JP2005282665A - トランスミッションにおけるクラッチの制御方法及び装置 - Google Patents

トランスミッションにおけるクラッチの制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 速度切換用クラッチを先に接続してから、前後進用クラッチを接続して動力を伝達することにより、速度切換用クラッチの耐久性、信頼性を向上させる。
【解決手段】 オイルポンプ1と前後進切換用コントロールバルブ29との間の油圧回路25aに、前後進クラッチ9、10に圧油を加圧して供給する前後進用アキュムレータ27を設けるとともに、オイルポンプ1と速度切換用コントロールバルブ33、34との間の油圧回路25bに、該速度切換用コントロールバルブ33、34による速度切換え時において、速度切換用のいずれかのクラッチ15、16、21に、前後進用アキュムレータ29より速い速度で圧油を加圧して供給する速度用アキュムレータ32を、前後進用アキュムレータ27と並列に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばトルクコンバータに接続して用いられる、前後進切換用のクラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを有するトランスミッションにおいて、上記各クラッチに供給される油圧を最適に制御することにより、速度切換用の各クラッチの耐久性を向上させうるようにしたトランスミッションにおけるクラッチの制御方法及び装置に関する。
トランスミッションの中には、トルクコンバータの出力軸に連係された前後進切換用のクラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
特公平5−43903号公報
上記のように、前後進切換用のクラッチと速度切換用の複数のクラッチを有するトランスミッションにおいては、各クラッチの接続を、いわゆる半クラッチ状態を経て円滑に行うために、オリフィスを組み合わせたアキュムレータバルブ(流体圧制御装置)を備えているものが多い。
また、速度切換用のクラッチを切換えて変速する際は、その切換えとほぼ同時、もしくは先に前後進用のクラッチを前進側に切換えた状態で、上記アキュムレータバルブから、選択した速度切換用クラッチに圧油が供給され、該クラッチを接続してそれに対応するギヤにトルクコンバータの動力を伝達するようになっているのが一般的である。
そのため、変速の都度、速度切換用の各クラッチが半クラッチ状態を経て接続されることとなり、多板式クラッチ等の摩耗を早めて、耐久性、信頼性を低下させることがある。
この問題は、速度切換用の各クラッチの容量、すなわちクラッチ板の枚数を増やすことで対処しうるが、このようにすると、クラッチのコストが大となるとともに、トランスミッションが大型化したり、重量が増加したりするので好ましくない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、速度切換用のクラッチを先に接続してから、前後進用クラッチを接続して動力を伝達することにより、速度切換用のクラッチの耐久性、信頼性を向上しうるとともに、コスト低減が図れ、かつトランスミッションの小型軽量化が図れるようにした、トランスミッションにおけるクラッチの制御方法及び装置を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)前後進切換用の前後進クラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを有するとともに、前記前後進クラッチと速度切換用の各クラッチとに、それぞれオイルポンプよりの圧油を選択的に供給する前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブとを有するトランスミッションにおけるクラッチの制御方法であって、前記前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブを作動させて、前記前後進クラッチと速度切換用のいずれかのクラッチとに圧油を供給し、両クラッチを接続する際において、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続する。
(2)上記(1)項において、速度切換用のクラッチへの圧油の供給速度を、前後進クラッチへの圧油の供給速度よりも速くすることにより、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続する。
(3)上記(1)項において、前後進クラッチへの圧油の供給のタイミングを、速度切換用のクラッチへの圧油の供給タイミングより遅延させることにより、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続する。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、前後進クラッチへの圧油供給回路の圧油を、ドレン回路に排出することにより、前後進クラッチの接続を遅延させる。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、速度切換用のいずれかのクラッチの接続を切り、かつ他のクラッチを接続させる際に、前後進クラッチの接続を一旦切り、かつ速度切換用のクラッチの接続後に、再度前後進クラッチを接続させる。
(6)前後進切換用の前後進クラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを有するとともに、前後進クラッチと速度切換用の各クラッチにオイルポンプよりの圧油を選択的に供給する前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブとを有するトランスミッションにおけるクラッチの制御装置であって、前記オイルポンプと前後進切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、前記前後進クラッチに圧油を加圧して供給する前後進用アキュムレータを設けるとともに、オイルポンプと前記速度切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、該速度切換用コントロールバルブによる速度切換え時において、前記速度切換用のいずれかのクラッチに、前記前後進用アキュムレータより速い速度で圧油を加圧して供給する速度用アキュムレータを、前記前後進用アキュムレータと並列に設ける。
(7)上記(6)項において、前後進切換用アキュムレータ及び速度切換用アキュムレータが、筒状の本体内に摺動可能に嵌合されたピストンと、該ピストンを本体の一側端に向かって付勢することにより、ピストンの一側端と本体内の一側端間に形成された油室の油を加圧して排出する付勢ばねとを備え、速度切換用アキュムレータ側の付勢ばねの付勢力を、前後進用アキュムレータの付勢ばねよりも大とすることにより、速度切換用アキュムレータによる圧油の供給速度を速くするようにする。
(8)上記(6)または(7)項において、前後進用アキュムレータの下流側の油圧回路にドレン回路を分岐接続し、速度用アキュムレータに、内部の圧油が吐出してから所定圧に回復するまでの間、前記ドレン回路を開かせて、前後進用アキュムレータ内の圧油を排出するようにしたドレン弁を設ける。
(9)上記(6)〜(8)項のいずれかにおいて、前後進用アキュムレータと速度用アキュムレータの上流側の油圧回路に、それぞれオリフィスを設ける。
(10)上記(9)項において、速度用アキュムレータ側のオリフィスの断面積を、前後進用アキュムレータ側のオリフィスよりも大とする。
(11)上記(6)〜(10)項のいずれかにおいて、前後進用アキュムレータと前後進切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、外部の駆動手段に連係されて作動し、前後進切換用コントロールバルブに供給する圧油を微速で細かく制御しうるインチングバルブを設ける。
請求項1記載の発明によれば、速度切換用のクラッチを先に接続してから、前後進クラッチを接続するので、速度切換用のクラッチを接続する時は、このクラッチにまだトルクコンバータ等の動力が伝達されておらず、従って速度切換用の各クラッチが半クラッチ状態を経て接続されることはなく、その摩耗を著しく小さくしうるとともに、耐久性、信頼性を向上させることができる。
また、速度切換用のクラッチの容量を小さくしてコスト低減することが可能となり、かつトランスミッションの小型軽量化を図ることもできる。
請求項2記載の発明によれば、前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブとを同時に作動させても、前後進クラッチの接続を遅延させうるので、制御が容易となる。
請求項3記載の発明によれば、前後進切換用コントロールの作動を、タイマー等により遅らせて、前後進クラッチへの圧油の供給のタイミングを遅延させうるので、制御が容易となる。
請求項4記載の発明によれば、前後進クラッチの接続を、速度切換用のクラッチより確実に遅延させることができる。
特に、次の請求項5の発明の方法と共に実施すると、より有意義である。
請求項5記載の発明によれば、速度を切換える毎に、一旦前後進クラッチが切れるので、トルクコンバータ等の動力を常時トランスミッションに伝達した状態のまま、速度の切換えを行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、簡単な構成の制御装置で、速度切換用のクラッチに速い速度で圧油を供給し、このクラッチを前後進クラッチよりも先に接続することができるので、速度切換用の各クラッチが半クラッチとなって滑る恐れはなく、その耐久性、信頼性が向上する。
請求項7記載の発明によれば、両アキュムレータの構造が簡単で、かつ電気的な圧油の加圧手段を用いる必要がないので、コスト低減が図れるとともに、ピストンの付勢ばねの付勢力を変えるだけで、速度切換用アキュムレータによる圧油の供給速度を簡単に速くすることができる。
請求項8記載の発明によれば、速度用アキュムレータの圧油が吐出されたとき、一旦前後進用アキュムレータの圧油が、排出されるので、前後進クラッチに供給される圧油の速度はより遅くなり、速度切換用の各クラッチが確実に先に接続されるようになる。
また、速度を切換える毎に、速度用アキュムレータ内の圧油が排出されて、前後進クラッチが一旦切れるので、トルクコンバータ等の動力を常時トランスミッションに伝達した状態のままで、速度切換用の各クラッチを確実に先に接続することができる。
請求項9記載の発明によれば、両アキュムレータの圧油が吐出されてから、再度圧油が流入する際に、オリフィスにより絞られ、アキュムレータ内の油圧が徐々に上昇するため、各クラッチがスムーズに接続される。
請求項10記載の発明によれば、速度用アキュムレータに流入する圧油の方が、前後進用アキュムレータに流入する圧油よりも速くなるため、速度切換用クラッチが先に完全に接続されるようになる。
請求項11記載の発明によれば、インチングバルブを作動させることにより、前後進用クラッチを円滑に断続することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用したトランスミッション付トルクコンバータとその油圧回路を示すもので、(1)は、オイルパン(2)の油を吸引して圧送するオイルポンプ、(3)は、トルクコンバータ、(4)は、トルクコンバータ(3)の出力軸(3a)に連係されたトランスミッション、(5)は、トルクコンバータ(3)に供給される油圧を調圧する主圧レギュレータバルブ、(6)は、トルクコンバータ(3)よりの圧油の出口圧力を調圧するレギュレータバルブ、(7)はラインフィルタである。
トランスミッション(4)は、前進3段後進1段の常時噛合式のもので、トルクコンバータ(3)の出力軸(3a)に結合した第1入力軸(8)に連結された前後進切換用の前後進クラッチ、すなわち、前進クラッチ(9)と後進クラッチ(10)及びその接続時に動力が伝達される出力ギヤ(11)(12)と、出力ギヤ(11)と噛合する第1入力ギヤ(13)に固着された第2入力軸(14)と、この入力軸(14)に連結された第1速クラッチ(15)と第2速クラッチ(16)及びその接続時に動力が伝達される出力ギヤ(17)(18)と、第3入力軸(19)に連結されるとともに、第1入力ギヤ(17)(18)と、第3入力時(19)に連結されるとともに、第1入力ギヤ(13)と噛合する第2入力ギヤ(20)を有する第3速クラッチ(21)とを備え、第1速及び第2速クラッチ(15)(16)の出力ギヤ(17)(18)は、それぞれ第3入力軸(19)に結合された出力軸(22)に、従動ギヤ(23)(24)を介して連係されている。
上記各クラッチ(9)(10)(15)(16)(21)は、湿式多板クラッチよりなり、前後進切換用のクラッチ(9)(10)の容量(クラッチ板の枚数)は他のクラッチ(15)(16)(21)よりも大となっている。
各クラッチ(9)(10)(15)(16)(21)は、上記ラインフィルタ(7)から、図示しないオイルクーラを介して吐出する圧油により潤滑されるようになっている。
オイルポンプ(1)に接続された主油圧回路(25)における下流側の互いに並列をなす一方の分岐回路(25a)には、オリフィス(26)を介在させた前後進用アキュムレータ(27)と、インチングバルブ(28)と、前後進切換用の4ポート3位置切換型のソレノイドバルブ(29)とが、下流側に沿って直列状に接続されている。
他方の分岐回路(25b)には、上記オリフィス(26)よりも若干断面積を大としたオリフィス(30)を介在させた、ドレンポート(31)を有する速度用アキュムレータ(32)と、第1速用の4ポート2位置切換型のソレノイドバルブ(33)と、第2速及び第3速切換用の4ポート2位置切換型のソレノイドバルブ(34)とが、下流側に沿って直列状に接続されている。
前後進用アキュムレータ(27)とインチングバルブ(28)との間の分岐回路(25a)と、速度用アキュムレータ(32)におけるドレンポート(31)とは、ドレン回路(35)により接続されている。
上記両オリフィス(26)(30)、前後進用アキュムレータ(27)、インチングバルブ(28)、速度用アキュムレータ(32)及びドレン回路(35)により、本発明のクラッチの制御装置(36)を構成している。
上記インチングバルブ(28)は、車両等のインチングペダルの踏み込み時に作動するエアシリンダの駆動軸に連係されたスプール弁を、軸方向に移動させ、バルブ本体に設けられた入口ポートを開閉し、該入口ポートから出口ポートに至る圧油の流量を制御することにより、前後進切換用のソレノイドバルブ(29)に供給する圧油を微速で細かに制御し、前後進クラッチ(9)(10)を半クラッチ状態としながら、より円滑に断続する公知のもの(例えば特開2001−12516号公報参照)であるが、このインチングバルブ(28)は省略することもある。
図2は、上記両アキュムレータ(27)(32)の具体的構造を示すもので、前後進用アキュムレータ(27)は、両端が閉塞された筒状の本体内に、ピストン(38)を摺動可能に収容するとともに、このピストン(38)を常時一側端(右方)に付勢する付勢ばね(圧縮コイルばね)(39)を収容して構成され、ピストン(38)の右側面に形成された凹部(40)と本体(37)内の右側端との間には、油室(41)が形成されている。
また、本体(37)の右側壁には、上記オリフィス(26)と、吐出ポート(42)とが、分岐回路(25a)と油室(41)とに連通して穿設されている。
速度用アキュムレータ(32)は、上記と同形で若干長寸をなす本体(43)内に、左端部の外周面に油溝(44)を有するピストン(45)を摺動可能に収容するとともに、このピストン(45)を常時右方に付勢する、上記付勢ばね(39)よりも付勢力の大きい内外二重の付勢ばね(圧縮コイルばね)(46)(47)を収容して構成され、ピストン(45)の右側面に形成された凹部(48)と本体(43)内の右側端との間には、油室(49)が形成されている。
本体(43)の右側壁には、上記オリフィス(30)と、吐出ポート(50)とが、分岐回路(25b)と油室(49)とに連通するように穿設されている。
また、本体(43)の周壁には、ピストン(45)が右限に位置したとき、その油溝(44)と連通するドレンポート(31)(31)が形成されている。
一方のドレンポート(31)と分岐回路(25a)とは、上記ドレン回路(35)により接続されている。
なお、上記ドレンポート(31)、ピストン(45)、油溝(44)、及び付勢ばね(46)(47)は、ドレンバルブの構成要素にもなっている。
次に、上記クラッチの制御装置(36)の作用及びそれによる各クラッチの制御要領について説明する。
図1に示すように、前後進切換用のソレノイドバルブ(29)が中立位置にあるときには、前後進クラッチ(9)(10)はソレノイドバルブ(29)自身のドレンポートに接続されているため、両クラッチ(9)(10)は、オフとなり、トルクコンバータ(3)の駆動力はトランスミッション(4)に伝達されない。
従って、速度切換用のソレノイドバルブ(33)(34)がどの位置に切換えられても、第1〜第3速クラッチ(15)(16)(21)は、そのいずれかに圧油が供給されるのみで、動力が伝達されることはない。
また、この状態において、制御装置(36)の前後進用アキュムレータ(27)と速度用アキュムレータ(32)の各ピストン(38)(45)は、図2に示すように、オイルポンプ(1)よりの圧油が、各オリフィス(26)(30)を介して、それぞれの油室(41)(49)に圧送されるため、それぞれの付勢ばね(39)(46)(47)に抗して左限まで移動させられている。
この状態で車両等のシフトレバーを、例えば図1に示す第2速から第3速に切換えると、前後進切換用のソレノイドバルブ(29)が前進側に作動するのと同時に、第2、第3速切換用のソレノイドバルブ(34)が第3速側に作動する。
すると、前後進用アキュムレータ(27)と速度用アキュムレータ(32)のそれぞれのピストン(38)(45)が、各付勢ばね(39)(46)(47)により右方に押圧させられることにより、各油室(41)(49)に蓄圧されていた圧油が、それまでドレンされていた前進クラッチ(9)と第3速クラッチ(21)とに供給される。
この際、速度用アキュムレータ(32)のピストン(45)は、二重の付勢ばね(46)(47)による強いばね力により押圧されるため、図3に示すように、前後進用アキュムレータ(27)のピストン(38)よりも早く右限まで移動する。すると、速度用アキュムレータ(32)のドレンポート(31)(31)とピストン(45)の油溝(44)とが連通することにより、前後用アキュムレータ(27)の油室(41)に蓄圧されていた圧油が、ドレン回路(35)を介してドレンポート(31)より排出され、ピストン(38)は、2点鎖線で示すように、速度用アキュムレータ(32)のピストン(45)よりも遅れて右限まで移動する。
その結果、第3速クラッチ(21)への圧油の供給速度が速くなり、前進クラッチ(9)よりも早く接続が開始される。
しかし、この状態では、まだ前進クラッチ(9)が接続されていないので、第3クラッチ(21)への動力の伝達は行われない。
両方のピストン(38)(45)が右限まで移動した後も、各アキュムレータ(27)(32)の油室(41)(49)には、オイルポンプ(1)からの圧油が、オリフィス(26)(30)を介して引き続き供給されているため、各ピストン(38)(45)は、それぞれの付勢ばね(39)(46)(47)に抗して左方に移動させられるが、図4に示すように、速度用アキュムレータ(32)のピストン(45)の方が、前後進アキュムレータ(27)のピストン(38)よりも早く左方に移動する。
これは、前後進用アキュムレータ(27)側のピストン(38)は、速度用アキュムレータ(32)のピストン(45)がドレンポート(31)を塞ぐ位置まで移動してから動き始めるとともに、前後進用アキュムレータ(27)のオリフィス(26)の断面積が、速度用アキュムレータ(32)のオリフィス(30)よりも小さく、油室(41)内への圧油の流量が絞られているためである。
これにより、速度用アキュムレータ(32)の油室(49)の油圧の方が先に徐々に上昇し、それより少し遅れて、前後進用アキュムレータ(27)の油室(41)の油圧が徐々に上昇する。
また、速度用アキュムレータ(32)の付勢ばね(46)(47)は、ばね力が強いため、油室(49)の初期圧が、油室(41)よりも高い。
その結果、第3速クラッチ(21)の方が先に完全に接続され、その直後に、前進クラッチ(9)が徐々に、すなわち半クラッチ状態を経て完全に接続されることにより、トルクコンバータ(3)の駆動力が第3速クラッチ(21)を介して、出力軸(22)に伝達される。
この状態において、シフトレバーを第1速または第2速に切換えると、前後進切換用のソレノイドバルブ(29)はそのままで、第1速用のソレノイドバルブ(33)または第2、第3速切換用のソレノイドバルブ(33)(34)が作動し、それまで接続していた第3速クラッチ(21)の圧油は、ソレノイドバルブ(34)自身のドレンポートより排出される。
これにより、上記図3に示すのと同様、速度用アキュムレータ(32)のピストン(45)が先に移動して、第1速クラッチ(15)または第2速クラッチ(16)の接続が開始される。この際、前後進用アキュムレータ(27)の油室(41)の圧油が、上記と同様、ドレンポート(31)より排出されるので、一旦、前進クラッチ(9)が切れる。従って、トルクコンバータ(3)の動力をトランスミッション(4)に常時伝達した状態のまま、速度用クラッチを切換えることができる。
ついで、上記図4に示すのと同様の作用により、第1速クラッチ(15)または第2速クラッチ(16)の方が先に完全に接続されてから、少し遅れて前進クラッチ(9)が接続される。
なお、シフトレバーを後進位置に切換えた際には、前後進切換用のソレノイドバルブ(29)のみが後進位置に作動し、かつ前後進用アキュムレータ(27)が作動することにより、後進クラッチ(10)が接続される。
以上説明したように、上記実施形態においては、第1速〜第3速クラッチ(15)(16)(21)を切換えて接続する際、それらのいずれかを先に完全に接続してから、容量の大きい前進クラッチ(9)が接続されて、トルクコンバータ(3)の駆動力が各クラッチ(15)(16)(21)に伝達されるように制御しているため、容量の小さい各クラッチ(15)(16)(21)が半クラッチ状態を経ることなく接続される。
従って、各クラッチ(15)(16)(21)のクラッチ板の摩耗は殆どなく、各クラッチの耐久性、信頼性を大幅に向上することができる。
また、各クラッチ(15)(16)(21)の容量を小さくすることも可能となるので、それらのコスト低減が図れ、かつトランスミッション(4)を小型、軽量化することができる。
上記実施形態では、速度用アキュムレータ(32)にドレンポート(31)を設け、このドレンポート(31)と前後進用アキュムレータ(27)の下流側の分岐回路(25a)とを、ドレン回路(35)により接続しているが、自動車のように、走行中に変速する必要のない、例えば建設機械等のトランスミッションに適用する際には、このようなドレンポート(31)及びドレン回路(35)を省略して実施することもある。
この際は、両アキュムレータ(27)(32)の付勢ばね(39)(46)(47)のばね定数及びオリフィス(26)(30)の断面積を最適に設定し、速度用アキュムレータ(32)側のピストン(45)の方が、常に前後進用アキュムレータ(27)のピストン(38)よりも先に右方及び左方に移動するようにすればよい。
上記実施形態では、オリフィス(30)の断面積を、オリフィス(26)よりも大としているが、それらを同じ断面積とすることもある。
タイマー等により、前後進切換用ソレノイドバルブ(29)の作動を、速度切換用ソレノイドバルブ(33)(34)より遅らせ、速度切換用の前進クラッチ(9)への圧油の供給タイミングを遅延させることにより、速度切換用の各クラッチ(15)(16)(21)を先に接続するようにすることもある。
本発明を適用したトランスミッション付トルクコンバータと、その油圧回路全体の概略図である。 制御装置における前後進用アキュムレータと速度用アキュムレータとの具体的構造を示す縦断正面図である。 同じく、変速直後において速度用アキュムレータのピストンが先に右限まで移動した状態の縦断正面図である。 同じく、両アキュムレータに圧油が流入する際において、速度用アキュムレータに圧油が速く流入する状態の縦断正面図である。
符号の説明
(1)オイルポンプ
(2)オイルパン
(3)トルクコンバータ
(3a)出力軸
(4)トランスミッション
(5)主圧レギュレータバルブ
(6)レギュレータバルブ
(7)ラインフィルタ
(8)第1入力軸
(9)前進クラッチ
(10)後進クラッチ
(11)(12)出力ギヤ
(13)第1入力ギヤ
(14)第2入力軸
(15)第1速クラッチ
(16)第2速クラッチ
(17)(18)出力ギヤ
(19)第3入力軸
(20)第2入力ギヤ
(21)第3速クラッチ
(22)出力軸
(23)(24)従動ギヤ
(25)主油圧回路
(25a)(25b)分岐回路
(26)オリフィス
(27)前後進用アキュムレータ
(28)インチングバルブ
(29)ソレノイドバルブ(コントロールバルブ)
(30)オリフィス
(31)ドレンポート
(32)速度用アキュムレータ
(33)(34)ソレノイドバルブ(コントロールバルブ)
(35)ドレン回路
(36)制御装置
(37)本体
(38)ピストン
(39)付勢ばね
(40)凹部
(41)油室
(42)吐出ポート
(43)本体
(44)油溝
(45)ピストン
(46)(47)付勢ばね
(48)凹部
(49)油室
(50)吐出ポート

Claims (11)

  1. 前後進切換用の前後進クラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを有するとともに、前記前後進クラッチと速度切換用の各クラッチとに、それぞれオイルポンプよりの圧油を選択的に供給する前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブとを有するトランスミッションにおけるクラッチの制御方法であって、
    前記前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブを作動させて、前記前後進クラッチと速度切換用のいずれかのクラッチとに圧油を供給し、両クラッチを接続する際において、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続することを特徴とするトランスミッションにおけるクラッチの制御方法。
  2. 速度切換用のクラッチへの圧油の供給速度を、前後進クラッチへの圧油の供給速度よりも速くすることにより、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続することを特徴とする請求項1記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御方法。
  3. 前後進クラッチへの圧油の供給のタイミングを、速度切換用のクラッチへの圧油の供給タイミングより遅延させることにより、速度切換用のクラッチを先に接続し、そののち、前後進クラッチを接続することを特徴とする請求項1記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御方法。
  4. 前後進クラッチへの圧油供給回路の圧油を、ドレン回路に排出することにより、前後進クラッチの接続を遅延させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御方法。
  5. 速度切換用のいずれかのクラッチの接続を切り、かつ他のクラッチを接続させる際に、前後進クラッチの接続を一旦切り、かつ速度切換用のクラッチの接続後に、再度前後進クラッチを接続させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御方法。
  6. 前後進切換用の前後進クラッチと、速度切換用の複数のクラッチとを有するとともに、前後進クラッチと速度切換用の各クラッチにオイルポンプよりの圧油を選択的に供給する前後進切換用コントロールバルブと速度切換用コントロールバルブとを有するトランスミッションにおけるクラッチの制御装置であって、
    前記オイルポンプと前後進切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、前記前後進クラッチに圧油を加圧して供給する前後進用アキュムレータを設けるとともに、オイルポンプと前記速度切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、該速度切換用コントロールバルブによる速度切換え時において、前記速度切換用のいずれかのクラッチに、前記前後進用アキュムレータより速い速度で圧油を加圧して供給する速度用アキュムレータを、前記前後進用アキュムレータと並列に設けたことを特徴とするトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
  7. 前後進切換用アキュムレータ及び速度切換用アキュムレータが、筒状の本体内に摺動可能に嵌合されたピストンと、該ピストンを本体の一側端に向かって付勢することにより、ピストンの一側端と本体内の一側端間に形成された油室の油を加圧して排出する付勢ばねとを備え、速度切換用アキュムレータ側の付勢ばねの付勢力を、前後進用アキュムレータの付勢ばねよりも大とすることにより、速度切換用アキュムレータによる圧油の供給速度を速くするようにした請求項6記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
  8. 前後進用アキュムレータの下流側の油圧回路にドレン回路を分岐接続し、速度用アキュムレータに、内部の圧油が吐出してから所定圧に回復するまでの間、前記ドレン回路を開かせて、前後進用アキュムレータ内の圧油を排出するようにしたドレン弁を設けた請求項6または7記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
  9. 前後進用アキュムレータと速度用アキュムレータの上流側の油圧回路に、それぞれオリフィスを設けた請求項6〜8のいずれかに記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
  10. 速度用アキュムレータ側のオリフィスの断面積を、前後進用アキュムレータ側のオリフィスよりも大とした請求項9記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
  11. 前後進用アキュムレータと前後進切換用コントロールバルブとの間の油圧回路に、外部の駆動手段に連係されて作動し、前後進切換用コントロールバルブに供給する圧油を微速で細かく制御しうるインチングバルブを設けた請求項6〜10のいずれかに記載のトランスミッションにおけるクラッチの制御装置。
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CN110017373B (zh) * 2019-05-16 2024-05-14 福州锐智新能源科技有限公司 一种用于变速器的一控三式换挡装置

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