JP2005288849A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

積層体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005288849A
JP2005288849A JP2004106436A JP2004106436A JP2005288849A JP 2005288849 A JP2005288849 A JP 2005288849A JP 2004106436 A JP2004106436 A JP 2004106436A JP 2004106436 A JP2004106436 A JP 2004106436A JP 2005288849 A JP2005288849 A JP 2005288849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactive group
substrates
modified
containing layer
modified filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004106436A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takahashi
敦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyodo Printing Co Ltd filed Critical Kyodo Printing Co Ltd
Priority to JP2004106436A priority Critical patent/JP2005288849A/ja
Publication of JP2005288849A publication Critical patent/JP2005288849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 油状物質や液晶等の流動性物質の性質に悪影響を与えることがなく、しかも基材間に接着性の悪い流動性物質を介在させて基材同士を実用上支障がない程度に強固に接着した積層体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 両基材20の反応性基含有層21を対向させて流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾物による反応性基修飾物含有層22を介在させた積層体であり、反応性基修飾フィラー16が基材20内面の反応性基含有層21と接触し、反応性基修飾微粒子16の反応性基と反応性基含有層21の反応性基とが作用して共有結合している積層体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶或いはオイル状物質等の流動性物質を基材間に介在させて積層した積層体及びその製造方法に関するものである。
図3は、液晶表示素子の一例を示す断面図である。この液晶表示素子は、透明電極層2と配向層3とが積層されたガラス板1を2枚用意し、ガラス板1の配向層3面にスペーサ5を分散させ、ガラス板1同士を対向させてエポキシ樹脂等によるシール剤4で接着した後、ガラス板1間に液晶6を注入し、偏向板7、検光板8、反射板9を配置して製作されている。スペーサ5は間隙を形成して液晶層の厚さを均一にするためのものであり、プラスチックボールやシリカ球が用いられ、液晶注入時にスペーサ5が移動して配向層表面を傷つけたり、ギャップムラが生じるおそれがある。スペーサ5としては、近年プラスチックボールが使用され、スペーサ5に弾力性を与えることにより、低温時の液晶とスペーサとの熱膨張の差により液晶が減圧状態となり、空隙などが生じて液晶表示に悪影響を与えるのを回避するようになされている。
また、液晶表示素子には、スペーサとしてガラス球と接着剤粒子とを用いるものがあり、図4(a),(b)を参照して説明する。図4(a)に示したように、基板10間にスペーサ14と接着剤粒子11とを配置した後、液晶を注入する前に、基板10間を加熱しながら接着剤粒子11を熱圧着し、基板10をスペーサ14に接触或いは近接するまで圧着して停止する。接着剤粒子11は楕円形に変形して所定温度で所定時間保持して接着剤粒子11を硬化させる(図4(b)参照)。その後、液晶が基板10間に注入される。接着剤粒子11は、ゴム粒子とエポキシ樹脂とを混合したコア材12に、コア材12を覆うようにシェル材13が設けられており、熱圧着後は接着剤粒子11が硬化して、液晶を汚染することがない。(例えば、特許文献1,2参照)
また、支持体上に電子供与性の通常無色乃至淡色のロイコ染料と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設け、熱ヘッドなどで加熱することにより、画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料がある。さらに、これらロイコ染料と顕色剤をマイクロカプセルに内包させて使用される場合もある。(例えば、特許文献3,4、非特許文献1参照)
特開平11−236546号公報(明細書段落〔0038〕〜〔0042〕,図面図2,図4) 特開昭11−326915号公報(明細書段落〔0077〕〜〔0081〕,図面図1) 第3484700号 第3263130号 高分子 47巻 7月号 472ページ
従来の液晶表示素子では、例えば特許文献1で説明したように、スペーサが基材間に液晶を注入するための間隙を形成し、シール剤が隙間を封じて2枚の基板を固定しており、スペーサは液晶を注入する間隙を形成するものであり、スペーサには2枚の基材を固定する機能はなかった。大型の液晶表示素子では、液晶表示素子の周囲を接着剤で封止して固定するのみでは、機械的強度を保つことができないので、特許文献2で説明したように、弾力性のある接着剤粒子とスペーサとを基板に接着した後、両基板を貼り合わせて圧着し、基板同士を接着剤粒子で接着し、基板間の間隙はスペーサで確保するようにしており、スペーサ自体に基板同士を強固に接着する機能はなかった。
例えば、特許文献3、非特許文献1の記録表示材料では、加熱時に発色成分が溶融状態となり、積層体としての体裁を保つ為には、バインダーとして高分子材料を用いて媒体を製作必要があった。もし、バインダーの削減または不使用で媒体の作製が可能になれば、発色層の薄膜化、または少量の発色成分での濃度表示が可能であり、作製工程の簡素化等の改善が図られる。また、特許文献4では発色成分をマイクロカプセル化することで、流動性がある物質を取り扱い容易な形態とすることで積層体の作製が可能であるが、マイクロカプセルを作製する手間が掛かるといった問題があった。
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであって、油状物質や液晶等の流動性物質の性質に悪影響を与えることがなく、しかも基材間に接着性の悪い流動性物質を介在させて基材同士を実用上支障がない程度に強固に接着できる積層体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を達成したものであり、請求項1の発明は、両基材に反応性基含有層を設け、両反応性基含有層を対向させた該基材間に流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有層を介在させた積層体であって、該反応性基修飾フィラーが前記反応性基含有層と接触し、該反応性基修飾フィラーの反応性基と該反応性基含有層の反応性基とが作用して共有結合していることを特徴とする積層体であり、反応性基修飾フィラーが、基材同士を強力に接着する機能を有している。
なお、基材は剛性を有する平板状でもよいが、可撓性を有するシート状或いはフィルム状が好ましいし、これらの基材の組み合わせによる積層体であってもよい。流動性物質は、油状物質、イオン性液体、液晶、ゲル化物質等の両基材の接着性が悪くする物質である。反応性基修飾フィラーの核(コア材)は、例えばガラス球,シリカ球、切断された円柱状のファイバーグラス又はプラスチックファイバー、ホイスカ或いはウィスカなどの繊維状物等が挙げられ、比較的硬質なものが好ましい。
また、請求項2の発明は、前記反応性基修飾フィラーが前記両基材の両反応性基含有層に僅かに嵌入してその界面部が共有結合していることを特徴とする請求項1に記載の積層体であり、反応性基修飾フィラーが概ね0.1μm以上から反応性基含有層の厚さの範囲で嵌入し、界面部(接触面)では、互いの反応性基が化学反応により共有結合し、反応性基修飾フィラーが両基材を強固に接着している。
また、請求項3の発明は、前記両基材間の前記反応性基修飾フィラーの直径と該両基材間の隙間とを略等しくして反応性基修飾フィラーをスペーサーとしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の積層体であり、反応性基修飾フィラーが、その反応性基と両基材の反応性基とが共有結合して両基材を強固に接着して両基材間の間隙を所定寸法に設定するスペーサとしたものであり、接着剤によるシール剤を配置することなく、両基材を強固に接着することができる。
また、請求項4の発明は、両基材に反応性基含有物を塗工し、その一方の基材の反応性基含有物塗工面上に流動性物質と該反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物を塗工し、該反応性基修飾含有物塗工面と他方の基材の反応性基含有塗工面とを向かい合わせて圧着し積層したことを特徴とする積層体の製造方法である。
また、請求項5の発明は、両基材に反応性基含有層を設け、両反応性基含有層を対向させた基材間に流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物からなる反応性基修飾含有物層を介在させた積層体の製造方法であって、
前記基材の片面に反応性基含有物を塗工した後、該塗工面に該反応性基修飾含有物を塗工し、かつ他の基材の片面に反応性基含有物を塗工した塗工面に、前記反応性基修飾含有物の塗工面に貼り合わせて圧着し、該反応性基修飾フィラーと前記基材の反応性基含有層との互いの反応性基を化学反応により共有結合させて積層体を製造したことを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項1の発明では、両基材の反応性基含有層を対向させて流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有層を介在させた積層体であり、該反応性基修飾フィラーが該基材の反応性基含有層と接触し、該反応性基修飾フィラーの反応性基が該反応性基含有層と作用して共有結合していることを特徴とする積層体であり、両基材の反応性基含有層が、反応性基修飾フィラーの表面の反応性基と化学反応により共有結合して両基材が強固に接着されているので、反応性基修飾フィラーの反応性基と、両基材の反応性基含有層の反応性基とが化学反応して共有結合し、両基材を強固に接着される利点がある。なお、反応性基修飾フィラーは、粒子状と繊維状とを分けて使用するが、粒子状のものと繊維状のものを混合して使用してもよい。また、液晶等の流動性物質にバインダ樹脂を混合して両基材の接着強度を高める必要がないので、例えば液晶では発色性に影響を与えることがない利点があり、基材間に介在させる流動性物質の性質を損なうおそらがない利点がある。また、接着のための樹脂を必要としないので材料コストを削減できる利点がある。なお、流動性物質は液晶に限定するものではなく、顔料を混合した流動性物質或いはオイル状物質、さらにはイオン性液状物質、熱可塑性樹脂等であってもよいし、例えば印刷インキ等も対象とした場合、反応性基修飾フィラーは印刷インキ自体の彩度を悪化させることがない利点がある。
また、請求項2の発明では、前記反応性基修飾フィラーが前記両基材の両反応性基含有層に僅かに嵌入してその界面部が共有結合していることを特徴とする請求項1に記載の積層体であるので、反応性基修飾フィラーの核が硬質であり、両基材を圧着する際に、反応性基修飾フィラーが両基材の反応性基含有層に僅かに嵌入して、基材の反応性基含有層の反応性基と反応性基修飾フィラーの反応性基とが化学反応により共有結合し、両基材の反応性基含有層と反応性基修飾微粒子とが強固に接着される利点がある。この積層体は、使用時に繰り返し湾曲させたり、直射日光下や湿潤な環境下に放置したとしても、これらの度合いが通常の使用環境条件内であれば簡単に基材が剥がれることがない利点がある。
また、請求項3の発明は、前記両基材間の前記反応性基修飾フィラーの直径と該両基材間の隙間とを略等しくして反応性基修飾フィラーをスペーサーとしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の積層体であり、反応性基修飾フィラーが、その反応性基と両基材の反応性基含有層の反応性基とが共有結合して両基材を強固に接着して両基材間の間隙を所定寸法に設定するスペーサとしたものであり、接着剤によるシール剤を配置することなく、両基材を強固に接着することができる。
また、請求項4の発明では、両基材に反応性基含有物を塗工し、その一方の基材の反応性基含有物塗工面上に流動性物質と該反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物を塗工し、該反応性基修飾含有物塗工面と他方の基材の反応性基含有物塗工面とを向かい合わせて圧着し積層したことを特徴とする積層体の製造方法であるので、このような積層体が既存の設備で容易に製造できるし、反応性基含有層と反応性基修飾フィラーの反応性基とが互いに共有結合して強固に接着される利点がある。
また、請求項5の発明では、両基材に反応性基含有層を設け、両反応性基含有層を対向させた基材間に流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物からなる反応性基修飾含有物層を介在させた積層体の製造方法であって、
前記基材の片面に反応性基含有物を塗工した後、該塗工面に該反応性基修飾含有物を塗工し、かつ他の基材の片面に反応性基含有物を塗工した塗工面に、前記反応性基修飾含有物の塗工面に貼り合わせて圧着し、該反応性基修飾フィラーと前記基材の反応性基含有層との互いの反応性基を化学反応により共有結合させて積層体を製造したことを特徴とする積層体の製造方法であるので、両基材の塗工面を向かい合わせて圧着することにより、反応性基修飾含有物の反応性基修飾フィラーが両基材の反応性基含有層に僅かに嵌入し、両者が接触した界面で反応性基を有する物質同士の化学反応により共有結合して、反応性基修飾フィラーにより両基材が、バインダー樹脂等を用いることなく、強固に接着できる利点があり、流動性物質の性能を損なうおそれが解消される。
以下、本発明に係る積層体及びその製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る積層体の一実施形態を示す断面図である。本実施形態の積層体は、シート状或いはフィルム状の基材20の片面に反応性基含有層21が形成されており、二枚の基材20の反応性基含有層21を対向させた両基材20間に、流動性物質15と反応性基修飾フィラー16とを混合した反応性基修飾含有層22を介在させてなる積層体である。反応性基修飾フィラー16は反応性基含有層21に僅かに嵌入し、反応性基修飾フィラーの表面の反応性基物19と基材20の反応性基含有層21との互いの反応性基が界面部17で化学反応により共有結合し、反応性基修飾フィラー16が両基材20を強固に接着した積層構造である。また、反応性基修飾フィラー16の反応性基含有層21への嵌入深さYを、0.1μm以上乃至反応性基含有層21の厚さ程度とすることによって、両基材20の接着強度を高めることができる。
基材20の反応性基含有層21は、例えば、イソシアネート基(−NCO)を有する反応性基含有物が用いられる。また、反応性基修飾フィラー16の反応性基は、例えばカルボキシル基(−C00H)が修飾された物が用いられる。反応性基含有層21のイソシアネート基は、反応性基修飾フィラー16のカルボキシル基とが化学反応により共有結合し、極めて強い接着強度を有する。なお、カルボキシル基の修飾とは物理的に付着或いは蒸着させたものや化学置換法等により付着させたものである。また、それ自体が反応性基を有するものである。
さらに、反応性基には、カルボキシル基とヒドロキシル基、カルボキシル基とアミノ基、アミノ基とエポキシ基、イソシアネート基とヒドロキシル基、イソシアネート基とアミノ基があり、さらに、ビニル基のような付加重合を起こす反応性基を有するもの同士、例えば、エチレン基、スチレン基、ブタジエン基、酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル基、アクリルアミド基、アクリルニトリル基、メタクリル酸メチル基などを有するモノマーなどがある。これらの付加重合を起こす反応性基を有する物質は、熱や光のエネルギーを加えラジカルを発生することで反応が起こる。この際に反応開始剤を加えることができる。開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸塩などがある。また、必要に応じて架橋剤とし、酸無水物、メラミン系化合物等を加えてもよい。さらに、反応に使う光としては、可視光、紫外光、電子線等を使うことができる。
流動性物質15は、液晶、油状物質、イオン性液体、ゲル状物質、熱可塑性樹脂、使用温度以下に融点、軟化点を有する物質、その他、流動パラフィン等など、通常基材間に層間物質として介在した場合、基材同士が容易に接着しない物質を対象としている。因みに、油状物質としてはシリコンオイル、ひまし油等であり、イオン性液体にはブチルピリジニウム系イオン化物、エチルメチルイミダゾリウム系イオン化物、ヘキシルトリメチルアンモニウム系イオン化物等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニール等種々のものがある。無論、顔料を混合した流動性物質、例えば印刷インキ等も対象としており、反応性基修飾微粒子は印刷インキ自体の発色性を悪化させることがない利点がある。
流動性物質15に混合される反応性基修飾フィラー16の核18は、例えば直径Xが0.1μm以上乃至50μm以下としたガラス球が用いられ、ガラス球の表面に反応性基を有する反応性基物19を付着させたものである。例えば、微粒子状の反応性基修飾フィラーの直径は、基材20の少なくとも一方が透明の場合、微粒子の直径が、0.1μm以上乃至50μm以下とし、基材20が透明の場合、微粒子の直径が30μm〜50μmの範囲を超えると目視で視認できるおそれがあり、好ましくは、30μm以下とする。従って、微粒子の直径は、好ましくは0.1μm以上乃至30μm以下とする。また、両方の基材20が不透明な場合、0.1μm以上乃至100μm以下とする。また、基材20間の層の厚さは最低0.1μm必要であるので、反応性基修飾フィラー16の直径の最低値をこの寸法に設定すればよい。
なお、反応性基修飾フィラー16の核18はガラス球に限定することなく、シリカ球、樹脂球等が用いられるし、さらに、ファイバーグラス或いはプラスチックファイバー等を切断した円柱状の切断片であってもよく、硬質なものが好ましい。樹脂球としてはポリメタクリル酸、メラミン、アクリルなどの縮合物などがある。また、核18自体が反応性基を有するものであってもよい。また、反応性基修飾フィラー16は、ホウ酸アルミニウムなどが繊維状に成長したホイスカ或いはウィスカを用いることができる。繊維状物等のフィラーは、例えば、その長手方向の寸法が1〜30μm、繊維径が0.1〜1.0μmのものが用いられる。無論、両方が不透明な基材であれば、繊維長が100μmのものまで可能である。なお、ガラス球又はシリカ球を用いることなく、微粒子状のホウ酸アルミニウムを用いてもよい。また、ホウ酸アルミニウム以外に炭化ケイ素等の材質によるフィラーであってもよい。なお、微粒子状の反応性基修飾フィラーであれば、基材間の隙間を均一にすることも可能であり、スペーサを兼ねることも可能である。
次に、上記実施形態の積層体の製造方法について、図1を参照して説明する。先ず、2枚のシート状の基材20と、反応性基含有層21を形成する反応性基含有物と、流動性物質と反応性基修飾フィラー16とを所定の割合で混合した反応性基修飾含有物とを用意する。一方の基材20の片面に上記反応性基含有物を塗工し、さらに反応性基含有物塗工面上に上記反応性基修飾含有物を塗工する。他方の基材20の片面に上記反応性基含有物を塗工し、この塗工面に、先に形成した反応性基修飾含有塗工面を貼り合わせて圧着し、この積層体を所定温度で所定時間保持する。反応性基修飾フィラー16の表面の反応性基物19と反応性基含有層21との互いの反応性基が化学反応により共有結合し、両基材20が反応性基修飾微粒子16により強固に接着されて基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体が形成される。この圧着工程において、反応性基修飾フィラー16は、両面の基材20の反応性基含有層21に僅かに嵌入し、その界面部17では、反応性基含有層21と反応性基修飾含有層22の互いの反応性基が共有結合し、基材20同士が一層強固に接着される。その嵌入深さYは0.1μm以上であり、反応性基含有層21の厚さの範囲内である。
以下、本発明の実施例について図1を参照して説明する。
(実施例1)
(1)基材20として、透明なポリエチレンテレフタレート・フィルム(以下、PETフィルムと略記する)を用意し、直径Xが概ね4μmのアクリル球にカルボキシル基含有物を付着させて修飾した反応性基修飾フィラー16を用意し、コレステリック液晶化合物(例えば、コレステリルオレイルカルボネート)に反応性基修飾フィラー16を所定重量%の割合を混合して反応性基修飾フィラー含有液晶の反応性基修飾物を作製する。
(2)一方のPETフィルムのコロナ処理した表面に、反応性基含有層21を形成すべく、スピンコーターによりイソシアネート基を含む2液性接着剤を2μmの厚さに塗工する。
(3)このPETフィルムの塗工面上に、反応性基修飾含有層22を形成すべく、スピンコーターにより反応性基修飾フィラー含有液晶である上記反応性基修飾物を厚さ3.5μmとなるように塗工する。
(4)別のPETフィルムのコロナ処理した表面に、反応性基含有層21を形成すべく、スピンコーターによりイニシアネート基を含む2液性接着剤である反応性基含有物を2μmの厚さに塗工し、先にPETフィルムに反応性基修飾フィラーを含有する反応性基修飾物の塗工面に、反応性基含有物の塗工面に貼り合わせて、両基材20を圧着して積層構造とする。この圧着に際し、反応性基修飾フィラー16が反応性基含有層21に0.1μm程度嵌入するように圧力を加える。
(5)この積層構造のものを60℃の温度に維持し、一晩エージングし、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。
この実施例の反応性基修飾フィラー16は、アクリル粒子の表面にカルボキシル基が露出するように修飾したものであり、記憶表示素子として利用する場合、核18の重量にも依存するが、反応性基修飾フィラー16とコレステリック液晶化合物との混合比(重量%)は、アクリル粒子の場合、概ね1:50である。また、反応性基修飾フィラー16のカルボキシル基の修飾方法は、末端にカルボキシル基をもつ化合物をアクリル粒子に定着させたものである。無論、反応性基修飾フィラー16自体が、反応性基を有する微粒子であってもよい。
反応性基修飾フィラー16のカルボキシル基(−COOH)は、基材20に塗工された反応性基含有層21のイニシアネート基(−NCO)と化学反応して、界面部17が下記反応式で示したように共有結合している。
Figure 2005288849
なお、比較例として、二枚のPETフィルムに反応性基修飾フィラー16を除いたコレステリック液晶化合物を上記と同様の条件でラミネートして積層体を作製したが、PETフィルム同士は接着しておらず簡単に剥がれた。本発明における実施例の積層体は、反応性基修飾微粒子16による効果を確認した。
(実施例2)
実施例2は、基材20である黒色PETフィルムの黒色塗工面をコロナ処理し、この処理面にイソシアネート基を含む2液性接着剤の混合物を2μmの厚さでロールコーターで塗工し、さらにその層の上に粒径4μmのカルボキシル基修飾微粒子を混合したコレステリック液晶化合物(例えば、コレステリルオレイルカルボネート)を厚さ3.5μmとなるようにロールコートし、他の基材20である透明PETフィルムのコロナ処理面にポリオール系樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を2μmの厚さにロールコートし、互いの塗工面を向かい合わせて圧着し積層し、60℃で一晩エージングを行い、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。
(実施例3)
実施例3は、基材20である白色PETフィルムの白色塗工面をコロナ処理し、この処理面にイソシアネート基を含む2液性接着剤の混合物を2μmの厚さでグラビアコートし、さらにその塗工面上にロイコ染料、顕減色剤、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、及び粒径2.5μmのヒドロキシル基修飾シリカ球との混合物を厚さ2μmの厚さにグラビアコートし、他の基材20である透明PETフィルムのコロナ処理面にポリオール系樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を1μmの厚さにグラビアコートし、互いの塗工面を向かい合わせて熱を加えながら圧着して積層し、60℃で一晩エージングを行い、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。この積層体は、両基材20であるPETフィルムが強固に接着されて、サーマルヘッドを用いた印画にも耐え得るものであった。
(実施例4)
実施例4は、基材20である白色PETフィルムの白色塗工面をコロナ処理し、この処理面にイソシアネート基を含む2液性接着剤の混合物を5μmの厚さでナイフコーターで塗工し、さらにその塗工面の上に軟化点が80℃のポリエチレンに、粒径15μmのアミノ基修飾ガラス球を混合した混合物を厚さ13μmの厚さにナイフコートし、他の基材20である透明PETフィルムのコロナ処理面にポリオール系樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を5μmの厚さにナイフコートし、互いの塗工面を向かい合わせて圧着し積層し、60℃で一晩エージングを行い、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。この積層体は、ポリエチレンの軟化点温度以上の90℃に加熱した場合にも強固に接着した。
(実施例5)
実施例5は、基材20である白色PETフィルムの白色塗工面をコロナ処理し、この処理面にイソシアネート基を含む2液性接着剤の混合物を1μmの厚さでスピンコーターで塗工し、さらにその塗工面の上にシリコングリスと、表面にアミノ基を修飾したホウ酸アルミニウムのフィラーとを混合した混合物を3μmの厚さにスピンコートした。このフィラーは繊維状のホイスカ或いはウイスカと称せられるもので、繊維長が5μm、繊維径0.5μmのものである。他の基材20である白色PETフィルムのコロナ処理面には、ポリオール系樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を1μmの厚さにスピンコートした。両基材20の互いの塗工面を向かい合わせて圧着し積層し、60℃で一晩エージングを行って、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。
(実施例6)
実施例6は、基材20である白色PETフィルムの白色塗工面をコロナ処理し、この処理面にポリメタクリル酸系樹脂を1μmの厚さでスピンコーターで塗工し、さらにその層の上にイオン性液体であるヘキシルトリメチルアンモニウム塩と、表面をメタクリル酸基で修飾した粒径3μmのシリカ粒子、光重合開始剤であるアゾ系化合物の混合を2μmの厚さにスピンコートした。他の基材20である透明PETフィルムのコロナ処理面には、ポリメタクリル酸系樹脂を1μmの厚さにスピンコートした。両基材20の互いの塗工面を向かい合わせて圧着し積層し、基材20の透明PETフィルム面から紫外線を照射して、基材20/反応性基含有層21/反応性基修飾含有層22/反応性基含有層21/基材20からなる積層体を作製した。
上記実施例2〜6において、反応性基を修飾した微粒子、シリカ球、ガラス球、アクリル球、及びフィラーは、その反応性基が基材20に形成された反応性基含有層21の反応性基と共有結合して強固に接着しており、圧着時にこれら微粒子等は、反応性基含有層21に僅かに嵌入し、両基材20を一層強固に接着している。なお、フィラーと微粒子等を混在させたものであってもよい。また、比較例としては、上記実施例において、反応性基を修飾した微粒子、シリカ球等を用いないで積層体を作製したが、何れも両基材が接着しておらず、簡単に剥がれてしまい実用に耐え得るものではなかった。
次に、本実施例における積層体の量産時の概略の製造工程について、図1及び図2を参照して説明する。先ず、無処理のPETフィルム(基材20)が巻き取られたロール23,24を用意し、イソシアネート基を含む2液性接着剤の混合物Gを用意し、さらに、反応性基修飾微粒子16とコレステリック液晶化合物(流動性物質)15とを混合した反応性基修飾含有物Aを用意する。
ロール23,24を所定位置にセットし、ロール23から引き出されたPETフィルムの裏面に反応性基含有層21を形成すべく混合物Gを所定厚さにグラビアロール及びバックアップローラ27によりグラビアコートし、ロール24からPETフィルムを引き出してその表面にナイフコータ26により混合物Gを所定厚さにナイフコートし、さらにナイフコータ26により反応性基修飾含有物Aをナイフコートして、それぞれの塗工面を向かい合わせて一対の加圧ローラ28a,28bによる加圧ローラ28に送り込まれて積層されてロール29として巻き取り、概ね40℃でエージングして積層体を製造する。このとき、反応性基修飾含有物A中の反応性基修飾フィラー16が、基材20の反応性基含有層20に嵌入した界面部17において、反応性基修飾フィラー16の接着性物質の反応性基と反応性基含有層21とが化学反応して共有結合し、反応性基修飾フィラー16によって、基材20同士が強固に接着される。
なお、上記において、反応性基修飾含有物Aをナイフコータにより塗工する例を示したが、用途或いは生産量等に応じてグラビアコート等種々の方法に変えることができることは明らかである。また、グラビアコートの場合、同一塗工面に反応性基修飾微粒子と反応性基修飾繊維状のフィラーを区別して用いて反応性基修飾層を形成してもよいし、同一塗工面に微粒子の大きさを変えたものを塗工してもよいし、さらには、反応性基修飾微粒子と反応性基修飾繊維状フィラーとを混合して使用してもよい。
本発明の積層体は、書き換え可能な記憶表示材料として利用できることは元より、画像表示素子、温度センサ、圧力センサ等の種々用途に利用できるし、印刷工程に組み込んで温度変化による発色の変化を意匠として利用したり、潜像画像として利用した印刷物にも利用可能である。
本発明の積層体の一実施形態を示す断面図である。 本実施形態の一製造方法を説明する概略工程図である。 液晶表示素子の一例を示す断面図である。 (a),(b)は、従来の液晶表示素子を組み立てる際の間隙を形成する方法を説明する断面図である。
符号の説明
15 液晶等の流動性物質
16 反応性基修飾フィラー
17 界面部
18 核(繊維状物)
19 反応性基物
20 基材
21 反応性基含有層
22 反応性基修飾物含有層

Claims (5)

  1. 両基材に反応性基含有層を設け、両反応性基含有層を対向させた該基材間に流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有層を介在させた積層体であって、該反応性基修飾フィラーが前記反応性基含有層と接触し、該反応性基修飾フィラーの反応性基と該反応性基含有層の反応性基とが作用して共有結合していることを特徴とする積層体。
  2. 前記反応性基修飾フィラーが前記両基材の両反応性基含有層に僅かに嵌入してその界面部が共有結合していることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記両基材間の前記反応性基修飾フィラーの直径と該両基材間の隙間とを等しくして反応性基修飾フィラーをスペーサーとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 両基材に反応性基含有物を塗工し、その一方の基材の反応性基含有物塗工面上に流動性物質と該反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物を塗工し、該反応性基修飾含有物塗工面と他方の基材の反応性基含有物塗工面とを向かい合わせて圧着し積層したことを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 両基材に反応性基含有層を設け、両反応性基含有層を対向させた基材間に流動性物質と反応性基修飾フィラーとを混合した反応性基修飾含有物からなる反応性基修飾含有物層を介在させた積層体の製造方法であって、
    前記基材の片面に反応性基含有物を塗工した後、該塗工面に該反応性基修飾含有物を塗工し、かつ他の基材の片面に反応性基含有物を塗工した塗工面に、前記反応性基修飾含有物の塗工面に貼り合わせて圧着し、該反応性基修飾フィラーと前記基材の反応性基含有層との互いの反応性基を化学反応により共有結合させて積層体を製造したことを特徴とする積層体の製造方法。
JP2004106436A 2004-03-31 2004-03-31 積層体及びその製造方法 Pending JP2005288849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106436A JP2005288849A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 積層体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106436A JP2005288849A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 積層体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005288849A true JP2005288849A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35322348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004106436A Pending JP2005288849A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 積層体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005288849A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106170523B (zh) 触摸屏面板用双面胶带及其制备方法
TW574538B (en) Compositions and processes for format flexible roll-to-roll manufacturing of electrophoretic displays
JP4943860B2 (ja) 電子光学ディスプレイを密閉するためのプロセス
JP5563588B2 (ja) 剥離シート付両面粘着剤シート
US9856404B2 (en) Self-heating sealant or adhesive employing multi-compartment microcapsules
CN103930942B (zh) 具有粘接剂层的图像显示装置用单元及使用了该单元的图像显示装置
US9896389B2 (en) Heat-generating multi-compartment microcapsules
US20140322522A1 (en) B-stageable silicone adhesives
TWI644794B (zh) Method for manufacturing double-sided adhesive sheet for image display device
KR102156002B1 (ko) 양면 점착 테이프 및 그 제조 방법
JP2807510B2 (ja) 転写シート及び液晶表示素子の製造方法
TW201716246A (zh) 基板貼合法及使用該方法製備的產品
EP3845957A1 (en) Light control device and method for producing light control device
JPH11116903A (ja) 光硬化型粘接着シート
JP6259177B2 (ja) 異方性導電フィルムの接着方法
WO2020037543A1 (zh) 光学胶及其制备方法、显示面板
JP2007271673A (ja) 光拡散フィルムの製造方法
JP2005288849A (ja) 積層体及びその製造方法
JP2009299007A (ja) 接着剤組成物
JPH02193154A (ja) 立体画像用シート
KR101126065B1 (ko) 이방전도성필름의 압착에 사용되는 완충시트 및 이의 제조방법
JPH10301115A (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
TWI276537B (en) Supporting sheet for micro-capsules and method for manufacturing the same
JP2000193987A (ja) 液晶表示パネルのシ―ル形成方法
TW583476B (en) Display device and fabrication method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027