JP2005285575A - 異極像結晶体を用いたx線発生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内部に低気体圧雰囲気を維持する容器1と、容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段3a、3bと、容器の内部において異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された少なくとも一対の異極像結晶体5a、5bと、異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段3a、3b;6a、6b〜8a、8bとを備えたことにより、異極像結晶体の温度の昇降に伴って容器からX線を放射する。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、この構成では、装置から発生するX線の強度は弱く、実用に適したものではなく、しかも、X線は、異極像結晶体の温度の上昇時および下降時に不連続にしか発生しないという問題を生じていた。
科学雑誌"Nature"(1992,Vol. 358, P.278) インターネットURL,www.amptek.comホームページより配信されているAMPTEK INCの商品カタログ「AMPTEK X−RAY GENERATOR WITH PYROELECTRIC CRYSTAL COOL−X」
また好ましくは、前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置され、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を互いに同じ温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるようになっている。
また好ましくは、前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置され、前記少なくとも一対の異極像結晶体の間には、金属ターゲットが配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持されている。
また好ましくは、前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置され、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を互いに逆の温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるようになっている。
また、第1および第2発明の構成において、好ましくは、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体のそれぞれの温度を測定する温度センサーと、前記異極像結晶体の加熱および冷却を繰り返し行うことができる加熱・冷却手段と、前記温度センサーからの温度検出信号に基づき、前記加熱・冷却手段の動作を制御する制御手段と、を有している。
そして、一対の異極像結晶体5a、5bが、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置される場合には、温度制御手段3a、3b;5a、5b〜8a、8bは、一対の異極像結晶体5a、5bの温度の昇降を、互いに同じ温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるようになっていることが好ましい。
また、一対の異極像結晶体5a、5bが、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置される場合には、温度制御手段3a、3b;5a、5b〜8a、8bは、一対の異極像結晶体5a、5bの温度の昇降を、互いに同じ温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるか、あるいは、互いに逆の温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるようになっていることが好ましい。
なお、この実施例では、容器内に異極像結晶体が一対だけ対向配置されるが、異極像結晶体の複数の対を、それぞれ、容器内において対向配置するようにしてもよく、この場合には、より強度の高いX線が連続的に得られる。
また、この実施例では、異極像結晶体の加熱・冷却手段としてペルチェ素子が使用されているが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、発熱および吸熱作用を繰り返し生じ得る適当な公知の手段を、異極像結晶体の加熱・冷却手段として使用することができる。この場合、必要に応じて、別途、異極像結晶体を支持するための異極像結晶体支持手段を容器内に設ける必要がある。
図2を参照して、一対の異極像結晶体5a、5bの間には、平板状の金属ターゲット9が配置され、容器1の内周壁面に突設されたターゲット支持部10に支持されている。
この実施例では、一対の異極像結晶体5a、5bは、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置されていることが好ましい。それによって、異極像結晶体5a、5bの温度が昇降されると、一対の異極像結晶体の間に電気力線が平行に生じ、異極像結晶体から発生する電子、および一対の異極像結晶体間の空間内に存在する気体の電離により発生したイオンおよび電子が、ターゲット9に効果的に衝突する。
一対の異極像結晶体の温度が同じ温度勾配で上昇せしめられると、下側の異極像結晶体のターゲットに対向する面に発生する正の電荷の表面電荷密度が減少し、同結晶体の表面に吸着していた負の電荷量よりも減少し、表面は実質的に負に帯電する。一方、上側の異極像結晶体のターゲットに対向する面に発生する負の電荷の表面電荷密度が減少し、同結晶体の表面に吸着していた正の電荷量よりも減少し、表面は実質的に正に帯電する。
この場合、ターゲットが1〜5μm程度の厚さの箔の場合には、X線は空間のあらゆる方向に放射されるが、ターゲットの厚みが増加すると、X線はターゲットの下部の空間に主に放射される。
この場合、ターゲットが1〜5μm程度の厚さの箔の場合には、X線は空間のあらゆる方向に放射されるが、ターゲットの厚みが増加すると、X線はターゲットの上部の空間に主に放射される。
図3を参照して、金属ターゲット11は円筒形状を有し、一対の異極像結晶体5a、5bの間の間隙13の周囲を取り囲むように配置され、容器の内周壁面に突設されたターゲット支持部12に支持されている。
また、他方の異極像結晶集合体35bには、半径方向にのびる貫通孔42が形成されている。
一対の異極像結晶集合体35a、35bは、凹面をなす表面が互いに向き合うように配置され、かつ誘電体からなるリング39を介して互いに接合されて、全体として球殻を形成するとともに、貫通孔42が、容器32のX線透過窓33に整合するように配置される。
ペルチェ素子38は、異極像結晶集合体35a、35b毎に、それぞれ、直列接続または並列接続され、容器32の外部に配置された、例えば電池からなる電源部43a、43bから電力供給を受ける。
2 X線透過窓
3a、3b ペルチェ素子
4 Oリング
5a、5b 異極像結晶体
6a、6b 温度センサー
7a、7b 電源部
8a、8b 制御部
Claims (12)
- 内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された少なくとも一対の異極像結晶体と、
前記異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備えたことにより、前記異極像結晶体の温度の昇降に伴って前記容器からX線を放射するものであることを特徴とするX線発生装置。 - 前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には少なくとも1つのX線透過窓が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
- 前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置され、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を互いに同じ温度勾配でかつ同じ周期で生じさせることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置され、前記少なくとも一対の異極像結晶体の間には、金属ターゲットが配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置され、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を互いに同じ温度勾配でかつ同じ周期で生じさせることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置され、前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を互いに逆の温度勾配でかつ同じ周期で生じさせることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
- 内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された一対の異極像結晶体と、を備え、前記一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置され、さらに、
前記容器の内部において、前記一対の異極像結晶体の間の間隙の周囲を取り囲むように配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持された金属ターゲットと、
前記異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備えたことにより、前記異極像結晶体の温度の昇降に伴って前記容器からX線を放射するものであることを特徴とするX線発生装置。 - 前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には少なくとも1つのX線透過窓が備えられていることを特徴とする請求項7に記載のX線発生装置。
- 前記温度制御手段は、
前記少なくとも一対の異極像結晶体のそれぞれの温度を測定する温度センサーと、
前記異極像結晶体の加熱および冷却を繰り返し行うことができる加熱・冷却手段と、
前記温度センサーからの温度検出信号に基づき、前記加熱・冷却手段の動作を制御する制御手段と、を有していることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のX線発生装置。 - 内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された一対の異極像結晶集合体と、
前記異極像結晶集合体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備え、
前記一対の異極像結晶集合体は、それぞれ、ベース上に多数個の異極像結晶体が凹面をなすように配列、固着されたものからなり、一方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が正の電気面を表面側に向けて配置され、他方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が負の電気面を表面側に向けて配置され、前記一対の異極像結晶集合体は、前記凹面をなす表面が互いに向き合うように配置されており、さらに、前記一対の異極像結晶集合体の間には、金属ターゲットが配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持されていることを特徴とするX線発生装置。 - 前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には、同一平面上に位置する少なくとも1つの細長いスリット状のX線透過窓が備えられており、前記ベースは半円筒形状を有し、前記多数個の異極像結晶体は前記ベースの凹面上に配列固着され、前記一対の異極像結晶集合体は、その軸方向の間隙が前記少なくとも1つのスリット状のX線透過窓に整合するように前記容器の内部に対向配置されていることを特徴とする請求項10に記載のX線発生装置。
- X線を透過させない材料から形成され、内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶支持手段と、
誘電体を介して互いに接合された状態で対向配置され、かつ、前記容器の内部において前記異極像結晶支持手段に支持された一対の異極像結晶集合体と、
前記異極像結晶集合体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備え、
前記一対の異極像結晶集合体は、それぞれ、半球殻形状のベースの凹面上に多数個の異極像結晶体が固着されたものからなり、一方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が正の電気面を表面側に向けて配置され、他方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が負の電気面を表面側に向けて配置され、前記一対の異極像結晶集合体は、リング状の誘電体を介して互いに接合されて球殻を形成し、前記球殻の内部には、その中心を含む位置に金属ターゲットが配置されて、前記異極像結晶集合体に備えられたターゲット支持手段に支持されており、前記一対の異極像結晶集合体の少なくとも一方には、少なくとも1つの貫通孔が形成され、前記容器の壁には、前記貫通孔に整合するX線透過窓が形成されていることを特徴とするX線発生装置。
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