JP2005288229A - オレフィン系樹脂を基材とする自動車植毛製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィン系樹脂表面の密着性を改善し、作業環境の悪化の問題を払拭し、溶剤乾燥等に必要な光熱費、乾燥工程面積を低減する自動車植毛製品の製造方法を提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂に塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーを塗布し、乾燥した後、その上にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とし、融点が40℃以上150℃以下である湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を塗布し、これにより形成された接着剤層にパイルを静電植毛したオレフィン系樹脂を基材とする自動車植毛製品の製造方法
【選択図】なし

Description

本発明は、ウェザーストリップなどの自動車用植毛製品を製造する方法に関するものである。
近年、自動車業界において、部材の軽量化および環境負荷の低減を目標として従来は鋼材や塩化ビニル樹脂などによって製造されていた製品のオレフィン系樹脂への代替が進んでいる。ポリプロピレンやポリエチレンおよびそれらの樹脂にEPDM成分等のゴム成分を付与したポリオレフィンエラストマー(TPO)などの低活性樹脂は、安価で比較的強度に優れていることからウェザーストリップ、ドア、インストルメントパネルなどの自動車部品に幅広く使用されている。
オレフィン系樹脂は一般に接着剤、シール剤、コーティング剤等との密着性が不十分であるため、塩素化ポリプロピレンを基材表面に塗布して接着界面の濡れ性を改善した後、2液溶剤タイプおよび1液溶剤タイプの接着剤を使用する工法が取られている。
しかしながら、溶剤タイプの接着剤で形成された未乾燥状態の層に静電植毛を行う為、溶剤による作業環境の悪化の問題がある。
更に、静電植毛後の溶剤乾燥には多大の光熱費が必要であり、また乾燥工程に占める面積も増大する問題がある。
また、従来よりコロナ放電処理やプラズマ放電による表面処理や検討されているが、高価な特殊設備が必要である上に、密着性改善効果も少なく、更に改善された密着性が経時的になくなってしまうという問題がある。
他の接着性改善技術として樹脂の光改質があるが、次のような問題がある。特開昭64−9243号公報によるとオレフィン系樹脂に紫外線吸収性溶剤を接触させた後に紫外線照射を行う方法が提案されているが、接触時間が長く生産性が悪いことおよび改質効果に問題がある。特開平5−271444号公報では、オレフィン系樹脂に紫外線を照射した後、光重合開始剤を配合した溶液を塗布した後、再度紫外線を照射する方法が提案されているが、改質のために紫外線照射工程が二度あり、工程が複雑で生産コスト面での問題がある。特開平6−336575号公報では光開始剤を含む溶液を基材表面に塗布した後に紫外線照射を行い、更にイソシアネートを主成分とするプライマーを塗布する改質方法が提案されているが、工程が複雑で経済的でない。
特開昭64−009243号公報 特開平05−271444号公報 特開平06−336575号公報
本発明目的は、上述の欠点を解決する為になされるものであり、オレフィン系樹脂表面の密着性を改善し、作業環境の悪化の問題を払拭し、溶剤乾燥等に必要な光熱費、乾燥工程面積を低減する自動車植毛製品の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決する自動車植毛製品製造方法を鋭意検討し本発明を完成した。即ち、本発明における第1発明は、オレフィン系樹脂に塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーを塗布し、乾燥した後、その上にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とし、融点が40℃以上150℃以下である湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を塗布し、これにより形成された接着剤層にパイルを静電植毛することを特徴とするオレフィン系樹脂を基材とする自動車植毛製品の製造方法である。
本発明で得られる自動車植毛性品の製造方法により、オレフィン系樹脂表面の密着性を改善すると共に、作業環境の悪化の問題を払拭し、更に溶剤乾燥等に必要な光熱費、乾燥工程面積を低減することができる。
更に、この方法はコロナ放電やプラズマ照射よりも改質効果が高く、実用性は高い。
○オレフィン系樹脂
本発明の基材を構成するオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、これらα−オレフィンの二種以上を構成単量体とする共重合体、または上記α−オレフィンとその他の共重合可能な単量体との共重合体であり、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン(アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれも含む。以下同様)、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどの硬質ポリオレフィン材料;エチレン−プロピレン共重合体ゴム;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)および上記硬質ポリオレフィン材料にエチレン−プロピレン共重合体ゴムやEPDMを配合させたポリオレフィンエラストマー(TPO)等がある。
本発明におけるオレフィン系樹脂の基材には、所望により、その他の樹脂成分、添加物、充填物を含有させることができ、その他の樹脂成分としては、スチレン樹脂、スチレン系エラストマー、エチレンメタクリル酸樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂等がある。
本発明におけるオレフィン系樹脂の基材に含まれるオレフィン系樹脂成分の好ましい割合は50wt%以上であり、より好ましくは60wt%以上である。
○塩素化ポリオレフィン
本発明でオレフィン系樹脂に積層する塩素化ポリオレフィンは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリブチレン、共重合体として塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−ブチレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィンとして無水マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリブチレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリエチレン−プロピレンコポリマー等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。
本発明でオレフィン系樹脂に積層する塩素化ポリオレフィンの塩素含有量は好ましくは1wt%以上60wt%以下、更に好ましくは1%wt以上50wt%以下である。
塩素含有量が1wt%未満の場合、また60wt%を超える場合、ポリオレフィン系樹脂の接着剤への密着性は低下する。原因としては塩素含有量が少ない場合、塩素化ポリオレフィンの接着剤への濡れ性が低下し、また塩素含有量が多い場合、塩素化ポリオレフィンのポリオレフィン系樹脂への濡れ性が低下する為と推察する。
塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーの塗布方法は、刷毛、不織布等に適量含浸させて塗工する方法やロールコート、スプレーコート、ディップ等があるが、これらに限定するものではない。
オレフィン系樹脂に塗工した塩素化ポリオレフィン溶液の乾燥方法は、自然乾燥や熱風等による加熱強制乾燥の何れも適用可能であるが、外気温度が低い場合の基材や塩素化ポリオレフィン溶液の温度低下による双方の濡れ性低下、あるいは溶媒の種類による基材への濡れ性低下、あるいは塗布の圧締力低下による濡れ性低下が起こりうる。
このように溶液状態での濡れが十分に達成されなかった場合、濡れ損ねた固形の塩素化ポリオレフィンがオレフィン基材上に存在することになるが、当該塩素化ポリオレフィンを軟化点以上で加熱することよって、塩素化ポリオレフィンと基材との濡れ性を高めることができる。したがって、自然乾燥よりは加熱乾燥の方が安定した品質を得る上で好ましい。
○湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
1)接着剤の組成
本発明における接着剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤である。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール1種以上と分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート1種以上とを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。ウレタンプレポリマーの好ましい重量平均分子量は1000〜50000である。当該ウレタンプレポリマーとして1種または2種以上を使用することができる。
1−2)ポリオール
ウレタンプレポリマーの原料であるポリオールは、分子内に2個以上好ましくは5個以内の水酸基を有するものであり、従来より公知のものが使用可能である。好ましい具体例を以下に示す。
(i)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、1種以上のポリカルボン酸と1種以上のポリオールとをランダム共縮重合させて得られるものである。
好ましいポリカルボン酸は、分子内に2個以上のカルボキシル基を有し、炭素数が4〜24のものである。好ましい具体例としてコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、ε−カプロラクトン、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、パラオキシ安息香酸などがある。
また、好ましいポリオールは、分子内に2個以上の水酸基を有し、重量平均分子量が60〜10000のものである。好ましい具体例としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオールなどがある。
(ii)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールは、分子内に1個以上のエーテル結合を有し、好ましいポリエーテルポリオールは重量平均分子量が200〜10000のものである。好ましい具体例としてポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがある。
(iii)ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールは、分子内にポリオレフィン骨格を有し、好ましいポリオレフィンポリオールは重量平均分子量が200〜10000のものである。好ましい具体例として水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオールなどのポリアルキレンポリオールの水素化物、およびα−オレフィンの共重合物などがある。
(iv)その他ポリオール
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール、およびポリカーボネートポリオールなどがある。
1−3)ポリイソシアネート
ウレタンプレポリマーの原料であるポリイソシアネートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、従来より公知のものが使用可能である。具体的には、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、およびカルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどがある。
本発明におけるウレタンプレポリマーを製造する際のポリオールに対するポリイソシアネートの仕込み量の好ましい比は、イソシアネート基/水酸基の当量比が1〜5であり、より好ましくは1.2〜3である。
また、本発明の接着剤の湿気反応性を高めるために、三級アミン系や錫系などの触媒、その他に粘着付与剤、シランカップリング剤、充填剤、可塑剤、ワックス、安定剤、酸化防止剤などを必要に応じて添加することができる。
2)接着剤融点
本発明における接着剤は融点を有するウレタンプレポリマーからなる為、融点以下の温度において結晶性の固体になるので、溶融状態から固体に変化する際、融点を境に樹脂の粘性が急激に増加する特徴を有している。したがって、基材に塗布した接着剤層が溶融状態にある時に静電植毛作業を行い、その後冷却して接着剤を固化させることによって接着剤が結晶化しオレフィン系樹脂ともう一方の被着体であるパイルとが接着剤層に強固に固着され、初期接着強度を容易に得ることができる。
具体的には接着剤の融点を40℃以上にすることにより常態で固体であり、かつ結晶時の凝集力により初期接着強度を得ることができる。融点が40℃未満の場合、常態での初期接着強度を得ることができない。一方、接着剤の融点が150℃より高い場合、接着剤の加熱溶融時に有害物質が発生する恐れがあり、望ましくない。
接着剤の融点の測定は、室温から1℃/分で加熱しながら溶融の有無を顕微鏡で観察することにより行うことができる。
3)接着剤の溶融粘度
本発明における接着剤の好ましい溶融粘度は120℃溶融状態で200〜100000mPa・sであり、より好ましい溶融粘度は1000〜50000mPa・sであり、更に好ましい溶融粘度は1000〜20000mPa・sであり、最も好ましい粘度は1000〜10000mPa・sである。溶融粘度はBM型粘度計により容易に測定できる。
4)接着剤のガラス転移温度
本発明における接着剤の好ましいガラス転移温度は、−50〜60℃であり、より好ましくは−40〜30℃である。ガラス転移温度を上記の好ましい範囲に調整することにより、基材との密着性に優れた接着剤とすることができる。
ホットメルト接着剤を用いて静電植毛を行う場合には、パイルを植毛した未固化の接着剤層を急冷して短時間で固化させる目的で、ガス状よび液状の冷媒を用いても良い。冷媒としては、水、水とエチレングリコールの混合物、その他の有機溶剤が挙げられるが、作業環境上、および安全上水が特に好ましい。冷媒の温度に特に制限はないが、パイルの植毛に用いる接着剤の融点より低いことが必要であり、通常25℃以下が好ましい。また、冷媒による冷却時間に特に制限はないが、短時間である程、製造ラインの長さを短くできるので、通常1分以内であることが好ましい。
以下実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、各実施例および比較例における性能評価は以下の方法に従った。
○ウェザーストリップの製造
オレフィン系熱可塑性エラストマーミラストマー(三井化学株式会社製商品名)を押出し成型して作成したウェザーストリップの所定の部位に本発明の塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーを塗布し、80〜100℃の熱風で乾燥後、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を塗布し、静電植毛を施した後、室温で7日間養生して製造した。
評価に用いた接着剤は、アロンメルトR RHT−310(東亞合成株式会社製商品名)で融点は53℃、溶融粘度は120℃溶融状態で3,000mPa・sである。
また、冬季を想定して、基材温度および塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーを5℃、乾燥条件を冷風乾燥にしたウェザーストリップも作成した。
○摩耗試験
摩耗試験は、接着養生直後のウェザーストリップ、および熱老化性試験(80℃240時間)、耐候性試験(サンシャインウェザーメーターに200時間暴露)、耐水性試験(水に24時間浸漬)、および耐ウィンドウォッシャー試験(1/3に希釈したウィンドウォッシャー液に24時間浸漬)を実施した後のウェザーストリップに対して、静電植毛部位に8.33N/100mmの荷重が負荷された状態で1万回の摩耗試験を行い、植毛状態を確認し、剥がれが無い場合を○、一部剥がれた場合△、剥がれがひどい場合を×とした。
[実施例1]
オレフィン系熱可塑性エラストマーミラストマー(三井化学株式会社製商品名)を押出し成型して作成したウェザーストリップの植毛面に塩素化ポリプロピレンを主成分とする溶液としてスーパークロン(日本製紙ケミカル株式会社製商品名。塩素含有率約25wt%)を塗布し、熱風乾燥して植毛面に塩素化ポリオレフィンを積層した後、その上に120℃溶融状態の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤アロンメルトR RHT−310(東亞合成株式会社製商品名)を塗布した後、静電植毛を施し、室温で一週間接着養生した。
摩耗試験は、接着養生直後のウェザーストリップ、および熱老化性試験(80℃240時間)、耐候性試験(サンシャインウェザーメーターに200時間暴露)、耐水性試験(水に24時間浸漬)、および耐ウィンドウォッシャー試験(1/3に希釈したウィンドウォッシャー液に24時間浸漬)を実施した後のウェザーストリップに対して、静電植毛部位に8.33N/100mmの荷重が負荷された状態で1万回の摩耗試験を行った。
[実施例2]
塩素化ポリプロピレンを主成分とする溶液としてスーパークロン(日本製紙ケミカル株式会社製商品名。塩素含有率約40wt%)を塗布した以外は実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。
[実施例3]
塩素化ポリプロピレンを主成分とする溶液としてデービーボンド(ダイアボンド工業株式会社製商品名。塩素含有率2.5〜10wt%)を塗布した以外は実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。
[比較例1]
接着剤にオレスター(三井武田ケミカル株式会社製商品名)を用い、塩素化ポリプロピレンを主成分とする溶剤型プライマーとしてのデービーボンド(ダイアボンド工業株式会社製商品名。塩素含有率2.5〜10wt%)を塗布した以外は実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。
[比較例2]
プライマーを塗布しないで、実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。
[比較例3]
オレフィン系熱可塑性エラストマーミラストマー(三井化学株式会社製商品名)を押出し成型して作成したウェザーストリップの植毛面をプライマーによる処理を施さないで、替わりにプラズマ照射装置にて照射距離6mm、照射時間3秒の条件でプラズマ照射による表面処理を行った以外は実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。プラズマ照射装置は株式会社キーエンス製のST−7000を使用した。
[比較例4]
オレフィン系熱可塑性エラストマーミラストマー(三井化学株式会社製商品名)を押出し成型して作成したウェザーストリップの植毛面をプライマーによる処理を施さないで、替わりにコロナ放電装置にて照射距離5mm、照射時間15秒の条件でコロナ放電による表面処理を行った以外は実施例1と同じ条件で摩耗試験を行った。コロナ放電装置はナビスタ株式会社製のポリダインを使用した。
結果を表1および表2にまとめる。
植毛の接着性を評価するための各種摩耗試験の結果、剥がれが実質無い表1の各実施例に対して、表2の比較例では、比較例1を除いて、剥がれが多く植毛の接着性が良くなかった。なお、比較例1は溶剤系の接着剤を用いており、作業環境が良くないものである。
Figure 2005288229
Figure 2005288229
本発明は、オレフィン系樹脂から成る基材にパイルを無溶剤の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤で強固に接着した自動車植毛用製品を製造する方法を提供する。
本発明によって、従来、塩化ビニル系樹脂からなる基材が用いられていた自動車用植毛製品のオレフィン系樹脂への代替が容易になり、環境負荷の低減化が進められる。
具体的には、ポリプロピレンやポリエチレンおよびそれらの樹脂にEPDM成分等のゴム成分を付与したポリオレフィンエラストマー(TPO)などの低活性樹脂を用いて、ウェザーストリップを安価に製造することを可能とする。

Claims (1)

  1. オレフィン系樹脂に塩素化ポリオレフィンの溶液型プライマーを塗布し、乾燥した後、その上にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とし、融点が40℃以上150℃以下である湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を塗布し、これにより形成された接着剤層にパイルを静電植毛することを特徴とするオレフィン系樹脂を基材とする自動車植毛製品の製造方法。
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