JP2005288491A - 熱延鋼帯製造設備又は帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法 - Google Patents

熱延鋼帯製造設備又は帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ランナウトテーブルに対する熱延鋼帯の通板安定化手段の設置範囲を、実際の熱延鋼帯製造設備の鋼帯通板状況に応じて適切に決定し、同設備に設置する。
【解決手段】 通板安定化手段を設けるべきランナウトテーブル長手方向での範囲を、試験装置による模擬試験に基づき決定し、該範囲に通板安定化手段を設置する方法であって、模擬試験においては、特定のパラメータα、βの値が前記熱間圧延設備での実操業条件におけるパラメータ値と一致するような試験条件で、熱延鋼帯が前記ランナウトテーブル上を走行する際の通板状態を力学的に模擬する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ランナウトテーブルを備えた熱延鋼帯の製造設備において、熱帯鋼帯をランナウトテーブル上で安定通板させるための通板安定化手段の設置方法、及びテーブルロール式の帯状体搬送設備において、帯状体を搬送設備上で安定通板させるための通板安定化手段の設置方法に関するものである。
一般の熱間圧延ライン(熱延鋼帯製造設備)では、熱間圧延機群で圧延された熱延鋼帯をランナウトテーブルで搬送した後、コイラーで巻き取っている。ランナウトテーブルは、複数のテーブルロールで構成される鋼帯搬送装置である。
図1は、ランナウトテーブル1上での熱延鋼帯3の通板状況を示している。熱延鋼帯の先端部がランナウトテーブル1上を通過する際には、鋼帯は張力のない非定常的で不安定な状態で通板する。このため図1(a)に示すように先端部が浮き上がるバウンド3が発生し、最終的には、図1(b)に示すように鋼帯先端部が手前に折れ曲がる頭折れ4が発生する。また、同じく熱延鋼帯がランナウトテーブル1上を通過する際、テーブル下流側の鋼帯部分の通板速度がテーブル上流側の鋼帯部分の通板速度よりも遅くなった時には、図1(c)に示すようなループ5が発生し、最終的には、図1(d)に示すようにループ5を生じた鋼帯部分が手前に折れ曲がる腰折れ6が発生する。
以上のようにランナウトテーブル1上を通板中の熱延鋼帯に不安定現象が発生する理由は、熱延鋼帯が無張力の不安定な状態で通板することの他に、近年、熱延鋼帯の薄板化が進んでいることが挙げられる。また、このような熱延鋼帯の通板の不安定現象の発生は確率的なものであり、いつどの箇所で発生するのか、その特定は非常に難しい。
ランナウトテーブル上を通板中の熱延鋼帯に、図1に示すようなバウンド3や頭折れ4が発生すると、熱延鋼帯先端部がコイラー手前のピンチロール間に進入できなくなり、コイラーによる熱延鋼帯の巻き取りが不可能になる。また、バウンド3や頭折れ4を生じた鋼帯部分の衝突によって、ピンチロールやコイラーを含む周辺の構成部材が破損する場合もある。また、コイラーによる熱延鋼帯の巻き取りができたとしても、次の処理工程において頭折れ4を生じた部分を切断除去することが必要となるため、製品の歩留まりや直行率が悪化し、生産性が著しく低下する。
また、熱延鋼帯は冷却水で冷却されながらランナウトテーブル上を通板するが、通板中の熱延鋼帯に図1に示すようなループ5や腰折れ6が発生した場合には、熱延鋼帯長手方向での冷却が一様でなくなるため、熱延鋼帯の品質にむらが生じる。その結果、上述した頭折れ部分と同様に腰折れ部分を切断除去しなければならず、この場合も製品の歩留まりや直行率が悪化し、生産性が著しく低下する。
このため熱延鋼帯製造設備においては、通板中の熱延鋼帯の不安定現象を解消し、いかに安定な状態で通板させるかが、熱延鋼帯の生産性と品質を確保する上での最重要課題の1つとなっている。
ここで、最も単純には、熱延鋼帯に不安定現象を発生させない速度でランナウトテーブル上を通板させることが考えられるが、熱延鋼帯の生産性や品質の観点から採用しがたい。
従来、ランナウトテーブル上での熱延鋼帯の安定通板を確保するために、例えば、以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、ランナウトテーブルのテーブルロール間に、熱延鋼帯下面に冷却水を噴き付けて冷却するための冷却ノズルを設けるとともに、テーブルロール間から熱延鋼帯下面に噴き付けられる冷却水を遮らない幅で、テーブルロール上に鋼帯搬送方向に沿って帯状体又は索状体を張り渡し、その上を熱延鋼帯を通板させることにより、ループの発生を防止するようにした技術が提案されている。
また、特許文献2には、ランナウトテーブルのテーブルロール間に、熱延鋼帯下面に冷却水を噴き付けて冷却する冷却ノズルを設けるとともに、テーブルロール間から熱延鋼帯下面に噴き付けられる冷却水を遮らない幅で、テーブルロール間に鋼帯たわみ込み防止用のエプロンガイドを設けることにより、ループの発生を防止するようにした技術が提案されている。
また、特許文献3には、ループが発生する臨界条件に収まるようにランナウトテーブルの設備仕様や操業条件を決定して、頭折れやループ発生を回避するようにした技術が提案されている。
また、特許文献4には、ランナウトテーブルのテーブルロール間に、本体及び/又は鋼帯と接触する表層部分を炭素系素材で構成したエプロンガイドを、その上面高さがテーブルパスラインより下方10mm以内となるよう設けることで、ループの発生を防止するようにした技術が提案されている。
上述した特許文献1〜4の技術は、いずれも熱延鋼帯がテーブルロール間にたわみ込まないように熱延鋼帯を拘束し、鋼帯のテーブルロール間へのたわみ込みによるループの成長を抑制するようにした点に共通の特徴を有している。
また、熱延鋼帯がテーブルロール間にたわみ込まないように拘束する場合、鋼帯との接触によるたわみ込み防止手段の損耗や、たわみ込み防止手段と接触する熱延鋼帯裏面でのスリ疵の発生が問題となるため、例えば、特許文献2ではたわみ込み防止手段の熱延鋼帯との接触部に緩衝材若しくはコロを設けることが、また、特許文献4では同接触部に炭素系素材を設けることが、それぞれ提案されている。
特開平11−300409号公報 特開2000−5807号公報 特開2000−225410号公報 特開2002−1411号公報
しかしながら、一般にランナウトテーブルは全長が百数十メートルもあり、テーブルロール数は3百本以上にも及ぶため、鋼帯の通板安全化手段として従来技術のようなエプロンガイドを設けるとしても、その設置コストやガイド損耗部のレベル管理を含むメンテナンス性を考慮した場合、エプロンガイドのレベル管理、設置範囲および設置数が最も重要な問題である。
特に、エプロンガイドの設置数および範囲については、熱延鋼帯の通板の不安定現象の発生箇所は特定が非常に難しいため、それらについての明確な指標が全くないのが実状である。また、特許文献3ではエプロンガイドの設置範囲に言及しているが、明確な内容ではないため、実際の設備に適用する際の指標となり得るようなものではない。
また、以上述べたような熱延鋼帯製造設備以外でも、例えば、金属、樹脂、紙などの帯状体を搬送するためのテーブルロール式搬送設備においては、安定通板性や通板安定化手段の設置に関して上記と同様の問題を抱えている。
したがって本発明は、以上のような従来技術の課題を解決し、ランナウトテーブルに対するエプロンガイドなどの熱延鋼帯の通板安定化手段の設置範囲を、実際の熱延鋼帯製造設備の鋼帯通板状況に応じて適切に決定し、同設備に設置することができる、通板安定化手段の設置方法を提供することを目的とする。また同様に、テーブルロール式の帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置範囲を、実際の搬送設備の帯状体通板状況に応じて適切に決定し、同設備に設置することができる、通板安定化手段の設置方法を提供することを他の目的とする。
本発明の要旨は、試験装置を用いた模擬試験において、ランナウトテーブルなどのテーブルロールにおける熱延鋼帯や他の帯状体の不安定現象を力学的に模擬することにより、所望の安定した通板状態を実現できる通板安定化手段の設置範囲を決定し、最も効率的な通板安定化手段の配置を行うようにすることにある。
すなわち、本発明の通板安定化手段の設置方法は、以下のような特徴を有する。
[1] 熱間圧延機を出た熱延鋼帯を搬送するためのランナウトテーブルを備えた熱延鋼帯製造設備において、通板安定化手段を設けるべきランナウトテーブル長手方向での範囲を、試験装置による模擬試験に基づき決定し、該範囲に通板安定化手段を設置する方法であって、
前記試験装置による模擬試験においては、下記パラメータα、βの値が前記熱間圧延設備での実操業条件におけるパラメータ値と一致するような試験条件で、熱延鋼帯が前記ランナウトテーブル上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
Figure 2005288491
但し E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
I:熱延鋼帯の断面2次モーメント(m
L:テーブルロールのロールピッチ(m)
ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
μ:熱延鋼帯とテーブルロール間の滑り摩擦係数
A:熱延鋼帯の断面積(m
V:熱延鋼帯の搬送速度(m/s)
g:重力加速度(m/s
[2] 上記[1]の通板安定化手段の設置方法において、試験装置による模擬試験においては、パラメータα=1/πとなる条件で、パラメータβ≦0.06を満足するようにして、熱延鋼帯がランナウトテーブル上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[3] 上記[1]又は[2]の通板安定化手段の設置方法において、通板安定化手段の設置範囲lを下式により決定することを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
Figure 2005288491
但し V:安定した通板を所望する熱延鋼帯の通板速度(m/s)
E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
I:熱延鋼帯の断面2次モーメント(m
ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
A:熱延鋼帯の断面積(m
L:テーブルロールのロールピッチ(m)
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの通板安定化手段の設置方法において、通板安定化手段が、テーブルロール間への熱延鋼帯のたわみ込みを防止するエプロンガイドであることを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかの通板安定化手段の設置方法において、通板安定化手段が、ランナウトテーブル長手方向の他の領域のテーブルロール群よりもロールピッチが狭められたテーブルロール群であることを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[6] 上記[5]の通板安定化手段の設置方法において、ロールピッチが狭められたテーブルロール群のロールピッチLを、下式を満足するように決定することを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
Figure 2005288491
但し V:安定した通板を所望する熱延鋼帯の通板速度(m/s)
E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
I:熱延鋼帯の慣性モーメント(m
A:熱延鋼帯の断面積(m
L:テーブルロールのピッチ(m)
[7] 上記[1]〜[3]のいずれかの通板安定化手段の設置方法において、通板安定化手段が、通板中の熱延鋼帯の板剛性を強化する板剛性強化手段であることを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[8] 上記[7]の通板安定化手段の設置方法において、板剛性強化手段は、熱延鋼帯に流体噴流を接触させることで熱延鋼帯を変形させ、断面2次モーメントを増大させる手段であることを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[9] 上記[1]〜[8]のいずれかの通板安定化手段の設置方法において、ランナウトテーブル長手方向における通板安定化手段の設置範囲の始点を、熱間圧延機出側の設備制約上、通板安定化手段が設置不能な範囲を除き、ランナウトテーブルの最上流側とすることを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
[10] 帯状体を搬送するためのテーブルロール式搬送設備において、通板安定化手段を設けるべき搬送設備長手方向での範囲を、試験装置による模擬試験に基づき決定し、該範囲に通板安定化手段を設置する方法であって、
前記試験装置による模擬試験においては、下記パラメータα、βの値が前記搬送設備での実操業条件におけるパラメータ値と一致するような試験条件で、帯状体が前記搬送設備上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
Figure 2005288491
但し E:帯状体のヤング率(N/m
I:帯状体の断面2次モーメント(m
L:テーブルロールのロールピッチ(m)
ρ:帯状体の密度(kg/m
μ:帯状体とテーブルロール間の滑り摩擦係数
A:帯状体の断面積(m
V:帯状体の搬送速度(m/s)
g:重力加速度(m/s
[11] 上記[10]の通板安定化手段の設置方法において、試験装置による模擬試験においては、パラメータα=1/πとなる条件で、パラメータβ≦0.06を満足するようにして、帯状体が搬送設備上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
[12] 上記[10]又は[11]の通板安定化手段の設置方法において、通板安定化手段の設置範囲lを下式により決定することを特徴とする、帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
Figure 2005288491
但し V:安定した通板を所望する帯状体の通板速度(m/s)
E:帯状体のヤング率(N/m
I:帯状体の断面2次モーメント(m
ρ:帯状体の密度(kg/m
A:帯状体の断面積(m
L:テーブルロールのロールピッチ(m)
本発明によれば、ランナウトテーブルなどのテーブルローラ上を通板中の熱延鋼帯や他の帯状体の不安定現象を力学的に模擬することにより、所望の安定した通板状態を実現できる通板安定化手段の設置範囲を決定し、最も効率的な範囲に通板安定化手段を配置することができる。この結果、熱延鋼帯製造設備においては、通板安定化手段の設置コストやメンテナンスを必要最小限に抑えつつ、ランナウトテーブル上で熱延鋼帯を安定して通板させ、熱延鋼帯の生産性や品質を確保することができる。また、帯状体の搬送設備においても、効率的な範囲に通板安定化手段を配置することができ、同様の効果が得られる。
以下、熱延鋼帯製造設備を対象とした本発明の通板安定化手段の設置方法について説明する。
本発明は、熱延鋼帯がランナウトテーブル上を通板する際に実際に起こっている通板現象の理論解析に基づき、通板現象を力学的に模擬する試験装置を用いて試験を行い、この通板試験結果に基づき、熱延鋼帯が所望の安定した通板状態となるように、通板安定化手段の設置範囲を決定し、その範囲に同手段を設置するものである。
以下の説明においては、通板安定化手段としてエプロンガイドを設ける場合について述べる。
ランナウトテーブル上を通板する熱延鋼帯の運動方程式は、下記(1)式に示すように、熱延鋼帯の曲げ剛性、熱延鋼帯のたわみに起因する遠心力、テーブルロールと熱延鋼帯との摩擦力(ロール駆動力)の釣り合いにより表される。また、下記(1)式において定常状態(時間に依存しない)を仮定すると、下記(2)式のように簡略化された形で表現できる。ここで、Eは熱延鋼帯のヤング率(N/m)、Iは熱延鋼帯の断面2次モーメント(m)、Lはテーブルロールのロールピッチ(m)、ρは熱延鋼帯の密度(kg/m)、μは熱延鋼帯とテーブルロール間の滑り摩擦係数、Aは熱延鋼帯の断面積(m)、Vは熱延鋼帯の搬送速度(m/s)、gは重力加速度(m/s)、xは搬送方向位置、wは鉛直方向位置を示す(以下に述べる各式も同様)。
下記(3)式及び(4)式に示すパラメータα、βは、熱延鋼帯に作用する力を無次元化したパラメータある。このパラメータα、βの値を解析対象とする実機のランナウトテーブル及び熱延鋼帯について求め、通板試験装置の通板試験条件をこれらのパラメータの値が一致するように決定して模擬試験を行うことにより、実際の熱延鋼帯の通板現象を通板試験装置上で力学的に模擬することができる。本発明では、このような条件で模擬試験を行うものである。
Figure 2005288491
Figure 2005288491
また、ロール駆動力項が他項に比べて十分に小さいと考えて無視した場合に得られる、熱延鋼帯を梁と考えたときの鉛直方向の力の釣り合いから導かれる撓み方程式=下記(5)式と、梁が圧縮荷重を受けて座屈を生じるときの梁の撓み方程式=下記(6)式とを等価と考えることにより、ランナウトテーブル上を走行する熱延鋼帯の不安定現象は、圧縮荷重ρAVが作用した座屈現象であると考えることができる。
下記(7)式に示すように、梁の座屈荷重式P=EI(π/L)2と圧縮荷重ρAVとの釣り合いを考えることで、座屈現象が発生しない、つまり通板の不安定現象が発生しない最大の通板速度を求めることができ、これを通板安定臨界速度Vcと定義する(下記(8)式)。
Figure 2005288491
ここで、通板速度Vを上記(8)式で表される通板安定臨界速度Vcで除することで、熱延鋼帯の慣性モーメントI、熱延鋼帯の断面積A、テーブルロールのロールピッチL、熱延鋼帯のヤング率E、熱延鋼帯の密度ρからなる無次元化パラメータνを下記(9)式のように表すことができる。
Figure 2005288491
通板試験装置の通板試験における上記無次元化数νに対し、所望の安定した通板状態となるように、ランナウトテーブル長手方向でのエプロンガイド設置範囲を決定する。
また、この時、上記(3)式及び(4)式に示した無次元化パラメータα、βは通板安定臨界速度を用い、下記(10)式及び(11)式のように表現することができる。なお、これらのパラメータは、上記(1)式に示す非定常な場合についても、同様に下記(10)式及び(11)式のように表現することができる。
Figure 2005288491
なお、通板速度V=Vcとなる条件、つまりν=1となる場合、無次元化パラメータα、βはそれぞれ下記(12)式及び(13)式のように表現される。
上述したループ現象は、前述のように熱延鋼帯の曲げ剛性と遠心力(慣性圧縮力)との関係で表現できることから、これら2つの力の無次元化パラメータであるαは完全に一致させることが望ましい。また、βが過大の場合、テーブルロールからの駆動力の影響が大きくなり、ロールと通板材との間に働く張力により、遠心力(慣性圧縮力)が打ち消され、上記ループ現象が発生しにくくなる。
Figure 2005288491
図2に、通板試験装置における試験条件、ここでは通板試験に用いる通板シート材の厚さと、上記(13)式で表現される無次元数βとの関係を示す。実際の熱延鋼帯製造設備での通板条件(ここでは、板厚:1.2mm、テーブルロールのロールピッチ:375mm、縦弾性係数:9.8×1010N/m)においては、上記(13)式で表現される無次元数β=0.0069であるので、前述のように、通板試験においてはこのβ値が一致するように、通板シート材の厚み、材質、テーブルロールのピッチなどを調整する。但し、無次元数βについては、通板試験装置の対実機スケールを小さくするほど、ロール駆動力、つまりテーブルロールと熱延鋼帯間の摩擦の影響が大きくなることは避けられない。一方で、パラメーラβを合せ込むために実機スケールの通板試験装置を製作することは、莫大な費用を必要とし、本末転倒である。以上の理由から、通板試験においては、無次元数βは通板不安定現象を模擬できる範囲を見極め、その範囲で実験を行うことが重要となる。
図2中のプロットは通板試験を行った通板シート材の厚み条件を示している。この場合、無次元数βが0.07にあたる通板シート材厚条件においては、ループ現象は見られなかったが、βが0.06以下にあたる通板シート材厚条件においては、ループ現象が発生している。
実際の熱延鋼帯製造設備における操業条件はループ現象が顕著に発生する不安定な状態であることを考慮すると、通板試験におけるβを0.07より小さい条件とすることで、ループ現象等の不安定現象を再現できることが判る。したがって、通板試験はパラメータα=1/π(上記(12)式)となる条件で、パラメータβ≦0.06を満足するようにして行えばよいことになる。
以上のように本発明によれば、ランナウトテーブルにおける熱延鋼帯の不安定現象を力学的に模擬することにより、所望の安定した通板状態となるようにエプロンガイド設置範囲を決定し、実機のランナウトテーブルにおいて最も効率的なエプロンガイド配置を行うことができる。
また、上記通板試験装置による模擬試験によれば、所望の通板状態となるようにエプロンガイドの鉛直方向位置、テーブルロールのロールピッチについても同様に評価することが可能である。その評価方法については、後述する実施例において説明する。
以上述べたような通板安定化手段を設置するための手法は、例えば、金属、樹脂、紙などの帯状体を搬送するためのテーブルロール式搬送設備において、通板安定化手段を設置する場合の手法として適用することができる。
この場合、上記各式において、Eは帯状体のヤング率(N/m)、Iは帯状体の断面2次モーメント(m)、Lはテーブルロールのロールピッチ(m)、ρは帯状体の密度(kg/m)、μは帯状体とテーブルロール間の滑り摩擦係数、Aは帯状体の断面積(m)、Vは帯状体の搬送速度(m/s)、gは重力加速度(m/s)、xは搬送方向位置、wは鉛直方向位置を示すものとればよい。上述した方法によって搬送設備のテーブルローラ上を通板中の帯状体の不安定現象を力学的に模擬することにより、所望の安定した通板状態を実現できる通板安定化手段の設置範囲を決定し、最も効率的な範囲に通板安定化手段を配置することができる。
以下、熱間圧延を模擬した条件において、安定した通板状態を得るためのエプロンガイドの必要設置範囲について評価を行った結果について説明する。なお、下記に示すような実施例の方法は、他の帯状体の搬送設備において通板安定化手段の必要設置範囲を評価する場合にも問題なく適用できる。
図3に、本実施例で使用した通板試験装置の概略を示す。この通板試験装置は、試験用の通板シート材を搬送するためのテーブルロールと、このテーブルロール上に通板シート材を送り出すための送り出しロール(仕上圧延機最終スタンドに相当)とを備えている。前記送り出しロールは上・下ロールで構成され、この上下ロールで通板シート材を挟み込んで任意の速度でテーブルロール上に送り出すことができ、また、テーブルロールも任意の速度で通板シート材を搬送することができる。
図4に示すように、通板試験装置のランナウトテーブルを構成するテーブルロール2a間にエプロンガイド7aを設置し、ランナウトテーブル長手方向でのエプロンガイド設置範囲を変化させて通板試験を実施した。なお、本試験装置では、送り出しロール下流側10本のテーブルロール(No.1ロール〜No.10ロール)間にはエプロンガイドを設置しなかったが、この理由は、一般に仕上熱間圧延機の最終スタンド出側には、圧延ロール組替時にリトラクト可能なデリバリガイドや圧延後の板厚及び板形状を測定するためのX線板厚計が設置されていることから、その領域のテーブルロール間にはエプロンガイドの設置が難しいからである。
この模擬試験における無次元化数νと通板試験時に発生した最大ループ高さとの関係は、図5のように示される。図5は、エプロンガイドを全く設けない場合、エプロンガイドをNo.10ロール〜No.20ロール間に設けた場合、同じくNo.10ロール〜No.30ロール間に設けた場合、同じくNo.10ロール〜No.40ロール間に設けた場合、同じくNo.10ロール〜No.50ロール間に設けた場合、同じくNo.10ロール以降の全ロール間に設けた場合についての結果を示している。
図5によれば、いずれの場合もνの増大に伴いループ高さは増大する、つまり通板不安定現象が増大することが判る。
エプロンガイド7aを部分的に配置した場合、つまりνが小さい場合(通板速度が小さい、又は通板シート材の板厚が大きい、又はシート剛性が大きい、又はテーブルロールのロールピッチが狭い場合。本実施例では通板速度が小さい場合)には、エプロンガイド7aを設置しない場合と比較してループ高さが小さく、通板が安定しているが、νが大きくなる(通板速度が大きい、又は通板シート材の板厚が薄い、又は板剛性が小さい、又はテーブルロールのロールピッチが広い場合。本実施例では通板速度が大きい場合)にしたがい、通板中のループ高さが拡大し、最終的にはいずれのエプロンガイド設置範囲条件においても、エプロンガイド無しの場合に漸近することが判る。
通板試験でのループの発生状況を図6に示す。通板シート材が送り出しロール8を抜けた直後のテーブルロール10本の範囲、つまりエプロンガイドが無い範囲ではループ5aが成長し、通板シート材がエプロンガイド7a上に到達した後はループが抑制されている。このとき、エプロンガイド7aの設置範囲が十分でない場合(図6(b)の場合)、エプロンガイド7a上でループが十分に抑制されず、エプロンガイド7aを抜けた後にループ5aが急激に再成長している。
一方、エプロンガイド7aの設置範囲が十分に広い場合、(図6(a)の場合)エプロンガイド7a上でループ5aは十分に抑制され、エプロンガイド設置範囲を抜けた後にもループ5aが低位安定した通板状態が得られている。
各エプロンガイド設置範囲条件においてループ5aが急激に成長を始めるνが存在し、ループ5aが成長を始める直前のνは安定な通板状態であると考えることができる。
エプロンガイド7aの設置範囲をロールピッチLで除した値とループ高さ、つまり通板状態との関係は図7のように表される。図中に示すように、或るνにおいて安定な通板状態を得るためには、エプロンガイド設置範囲が安定領域となるように選択する必要がある。通板安定化手段の設置範囲をlとすると、図中に示す回帰直線式y=0.00940x+1.0は下記(14)式のように表される。なお、νは上記(9)式に示した通りである。これをlについて整理すると、下記(15)式のように表され、これにより通板安定化を所望する通板条件におけるνと通板安定化手段の設置範囲lを求めることができる。
Figure 2005288491
例えば、熱間圧延条件が、鋼帯の板厚:1.2mm、鋼帯の密度:7800kg/m、鋼帯のヤング率:9.8×1010N/m、テーブルロールのロールピッチ:375mmである場合において、通板速度800mpm(ν=1.30)で安定した通板状態を得るためには、仕上圧延機最終スタンド下流側の10.2mの範囲、具体的には、設備配置上許容されるランナウトテーブルの最上流位置を始端とし、その下流側10.2m位置を終端とする範囲(例えば、仕上圧延機最終スタンドの下流側6m位置〜同16.2m位置の範囲)のテーブルロール間にエプロンガイドを設置すればよい。
なお、設置範囲の始端を設備配置上許容されるランナウトテーブルの最上流位置とする、ということの意味は、標準的な熱延鋼帯製造設備では、仕上圧延機最終スタンド出側に、デリバリガイドやX線板厚計が設置されているために、その領域のテーブルロール間にはエプロンガイドの設置が難しいことから、その領域を除くランナウトテーブルの最上流位置を始端とするということである。
また、通板速度900mpm(ν=1.46)で安定した通板状態を得るためには、仕上圧延機最終スタンド下流側の15.9mの範囲、具体的には、設備配置上許容されるランナウトテーブルの最上流位置を始端とし、その下流側15.9m位置を終端とする範囲(例えば、仕上圧延機最終スタンドの下流側6m位置〜同21.9m位置の範囲)のテーブルロール間にエプロンガイドを設置すればよい。
上記検討結果に基づき、実際の熱間圧延設備において仕上圧延機最終スタンドの下流側6m位置〜同16m位置の範囲のテーブルロール間に、上面がパスライン下方10mmに位置するようにエプロンガイドを設置し、板厚1.2mmの熱延鋼帯の通板状態を確認した。従来では、ループ現象の発生により先端通板速度が650mpmに制限されていたが、上記のような範囲へのエプロンガイドの設置により、ループ発生現象は安定化され、通板速度800mpmを達成できた。
通板安定化手段は、テーブルロール間に設けられるエプロンガイドに限定されるものではなく、例えば、特許文献1に示されるようなテーブルロール上に張り渡す帯状体又は索状体、ランナウトテーブル長手方向の他の領域のテーブルロール群よりもロールピッチを狭めたテーブルロール群、通板中の熱延鋼帯の板剛性を強化する板剛性強化手段などの任意の手段を用いることができる。
通板安定化手段を、ランナウトテーブル長手方向の他の領域のテーブルロール群よりもロールピッチを狭めたテーブルロール群で構成する場合、このロールピッチが狭められたテーブルロール群のロールピッチLは、安定した通板を所望する通板速度Vが、上記(8)式に示す通板安定臨界速度Vcを越えないように、下記(16)式を満足すように決定することが好ましい。
Figure 2005288491
上記(16)式に従えば、例えば熱間圧延条件が、鋼帯の板厚:1.2mm、鋼帯の密度:7800kg/m、鋼帯のヤング率:9.8×1010N/mの場合おいて、通板速度800mpmで安定した通板状態を得るためにはロールピッチLを289mm以下にすればよい。また、通板速度900mpmで安定した通板状態を得るためにはロールピッチLを257mm以下にすればよい。
通板安定化手段である通板中の熱延鋼帯の板剛性を強化する板剛性強化手段とは、通板中の鋼帯の断面2次モーメントIを増加させる手段であり、例えば、鋼帯に流体噴流を接触させて鋼帯を変形させることで断面2次モーメントIを増大させる手段を用いることができる。図8はその一実施形態を示すもので、テーブルロール2間から液体噴流を噴射して鋼帯に接触させ、鋼帯を部分的に反らせるようにしたものである。
液体噴流により部分的な反り量Hを発生した鋼帯の断面形状を図9のように仮定すると、板厚1.2mmの場合の断面2次モーメントIは下記(17)式のように表される。ここで、Wは鋼帯の板幅、tは鋼帯の板厚を示す。この反り量Hに応じて、鋼帯の断面2次モーメントIは図10に示すように増加する。
なお、断面2次モーメントIは、安定した通板を所望する通板速度Vが上記(8)式に示す通板安定臨界速度Vcを越えないように範囲で、下記(18)式を満たすように決定する。
例えば、熱間圧延条件が鋼帯の板厚:1.2mm、鋼帯の密度:7800kg/m、鋼帯のヤング率:9.8×1010N/m、ロールピッチ:375mmである場合において、通板速度800mpmで安定した通板状態を得るためには断面2次モーメントIを2.42×10−10mm以上にすればよい。また、同じ熱間圧延条件において通板速度900mpmで安定した通板状態を得るためには、断面2次モーメントIを3.06×10−10mm以上にすればよい。
Figure 2005288491
Figure 2005288491
ランナウトテーブル上において発生する通板の不安定現象の一例を示す説明図 試験装置におけるループ発生の有無を、通板シート材厚と無次元数βとの関係で示すグラフ 実施例で用いた通板試験装置を示す説明図 図3の通板試験装置におけるエプロンガイドの設置構造を示す説明図 通板試験装置のエプロンガイド設置範囲を変化させた場合における、無次元化数νと最大ループ高さとの関係を示すグラフ 通板試験におけるループの発生状況を示す説明図 通板安定化手段の設置範囲と安定通板領域との関係を示すグラフ 通板安定化手段である通板中の熱延鋼帯の板剛性を強化する板剛性強化手段を示す説明図 図8の板剛性強化手段により反りを生じた鋼帯の断面形状を模式的に示す説明図 図8の板剛性強化手段により鋼帯に生じた反り量Hと鋼帯の断面2次モーメントIとの関係を示すグラフ
符号の説明
1 ランナウトテーブル
2,2a テーブルロール
3 バウンド
4 頭折れ
5,5a ループ
6 腰折れ
7,7a エプロンガイド

Claims (12)

  1. 熱間圧延機を出た熱延鋼帯を搬送するためのランナウトテーブルを備えた熱延鋼帯製造設備において、通板安定化手段を設けるべきランナウトテーブル長手方向での範囲を、試験装置による模擬試験に基づき決定し、該範囲に通板安定化手段を設置する方法であって、
    前記試験装置による模擬試験においては、下記パラメータα、βの値が前記熱間圧延設備での実操業条件におけるパラメータ値と一致するような試験条件で、熱延鋼帯が前記ランナウトテーブル上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
    Figure 2005288491
    但し E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
    I:熱延鋼帯の断面2次モーメント(m
    L:テーブルロールのロールピッチ(m)
    ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
    μ:熱延鋼帯とテーブルロール間の滑り摩擦係数
    A:熱延鋼帯の断面積(m
    V:熱延鋼帯の搬送速度(m/s)
    g:重力加速度(m/s
  2. 試験装置による模擬試験においては、パラメータα=1/πとなる条件で、パラメータβ≦0.06を満足するようにして、熱延鋼帯がランナウトテーブル上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  3. 通板安定化手段の設置範囲lを下式により決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
    Figure 2005288491
    但し V:安定した通板を所望する熱延鋼帯の通板速度(m/s)
    E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
    I:熱延鋼帯の断面2次モーメント(m
    ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
    A:熱延鋼帯の断面積(m
    L:テーブルロールのロールピッチ(m)
  4. 通板安定化手段が、テーブルロール間への熱延鋼帯のたわみ込みを防止するエプロンガイドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  5. 通板安定化手段が、ランナウトテーブル長手方向の他の領域のテーブルロール群よりもロールピッチが狭められたテーブルロール群であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  6. ロールピッチが狭められたテーブルロール群のロールピッチLを、下式を満足するように決定することを特徴とする、請求項5に記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
    Figure 2005288491
    但し V:安定した通板を所望する熱延鋼帯の通板速度(m/s)
    E:熱延鋼帯のヤング率(N/m
    ρ:熱延鋼帯の密度(kg/m
    I:熱延鋼帯の慣性モーメント(m
    A:熱延鋼帯の断面積(m
    L:テーブルロールのピッチ(m)
  7. 通板安定化手段が、通板中の熱延鋼帯の板剛性を強化する板剛性強化手段であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  8. 板剛性強化手段は、熱延鋼帯に流体噴流を接触させることで熱延鋼帯を変形させ、断面2次モーメントを増大させる手段であることを特徴とする、請求項7に記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  9. ランナウトテーブル長手方向における通板安定化手段の設置範囲の始点を、熱間圧延機出側の設備制約上、通板安定化手段が設置不能な範囲を除き、ランナウトテーブルの最上流側とすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の熱延鋼帯製造設備における通板安定化手段の設置方法。
  10. 帯状体を搬送するためのテーブルロール式搬送設備において、通板安定化手段を設けるべき搬送設備長手方向での範囲を、試験装置による模擬試験に基づき決定し、該範囲に通板安定化手段を設置する方法であって、
    前記試験装置による模擬試験においては、下記パラメータα、βの値が前記搬送設備での実操業条件におけるパラメータ値と一致するような試験条件で、帯状体が前記搬送設備上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
    Figure 2005288491
    但し E:帯状体のヤング率(N/m
    I:帯状体の断面2次モーメント(m
    L:テーブルロールのロールピッチ(m)
    ρ:帯状体の密度(kg/m
    μ:帯状体とテーブルロール間の滑り摩擦係数
    A:帯状体の断面積(m
    V:帯状体の搬送速度(m/s)
    g:重力加速度(m/s
  11. 試験装置による模擬試験においては、パラメータα=1/πとなる条件で、パラメータβ≦0.06を満足するようにして、帯状体が搬送設備上を走行する際の通板状態を力学的に模擬することを特徴とする、請求項10に記載の帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
  12. 通板安定化手段の設置範囲lを下式により決定することを特徴とする、請求項10又11に記載の帯状体搬送設備における通板安定化手段の設置方法。
    Figure 2005288491
    但し V:安定した通板を所望する帯状体の通板速度(m/s)
    E:帯状体のヤング率(N/m
    I:帯状体の断面2次モーメント(m
    ρ:帯状体の密度(kg/m
    A:帯状体の断面積(m
    L:テーブルロールのロールピッチ(m)
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JP2009262194A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Nippon Steel Corp ランナウトテーブルおよびストリップの搬送方法

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