JP2005281762A - 無電解めっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程数を少なくし、容易に配線パターンを形成できるようにする。
【解決手段】樹脂中に所定パターンでフィラー部材4を配置した基板6にオゾン溶液を接触させ、樹脂部分を選択的に活性化するとともにエッチングしてフィラー部材4の表面を露出させた後、無電解めっき処理により露出するフィラー部材の表面を除く部分に無電解めっき被膜7を形成する。
露出するフィラー部材4の表面を除く樹脂部分に、密着性に優れた無電解めっき被膜7が形成されるので、フィラー部材4を予め所定パターンに配置しておくことで、フォトレジストを用いることなく、所定の配線パターンを形成することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、プリント配線基板などの製造に利用される無電解めっき方法に関する。
樹脂素材に導電性や金属光沢を付与する方法として、無電解めっき処理が知られている。この無電解めっきとは、溶液中の金属イオンを化学的に還元析出させ、素材表面に金属被膜を形成する方法をいい、電力によって電解析出させる電解めっきと異なり樹脂などの絶縁体にも金属被膜を形成することができる。また金属被膜が形成された樹脂素材には電解めっきすることもでき、用途が拡大される。そのため、自動車部品、家電製品などの分野に用いられる樹脂素材に金属光沢を付与したり、導電性を付与したりする方法として、無電解めっき処理は広く用いられている。
ところが、無電解めっき処理によって形成されためっき被膜は、被膜形成までに時間がかかったり、被膜の樹脂素材に対する付着性が十分でないという問題がある。そのため、先ず樹脂素材に対して化学的エッチング処理を行って表面を粗面化し、その後無電解めっき処理する工程が一般に行われている。
例えば特開平01−092377号公報には、樹脂素材をオゾンガスで前処理し、その後無電解めっき処理する方法が開示されている。同公報によれば、オゾンガスによって樹脂素材の不飽和結合が開裂して低分子化し、表面に化学組成の異なる分子が混在することになって平滑性が失われ粗面化する。したがって、無電解めっきによって形成された被膜が粗面にしっかり入りこみ容易に剥離しなくなる、と記載されている。
また特開平08−092752号公報には、ポリオレフィンをめっき素材とし、エッチングによる粗面化後にオゾン水に接触させ、その後カチオン系界面活性剤含有溶液で処理する方法が記載されている。しかしエッチングによって粗面化する方法では、クロム酸、硫酸などの毒劇物を用いる必要があり、廃液処理などに問題がある。まためっき素材の表面平滑度が低くなるという問題も解決することができない。
ところで電子回路基板を製造するには、エポキシ樹脂などの絶縁性の樹脂基板の表面全面にめっきによって銅被膜を形成し、それをエッチングして所定の回路パターンを形成するサブトラクティブ法が一般に用いられている。しかし LSIなどの回路基板では、パターンが微細であるために、エッチング時にパターンが損傷する場合がある。
また樹脂基板の表面に無電解銅めっきを主体としてパターンを形成するアディティブ法、樹脂基板を触媒化した後にめっきレジストでパターンを形成し、その後無電解銅めっきにより導体パターンを形成するフルアディティブ法なども知られている。このフルアディティブ法は、樹脂基板へのパターン形成工法として最も単純であるが、めっきレジストをそのままソルダーレジストとするため、ソルダーレジストとしての信頼性の高いめっきレジストを用いる必要があり、材料の選択の自由度が低い。
また、樹脂基板上に幅が10μm程度の微細なパターンを形成するためには、樹脂基板の表面粗さを1μm未満とする必要がある。そのため、樹脂基板を成形後にプレス処理して表面を平滑化し、その後にパターンを形成することが行われている。
しかし平滑な樹脂表面に無電解めっきによってめっき被膜を形成すると、投錨効果による密着性向上効果が得られず、めっき被膜の密着性が低いという問題がある。特にパターンが微細になるほど、樹脂基板との接触面積が低下するため、電子回路基板の製造に当たってはめっき被膜の密着性の向上が重要な課題となっている。
そこで特開平08−253869号公報あるいは特開平10−310873号公報などには、樹脂材料表面に紫外線を照射した後に無電解めっきを行う方法が開示されている。この方法によれば、紫外線の照射によって樹脂表面が活性化され、活性化された樹脂表面の極性基がめっき金属と化学的に結合するため、無電解めっき被膜の密着性が向上する。
また特開2002−309377号公報には、樹脂素材をオゾン溶液に接触させた後、界面活性剤とアルカリ成分とを含む溶液で処理し、その後に無電解めっきを行うことが記載されている。この方法によれば、オゾンによる酸化によって樹脂素材表面の二重結合が切断され、極性基が生成される。またアルカリ成分によって脆化層が除去され、界面活性剤が極性基に吸着する。そして無電解めっきに先立つ触媒処理時には、極性基に吸着している界面活性剤に触媒が吸着するため、無電解めっき時に金属が極性基に結合しやすくなり、無電解めっき被膜の密着性が向上する。
特開平01−092377号 特開平08−092752号 特開平10−310873号 特開2002−309377号
ところが無電解めっきを利用してアディティブ法あるいはフルアディティブ法により配線パターンを形成する場合には、フォトレジストを利用する必要があり、マスキング、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジストの剥離など、工程が多く工数が多大となる。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、工程数を少なくし、容易に配線パターンを形成できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の無電解めっき方法の特徴は、樹脂中に所定パターンでフィラー部材を配置してフィラー含有樹脂体を形成するフィラー配置工程と、フィラー含有樹脂体にオゾン溶液を接触させ樹脂部分を選択的に活性化するとともにエッチングしてフィラー部材の表面を露出させるオゾン処理工程と、オゾン処理工程後のフィラー含有樹脂体を無電解めっき処理し、露出するフィラー部材の表面を除く部分に無電解めっき被膜を形成する無電解めっき処理工程と、からなることにある。
フィラー部材は、オゾン処理工程で活性化されないことが好ましい。
本発明の無電解めっき方法によれば、露出するフィラー部材の表面を除く樹脂部分に、密着性に優れた無電解めっき被膜を容易に形成することができる。したがってフィラー部材を予め所定パターンに配置しておくことで、フォトレジストを用いることなく、所定の配線パターンを形成することができ、工程を大幅に低減することができる。
またフィラー部材として、オゾン処理工程で活性化されないものを用いれば、その表面には無電解めっき被膜が形成されないので、工程数をさらに低減することができる。
本発明の無電解めっき方法では、先ずフィラー配置工程において、樹脂中に所定パターンでフィラー部材を配置してフィラー含有樹脂体を形成する。樹脂としては、オゾン溶液によって表面に極性基が生成するものであれば特に制限なく、 ABS,AS, AAS,PS, EVA,PMMA, PBT, PET, PPS,PA, POM,PC,PP,PE,エラストマーとPPを含むポリマーアロイ,変成PPO ,PTFE,ETFEなどの熱可塑性樹脂、あるいはフェノール樹脂,エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂からなるものを用いることができる。その形状は制限されない。
またフィラー部材としては、オゾン溶液によって浸食されないものが用いられ、セラミックスなどの無機物、あるいはフッ素樹脂などを用いることができる。またフィラー部材の形状として極微細な線材を用い、それを微細な間隔を隔てて配置すれば、微細な配線パターンの形成が可能となる。
さらに、一般的なプリント配線基板を積層した積層基板とし、これに厚さ方向に所定の貫通孔を穿設したものを素材として本発明の無電解めっき方法を行えば、貫通孔内では各配線基板がオゾン溶液によってエッチングされるとともに銅の配線パターンがフィラー部材として機能するので、各配線基板間で配線パターンどうしを厚さ方向に連結する無電解めっき被膜を形成することができる。したがって三次元配線基板を容易に形成することができる。
フィラー部材を所定パターンで樹脂中に配置するには、金型内にフィラー部材を配置した状態で液状樹脂を注入し、樹脂を冷却固化あるいは反応固化させることで配置することができる。フィラー部材は、樹脂表面に表出していてもよいし、樹脂中に埋設状態で配置されていてもよい。所定パターンとしては、目的とする配線パターンのネガパターンなどとされる。
オゾン処理工程では、フィラー含有樹脂体にオゾン溶液を接触させ、樹脂部分を選択的に活性化するとともにエッチングしてフィラー部材の表面を露出させる。樹脂とオゾン溶液とを接触させることによって、樹脂表面が活性化される作用と、溶媒が活性化した樹脂表面の活性基と結合して極性基を生成する作用と、樹脂がエッチングされる作用とにより、フィラー部材の表面に樹脂が存在する場合は樹脂がエッチングされてフィラー部材が露出するとともに、フィラー部材どうしの間に存在する樹脂部分の表面に極性基が形成される。
なおオゾン処理によってフィラー部材自体も活性化されて極性基が形成される場合には、オゾン処理工程後にフィラー部材の表面部をエッチングあるいは研削によって除去することが好ましい。これにより、次の無電解めっき処理工程においてフィラー部材表面にまで無電解めっき被膜が形成されるのを防止することができる。
オゾン溶液中のオゾン濃度は、樹脂表面の活性化に大きく影響を及ぼし、 10ppm程度から活性化の効果が見られるが、100ppm以上とすればその活性化の効果及びエッチング効果が飛躍的に高まり、より短時間の処理が可能である。また濃度が低いと劣化の方が先行するので、オゾン濃度は高い方が好ましい。
オゾン溶液は、通常は水を溶媒とするが、有機又は無機の極性溶媒を溶媒とすることが好ましい。これにより処理時間をさらに短縮することが可能となる。有機極性溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、蟻酸,酢酸などの有機酸類、あるいはこれらを水やアルコール系溶媒と混合したものが例示される。また無機極性溶媒としては、硝酸,塩酸,フッ化水素酸などの無機酸が例示される。
オゾン溶液と接触させる際に、同時に紫外線を照射することも好ましい。このようにすれば、より短時間の処理で高い付着性が発現する。すなわちフィラー含有樹脂体とオゾン溶液とを接触させた状態で、フィラー含有樹脂体に紫外線を照射することによって、溶液から発生する酸素に紫外線が照射されることで生成する酸素ラジカルにより、処理の進行が促進される。また紫外線照射によりフィラー含有樹脂体に与えられる過剰な熱をオゾン溶液へ逃がすことにより、フィラー含有樹脂体に与えられる熱ダメージを抑制することもできる。
照射される紫外線は、 310nm以下の波長のものが好ましく、 260nm以下、さらには 150〜 200nm程度のものが望ましい。また紫外線照射量は、50mJ/cm2 以上とすることが望ましい。このような紫外線を照射できる光源としては、低圧水銀ランプ,高圧水銀ランプ,エキシマレーザー,バリア放電ランプ,マイクロ波無電極放電ランプなどを用いることができる。
フィラー含有樹脂体をオゾン溶液と接触させるには、フィラー含有樹脂体表面にオゾン溶液をシャワーする方法、フィラー含有樹脂体をオゾン溶液中に浸漬する方法などがある。フィラー含有樹脂体をオゾン溶液中に浸漬する方法によれば、シャワーによる接触に比べてオゾン溶液からオゾンが離脱し難いので好ましい。また紫外線を照射するには、フィラー含有樹脂体をオゾン溶液中に浸漬した状態で照射することが望ましい。このようにすれば、紫外線光源からの熱によるフィラー含有樹脂体の変形や劣化を抑制することができ、紫外線を長時間照射した場合にめっき被膜の付着性が低下するような不具合も防止することもできる。
フィラー含有樹脂体をオゾン溶液中に浸漬した状態で紫外線を照射するには、紫外線光源をオゾン溶液中に入れた状態で照射してもよいし、オゾン溶液の液面上方から照射してもよい。またオゾン溶液の容器を透明石英など紫外線透過性の材料から形成したものとすれば、オゾン溶液の容器外部から照射することもできる。
またフィラー含有樹脂体をオゾン溶液と接触させた後に紫外線を照射する場合には、オゾン溶液との接触後1分間以内の短時間の間に紫外線を照射することが望ましい。この時間が長時間になると、オゾンと紫外線による相乗作用の発現が困難となり、短時間の処理ではめっき被膜の付着性が低下する場合がある。
なおオゾン処理工程における処理温度は、原理的には高いほど反応速度が大きくなるが、温度が高くなるほどオゾン溶液中のオゾンの溶解度が低くなる。フィラー部材表面の樹脂層をエッチングする場合には、20℃以上、望ましくは80℃程度の高温とするのが望ましい。
オゾン処理工程におけるオゾン溶液とフィラー含有樹脂体との接触時間は、樹脂種によって異なるが、10分以上とするのが好ましい。10分未満では、オゾン濃度を100ppmとしてもオゾン処理による効果の発現が困難となる。
またオゾン処理工程において紫外線を照射する場合、その照射時間は、樹脂種によって異なるが4〜15分とするのが好ましい。4分未満では紫外線照射による効果の発現が困難となり、15分を超えると熱によってフィラー含有樹脂体の劣化が生じたり、めっき被膜の付着強度が低下する場合がある。
本発明の無電解めっき方法では、オゾン処理工程後のフィラー含有樹脂体にアルカリ成分を含むアルカリ溶液とを接触させるアルカリ処理工程をさらに行うことが望ましい。アルカリ成分は、樹脂の表面を分子レベルで溶解する機能をもち、樹脂表面の脆化層を除去して官能基をより多く表出させることができる。したがってめっき被膜の密着性がさらに向上する。
アルカリ成分としては、樹脂の表面を分子レベルで溶解して脆化層を除去できるものを用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。またアルカリ溶液には、さらに陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方が含まれていることが望ましい。
オゾン処理工程により、樹脂の表面に C=O及びC-OHから選ばれる少なくとも一方の官能基が存在していると考えられる。したがってこの工程では、界面活性剤は、表出する上記官能基にその疎水基が吸着すると考えられる。またアルカリ成分による脆化層の除去により表出した新たな官能基にも界面活性剤が吸着する。そして無電解めっき処理工程では、界面活性剤が吸着したフィラー含有樹脂体が触媒と接触される。すると、触媒が上記官能基に吸着している界面活性剤の親水基に吸着すると考えられる。そして触媒が十分に吸着している樹脂素材に対して無電解めっき処理を施すことにより、界面活性剤が官能基から外れるとともに金属がC-OH基及び/又は C=O基と結合すると考えられ、密着性にさらに優れためっき被膜を形成することができる。
界面活性剤としては、 C=O及びC-OHからなる少なくとも一方の官能基に対して疎水基が吸着しやすいものが用いられ、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方が用いられる。陽イオン性界面活性剤及び中性界面活性剤では、めっき被膜が形成できなかったり、効果の発現が困難となる。陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウムなどが例示される。また非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテルなどが例示される。
アルカリ溶液の溶媒としては、極性溶媒を用いることが望ましく、水を代表的に用いることができるが、場合によってはアルコール系溶媒あるいは水−アルコール混合溶媒を用いてもよい。またアルカリ溶液をオゾン処理工程後のフィラー含有樹脂体と接触させるには、フィラー含有樹脂体をアルカリ溶液中に浸漬する方法、フィラー含有樹脂体表面にアルカリ溶液を塗布する方法、フィラー含有樹脂体表面にアルカリ溶液をスプレー又はシャワーする方法などで行うことができる。
アルカリ溶液中の界面活性剤の濃度は、0.01〜10g/Lの範囲とすることが好ましい。界面活性剤の濃度が0.01g/Lより低いとめっき被膜の密着性が低下し、10g/Lより高くなると、フィラー含有樹脂体表面に界面活性剤が会合状態となって余分な界面活性剤が不純物として残留するため、めっき被膜の密着性が低下するようになる。この場合には、アルカリ溶液処理後にフィラー含有樹脂体を水洗して余分な界面活性剤を除去すればよい。
またアルカリ溶液中のアルカリ成分の濃度は、pH値で12以上が望ましい。pH値が12未満であっても効果は得られるが、表出する上記官能基が少ないために、所定膜厚だけめっき被膜を形成するための時間が長大となってしまう。
アルカリ溶液とフィラー含有樹脂体との接触時間は特に制限されないが、室温で1分以上とするのが好ましい。接触時間が短すぎると、官能基に吸着する界面活性剤量が不足してめっき被膜の密着性が低下する場合がある。しかし接触時間が長くなり過ぎると、 C=O及びC-OHから選ばれる少なくとも一方の官能基が表出した層まで溶解して無電解めっきが困難となる場合がある。1〜5分間程度で十分である。また温度は高い方が望ましく、温度が高いほど接触時間を短縮することが可能であるが、室温〜60℃程度で十分である。
上記アルカリ処理は、アルカリ成分のみを含む水溶液で処理した後に界面活性剤を吸着させてもよいが、界面活性剤を吸着させるまでの間に再び脆化層が形成されてしまう場合があるので、アルカリ溶液中に陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方とアルカリ成分とが共存する状態で行うことが望ましい。
またオゾン処理工程の後にアルカリ処理を行うのが好ましいが、場合によってはオゾン処理工程とアルカリ処理を同時に行うことも可能である。この場合には、オゾン溶液とアルカリ溶液の混合溶液を調製し、その混合溶液中にフィラー含有樹脂体を浸漬する、又は混合溶液をフィラー含有樹脂体表面にスプレーすることで行う。この場合にはオゾンとフィラー含有樹脂体表面との反応が律速となるので、処理時間は混合溶液中のオゾン濃度に応じて決められる。
なおアルカリ処理後、水洗してアルカリ成分を除去する工程を行ってもよい。界面活性剤は官能基に強固に吸着しているので、水洗する程度では除去されず吸着した状態が維持されることがわかっている。したがって、処理されたフィラー含有樹脂体は、無電解めっき工程までに時間が経過しても効果が失われることがない。
無電解めっき処理工程では、オゾン処理されたフィラー含有樹脂体の表面を無電解めっき処理し、無電解めっき被膜を析出させる。この工程では、先ずオゾン処理により極性基が形成されている樹脂表面に触媒が吸着される。この触媒としては、Pd2+など、従来の無電解めっき処理に用いられる触媒を用いることができる。触媒を吸着させるには、触媒イオンが溶解している溶液を樹脂表面に接触させればよい。また接触時間、温度などの条件も、従来と同様でよい。
その後、従来と同様に無電解めっき処理が行われる。無電解めっき処理の条件、析出させる金属種などもNi、Cu、Zn、Co、Cr、Sn、Au、Agなど特に制限されず、従来の無電解めっき処理と同様に行うことができる。
その後、さらに電解銅めっき処理などを行い、形成された無電解めっき被膜の表面にさらに電解めっき被膜を形成することが望ましい。これによりめっき被膜を厚く形成することができる。
本発明の無電解めっき方法によって形成された樹脂体では、表面にフィラー部材が露出し、フィラー部材どうしの間の樹脂部分の表面に密着性に優れた無電解めっき被膜が形成されている。したがって無電解めっき被膜を銅などの導電体から形成することで、電解めっきが可能となり、無電解めっき被膜の表面のみに電解めっき被膜を形成することができる。そして形成されためっき被膜は、フィラー部材によって区画されているので、フィラー部材を絶縁体からなるものとしておくことで、めっき被膜によって配線パターンを形成することができる。これによりフォトレジスト工程あるいはエッチング工程を不要として配線パターンを形成することができ、工数を格段に低減することができる。
また孔部をもつブロック状の樹脂体としておけば、孔部内にオゾン溶液を含浸させることで孔部内部をエッチングしてフィラー部材を露出させることができ、かつフィラー部材どうしの間に表出する樹脂部分の表面に密着性に優れためっき被膜を形成することができる。したがって立体的な配線パターンも容易に形成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
先ず金型1内でガラス繊維強化エポキシ樹脂を硬化させ、樹脂板2を形成した。その表面に、図1に示すように、複数の金属板30が平行に列設され多数のスリット31を有するスリット部材3を配置し、溶融状態にあるSiO2を金属板30の高さ以下の量で流し込んで固化させ、図2に示すようにフィラー部材4を形成した。その後、図3に示すようにスリット部材3を除去した。フィラー部材4は樹脂板2と一体的に接合され、金属板30によって形成され上面に開口する複数のスリット40が互いに平行に間隔を隔てて列設されている。
そこへさらにガラス繊維強化エポキシ樹脂を注入し、図示しない上型で押圧しながら硬化させて、図4に示すようにスリット40内を充填する樹脂部5を形成した。これにより、ガラス繊維強化エポキシ樹脂製の樹脂板2とガラス繊維強化エポキシ樹脂製の樹脂部5とが一体的に接合され、内部にフィラー部材4が樹脂板2及び樹脂部5と一体的に埋設接合された基板6を調製した。
次に図5に示すように、基板6の樹脂部5の表面側から、オゾンを150ppm溶解し80℃に加温されたオゾン水を用いて30分間シャワー処理を行った。これにより樹脂部5がエッチングされてフィラー部材4の先端が露出する。しかしフィラー部材4はオゾン水によってエッチングされないため、図6に示すように、樹脂部5はスリット40の高さ以下の高さとなった。スリット40内の樹脂部5の表面には、オゾン水処理によって多数の極性基が存在している。
これをアミノポリカルボン酸系溶液に6分間浸漬するクリーナー/コンディショナー処理を行い、その後過硫酸ナトリウム/硫酸溶液中に1分間浸漬処理するソフトエッチング処理を行った。次いで塩化ナトリウム溶液で洗浄する予備浸透処理を行い、3N塩酸水溶液に塩化パラジウムを 0.1重量%溶解し塩化錫を5重量%溶解して30℃に加熱された触媒溶液中に5分間浸漬した。次いでパラジウムを活性化するために、1.5N塩酸水溶液に5分間浸漬し、これにより触媒を吸着させた。その後、40℃に保温された硫酸銅めっき浴中に浸漬し、図7に示すように、スリット40内の樹脂部5の表面に無電解めっき被膜7を 0.5μmの厚さで形成した。
なおフィラー部材4の表面には、無電解めっき被膜7は形成されなかった。またもしフィラー部材4の表面に無電解めっき被膜7が形成された場合には、機械的研磨あるいは化学的処理によって、フィラー部材4の表面の無電解めっき被膜7を除去する必要がある。
次に、無電解めっき被膜7を負極として硫酸銅系の電解銅めっきを行った。図8に示すように、スリット40内の無電解めっき被膜7の表面のみに、厚さ20μm以上の銅めっき膜8が形成された。
得られた基板6では、図9に示すように、表面に銅めっき膜8がストライプ状に形成され、銅めっき膜8どうしの間にはフィラー部材4が介在しているので。銅めっき膜8どうしの短絡が確実に防止されている。
したがって本実施例の無電解めっき方法によれば、フォトレジストを用いる必要がなく、マスキング、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジストの剥離などの工程を不要として配線パターンを形成することができ、工数を格段に低減することができる。
(実施例2)
本実施例では、先ず図10に示すフィラー部材4を用意した。このフィラー部材4の表面には、スリット40が形成されている。これを実施例1と同様にして樹脂部5内に埋設し、図11に示す基板6を調製した。スリット40内にも樹脂部5が充填されている。
そして実施例1と同様に基板6の表面をオゾン水で処理することで、図12に示すようにスリット40内の樹脂部5がエッチングされ、スリット40が表出する。したがって、これに実施例1と同様に無電解めっき処理及び電解めっき処理を行うことで、スリット40内に選択的に電解めっき被膜を形成することができ、実施例1と同様に配線パターンを形成することができる。
本発明の一実施例において、フィラー部材を樹脂中に埋設する工程を示す説明斜視図である。 本発明の一実施例において、フィラー部材を樹脂中に埋設する工程を示す説明断面図である。 本発明の一実施例において、フィラー部材を樹脂中に埋設する工程を示す説明断面図である。 本発明の一実施例において、フィラー部材を樹脂中に埋設する工程を示す説明断面図である。 本発明の一実施例において、オゾン処理を行っている工程を示す説明断面図である。 本発明の一実施例において、オゾン処理後の基板の要部拡大断面図である。 本発明の一実施例において、無電解めっき処理後の基板の要部拡大断面図である。 本発明の一実施例において、電解めっき処理後の基板の要部拡大断面図である。 本発明の一実施例において、得られた基板の要部斜視図である。 本発明の第2の実施例で用いたフィラー部材の断面図である。 本発明の第2の実施例で用いた基板の断面図である。 本発明の第2の実施例において、オゾン処理後の基板の断面図である。
符号の説明
2:樹脂板 4:フィラー部材 5:樹脂部 6:基板

Claims (3)

  1. 樹脂中に所定パターンでフィラー部材を配置してフィラー含有樹脂体を形成するフィラー配置工程と、該フィラー含有樹脂体にオゾン溶液を接触させ樹脂部分を選択的に活性化するとともにエッチングして該フィラー部材の表面を露出させるオゾン処理工程と、該オゾン処理工程後の該フィラー含有樹脂体を無電解めっき処理し、露出する該フィラー部材の表面を除く部分に無電解めっき被膜を形成する無電解めっき処理工程と、からなることを特徴とする無電解めっき方法。
  2. 前記フィラー部材は前記オゾン処理工程で活性化されない請求項1に記載の無電解めっき方法。
  3. 前記オゾン溶液中のオゾン濃度は100ppm以上である請求項1に記載の無電解めっき方法。
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