JP2005290323A - 表面処理剤組成物 - Google Patents

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浩一 山口
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Abstract

【解決手段】 下記一般式(1)及び(2)で表されるパーフルオロポリエーテル変性シラン及びまたはその部分加水分解縮合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなることを特徴とする表面処理剤組成物。
【化1】
Figure 2005290323

(式中、Rfは直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rfは分岐型パーフルオロポリエーテル基、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Rは二価の有機基、Rは非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは加水分解性基である)
【効果】 本発明の表面処理剤組成物は、撥水撥油性、離型性、耐候性、防汚性、指紋拭き取り性に優れており、各種基材表面にコーティングする表面処理剤として利用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防汚性、特には指紋拭き取り性になどに優れ、かつ耐候性に優れた表面処理剤組成物に関する。
一般にパーフルオロポリエーテル基含有化合物は、その表面エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性・耐薬品性・潤滑性・離型性・防汚性などを有する。その性質を利用して、工業的には紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜など幅広く利用されている。
しかし、その性質は同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性があることを示しており、基材表面に塗布することは出来ても、被膜を形成し密着させることはできなかった。
一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとしては、シランカップリング剤が良く知られている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基)を有する。アルコキシシリル基は、空気中の水分などによって自己縮合反応をおこしてシロキサンとなり被膜を形成する。それと同時に、ガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することによって、耐久性を有する強固な被膜となる。シランカップリング剤はこの性質を利用して各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。
これらの特徴を生かしたものとして、下記式(3)
Figure 2005290323

(式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基、QはCHCHCHまたはCHCHNHCHCHCH、dは1から4の整数、cは2または3)で示されるようなフルオロアミノシラン化合物が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この化合物は、パーフルオロポリエーテル基の部分が、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)の2〜5量体と短いため、パーフルオロポリエーテル基の持つ特徴を十分に出すことが出来なかった。
また、ガラス表面の撥水撥油剤として、下記式(4)
Figure 2005290323

(式中、Rfは炭素原子数1〜20個のポリフルオロアルキル基であってエーテル結合を1個以上含んでもよい。Rは水素原子または低級アルキル基、Aはアルキレン基、xは−CON(R)−Q′−又は−SON(R)−Q′−(ただし、Rは低級アルキル基、Q′は2価の有機基を示す)zは低級アルキル基、Yはハロゲン、アルコキシ基またはRCOO−(ただし、Rは水素原子または低級アルキル基を示す)、gは0または1の整数、fは1〜3の整数、eは0または1〜2の整数)で示される化合物が提示されているが(特許文献2参照)、この場合も含フッ素基の部分の炭素数が1〜20個と少なく十分な効果が得られていない。
また、本発明者らはこれらの問題を解決するために以前に下記式(5)
Figure 2005290323

(式中、Xは加水分解性基、Rは低級アルキル基、Rは水素原子または低級アルキル基、QはCHCHCHまたはCHCHNHCHCHCH、hは6〜50の整数、iは2または3、xおよびyはそれぞれ1から3の整数)で表されるパーフルオロポリエーテル変性アミノシランを発明し、その特許を出願した(特許文献3参照)。このパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、撥水撥油性、耐薬品性及び耐候性に優れており、各種基材表面にコーティングすることにより表面処理剤として利用することが出来る。しかし、このパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、分子中に水との親和性の高いアミド基等の極性基を含有していることから、潤滑性、離型性、防汚性、特には指紋拭き取り性の点で劣り、表面処理剤として利用する上で十分な性能を有しているとは言えなかった。
そこで、本発明者らはこれらの問題を解決するために以前に下記式(6)
Figure 2005290323

(式中、Rfは直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2または3である)で表される新規なパーフルオロポリエーテル変性シランを発明し、その特許を出願した(特許文献4参照)。このパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、潤滑性・離型性・耐薬品性・防汚性、特には指紋拭き取り性に優れており、表面処理剤として利用できるものの、屋外暴露後の特性変化、特にはマジックインクのハジキ性の低下が著しく、耐候性の面では十分な性能を有しているとは言えなかった。
特開昭58−167597号公報 特開昭58−122979号公報 特開平11−29585号公報 特開2003−238577号公報
特に最近では、建築物の高層化に伴い窓ガラスをメインテナンスフリー化することや、外観や視認性をよくするためにディスプレイの表面に指紋が付きにくくするなど「汚れにくくする」や、「汚れを落としやすくする」技術及びこの特性の持続化に対する要求は年々高まってきており、これらの要求に応えることの出来る材料の開発が望まれていた。
本発明者らは、上記要望に応えるために鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)及び(2)で表されるパーフルオロポリエーテル変性シラン/またはその部分加水分解縮合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなることを特徴とする表面処理剤組成物が、撥水撥油性・離型性・耐薬品性・潤滑性、防汚性、特には指紋拭き取り性に優れ、更には耐候性の点でも優れており、表面処理剤として適していることを知見し、本発明をなすに至った。
Figure 2005290323

(式中、Rfは直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rfは分岐型パーフルオロポリエーテル基、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Rは二価の有機基、Rは非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、a及びbは2または3である)
従って、本発明は、上記一般式(1)及び(2)で表されるパーフルオロポリエ
ーテル変性シラン/またはその部分加水分解縮合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶
解してなることを特徴とする表面処理剤組成物を提供する。
本発明における表面処理剤組成物は、撥水撥油性、離型性、耐候性、防汚性、指紋拭き取り性に優れており、各種基材表面にコーティングすることにより表面処理剤として利用することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明の表面処理剤組成物は、下記一
般式(1)及び(2)
Figure 2005290323

(式中、Rfは直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rfは分岐型パーフルオロポリエーテル基、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Rは二価の有機基、Rは非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2または3である)で表されるパーフルオロポリエーテル変性シラン/またはその部分加水分解縮合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなることを特徴とする。
ここで、Rfは二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基であり、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくは炭素数1〜4程度のパーフルオロポリエーテル基を繰返し単位とする二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルである。この二価直鎖型パーフルオロポリエーテルとしては、例えば次に示すようなものがある。
Figure 2005290323

上記化学構造式中のk、pおよびqはそれぞれ1以上の整数を示す。具体的にはkは1〜50、より好ましくは10〜40、pは1〜70、より好ましくは10〜50、qは1〜70、より好ましくは10〜50であり、p+q=10〜100より好ましくは20〜80の範囲が好ましい。
次に、Rfは一価の分岐型パーフルオロポリエーテル基であり、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくは炭素数1〜4程度のパーフルオロポリエーテル基を繰返し単位とする一価の分岐型パーフルオロポリエーテルである。この一価分岐型パーフルオロポリエーテルとしては、例えば次に示すようなものがある。
Figure 2005290323

上記化学構造式中のrはそれぞれ1以上の整数を示す。具体的には6〜50、より好ましくは15〜35の範囲が好ましい。尚、パーフルオロポリエーテルの分子構造は、これら例示したものに限定されるものではない。
Xは加水分解性基を表す。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などの炭素数2〜6のオキシアルコキシ基、アセトキシ基などの炭素数2〜5のアシロキシ基、イソプロペノキシ基などの炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基などが挙げられる。中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、クロル基が反応性の点で好適である。
は、炭素数1〜4の低級アルキル基又はフェニル基で、で具体的にはメチル基、エチル基、フェニル基などであり中でもメチル基が好適である。
としての二価の有機基としては特に限定されるものではないが、通常は、例えばCOO、CONH、S等が例示される。
は非置換又は置換の炭素数2〜8の二価炭化水素基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基が例示される。
nは0〜2の整数であり、1が好ましい。又mは1〜5の整数であり、3が好ましい。
aは2又は3であり、反応性、基材に対する密着性の観点から3が好ましい。
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シラン化合物の分子量は、特に制限されないが、安定性、取扱い易さ等の点から、数平均分子量で500〜2万、好ましくは1000〜1万のものが適当である。
上記式(1)及び(2)で表される化合物は、表面処理剤組成物の固形分割合が、化合物(1)/化合物(2)=10/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/20であるパーフルオロポリエーテル変性シラン及びまたはその部分加水分解縮合物である。上記(1)で表される化合物の表面処理剤組成物の固形分割合が10以下では指紋拭取り性等の防汚性能の面で好ましくなく、固形分割合が90以上では耐候性の面で好ましくない。
次に、フッ素化炭化水素系溶媒は2種以上の混合溶媒でもよく、パーフルオロポリエーテル変性シラン/またはその部分加水分解縮合物を均一に溶解させるものが望ましい。フッ素化炭化水素系溶媒としては、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなどのフッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライドなどのフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などのフッ素変性エーテル系溶剤、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなどのフッ素変性アルキルアミン系溶剤が挙げられる。特に、溶解性、濡れ性などの点で、m−キシレンヘキサフロライド、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロトリブチルアミンが好ましい。
被膜を形成する方法としては、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法で処理出来る。処理温度は、処理方法によって最適な温度は異なるが、例えば刷毛塗りやディッピングの場合は、室温から120℃の範囲が好ましい。処理湿度は、加湿下で行うことが反応を促進する上で好ましいが、使用するシラン化合物や他の添加剤によって処理条件は異なるため、その都度最適化することが好ましい。
この表面処理剤には、必要に応じて、オルガノオキシシラン加水分解縮合触媒を添加してもよい。オルガノオキシシラン加水分解縮合触媒としては、ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫などの有機錫化合物、テトラn−ブチルチタネート などの有機チタン化合物酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸塩酸、硫酸などの無機酸が挙げられる。特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫などが好ましい。
添加量は通常の触媒量であり、パーフルオロポリエーテル変性シラン/またはその部分加水分解縮合物100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.1〜1重量部が好ましい。
被膜を形成する基材としては、紙、布、金属及びその酸化物、ガラス、プラスチック、陶磁器、セラミックなど各種材質のものを用いることが出来る。
この場合、硬化皮膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、通常0.1nm〜5μm、特に1〜100nmである。
ここで、硬化被膜を表面に形成する物品としては、めがねレンズ、反射防止フィルター(指紋、皮脂付着防止コーティング)、浴槽、洗面台のようなサニタリー製品(撥水、防汚コーティング)、自動車、電車、航空機などの窓ガラス、ヘッドランプカバーなど(防汚コーティング)、外壁用建材(撥水、防汚コーティング)、台所用建材(油汚れ防止用コーティング)、電話ボックス(撥水、防汚及び貼り紙防止コーティング)、美術品など(撥水・撥油性、および指紋付着防止付与のコーティング)、コンパクトディスク、DVD(指紋付着防止コーティング)などが好ましい。特に、レンズ、フィルターなどの光学部材に被膜を形成し、反射防止性、防汚性などを付与するには本発明の表面処理剤組成物は好適である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
[実施例1〜3]
(1)反射防止フィルムの作成
PETフィルムに付設したハードコート層の上にスパッタリング方式で、SiO層、TiO層、SiO層、TiO層、SiO層の5層をそれぞれλ/4光学膜厚で順次積層して反射防止層を付設した。
(2)コーティング組成物の調製
表1に示すような下記化合物1と下記化合物2の使用割合の混合物0.2gを、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)99.8gに溶解させをコーティング組成物1〜3調整した。
Figure 2005290323
(3)塗布及び硬化
前記(2)で得られたコーティング組成物1〜3を、前記(1)で得られた反射防止フィルムにスピンコート法で塗工し、25℃、湿度70%の雰囲気下で24時間放置して硬化被膜を形成させた。この試料片を用いて、下記(I)から(IV)の評価を行った。結果を表2に示す。
(I)撥水性の評価
接触角計(協和界面科学社製A3型)を用いて、硬化被膜の水対する接触角を測定し、撥水性の評価とした。
(II)撥油性の評価
マジック(ZEBURA 油性 ハイマッキー 太字)を用いて、硬化被膜の上に6×100mmの線を引き、マジックインクのハジキ状態を下記基準で評価し、撥油性の評価とした。
マジックインクハジキ性
○:インクが点状にはじく
△:インクが線状にはじく
×:全くはじかない
(III)防汚性の評価
硬化被膜表面に人差し指を5秒間押し当てて指紋を付着させた後、その指紋を乾いた布で拭取った時の指紋の拭取りやすさを評価した。評価基準は以下のとおりであり、
被験者5人の平均の評価をその表面の評価とした。
指紋の拭取りやすさ
○:指紋を軽く拭取ることが出来る
△:指紋は拭取りにくいが跡は残らない
×:指紋は拭取りにくく跡も残る
(IV)耐候性の評価
試料片をサンシャイン スーパーロングライフ ウェザーメーター WEL−SUN−HC型(スガ試験機株式会社製)中で200時間経過させた。その後、硬化被膜表面の汚れをイソプロピルアルコール含浸布で軽く拭取り、評価(I)〜(III)で示した方法で各特性を測定して耐候性の評価とした。
[比較例1]
実施例(2)で用いた下記化合物1のパーフルオロポリエーテル変性シラン0.2gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)99.8gに溶解させ他は、実施例と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例(2)で用いた下記化合物2のパーフルオロポリエーテル変性シラン0.2gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)99.8gに溶解させ他は、実施例と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
化合物1
Figure 2005290323
化合物2
Figure 2005290323
Figure 2005290323

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)及び(2)で表されるパーフルオロポリエーテル変性シラン及びまたはその部分加水分解縮合物をフッ素化炭化水素系溶媒に溶解してなることを特徴とする表面処理剤組成物。
    Figure 2005290323

    (式中、Rfは直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rfは分岐型パーフルオロポリエーテル基、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Rは二価の有機基、Rは非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、a及びbは2または3である)
  2. 上記式(1)及び(2)で表される化合物の固形分割合が、化合物(1)/化合物(2)=10/90〜90/10であるパーフルオロポリエーテル変性シラン及びまたはその部分加水分解縮合物である特許請求の範囲第1項記載の表面処理剤組成物。
  3. 加水分解性基Xがアルコキシ基であることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第2項記載の表面処理剤組成物。
  4. 一般式(2)のRfが下記式、下記一般式
    Figure 2005290323

    (式中、rは6〜50の整数を示す)で示されることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第3項記載の表面処理剤組成物。
  5. が、−CONH−であることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項記載の表面処理剤組成物。




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