JP2005286072A - 固体電解質コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解質コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブ金属をアノードとする固体電荷質コンデンサにおいて、漏れ電流の小さい、そしてESR値の小さいコンデンサ設計技術を提供しようとするものである。
【解決手段】バルブメタルを所定の耐電圧までアノード化成処理してなる、誘電体酸化被膜が形成されたアノードに対して、該誘電体酸化被膜に直接被覆するカソード材料として、標準水素電極(NHE)を基準とした酸化還元電位が0.7Vよりも高い酸化還元電位を有する電子導電性材料を選択、使用することにより解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、固体電解質コンデンサおよびその製造方法に関する。詳しくは、バルブメタルをアノードとし、標準水素電極(Normal Hydrogen Electrode、以下NHEという)に対する酸化還元電位が0.7V以上ある電子導電性物質をカソード材料として選択したことを特徴とした固体電解質コンデンサとその製造方法に関する。さらに詳しくはカソード材料として、二酸化鉛PbO2を用いることにより、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、以下ESRという)の低い固体電解質コンデンサとその製造方法に関する。
近年、各種通信用電子機器、PCや携帯電話の発達と普及には目覚ましいものがある。その発展の裏にはこれを支えるコンデンサの機能向上とこれを追求する地道な努力に負うところが極めて大きい。すなわち、これらの機器開発の特徴として、小型化、軽量化を挙げることができるが、これに伴い、これら機器に使用されるコンデンサにおいても、機器本体以上に小型化、軽量化、さらには長寿命化が図られてきた。
固体電解コンデンサの構造とその作製手順は、図1、図2に示す通りである。まず、タンタルおよびニオブなどのバルブメタル金属粉末を用意し、これを成型し、焼結炉で焼結して該金属の多孔質焼結体1を製造する。得られたバルブメタル多孔質焼結体を、リン酸溶液等適当な電解液中に浸漬し、液中で金属をアノード化成処理し、焼結体を構成する金属表面上に、金属酸化物被膜すなわち誘電体酸化物2の一様な層を形成する。これによって、バルブメタル金属は、その表面が誘電体層で確実に覆われるようにする。
次いで、この誘電体層の上に、二酸化マンガンやポリピロールなどのいわゆる固体電解質である電子伝導体3を層状に塗布し、その上にグラファイト層4、銀塗料層5等のカソード材料を順次形成し、最後に導電性接着剤層6を塗布しコンデンサチップ11を得(図1)、所定の金属電極を取りつけ、エポキシ樹脂等外装モールド樹脂にて被覆する。
ここに、多孔質焼結体に設定する理由は、コンデンサのキャパシタンスはバルブメタル焼結体の表面積に依存し、表面積が大きいとキャパシタンスも大きくなるからであって、金属箔や金属線を使用することもでき、この態様に限定されない。図2において、11は、図1に示した構造からなるチップ型コンデンサの外観であり、その一端には樹脂リング12を介して陽極13が取り付けられ、その先端には陽極端子14が溶接15を介して取り付けられている。チップ型コンデンサ11の側面には板バネ構造に形成した陰極端子16が、コンデンサ11を挟持する態様で取り付けられ、外部は外装樹脂18によって構成され、電極部分を除き全体が被覆される(図2)。
上記コンデンサ設計においては、アノードを被覆するカソード材料には、ESR(等価直列抵抗)を低減するための高い導電性が求められるとともに、アノードに形成されている誘電体酸化被膜の欠陥に由来する漏れ電流(Leak Current、以下LCという)を低減すること、すなわち、該酸化皮膜の欠陥を修復する機能が求められている。このような要件を満たすものとして従来は、二酸化マンガンや導電性高分子が用いられ酸化皮膜の上に圧着塗布されていた。すなわち、コンデンサは、タンタルやニオブ等のアノード電極を化成処理後、アノード電極に形成された誘電体酸化被膜の上に被膜修復性能を有する二酸化マンガンや高分子を積層し、その上に導電性を向上させるために炭素、銀ペーストの順で積層させた構造に設計されていた。
アノード電極とカソード電極とは、アノード電極の表面に形成された誘電体酸化被膜によって絶縁されて電流が漏れない様に設計されている。しかし、この絶縁皮膜に、何らかの欠陥がある場合、漏れ電流の原因となり、コンデンサ設計としては信頼性を欠くことになる。そこで、絶縁被膜に起因する漏れ電流に対しては、誘電体酸化皮膜の欠陥を修復し、その絶縁性の回復を図ることにより対処すれば、すくなくとも絶縁層の欠陥に起因する漏れ電流問題は解消される。前記説明した酸化皮膜誘電体層の上に直接付着させる二酸化マンガンにはそのような機能が求められ、その上に炭素、銀ペーストの順に積層し、導電性を確保していた。
大館、阿相、小野、2002年電気化学秋季大会講演要旨集,p.160(2002)
しかしながら、二酸化マンガンをカソード材料として誘電体酸化皮膜を被覆する従来のコンデンサ設計は、被膜修復性の点では良好であるが、電子電導性については決して優れている材料とはいえなかった。コンデンサ設計の観点から言えば、被膜修復性能、電子電導性ともに優れたカソード材料が求められていた。特に、タンタルよりも埋蔵量の豊富な、そして安価なニオブをアノード(陽極)とする場合においては、この傾向は顕著であり、ニオブを用い且つ二酸化マンガンを用いたコンデンサ設計は、電子伝導性において劣っているのみならず、漏れ電流問題も指摘され(非特許文献1)、被覆修復性能のある、電子導電性において優れたカソード材料が求められていた。
しかしながら、これを各種材料の中から探し出すことは明確な選定基準と言えるものがなく、適正な材料の選択はそれ自体極めて困難でコンデンサ設計に際して大きな阻害要因ともなっていた。このような事情に対してこれを基本的に解決しようとする研究は、電子電導性に関しては、比抵抗の測定により容易に確認しやすいこともあり、多数の研究がなされているが、一方のカソード材料の被膜修復性については適正な評価方法、評価基準と言えるものがなく、ほとんど研究されていなかった。
このような事情から、本発明者らにおいては先ず、被覆修復性について適正な評価方法、評価基準につき鋭意研究した結果、アノード酸化皮膜の被膜修復性は微量の水分とカソード材料の酸化力と深い関係があること、すなわち、微量の水分の存在とカソード材料の酸化力によって酸化被膜の絶縁性が修復されることをつきとめ、その成果について先に特許出願を申請した(特許願2004−56767号)。そして、本発明者らにおいてはこの研究をさらに発展させた結果、カソード材料の被膜修復性はカソード材料の有する酸化還元電位によって適正か否かを評価することが可能であることを知見した。
すなわち、標準水素電極(NHE;Normal Hydrogen Electrode)に対して酸化還元電位が0.7V以上の酸化還元電位を有し、電子導電性に優れた材料が、被膜修復機能において優れていること、前記数値を超えるものを選定することによって、被膜修復性に富んだコンデンサを設計することができることを知見した。この酸化還元電位の値が高い材料ほど皮膜修復性は顕著であり、これが従来設計を超えるには、従来専ら使用されていた二酸化マンガン粉末の酸化還元電位が略0.7Vであるから、これよりも高いことが好ましく、0.8V以上あれば優れた材料であると言うことが出来ることを知見した。とりわけそのようなカソード材料としては、二酸化鉛粉末が挙げられ、二酸化鉛は他の材料粉末よりも酸化還元電位が高く、例えば二酸化マンガン粉末と比べるとはるかに高い酸化力と高い電子電導性を兼ね備え、低ESRかつ低LCのコンデンサ設計が可能であり、極めて優れた材料であることを知見した。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものである。その解決手段として講じた技術的構成は以下(1)ないし(10)に記載の通りである。
(1) バルブメタルをアノードとする固体電解質コンデンサにおいて、バルブメタルを所定の耐電圧までアノード化成処理してなる、誘電体酸化被膜が形成されたアノードに対して、該誘電体酸化被膜に直接被覆するカソード材料として、標準水素電極(NHE)を基準とした酸化還元電位が0.7Vよりも高い酸化還元電位を有し、電子導電性に優れた材料を選択、使用することを特徴とした、バルブメタルをアノードとする固体電解質コンデンサ。
(2) 該カソード材料として、酸化還元電位が特に0.8V以上の酸化還元電位を有し、電子導電性に優れた材料を選択、使用することを特徴とした、前記(1)記載のバルブメタルをアノードとする固体電解コンデンサ。
(3) 該カソード材料として、二酸化鉛を選択、使用することを特徴とした、
前記(1)または(2)項に記載のバルブメタルをアノードとする固体電解コンデンサ。
(4) 該カソード材料としてテトラシアノキノジメタン(TCNQ)、ポリピロール、ポリチオフェン、二酸化マンガン、炭素からなる群から選択される1種または2種以上と、二酸化鉛との混合物を用いることを特徴とする前記(1)ないし(3)記載の何れか1項に記載の固体電解コンデンサ。
(5) バルブメタルとしてタンタル、ニオブまたはこれらの合金を用いた前記(1)ないし(4)の何れか1項に記載の固体電解コンデンサ。
(6) バルブメタルを所定の耐電圧までアノード化成処理して誘電体酸化被膜が形成されたアノードに対して、カソード材料としてNHEに対する酸化還元電位が0.7V以上であり、電子導電性に優れた材料を圧着あるいは塗布、形成したことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
(7) 該カソード材料として、酸化還元電位が特に0.8V以上であり、電子導電性に優れた材料を選択、使用することを特徴とする前記(6)記載の固体電解コンデンサの製造方法。
(8) 該カソード材料として、二酸化鉛を選択したことを特徴とする、前記(6)または(7)記載の固体電解質コンデンサの製造方法。
(9) 該カソード材料としてテトラシアノキノジメタン(TCNQ)、ポリピロール、ポリチオフェン、二酸化マンガン、炭素とからなる群から選択される1種または2種以上の材料と、二酸化鉛との混合物を用いることを特徴とする前記(6)ないし(8)の何れか1項に記載の固体電解質コンデンサの製造方法。
(10) バルブメタルとしてタンタル、ニオブまたはこれらの合金を用いたことを特徴とする前記(6)ないし(9)の何れか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
本発明は、固体コンデンサの設計において、アノード化成処理した誘電体酸化被膜が形成されてなるアノードの上に直接被覆するカソード材料として水素標準電極NHEに対する酸化還元電位が0.7V以上の酸化還元電位を有する電子伝導性物質を選択し、使用することにより、アノード酸化被膜に対してその欠陥を修復し、欠陥に基因する漏れ電流を低減せしめる作用効果が奏せられるものである。特に二酸化鉛粉末をカソード材料に用いることにより、従来の二酸化マンガン粉末を使用する場合に比し、電子伝導性に優れるため、ESRを低減する効果も奏せられ、期待される。
本発明において上記(1)に記載の事項は、本発明狙いを達成するために必要な要件事項を規定し、開示するものである。(2)ないしは(5)に記載する事項は、前記(1)記載の事項について、さらに具体的実施態様を開示するものである。本発明はこれらの態様を含むものである。
また、同様に(6)に記載する事項は、本発明のねらいとするコンデンサを製造するための要件事項を規定したものであり、(7)ないし(10)に記載する事項は、前記(6)記載の事項について、さらに具体的態様を開示し、本発明はこれらの態様を含むものである。勿論、それ以外にも本発明の狙いを達成するかぎり、他の要件事項を含み、ないしは他の要件事項による態様も本発明の態様に含まれるものである。
以下、本発明を図面、および実験に基づいて説明する。ここに開示する態様は、あくまでも本発明を容易に理解するための一助として記載するものであって、本発明をこれによって限定する趣旨ではない。
表1に各種カソード材料を、アノード材料へディップコーティング、熱分解反応法、圧着等の各種塗布方法によって塗布したときの態様と、材料の酸化力を示す自然電位すなわち酸化還元電位を示す。本実験の自然電位の測定方法は次のように測定した。先ず、アノード材料としてニオブ金属線(日本ケミコン(株)、純度99.9%、φ0.3mm)を準備し、13cm切り取り、その中の10cmを渦巻き状に巻き、3cmを柄として約φ0.7cmの円形電極を作製した。このニオブ渦巻状電極上に20V(vs Ag/AgCl)のアノード酸化皮膜を化成した後、その表面に表1に示す態様にて二酸化鉛もしくは二酸化マンガンを塗布し、この円形電極を作用極とし、参照極にAg/AgCl、対極に白金を用い、電解液を20wt%リン酸水溶液とした三極式のセルを組立てた。次にポテンショスタットをE-METERモードにしておき作用極を電解液に浸した時の電位を自然電位として計測した。
試料極へのカソード材料の各塗布方法は、次のように行った。
1.圧着法による塗布;
精密電子天秤に薬包紙を乗せ、カソード材料をそれぞれはかりとり、メノウ乳鉢に入れ、テフロン分散液を2滴加え、1分間よく混練してシート状に薄く延ばした。サニメント手袋を装着して、シート状にしたカソード材料を試料極の全体を覆うように包み、冶具に入れ、油圧式ポンプ(理研精機)を用いて、1kgf/cm2、10秒間プレスした。
2.ディップコーティングによる塗布;
カソード材料とフッ化ビニリデンポリマー(PVDF KFポリマー、呉羽化学工業株式会社製商品名)を、10wt%:90wt%となるようにMnO2、または炭素(C)、フッ化ビニリデンポリマー(PVDF KFポリマー、呉羽化学工業株式会社製表品名)をそれぞれ電子天秤ではかりとり、スクリュー菅に入れガラス棒で5分間よくかき混ぜた。試料極の渦巻形状部分だけをかき混ぜた溶液につけて取り出し、台にのせて、ドラフト内の乾燥機に入れ乾燥させた。
3.熱分解法による塗布;
試料極の渦巻形状部分だけを硝酸マンガン溶液につけて取り出し、台にのせて、ドラフト内の電気炉に入れ400℃、20分間乾燥させた。この操作を4回繰り返した。
Ag/AgClはNHEに対して約0.2V貴な電位を持つ。この表に示した材料ではNHEに対して0.7V以上の酸化還元電位を有する物質は二酸化マンガンと二酸化鉛であり、二酸化鉛が二酸化マンガンより高い被膜修復性能を有することがわかる。また、二酸化鉛は二酸化マンガンよりも電子電導性の点でも大きいことが知られている(二酸化鉛の電気電導率=110S/m、二酸化マンガンの電気電導率=0.1S/m、理化学事典(第5版)岩波書店(1998)、“二酸化鉛”、“二酸化マンガン”各項を参照のこと)。
Figure 2005286072
実験1;
ニオブ金属線(日本ケミコン(株)、純度99.9%、φ0.3mm)を準備し、アルカリ脱脂した。二酸化鉛粉末を用意し、これにテフロン分散水溶液を数滴滴下して混練し、これを油圧式ポンプ(理研精機(株)製)にて20kgf/cm2の圧力をかけてニオブ金属線に圧着した。乾燥後、20wt%リン酸水溶液中にて1V/secの掃引速度で0〜20Vまで電位掃引した。図3に、この時のSCサイクリックボルタムグラム、すなわち、二酸化鉛を圧着したニオブ電極をリン酸液中で通電した時のSCサイクリックボルタモグラムを示す。1サイクル目は4V付近より0.6mAの安定した電流が流れた。この電流は、酸化被膜が生成する際に実際の流れた電流である。2サイクル目は1サイクル目に比べ電流はほとんど流れなかった。このことは化成処理していないニオブに二酸化鉛を圧着したものをアノード分極すると、ニオブ/二酸化鉛の界面に二酸化鉛の酸化力により絶縁性を持った酸化皮膜(誘電体)が出来ていることを示すものであり、二酸化鉛には絶縁性修復機能が存在し、アノード分極電流と協働して酸化皮膜修復機能を発現したことを示していることが明らかとなった。
実験2;
次に実験1と同様にニオブ金属線を準備し、アルカリ脱脂し、20wt%リン酸水溶液中にて1V/secの掃引速度で0〜20Vまで電位掃引した。図4にニオブに20V相当のアノード酸化皮膜をつけた後、二酸化鉛を圧着した電極のリン酸水溶液中におけるボルタムグラムを示す。1サイクル目は電流が流れはじめ7V付近で最大0.4mAの安定した電流が流れ、20Vアノード反転時には最大電流0.75mAが流れた。この電流は、圧着によって破壊された被膜に起因する電流であり、2サイクル目は電流が減少し電流はほとんど流れなくなった。このことは、該被膜の絶縁性欠陥が、二酸化鉛による酸化力と一種の漏れ電流とみられる修復電流とが協働し、これによって被膜修復性が発現し、二酸化鉛の酸化力により修復され、ニオブ酸化皮膜/二酸化鉛界面が絶縁されたことを意味している。したがってこのような絶縁界面はコンデンサとして使用できることを示しているものである。加えて、二酸化鉛は二酸化マンガンに比し電子電導性において優れているため低ESRのコンデンサを設計することができることを意味している。
以上の実験データから、本発明は、コンデンサ設計において、これまでは評価自体が極めて困難であったアノードの酸化皮膜の欠陥に起因するとされている漏れ電流問題について、その原因となる欠陥を修復性する機能を備えた材料を選定する明確な基準を提供するものであり、基準のなかった従前のコンデンサ設計に比し、品質的に再現性のあるコンデンサを設計することができ、その意義は極めて大である。すなわち、コンデンサ設計技術において極めて実用性に富んだ解決手段を投じたもので、今後のコンデンサ技術に与える影響は大であると思料される。
本発明は前述したとおり漏れ電流の小さい、そしてESR値の小さいコンデンサ設計技術を提供したものであり、今後、コンデンサならびにコンデンサを利用する技術分野において、大いに利用されることが期待される。
固体電解コンデンサの模式図 チップ型固体電解コンデンサの模式図 ニオブに二酸化鉛を圧着した電極のサイクリックボルタモグラムを示す図 ニオブ酸化被膜に二酸化鉛を圧着した電極のサイクリックボルタモグラムを示す図

Claims (10)

  1. バルブメタルをアノードとする固体電解質コンデンサにおいて、バルブメタルを所定の耐電圧までアノード化成処理してなる、誘電体酸化被膜が形成されたアノードに対して、該誘電体酸化被膜に直接被覆するカソード材料として、標準水素電極(NHE)を基準とした酸化還元電位が0.7Vよりも高い酸化還元電位を有し、電子導電性に優れた材料を選択、使用することを特徴とした、バルブメタルをアノードとする固体電解質コンデンサ。
  2. 該カソード材料として、酸化還元電位が特に0.8V以上の酸化還元電位を有し、電子導電性に優れた材料を選択、使用することを特徴とした、請求項1に記載するバルブメタルをアノードとする固体電解コンデンサ。
  3. 該カソード材料として、二酸化鉛を選択、使用することを特徴とした、請求項1または2に記載するバルブメタルをアノードとする固体電解コンデンサ。
  4. 該カソード材料としてテトラシアノキノジメタン、ポリピロール、ポリチオフェン、二酸化マンガン、炭素からなる群から選択される1種または2種以上と、二酸化鉛との混合物を用いることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. バルブメタルとしてタンタル、ニオブまたはこれらの合金を用いた請求項1ないし4の何れか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  6. バルブメタルを所定の耐電圧までアノード化成処理して誘電体酸化被膜が形成されたアノードに対して、カソード材料としてNHEに対する酸化還元電位が0.7V以上であり、電子導電性に優れた材料を圧着あるいは塗布、形成したことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 該カソード材料として、酸化還元電位が特に0.8V以上であり、電子導電性に優れた物質を選択、使用することを特徴とする請求項6項に記載する固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 該カソード材料として、二酸化鉛を選択したことを特徴とする、請求項6または7記載の固体電解質コンデンサの製造方法。
  9. 該カソード材料としてテトラシアノキノジメタン、ポリピロール、ポリチオフェン、二酸化マンガン、炭素とからなる群から選択される1種または2種以上の材料と、二酸化鉛との混合物を用いることを特徴とする請求項6ないし8記載の何れか1項に記載の固体電解質コンデンサの製造方法。
  10. バルブメタルとしてタンタル、ニオブまたはこれらの合金を用いたことを特徴とする請求項6ないし9の何れか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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