JPS6111813B2 - - Google Patents

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JPS6111813B2
JPS6111813B2 JP52051029A JP5102977A JPS6111813B2 JP S6111813 B2 JPS6111813 B2 JP S6111813B2 JP 52051029 A JP52051029 A JP 52051029A JP 5102977 A JP5102977 A JP 5102977A JP S6111813 B2 JPS6111813 B2 JP S6111813B2
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JP
Japan
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gear
clutch
shaft
transmission
pto
Prior art date
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Application number
JP52051029A
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English (en)
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JPS53134154A (en
Inventor
Hiroyuki Kisaka
Makoto Sagata
Masayoshi Myahara
Morimitsu Katayama
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP5102977A priority Critical patent/JPS53134154A/ja
Publication of JPS53134154A publication Critical patent/JPS53134154A/ja
Publication of JPS6111813B2 publication Critical patent/JPS6111813B2/ja
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  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は農耕、土工作業を行なう走行作業車
つまりトラクタのトランスミツシヨンに関する。
トラクタのトランスミツシヨンは作業態様の変
化に即応した豊富な走行速度を得る必要があり、
かつ、車体の狭小な空間に内装されることから小
形簡素化が要求されている。
また、トラクタのトランスミツシヨンとして油
圧クラツチ式変速装置を採用すれば機械式のよう
に変速毎にクラツチ切断動作が不要であるという
等々の利点があることから、この油圧クラツチ式
変速装置の採用が要望されているけれども、この
装置を利用した場合、車体の狭小な空間に簡単か
つ確実にしかも従前機種の大幅な設計変更をしな
くとも組込むことが至難とされていた。
この発明はエンジン動力を受けて回転する主軸
を挾んで両側に走行系とPTO系を振分けて配置
した所謂3本軸構成のトランスミツシヨンを大幅
に設計変更しなくとも油圧クラツチ式変速装置の
組込み装備を可能としたものであつて、その構成
上の特徴とするところは、エンジン動力を受けて
回転する主軸を挾んで両側に走行系とPTO系の
変速装置を設けたミツシヨンにおいて、主軸の延
長上でかつ走行系とPTO系の動力伝達経路間
に、走行系の動力伝達経路側の歯車と咬合する複
数個の歯車と、各歯車を入力側に選択結合するた
めの複数個の油圧クラツチとを備えて成る油圧ク
ラツチ式変速装置を配置し、この油圧クラツチ式
変速装置の入力側をカツプリングを介して主軸に
連結し、このカツプリング上に、油圧クラツチ式
変速装置における主軸に近い側の歯車を相対回転
自在にを設けた点にある。
以下、図面に従つて本発明の具体例を詳述する
と、トラクタ外観を示す第1図と動力伝達系の概
要を示す第2図において、1はトラクタ機体、2
は前輪、3は後輪である。4はエンジンで機体1
の前部寄りに搭載されている。5は主変速ケース
で、前部にクラツチハウジング6を一体に備えこ
のクラツチハウジング6がエンジンフレームに連
設されている。7は中間ケースであつて、主変速
ケース5と副変速ケース8にて挾持されており、
主変速ケース5と中間ケース7とおよび副変速ケ
ース8がその順序で連設されてオイルタンクを共
用したトラクタ車体を構成している。トラクタ車
体の実質的に主変速ケース5の両側部に左右一対
ステツプ9が張出し状に設けられ、この左右ステ
ツプ9の近傍にブレーキ操作装置としてのブレー
キペダルとクラツチ操作装置としてのクラツチペ
ダルが踏込み自在に具備され、図ではクラツチペ
ダル10を図示している。
クラツチペダル10はリンク連動体11を介し
て第2図で示すエンジンクラツチ12を断接自在
で、通常はペダル10を踏込むとクラツチ12が
断となるべく構成されている。第1図において、
13は副変速操作装置で、副変速ケース8の側方
に操作レバが設けてある。また、14は作業機昇
降用の油圧装置で、副変速ケース8上に施蓋状に
載置されて、左右一対のリフトアーム15が後方
に延びている。主変速ケース5はその上面が開口
されてこの開口部を蓋体16で施蓋し、この蓋体
16の中には油圧クラツチ式変速装置のためのバ
ルブ装置が第3図、第4図で示す如く内蔵され、
かつ、この蓋体16の近傍に図示しないがPTO
変速操作装置が具備される。
中間ケース7の上面は蓋体17にて施蓋され、
この中間ケース7に内蔵した第3図、第5図で示
す超減速装置と牽引スタート装置の双方を兼用し
て操作する切替え操作装置18が第6図示のよう
に具備され、副変速ケース8の上方に設けた座席
装置19に座位した状態で上記の各操作装置およ
びステアリング装置20が操作可能とされてい
る。
第2図を参照すると、符号Aは主変速装置であ
つて、主軸21を挾んで両側、具体例では上下に
平行支架した油圧クラツチ式変速装置Bと歯車式
変速装置Cとから成り、前者変速装置Bが走行系
として供され、後者変速装置CがPTO系として
供され、主軸21上の動力伝達用歯車群を兼用し
て各変速歯車が駆動されるようにされている。主
変速装置Aは主変速ケース5に内有されるが、主
軸21上の走行カウンタ軸22(クラツチ軸と呼
ぶ場合もある。)上に図では後進用クラツチ装置
B1と前進1段用クラツチ装置B2とを並設して走
行系の油圧クラツチ式変速装置Bを構成してい
る。PTO系の歯車式変速装置CはPTO変速軸2
3上に図では4個の異径変速歯車群を空転自在に
備えた常時噛合い式4段変速として図解してい
る。
Dは前記の油圧クラツチ式変速装置Bとは別の
油圧クラツチ式変速装置であつて、主軸21の後
方に図では3種類の油圧クラツチ式変速装置
D1,D2,D3を並設して成る。
Eは副変速装置で図では副変速2段がとれる歯
車式として例示され、差動装置Fと共に副変速ケ
ース8に内有されている。差動装置Fの左右一対
のデフヨーク軸24が両側方外方に向つて延び、
最終減速装置Gを至て後車軸25を介して後輪3
が転動できるよう構成され、ヨーク軸24の端部
にはブレーキ装置Hが配置されている。
Iは中間ケース7に内蔵された超減速装置、J
はPTO駆動軸上において中間ケース7に設けら
れた牽引スタート装置を示している。
第3図と第4図を参照すると、主変速装置Aの
詳細が図解されている。この第3,4図におい
て、主軸21は主変速ケース5の前後隔壁26に
前後一対の軸受27を介して支架されている。主
軸21上には動力伝達用歯車28,29,30,
31が軸方向に間隔をおいて刻成又は套嵌固着等
の手段で列設されており、各歯車28,29,,
30,31はそれぞれ異径であつて、最大径歯車
29と最小径歯車30を軸受27間の中央部に隣
り合せて列設し、他の歯車28,31は前後に設
けてある。そして、この主軸21はエンジン4の
動力がクラツチ12の嵌脱を介して断続され各歯
車28〜31は主軸21と同行回転される。
主軸21を挾んで下部にPTO変速軸23が、
また上部に走行用変速軸22がそれぞれ平行に支
架されるが、変速軸22は主変速ケース5の前後
隔壁26に一対の軸受32にて支架され、PTO
変速軸23は同じく一対の軸受33にて支架さ
れ、ここに所謂3本軸を構成している。
主軸21はその後端部が隔壁26より若干突出
し、上下の変速軸22,23は互いに平行として
中間ケース7の内部まで延びている。
走行用油圧クラツチ式変速装置Bは前述したよ
うに変速軸(クラツチ軸)22に前進用と後進用
のクラツチB1,B2を並設して成るがこの変速装
置Bは次のように構成されている。
第3,4図で特に図解するように、符号34は
一対インナーハブ35,36を有する伝動体でク
ラツチ軸22に套嵌固着されている。37は後進
用クラツチボデイであつてメタル38を介してク
ラツチ軸22上に相対回転自在に套嵌され、その
外周面に図示しない中間歯車を介して主軸21上
の歯車28と連動噛合する変速歯車39を形成し
ている。40は前進用クラツチボデイであつてメ
タル41を介してクラツチ軸22上に相対回転自
在に套嵌され、その外周面に主軸21上の歯車3
1と常時噛合する変速歯車42が形成されてい
る。伝動体34を挾んで一対のクラツチボデイ3
7,40がスラストベアリング43を挾持して組
込まれるが、この際、各クラツチボデイ37,4
0の中にはバネ44,45に抗して摺動するアク
チユエータ46,47が嵌合され、かつ、インナ
ーハブ35,36の外周面とボデイ37,40と
の間にクラツチ板48,49が介在された完備と
したクラツチパツクとしている。なお、クラツチ
板48,49は前者48が4板で後者49が6枚
としているがその枚数は任意である。
油圧クラツチ式変速装置Bはこれがパツクとさ
れた完備とされ、主変速ケース5の上面開口部5
0よりケース5内に組込まれ、図示の場合はクラ
ツチ軸22を後方より挿通して組立てられる。
この組付け状態において、各クラツチボデイ3
7,40は前後に設けたスラストベアリング5
1,52で受止められ、かつ、前位のスラストベ
アリング51は段部53を介して位置決めされる
と共にクラツチ軸22に捲回した弾性体54で予
圧を付与した状態で弾装し、上記段部53にてこ
の弾性体54の疲れ又は破損を極力防止してい
る。なお、第3,4図では弾性体54としてコイ
ルバネを示しているが、これは皿バネでも利用で
きる。
また、第3,4図において55はシールキヤツ
プであつて、軸受抑えを兼ねてクラツチ軸22の
前端に被冠され、隔壁26に嵌合締結されてい
る。このシールキヤツプ55とクラツチ軸22外
周との間にそれぞれ独立した図では2個の周溝5
6が形成され、この各周溝56にそれぞれ連通し
て3個の油路57がクラツチ軸22の軸心方向に
穿設され、油路57のうちひとつはアクチユエー
タ46のシリンダ室に連通し、他の油路57はア
クチユエータ47のシリンダ室に連通し、残りの
油路57は双方のクラツチ板48,49等の冷却
又は潤滑用とされている。
而して、主変速ケース5の開口部50に施蓋し
た蓋体16に第3,4図で示す如く各油圧クラツ
チ式変速装置のためのバルブ装置58が内蔵さ
れ、エンジン4の起動で車体に内有したオイルを
濾過しつつポンプ(図示せず)で吸込み、その高
圧油をバルブ装置58に送油すべく油路を構成
し、バルブ装置58の切換え操作で各アクチユエ
ータ46,47等に高圧油を送油可能である。
次に、PTO系の歯車式変速装置Cについて第
3,4図を参照して説明すると、主軸21の下方
に平行に支架されたPTO変速軸23上に軸方向
に間隔をおいて遊動スリーブ59,60,61,
62が相対回転自在に套嵌され、各スリーブ5
9,60,61,62上にはそれぞれ咬合い部6
3,64,65,66を残した状態で変速歯車6
7,68,69,70がスリーブに対してスプラ
イン等で套嵌固着されている。そして、図でも明
らかな如く、PTO4速と1速歯車68,69を軸
受33間の中央部に隣り合せて配し、歯車68は
主軸21上の歯車29に、また歯車69は主軸2
1上の歯車30に常時噛合せしめ、PTO2速歯
車70と3速歯車67を前後に振分けて主軸21
上の各歯車28,31にそれぞれ常時噛合せしめ
ている。
そして、PTO3速と4速歯車67,68間の変
速軸23上には遊動スリーブと同径の固着スリー
ブ71を套嵌固着し、この固着スリーブ71上に
遊動スリーブ59,60の各咬合い部63,64
に対して係脱自在の摺動結合スリーブ72がスプ
ライン等で套嵌され、また、PTO1速と2速歯車
69,70間の変速軸23上には遊動スリーブと
同径の固着スリーブ73を套嵌固着し、この固着
スリーブ73上に遊動スリーブ61,62の各咬
合い部65,66に対して係脱自在の摺動結合ス
リーブ74がスプライン等で套嵌されている。而
して、結合スリーブ72を第3,4図において左
方に摺動すればPTO3速が得られ、右方に摺動す
ればPTO4速が得られるのであり、また、結合ス
リーブ74を図では左方に摺動すればPTO1速
に、右方に摺動すればPTO2速が得られるのであ
る。
この第3,4図の実施例において、既に明らか
であろうが主軸21上の最大径歯車29を軸受間
の中央部に固設し、クラツチ軸22上の各クラツ
チボデイ37,40を前記歯車29を挾んで前後
に配置することによつて、歯車29をクラツチボ
デイ37,40間のスペース内に入込み状とで
き、ここに主軸21とクラツチ軸22との軸間距
離(実質的に上下)が小とできて高さ方向にもコ
ンパクトに設計できるのである。
主軸21の後方に配置される別の実施例では3
種類の油圧クラツチ式変速装置Dは第3図および
第5図でも図解されるように主軸21を挾んで両
側に振分けて平行に支架されたクラツチ軸22と
PTO変速軸23の間において主変速ケース5内
に配置されている。
第3,5図において、75はシリンダ部76を
有する入力カツプリングでその筒状ボス部が主軸
21の後方突出端部にスプラインで套嵌されてい
る。
77は背合状にシリンダ部78,79を有する
クラツチボデイであつて、このクラツチボデイ7
7のシリンダ部78と入力カツプリング75のシ
リンダ部76との間に抑え部材80を介装した状
態で複数個のボルト81で締結されている。上記
の各シリンダ部76,78,79にはリターンバ
ネ82,83,84に抗して摺動するアクチユエ
ータ85,86,87が嵌合されている。
88は最大速度のピニオン歯車89を一体に形
成したクラツチ取付け盤で、その歯車89の部分
が入力カツプリング75の筒状ボス部に対して相
対回転自在に套嵌され、具体例ではニードルベア
リング90を支持されている。このクラツチ取付
け盤88と入力カツプリング75のシリンダ部7
6との間にアクチユエータ85で断接される油圧
クラツチ板91が例えば2枚設けてある。92は
クラツチ出力軸であつて、その前端が入力カツプ
リング75の筒状ボス部に入込み状とされ、か
つ、パイロツトベアリング93を介して相対回転
自在とされ、さらに同出力軸92の後端部は中間
ケース7の隔壁94に軸受95にて支架され、か
つ、軸受抑えを兼ねたシールキヤツプ96で被冠
されている。そして、このクラツチ出力軸92は
第3,5図でも明らかな如く主軸21の軸心延長
線上に同一芯として支架されている。
このクラツチ出力軸92の前端部に最小径歯車
97のためのクラツチ取付け盤98はシリンダ部
78に入込み状とされかつ両者間にアクチユエー
タ86にて断接される油圧クラツチ板99が介在
されている。クラツチボデイ77はクラツチ出力
軸92に套嵌した油分配用メタル100を介して
クラツチ出力軸92に対して相対回転自在であ
り、このクラツチボデイ77のシリンダ部79に
クラツチ取付け盤101が入込み状とされ、か
つ、同盤101はその筒状ボス部に歯車102が
一体に形成され、クラツチ出力軸92に対してニ
ードルベアリング103を介して相対回転自在と
されている。また、このクラツチ取付け盤101
とシリンダ部79との間に油圧クラツチ板104
が介装され、このクラツチ板104はアクチユエ
ータ87にて断接可能であり、最小径歯車97は
クラツチ出力軸92に一体形成され、前記クラツ
チ取付け盤101の歯車102の後方に位置して
いる。なお、油分配用メタル100にはそれぞれ
油路105が3個形成され、この分配用メタル1
00の各油路105を通じて各シリンダ部76,
78,79のアクチユエータ85,86,87に
送油可能であり、各油路105にはクラツチ出力
軸92のシールキヤツプ96にて区画された独立
した3個の周溝106から出力軸92に軸心方向
に穿設した各油路(図示せず)を通じてそれぞれ
連通されている。なお、各周溝106にはバルブ
装置58から主変速ケース5の壁に穿設した油路
107および中間ケース7の壁例えば隔壁94等
に連通穿孔した油路(図示せず)より送油可能と
されている。
而して、図ではそれぞれ異なるクラツチ装置
D1,D2,D3からなる別の油圧クラツチ式変速装
置Dは主変速ケース5の後方より組立てられてパ
イロツトベアリング93とその抑え部材80等に
て軸方向の動きつまりガタが止められるし、最大
径の歯車89を主軸21上に嵌合していることか
らその歯車89の肉厚を大にできるのであり、主
変速ケース5のオイルバスに浴しているのでクラ
ツチ式変速装置Dに冷却油を送油しなくともその
全体の冷却と潤滑が約束されるのである。
また、第3,5図で示すように後方に向つて延
びたクラツチ軸22の上には異径の変速歯車10
8,109,110が套嵌固着され、変速歯車1
08は油圧クラツチ式変速装置Dの歯車89に、
変速歯車109は同じく歯車102にまた変速歯
車110は同じく歯車97にそれぞれ常時噛合さ
れている。従つて、主軸21の後方において具体
例では3種類のクラツチを直列として成る油圧式
クラツチ変速装置Dの各アクチユエータ85,8
6,87が各バネ82,83,84に抗して個別
に摺動すべく高圧油を送油すれば歯車89,10
8、歯車102,109、歯車97,109を通
じてそれぞれ変速された伝達トルクがクラツチ軸
22に伝達されるのである。
ここにおいて、既に明らかと思うが主軸21の
上方に前後進用の油圧クラツチ式変速装置Bを設
け、主軸21の延長上に前進用でかつ異種の油圧
クラツチ式変速装置Dを配置せしめることによつ
て、前者変速装置Bは回転数が大でトルクの小さ
い部分に配置されることとなり、ここに後者変速
装置Dはクラツチ軸22とPTO変速軸23の間
の限られた狭小なスペース内に組込むことができ
る小形コンパクトなものにすることができ、しか
も、具体例では複数段の変速が容易に得ることが
でき、クラツチ軸22には2ケのクラツチを配し
て成る変速装置Bであることから、クラツチ軸2
2の軸径が小であつても独立した油孔が形成でき
るのである。
油圧クラツチ式変速装置を採用したことによつ
て、歯車式変速装置ではこれが常時噛合又は選択
噛合いのいずれの型式にせよ変速操作はまずエン
ジンクラツチ12を切断してから変速操作杆の操
作が必要でトラクタの多用化にともなう豊富なス
ピード変速および前後進変速を得るにはその変速
操作が面倒であるのを、油圧クラツチ式変速装置
を採用することによつてこれが簡便となるのであ
る。
而して、油圧クラツチ式変速装置を採用した場
合、その変速操作毎にクラツチ軸22が連廻りす
るがこの連廻り防止用のために次のような手段を
講じている。
第3,4図において、符号Kが連廻り防止用ブ
レーキ装置であつて、主変速ケース5に一体形成
または別途形成して設けられたブレーキハウジン
グ111と、このハウジング111のシリンダ部
に摺動自在に嵌合されたアクチユエータ112
と、ハウジング111に固設支持されてクラツチ
軸22と平行としてその上方に設けられた歯車軸
113と、この歯車軸113に相対回転自在に套
嵌支持され、クラツチ軸22上の歯車108と常
時噛合せるブレーキ歯車114と、ハウジング1
11にボルト115で対設して設けられかつ径方
向の貫通窓116を有する蓋体117と、アクチ
ユエータ112をブレーキ歯車114に対して押
圧すべく付勢した弾性体118と、アクチユエー
タ112の押圧面を増大するためにボルト115
をガイドとして摺動する押圧補助体119とから
成り、ブレーキ歯車114の両側面にライニング
120を設けたものである。つまり、変速操作毎
に第4図で符号121で示すシリンダ部に作用さ
れていた圧力が解除されることによつて、アクチ
ユエータ112と一体の押圧補助体119が図示
の体勢から弾性体118の弾発力にてブレーキ歯
車114に向つて進出しこの歯車114を挾持固
定し、クラツチ軸22上の歯車108に対して上
記歯車114が噛合していることからここにクラ
ツチ軸22の連廻りが防止されるのであり、クラ
ツチ軸22上の大径歯車108に対してブレーキ
歯車114を噛合させることによつて、ブレーキ
作用トルクが大きくなる利点があるし、変速後は
シリンダ部121に高圧油を送油することによつ
て弾性体118に抗してアクチユエータ112と
補助体119がブレーキ歯車114より離反し該
歯車114は空転されるのである。なお、変速操
作毎にバルブ装置58からのドレーン油を蓋体1
6に貫通窓116と対応して形成した油路16a
を通じてライニング120に送油すればライニン
グ120の冷却・潤滑がなされてその耐用度を向
上するし、勿論、ハウジング111・蓋体111
7の全体にドレーン油を送油して外から冷却させ
てもよい。
また、第3,4図で示す具体例では主変速ケー
ス5の開口部50にブレーキ装置Kが設けられて
いるが、これは例えばブレーキ歯車114がクラ
ツチ軸22を制動すればよいことから、例えばク
ラツチ軸22上の歯車109,110にブレーキ
歯車114を噛合させたものでもよい。なお、こ
のブレーキ装置Kは車輛停止時のパーキングブレ
ーキとしての機能も併有している。
第3図を参照すれば副変速装置Eの詳細が図解
されている。第3図において122は副変速軸で
副変速ケース8の前壁123と中間壁124に軸
受125にて支架され、かつ、クラツチ軸22と
同一軸心上に位置している。
この副変速軸122は前壁123よりスプライ
ン部126が中間ケース7に臨出し、クラツチ軸
22と対面している。また、副変速軸122には
軸方向に間隔をおいて、異径の歯車127,12
8が固着又は刻成されている。
129は走行駆動軸となるドライブピニオン軸
でそのベベルピニオン130がデフ装置Fのクラ
ウン歯車131に噛合している。走行駆動軸12
9は副変速軸122の下方において平行に一対の
軸受132を介して前壁123と中間壁124に
支架され、同軸129上には副変速歯車133が
摺動自在に設けてある。従つて、副変速歯車13
3を副変速軸122上の歯車127,128に対
して選択噛合させると図の場合には副変速2段が
得られるのであり、この副変速歯車133の操作
は第1図に示す操作装置13にて実施できる。ま
た、第3図に示す場合には走行駆動軸129上に
駆動歯車134を固着し、PTO変速軸23に対
してカツプリング135で接続して後方に向つて
延びたPTO軸136上に中間歯車137を空転
自在として設け、この中間歯車137を前記駆動
歯車134に噛合させている。従つて、第3図で
示す副変速ケース8の下腹部に開設した開口部1
38を閉塞せる蓋体139に代替して中間歯車1
37に噛合せる動力取出し歯車を有する動力取出
し装置を設ければ、前輪駆動用その他に利用でき
る。
第3図、第5図を参照すると中間ケース7に内
蔵される超減速装置Iと牽引スタート等ができる
PTO入断装置Jの詳細が図解されている。
まず、超減速装置Iは次のように構成されてい
る。第3,5図において、140はクラツチ軸2
2の後端部に嵌着した小歯車で、クラツチ軸22
の咬合い部141を残して止輪142にて止着さ
れている。143は大歯車であつて、副変速軸1
22のスプライン部126にブツシユ又はメタル
144を介して空転自在とされ、その前面には咬
合い部145が凹設されている。
146はクラツチ歯車で、副変速軸122のス
プライン部126に摺動自在として設けられ、こ
のクラツチ歯車146が図では左方に摺動される
とクラツチ軸22と副変速軸122が直結され、
一方、右方に摺動して大歯車143の咬合い部1
45に係合すると大歯車143と副変速軸122
が一体化されこのとき超減速される。147が超
減速歯車で、クラツチ軸22上の小歯車140と
常時噛合する大歯車148と、副変速軸122上
の大歯車143と常時噛合する小歯車149を一
体に備えて成り、中間ケース7の開口部を施蓋せ
る蓋体17の一対の張出し部150に軸受151
を介して軸152を支架し、ここにカセツトタイ
プとしている。
つまり、蓋体17を施蓋すると超減速歯車14
7が上方より歯車140と143に噛合するので
ある。なお、第6図で示すように蓋体17に超減
速歯車147を組込むとき、その軸152をクラ
ツチ軸22又は副変速軸122より一側方に偏在
せしめることによつて高さ方向をコンパクトにで
きると共に、クラツチ歯車146とPTO入断装
置Jの後述する切替え体との断接操作のための操
作装置18を側方に具備せることができる。
第6図において、153は操作台で蓋体17に
載置固定されている。154は操作杆で操作台1
53に内装の球面体155を介して自由に操作す
べく立起している。156,157はフオーク軸
で互いに平行として蓋体17に支持され、この各
フオーク軸156,157には係合体158,1
59が設けられこの各係合体158,159に対
して操作杆154の下端が係脱自在である。一方
の係合体158にフオーク160が固設され、こ
のフオーク160がクラツチ歯車146に対して
係合している。
また、中間ケース7の側壁に支軸161を介し
て連動杆162が他方の係合体159に球接手1
63にて係合されている。この連動杆162と連
動するフオーク(図示せず)を設けてPTO入断
装置Jの切替え体に係合せしめている。
次にPTO入断装置Jについて詳述すれば、第
3,5図において、中間ケース7内における
PTO変速軸23上にスリーブ164を固着し、
このスリーブ164上にニードルベアリング16
5を介してクラツチ出力軸92上の最小径歯車9
7と噛合するPTO入断のための歯車166を空
転自在に套嵌し、かつ、同歯車166のボス部に
咬合い部167を形成している。168はPTO
変速軸23に套嵌した固着スリーブで、前記歯車
166の咬合い部167側に隣接して設けられ、
かつ、咬合い部167と同径のスプラインが外周
に形成されている。169が切替え体で、固着ス
リーブ168上に摺動自在に套嵌されているので
ある。
従つて、今、油圧クラツチ式変速装置B又はD
が何らかの原因で故障又は不調になつたときに
は、操作装置18の操作杆154を操作して切替
え体169を第3,5図では右方に摺動せしめて
固着スリーブ168と歯車166を切替え体16
9にて一体化させる。すると、エンジンからの動
力は歯車式の図では4段のPTO変速装置Cにて
変速され、この変速されたトルクがクラツチ出力
軸92上の歯車97、クラツチ軸22上の歯車1
10の連動にてクラツチ軸22に伝達され、従つ
て、クラツチ歯車146の係脱にて超減速装置I
を経由または経由しないで副変速装置Eに伝達さ
れ、デフ装置F、最終減速装置Gを至て後輪3が
PTO変速装置Cを経由して駆動されるのであ
る。
また、セルモータの故障とかバツテリの過放電
などによつてエンジン4の始動が困難なときに
は、他のトラクタ等で牽引し、かつ、切替え体1
69を接続しておけば後輪3、終減速装置G、デ
フ装置F、副変速装置Eという前記とは逆方向に
トルクが伝達され、PTO変速装置Cを介して主
軸21が駆動され、クラツチ12を接続しておけ
ば所謂引つぱりがけにてエンジン4が始動できる
のである。
なお、第7図を参照すると切替え体169を牽
引スタート用とした場合に有効な操作自動入断装
置Lが図解されている。
第7図において170はフオーク軸であつて中
間ケース7内に突出のボス部171,172,1
73に摺動自在とされている。このフオーク軸1
70には切替え体169と係合するフオーク17
4が固着され、かつ、切替え体169が接続方向
になるべく図ではコイルバネで示す弾性体175
にて付勢されている。弾性体175とは反対側の
ボス部173にアクチユエータ176が嵌合さ
れ、このアクチユエータ176にはバルブ装置5
8からの高圧油が油路177を介して送油可能と
されている。
フオーク軸170には2個の周溝178が形成
され、この周溝178にはボール179が係脱自
在とされ、このボール179の係脱は中間ケース
7の側壁外より螺合したボルト180にて行なう
べくされ、通常はボール179を周溝178に対
して係合すべくボルト180にて締付けておき、
弾性体175を圧縮せしめて切替え体169を切
断方向にして位置決めしている。そこで、前述し
た理由等で所謂引つぱりがけを行なうときにはボ
ルト180を弛めてボール179の係合を解除す
ればフオーク軸170が弾性体175の作用にて
図では右方に摺動して切替え体169を接続方向
に摺動し、ここに引つぱりがけが可能とされる。
引つぱりがけにてエンジン4が起動してポンプが
作用するとバルブ装置58からの高圧油をアクチ
ユエータ176に対して送油すれば、アクチユエ
ータ176が図では左方に弾性体175に抗して
フオーク軸170を摺動せしめここに自動的に切
替え体169を切断するのである。
この発明は以上の通りであつて、エンジンクラ
ツチ12を接続してたまの状態で油圧クラツチ式
変速装置Bの前進用クラツチB2または油圧クラ
ツチ式変速装置Dの直列に配置した前進用クラツ
チD1,D2,D3のそれぞれに対してバルブ装置5
8からの高圧油を送油すれば図示具体例の場合に
は油圧クラツチ式変速装置BとDにて前進1速か
ら前進4速のスピード変速が可能で、超減速装置
Iを経由または経由しないで副変速装置Eで具体
例では2段変速されて差動装置F、終減速装置G
を経由して後輪3が転動されるのであり、このさ
い、エンジン動力を続行させたままでの変速が許
容されて操作性能が約束されるし、同様に、後進
用クラツチB1にては車輛の後進もできるのであ
る。
また、PTO変速装置Cでは大きく減速した状
態で具体例ではPTO1速から4速がPTO軸136
に伝動できるのである。
本発明によれば、主軸の延長上でかつ走行系と
PTO系の動力伝達経路間に、走行系の動力伝達
経路側の歯車と咬合する複数個の歯車と、各歯車
を入力側に選択結合するための複数個の油圧クラ
ツチとを備えて成る油圧クラツチ式変速装置を配
置しているので、所謂3本軸構造のトランスミツ
シヨンを大幅に変更することなく油圧クラツチ式
変速装置をコンパクトに組込むことができる。ま
た油圧クラツチ式変速装置の入力側をカツプリン
グを介して主軸に連結し、そのカツプリング上
に、主軸に近い側の歯車を相対回転自在に設けて
いるので、カツプリング部分がデツドスペースと
ならず、従つて、油圧クラツチ式変速装置自体を
主軸側に可及的に接近して配置することが可能と
なり、トランスミツシヨンを前後方向にも小型化
できる等々の利点を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明トラクタの一部省略の外観図、
第2図は動力伝達系の全容を示す線図、第3図は
第2図の要部詳細断面図、第4図は第3図の左半
部の拡大断面図、第5図は第3図右半部の要部拡
大断面図、第6図は第3図6−6線の部分断面
図、第7図は牽引スタート装置の一例を示す平面
的な断面図である。 1……トラクタ機体、2……前輪、3……後
輪、4……エンジン、21……主軸、22……走
行系カウンタ軸、23……PTO系変速軸、8
9,97,102……ピニオン歯車、75……入
力カツプリング、108,109,110……走
行カウンタ軸上の歯車、B,D……油圧クラツチ
式変速装置、C……PTO変速装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 エンジン動力を受けて回転する主軸を挟んで
    両側に走行系とPTO系の変速装置を設けたミツ
    シヨンにおいて、主軸の延長上でかつ走行系と
    PTO系の動力伝達経路間に、走行系の動力伝達
    経路側の歯車と咬合する複数個の歯車と、各歯車
    を入力側に選択結合するための複数個の油圧クラ
    ツチとを備えて成る油圧クラツチ式変速装置を配
    置し、この油圧クラツチ式変速装置の入力側をカ
    ツプリングを介して主軸に連結し、このカツプリ
    ング上に、油圧クラツチ式変速装置における主軸
    に近い側の歯車を相対回転自在に設けたことを特
    徴とするトラクタのトランスミツシヨン。
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