JP2005288478A - 無鉛はんだ接合部 - Google Patents

無鉛はんだ接合部 Download PDF

Info

Publication number
JP2005288478A
JP2005288478A JP2004106865A JP2004106865A JP2005288478A JP 2005288478 A JP2005288478 A JP 2005288478A JP 2004106865 A JP2004106865 A JP 2004106865A JP 2004106865 A JP2004106865 A JP 2004106865A JP 2005288478 A JP2005288478 A JP 2005288478A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
free solder
based alloy
solder
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004106865A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuji Kuri
裕二 久里
Toronron Tan
トロンロン タン
Akira Tanaka
明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004106865A priority Critical patent/JP2005288478A/ja
Publication of JP2005288478A publication Critical patent/JP2005288478A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】ウイスカの発生を抑制し、信頼性の高いはんだ接合を可能とする無鉛はんだ接合部を提供すること目的とする。
【解決手段】SnまたはPbを含まないSn基合金に、Coを0.1〜1.0重量%含有した無鉛はんだを使用して無鉛はんだ接合部を構成することで、被はんだ部材と、SnまたはSn基合金との反応を抑制し、接合界面における金属間化合物の形成および成長を抑制し、内部応力の増加を抑制して、接合界面におけるウイスカの発生、成長を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、SnまたはSn系合金を主成分とする無鉛はんだを用いて接合された接合部に関し、特に、針状の結晶であるウイスカの発生および成長を抑制することができ、はんだ接合の信頼性を向上させることができる無鉛はんだ接合部に関する。
電子機器装置などに用いられる電子回路は、プリント配線が施された電子部品を搭載し、その電子部品を基板にはんだ付け接合して形成されている。また、従来、その接合材料としてのはんだには、SnとPbを含んだ合金が使用されていたが、近年、環境的配慮からPbを含まないはんだやメッキが使用されるようになってきた。このような背景のもと、Snを主成分とするはんだやメッキにおいて、SnとPbを含んだ合金を用いた場合と同等の機械的性質や物理的性質が要求されている。
例えば、Sn−Cu合金において、はんだ強度、熱疲労強度などの機械的性質を確保するため、共晶組成Sn−0.7重量%CuなどのCuの含有率が0.7近傍の合金が用いられている。このようなSn−Cu合金では、Sn中のCu固溶量が0.006重量%程度の(βSn)デンドライトの凝固前方にCuが濃縮し、(βSn)とη(CuSn:Sn43.5〜45.5原子%)の共晶組織、または、初晶η、(βSn)およびηの共晶組織が形成される。これらの共晶組織である金属間化合物は、機械的強度が低く、冷却するとクラックを生じることがあった。そのため、この金属間化合物の生成を抑制することにより、耐熱疲労性を向上させたはんだが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、Snを主成分とするはんだやメッキなどを用いた場合に、針状結晶、いわゆるウイスカが発生、成長することが知られている。
特開2002−307187号公報
上記したようなPbを含まないはんだにおける接合部やメッキ被膜では、内部応力を緩和する働きのあったPbを含まないため、はんだ接合やメッキ処理をする際に発生する内部応力により、ウイスカが形成される場合がある。このウイスカは、特に、高温高湿で使用された場合に最も発生する。また、このウイスカは、金属材料から形成され成長するため、ほとんどのウイスカが導電性を有している。そのため、ウイスカが電極間で成長した場合に、短絡が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ウイスカの発生を抑制し、信頼性の高いはんだ接合を可能とする無鉛はんだ接合部を提供すること目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の無鉛はんだ接合部は、Coを0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金からなる無鉛はんだによって接合された接合部であって、該接合部における内部応力が4.9MPaより小さいことを特徴とする。
Sn基合金は、Ag、Al、Au、Bi、Cu、In、Zn、Sbのいずれか少なくとも1種を含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなり、融点が139〜235℃の範囲である低融点のSn基合金で構成される。
例えば、Sn基合金として、Cu:0.5〜1.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Ag:2.0〜4.0重量%、Cu:0.5〜1.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Zn:8.0〜9.0重量%、In:3.0〜8.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Cu:0.5〜1.0重量%、Sb:1.0〜8.5重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金などが挙げられる。
この無鉛はんだ接合部によれば、SnまたはPbを含まないSn基合金に、Coを0.1〜1.0重量%含有することで、被はんだ部材と、SnまたはSn基合金との反応を抑制し、接合界面における金属間化合物の形成および成長を抑制し、内部応力の増加を抑制して、接合界面におけるウイスカの発生、成長を抑制することができる。
また、本発明の無鉛はんだ接合部は、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金からなる無鉛はんだによって接合された接合部であって、平均内部応力が4.9MPaより小さいことを特徴とする。
ここで、Sn基合金の組成は、上記したSn基合金の組成と同様である。また、無鉛はんだは、例えば、Sn基合金として、Cu:0.5〜1.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Ag:2.0〜4.0重量%、Cu:0.5〜1.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Zn:8.0〜9.0重量%、In:3.0〜8.0重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金、Cu:0.5〜1.0重量%、Sb:1.0〜8.5重量%、残部:Snおよび不可避不純物からなるSn基合金などが挙げられる。
この無鉛はんだ接合部によれば、SnまたはPbを含まないSn基合金に、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%含有することで、被はんだ部材と、SnまたはSn基合金との反応を抑制し、接合界面における金属間化合物の生成および成長を抑制し、内部応力の増加を抑制して、接合界面におけるウイスカの発生、成長を抑制することができる。
ここで、上述した無鉛はんだ接合部に使用される無鉛はんだは、溶融メッキのメッキ材料として使用することもできる。メッキに使用された場合にも、はんだ部材として使用された場合と同様の効果を得ることができる。
本発明の無鉛はんだによれば、ウイスカの発生を抑制し、信頼性の高いはんだ接合を可能とする無鉛はんだ接合部を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
本発明の無鉛はんだ接合部に使用される無鉛はんだは、Coを0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金から構成される。そして、この無鉛はんだによる無鉛はんだ接合部における内部応力は、4.9MPaより小さい値となっている。
SnまたはSn基合金に含有されるCoの含有率は、求められた機械的性質や融点等によって、0.1〜1.0重量%の範囲で適宜に設定される。
ここで、Coの含有率が0.1重量%よりも小さい場合には、無鉛はんだ接合部におけるウイスカの発生、成長を抑制する効果が望めず、無鉛はんだのねれ性が悪くなることがあり、1.0重量%よりも大きい場合には、無鉛はんだのぬれ性が悪くなり、かえって無鉛はんだ接合部における内部応力の増加をもたらすことがある。
また、SnまたはSn基合金に含有されるCoの含有率のより好ましい範囲は、0.1〜0.3重量%である。ここで、SnまたはSn基合金で、例えばSn−Cuの無鉛はんだにCoを0.1〜1.0重量%の範囲で含有した無鉛はんだの融点は、227〜230℃となる。また、無鉛はんだ接合部の内部応力が4.9MPa以上の場合には、ウイスカの発生、成長が顕著になることがある。
このように、SnまたはPbを含まないSn基合金にCoを0.1〜1.0重量%含有した無鉛はんだを使用して無鉛はんだ接合部を構成することで、この無鉛はんだと、Cuを含有して形成された被はんだ部材との接合部におけるSnとCuの金属間化合物(CuSn)の成長を抑制することができる。これによって、接合部の内部応力の増加を抑制して、SnおよびSn基合金からのウイスカの発生、成長を抑制することができる。この金属間化合物(CuSn)の成長は、CoとSnの金属間化合物(CoSn)によって抑制されている。また、無鉛はんだのぬれ性を悪化することなく、ウイスカの発生、成長を抑制することができる。
また、本発明の無鉛はんだ接合部は、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金からなる無鉛はんだによって接合された接合部であって、該接合部における内部応力が4.9MPaより小さい値ととなっている。
SnまたはPbを含まないSn基合金に含有されるMn、Fe、Niのうち少なくとも1種の含有率は、求められた機械的性質や融点等によって上記範囲内で適宜に設定される。
ここで、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種の含有率が0.1重量%よりも小さい場合には、接合部の界面における金属間化合物の成長を抑制する効果が少なく、1.0重量%よりも大きい場合には、はんだとしてのぬれ性が劣る傾向にある。また、SnまたはPbを含まないSn基合金に含有されるMn、Fe、Niのうち少なくとも1種の含有率のより好ましい範囲は、0.1〜0.3重量%である。
また、SnまたはPbを含まないSn基合金で、例えばSn−Cuの無鉛はんだに、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%の範囲で含有した無鉛はんだの融点は、227〜230℃となる。
このように、SnまたはPbを含まないSn基合金に、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%含有した無鉛はんだを使用して無鉛はんだ接合部を構成することで、この無鉛はんだと、Cuを含有して形成された被はんだ部材との接合部におけるSnとCuの金属間化合物(CuSn)の成長を抑制することができる。これによって、接合部の内部応力の増加を抑制して、SnおよびSn基合金からのウイスカの発生、成長を抑制することができる。この金属間化合物(CuSn)の成長は、Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種とSnの金属間化合物(例えば、NiSn,FeSnなど)によって抑制されている。また、無鉛はんだのぬれ性を悪化することなく、ウイスカの発生、成長を抑制することができる。
ここで、接合部の形成に使用される無鉛はんだは、例えば、球状または不定形状の粉体、フィルム状、ワイヤ状などに形成することができる。また、粉体形状を有するはんだを、例えば、フラックスやバインダと混合しペースト状にして使用することもできる。なお、無鉛はんだの形状は、これらの形状に限られるものではなく、適宜に用途に応じて形状を変えて形成することができる。
また、本発明の無鉛はんだ接合部は、例えば、電子部品の基板などで構成される第1要素部材と、例えば、チップ部品などの電子部材などで構成される第2要素部材との接合部や、ワイヤボンドなどの接合部などが挙げられるが、これらに限られるものではなく、はんだによって接合された接合部ならばこれに含まれる。本発明の無鉛はんだ接合部では、ウイスカの発生が抑制されるので、短絡などの発生を防止することができ、電子部材などの接合部の信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(元素分析試験)
Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Co、Sn−0.7重量%Cu−1重量%Co、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Ni、Sn−0.7重量%Cuからなる4種類の無鉛はんだを準備した。そして、図1に示すように、それぞれの無鉛はんだ102について、各無鉛はんだ102を厚さ0.1mm、幅10mm、長さ50mmの2枚の銅板100、101の間に設置し、窒素ガス雰囲気中において、300℃の温度で3分間加熱し、はんだ付けを行った。接合部の厚さは、0.1mmであった。
そして、各無鉛はんだにおける接合部の断面において、X線マイクロアナライザ(EPMA;Electron Probe Micro-Analysis)を用いて元素分析を行った。その元素分析を行った結果を図2および3に示す。ここで、図2には、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだにおける分析結果が示され、図3には、Sn−0.7重量%Cuからなる無鉛はんだにおける分析結果が示されている。
なお、図中には、1つの銅板100上の結果を示すが、銅板101との接合部においても同様の結果が得られた。また、Sn−0.7重量%Cu−1重量%CoおよびSn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niからなる無鉛はんだを用いた場合には、図2に示すSn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだを用いた場合と、ほぼ同様の分析結果が得られたので、ここでは、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだにおける分析結果を用いて説明する。
この測定結果から、図2に示すように、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだを用いた場合には、銅板100側から第3接合層113側に向って、第1接合層110、第2接合層111、第3接合層112の順に接合層が積層された断面で構成されていることがわかる。また、第2接合層111は、第3接合層112側に顕著な起伏を生じることなく、第1接合層110、第2接合層111ともに比較的平坦に接合部を形成している。
また、この断面において、Snの元素分析を行うと、第3接合層112に含まれるSnの濃度に比べて、第2接合層111および第3接合層112に含まれるSnの濃度は低かった。さらに、この断面において、Cuの元素分析を行うと、第3接合層112に含まれるCuの濃度に比べて、第2接合層111に含まれるCuの濃度は高かった。
また、この断面において、Coの元素分析を行うと、他の接合層に比べて第1接合層110に含まれるCoの濃度が高かった。なお、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niからなる無鉛はんだを用いた場合には、Coの濃度は検出されないが、他の接合層に比べて第1接合層110に含まれるNiの濃度が高かった。
一方、図3に示すように、Sn−0.7重量%Cuからなる無鉛はんだ用いた場合には、銅板100上には、第1接合層150、第2接合層151の順に接合層が積層された断面で構成されていることがわかる。また、第1接合層150は、第2接合層151側に激しく起伏している。また、第1接合層150の第2接合層151側の突出は、図1に示したSn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coの場合における第2接合層111の第3接合層112側への突出に比べると、明らかに激しく起伏していることがわかる。さらに、第1接合層150の厚さは、図1に示したSn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coの場合における第2接合層111の厚さに比べると、明らかに厚いことがわかる。
また、この断面において、Snの元素分析を行うと、第2接合層151に含まれるSnの濃度に比べて、第1接合層150に含まれるSnの濃度は低かった。また、この断面において、Cuの元素分析を行うと、第2接合層151に含まれるCuの濃度に比べて、第1接合層150に含まれるCuの濃度は高かった。
上記した元素分析の結果から、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだを用いた場合には、第1接合層110は、主にCoとSnの金属間化合物(例えば、CoSn)で形成され、第2接合層111は、主にCuSnの金属間化合物で形成され、第3接合層112は、使用する無鉛はんだで主に形成されていることがわかった。なお、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niからなる無鉛はんだを用いた場合には、第1接合層110は、主にNiとSnの金属間化合物で形成されていることがわかった。
また、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだを用いた場合には、第1接合層150は、主にCuSnの金属間化合物で形成され、第2接合層151は、使用する無鉛はんだで主に形成されていることがわかった。
上記したSn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだにように、Coを所定の含有率で含有する無鉛はんだを用いた場合の元素分析の結果と、Sn−0.7重量%Cuからなる無鉛はんだにように、Coを含有しない無鉛はんだを用いた場合の元素分析の結果とを比較すると、Coを所定の含有率で含有する無鉛はんだを用いた場合には、はんだ接合部においてCuSnの金属間化合物の生成および成長が著しく抑制されていることがわかる。
また、Coを所定の含有率で含有する無鉛はんだを用いた場合には、CuSnの金属間化合物と銅板100との間に、CoとSnの金属間化合物(例えば、CoSn)による接合層が接合面に沿って介在することがわかった。これらのことから、Coを所定の含有率で含有する無鉛はんだを使用したはんだ接合部では、主にCoとSnの金属間化合物からなる接合層によって、CuSnの金属間化合物の生成および成長が著しく抑制されていることがわかった。なお、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niからなる無鉛はんだを使用したはんだ接合部では、主にNiとSnの金属間化合物からなる接合層によって、CuSnの金属間化合物の生成および成長が著しく抑制されていることがわかった。
なお、CuSnは、CuがSnと反応した構造となるため、Cu単体の体積より幾分大きくなる。これによって、CuSnの形成領域が多いはんだ接合部は、この体積膨張の差により発生する応力が増加する。そして、このはんだ接合部の内部応力の増加は、ウイスカの発生、成長を促す。しかしながら、上記した測定結果から、CoまたはNiを所定の含有率で含有する無鉛はんだを使用したはんだ接合部では、CuSnの形成領域が少ないことが明らかになり、ウイスカの発生、成長を抑制する効果があることがわかった。
(ウイスカの発生試験)
次に、ウイスカの発生試験を実施した。図4には、ウイスカの発生試験の概要を示す断面図が示されている。
ここでは、Cuからなる外径1mmの棒状部材200を、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Co、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Ni、Sn−0.7重量%Cuをそれぞれ溶融した3種類の溶融メッキ槽を準備し、各溶融メッキ槽によって棒状部材200にメッキ処理を施し、5μmのメッキ層201が形成された3種類の試料202を作製した。
続いて、この3種類の試料202の中央部を曲げ角θが120°となるように屈曲させ、図4に示すように、各試料202の両端部および屈曲部が支持部材203の内壁に接するように設置した。
続いて、この支持部材203に設置された試料202を、雰囲気温度60℃、湿度90%の恒温恒湿試験槽内に1000時間放置した。そして、電子顕微鏡を用いて、1000時間放置された各試料202におけるウイスカの発生および成長の状態を観察し、さらにウイスカの長さを測定した。ここでは、試料202に形成された複数のウイスカの中から任意に選択したウイスカ(ここでは、14個)について測定を行った。
図5にウイスカの長さを測定した結果を示す。なお、図5には、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coを用いた場合を試料1、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niを用いた場合を試料2、Sn−0.7重量%Cuを用いた場合を試料3として示している。
このウイスカの長さの測定結果から、ウイスカの長さは、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coを用いた場合には、3〜23μmの範囲、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Niを用いた場合には、8〜33μmの範囲、Sn−0.7重量%Cuを用いた場合には、10〜83μmの範囲で分布していた。
この測定結果から、所定量のCoを含有する場合および所定量のNiを含有する場合には、ウイスカの成長を抑制する効果があることがわかった。
ここで、Sn−0.7重量%Cuを用いた場合における、所定の範囲でウイスカの長さの分布を持つ4つの分布モデルについて、数値解析によりはんだの内部応力を求めた結果を図6に示す。なお、ここでは、4つの分布モデルのうち、ウイスカの長さが短い範囲で分布するモデルには、ウイスカの長さの測定結果によって得られた、Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coを用いた場合の測定値(3〜23μmの範囲)を用いて数値解析を行なった。また、4つの分布モデルのうち、ウイスカの長さが長い範囲で分布するモデルには、ウイスカの長さの測定結果によって得られた、Sn−0.7重量%Cuを用いた場合の測定値(10〜83μmの範囲)を用いて数値解析を行なった。
この数値解析の結果から、はんだ接合後におけるはんだの内部応力が小さいほど、ウイスカの長さは、短い範囲で分布していることがわかる。また、はんだの内部応力が4.9MPaよりも小さい場合には、ウイスカの成長を顕著に抑制できることがわかった。この結果から、はんだ接合部の内部応力は、4.9MPaよりも小さいことが好ましい。
この数値解析の結果、図5に示したウイスカの長さの測定結果および元素分析試験の結果ら、所定量のCoを含有するSnまたはSn基合金からなる無鉛はんだを使用したはんだ接合部では、CuSnの金属間化合物の生成および成長が著しく抑制され、はんだ接合部の内部応力が増加するのが抑えられるため、ウイスカの発生や成長を抑制できることがわかった。
(はんだの広がり試験)
次に、JISZ3198−3の「広がり試験方法」に準拠して、はんだの広がり試験を行った。
ここでは、Sn−0.7重量%Cuに、Coを0.1、1、10、20重量%含有した無鉛はんだ、Sn−0.7重量%Cuに、Niを0.1、1、10、20重量%含有した無鉛はんだ、およびSn−0.7重量%Cuからなる無鉛はんだの9種類の無鉛はんだを用いてはんだの広がり試験を行った。なお、これら9種類の無鉛はんだについて、それぞれ複数回の試験を行った。
その試験結果を図7に示す。ここで、広がり率(S)(%)とは、JISZ3198−3に記載されたとおりの、以下の式(1)によって定義されるものである。
= (D−H)/ D × 100 …式(1)
ここで、Hは、広がったはんだの高さ(mm)、Dは、試験に用いたはんだを球とみなした場合の直径(mm)である。
試験結果から、CoまたはNiの含有率が、0.1〜1.0重量%の範囲で広がり率(S)が高く、その含有率の範囲よりも大きくても小さくても広がり率(S)は低下することがわかった。この結果から、高い広がり率(S)を維持するためには、SnまたはSn基合金に含有するCoまたはNiの含有率が、0.1〜1.0重量%の範囲にあることが好ましいことがわかった。
はんだ接合部の断面図。 Sn−0.7重量%Cu−0.1重量%Coからなる無鉛はんだにおける元素分析の結果を示す図。 Sn−0.7重量%Cuからなる無鉛はんだにおける元素分析の結果を示す図。 ウイスカの発生試験の概要を示す断面図。 ウイスカの長さを測定した結果を示す図。 数値解析によりはんだの内部応力を求めた結果を示す図。 広がり試験の試験結果を示す図。
符号の説明
100,101…銅板、110…第1接合層、111…第2接合層、112…第3接合層、150…第1接合層、151…第2接合層。

Claims (3)

  1. Coを0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金からなる無鉛はんだによって接合された接合部であって、該接合部における内部応力が4.9MPaより小さいことを特徴とする無鉛はんだ接合部。
  2. Mn、Fe、Niのうち少なくとも1種を0.1〜1.0重量%含有するSnまたはPbを含まないSn基合金からなる無鉛はんだによって接合された接合部であって、平均内部応力が4.9MPaより小さいことを特徴とする無鉛はんだ接合部。
  3. 前記Sn基合金が、Ag、Al、Au、Bi、Cu、In、Zn、Sbのいずれか少なくとも1種を含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1または2記載の無鉛はんだ接合部。
JP2004106865A 2004-03-31 2004-03-31 無鉛はんだ接合部 Pending JP2005288478A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106865A JP2005288478A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 無鉛はんだ接合部

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004106865A JP2005288478A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 無鉛はんだ接合部

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005288478A true JP2005288478A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35322020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004106865A Pending JP2005288478A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 無鉛はんだ接合部

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005288478A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008082191A1 (en) * 2006-12-29 2008-07-10 Iljin Copper Foil Co., Ltd. Pb-free solder alloy
CN100445018C (zh) * 2006-08-16 2008-12-24 东莞市普赛特电子科技有限公司 无铅软钎料

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100445018C (zh) * 2006-08-16 2008-12-24 东莞市普赛特电子科技有限公司 无铅软钎料
WO2008082191A1 (en) * 2006-12-29 2008-07-10 Iljin Copper Foil Co., Ltd. Pb-free solder alloy
EP2101951A1 (en) * 2006-12-29 2009-09-23 Iljin Copper Foil Co., Ltd. Pb-free solder alloy
EP2101951A4 (en) * 2006-12-29 2010-01-27 Iljin Copper Foil Co Ltd LEAD-FREE SOLDERING ALLOY
JP2010514931A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 イルジン カッパー ホイル カンパニー リミテッド 無鉛ソルダ合金
KR101042031B1 (ko) * 2006-12-29 2011-06-16 일진머티리얼즈 주식회사 무연 솔더 합금
KR101165426B1 (ko) 2006-12-29 2012-07-12 일진머티리얼즈 주식회사 무연 솔더 합금

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111745321B (zh) 软钎料合金、焊料球、软钎料预成型坯、焊膏和钎焊接头
KR101639220B1 (ko) 납 프리 땜납 합금
US9773721B2 (en) Lead-free solder alloy, connecting member and a method for its manufacture, and electronic part
TWI618798B (zh) Lead-free solder alloy
US20160271738A1 (en) Lead-Free, Silver-Free Solder Alloys
KR101986557B1 (ko) Sn-Cu계 납프리 땜납 합금
KR20140110926A (ko) 접합 방법, 접합 구조체 및 그 제조 방법
JP6586883B2 (ja) 鉛フリーはんだ合金、はんだ継手および方法
JP3878978B2 (ja) 鉛非含有はんだ、および鉛非含有の継手
KR100678803B1 (ko) 납 프리 땜납 합금과, 그것을 이용한 땜납 재료 및 땜납접합부
JP2008028413A (ja) 電子部品のはんだ付け方法
KR101590289B1 (ko) 땜납 합금
TW202315954A (zh) 焊料合金、焊錫球、預成型錫片、焊錫膏及焊接點
CN105834611B (zh) 一种适用于电子封装的高电导高可靠性Ce‑Sn‑Ag‑Cu焊料
JPH01262092A (ja) Cu系材料接合用はんだ及びはんだ付方法
JP6887183B1 (ja) はんだ合金および成形はんだ
JP2005288478A (ja) 無鉛はんだ接合部
JP5051633B2 (ja) はんだ合金
TW201934768A (zh) 用於電子應用之成本效益高的無鉛焊料合金
JP7376842B1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだペースト及びはんだ継手
JP2005193294A (ja) 無鉛はんだ
JP2019155476A (ja) はんだ継手
JP2006185634A (ja) 接触子部材、接触子および電気機器
JPH11267880A (ja) はんだ合金
TH45725B (th) โลหะผสมบัดกรีชนิดไม่มีตะกั่ว,ชิ้นประกอบสำหรับการเชื่อมต่อและวิธีการผลิต และชิ้นส่วนอิเล็กทรอนิก

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071025

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071030

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080604

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20080716

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20080815

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912