JP2005289808A - 3−置換−4−ピリミドン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、またはそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
【化1】
Figure 2005289808

(式中、R1は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC6〜C14のアリール基を示し;R2は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC7〜C20のアラルキル基を示す);及び、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)等のタウプロテインキナーゼ1の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための、該誘導体又はその塩を有効成分として含む医薬。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)などの、主にタウプロテインキナーゼ1の異常亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用な化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルツハイマー病は進行性の老年期痴呆であり、神経細胞の変性及び神経細胞数の減少による脳の萎縮が顕著に認められる。病理学的には、脳内に多数の老人斑と神経原線維変化が認められる。患者数は、高齢者人口の増加と共に増大し、社会的にも重要な疾患となっている。しかし、この疾患の原因については諸説あるものの未だ不明であり、早期の解明が望まれている。
【0003】
アルツハイマー病に特徴的な2つの病理変化の出現程度は、知的機能障害の程度とよく相関することが知られている。そこで、この2つの病理変化の構成成分を分子レベルで解明し、この疾患の病因に到達しようとする研究が1980年代前半より行われてきた。老人斑は細胞外に蓄積するもので、その主構成成分がアミロイドβ蛋白(本明細書において以下「Aβ」と略す)であることが解明されている(Biochem. Biophys. Res. Commun., 120, 855(1984)、EMBO J., 4, 2757(1985)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 4245(1985))。また、もう1つの病理変化である神経原線維変化はペアード-ヘリカル-フィラメント(Paired Helical Filament:本明細書において以下「PHF」と略す)と呼ばれる二重螺旋状の線維状物質が細胞内に蓄積してくるものであり、その主構成成分は脳に特異的な微小管付随蛋白質の一種であるタウ蛋白質であることが明らかにされている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 4506(1988); Neuron, 1, 827(1988))。
【0004】
さらに遺伝学的研究より、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子としてプレセニリン1及び2が見つかり(Nature, 375, 754(1995); Science, 269, 973(1995); Nature. 376, 775(1995))、プレセニリン1及び2の変異体が存在するとAβの分泌が促進することが明らかとなった(Neuron, 17, 1005(1996); Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 2025(1997))。これらの結果から、アルツハイマー病は何らかの原因でAβが異常に蓄積、凝集し、これがPHFの形成と連動して神経細胞の死を招くものと考えられている。また、虚血性脳血管障害に伴う神経細胞死の発生過程において、細胞外へのグルタミン酸流出、及びそれに応答するグルタミン酸受容体の活性化が重要な因子になると考えられる(最新医学, 49, 1506(1994))。
【0005】
グルタミン酸受容体の一種であるAMPA 受容体を刺激するカイニン酸処置によってAβの前駆体であるアミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein:本明細書において以下「APP」と略す)のmRNAが増加すること(Society for Neuroscience Abstracts, 17,1445(1991))、APPの代謝が亢進すること(The Journal of Neuroscience, 10,2400(1990))が報告されており、Aβの蓄積が虚血性脳血管障害による細胞死に関与していることが強く示唆される。Aβが異常に蓄積、凝集する疾患としては、他にダウン症候群、孤発性脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血及びレビー小体病等を挙げることができる(神経進歩, 34, 343(1990); 蛋白質・核酸・酵素, 41, 1476(1996))。またPHF蓄積による神経原線維変化を示す疾患としては、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアム・パーキンソン痴呆複合症及びレビー小体病等を挙げることができる(蛋白質・核酸・酵素, 36, 2(1991); 医学のあゆみ, 158, 511(1991); 蛋白質・核酸・酵素, 41, 1476(1996))。
【0006】
タウ蛋白質は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量48-65KDaに数本のバンドを形成する一群の近縁蛋白質であり、微小管の形成を促進する。アルツハイマー病脳のPHF中に組み込まれたタウ蛋白質は通常のタウ蛋白質に比べて異常にリン酸化されていることが証明されてきている(J. Biochem., 99, 1807(1986); Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83, 4913(1986))。この異常なリン酸化を触媒する酵素が単離され、タウプロテインキナーゼ1(本明細書において以下、「TPK1」と略す)と命名され、その理化学的性質が解明されている(生化学, 64, 308(1992); J. Biol. Chem., 267, 10897(1992))。さらに、TPK1の部分アミノ酸配列に基づいてラット大脳皮質cDNAライブラリーからラットTPK1のcDNAがクローニングされ、そのヌクレオチド配列が決定されると共にアミノ酸配列が推定された(特開平6-239893号公報)。その結果、このラットTPK1の1次構造がラットGSK-3β(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β)として知られる酵素の1次構造と一致することが確認されている(FEBS Lett., 325, 167(1993))。
【0007】
老人斑の主構成成分であるAβには神経毒性があることが報告されている(Science, 250, 279(1990))。しかしながら、なぜAβが細胞を死に至らしめるのかについては諸説あり、統一された見解は得られていない。高島らはラット胎児の海馬初代培養系にAβを処理すると細胞死が起こることを確認した後、Aβ処理によりTPK1活性が増加すること、及びAβによる細胞死をTPK1のアンチセンスが阻止することを発見した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 7789(1993); 特開平6-329551号公報)。
【0008】
以上のことから、TPK1活性を阻害する化合物は、Aβの神経毒性及びPHFの形成を抑え、アルツハイマー病における神経細胞死を阻止し、病気の進行を阻止あるいは遅らせることができる可能性がある。また、同様にAβの細胞毒性を抑えることにより、虚血性脳血管障害、ダウン症候群、脳アミロイドアンギオパチー、レビー小体病による脳出血等の治療剤となる可能性がある。さらに、PHFの形成を抑えることにより、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアム・パーキンソン痴呆複合症、レビー小体病、ピック病、皮質底部変性および前頭側頭性痴呆などの神経変性疾患の治療剤となる可能性がある。
【0009】
後に記載する式(I)で表される本発明の化合物と構造的に類似する化合物として、以下の式(A)で表される化合物
【化2】
Figure 2005289808
(式中、Rは2,6−ジクロロベンジル基、2−(2−クロロフェニル)エチルアミノ基、3−フェニルプロピルアミノ基、又は1−メチル−3−フェニルプロピルアミノ基を表す(国際公開WO98/24782号公報))が知られている。式(A)で表される化合物は、ピリミジン環の5位に4−フルオロフェニル基を有し、4位に水酸基を有することを特徴としており、本発明の範囲内には包含されない。さらに、式(A)で表される化合物の主たる薬理活性は抗炎症作用であるが、式(I)で表される本発明の化合物はTPK1阻害剤または神経変性疾患の治療薬として有用であり、従って、それらの薬理活性は互いに全く異なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アルツハイマー病などの予防及び/又は治療に有用な医薬の有効成分として有用な物質を提供することにある。より詳細には、アルツハイマー病などにおいてTPK1活性を阻害することによりAβの神経毒性及びPHFの形成を抑え、神経細胞死を阻止することにより、これらの疾患に対して根本的な予防及び/又は治療を可能にする医薬の有効成分として有用な新規化合物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、TPK1のリン酸化能に対する阻害作用を有する各種化合物をスクリーニングした。その結果、下記の一般式(I)で表される化合物が所望の作用を有しており、上記の疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用であること見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
【0012】
すなわち本発明は、式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物を提供するものである。
【化3】
Figure 2005289808
(式中、R1は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC6〜C14のアリール基を示し;
2は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC7〜C20のアラルキル基を示す。)
【0013】
本発明の別の観点からは、式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群より選ばれる物質を有効成分として含む医薬が提供される。この医薬の好ましい態様としては、タウプロテインキナーゼ1の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための前記の医薬、および神経変性疾患の予防及び/又は治療のための前記の医薬が提供される。本発明のさらに好ましい態様としては、該疾患が、アルツハイマー病、虚血性脳血管障害、ダウン症候群、脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアム・パーキンソン痴呆複合症、レビー小体病、ピック病、皮質底部変性及び前頭側頭性痴呆からなる群より選ばれる前記の医薬;及び有効成分として上記の物質を1又は2以上の製剤用添加物と共に含む医薬組成物の形態の前記の医薬が提供される。さらに、本発明は、式(I)の3−置換−4−ピリミドン誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群より選ばれる物質を有効成分として含むタウプロテインキナーゼ1の阻害剤を提供する。
【0014】
本発明のさらに別の観点からは、タウプロテインキナーゼ1の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療方法であって、式(I)の3−置換−4−ピリミドン誘導体及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群より選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量を患者に投与する工程を含む方法;及び、上記医薬の製造のための式(I)の3−置換−4−ピリミドン誘導体及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の使用が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
ここで用いられるアルキル基は直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。R1で表されるC1〜C18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などのほか、直鎖又は分枝鎖のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、又はオクタデシル基等を挙げることができる。本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」または「任意に置換された」と定義される場合には、置換基の個数、種類、及び置換位置は特に限定されず、2種以上の置換基が存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。
【0016】
1で表されるC1〜C18のアルキル基が置換基Aを有する場合、該アルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のC3〜C8のシクロアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のC6〜C10のアリール基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等のC3〜C8のシクロアルキルオキシ基;フルオレニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基等のC1〜C5のアルコキシ基;ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、フェニルブチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、ナフチルエチルオキシ基、ナフチルプロピルオキシ基、ナフチルブチルオキシ基等のC7〜C20のアラルキルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基等のC6〜C14のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基等のC1〜C5のアルキルチオ基;ベンジルチオ基、フェニルエチルチオ基、フェニルプロピルチオ基、フェニルブチルチオ基、ナフチルメチルチオ基、ナフチルエチルチオ基、ナフチルプロピルチオ基、ナフチルブチルチオ基等のC7〜C20のアラルキルチオ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のC6〜C14のアリールチオ基;メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基等のC1〜C5のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等のC6〜C14のアリールスルホニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基などのC1〜C5のハロゲン化アルキル基;水酸基;シアノ基;ニトロ基;オキソ基;ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基等のC2〜C6のアルキルカルボニル基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基等のC1〜C5のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のC2〜C10のジアルキルアミノ基;フラン環、ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環、ピラン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、クロメン環、クロマン環、イソクロマン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリジンオキシド環、ピペリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、プリン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、オキサゾール環、オキサゾリジン環、イソキサゾール環、イソキサゾリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジリジン環、イソチアゾール環、イソチアゾリジン環、ジオキサン環、ジチアン環、モルホリン環、チオモルホリン環、フタルイミド環等の酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個有し、環を構成する総原子数が5〜10の複素環の残基からなる群より選ばれる1以上の置換基Aを有していてもよい。
【0017】
置換基としてアリール基又は複素環基を有する場合には、該基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等のC1〜C18のアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基等のC7〜C20のアラルキル基;及び上記置換基Aからなる群より選ばれる1以上の置換基Bを有していてもよい。
【0018】
1で表されるC6〜C14のアリール基の例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの基は1以上の置換基Bを有していてもよい。R2で表される任意に置換されたC1〜C18のアルキル基としては、R1について説明したものを用いることができる。
2で表されるC7〜C20のアラルキル基の例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基等が挙げられる。これらの基は1以上の置換基Bを有していてもよい。
【0019】
1は、好ましくは、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、C2〜C10のジアルキルアミノ基、または置換されていてもよいフェニル基で置換されているC1〜C18のアルキル基;または置換されていてもよいフェニル基である。
より好ましくは、R1は、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、C2〜C10のジアルキルアミノ基、またはハロゲン原子、C1〜C5のアルキル基またはC1〜C5のアルコキシル基で置換されていてもよいフェニル基で置換されているC1〜C10のアルキル基である。
【0020】
2は、好ましくは、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、またはC2〜C10のジアルキルアミノ基で置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基;または置換されていてもよいC7〜C20のアラルキル基である。
より好ましくは、R2は、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、またはC2〜C10のジアルキルアミノ基で置換されていてもよいC1〜C5のアルキル基;または置換されていてもよいベンジル基である。
ピリミジン環に結合しているピリジル基は、2−ピリジル基、3−ピリジル基又は4−ピリジル基のいずれでもよい。それらの中でも、4−ピリジル基が好ましく、非置換の4−ピリジル基がより好ましい。
【0021】
前記の式(I)で表される化合物は塩を形成する場合がある。塩の例としては、酸性基が存在する場合には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩;アンモニア、およびメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、L-グルカミン等のアミンの塩;又はリジン、δ-ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。塩基性基が存在する場合には、例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
【0022】
本発明の範囲には、前記式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体及びその塩に加えて、それらの溶媒和物及び水和物も包含される。また、前記式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体は1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、不斉炭素の立体化学についてはそれぞれ独立して(R)体又は(S)体のいずれかをとることができ、該ピリミドン誘導体は光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体として存在することがある。純粋な形態の任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。
本発明の好適な化合物の例を以下の表に示すが、本発明の範囲は下記の化合物に限定されない。
【0023】
【表1】
Figure 2005289808
【0024】
【表2】
Figure 2005289808
【0025】
【表3】
Figure 2005289808
【0026】
【表4】
Figure 2005289808
【0027】
【表5】
Figure 2005289808
【0028】
式(I)で表わされる本発明の化合物の特に好適な例として、
3−メチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
3−エチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
2−(3−フェニルプロピル)−3−プロピル−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
3−ベンジル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
3−(3−アミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
3−(3−メチルアミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
3−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン
若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物が挙げられる。
【0029】
前記式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体は、例えば、下記に説明する方法に従って製造することができる。
【化4】
Figure 2005289808
(上記スキームにおいて、R1およびR2の定義は上記と同義である。)
【0030】
上記式(II)で表される3−非置換ピリミドンは、特許(特願平10−271277号)に記載されている類似の方法によって容易に製造され、水素化ナトリウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下、式R2−Iで表されるヨウ化アルキルと反応させる。
【0031】
溶媒の例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール性溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、イロプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。通常は、用いる塩基に適した単独の溶媒もしくは2種類以上の溶媒の混合物を使用すればよく、反応は、窒素またはアルゴン雰囲気下または通常の空気中、−20℃〜100℃の範囲の好適な温度で、1分〜14日間行えばよい。上記の反応において、官能基の保護、脱保護が必要になる場合もある。好適な保護基は官能基の種類によって選択することができ、実験操作としては、文献に記載された方法を用いればよい。
【0032】
本発明の化合物はTPK1に対する阻害活性を有しており、アルツハイマー病などにおいてTPK1活性を阻害することにより、Aβの神経毒性及びPHFの形成を抑え、神経細胞死を阻止する。従って、本発明の化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療を根本的に可能にする医薬の有効成分として有用である。また、本発明の化合物は、虚血性脳血管障害、ダウン症候群、孤発性脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳脳炎、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアム・パーキンソン痴呆複合症、レビー小体病、ピック病、皮質底部変性、前頭側頭性痴呆などの予防及び/又は治療のための医薬の有効成分としても有用である。
【0033】
本発明の医薬の有効成分としては、前記式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群より選ばれる物質を用いることができる。本発明の医薬としては、該物質自体を投与してもよいが、有効成分として前記の物質と1又は2以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態の医薬を投与することが望ましい。本発明の医薬の有効成分としては、上記の物質の2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記医薬組成物には、アルツハイマー病などの治療のための他の医薬の有効成分を配合することも可能である。
【0034】
医薬組成物の種類は特に限定されず、経口又は非経口投与用の任意の製剤形態として提供される。例えば、医薬組成物は、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、液剤等の経口投与用医薬組成物の形態として、または、静脈内投与用、筋肉内投与用、若しくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤等の非経口投与用医薬組成物の形態として調製することができる。注射剤や点滴剤は、凍結乾燥形態などの粉末状の製剤として調製し、使用直前に生理食塩水などの適宜の水性媒体に溶解して用いることもできる。また、高分子で被覆したものなどの徐放製剤を脳内に直接投与することも可能である。
【0035】
医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物の種類、有効成分に対する製剤用添加物の含量比、及び医薬組成物の製造方法は、当業者が適宜選択することが可能である。製剤用添加物としては無機又は有機物質、あるいは固体又は液体の物質を用いることができる。一般的には、製剤葉添加物は有効成分質量に対して1質量%から90質量%の範囲の割合で配合することができる。
【0036】
固体の医薬組成物の製造に用いられる賦形剤の例としては、例えば、乳糖、蔗糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム等が挙げられる。経口投与のための液体組成物の製造には、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水又は植物油等を用いることができる。この液体組成物には、不活性な希釈剤以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤又は保存剤等などを配合してもよい。液体組成物をゼラチンのような吸収されうる物質のカプセル中に充填してもよい。非経口投与用の組成物、例えば注射剤や坐剤の製造に用いられる溶剤又は懸濁剤の例としては、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチン等が挙げられる。坐剤に用いられる基剤の例としては、例えばカカオ脂、乳化カカオ脂、ラウリン脂、ウィテップゾールが挙げられる。
【0037】
本発明の医薬の投与量及び投与回数は特に限定されず、予防及び/又は治療の目的、疾患の種類、患者の体重や年齢、疾患の重篤度などの条件に応じて、適宜選択することが可能である。一般的には、経口投与における成人一日あたりの投与量は0.01〜1000mg(有効成分質量)程度であり、一日1回又は数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。該医薬を注射剤として用いる場合には、成人に対して一日量0.001〜100mg(有効成分質量)を連続投与又は間欠投与することが望ましい。
【0038】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。実施例中の化合物番号は、上記の表中の化合物番号に対応している。
実施例1:3−メチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(表1中化合物番号17)の合成
炭酸カリウム(208mg)のジメチルスルホキシド(4ml)及びN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の溶液に、2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(437mg)を加えた。反応混合物が透明な溶液になった後、0℃に冷却し、そこにヨウ化メチル(0.11ml)を加えた。得られた反応液を0℃で2時間攪拌した後、そこに水を加えた。生成した沈澱をろ過し、水洗した。得られた固体を乾燥し、酢酸エチルから再結晶して目的化合物(320mg)を得た。収率は70%であった。
融点:144 ℃
NMR (CDCl3,δ): 2.23 (m, 2H), 2.78-2.85 (m, 4H),3.50 (s, 3H), 6.86 (s,1H),7.21-7.33 (m, 5H),7.83(d, J = 6.1 Hz, 2H),8.72(d, J = 6.1 Hz, 2H).
【0039】
実施例1と同様の方法により、実施例2から5の化合物を製造した。以下、その化合物の物性値を記す。
実施例2:3−エチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(表1中化合物番号61)の合成
融点:111〜113℃
NMR (CDCl3,δ): 1.28 (t, J = 6.6 Hz, 3H), 2.27 (m, 2H), 2.80-2.86 (m, 4H),4.04 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 6.84 (s,1H),7.20-7.35 (m,5H),7.83 (dd, J = 4.5 Hz, 1.8 Hz, 2H),8.72 (dd, J = 4.5 Hz, 1.8 Hz, 2H).
【0040】
実施例3:2−(3−フェニルプロピル)−3−プロピル−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(表1中化合物番号62)の合成
融点:74〜75℃
NMR (CDCl3,δ): 0.94 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.67 (m, 2H), 2.25 (m, 2H), 2.78-2.85 (m, 4H), 3.90 (m, 2H), 6.84 (s,1H),7.21-7.35 (m,5H), 7.83 (dd, J = 4.5 Hz, 1.5 Hz, 2H),8.72 (dd, J = 4.5 Hz, 1.5 Hz, 2H).
【0041】
実施例4:3−ベンジル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(表1中化合物番号69)の合成
融点:86〜88℃
NMR (CDCl3,δ): 2.15 (m, 2H), 2.68-2.75 (m, 4H),5.26 (s, 2H), 6.95 (s,1H),7.05-7.15 (m,4H), 7.21-7.31 (m,6H),7.86 (dd, J = 4.5 Hz,1.5 Hz, 2H),8.72 (dd, J = 4.5 Hz, 1.5 Hz, 2H).
【0042】
実施例5:3−メチル−2−フェニル−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン(表1中化合物番号41)の合成
融点:181〜182℃
NMR (CDCl3,δ): 3.53 (s, 3H),6.98 (s,1H),7.74-7.63 (m,5H),7.85(dd, J = 4.6 Hz, 1.5 Hz, 2H),8.73(dd, J = 4.6 Hz, 1.5 Hz, 2H).
【0043】
試験例:ウシ脳TPK1によるP−GS1リン酸化に対する本発明の医薬の阻害作用
反応系として、100mM MES−水酸化ナトリウム(pH6.5)、1mM酢酸マグネシウム、0.5mM EGTA、5mM β−メルカプトエタノール、0.02% ツイン20、10% グリセロール、12μg/ml P−GS1、41.7μM[γ-32P]ATP(68kBq/ml)、ウシ脳TPK1、及び表に記載された化合物(被検化合物の溶液を10% DMSOの存在下で調製したことにより、最終の混合物は1.7% DMSOを含む)を含む混合物を用いた。ATP添加によりリン酸化反応を開始し、25℃で2時間反応させた後、氷上で21%過塩素酸を添加して反応を停止した。反応液を12,000rpmで5分間遠心し、P81ペーパー(Whatmann)に吸着させ、その後ペーパーを75mMリン酸で4回、水で3回、アセトンで1回洗浄した。ペーパーを乾燥して、残留した放射能を液体シンチレーションカウンターで測定した。実施例1〜5に記載した化合物番号(17)、(61)、(62)、(69)および(41)の5つの化合物のIC50値は、0.5μM〜10μMであった。被検化合物はTPK1によるP−GS1リン酸化を顕著に阻害した。この結果は、本発明の医薬がTPK1活性を阻害することによってAβの神経毒性及びPHFの形成を抑制すること、及び本発明の医薬がアルツハイマー病や上記疾患の予防及び/又は治療に有効であることをを強く示唆している。
【0044】
製剤例
(1) 錠剤
下記の成分を常法に従って混合し、慣用の装置により打錠した。
実施例1の化合物 30mg
結晶セルロース 60mg
コーンスターチ 100mg
乳 糖 200mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
【0045】
(2) 軟カプセル剤
下記の成分を常法に従って混合し、軟カプセルに充填した。
実施例1の化合物 30mg
オリーブ油 300mg
レシチン 20mg
【0046】
【発明の効果】
本発明の化合物はTPK1阻害活性を有しており、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)等のTPK1の異常亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。

Claims (12)

  1. 式(I):
    Figure 2005289808
    (式中、R1は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC6〜C14のアリール基を示し;R2は置換されていてもよいC1〜C18のアルキル基又は置換されていてもよいC7〜C20のアラルキル基を示す)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  2. 1が、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、C2〜C10のジアルキルアミノ基、または置換されていてもよいフェニル基で置換されているC1〜C18のアルキル基;または置換されていてもよいフェニル基である、請求項1に記載の3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  3. 2が、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、またはC2〜C10のジアルキルアミノ基で置換されていてもよいC1〜C10のアルキル基;または置換されていてもよいC7〜C20のアラルキル基である、請求項2に記載の3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  4. 1が、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、または置換されていてもよいフェニル基で置換されているC1〜C10のアルキル基である、請求項3に記載の3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  5. 2が、アミノ基、C1〜C5のモノアルキルアミノ基、またはC2〜C10のジアルキルアミノ基で置換されていてもよいC1〜C5のアルキル基;または置換されていてもよいベンジル基である、請求項4に記載の3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  6. 式(I)においてピリミジン環に結合するピリジル基が非置換の4−ピリジル基である請求項5に記載の3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  7. 3−メチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    3−エチル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    2−(3−フェニルプロピル)−3−プロピル−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    3−ベンジル−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    3−(3−アミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    3−(3−メチルアミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン、
    3−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−(3−フェニルプロピル)−6−(4−ピリジル)−3H−ピリミジン−4−オン
    からなる群より選ばれる3−置換−4−ピリミドン誘導体、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  8. 請求項1に記載の式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物からなる群より選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
  9. 請求項1に記載の式(I)で表される3−置換−4−ピリミドン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物からなる群より選ばれるタウプロテインキナーゼ1阻害剤。
  10. タウプロテインキナーゼ1の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための請求項8に記載の医薬。
  11. 神経変性疾患の予防及び/又は治療のための請求項8に記載の医薬。
  12. 該疾患が、アルツハイマー病、虚血性脳血管障害、ダウン症候群、脳アミロイドアンギオパチーによる脳出血、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアム・パーキンソン痴呆複合症、レビー小体病、ピック病、皮質底部変性及び前頭側頭性痴呆からなる群より選ばれる請求項11に記載の医薬。
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