JP2005286490A - 圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置 - Google Patents

圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる、圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置を提供する。
【解決手段】 圧電薄膜共振子10は、対向する一対の励振電極18a,18bの間に圧電薄膜19が配置され、一対の励振電極の少なくとも一方18aには圧電薄膜19と反対側に絶縁膜11が形成されている。絶縁膜11は、c軸配向AlNからなる第1層15と、無配向AlNからなる第2層14とを含む。第1層15は、一対の励振電極の少なくとも一方18aに隣接する。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置に関し、特に、圧電薄膜の弾性振動を利用した圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置に関する。
圧電基板の厚み振動を利用した圧電共振子の共振周波数は、圧電基板の厚さに反比例するので、超高周波領域では圧電基板を極めて薄く加工する必要がある。しかし、圧電基板自体の厚さを薄くするのは、その機械的強度や取り扱い上の制限などから、基本モードでは数100MHzが実用上の高周波限界とされてきた。
このような問題を解決するため、従来、圧電薄膜共振子が提案されており、フィルタや共振器として利用されている。例えば図1に示すように、この圧電薄膜共振子1は、Si基板4を部分的にエッチングすることにより空洞4xを形成し、Si基板4の一部に数μm以下の厚さの薄膜支持部4aを形成し、その上に一対の励振電極8a,8bを有するZnO圧電薄膜9を設けたものである。
このような圧電薄膜共振子1では、薄膜支持部4aは微細加工技術を用いて薄くすることができ、圧電薄膜9もスパッタリング等によって薄く形成することができるので、数100MHz〜数1000MHzまで高周波特性を達成できる可能性がある。
しかし、ZnOとSiは、ヤング率の温度係数がいずれも負の値となるので、ZnOからなる圧電薄膜9とSiからなる薄膜支持部4aとの組み合わせでは、共振周波数の温度特性が悪くなるという欠点がある。
この問題に対して改善したものとして、図2に示す圧電薄膜共振子2が提案されている。この圧電薄膜共振子2は、Si基板4の表面に熱酸化等によってSiO薄膜5を形成し、Si基板4を部分的にエッチングすることによってSiO薄膜5で薄膜支持部5aを形成し、その上に励振電極8a,8bを両面に有するZnO圧電薄膜9を設けている。
このように構成された圧電薄膜共振子2に電力を印加すると、振動部分が非常に高温になり、耐電力性が悪い。この問題に対して、図3に示す圧電薄膜共振子3が提案されている。この圧電薄膜共振子3は、AlNの上層6とSiOの下層5sとからなる薄膜支持部7の上に、電極8s,8t及び圧電層9を配置したものであり、絶縁膜として熱伝導率の高いAlN薄膜の上層6を形成することにより、耐電力性の向上を図っている(例えば、特許文献1、2参照)。
ZnO圧電薄膜の上にAlN膜を形成することによっても耐電力性の向上が図れる。AlN膜は無配向であっても熱伝導率が高いが、配向性が高いほど熱伝導率が高い。
特開平10−126160号公報(第5頁、図2) 特開2001−211053号公報(第5−6頁、図9、図12)
しかし、耐電力性を向上するためAlN層を設けると、電気的特性を劣化させることがある。
本発明は、このような実情に鑑み、耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる、圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下のように構成した圧電薄膜共振子を提供する。
圧電薄膜共振子は、対向する一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置され、前記一対の励振電極の少なくとも一方には前記圧電薄膜と反対側に絶縁膜が形成されたタイプのものである。前記絶縁膜は、c軸配向AlNからなる第1層と、無配向AlNからなる第2層とを含む。前記第1層は、前記一対の励振電極の少なくとも一方に隣接する。
絶縁膜にc軸配向AlNを用いると、電界の方向によって損失が生じ、共振のQを劣化させる。絶縁膜に無配向AlNを用いると、電界がどのような方向であっても損失がない。共振のQの劣化を防止するという点では、無配向AlNの方が好ましい。一方、c軸配向AlNは、無配向AlNよりも熱伝導率が大きい。圧電薄膜の振動で発生した熱の放熱性を高め、圧電薄膜共振子の耐電力性を向上するという点では、c軸配向AlNの方が好ましい。
上記構成によれば、無配向AlNよりも熱伝導率が大きいc軸配向AlNからなる第1層は、発熱する圧電薄膜に隣接するので、放熱性を高め、圧電薄膜共振子の耐電力性を向上することができる。一方、無配向AlNからなる第2層を設け、第2層においては電界方向による損失をなくし、共振のQの劣化を防止することができる。したがって、共振のQの劣化を防止して、電気的特性の向上と、耐電力性の向上との両立を図ることができる。
好ましくは、前記絶縁膜は、SiOからなる第3層を含む。
温度係数が負の値であるZnO、AlN、LiNbO、LiTaO、PZTなどの圧電材料を主成分とする圧電薄膜の場合には、絶縁膜に、温度係数が正の値であるSiOの第3層を含めることにより、共振周波数の温度特性を安定にすることができる。Si基板を用いれば、第3層を熱酸化等により容易に形成できる。
好ましくは、前記絶縁体層の前記第1層を構成するc軸配向AlNは、その配向性がXRDのθ−2θ法において、ロッキングカーブの半幅値で4°以下である。前記絶縁体層の前記第2層を構成する無配向AlNは、その配向性がXRDのθ−2θ法において、(002)面以外に(100)、(101)、(102)、(110)、(103)、(112)、(201)及び(203)のうち少なくとも一つの面からの信号が観測される。
また、本発明は、上記各構成のいずれかの圧電薄膜共振子を用いたことを特徴とする圧電フィルタを提供する。
また、本発明は、上記各構成のいずれかの圧電薄膜共振子を用いてラダー構成にしたことを特徴とする圧電フィルタを提供する。
また、本発明は、上記各構成のいずれかの圧電薄膜共振子又は上記各構成のいずれかの圧電フィルタを用いたことを特徴とするデュプレクサを提供する。
また、本発明は、上記各構成のいずれかの圧電薄膜共振子、上記各構成のいずれかの圧電フィルタ又は上記構成のデュプレクサを用いたことを特徴とする通信装置を提供する。
本発明の圧電薄膜共振子ならびに該圧電薄膜共振子を用いた圧電フィルタ、デュプレクサ及び通信装置は、耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態として実施例を、図4〜図12を参照しながら説明する。
まず、第1実施例の圧電薄膜共振子10について、図4、図10〜図12を参照しながら説明する。
圧電薄膜共振子10は、基板12と、絶縁膜11と、図において上下一対の励振電極18a,18bと、励振電極18a,18b間に配置される圧電薄膜19とを備える。
基板12には、部分的に空洞12xが形成されている。絶縁膜11は、基板12に支持された第1の部分と、基板12の空洞12xに隣接し基板12から離れた第2の部分16とを有する。基板12には、例えば、Si基板を用いる。
絶縁膜11は、SiO膜13と、無配向AlN膜14と、c軸配向AlN膜15との3層構造となっている。図において下側の励振電極18aは、絶縁膜11上に部分的に配置されているが、少なくとも、第2の部分16上の一部分には配置されるようになっている。圧電薄膜19は、励振電極18a及び絶縁膜11(励振電極18aのない部分)上に形成されている。図において上側の励振電極18bは、圧電薄膜19の上に、圧電薄膜19を介して、励振電極18aの少なくとも第2の部分16上の部分と対向するように、形成されている。すなわち、絶縁膜11の第2の部分16は、励振電極18a,18b間に配置された圧電薄膜19の厚み振動部分を支持する。
次に、圧電薄膜共振子10の具体的な製造方法について、説明する。
まず、基板12として、(100)面シリコン基板を用意し、基板12の片面(図においては上面)に、熱酸化、スパッタリング法等の成膜方法で、SiO膜13を形成する。次に、基板12の反対側の面(図においては下面)から、異方性エッチング、RIE(Reactive Ion Etching)等により、基板12を部分的に除去し、空洞12xを形成する。
次に、SiO膜13の上に、無配向AlN膜14を、例えば反応性RFマグネトロンスパッタ法により形成する。この成膜方法では、AlまたはAlNを主成分とするターゲット材料を用い、ArとNをガスに用いて、AlNを成膜する。成膜時のガス圧がある程度高くなると、スパッタリング粒子と気体分子との衝突回数が増え、基板に対する垂直入射が阻害される。これにより、スパッタリング粒子は基板に対してさまざまな角度から入射し、一方向への配向性が失われ、無配向となり、無配向AlN膜14を形成できる。
成膜条件は、例えば、ガス圧が1.0Pa〜5.0Pa、Ar/N比が3/7〜7/3程度、基板加熱温度が室温〜500℃程度、背圧が2×10−4Pa以下程度、成膜レート4nm/min以上が得られるRFパワーで、成膜することが望ましい。
図10は、無配向AlN膜14のXRDのθ−2θ図(X線回折パターン)である。縦軸は、X線照射角度をスキャンし、角度のステップごとに決まった時間中における半導体検出器のカウント数を積算した回折強度を任意単位(a.u.;arbitrary unit)で示している。横軸は、スキャンした角度を示している。成膜条件は、ガス圧が1.3Pa、1.7Pa、2.1Pa、成膜レートが5nm/minである。この図から、無配向AlN膜14は、(002)面以外に(100)、(101)、(102)、(110)、(103)、(112)、(201)及び(203)のうち少なくとも一つの面からの信号が観測されることが分かる。
次に、無配向AlN膜14の上に、c軸配向AlN膜15を、例えば反応性RFマグネトロンスパッタ法により形成する。この成膜方法では、AlまたはAlNを主成分とするターゲット材料を用い、ArとNをガスに用いて、AlNを成膜する。成膜時のガス圧を低くし、スパッタリング粒子の基板に対する垂直入射性を向上させることで、c軸が基板に垂直方向に良好に成長したc軸配向AlN膜15を形成できる。
成膜条件は、例えば、ガス圧が0.1Pa〜1.0Pa、Ar/N比が3/7〜7/3程度、基板加熱温度が室温〜500℃程度、背圧が2×10−4Pa以下程度、成膜レート4nm/min以上が得られるRFパワーで、成膜することが望ましい。
図11は、ガス圧が0.2Pa、成膜レートが4nm/minで成膜したc軸配向AlN膜15のXRDのθ−2θ図である。この条件で成膜したc軸配向AlN膜15の配向性は、ロッキングカーブの半幅値で4°以下である。
なお、無配向AlN膜14やc軸配向AlN膜15は、蒸着法やCVD法などの成膜方法で成膜してもよい。
次に、c軸配向AlN膜15の上に、電極材料を例えばリフトオフ蒸着法によって堆積させ、一方の励振電極18aを形成する。そして、メタルマスクを用いて例えば反応性RFマグネトロンスパッタ法により、励振電極18a及びc軸配向AlN膜15(励振電極18aのない部分)の上に、ZnOを堆積させ、ZnO膜の圧電薄膜19を形成する。このとき、励振電極18aの一部は、外部との接続のため、圧電薄膜19から露出するようにする。或いは、全面にZnO膜の圧電薄膜を形成し、この圧電薄膜の上にフォトリソグラフィー法を用いて、外部との接続部分に開口を有するレジストマスクを形成し、このレジストマスクを介して圧電薄膜をエッチングして、励振電極18aの一部を、外部との接続のため、圧電薄膜19から露出させる。最後に、圧電薄膜19の上に、電極材料を例えばリフトオフ蒸着法によって堆積させ、他方の励振電極18bを形成する。
以上の工程により、圧電薄膜共振子10を作ることができる。
図12は、本実施例の圧電薄膜共振子10と、従来例の圧電薄膜共振子とのインピーダンス特性を示す。本実施例の圧電薄膜共振子10では、共振点50におけるインピーダンス(共振抵抗)が1.96Ωである。従来例では、共振点52におけるインピーダンス(共振抵抗)が2.72Ωである。つまり、本実施例の圧電薄膜共振子10は、従来例よりも共振抵抗が小さい。また、本実施例の圧電薄膜共振子10は、従来例よりも、反共振抵抗が高くなっている。したがって、本実施例の圧電薄膜共振子10は、従来例よりも共振のQが改善され、電気的特性が向上していることが分かる。
このように電気特性が改善されるのは、AlN膜を、無配向AlN膜14とc軸配向AlN膜15との2層にすることによる。
すなわち、圧電薄膜共振子において、絶縁膜として配向性AlNを用いると、c軸配向の電界方向に平行な成分が誘電損失として電気機械結合係数を介して機械損失に変換され、共振のQが劣化する。この損失は、c軸配向の方向が電界方向と平行になるとき最大となり、傾けるとこれより小さくなり、電界方向と直角のとき(c軸が基板面と平行に配向しているとき)、ゼロとなる。AlNをc軸が基板表面に平行になるように成膜した場合であっても、電界の方向が基板に対して斜めになっているところでは、誘電損失が発生する。これに対して、無配向のAlNを絶縁膜11として用いると、電界がどの方向を向いても損失がゼロである。したがって、AlNは、電気的特性という点では、基板表面に平行に配向させるよりも、無配向とする方が良いと考えられる。
一方、c軸配向AlNの方が無配向AlNより熱伝導率が大きい。そのため、圧電薄膜19を成長させる側の絶縁膜の表面は、c軸配向AlNの方が、振動で発生した熱の放熱性が良くなり、圧電薄膜共振子の耐電力性が向上する。また、c軸配向している方が、この上に形成される圧電薄膜の配向性が向上し、共振のQが高くなる。
したがって、絶縁膜11に用いるAlN膜について、無配向AlN膜14の上にc軸配向AlN膜15を形成した2層にすることにより、耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる。
第1実施例の第1の変形例として、圧電薄膜共振子10aにSiO膜13を設けない構成を図13に示す。
次に、第1実施例の第2の変形例について、図14を参照しながら説明する。
第1実施例との相違点は、無配向AlN膜14が、第2の励振電極18b及び圧電薄膜19の上に第2の絶縁膜として形成されることである。
c軸配向AlN膜15は無配向AlN膜14に比べて熱伝導率が大きいので、振動で発生した熱の放熱性が良くなり、圧電薄膜共振子10bの耐電力性が向上する。また、c軸配向している方が、この上に形成される圧電薄膜19の配向性が向上し、共振のQが高くなる。
また、第2の励振電極18b及び圧電薄膜19の上に形成したAlN膜14が無配向であるので、誘電損失がなく、共振のQが高い。
第2の励振電極18b及び圧電薄膜19の上にc軸配向AlN膜を形成すると、誘電分極による電界が発生し、c軸配向の電界方向成分に比例した誘電損失が発生する。そのため、共振のQが劣化する。
次に、第1実施例の圧電薄膜共振子10を用いる第2〜第4実施例の圧電フィルタ32,34,36について、図5〜図7を参照しながら説明する。
図5は、第2実施例の圧電フィルタ32の回路図である。この圧電フィルタ32は、2つの直列圧電薄膜共振子10と1つの並列圧電素子10とをT型にラダー接続したT型ラダーフィルタである。
図6は、第3実施例の圧電フィルタ34の回路図である。この圧電フィルタ34は、1つの直列圧電薄膜共振子10と1つの並列圧電薄膜共振子10とをL型にラダー接続したL型ラダーフィルタである。
図7は、第4実施例の圧電フィルタ36の回路図である。この圧電フィルタ36は、2つのL型ラダーフィルタを組み合わせたものであり、2つの直列圧電素子10と2つの並列圧電素子10とをラダー接続したパイ(π)型ラダーフィルタである。
第2〜第4実施例の圧電フィルタ32,34,36は、耐電力性と電気的特性の両方が優れた圧電薄膜共振子10を用いるので、圧電フィルタ32,34,36としての耐電力性や電気的特性も良好となる。
次に、第5実施例のデュプレクサ40について、図8を参照しながら説明する。
デュプレクサ40には、アンテナ端子42、受信側端子44および送信側端子46が設けられている。デュプレクサ40は、受信側端子44および送信側端子46と、アンテナ端子42との間に、所要周波数帯域の通過のみ許す第1実施例の圧電薄膜共振子10、又は第2〜第4実施例の圧電フィルタ32,34,36のいずれかを、回路素子として備える。デュプレクサ40は、フィルタ特性の優れた圧電薄膜共振子10、またはこの圧電薄膜共振子10により構成される圧電フィルタ32,34,36を回路素子として備えるので、送信や受信の特性・性能を高めることができる。
次に、第6実施例の通信装置について説明する。
第6実施例の通信装置は、第5実施例のデュプレクサ40と、不図示の受信回路、送信回路及びアンテナを備える。受信回路は、デュプレクサ40の受信側端子46に接続される。送信回路は、デュプレクサ40の送信側端子46に接続される。アンテナは、デュプレクサ40のアンテナ端子42に接続される。この通信装置は、フィルタ特性の優れた圧電薄膜共振子10を用いることにより送信や受信の特性・性能を高めたデュプレクサ40を用いるので、送信や受信の特性・性能を高めることができる。
次に、第7実施例の圧電薄膜共振子20について、図9を参照しながら説明する。
図9は、圧電薄膜共振子20の構成を模式的に示す断面図である。圧電薄膜共振子20は、第1実施例の圧電薄膜共振子10と同様に、基板22に支持された第1の部分と基板22から離れた第2の部分26とを有する絶縁膜21を形成し、絶縁膜21上に、一対の励振電極28a,28b及び圧電薄膜29を形成する。圧電薄膜29は、第2の部分26の上方において、励振電極28a,28b間に配置される。
第1実施例と同様に、基板22は、例えばSi基板である、圧電薄膜29は、例えばZnO膜である。絶縁膜21は、SiO膜23と、無配向AlN膜24と、c軸配向AlN膜25との3層構造である。すなわち、基板22上にSiO膜23が形成され、c軸配向AlN膜25が励振電極28a及び圧電薄膜29側に配置され、無配向AlN膜24がSiO膜23とc軸配向AlN膜25との間に配置される。
第1実施例と異なり、基板22の空洞22xは、基板22の上面側に形成される。空洞22xは、例えば、基板22の上面にSiO膜23を形成した後、SiO膜23に開口部を形成し、この開口部から基板22をエッチングすることにより、形成する。
この圧電薄膜共振子20は、第1実施例の圧電薄膜共振子10と同様に、絶縁膜21がc軸配向AlN膜25と無配向AlN膜24とSiO膜23とにより構成されているので、耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる。
第7実施例の圧電薄膜共振子20は、第2〜第6実施例において用いられている圧電薄膜共振子10の代わりに用いることができ、これにより、圧電フィルタ10を用いた場合と同様に、良好な特性・性能を実現することができる。
以上の各実施例は、耐電力性と電気的特性の両方を向上することができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
例えば、基板12,22は、ガラスや水晶などシリコン基板以外を用いてもよい。また、レーザ加工など加工法で基板12,22に空洞12x,22xを形成してもよい。
圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(従来例1) 圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(従来例2) 圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(従来例3) 本発明の圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(実施例1) T型ラダーフィルタの回路図である。(実施例2) L型ラダーフィルタの回路図である。(実施例3) 他のL型ラダーフィルタの回路図である。(実施例4) デュプレクサの概略構成図である。(実施例5、6) 本発明の圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(実施例7) 無配向AlN膜のXRDのθ−2θ図である。(実施例1) c軸配向AlN膜のXRDのθ−2θ図である。(実施例1) インピーダンス特性のグラフである。(実施例1、従来例) 圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(実施例1の変形例1) 圧電薄膜共振子の構成を模式的に示した断面図である。(実施例1の変形例1)
符号の説明
10 圧電薄膜共振子
11 絶縁膜
12 基板
13 SiO膜(第3層)
14 無配向AlN膜(第2層)
15 c軸配向AlN膜(第1層)
18a,18b 励振電極
19 圧電薄膜
20 圧電薄膜共振子
21 絶縁膜
22 基板
22x 空洞
23 SiO膜(第3層)
24 無配向AlN膜(第2層)
25 c軸配向AlN膜(第1層)
28a,28b 励振電極
29 圧電薄膜
32,34,36 圧電フィルタ
40 デュプレクサ

Claims (7)

  1. 対向する一対の励振電極の間に圧電薄膜が配置され、前記一対の励振電極の少なくとも一方には前記圧電薄膜と反対側に絶縁膜が形成された圧電薄膜共振子において、
    前記絶縁膜は、c軸配向AlNからなる第1層と、無配向AlNからなる第2層とを含み、
    前記第1層は、前記一対の励振電極の少なくとも一方に隣接することを特徴とする、圧電薄膜共振子。
  2. 前記絶縁膜は、SiOからなる第3層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の圧電薄膜共振子。
  3. 前記絶縁体層の前記第1層を構成するc軸配向AlNは、その配向性がXRDのθ−2θ法において、ロッキングカーブの半幅値で4°以下であり、
    前記絶縁体層の前記第2層を構成する無配向AlNは、その配向性がXRDのθ−2θ法において、(002)面以外に(100)、(101)、(102)、(110)、(103)、(112)、(201)及び(203)のうち少なくとも一つの面からの信号が観測されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧電薄膜共振子。
  4. 請求項1、2又は3に記載の圧電薄膜共振子を用いたことを特徴とする圧電フィルタ。
  5. 請求項1、2又は3に記載の圧電薄膜共振子を用いてラダー構成にしたことを特徴とする圧電フィルタ。
  6. 請求項1、2もしくは3に記載の圧電薄膜共振子又は請求項4もしくは5に記載の圧電フィルタを用いたことを特徴とするデュプレクサ。
  7. 請求項1、2もしくは3に記載の圧電薄膜共振子、請求項4もしくは5に記載の圧電フィルタ又は請求項6に記載のデュプレクサを用いたことを特徴とする通信装置。
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