16a〜16eの内部に冷却油を流入させることにより、インナレース16の内周面へと流入する冷却油の流量が抑制される。
これにより、浸炭処理における加熱及び冷却工程において複数のインナレース16a〜16eの外周面と内周面との間で異なる深さの硬化層を好適に形成することが可能となる。
さらに、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eを挿通させる際、又は、前記インナレース16a〜16eの浸炭処理が完了し、支軸部材14に挿通された複数のインナレース16a〜16eを取り出す際には、前記インナレース16a〜16eが支軸部材14に装着された第1及び第2リング部材202、204と接触することがない。
すなわち、支軸部材14の軸線方向に沿って最上層に積層されたインナレース16aから順次取り出す。この際、インナレース16a〜16eの歯形形状部24の内周径Bより支軸部材14の上部に装着された第1及び第2リング部材202、204における環状突起部34の頂部34aの外周径Aの方が小さく形成されているため(A<B)、前記インナレース16が第1及び第2リング部材202、204に接触することがない。そのため、インナレース16a〜16eを保持機構200から取り出す際においても、第1及び第2リング部材202、204を支軸部材14から脱抜することなくインナレース16a〜16eを取り出すことができる。
このように、支軸部材14の上部及び下部にそれぞれ第1リング部材202及び第2リング部材204を設けることにより、複数のインナレース16a〜16eに浸炭処理を行う際、前記第1及び第2リング部材202、204によってインナレース16a〜16eの内周面へのガス及び冷却油の流入量が制御される。そのため、加熱工程において前記インナレース16a〜16eの内部の温度が急激に上昇することをより一層好適に抑制することができると共に、反対に、冷却工程において環状間隙50の内部を保温して温度が急速に低下することをより一層好適に抑制することができる。これにより、インナレース16a〜16eにおける歯形形状部24の熱歪み等の発生を好適に防止することができる。
次に、第2の実施の形態に係る浸炭方法を実施する保持機構200における第1及び第2リング部材202、204の変形例について説明する。なお、第1〜第3変形例に係る第1及び第2リング部材220a、220b、230a、230b、240a、240bにおいて、その外周径及び軸線方向に沿った長さは、第1及び第2リング部材202、204と略同等に形成される。
図12に示されるように、第1変形例に係る第1及び第2リング部材220a、220bでは、支軸部材14の上部に第2軸部28を介して第1リング部材220aが装着されると共に、前記支軸部材14の下部に円盤状の第2リング部材220bが挿通され、枠体12の上面に載置されている。なお、第1リング部材220aは、第2の実施の形態に係る第1及び第2リング部材202、204と略同一形状に形成されている。
第2リング部材220bは、薄板材から形成され、支軸部材14に挿通されて枠体12の上面に載置された後、前記第2リング部材220bの上面に複数のインナレース16a〜16eが順次積層される。
そして、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが挿通された際、支軸部材14に装着された第1リング部材220aにおける環状突起部34の頂部34aが、最上層のインナレース16aの境界部位46の近傍の高さ方向(矢印Z方向)に沿った位置と一致又は略一致するように配設されている。その際、環状突起部34の頂部34aと前記インナレース16aの境界部位46の近傍との間には所定の間隔の環状のクリアランス48が形成されている。
このように、支軸部材14の下部に円盤状の第2リング部材220bを設けることにより、複数のインナレース16a〜16eに浸炭処理を行う際、インナレース16a〜16eの内周面へのガス及び冷却油の流入量が制御される。そのため、前記インナレース16a〜16eの内部の温度を好適に保持することができる。そのため、急激な温度変化を防止することによりインナレース16a〜16eにおける歯形形状部24の熱歪み等の発生を防止することが可能となる。
図13に示されるように、第2変形例に係る第1及び第2リング部材230a、230bでは、該第1及び第2リング部材230a、230bが略同一形状となるように形成されている。この第1及び第2リング部材230a、230bの外周面232は、軸線と平行な略同一直径に形成されると共に、前記軸線方向に沿った一端面234a及び他端面234bが略平面状に形成されている。
そして、一方の第1リング部材230aを支軸部材14の上部に一体的に装着した際、前記第1リング部材230aの外周面(調整部)232が、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16e(図11参照)が挿通された際の最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46の近傍と対向するように配設されている。
このように、支軸部材14の上部及び下部にそれぞれ第1リング部材230a及び第2リング部材230bを設けると共に、該第1リング部材230a及び第2リング部材230bの外周面232を略同一直径に形成することにより、複数のインナレース16a〜16eに浸炭処理を行う際、前記第1及び第2リング部材230a、230bによってインナレース16a〜16eの内周面へのガス及び冷却油の流入量が制御される。そのため、加熱工程において前記インナレース16a〜16eの内部の温度が急激に上昇することを一層好適に抑制することができると共に、反対に、冷却工程において環状間隙50の内部を保温して温度が急速に低下することを一層好適に抑制することができる。これにより、インナレース16a〜16eにおける歯形形状部24の熱歪み等の発生を好適に防止することができる。
また、第1及び第2リング部材230a、230bの外周面232が略同一直径に形成されているため、該第1及び第2リング部材230a、230bとインナレース16aの境界部位46、又は、該インナレース16eの歯形形状部24との間に形成されるクリアランス48a、48bの制御が容易となり、前記インナレース16a、16eと第1及び第2リング部材230a、230bとの間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御して該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができる。
図14に示されるように、第3変形例に係る第1及び第2リング部材240a、240bでは、該第1及び第2リング部材240a、240bが略同一形状に形成されている。この第1及び第2リング部材240a、240bの一端面242aは略平面状に形成され、前記一端面242aの外縁部から他端面242b側に向かって略直交するように外周面244が略一定直径で形成されている。また、外周面244の端部から第1及び第2リング部材240a、240bの他端面242bに向かって縮径するようにそれぞれ傾斜面(調整部)246a、246bが形成されている。
第1リング部材240aは、徐々に縮径する所定角度傾斜した傾斜面246aが下方側となるように支軸部材14の上部に装着され、反対に、第2リング部材240bは、徐々に縮径する所定角度傾斜した傾斜面246bが上方側となるように支軸部材14の下部に装着されている。換言すれば、第1リング部材240aの傾斜面246aと第2リング部材240bの傾斜面246bとが互いに対向するように配設されている。
そして、支軸部材14に複数のインナレース16a〜16eが挿通された際、前記支軸部材14に装着された第1リング部材240aにおける外周面244、又は、外周面244近傍の傾斜面246aのいずれか一方が、最上層のインナレース16aの開口部20の境界部位46と対向するように配設されている。
このように、支軸部材14の上部及び下部にそれぞれ第1リング部材240a及び第2リング部材240bを設けると共に、該第1及び第2リング部材240a、240bをそれぞれ対向する方向に向かって縮径するように形成することにより、複数のインナレース16a〜16eに浸炭処理を行う際、前記第1及び第2リング部材240a、240bによってインナレース16a〜16eの内周面へのガス及び冷却油の流入量が制御される。そのため、加熱工程において前記インナレース16a〜16eの内部の温度が急激に上昇することをより一層好適に抑制することができると共に、反対に、冷却工程において環状間隙50の内部を保温して温度が急速に低下することをより一層好適に抑制することができる。これにより、インナレース16a〜16eにおける歯形形状部24の熱歪み等の発生を好適に防止することができる。
また、第1及び第2リング部材240a、240bにそれぞれ形成される傾斜面246a、246bによって、最上層及び最下層のインナレース16a、16eと前記傾斜面246a、246bとの間のクリアランス48a、48bを徐々に変化させることができる。そのため、インナレース16a、16eと第1及び第2リング部材240a、240bとの間の形成されるクリアランス48a、48bの制御が容易となり、前記インナレース16a、16eと第1及び第2リング部材240a、240bとの間からインナレース16a〜16eの内周面へと流入するガス及び冷却油の流量を好適に制御し、該インナレース16a〜16eの内周面を好適に保温することができるという利点がある。
なお、第1及び第2の実施の形態に係る浸炭方法においては、等速継手部材におけるインナレース16a〜16eに対して浸炭処理を行う場合について説明したが、内周面に歯形を有するワーク(例えば、内歯車)であれば、特にワークの形状に限定されるものではない。その場合、環状間隙は、前記ワークの形状及びそのワークの表面層に要求される硬度に応じて設定すればよい。
本発明の第1の実施の形態に係る内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法を実施する熱処理装置におけるワーク保持機構の一部省略斜視図である。 図1に示すワーク保持機構によって複数のワークを積層した状態を示すワーク保持機構の縦断面図である。 図2の支軸部材の上部に装着されたリング部材近傍を示す拡大縦断面図である。 図3のリング部材の頂部が、インナレースにおける歯形形状部の境界部位より下方に所定長だけオフセットした状態を示す拡大縦断面図である。 図3のリング部材の頂部が、インナレースにおける歯形形状部の境界部位より上方に所定長だけオフセットした状態を示す拡大縦断面図である。 図2のワーク保持機構において、第1変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す一部省略拡大縦断面図である。 第2変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す一部省略拡大縦断面図である。 第3変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す一部省略拡大縦断面図である。 第4変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す一部省略拡大縦断面図である。 第5変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す一部省略拡大縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法を実施する熱処理装置におけるワーク保持機構に複数のワークが積層された状態を示す縦断面図である。 図11のワーク保持機構において、第1変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す拡大縦断面図である。 第2変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す拡大縦断面図である。 第3変形例に係るリング部材が支軸部材に装着された状態を示す拡大縦断面図である。 リング部材の頂部と前記インナレースの境界部位近傍との間に形成されるクリアランスの略水平方向に沿った距離と、インナレースの組付け作業性、前記インナレースに発生する熱歪み及び前記インナレースへの浸炭焼入れ硬化層の深さとの関係を示す説明図である。
符号の説明
10、200…ワーク保持機構 12…枠体
14…支軸部材 16、16a〜16e…インナレース
18…貫通孔 20…開口部
22…半円形状溝部 24…歯形形状部
26…第1軸部 28…第2軸部
32、100、110、120、140…リング部材
34…環状突起部 34a…頂部
46…境界部位 48、48a、48b…クリアランス
50…環状間隙
202、220a、230a、240a…第1リング部材
204、220b、230b、240b…第2リング部材

Claims (5)

  1. 基台に立設され、一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に調整部材が装着された軸部材に対して内周面の孔部を介して挿通可能なワークを有し、前記ワークの内周面に形成された歯形形状部と前記軸部材との間に所定の離間間隔からなる第1間隙を形成し、前記ワークの歯形形状部の内周径より小径の外周径を有する前記調整部材が装着された前記軸部材の軸線方向に沿って複数のワークを順次積層し、複数のワークによって形成された第1間隙と、前記調整部材とワークの歯形形状部との間に形成された所定の離間間隔からなる第2間隙とを前記軸部材の軸線方向に沿って連通させると共に、前記調整部材の最大外周径となる調整部の前記軸部材における高さ方向に沿った位置と、前記軸部材に積層された複数のワークにおける最上部のワークの所定角度傾斜して開口した開口部と前記歯形形状部との境界となる境界部位近傍の高さ方向に沿った位置とを一致させる工程と、
    所定の離間間隔からなる第1及び第2間隙の連通状態を保持しながら積層された複数のワークを熱処理炉内に搬入し、前記複数のワークを所定温度に加熱すると共に、前記熱処理炉内に浸炭剤を供給して、前記調整部材と歯形形状部との間の第2間隙を介して前記ワークの前記歯形形状部と前記軸部材との間の第1間隙に前記浸炭剤を流入させて浸炭処理を施す工程と、
    を有することを特徴とする内周面に歯形形状を有する部材の浸炭方法。
  2. 熱処理炉内に搬入された複数のワークに対して浸炭剤を供給して浸炭処理を施す際に前記複数のワークを保持する浸炭方法に用いられるワーク保持機構において、
    基台と、
    前記基台の上面に所定間隔離間して略平行又は略直交するように交差して設けられ、前記ワークを支持する枠体と、
    前記基台の上面と略直交する方向に立設し、前記ワークの内部に形成された孔部を介して複数のワークが積層される軸部材と、
    前記軸部材の一端部及び/又は他端部の少なくとも一方に設けられ、前記軸部材に積層された複数のワークにおいて最上部又は最下部に配設されたワークの孔部の内周面と対向する位置に配設される環状の調整部材と、
    を備え、
    前記調整部材の最大外周径が、前記ワークの孔部の内周面に形成された歯形形状部の内周径より小さく形成されることを特徴とする浸炭方法に用いられるワーク保持機構。
  3. 請求項2記載の機構において、
    前記調整部材の外周面には、最大外周径となる調整部が形成され、前記調整部材が軸部材に装着された際に、前記調整部の高さ方向に沿った位置が、前記軸部材に積層された複数のワークにおける最上部のワークの所定角度傾斜して開口した開口部と前記歯形形状部との境界となる境界部位近傍の高さ方向に沿った位置と一致することを特徴とする浸炭方法に用いられるワーク保持機構。
  4. 請求項2又は3記載の機構において、
    前記調整部材には、該調整部材の外周部から軸線方向に沿った一端部側及び他端部側の少なくとも一方側に向かって徐々に縮径するように所定角度傾斜した傾斜面が形成されることを特徴とする浸炭方法に用いられるワーク保持機構。
  5. 請求項3記載の機構において、
    前記調整部は、半径外方向に突出した頂部を有する環状突起部からなることを特徴とする浸炭方法に用いられる浸炭方法に用いられるワーク保持機構。
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