JP2005282604A - トラクタ - Google Patents

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達夫 山口
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恵一 林
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Abstract

【課題】 変速レバーの操作性を向上させること。
【解決手段】 変速レバーを前後方向及び左右方向に回動させて複数段に変速操作が行えるようにしたトラクタにおいて、各変速位置において変速レバーの前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部を設けると共に、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作を仮止めする分岐位置仮止め部を設けた。このようにして、オペレータは中立位置においても、変速レバーが移行操作位置に移行されたことを手応えとして感じることができるため、変速レバーの操作性を向上させることができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、トラクタに関する。
従来、トラクタの一形態として、変速レバーを前後方向及び左右方向に回動させて複数段に変速操作が行えるようしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、各変速位置において変速レバーの前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部を設けて、オペレータが各変速位置に変速されていることを手応えとして感じることができるようにしている。
特開平7-186772号公報
しかしながら、上記したトラクタでは、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作をする際には、ストッパーである変速ガイド部に変速レバーがあたるまで移行操作するために、その衝撃がオペレータの手に伝わり、オペレータに不快感を与えていた。
そこで、本発明では、変速レバーを前後方向及び左右方向に回動させて複数段に変速操作が行えるようにしたトラクタにおいて、各変速位置において変速レバーの前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部を設けると共に、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作を変速操作方向分岐位置にて仮止めする分岐位置仮止め部を設けたことを特徴とするトラクタを提供するものである。
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
(1)分岐位置仮止め部には、仮止め強さを調整する仮止め強さ調整部を設けたこと。
(2)仮止め強さ調整部は、変速レバーと略同一軸線方向に突出させて形成する共に、先端部に調整抓み片を設けたこと。
(1)請求項1記載の本発明では、変速レバーを前後方向及び左右方向に回動させて複数段に変速操作が行えるようにしたトラクタにおいて、各変速位置において変速レバーの前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部を設けると共に、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作を変速操作方向分岐位置にて仮止めする分岐位置仮止め部を設けている。
このようにして、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作を変速操作方向分岐位置にて仮止めする分岐位置仮止め部を設けているため、オペレータは中立位置においても、変速レバーが変速操作方向分岐位置に移行されたことを手応えとして感じることができる。その結果、変速レバーの操作性を向上させることができる。
(2)請求項2記載の本発明では、分岐位置仮止め部には、仮止め強さを調整する仮止め強さ調整部を設けている。
このようにして、分岐位置仮止め部に仮止め強さ調整部を設けているため、同仮止め強さ調整部により仮止め強さを調整することができて、オペレータの好みに応じた手応えが感じられるようにすることができて、この点からも変速レバーの操作性を向上させることができる。
この際、分岐位置仮止め部は、変速位置仮止め部のように、動力伝達時のギヤ抜け防止を兼ねるものではないため、仮止め力を一定以上に保持する必要性がなく、オペレータの好みに応じた手応えが得られるように自由に仮止め強さを調整することができる。
(3)請求項3記載の本発明では、仮止め強さ調整部は、変速レバーと略同一軸線方向に突出させて形成する共に、先端部に調整抓み片を設けている。
このようにして、仮止め強さ調整部の先端部に設けた調整抓み片を、変速レバーと略同一軸線方向に突出させて形成しているため、オペレータは、調整抓み片を上方から楽に抓むことができると共に、同調整抓み片による仮止め調整を円滑かつ確実に行うことができる。
図1に示すAは、本発明に係るトラクタであり、同トラクタAは、機体フレーム1上に原動機部2を設け、同原動機部にクラッチ部3を介してミッション部4を連動連設し、同ミッション部4上に運転部5を配設すると共に、同ミッション部4の後部にPTO変速部6を着脱自在に連動連結して、上記機体フレーム1の下方にフロントアクスルケース(図示せず)を介して左右一対の前車輪7,7を連動連結する一方、上記ミッション部4にリヤアクスルケース8,8(図12を参照)を介して左右一対の後車輪9,9を連動連結している。10は前部ガードフレーム、11は後部ガードフレーム、12はロータリ耕耘装置等の作業機連結用のトップリンク、13は作業機連結用のロワリンク、14はトレーラ等の作業機連結片である。
以下において、上記した[原動機部2]、[クラッチ部3]、[ミッション部4]、[運転部5]、及び、[PTO変速部6]の各構成について、この順序で具体的に説明する。
[原動機部2]
原動機部2は、図1に示すように、機体フレーム1上にエンジン15等を搭載し、同エンジン15等をボンネット16により開閉自在に被覆している。
[クラッチ部3]
クラッチ部3は、図2〜図4及び図6に示すように、クラッチハウジング17内に前後方向に伸延する内外側二重駆動軸体18を回動自在に支持しており、同内外側二重駆動軸体18は、前後方向に伸延する内側駆動軸19と、同内側駆動軸19の外周に回動自在に嵌合させた筒状の外側駆動軸20とから形成している。
そして、一方の内側駆動軸19の基端部(前端部)は、走行用クラッチ21を介して前記エンジン15に連動連結すると共に、同内側駆動軸19の先端部(後端部)は、後述する走行系伝動機構51に連動連結し、かつ、他方の外側駆動軸20の基端部(前端部)は、PTO用クラッチ22を介して前記エンジン15に連動連結すると共に、同外側駆動軸20の先端部(後端部)は、後述するPTO系伝動機構52に連動連結している。
ここで、クラッチハウジング17の後端縁部には、後述するミッション部4の主変速ケース53の前端縁部を着脱自在に連結しており、前記内外側二重駆動軸体18は、先端部をクラッチハウジング17内の前部に配設したベアリング24に枢支する一方、後端部を主変速ケース53内の前部に配設したベアリング25に枢支している。
しかも、クラッチハウジング17の後端内周縁部には、中央部に開口部26を有する後壁27を形成し、同後壁27に前後方向に伸延する筒状支持体28を開口部26中に挿通して取り付けて、同筒状支持体28により前記内外側二重駆動軸体18の中途部外周面を支持させている。
そして、筒状支持体28は、クラッチハウジング17内に位置する前部28aを縮径状に形成する一方、主変速ケース53内に位置する後部28bを拡径状に形成し、同後部28bの外周面に取付用鍔片28cを形成して、同取付用鍔片28cをクラッチハウジング17の後壁27の後面に後方から当接させると共に、取付用ボルト29により取り付けている。
〔内側駆動軸19〕
内側駆動軸19は、前部分割駆動軸片30と後部分割駆動軸片31とに分割して形成すると共に、両分割駆動軸片30,31同士を外側駆動軸20内にて連動連結しており、前部分割駆動軸片30と後部分割駆動軸片31との分割位置(連動連結位置)を、クラッチハウジング17と主変速ケース53との連結部の近傍、すなわち、筒状支持体28の後部28b内に配置している。
しかも、前部分割駆動軸片30の先端部と後部分割駆動軸片31の基端部は、印籠嵌合して着脱自在に連動連結している。
すなわち、前部分割駆動軸片30の先端面には嵌合用突片30aを後方へ向けて突設する一方、後部分割駆動軸片31の基端面には基端側嵌合用凹部31aを形成して、同基端側嵌合用凹部31a中に上記嵌合用突片30aを印籠嵌合させると共に、前部分割駆動軸片30の先端部外周面に形成したスプライン溝30bと、後部分割駆動軸片31の基端部外周面に形成したスプライン溝31bとに、前後方向に軸線を向けた筒状連結体32をスプライン嵌合させている。
〔外側駆動軸20〕
外側駆動軸20は、前部20aを内側駆動軸19の外周面に沿わせて小径に形成する一方、後部20bを前記筒状連結体32の外周面に沿わせて大径に形成し、同後部20bの外周面と筒状支持体28の後部28bの内周面との間にベアリング33,34を介設している。
しかも、外側駆動軸20の先端部は、筒状支持体28の後端よりも後方へ延設して、外周面にPTO駆動ギヤ20cを一体成形している。35はPTO駆動ギヤ支持ベアリングである。
このようにして、内側駆動軸19を、前部分割駆動軸片30と後部分割駆動軸片31とに分割形成すると共に、両分割駆動軸片30,31同士を外側駆動軸20内にて連動連結しているため、内側駆動軸の先端部を、外側駆動軸の先端部よりも後方位置まで延設して、筒状の軸継手を介してPTO系入力軸の基端部に突き合わせ状態にして同一軸線上にて連動連結している従来技術に比べて、クラッチハウジング17と主変速ケース53とを前後方向に連結して、これらクラッチハウジング17及び主変速ケース53内に内外側二重駆動軸体18を挿通した場合でも、主変速ケース53が前後方向に長大になるという不具合を解消することができる。
しかも、クラッチハウジング17と主変速ケース53とをアッセンブリとして連結する場合の組立作業や、連結解除して行うメンテナンス作業等が容易となる。
さらには、内側駆動軸19の前部分割駆動軸片30と後部分割駆動軸片31との分割位置を、クラッチハウジング17と主変速ケース53との連結部の近傍に配置しているため、主変速ケース53を前後方向に短幅化して、機体のコンパクト化を図ることができると共に、主変速ケース53の組立ユニットを前後方向に短幅化して、組立ユニットの物流コストの低減化を図ることができ、その結果、外注から一度に多数のユニットを搬入することができる。
この際、前部分割駆動軸片30の先端部に形成した嵌合用突片30aを、後部分割駆動軸片31の基端部に形成した基端側嵌合用凹部31a中に、印籠嵌合して着脱自在に連動連結しているため、分割して形成した前部分割駆動軸片30と後部分割駆動軸片31とを精度良く組み付けて連動連結することができる。
また、外側駆動軸20の外周面と筒状支持体28の外周面とにわたって走行用筒状作動体36を前後摺動自在に嵌合し、同走行用筒状作動体36の後部に走行用クラッチ作用レバー37の基端部を連動連結する一方、同走行用筒状作動体36の前端縁部にクラッチ作用片36aを設けて、同クラッチ作用片36aを走行用クラッチ21の受動アーム21aに対向させて近接配置している。38はレバー支軸である。
このようにして、走行用クラッチ作用レバー37を回動操作すると、走行用筒状作動体36が前方へ摺動されて、クラッチ作用片36aが受動アーム21aを押圧し、同受動アーム21aが回動されて走行用クラッチ21が動力切断作動されるようにしている。
また、走行用筒状作動体36の外周面にPTO用筒状作動体39を前後摺動自在に嵌合し、同PTO用筒状作動体39の後部にPTO用クラッチ作用レバー40の基端部を連動連結する一方、同PTO用筒状作動体39の前端縁部にクラッチ作用片39aを設けて、同クラッチ作用片39aをPTO用クラッチ22の受動アーム22aに対向させて近接配置している。41はレバー支軸である。
このようにして、PTO用クラッチ作用レバー40を回動操作すると、PTO用筒状作動体39が前方へ摺動されて、クラッチ作用片39aが受動アーム22aを押圧し、同受動アーム22aが回動されてPTO用クラッチ22が動力切断作動されるようにしている。
[ミッション部4]
ミッション部4は、図2〜図4に示すように、前後方向に伸延させて筒状に形成したミッションケース45内に、前方から後方へ順次主変速機構46と副変速機構47とデファレンシャル機構48とを配設して、主変速と副変速とが行える走行系伝動機構51を形成し、また、前記外側駆動軸20と、後述するPTO変速部6との間にPTO系伝動機構52を介設している。
そして、ミッションケース45は、主変速機構46を内蔵する主変速ケース53と、副変速機構47を内蔵する副変速ケース54と、デファレンシャル機構48を内蔵するデファレンシャルケース55とに三分割形成しており、前記したクラッチハウジング17の後端縁部に主変速ケース53の前端縁部を連結ボルト56aにより着脱自在に連結し、同主変速ケース53の後端縁部に副変速ケース54の前端縁部を連結ボルト56bにより着脱自在に連結し、同副変速ケース54の後端縁部にデファレンシャルケース55の前端縁部を連結ボルト56cにより着脱自在に連結している。
以下に、上記した〔主変速ケース53〕、〔主変速機構46〕、〔副変速ケース54〕、〔副変速機構47〕、〔デファレンシャルケース55〕及び、〔デファレンシャル機構48〕の各構成を、この順序で説明する。
〔主変速ケース53〕
主変速ケース53は、図7及び図8に示すように、前後方向に伸延する筒状に形成して、前部内周面に内部支持壁57を一体成形すると共に、後部内周面の上下左右側部にそれぞれ壁受け座49,49,49,49を内方へ膨出状に形成し、これらの壁受け座49,49,49,49の後面に軸支持壁形成体50を連結ボルト56d,56d,56d,56dにより着脱自在に取り付けて、同軸支持壁形成体50を介することなく副変速ケース54の前端面に主変速ケース53の後端面を面接触させて連結ボルト56bにより着脱自在に連結している。56eは位置決め用突片である。
ここで、軸支持壁形成体50は、主変速ケース53の後端部内周面の形状に沿わせて外周縁部を形成すると共に、同主変速ケース53の後端部内周縁部よりも内方に配置すべくやや小さめに形成して、副変速ケース54の前端面に主変速ケース53の後端面を面接触させることができるようにしている。
そして、内部支持壁57と軸支持壁形成体50との間に主変速機構46を介設して、同主変速機構46により複数段(本実施例では5段)の前進変速操作と、後進切替操作とが行えるようにしている。
このようにして、主変速ケース53の後端部の内周縁部に軸支持壁形成体50を着脱自在に取り付けているため、ミッションケース45を組み立てる際には、あらかじめ副変速ケース54内に後述する副変速機構47を組み込むと共に、デファレンシャルケース55内に後述するデファレンシャル機構48を組み込む一方、主変速ケース53内に軸支持壁形成体50を介して主変速機構46を組み込み、その後に、副変速ケース54の前端面に主変速ケース53の後端面を軸支持壁形成体50を介することなく面接触させて連結することにより、簡単かつ確実にミッションケース45を組み立てることができて、同ミッションケース45の組立作業を効率良く行うことができるる。
この際、副変速ケース54と主変速ケース53の端面同士のシール性も確保し易いため、油漏れも容易に防止することができる。
〔主変速機構46〕
主変速機構46は、図7及び図10に示すように、内部支持壁57の中央部に前記ベアリング25を介して後部分割駆動軸片31の先端部(後端部)を支持し、同ベアリング25よりも後方に位置する後部分割駆動軸片31の先端部外周面に第5速ギヤ31cを一体成形すると共に、同後部分割駆動軸片31の後端面に先端側嵌合用凹部31dを形成し、同先端側嵌合用凹部31d中に、前後方向に伸延する主変速主軸58の基端面(前端面)より前方へ突出させて形成した嵌合用突片58aをその軸線廻りに回動自在に嵌合する一方、同主変速主軸58の先端部(後端部)を軸支持壁形成体50の中央部にベアリング59を介してその軸線廻りに回動自在に支持している。
そして、主変速主軸58には、基端部側から先端部側に向けて順次第4・第3・第2・第1速ギヤ60,61,62,63と後進切替ギヤ64とを、前後方向に間隔を開けて同軸的に、かつ、主変速主軸58の外周面廻りに回転自在に取り付けている。
また、主変速主軸58には、第5速ギヤ31cと第4速ギヤ60の間に配置した第3変速体65と、第3速ギヤ61と第2速ギヤ62との間に配置した第2変速体66と、第1速ギヤ63と後進切替ギヤ64との間に配置した第1変速体67とを取り付けている。
ここで、各変速体65,66,67は、主変速主軸58に連動連結した軸側連動連結片65a,66a,67aと、前後に隣接する各ギヤに連動連結した前・後ギヤ側連動連結片65b,65c,66b,66c,67b,67cと、各軸側連動連結片65a,66a,67aと各ギヤ側連動連結片65b,65c,66b,66c,67b,67cとの間で軸線方向に摺動自在にスプライン嵌合したスライド連結片65d,66d,67dとを具備している。
そして、各スライド連結片65d,66d,67dは、各軸側連動連結片65a,66a,67a上に位置させた中立位置と、各軸側連動連結片65a,66a,67aと前ギヤ側連動連結片65b,66b,67bとの間にスライド位置させて両者を連動連結した前方スライド変速位置と、各軸側連動連結片65a,66a,67aと後ギヤ側連動連結片65c,66c,67cとの間にスライド位置させて両者を連動連結した後方スライド変速位置のいずれかにスライド操作可能としている。
また、内部支持壁57と前記軸支持壁形成体50との間には、前・後部ベアリング68,69を介して前後方向に伸延する主変速副軸70を支持しており、同主変速副軸70の外周面には第1・2・3変速ギヤ体71,72,73を同軸的にかつ回転自在に取り付けている。
しかも、第1変速ギヤ体71に一体成形した前部ギヤ71aと後部ギヤ71bは、それぞれ第5速ギヤ31cと第2速ギヤ62に噛合させ、また、第2変速ギヤ体72に一体成形した前部ギヤ72aと後部ギヤ72bは、それぞれ第3速ギヤ61と第2速ギヤ62に噛合させ、また、第3変速ギヤ体73に一体成形した前部ギヤ73aは、第1速ギヤ63に噛合させる一方、同第3変速ギヤ体73に一体成形した後部ギヤ73bは、軸支持壁形成体50に軸支したカウンタギヤ74を介して後進切替ギヤ64に噛合させている。75はカウンタギヤ支軸、76は主変速ケース53内に設けた軸支持体である。
さらには、内部支持壁57と前記軸支持壁形成体50との間には、図4、図5、図7〜図10に示すように、前後方向に伸延するスライド体支軸80を、前記主変速主軸58の直上方位置において前後摺動自在に架設すると共に、前後方向に伸延する連動軸としてのレバー連動軸81を、上記スライド体支軸80の右側方位置にて平行させて前後摺動自在に架設し、同レバー連動軸81の前部より左側方へ突設した係合片82の先端部を、スライド体支軸80の前部に設けた被係合片83に係合させる一方、副変速ケース54内まで延設したレバー連動軸81の後端部に作用受片84を設け、同作用受片84と主変速レバー85との間にレバー連動機構300を介設している。
なお、主変速レバー85とレバー連動機構300の構成については、便宜上、後述する副変速機構47の説明個所において説明する。
また、図10に示すように、スライド体支軸80の中途部には、側方開口部90を有して背面視C字状に形成したスライド規制体91を嵌合すると共に、スライド体支軸80より半径方向に側方開口部90中を通してスライド作用片92を突出させている。
しかも、スライド体支軸80には、後方から前方へ向けて順次第1・第2・第3スライド体95,94,93を軸線方向にスライド自在に取り付けると共に、第3スライド体93はスライド規制体91よりも前方に配置する一方、第1・第2スライド体95,94はスライド規制体91よりも後方に配置している。
さらには、各スライド体95,94,93は、スライド体支軸80にスライド自在に嵌合したボス部95a,94a,93aと、各ボス部95a,94a,93aより左右側下方へ伸延させて形成したシフトフォーク95b,94b,93bと、各ボス部95a,94a,93aよりスライド規制体91に向けて伸延させて形成したスライド作用受片95c,94c,93cとを具備している。
そして、第1・第2・第3スライド体95,94,93の各シフトフォーク95b,94b,93bは、それぞれ前記第1・第2・第3変速体67,66,65のスライド連結片67d,66d,65dに連動連結している。
また、第1・第2・第3スライド体95,94,93の各スライド作用受片95c,94c,93cは、スライド体支軸80を軸線廻りに回動させてスライド作用片92とスライド規制体91を所要の方向に回動させることにより、所要の一つのスライド作用受片にスライド作用片92を係合させて、同スライド作用片92をスライド体支軸80の前後摺動に連動させてスライド作動させると共に、他の二つのスライド作用受片にスライド規制体91に突設した規制片91a,91bの少なくともいずれか一方を係合させて、両スライド作用受片がスライド体支軸80の前後摺動に連動したスライド作動されるのを規制することができるようにしている。96は、スライド規制体91の軸線方向の動きを規制するために副変速ケース54の天井部54cに垂設した規制用突片である。
主変速機構46は、上記のように構成しているものであり、以下にかかる主変速機構46の変速操作(第1変速操作〜第5変速操作及び後進切替操作)について説明する。
(第1変速操作)
主変速レバー85を略垂直に起立させた状態にて後方向に回動操作し、その回動操作力を主変速レバー85の下端部に形成した作用片85a→作用受片84→レバー連動軸81→係合片82→被係合片83→スライド体支軸80に伝達させて、同スライド体支軸80を前方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の前方向への摺動力が、スライド作用片92→第1スライド体95のスライド作用受片95c→ボス部95a→シフトフォーク95bに伝達されて、同シフトフォーク95bに連動連結した第1変速体67のスライド連結片67dが中立位置から前方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片67aと前ギヤ側連動連結片67bとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第1変速ギヤ体71の前部ギヤ71a→主変速副軸70→第3変速ギヤ体73の前部ギヤ73a→第1速ギヤ63→第1変速体67の前ギヤ側連動連結片67b→スライド連結片67d→軸側連動連結片67a→主変速主軸58に伝達されて、第1変速がなされる。
この際、スライド作用片92は、第1スライド体95のスライド作用受片95cに係合されると共に、スライド規制体91の規制片91a,91bは、第2・第3スライド体94,93のスライド作用受片94c,93cに係合されて、両スライド体94,93の動きが規制される。
(第2変速操作)
主変速レバー85を右側方へ回動操作して、揺動支持片87を支点として主変速レバー85の下端部に形成した作用片85aを左側方へ回動させ、その回動力を作用受片84→レバー連動軸81→係合片82→被係合片83→スライド体支軸80に伝達させて、同スライド体支軸80を、図10の背面図において、時計廻りに回動させると共に、スライド作用片92を介してスライド規制体91も時計廻りに回動させる。
続いて、右側方へ回動操作した主変速レバー85をさらに前方へ回動操作して、スライド体支軸80を後方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の後方向への摺動力が、スライド作用片92→第2スライド体94のスライド作用受片94c→ボス部94a→シフトフォーク94bに伝達されて、同シフトフォーク94bに連動連結した第2変速体66のスライド連結片66dを中立位置から後方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片66aと後ギヤ側連動連結片66cとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第1変速ギヤ体71の前部ギヤ71a→主変速副軸70→第2変速ギヤ体72の後部ギヤ72b→第2速ギヤ62→第2変速体66の後ギヤ側連動連結片66c→スライド連結片66d→軸側連動連結片66a→主変速主軸58に伝達されて、第2変速がなされる。
この際、スライド作用片92は、第2スライド体94のスライド作用受片94cに係合されると共に、スライド規制体91の規制片91bは、第1・第3スライド体95,93のスライド作用受片95c,93cに係合されて、両スライド体95,93の動きが規制される。
(第3変速操作)
主変速レバー85を右側方へ回動操作すると共に後方へ回動操作して、スライド体支軸80を前方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の前方向への摺動力が、スライド作用片92→第2スライド体94のスライド作用受片94c→ボス部94a→シフトフォーク94bに伝達されて、同シフトフォーク94bに連動連結した第2変速体66のスライド連結片66dを中立位置から前方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片66aと前ギヤ側連動連結片66bとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第1変速ギヤ体71の前部ギヤ71a→主変速副軸70→第2変速ギヤ体72の前部ギヤ72a→第3速ギヤ61→第2変速体66の前ギヤ側連動連結片66b→スライド連結片66d→軸側連動連結片66a→主変速主軸58に伝達されて、第3変速がなされる。
この際、スライド作用片92は、第2スライド体94のスライド作用受片94cに係合されると共に、スライド規制体91の規成片91bは、第1・第3スライド体95,93のスライド作用受片95c,93cに係合されて、両スライド体95,93の動きが規制される。
(第4変速操作)
主変速レバー85を左側方へ回動操作して、揺動支持片87を支点として主変速レバー85の下端部に形成した作用片85aを右側方へ回動させ、その回動力を作用受片84→レバー連動軸81→係合片82→被係合片83→スライド体支軸80に伝達させて、同スライド体支軸80を、図10の背面図において、反時計廻りに回動させると共に、スライド作用片92を介してスライド規制体91も反時計廻りに回動させる。
続いて、右側方へ回動操作した主変速レバー85をさらに前方へ回動操作して、スライド体支軸80を後方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の後方向への摺動力が、スライド作用片92→第3スライド体93のスライド作用受片93c→ボス部93a→シフトフォーク93bに伝達されて、同シフトフォーク93bに連動連結した第3変速体65のスライド連結片65dを中立位置から後方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片65aと後ギヤ側連動連結片65cとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第1変速ギヤ体71の後部ギヤ71b→第4速ギヤ60→第3変速体65の後ギヤ側連動連結片65c→スライド連結片65d→軸側連動連結片65a→主変速主軸58に伝達されて、第4変速がなされる。
この際、スライド作用片92は、第3スライド体93のスライド作用受片93cに係合されると共に、スライド規制体91の規制片91aは、第1・第2スライド体95,94のスライド作用受片95c,94cに係合されて、両スライド体95,94の動きが規制される。
(第5変速操作)
主変速レバー85を左側方へ回動操作すると共に後方へ回動操作して、スライド体支軸80を前方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の前方向への摺動力が、スライド作用片92→第1スライド体95のスライド作用受片95c→ボス部95a→シフトフォーク95bに伝達されて、同シフトフォーク95bに連動連結した第3変速体65のスライド連結片65dを中立位置から前方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片65aと前ギヤ側連動連結片65bとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第3変速体65の前ギヤ側連動連結片65b→スライド連結片65d→軸側連動連結片65a→主変速主軸58に伝達されて、第5変速がなされる。
この際、スライド作用片92は、第3スライド体93のスライド作用受片93cに係合されると共に、スライド規制体91の規制片91aは、第1・第2スライド体95,94のスライド作用受片95c,94cに係合されて、両スライド体95,94の動きが規制される。
(後進切替操作)
主変速レバー85を略垂直に起立させた状態にて前方向に回動操作し、その回動操作力を主変速レバー85の下端部に形成した作用片85a→作用受片84→レバー連動軸81→係合片82→被係合片83→スライド体支軸80に伝達させて、同スライド体支軸80を後方向に摺動させる。
そうすると、スライド体支軸80の後方向への摺動力が、スライド作用片92→第1スライド体95のスライド作用受片95c→ボス部95a→シフトフォーク95bに伝達されて、同シフトフォーク95bに連動連結した第3変速体65のスライド連結片65dが中立位置から後方スライド変速位置にスライドされて、軸側連動連結片67aと後ギヤ側連動連結片67cとが連動連結された状態となる。
その結果、エンジン15から内側駆動軸19に伝達された動力は、前部分割駆動軸片30→後部分割駆動軸片31→第5速ギヤ31c→第1変速ギヤ体71の前部ギヤ71a→主変速副軸70→第3変速ギヤ体73の後部ギヤ73b→カウンタギヤ74→後進切替ギヤ64→第1変速体67の後ギヤ側連動連結片67c→スライド連結片67d→軸側連動連結片67a→主変速主軸58に伝達されて、同主変速主軸58が逆回転され、後進切替がなされる。
この際、スライド作用片92は、第1スライド体95のスライド作用受片95cに係合されると共に、スライド規制体91の規制片91a,91bは、第2・第3スライド体94,93のスライド作用受片94c,93cに係合されて、両スライド体94,93の動きが規制される。
〔副変速ケース54〕
副変速ケース54は、図2〜図5、図9及び図10に示すように、前後方向に伸延する筒状に形成し、内周面中途部に軸支持壁118を形成しており、同副変速ケース54内において、上記軸支持壁118の前方位置に副変速機構47を配設している。
そして、副変速ケース54の上部54bには、図9及び図10に示すように、開口部101を形成して、同開口部101をレバー基部カバー体301により閉蓋している。
すなわち、レバー基部カバー体301は、図2〜図5,図9及び図10に示すように、蓋状に形成して前記開口部101を閉蓋するカバー本体302と、同カバー本体302より右側外方へ伸延させて形成した筒状の横伸延カバー形成体303と、同横伸延カバー形成体303の先端部より上方へ伸延させて形成した筒状の縦伸延カバー形成体304とから形成しており、副変速ケース54の上部にカバー本体302の周縁部に形成した連結フランジ部353を連結ボルト354により着脱自在に取り付けている。
そして、カバー本体302に副変速レバー142の基部を取り付けると共に、同副変速レバー142の近傍位置である縦伸延カバー形成体304に主変速レバー85の基部を取り付けて、両レバー142,85の各基部をレバー基部カバー体301に近接させて一体的に組み付けている。
しかも、レバー基部カバー体301に一体的に取り付けた主・副変速レバー85,142は、図5に示すように、機体進行方向におけるミッションケース45の左右仮想中心線C1に対して、左右いずれか一側方、本実施の形態では右側方、すなわち、ミッションケース45の直上方位置に配置した後述の運転席283の右側方位置に集中配置している。
ここで、レバー基部カバー体301は、カバー本体302と、同カバー本体302より左側外方へ伸延させて形成した筒状の横伸延カバー形成体303と、同横伸延カバー形成体303の先端部より上方へ伸延させて形成した筒状の縦伸延カバー形成体304とから形成した別形態のものを用意しておくことにより、機体進行方向におけるミッションケース45の左右仮想中心線C1に対して右側方、すなわち、本実施の形態のように主・副変速レバー85,142を運転席283の右側方位置に一体的に集中配置している形態から、両主・副変速レバー85,142を運転席283の左側方位置に一体的に集中配置している形態に変更することもできる。
このようにして、主変速レバー85を副変速レバー142の近傍に配置しているため、オペレータは一方の手で後述するハンドルとしてのステアリングホイール282を把持したまま、他方の手で主変速レバー85ないしは副変速レバー142を適宜操作することができる。
しかも、主・副変速レバー85,142は、近接させて集中配置しているため、一方の変速レバー操作から他方の変速レバー操作への移行が迅速かつ確実に行えて、操作性を向上させることができる。
さらには、主変速レバー85と副変速レバー142は、それぞれの基部をレバー基部カバー体301に近接させて一体的に組み付けて、その後に、同レバー基部カバー体301をミッションケース45に取り付けることができるため、両変速レバー85,142をミッションケース45に楽に連動連結することができる。その結果、主・副変速レバー85,142の取付作業能率を向上させることができる。
また、主・副変速レバー85,142は、ミッションケース45の直上方位置に配置した運転席283の左側方位置と右側方位置のいずれの位置にも一体的に集中配置可能であるため、オペレータの好みや作業条件等に応じて主・副変速レバー85,142を左右いずれかの位置に配置することにより、主・副変速レバー85,142の操作性と作業能率の向上とを図ることができる。
以下に、副変速レバー142の取付構造と副変速機構47と主変速レバー85の取付構造について、図5、図9及び図10を参照しながらより具体的に説明する。
(副変速レバー142の取付構造)
副変速レバー142は、副変速レバー支軸141を介して後述する副変速機構47に連動連結しており、同副変速レバー支軸141は、前記レバー基部カバー体301のカバー本体302の左右側壁間に、左右方向に軸線を向けて横架すると共に、右側端部336を右側壁より外方へ突出させ、同右側端部336に副変速レバー142の基端部を取り付ける一方、副変速レバー支軸141の直下方位置に、前後方向に軸線を向けたシフトフォーク支軸135を配置し、同シフトフォーク支軸135にシフトフォーク136の基端部137を前後摺動自在に取り付け、同基端部137に上記副変速レバー支軸335に基端部を連結した連動アーム143の先端部を連動連結している。
(副変速機構47)
副変速機構47は、図4、図7及び図9に示すように、前記主変速主軸58の先端部(後端部)に遊星ギヤ機構115を介して副変速軸116を連動連結して構成しており、主変速主軸58の先端部は、後方へ伸延させて遊星ギヤ機構115の一部を構成するサンギヤ117となす一方、副変速軸116は、主変速主軸58と同一軸線上に配置すると共に、中途部を副変速ケース54内に設けた軸支持体118にベアリング119を介して支持させ、かつ、先端部(後端部)を後述するデファレンシャルケース55に設けた軸支持壁100にベアリング120を介して支持させている。
遊星ギヤ機構115は、前記軸支持壁形成体50に、リング状に形成してサンギヤ117の外周に配置した前後一対のインナーギヤ支持体121,122を、前後方向に軸線を向けた取付ボルト123により取り付けて、両インナーギヤ支持体121,122間にインナーギヤ124を両持ち支持させ、同インナーギヤ124の円周方向に間隔を開けて複数の遊星ギヤ125を配置すると共に、各遊星ギヤ125をインナーギヤ124とサンギヤ117の両方に噛合させる一方、前後一対のインナーギヤ支持体121の内周縁部間にキャリヤ128を取り付け、同キャリヤ128に複数の遊星ギヤ125を一体的に連動連結して構成している。
しかも、キャリヤ128は、後端縁部を後方へ延設して筒状のギヤ形成片129を形成しており、同ギヤ形成片129の内周面に内歯130を形成している。
さらには、サンギヤ117の外周面と副変速軸116の基端部(前端部)114の外周面との間には、筒状のシフトギヤ支持体132を軸線方向にシフト自在にスプライン嵌合している。
そして、シフトギヤ支持体132には、前記したシフトフォーク136の先端部138を係合させている。
このようにして、副変速レバー142を前後方向に回動操作することにより、シフトギヤ支持体132を前後方向にシフト作動させて、副変速操作が行えるようにしている。
すなわち、副変速レバー142を後方へ回動させると、副変速レバー支軸141を介して連動アーム143が前方へ回動され、同連動アーム143の先端部に連結したシフトフォーク136が前方へ摺動されて、同シフトフォーク136に係合されたシフトギヤ支持体132が前方へシフトされる。
この際、シフトギヤ支持体132は、サンギヤ117の外周面と副変速軸116の基端部(前端部)114の外周面との間に掛け渡された状態にシフトされて、同シフトギヤ支持体132を介してサンギヤ117と副変速軸116とが連動連結された状態(主変速主軸58と副変速軸116とが直結された状態)となる。
従って、かかるシフト位置では、主変速主軸58に一体成形したサンギヤ117からシフトギヤ支持体132を介して副変速軸116に動力が伝達される。
また、副変速レバー142を前方へ回動させると、副変速レバー支軸141を介して連動アーム143が後方へ回動され、同連動アーム143の先端部に連結したシフトフォーク136が後方へ摺動されて、同シフトフォーク136に係合されたシフトギヤ支持体132が後方へシフトされる。
そして、シフトギヤ支持体132は、サンギヤ117の外周面から離脱されて、副変速軸116の基端部(前端部)114の外周面上にシフトされると共に、前部シフトギヤ133がギヤ形成片129の内周面に形成した内歯130に噛合される。
従って、かかるシフト位置では、主変速主軸58に一体成形したサンギヤ117の回動力は、同サンギヤ117に噛合している遊星ギヤ125→キャリヤ128→同キャリヤ128に一体成形したギヤ形成片129の内歯130→シフトギヤ支持体132の前部シフトギヤ133→シフトギヤ支持体132→副変速軸116の基端部114に伝達される。
この際、主変速主軸58から副変速軸116には、遊星ギヤ機構115を介して減速された動力が伝達されて、副変速がなされる。
(主変速レバー85の取付構造)
主変速レバー85は、図5、図9及び図10に示すように、前記レバー連動機構300を介してレバー連動軸81に連動連結しており、同レバー連動機構300は、前記レバー基部カバー体301内に配設している。
すなわち、レバー連動機構300は、カバー本体302の左側壁と縦伸延カバー形成体304の右側壁との間に、左右方向に伸延する連動ロッド305を左右方向に摺動自在かつその軸線廻りに回動自在に横架し、カバー本体302内に位置する連動ロッド305の左側部より連動軸側作用片306を下方へ向けて突設し、同連動軸側作用片306の下端部を前記レバー連動軸81の後端部に設けた連動軸側作用受片84の上端部に係合させる一方、縦伸延カバー形成体304内に位置する連動ロッド305の右側端部にレバー側作用受片307を上方へ向けて突設し、同レバー側作用受片307の上端部にレバー側作用片85aの下端部を係合させている。
そして、縦伸延カバー形成体304の上端部には、筒状の揺動受け部308を連通連結し、同揺動受け部308内に略球状の揺動支持体309を前後左右任意の方向に揺動自在に配置しており、同揺動支持体309の中央部には上下方向に貫通する貫通孔310を形成し、同貫通孔310中にレバー側作用片85aを挿通すると共に、同レバー側作用片85aの中途部を、揺動支持体309に左右方向に軸線を向けて貫通させた支軸311を介して連結している。312は、揺動受け部308と揺動支持体309との間に介設した揺動支持体押圧スプリング、313は、レバー側作用片85aを被覆する可撓性のカバー体である。
また、主変速レバー85は、上記したレバー側作用片85aの上端部に下端部を嵌合させると共に、連結ピン332を介して連結している。
このようにして、主変速レバー85の上端部を把持して、同主変速レバー85を前後左右方向に回動操作することにより、揺動支持体309を介してレバー側作用片85aの下端部を前後左右方向に揺動させることができるようにしている。
そして、レバー側作用片85aを前後方向に揺動させることにより、レバー側作用受片307→連動ロッド305→連動軸側作用片306→連動軸側作用受片84を介してレバー連動軸81を前後方向に摺動させることができるようにしている。
また、レバー側作用片85aを左右方向に揺動させることにより、レバー側作用受片307→連動ロッド305→連動軸側作用片306→連動軸側作用受片84を介してレバー連動軸81をその軸線廻りに回動させることができるようにしている。
従って、かかる主変速レバー85により前記した5段階の変速操作を楽に行うことができる。
ここで、カバー本体302と連動ロッド305の左側端部との間には、図5及び図10に示すように、中立位置において主変速レバー85の左右方向の移行操作を変速操作方向分岐位置にて仮止めする分岐位置仮止め部314を設けている。
すなわち、分岐位置仮止め部314は、図10に示すように、カバー本体302の天井部315の左側部に、上下方向に伸延するボール収容縦孔316を貫通させて形成し、同ボール収容縦孔316の下端開口部317より押圧スプリング318を介して仮止めボール319の下端部を突出させる一方、連動ロッド305の左側端部の外周面に左側係合溝320と中央係合溝321と右側係合溝322とを左右方向に隣接させて形成して、いずれかの係合溝中に仮止めボール319の下端部を係合させている。436は、押圧スプリング318を上方から保持するスプリング保持体であり、ボール収容縦孔316に固定している。
このようにして、主変速レバー85を中立位置に操作すると、連動ロッド305が摺動して、中央係合溝321に仮止めボール319の下端部が係合し、同状態から主変速レバー85を左(右)側方へ回動操作すると、連動ロッド305が右(左)側方へ摺動して、左(右)側係合溝320(322)に仮止めボール319の下端部が係合するようにしている。
従って、オペレータは、中立位置においても、主変速レバー85が移行操作位置に移行されたことを手応えとして感じることができる。その結果、主変速レバー85の操作性を向上させることができる。
また、図7に示すように、主変速ケース53の内部支持壁57の上部とスライド体支軸80の前端部との間には、各変速位置において、主変速レバー85の前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部323を設けている。
すなわち、主変速ケース53の内部支持壁57の上部に、スライド体支軸80の前端部を挿通支持する挿通支持孔324を形成し、同挿通支持孔324の上部周面より内部支持壁57中に上方へ向けてボール収容縦孔325を形成し、同ボール収容縦孔325の下端開口部326より押圧スプリング327を介して仮止めボール328の下端部を突出させる一方、スライド体支軸80の前端部の外周面に前側係合溝329と中央係合溝330と後側係合溝331とを前後方向に隣接させて形成して、いずれかの係合溝中に仮止めボール328の下端部を係合させている。
このようにして、主変速レバー85を中立位置に操作すると、スライド体支軸80が摺動して、中央係合溝330に仮止めボール328の下端部が係合し、同状態から主変速レバー85を前(後)方へ回動操作すると、スライド体支軸80が前(後)方へ摺動して、後(前)側係合溝331(329)に仮止めボール328の下端部が係合するようにしている。
従って、オペレータは、各変速位置に変速されていることを手応えとして感じることができる。その結果、主変速レバー85の操作性を向上させることができる。
また、副変速ケース54の底部54dには開口部102を形成して、同開口部102を介して後述する前車輪駆動用動力取出部103を取り付けており、同前車輪駆動用動力取出部103はそれぞれ副変速機構47に連動連結している。
〔デファレンシャルケース55〕
デファレンシャルケース55は、図11及び図12に示すように、上面開口の箱型に形成しており、左右側壁55a,55bにそれぞれ開口部104,104を形成して、各開口部104,104を介してリヤアクスルケース8,8を連通連設し、各リヤアクスルケース8,8中に左右方向に伸延する後車軸105,105を挿通すると共に回動自在に支持しており、各後車軸105,105はデファレンシャル機構48に連動連結している。
そして、デファレンシャルケース55は、軸支持壁100により前壁を形成して、同軸支持壁100により副変速軸116の後端部と、第3分割伝動軸247の中途部を支持している。
しかも、デファレンシャルケース55には、図11及び図12に示すように、天井部にメンテナンス用の開口部106を形成して、同開口部106の周縁部にリフトアーム支持体339を着脱自在に取り付け、同リフトアーム支持体339を前方へ伸延させて形成した油圧回路体支持片340に油圧回路体341を着脱自在に取り付け、同油圧回路体341に油圧コントロールバルブ342を取り付けている。
このようにして、油圧回路体341と油圧コントロールバルブ342をリフトアーム支持体339とは別体に形成しているため、鋳物により成形したリフトアーム支持体339に巣穴が形成された場合でも、同リフトアーム支持体339に圧油を通すことがないため、油漏れ等の巣穴による悪影響を心配する必要性がなくなる。
しかも、リフトアーム支持体339を成形する際に、巣穴の発生対策も容易となり、同リフトアーム支持体339の歩留まりを向上させることができて、製造コストを低減させることができる。
さらには、リフトアーム支持体339自体を可及的に小型化することができて、製造・加工上の取扱いの容易化と製造コストの低減化が図れる。
そして、比較的重量物であるリフトアーム支持体339をミッションケース45から取り外すことなく、油圧回路体341と油圧コントロールバルブ342を着脱することができるため、メンテナンス性が良好となる。
また、リフトアーム支持体339を前方へ伸延させて形成した油圧回路体支持片340上に油圧回路体341を載置して固定しているため、ミッションケース45にあらかじめリフトアーム支持体339を取り付けた状態にて、油圧回路体支持片340に油圧回路体341を固定することも、また、あらかじめ油圧回路体支持片340に油圧回路体341を固定した状態にてこれらを一体的にミッションケース45に取り付けることもでき、作業条件等に応じて効率良く組み立て作業を行うことができる。
そして、油圧コントロールバルブ342は、油圧回路体341に取り付けているため、これら油圧コントロールバルブ342と油圧回路体341とをコンパクトに集中配置することができると共に、これらを一体的にリフトアーム支持体339ないしは油圧回路体支持片340に固定することができて、これらの組立性能を向上させることができる。
しかも、リフトアーム支持体339と別体化した油圧回路体341は、バルブ類を集中配置することが可能となり、コンパクト化を図ることができる。
次に、上記したリフトアーム支持体339と油圧回路体341と油圧コントロールバルブ342の構成について、図11〜図16を参照しながら具体的に説明する。
(リフトアーム支持体339)
リフトアーム支持体339は、図13〜図16に示すように、デファレンシャルケース55の天井部に形成した開口部106の周縁部に符合させて取り付けるためのリング状の取付片343と、同取付片343の前部において上方に立ち上げて油圧回路体341を支持する筒状の油圧回路体支持片340と、取付片343の後部において上方に立ち上げてリフトアーム支軸344を枢支する左右一対の枢支片345,345とを具備している。
そして、取付片343には、左右一対の枢支片345,345の前方及び左右側方と両枢支片345,345の間に位置させて複数(本実施の形態では十個)の取付孔としての取付ボルト孔346を形成すると共に、両枢支片345,345間の取付ボルト孔346は、枢支片345,345に枢支されているリフトアーム支軸344に近接させて配置している。
すなわち、図14及び図16に示すように、取付片343の前端部に一個の取付ボルト孔346を形成し、同取付ボルト孔346の中心を通って前後方向に伸延する左右仮想中心線C2の左右対称位置にそれぞれ四個の取付ボルト孔346を前後方向に一定の間隔を開けて形成し、上記左右仮想中心線C2上に位置する取付片343の後部に一個の取付ボルト孔346を形成しており、この後部の取付ボルト孔346は、左右一対の枢支片345,345間でかつリフトアーム支軸344の直下方位置に位置する取付片343の部分に、上方と後方とが開口する凹部347を形成し、同凹部347に形成している。
このようにして、枢支片345,345の壁形状により、十分な強度を確保することができるため、両枢支片345,345以外の取付片343には壁を形成する必要性がなくなる。
そして、同取付片343に形成した左右一対の枢支片345,345の間に形成する取付ボルト孔346は、左右一対の枢支片345,345間でかつリフトアーム支軸344の直下方位置に位置する取付片343の部分に形成した凹部347に形成するため、枢支片345,345の間に形成する取付ボルト孔346を、枢支片345,345に枢支されているリフトアーム支軸344に近接させて配置することができて、同リフトアーム支軸344に引っ張り荷重が作用した場合にも、取付片343の後部に曲げモーメントが作用せず、そのため、取付片343の肉厚を薄肉に形成して軽量化を図ることができる。
しかも、取付片343に取付ボルト孔346を前後左右位置にバランス良く形成することができて、取付片343の取付強度を確保することができる。
さらには、取付片343には取付ボルト孔346を全て上方から形成することができて、加工の容易化を図ることができる。
そして、取付片343の取付作業も、一種類の工具で行えるため、取付片343の取付作業の簡素化を図ることができる。
また、リフトアーム支軸344は、中子を必要とせず、かつ、取付片343を後方に延ばすことなく、コンパクトな上下二つ割りの鋳型のみで成形することができるため、安価に製造することができる。
左右一対の枢支片345,345の上部には、図15に示すように、それぞれ左右方向に開口する支軸挿通孔348,348を形成し、両支軸挿通孔348,348中に左右方向に軸線を向けたリフトアーム支軸344を貫通状態に挿通して横架し、同リフトアーム支軸344の左右側端部349,349にそれぞれリフトアーム350,350の基端部を取り付けており、図2〜図5に示すように、各リフトアーム350,350の中途部とデファレンシャルケースの下部との間にそれぞれ上下方向に伸縮するリフトシリンダ351,351を介設して、両リフトシリンダ351,351によりリフトアーム350,350を上下回動作動可能となしている。
そして、リフトアーム350,350を上下回動作動させるリフトシリンダ351,351は、油圧回路体341を介して油圧コントロールバルブ342により油圧制御するようにしている。
なお、リフトシリンダ351は、単動式シリンダを採用して、圧油を供給することにより伸長作動させて、リフトアーム350を上方へ回動させる一方、圧油を排出することにより、リフトアーム350に連結した作業機(図示せず)の自重により短縮作動させて、リフトアーム350を下方へ回動させるようにしている。
また、各枢支片345,345の上端部には、リフトアーム支軸344に潤滑油を供給するための潤滑油供給部としてのグリスニップル352,252を設けている。
このようにして、各枢支片345,345の上端部に設けたグリスニップル352,352より潤滑油としてのグリス等を、各枢支片345に枢支されているリフトアーム支軸344の部分の外周面に供給(注油)することにより、両枢支片345,345間に横架したリフトアーム支軸344の回動性能を良好に確保することができる。
しかも、リフトアーム支持体339は、枢支片345,345の壁形状により十分な強度を確保することが可能となり、その結果、リフトアーム支軸344を支持する枢支片345,345の部分以外は壁が不要となるため、軽量化を図ることができる。
(油圧回路体341)
油圧回路体341は、図13及び図16〜図18に示すように、ブロック状の回路体本体355と、同回路体本体355の下端周縁部に一体成形した連結用フランジ部356とから形成している。
そして、回路体本体355は、図16(b)に示すように、上部に上層油路形成面部357を形成すると共に、図16(a)に示すように、下部に下層油路形成面部358を形成し、左側中央部に垂直方向に伸延する上層油路接続用縦油路359を形成して、同上層油路接続用縦油路359の上端部を上層油路形成面部357に接続する一方、後中央部に垂直方向に伸延する下層油路接続用縦油路360を形成して、同下層油路接続用縦油路360の上端部を下層油路形成面部358に接続し、両縦油路359,360の下端部を後述する油圧コントロールバルブ342に接続している。
次に、説明の便宜上、まず、下層油路形成面部358について説明し、続いて、上層油路形成面部357について説明し、その後に両者の繋がりについて説明する。
すなわち、下層油路形成面部358は、図16(a)に示すように、回路体本体355の下部において、同一水平面上に前後方向ないしは左右方向に伸延する油路を形成しているものであり、同回路体本体355の下部の前端中央部より後方へ伸延させて形成した後方伸延油路361と、同後方伸延油路361の後端部と直交させて左右方向に伸延する前部左右伸延油路362と、同前部左右伸延油路362と平行させて後右側端部より左側方へ伸延させて形成した後部左側方伸延油路363と、同後部左側方伸延油路363の左側端部と直交させて後中央部より前方へ伸延させて形成した後中央部前方伸延油路364と、同後中央部前方伸延油路364と平行させて後左側部より前方へ伸延させ形成した後左側部前方伸延油路365とを形成している。
そして、後中央部前方伸延油路364の前端部は前記下層油路接続用縦油路360の上端部に接続する一方、後左側部前方伸延油路365の前端部は上層油路接続用縦油路359の中途部に接続している。
また、後方伸延油路361の前端部にはギヤポンプ(図示せず)に接続するポンプ接続部366を設け、前部左右伸延油路362の左側端部にはリリーフバルブ367を設けると共に、同前部左右伸延油路362の右側端部にはサブコントロールバルブ(図示せず)に接続する送り側バルブ接続部368を設けている。後部左側方伸延油路363の右側端部には、サブコントロールバルブに接続する戻り側バルブ接続部369を設けている。後左側部前方伸延油路365の後部には、単動圧油外部取出用接続部370を連通連設している。
上層油路形成面部357は、図16(b)に示すように、回路体本体355の上部において、同一水平面上に前後方向ないしは左右方向に伸延する油路を形成しているものであり、回路体本体355の上部の前端部より後方へ向けて伸延する第1・第2・第3・第4後方伸延油路371,372,373,374を左右方向に間隔を開けて形成する一方、回路体本体355の上部の左側端部より右側方へ向けて伸延する右側伸延油路375を形成すると共に、回路体本体355の上部の右側端部より左側方へ向けて伸延する第1・第2・第3左側伸延油路376,377,378を形成し、かつ、回路体本体355の後部に左右方向に貫通する後部左右貫通油路379を形成している。
そして、第1後方伸延油路371は、前部を上記右側伸延油路375の左側部と直交させ、後端部を前記上層油路接続用縦油路359の上端部に接続している。
第2後方伸延油路372は、後端部を上記後部左右貫通油路379の中央部に接続して、前部には流量調整バルブ380を設けており、同流量調整バルブ380には調整抓み381を前方へ向けて突設し、中途部を上記第2左側伸延油路377の左側端部に接続すると共に、後部を第3左側伸延油路378の左側端部に接続し、同第3左側伸延油路378にセーフティバルブ382を設けている。
第3後方伸延油路373は、後端部を上記右側伸延油路375の右側端部に接続すると共に、中途部を上記第1左側伸延油路376の左側端部に接続し、同接続部にチェックバルブ383を設けている。
第4後方伸延油路374は、中途部を第1左側伸延油路376と直交させると共に、後端部を第2左側伸延油路377の右側部に接続している。
また、上記した後部左右貫通油路379の左右側端部には、それぞれリフトシリンダ接続部384,384を設けて、各リフトシリンダ接続部384,384と前記リフトシリンダ351,351とを油圧パイプ(図示せず)を介して接続している。
回路体本体355の左側後部には、図17及び図18に示すように、上下方向に貫通するドレン回路としてのタンク側戻し縦油路385を形成しており、同タンク側戻し縦油路385の上端部にはタンク接続部386を設けて、同タンク接続部386に油圧パイプを介して油圧タンク(図示せず)を接続する一方、タンク側戻し縦油路385の下端部は、後述するバルブカバー体387内に開口させている。388はリリーフドレン油路であり、同リリーフドレン油路388は、上端部を後方伸延油路361の後端部に接続する一方、下端部を後述するバルブカバー体387内に開口させている。
このようにして、ギヤポンプからポンプ接続部366に圧送された圧油は、後方伸延油路361→前部左右伸延油路362→送り側バルブ接続部368→サブコントロールバルブ(図示せず)→戻り側バルブ接続部369→後部左側方伸延油路363→後中央部前方伸延油路364→下層油路接続用縦油路360→油圧コントロールバルブ342→上層油路接続用縦油路359→第1後方伸延油路371→右側伸延油路375→第3後方伸延油路373→チェックバルブ383→第1左側伸延油路376→第4後方伸延油路374→第2左側伸延油路377→流量調整バルブ380→第2後方伸延油路372→後部左右貫通油路379→各リフトシリンダ接続部384,384→各リフトシリンダ351,351に圧送されて、各リフトシリンダ351,351を伸長作動させることができるようにしている。
また、各リフトシリンダ351,351内の圧油は、各リフトシリンダ接続部384,384→後部左右貫通油路379→第2後方伸延油路372→流量調整バルブ380→右側伸延油路375→第1後方伸延油路371→上層油路接続用縦油路359→油圧コントロールバルブ342→後述するバルブカバー体387→タンク側戻し縦油路385→同タンク接続部386→油圧パイプ→油圧タンク内に戻すことができるようにしている。
この際、リフトシリンダ351,351への圧油の供給と圧油の排出は、後述する油圧コントロールバルブ342の切替操作により行うことができるようにしている。
上記のように、回路体本体355には、上層油路形成面部357と下層油路形成面部358とを上下二層状態に形成しており、各油路形成面部357,358には、前後方向と左右方向とに伸延する油路を形成すると共に、所要の油路同士を直交させて接続し、さらに、回路体本体355には垂直方向に伸延する油路を形成して、上層油路形成面部357と下層油路形成面部358とに形成したいずれかの油路と後述する油圧コントロールバルブ342とを直交状態に接続しているため、回路体本体355内への油圧回路の形成が簡単かつ確実に行うことができる。
ここで、油路は、同一平面内であれば、前後方向と左右方向に限らず、接続する油圧パイプの伸延方向に適合させて、所要の方向に伸延させて形成することができる。その結果、油圧パイプの接続作業や配管作業を容易化することができる。
また、油圧回路体341の連結用フランジ部356は、図13、図17及び図18に示すように、リフトアーム支持体339に形成した前記油圧回路体支持片340の上面を閉蓋可能に形成しており、周縁部には複数のボルト挿通孔390を形成している。
そして、油圧回路体支持片340の上端面には、上記ボルト挿通孔390と符合する複数のボルト螺着孔391を形成して、各ボルト螺着孔391に連結用フランジ部356の各ボルト挿通孔390を符合させると共に、両孔390,391に連結ボルト392を螺着することにより、油圧回路体支持片340に油圧回路体341を着脱自在に連結している。
(油圧コントロールバルブ342)
油圧コントロールバルブ342は、図17及び図18に示すように、バルブ本体395と、同バルブ本体395に連動連結したスプール396とを具備しており、油圧回路体341の下面にスペーサ397を介してバルブ本体395を垂下状態に取り付け、同バルブ本体395よりスプール396を後方に突出させている。
そして、上記油圧回路体341の下面にバルブカバー体387を取り付けて、同バルブカバー体387内に油圧コントロールバルブ342を収容し、同油圧コントロールバルブ342のドレンを、バルブカバー体387内に形成したドレン受け空間Sを介して、ドレン回路としてタンク側戻し縦油路385を通して排出可能となしている。
しかも、ドレン受け空間S内には、油圧回路体341に設けた各バルブを通して排出されるドレンが回収されるようにしている。
ここで、バルブカバー体387は、上面開口箱型に形成して、油圧回路体341の下面に上端縁部389を取付ボルト398により密閉状態に取り付けると共に、同バルブカバー体387の後壁にシール片399を介してスプール突出孔400を形成し、同スプール突出孔400よりスプール396の先端部を前後摺動自在に突出さている。
そして、スプール396は、押圧スプリング401により突出方向に弾性付勢している。
このようにして、リフトアーム支持体339に着脱自在に取り付けた油圧回路体341にバルブカバー体387を取り付けて、同バルブカバー体387内に油圧コントロールバルブ342を収容しているため、これらをリフトアーム支持体339に組み込む前に単体で油圧コントロールバルブ342の性能・機能検査を行うことができる。
その結果、性能・機能検査の容易化、検査装置の小型化、及び、人力による取り扱いの容易化を図ることができる。
また、バルブカバー体387は、図13、図17及び図18に示すように、油圧回路体支持片340に油圧回路体341を取り付けて、同油圧回路体341に垂設した状態にて、同バルブカバー体387の下部402をミッションケース45内に配置している。
このようにして、油圧回路体341は、リフトアーム支持体339を介してデファレンシャルケース55に取り付けているため、同リフトアーム支持体339のデファレンシャルケース55への取付面のシールは一ヶ所で、従来のシール方式を採用することができる。
しかも、バルブカバー体387の下部402をデファレンシャルケース55内に配置しているため、油圧回路体341の地上高を低く設定することができて、同油圧回路体341の直上方に配置する運転席283の取付高さの設計自由度を大きく確保することができる。
また、前記した油圧コントロールバルブ342のスプール396は、油圧回路体支持片340の後部に設けたスプール作動片403を介して昇降レバー404(図15参照)により操作可能とすると共に、フィードバックリンク機構405により昇降停止がなされるようにしている。
すなわち、図13,図15及び図16に示すように、油圧回路体支持片340の後部に形成した作動片挿通孔406中に、前後方向に軸線を向けた棒状のスプール作動片403を前後摺動自在に挿通して、同スプール作動片403を油圧コントロールバルブ342のスプール396と同一軸線上にて前後方向に対向させて配置している。
しかも、スプール作動片403の後部は、作動片支持体407を介して取付片343に支持させ、同スプール作動片403の後端部には左右方向に伸延する揺動片408の中央部を上下方向に軸線を向けた枢支ピン409により枢支し、同揺動片408の左右側端部にそれぞれ左右側係合ピン410,411を上方へ向けて突出させて、左側係合ピン410にフィードバックリンク機構405の左側係合作用ピン412を後方から係合させる一方、右側係合ピン411に昇降レバー404に連動連結した右側係合作用ピン413を後方から係合させている。
そして、フィードバックリンク機構405は、取付片343の後左側部に左右方向に伸延する左側ボス部414を設け、同左側ボス部414中に左側連動軸415を挿通し、同左側連動軸415の左側端部に連動アーム416の基端部を取り付け、同連動アーム416の先端部に連結ロッド417の先端部を連結位置調節自在に連結し、同連結ロッド417の後端部を、前記リフトアーム支軸109の左側端部より上方へ突設した連動片418の先端部に連結している。419,420は連結ピン、421は固定ボルトである。
一方、左側連動軸415の右側端部には左側連動突片422を下方へ向けて突設し、同左側連動突片422の下端部より右側方へ向けて上記左側係合作用ピン412を突設している。
また、取付片343の後右側部に左右方向に伸延する右側ボス部423を設け、同右側ボス部423中に右側連動軸424を挿通し、同右側連動軸424の右側端部に前記昇降レバー404の基端部を連動連結する一方、右側連動軸424の左側端部に右側連動突片425を下方へ向けて突設し、同右側連動突片425の下端部より左側方へ向けて上記右側係合作用ピン413を突設している。
ここで、昇降レバー404は、前記した主・副変速レバー85,142と同様に運転席283の右側方に集中配置して、これらレバー85,142,404の操作性を良好に確保している。
このようにして、昇降レバー404を後方に回動させて上昇操作した際には、右側係合作用ピン413が右側係合ピン411に後方から係合し、同右側係合ピン411を介して揺動片408の右側端部を前方へ押圧する。
この際、揺動片408の左側端部は、左側係合ピン410を介して左側係合作用ピン412により固定されているため、同揺動片408の中央部に枢支ピン409を介して連結したスプール作動片403が前方へ摺動されて、スプール396を押圧スプリング401の弾性付勢力に抗して前方へ摺動させる。
その結果、バルブ本体395が上昇側に開弁作動して、リフトシリンダ351,351に圧油が圧送されて、両リフトシリンダ351,351が伸長作動し、各リフトシリンダ351,351に連動連結したリフトアーム110,110を上昇回動させる。
そして、リフトアーム110,110の上昇回動にフィードバックリンク機構405が連動して、同フィードバックリンク機構405の左側係合作用ピン412が後方へ回動し、左側係合ピン410を介した揺動片408の左側端部の固定が解除される結果、押圧スプリング401の弾性付勢力によりスプール396が後方へ摺動して、中立位置に復帰したところでバルブ本体395が閉弁作動してリフトシリンダ351,351への圧油の流入を停止させる。
また、昇降レバー404を前方に回動させて下降操作した際には、右側係合作用ピン413が右側係合ピン411から離隔する。
その結果、押圧スプリング401の弾性付勢力によりスプール396が後方へ摺動されて、バルブ本体395が下降側に開弁作動し、リフトシリンダ351,351に圧送されていた圧油が流出されて、両リフトシリンダ351,351が短縮作動し、各リフトシリンダ351,351に連動連結したリフトアーム110,110を下降回動させる。
この際、揺動片408の左側端部は、左側係合ピン410を介して左側係合作用ピン412により固定されているため、同揺動片408の中央部に枢支ピン409を介して連結したスプール作動片403が後方へ摺動されて、右側係合ピン411を介して揺動片408の右側端部を後方へ移動させる。
そして、リフトアーム110,110の下降回動にフィードバックリンク機構405が連動して、同フィードバックリンク機構405の左側係合作用ピン412が前方へ回動し、左側係合ピン410を介した揺動片408の左側端部を前方へ押圧する結果、押圧スプリング401の弾性付勢力に抗してスプール396が前方へ摺動されて、中立位置に復帰したところでバルブ本体395が閉弁作動してリフトシリンダ351,351への圧油の流出を停止させる。
ここで、フィードバックリンク機構405は、連動アーム416の先端部と連結ロッド417の先端部との連結位置を調節することにより、スプール396の中立位置調節をすることができる。
また、図11に示すように、デファレンシャルケース55の後端には開口部111を形成し、同開口部111にはPTO変速部6を取り付けており、同PTO変速部6の構成については後述する。
〔デファレンシャル機構48〕
デファレンシャル機構48は、図11及び図12に示すように、前記した副変速軸116と左右一対の後車軸105,105との間に介設しており、軸支持壁100よりも後方に伸延させた副変速軸116の先端部(後端部)に、出力用ベベルギヤ180を一体的に形成する一方、各後車軸105,105の基端部に後車軸入力ギヤ181,181を取り付けて、出力用ベベルギヤ180をデファレンシャル機構48を介して各後車軸入力ギヤ181,181に連動連結している。
すなわち、デファレンシャル機構48は、デフケース182の外周面に、前記出力用ベベルギヤ180に噛合する大減速ギヤ183を取り付ける一方、デフケース182内に、前後方向に伸延する小差動ギヤ支軸184を介して前後一対の小差動ギヤ185,185を回転自在に取り付けると共に、左右方向に伸延する左右一対の大差動ギヤ支軸186,186を介して左右一対の大差動ギヤ187,187を取り付けて、各大差動ギヤ187,187を両小差動ギヤ185,185に噛合させている。
そして、デフケース182の左右側部に一体成形した筒状連通連結片188,188には、左右方向に軸線を向けた左右一対の筒状軸支持体189,189を着脱自在に嵌合して連通連結可能となし、各筒状連通連結片188,188中を通して各筒状軸支持体189,189中に、前記大差動ギヤ支軸186,186を挿通すると共に支持させており、各大差動ギヤ支軸186,186の筒状軸支持体189,189から突出する部分には、それぞれ前記後車軸入力ギヤ181,181と噛合する伝動ギヤ190,190を取り付け、さらに、各大差動ギヤ支軸186,186の先端部は、後述するブレーキ部191,191の走行用ブレーキ192,192に着脱自在に接続している。
このようにして、副変速軸116に伝達された回動力は、同副変速軸116の先端部(後端部)に一体的に形成した出力用ベベルギヤ180→大減速ギヤ183→デフケース182→小差動ギヤ支軸184→各小差動ギヤ185,185→各大差動ギヤ187,187→各大差動ギヤ支軸186,186→各伝動ギヤ190,190→各後車軸入力ギヤ181,181→各後車軸105,105→各後車輪9,9に伝達されるようにしている。
また、左右一対の筒状軸支持体189,189は、副変速ケース54の左右側壁55a,55bに形成した取付用開口部194,194に外側方から嵌合すると共に、取付ボルト195,195により着脱自在に取り付けており、デフケース182は、両筒状軸支持体189,189間に着脱自在に架設されている。
そして、各筒状軸支持体189,189は、取付ボルト195,195を取り外した後、取付用開口部194,194から外側方へ引き出すことにより、副変速ケース54から取り外すことができ、この際、各大差動ギヤ支軸186,186も各筒状軸支持体189,189と一体的にデフケース182から引き抜いて取り外すことができる。
従って、両筒状軸支持体189,189間に着脱自在に架設されているデフケース182は、各筒状軸支持体189,189を取り外した後は、副変速ケース54の天井部に形成したメンテナンス用の開口部106から取り出すことができる。
また、ブレーキ部191は、ブレーキケース196内に走行用ブレーキ192を配設し、同走行用ブレーキ192をブレーキ作用片197を介してブレーキ操作レバー198によりブレーキ制動・解除操作することができるようにしている。199は、ブレーキケース196に枢支したブレーキレバー支軸である。
そして、ブレーキケース196は、副変速ケース54の側壁とリヤアクスルケース8の外周面基部との間に掛け渡し状態にて着脱自在に取り付けており、同ブレーキケース196をこれらから取り外すことにより、同ブレーキケース196と一体的に走行用ブレーキ192を大差動ギヤ支軸186の先端部から取り外すことができるようにしている。
次に、前記した前車輪駆動用動力取出部103について、図4及び図9を参照しながら説明する。
〔前車輪駆動用動力取出部103〕
前車輪駆動用動力取出部103は、図4及び図9に示すように、副変速ケース54の底部に形成した開口部102に、取出部ケース160を取り付け、同取出部ケース160内に前後一対のベアリング162,163を介して前後方向に軸線を向けた前車輪駆動軸164を架設し、同前車輪駆動軸164の中途部に入力ギヤ165を取り付けて、同入力ギヤ165と副変速軸116の後部に取り付けた出力ギヤ166との間に第1・第2中間ギヤ167,168を介設して構成している。
ここで、第1中間ギヤ167は、後述するPTO系伝動軸169にベアリング170を介して回転自在に取り付けると共に、第2中間ギヤ168は、副変速ケース54内に突出させて形成した前後一対のギヤ支持片171,172にギヤ支軸173を架設し、同ギヤ支軸173にベアリング174を介して回転自在に取り付けている。
そして、出力ギヤ166と第1中間ギヤ167と第2中間ギヤ168と入力ギヤ165とを直列的に噛合させて連動連結している。
また、前車輪駆動軸164は、先端部175を取出部ケース160より前方へ突出させて、同先端部175をフロントアクスルケースに設けた入力軸(図示せず)に伝動シャフト等を介して連動連結している。
このようにして、副変速軸116の回動力は、同副変速軸116に取り付けた出力ギヤ166→第1中間ギヤ167→第2中間ギヤ168→入力ギヤ165→前車輪駆動軸164→伝動シャフト等→入力軸→前車軸→前車輪7,7に伝達されて、四輪駆動走行が行えるようにしている。
また、本実施例では、入力ギヤ165は、前車輪駆動軸164の中途部にスプライン嵌合して、第2中間ギヤ168に噛合した位置と噛合解除された位置とにシフト可能とすると共に、同入力ギヤ165のシフト操作を取出部ケース160の外部からシフト操作機構(図示せず)により行えるようにしている。
このようにして、入力ギヤ165を第2中間ギヤ168に噛合させるシフト操作を行うと、前記したように四輪駆動走行が行える一方、入力ギヤ165を第2中間ギヤ168から噛合解除させるシフト操作を行うと、後輪駆動だけの二輪駆動走行が行えるようにして、作業条件に応じて適宜四輪駆動走行と二輪駆動走行の切替操作を行って、効率良く作業が行えるようにしている。
[運転部5]
運転部5は、図1に示すように、原動機部2の後方位置でかつクラッチ部3の上方位置にステアリングコラム280を立設し、同ステアリングコラム280の上端部にホイール支軸281を介してステアリングホイール282を取り付け、同ステアリングホイール282の後方位置に運転席283を配置し、同運転席283の側方位置に前記した主変速レバー85と副変速レバー142とを集中配置している。
[PTO変速部6]
PTO変速部6は、図11に示すように、ミッションケース45のデファレンシャルケース55の後端に形成されている開口部111に、PTOケース200を着脱自在に取り付け、同PTOケース200内にPTO変速機構201を配設している。
以下に、図11を参照しながら、〔PTOケース200〕と〔PTO変速機構201〕の各構成を、この順序で説明する。
〔PTOケース200〕
PTOケース200は、図11に示すように、前部ケース形成体202と中間部ケース形成体203と後部ケース形成体204に三分割形成して、各ケース形成体202,203,204同士を相互に着脱自在に連結しており、前部ケース形成体202と中間部ケース形成体203とをデファレンシャルケース55内に収容状態に配置すると共に、後部ケース形成体204をデファレンシャルケース55から後方へ膨出状態に配置している。
そして、後部ケース形成体204の前端周縁部に鍔状の取付片205を一体成形して、同取付片205をデファレンシャルケース55の後端縁部に後方から当接させると共に、前後方向に軸線を向けた取付ボルト206により取り付けている。
このようにして、デファレンシャルケース55の後端に形成されている開口部111にPTOケース200を着脱自在に取り付けているため、ミッションケース45のデファレンシャルケース55からPTOケース200を取り外した状態にて、同PTOケース200内に収容したPTO変速機構201の組立作業やメンテナンス作業を容易に行うことができる。
しかも、PTOケース200は、前部ケース形成体202と中間部ケース形成体203をミッションケース45のデファレンシャルケース55内に収容状態にして取り付けているため、ミッションケース45の小型化(コンパクト化)を図ることができる。
前部ケース形成体202には、入力軸230を受けるための入力軸突出口部207を前後方向に開口させて形成し、同入力軸突出口部207の上方位置に変速軸前部受け部208を形成している。
中間部ケース形成体203内にはPTO軸232の前端部を受けるための軸受け片209を設けており、同軸受け片209は中途部に前後方向に開口するPTO軸前部受け部212を形成している。
このようにして、軸受け片209を中間部ケース形成体203の前側端面210側に配置しているため、中間部ケース形成体203を成形する型枠の構造を簡易化することができて、同型枠のコスト低減を図ることができる。
しかも、中間部ケース形成体203の前側端面210と軸受け片209の前側端面211を面一に形成しているため、中間部ケース形成体203の成形・加工を簡単かつ確実に行うことができる。
後部ケース形成体204には、PTO軸突出口部214を前後方向に開口させて形成し、同PTO軸突出口部214の上方位置に変速軸後部受け部215を形成している。
そして、前部ケース形成体202に形成した入力軸突出口部207と、中間部ケース形成体203に形成したPTO軸前部受け部212と、後部ケース形成体204に形成したPTO軸突出口部214は、前後方向に伸延する同一軸線上にて連通させて形成している。
また、前部ケース形成体202に形成した変速軸前部受け部208と後部ケース形成体204に形成した変速軸後部受け部215は、前後方向に対向させて配置している。
ここで、前記したリフトアーム支持体339の枢支片345,345には、トップリンク12の前端部を枢支・連結するためのトップリンクブラケット216を取り付けており、同トップリンクブラケット216は、両枢支片345,345の後面に面接させて取付ボルト220により取り付ける板状の取付座217と、同取付座217の後面より後方へ向けて突設した左右一対の板状の枢支・連結片218,218とから形成している。図15中、219は取付ボルト220を挿通させる連結孔である。
また、後部ケース形成体204の左右側壁には、リフトシリンダ取付部としてのリフトシリンダ支軸221,221を外側方へ向けて突設し、各リフトシリンダ支軸221,221と前記リフトアーム350,350の中途部との間に上下方向に伸縮作動するリフトシリンダ351,351を介設している。223はリフトシリンダ連結ピン、224はリフトシリンダ枢支連結片である。
このようにして、後部ケース形成体204の左右側方位置に、上下方向に伸縮作動する左右一対のリフトシリンダ351,351を配置すると共に、各リフトシリンダ351,351の下端部をリフトシリンダ支軸221,221を介して後部ケース形成体204に支持させているため、両リフトシリンダ351,351を鉛直ないしは略鉛直に配置した姿勢となすことが容易となり、各リフトシリンダ351,351のストロークを小さくすることができて、各リフトシリンダ351,351の小型化を図ることができる上に、パワーロスを小さくすることができる。
しかも、各リフトシリンダ351,351の下端部は、リフトシリンダ支軸221,221を介して後部ケース形成体204に支持させているため、各リフトシリンダ351,351を強固に支持することができる。
〔PTO変速機構201〕
PTO変速機構201は、図11に示すように、前記したPTOケース200内に、それぞれ前後方向に軸線を向けた入力軸230と変速軸231とPTO軸232とを配設している。
すなわち、PTOケース200の前部ケース形成体202に形成した入力軸突出口部207にベアリング233,234を介して入力軸230を回動自在に支持させており、同入力軸230は、先端部235を前方へ突出させる一方、後端部に出力ギヤ236を設けている。
そして、前部ケース形成体202に形成した変速軸前部受け部208と、後部ケース形成体204に形成した変速軸後部受け部215との間に、ベアリング237,238を介して変速軸231を回動自在に支持させており、同変速軸231には前方から後方に向けて順次大径入力ギヤ239と第2変速ギヤ240と第1変速ギヤ241とを同軸的に一体成形して、大径入力ギヤ239を前記入力軸230に設けた出力ギヤ236に噛合させている。
また、中間部ケース形成体203に形成したPTO軸前部受け部212と、後部ケース形成体204に形成したPTO軸突出口部214との間に、ベアリング242,243を介してPTO軸232を回動自在に支持させている。
しかも、PTO軸232には、シフトギヤ体244を軸線方向にスライドシフト自在にスプライン嵌合すると共に、入力ギヤ267を回転自在に取り付けており、シフトギヤ体244に大径シフトギヤ268と小径シフトギヤ269を設ける一方、入力ギヤ267の前面に、上記小径シフトギヤ269が嵌入されて噛合する嵌入噛合ギヤ270を形成している。
さらには、シフトギヤ体244をPTO変速操作機構272により、大径シフトギヤ268を前記第2変速ギヤ240に噛合させる第2PTO変速操作と、小径シフトギヤ269を嵌入噛合ギヤ270に嵌入・噛合させる第1PTO変速操作とが行えるようにしている。
そして、PTO軸232は、後部ケース形成体204に形成したPTO軸突出口部214から後方へ先端部(後端部)273を突出させている。
このようにして、本実施の形態では、前部ケース形成体202に入力軸230を支持させ、前部ケース形成体202と後部ケース形成体204との間に変速軸231を支持させ、中間部ケース形成体203と後部ケース形成体204との間にPTO軸232を支持させているため、これらの軸230,231,232の配置の自由度が大きくなると共に、コンパクトに配置することができ、しかも、各軸230,231,232に設けたギヤ同士の噛合・接続を簡単かつ確実に行うことができる。
さらには、PTOケース200を、前部ケース形成体202と中間部ケース形成体203と後部ケース形成体204に三分割形成しているため、大径入力ギヤ239と第2変速ギヤ240と第1変速ギヤ241とを、変速軸231を介して前部ケース形成体202と後部ケース形成体204との間に、簡単に組み付けることができて、変速軸231と各ギヤ239,240,241を簡単かつ確実に配設することができて、PTO変速機構201の組立作業効率を向上させることができる。
そして、PTO軸232にはクラッチ機構275を設け、同クラッチ機構275をクラッチ操作機構276により接続・切断操作するようにしている。
また、入力軸230の先端部235は、図4に示すように、PTO系伝動軸169を介して前記外側駆動軸20に連動連結してPTO系伝動機構52を構成しており、PTO系伝動軸169は、ミッションケース45内にて前部から後部まで前後方向に軸線を向けて配置している。
(PTO系伝動軸169)
PTO系伝動軸169は、図4に示すように、第1〜第4分割伝動軸245,246,247,248を前後方向に接続して形成している。
そして、第1分割伝動軸245は、図4及び図6に示すように、クラッチハウジング17の後壁27と前記内部支持壁57との間にベアリング249,250を介して回動自在に架設しており、同第1分割伝動軸245の中途部に入力ギヤ244を設けて、同入力ギヤ244をPTO駆動ギヤ20cに噛合させている。
また、第2分割伝動軸246は、図4に示すように、ベアリング251を介して前記軸支持壁形成体50に中途部を回動自在に支持させると共に、前端部を上記第1分割伝動軸245の後端部に第1筒状接続体252を介して接続している。
第3分割伝動軸247は、図4及び図9に示すように、ベアリング253を介して軸支持体118に中途部を回動自在に支持させると共に、前端部を上記第2分割伝動軸246の後端部に第2筒状接続体254を介して接続している。
第4分割伝動軸248は、図4及び図11に示すように、前端部を上記第3分割伝動軸247の後端部にワンウェイクラッチ255を介して接続すると共に、後端部を前記入力軸230の先端部235に第3筒状接続体256を介して接続している。
ここで、ワンウェイクラッチ255は、第3分割伝動軸247の後端部に取り付けた前部クラッチ形成体257と、第4分割伝動軸248の前端部に取り付けた後部クラッチ形成体258とから形成しており、前部クラッチ形成体257の後面に突設した噛合片259と、後部クラッチ形成体258の前面に突設した噛合片260とを前後対向状態に噛合させて、正回転では両噛合片259,260が係合して第3・第4分割伝動軸247,248が一体的に正回転方向に回動する一方、逆回転では両噛合片259,260が係合しないようにしている。
このようにして、エンジン15から外側駆動軸20に伝達された動力は、同外側駆動軸20に一体成形したPTO駆動ギヤ20c→入力ギヤ244→第1分割伝動軸245→第1筒状接続体252→第2分割伝動軸246→第2筒状接続体254→第3分割伝動軸247→ワンウェイクラッチ255→第4分割伝動軸248→第3筒状接続体256→入力軸230に伝達されるようにしている。
そして、PTO変速機構201が第1PTO変速操作されている場合には、入力軸230に伝達された動力は、出力ギヤ236→大径入力ギヤ239→変速軸231→第1変速ギヤ240→シフトギヤ体244の大径シフトギヤ268→PTO軸232に伝達されるようにしており、同PTO軸232より動力を取り出して各種作業機を駆動することができる。
また、PTO変速機構201が第2PTO変速操作されている場合には、入力軸230に伝達された動力は、出力ギヤ236→大径入力ギヤ239→変速軸231→第2変速ギヤ241→入力ギヤ267→同入力ギヤ267の嵌入噛合ギヤ270→シフトギヤ体244の小径シフトギヤ269→PTO軸232に伝達されるようにしており、同PTO軸232より動力を取り出して各種作業機を駆動することができる。
この際、各種作業機からの負荷を受けてPTO軸232が逆回転され、その動力が入力軸230→第3筒状接続体256→第4分割伝動軸248に伝達されたとしても、同第4分割伝動軸248と第3分割伝動軸247との間にはワンウェイクラッチ255を介設しているため、第4分割伝動軸248から第3分割伝動軸247には動力が伝達されない。
従って、PTO軸232から動力が主変速機構46をはじめとする走行系伝動機構51に逆流して伝達されることにより、同走行系伝動機構51が損傷等されるという不具合の発生を防止することができる。
図19及び図20は、他の実施形態としてのリフトアーム350,350を示しており、同リフトアーム350,350は、基端部を回動ボス部430を介して一体成形しており、同回動ボス部430は、左右一対の枢支片345,345間にてリフトアーム支軸344の中央部に嵌合して、左右一対のリフトアーム350,350をリフトアーム支軸344を中心に回動ボス部430を介して一体に回動させるようにしている。
このようにして、左右一対のリフトアーム350,350を回動ボス部430を介して一体成形しているため、両リフトアーム350,350の取付作業を楽に行うことができる。
図21は、他の実施形態としての分岐位置仮止め部314を示しており、同分岐位置仮止め部314には、仮止め強さ調整部としての調整用雄ネジ体431を設けている。
すなわち、調整用雄ネジ体431は、上下方向に伸延させて棒状に形成すると共に、外周面に雄ネジ部432を形成しており、カバー本体302の天井部315の左側部に、上下方向に伸延するボール収容縦孔316を貫通させて形成し、同ボール収容縦孔316の上部内周面には雌ネジ部433を形成して、同雌ネジ部433に調整用雄ネジ体431を螺着して、同調整用雄ネジ体431の下端部と仮止めボール319との間に押圧スプリング318を介設している。
そして、調整用雄ネジ体431は、主・副変速レバー85,142と略同一軸線方向にカバー本体302より突出させて形成すると共に、先端部(上端部)に調整抓み片434を設けている。435は固定用ナットである。
このようにして、調整抓み片434を抓んで調整用雄ネジ体431を回すことにより、適宜押圧スプリング318の仮止めボール319への押圧力を調整して、同仮止めボール319による仮止め強さを調整することができる。
従って、オペレータは、自分の好みに応じた手応えが感じられるようにすることができて、主変速レバー85の操作性を向上させることができる。
この際、分岐位置仮止め部314は、変速位置仮止め部323のように、動力伝達時のギヤ抜け防止を兼ねるものではないため、仮止め力を一定以上に保持する必要性がなく、オペレータの好みに応じた手応えが得られるように自由に仮止め強さを調整することができる。
また、調整抓み片434を、主・副変速レバー85,142と略同一軸線方向に突出させて形成しているため、オペレータは、調整抓み片434を上方から楽に抓むことができると共に、同調整抓み片434による仮止め調整を円滑かつ確実に行うことができる。
本発明に係るトラクタの側面図。 クラッチ部とミッション部の側面図。 クラッチ部とミッション部の平面図。 同クラッチ部とミッション部の断面側面説明図。 ミッション部の一部切欠背面図。 同クラッチ部の断面側面説明図。 主変速部の断面側面説明図。 主変速部の背面図。 副変速部の断面側面説明図。 同副変速部の上部の拡大断面背面説明図。 デファレンシャル機構及びPTO変速部の断面側面説明図。 デファレンシャル機構の断面背面説明図。 リフトアーム支持体の一部切欠側面説明図。 同リフトアーム支持体の平面図。 同リフトアーム支持体の一部切欠背面図。 油圧回路体の断面平面説明図。 同油圧回路体の中央部断面側面図。 同油圧回路体の左側部断面側面図。 他の実施形態としてのリフトアーム支持体の平面図。 同リフトアーム支持体の一部切欠背面図。 他の実施形態としての分岐位置仮止め部の拡大断面側面図。
符号の説明
A トラクタ
1 機体フレーム
2 原動機部
3 クラッチ部
4 ミッション部
5 運転部
6 PTO変速部
45 ミッションケース
46 主変速機構
47 副変速機構
53 主変速ケース
54 副変速ケース
73b シフトフォーク
81 レバー連動軸
85 主変速レバー
108 リフトアーム支持体
110 リフトアーム
142 副変速レバー
301 レバー基部カバー体
314 分岐位置仮止め部
340 油圧回路体支持片
341 油圧回路体
342 油圧コントロールバルブ
344 リフトアーム支軸
351 リフトシリンダ
352 グリスニップル
385 タンク側戻し縦油路
387 バルブカバー体
431 調整用雄ネジ体
S ドレン受け空間

Claims (3)

  1. 変速レバーを前後方向及び左右方向に回動させて複数段に変速操作が行えるようにしたトラクタにおいて、
    各変速位置において変速レバーの前後方向のシフト操作を仮止めする変速位置仮止め部を設けると共に、中立位置において変速レバーの左右方向の移行操作を変速操作方向分岐位置にて仮止めする分岐位置仮止め部を設けたことを特徴とするトラクタ。
  2. 分岐位置仮止め部には、仮止め強さを調整する仮止め強さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
  3. 仮止め強さ調整部は、変速レバーと略同一軸線方向に突出させて形成する共に、先端部に調整抓み片を設けたことを特徴とする請求項2記載のトラクタ。
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CN108105378A (zh) * 2018-01-31 2018-06-01 鹰潭思巴达传动科技有限公司 一种dct双离合自动变速箱的电控式换挡执行机构

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