JP2005288640A - 難削材の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する超硬合金製エンドミル - Google Patents
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Abstract
【課題】難削材の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する炭化タングステン基超硬合金製エンドミルを提供する。
【解決手段】炭化タングステン基超硬合金製エンドミルが、切刃部とシャンク部からなり、少なくとも前記切刃部を、炭化タングステン基超硬合金層と窒化クロム層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記炭化タングステン基超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記窒化クロム層の平均層厚を0.05〜1.5mmとしてなる。
【選択図】図1
【解決手段】炭化タングステン基超硬合金製エンドミルが、切刃部とシャンク部からなり、少なくとも前記切刃部を、炭化タングステン基超硬合金層と窒化クロム層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記炭化タングステン基超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記窒化クロム層の平均層厚を0.05〜1.5mmとしてなる。
【選択図】図1
Description
この発明は、被削材および切粉に対する表面潤滑性にすぐれ、したがって、特にステンレス鋼や軟鋼などのきわめて粘性が高く、かつ切粉が切刃表面に溶着し易い難削材などの高熱発生を伴う高速切削加工に用いた場合にも、切刃に対する前記被削材および切粉の高い溶着性が原因のチッピング(微小欠け)などの発生がなく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮する炭化タングステン基超硬合金製エンドミル(以下、超硬エンドミルという)に関するものである。
一般に、各種の鋼や鋳鉄などの被削材の面削加工や溝加工、さらに肩加工などに、例えば図2(a)に概略正面図、同(b)に切刃部の概略横断面図で示される超硬エンドミルが用いられ、この超硬エンドミルが、切刃部とシャンク部からなり、前記切刃部が図示されるスクエア形状のものや、前記切刃部の先端部がボール形状を有するもの、また切刃部がルーター形状を有するものなどが知られている。
近年の切削加工装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化の傾向にあるが、上記の従来超硬エンドミルにおいては、これを鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はないが、特にきわめて粘性の高いステンレス鋼や軟鋼などの難削材を高い発熱を伴う高速切削条件で切削加工した場合には、高速切削によって加熱された被削材および切粉は、超硬エンドミルに対する親和性が高いために、特に切粉は切刃表面に溶着し易く、この溶着現象は切削加工が高速化すればするほど顕著に現れるようになり、この溶着現象が原因で切刃部にチッピングが発生し易くなり、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、特にステンレス鋼や軟鋼など難削材の高速切削加工に用いた場合にも、切刃表面に対する切粉溶着性が小さく、すぐれた耐摩耗性を発揮する超硬エンドミルを開発すべく、研究を行った結果、
切刃部とシャンク部からなる超硬エンドミルにおいて、図1に切刃部を長さ方向中心線を含む面で切り欠いた概略正面図で例示される通り、少なくとも前記切刃部を、炭化タングステン基超硬合金層(以下、超硬合金層という)と窒化クロム(以下、CrNで示す)層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、外周刃における各層の切削位置が定点位置に固定しない、すなわち各層の切削位置を常に長さ方向上下に所定の振幅で繰り返し移動させて、外周刃の長さ方向の局部的摩耗進行を防止する目的で、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記CrN層の平均層厚を0.05〜1.5mmとした構造をもつものとすると、この結果の超硬エンドミルは、潤滑性を有するCrN層によって切刃表面にはすぐれた潤滑性が確保されることから、特にステンレス鋼や軟鋼などの粘性の高い難削材の切削でも被削材および切粉の切刃に対する溶着現象が著しく抑制され、外周刃にチッピングの発生なく、前記超硬合金層による切削がスムースに行われるようになり、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになる、という研究結果を得たのである。
切刃部とシャンク部からなる超硬エンドミルにおいて、図1に切刃部を長さ方向中心線を含む面で切り欠いた概略正面図で例示される通り、少なくとも前記切刃部を、炭化タングステン基超硬合金層(以下、超硬合金層という)と窒化クロム(以下、CrNで示す)層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、外周刃における各層の切削位置が定点位置に固定しない、すなわち各層の切削位置を常に長さ方向上下に所定の振幅で繰り返し移動させて、外周刃の長さ方向の局部的摩耗進行を防止する目的で、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記CrN層の平均層厚を0.05〜1.5mmとした構造をもつものとすると、この結果の超硬エンドミルは、潤滑性を有するCrN層によって切刃表面にはすぐれた潤滑性が確保されることから、特にステンレス鋼や軟鋼などの粘性の高い難削材の切削でも被削材および切粉の切刃に対する溶着現象が著しく抑制され、外周刃にチッピングの発生なく、前記超硬合金層による切削がスムースに行われるようになり、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになる、という研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、切刃部とシャンク部からなり、少なくとも前記切刃部を、超硬合金層とCrN層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記CrN層の平均層厚を0.05〜1.5mmとした構造としてなる、難削材の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する超硬エンドミルに特徴を有するものである。
なお、この発明の超硬エンドミルの交互積層構造の傾斜角を5〜35度としたのは、その傾斜角が5度未満では切削時の各層の切削位置の上下移動の振幅が小さ過ぎて、硬度差のある超硬合金層とCrN層の間に摩耗の不均一が生じ、寸法精度および切削面粗さの低下をもたらし、使用寿命短命化の原因となり、一方その傾斜角が35度を越えると、外周刃の回転方向の強度が急激に低下し、チッピングが発生し易くなる、という理由からである。
また、上記交互積層構造の超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mmとしたのは、その平均層厚が0.2mm未満では、切刃部の摩耗進行が速く、所定の耐摩耗性を確保することができず、一方その平均層厚が6mmを越えると、CrN層による表面潤滑性向上効果が十分に機能しなくなり、切粉の切刃面への溶着現象が見られるようになり、ステンレス鋼や軟鋼などの難削材の高速切削加工では切刃にチッピングが発生するようになる、という理由によるものである。
さらに、同CrN層の平均層厚を0.05〜1.5mmとしたのは、その平均層厚が0.05mm未満では、所望のすぐれた表面潤滑性を確保することができず、一方その平均層厚が1.5mmを越えると、摩耗進行が急速に加速するようになる、という理由によるものである。
また、上記交互積層構造の超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mmとしたのは、その平均層厚が0.2mm未満では、切刃部の摩耗進行が速く、所定の耐摩耗性を確保することができず、一方その平均層厚が6mmを越えると、CrN層による表面潤滑性向上効果が十分に機能しなくなり、切粉の切刃面への溶着現象が見られるようになり、ステンレス鋼や軟鋼などの難削材の高速切削加工では切刃にチッピングが発生するようになる、という理由によるものである。
さらに、同CrN層の平均層厚を0.05〜1.5mmとしたのは、その平均層厚が0.05mm未満では、所望のすぐれた表面潤滑性を確保することができず、一方その平均層厚が1.5mmを越えると、摩耗進行が急速に加速するようになる、という理由によるものである。
また、この発明の超硬エンドミルの交互積層構造の超硬合金層は、
(a)原料粉末として、炭化タングステン(以下、WCで示す)粉末、炭化クロム(以下、Cr3C2で示す)粉末、炭化バナジウム(以下、VCで示す)粉末、およびCo粉末を用いて、配合組成を、質量%で(以下、%は質量%を示す)、
Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、
VC:0.1〜2%、
WC:残り、
としてなる圧粉体の焼結体、
(b)上記(a)で示した原料粉末に加えて、さらに原料粉末として、炭化チタン(以下、TiCで示す)粉末、炭化ニオブ(以下、NbCで示す)粉末、炭化タンタル(以下、TaCで示す)粉末、NbとTaの複合炭化物[以下、(Nb,Ta)Cで示す]粉末、およびTiとWの複合炭化物[以下、(Ti,W)Cで示す]粉末を用いて、配合組成を、
Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、
VC:0.1〜2%、
TiC、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、
WC:残り、
としてなる圧粉体の焼結体、
で構成するのが望ましく、この場合上記(a)の焼結体では、これを構成する結合相が、焼結時にCo中にCr3C2およびVCが固溶し、さらにCr3C2の固溶によって硬質相を形成するWCの一部の固溶も促進されることから、Co−Cr−V−W系合金で構成されるようになり、このCo−Cr−V−W系合金はすぐれた高温強度をもつことから、焼結体の高温強度が向上するようになり、さらに上記(b)の焼結体では、硬質相として存在する上記TiC、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,W)Cの作用で相対的に高い高温硬さをもつようになるので、耐摩耗性が向上するようになること。
(a)原料粉末として、炭化タングステン(以下、WCで示す)粉末、炭化クロム(以下、Cr3C2で示す)粉末、炭化バナジウム(以下、VCで示す)粉末、およびCo粉末を用いて、配合組成を、質量%で(以下、%は質量%を示す)、
Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、
VC:0.1〜2%、
WC:残り、
としてなる圧粉体の焼結体、
(b)上記(a)で示した原料粉末に加えて、さらに原料粉末として、炭化チタン(以下、TiCで示す)粉末、炭化ニオブ(以下、NbCで示す)粉末、炭化タンタル(以下、TaCで示す)粉末、NbとTaの複合炭化物[以下、(Nb,Ta)Cで示す]粉末、およびTiとWの複合炭化物[以下、(Ti,W)Cで示す]粉末を用いて、配合組成を、
Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、
VC:0.1〜2%、
TiC、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、
WC:残り、
としてなる圧粉体の焼結体、
で構成するのが望ましく、この場合上記(a)の焼結体では、これを構成する結合相が、焼結時にCo中にCr3C2およびVCが固溶し、さらにCr3C2の固溶によって硬質相を形成するWCの一部の固溶も促進されることから、Co−Cr−V−W系合金で構成されるようになり、このCo−Cr−V−W系合金はすぐれた高温強度をもつことから、焼結体の高温強度が向上するようになり、さらに上記(b)の焼結体では、硬質相として存在する上記TiC、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,W)Cの作用で相対的に高い高温硬さをもつようになるので、耐摩耗性が向上するようになること。
少なくとも前記切刃部を、超硬合金層とCrN層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、超硬エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させた構造を有する本発明超硬エンドミルは、いずれもステンレス鋼や軟鋼などの難削材の切削加工を高い発熱を伴う高速で行っても、前記超硬合金層がすぐれた耐摩耗性を発揮すると共に、前記CrN層が高温加熱の切粉との溶着性を著しく低減するように作用し、切刃は常にすぐれた表面潤滑性を維持することから、切刃への切粉溶着が原因のチッピングが切刃に発生することがなく、すぐれた耐摩耗性を発揮するものである。
つぎに、この発明の超硬エンドミルを実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同0.8μmの微粒WC粉末、同2.3μmのCr3C2粉末、同1.2μmのVC粉末、同1.5μmのTiC粉末、同1.3μmのTaC粉末、同1.2μmのNbC粉末、同1.0μmの(Ta,Nb)C[質量比で、TaC/NbC=90/10]粉末、同1.0μmの(Ti,W)C[質量比で、TiC/WC=70/30]粉末、おとび同1.8μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥することにより、本発明超硬エンドミルの交互積層構造を構成する超硬合金層形成用および比較超硬エンドミル形成用の混合粉末a〜lを調整した。また、別途平均粒径:1.6μmのCrN粉末も用意した。
ついで、これら混合粉末a〜lのそれぞれとCrN粉末とを金型に交互に所定の厚さで積層充填した後、100MPaの圧力でプレス成形して長尺状圧粉体とし、この長尺状圧粉体の上下面を所定の角度で研削除去して平行研削面とし、さらに前記平行研削面を基準にして研削加工を行って、前記混合粉末a〜lのそれぞれとCrN粉末の交互積層構造を長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度の範囲内の所定角度傾斜させた円柱状圧粉体とし、これを1.3×102〜1.3×104Paの窒素雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1400〜1500℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の超硬エンドミル形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、表2に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×22mm、および20mm×45mmの寸法、並びにいずれもねじれ角30度の4枚刃スクエア形状をもった本発明超硬エンドミル1〜12をそれぞれ製造した。
この結果得られた本発明超硬エンドミル1〜12について、切刃部の中心線を含む長さ方向断面を光学顕微鏡を用いて観察し、交互積層構造における超硬合金層およびCrN層の厚さ(5ヶ所の平均値)、並びに交互積層構造の傾斜角(5ヶ所の平均値)を測定したところ、同じく表2に示される結果を示した。
ついで、これら混合粉末a〜lのそれぞれとCrN粉末とを金型に交互に所定の厚さで積層充填した後、100MPaの圧力でプレス成形して長尺状圧粉体とし、この長尺状圧粉体の上下面を所定の角度で研削除去して平行研削面とし、さらに前記平行研削面を基準にして研削加工を行って、前記混合粉末a〜lのそれぞれとCrN粉末の交互積層構造を長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度の範囲内の所定角度傾斜させた円柱状圧粉体とし、これを1.3×102〜1.3×104Paの窒素雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1400〜1500℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の超硬エンドミル形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、表2に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×22mm、および20mm×45mmの寸法、並びにいずれもねじれ角30度の4枚刃スクエア形状をもった本発明超硬エンドミル1〜12をそれぞれ製造した。
この結果得られた本発明超硬エンドミル1〜12について、切刃部の中心線を含む長さ方向断面を光学顕微鏡を用いて観察し、交互積層構造における超硬合金層およびCrN層の厚さ(5ヶ所の平均値)、並びに交互積層構造の傾斜角(5ヶ所の平均値)を測定したところ、同じく表2に示される結果を示した。
さらに、比較の目的で、表3に示される通り、上記の混合粉末a〜lだけを用い、これをそれぞれ100MPaの圧力でプレス成形して長尺状圧粉体とし、これを1.3×102〜1.3×104Paの窒素雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1400〜1500℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の超硬エンドミル形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、同じく表3に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×22mm、および20mm×45mmの寸法、並びにいずれもねじれ角30度の4枚刃スクエア形状をもった比較超硬エンドミル1〜12をそれぞれ製造した。
つぎに、上記本発明超硬エンドミル1〜12および比較エンドミル1〜12のうち、本発明超硬エンドミル1〜4および比較エンドミル1〜4については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304の板材、
切削速度:120m/min.、
送り:0.03mm/刃、
軸方向の切り込み:3mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は50m/min.)、本発明超硬エンドミル5〜8および比較エンドミル5〜8については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S10Cの板材、
切削速度:300m/min.、
送り:0.05mm/刃、
軸方向の切り込み:5mm、
の条件での軟鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は100m/min.)、本発明超硬エンドミル9〜12および比較エンドミル9〜12については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS316の板材、
切削速度:150m/min.、
送り:0.04mm/刃、
軸方向の切り込み:10mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は50m/min.)をそれぞれ行い、いずれの溝切削加工試験(水溶性切削油使用)でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表2,3にそれぞれ示した。
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304の板材、
切削速度:120m/min.、
送り:0.03mm/刃、
軸方向の切り込み:3mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は50m/min.)、本発明超硬エンドミル5〜8および比較エンドミル5〜8については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S10Cの板材、
切削速度:300m/min.、
送り:0.05mm/刃、
軸方向の切り込み:5mm、
の条件での軟鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は100m/min.)、本発明超硬エンドミル9〜12および比較エンドミル9〜12については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS316の板材、
切削速度:150m/min.、
送り:0.04mm/刃、
軸方向の切り込み:10mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は50m/min.)をそれぞれ行い、いずれの溝切削加工試験(水溶性切削油使用)でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表2,3にそれぞれ示した。
表2,3に示される結果から、本発明超硬エンドミル1〜12は、いずれもステンレス鋼や軟鋼の切削加工を高い発熱を伴う高速で行っても、切刃部の交互積層構造における超硬合金層によって高温硬さと高温強度が確保され、さらに同CrN層によって高温加熱の切粉との溶着が著しく抑制され、切刃は常にすぐれた表面潤滑性を維持し、切刃への切粉溶着が原因のチッピングが切刃に発生することがなくなることから、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するのに対して、切刃部が超硬合金で構成された比較超硬エンドミル1〜12においては、粘性の高いステンレス鋼や軟鋼の高熱発生を伴う高速切削加工では切刃に対する切粉の親和性がきわめて高い状態になることから、切刃の摩耗進行が速く、かつチッピングも発生するようになって、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の超硬エンドミルは、各種の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に粘性が高く、切粉が切刃表面に溶着し易いステンレス鋼や軟鋼などの難削材の高速切削加工でも、切粉に対してすぐれた表面潤滑性を保持した状態で、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するものであるから、切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
上述のように、この発明の超硬エンドミルは、各種の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に粘性が高く、切粉が切刃表面に溶着し易いステンレス鋼や軟鋼などの難削材の高速切削加工でも、切粉に対してすぐれた表面潤滑性を保持した状態で、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するものであるから、切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
Claims (1)
- 切刃部とシャンク部からなり、少なくとも前記切刃部を、炭化タングステン基超硬合金層と窒化クロム層の交互積層構造とすると共に、前記交互積層構造を、エンドミルの長さ方向中心線を法線とした平面に対して5〜35度傾斜させ、かつ、前記炭化タングステン基超硬合金層の平均層厚を0.2〜6mm、前記窒化クロム層の平均層厚を0.05〜1.5mmとした構造としてなる、難削材の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する炭化タングステン基超硬合金製エンドミル。
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---|---|---|---|---|
JP2011110619A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Nagasaki Prefecture | ドライアイスガスとミストの混合ガスを用いたステンレス鋼のエンドミル切削加工法 |
CN103028769A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-04-10 | 大连瑞谷科技有限公司 | 用于奇数方形兜孔保持架成型铣刀 |
US20160263665A1 (en) * | 2015-03-11 | 2016-09-15 | Kennametal lnc. | Composite blanks and tooling for cutting applications |
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2004
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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