JP2005281573A - 発泡ポリイミド成型体およびその製法 - Google Patents

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亮一 佐藤
Tatsuo Tsumiyama
龍男 積山
Hideo Ozawa
秀生 小沢
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Abstract

【課題】 耐熱性を有するとともに任意の形状に成型された発泡ポリイミド成型体およびその製法を提供する。
【解決手段】予め発泡されたポリイミド樹脂塊の破砕物と末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−との混合物を成型後、焼成してなる発泡ポリイミド成型体、および予め発泡されたポリイミド樹脂塊を破砕し、これを末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−と混合し、この混合物を所定の形状に成型した後、350℃以上の温度で焼成してバインダ−を硬化させることによって発泡ポリイミド樹脂塊を強固に結合せしめることを特徴とする発泡ポリイミド成型体の製法。
【選択図】 なし

Description

この発明は、発泡ポリイミド成型体およびその製法に関し、さらに詳しくは耐熱性を有するとともに任意の形状に成型された発泡ポリイミド成型体およびその製法に関する。
従来、発泡体としては、ウレタン系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系のものがよく知られている。これらの発泡体から成型体とする場合、発泡体をチップ化してこれを再度バインダ−によって椅子のクッションや工業用断熱材として使用されている。
これらの発泡成型体は、耐熱性が100℃程度であり、使用温度範囲が限定されていた。
そこで、高温下、特に300℃以上の温度で使用可能な耐熱性を有する工業用断熱発泡材が求められてきた。
このため、耐熱性発泡体としてポリイミド系が種々検討され、ポリイミド成型体が提案された(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
米国特許第4241193号明細書 特開昭61−195126号公報 特開平1−313537号公報 特開平2−24326号公報 特開平4−211440号公報
しかし、これらの発泡ポリイミド成型体は、発泡と成型とを同時に行うことによって得られるものであり、形状や大きさに制限を受け、ポリイミド発泡成型体の用途に制限を受ける。
この発明の目的は、耐熱性を有するとともに任意の形状に成型された発泡ポリイミド成型体およびその製法を提供することである。
この発明は、予め発泡されたポリイミド樹脂塊の破砕物と末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−との混合物を成型後、焼成してなる発泡ポリイミド成型体に関する。
また、この発明は、予め発泡されたポリイミド樹脂塊を破砕し、これを末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−と混合し、この混合物を所定の形状に成型した後、350℃以上の温度で焼成してバインダ−を硬化させることによって発泡ポリイミド樹脂塊を強固に結合せしめることを特徴とする発泡ポリイミド成型体の製法に関する。
この明細書において、耐熱性バインダ−とは300℃で60分間の加熱試験後に劣化が実質的に認められないものをいう。
この発明によれば、軽量で耐熱性が高く、強度、クッション性、断熱性に優れた発泡ポリイミド成型体を得ることができる。
前記の発泡ポリイミド成型体は、音響特性も優れている。
また、この発明の方法によれば、簡単な操作で前記の特長を有する任意の形状に成型された発泡ポリイミドを製造することができる。
この発明の実施の形態を次に示す。
1)予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、芳香族テトラカルボン酸成分として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分を必須成分として得られるポリマ−である前記の発泡ポリイミド成型体。
2)予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、ジアミン成分として分子中にアミノ基が2個のジアミンまたは2個のジアミンと3個以上のものとの混合物であるアミン化合物を使用して得られるものである前記の発泡ポリイミド成型体。
3)耐熱性バインダ−が、ビフェニルテトラカルボン酸類と芳香族ジアミン化合物と4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて得られる対数粘度(ηinh、30℃、0.5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が0.05−1である末端変性イミドオリゴマ−である前記の発泡ポリイミド成型体。
4)耐熱性バインダ−が、式
Figure 2005281573
(式中、Xは芳香族ジアミン残基であり、nは整数である。)
で表され末端変性イミドオリゴマ−である前記の発泡ポリイミド成型体。
5)耐熱性バインダ−が、使用時の温度で1〜1000000ポイズの溶融粘度である前記の発泡ポリイミド成型体。
6)耐熱性バインダ−が、焼成(硬化)後に300℃以上のガラス転移温度(Tg)、1300kgf/cm以上の曲げ強度を有する前記の発泡ポリイミド成型体。
7)耐熱性バインダ−が、予め発泡されたポリイミド樹脂塊の破砕物に対して2〜30質量%の割合で混合されている前記の発泡ポリイミド成型体。
8)300℃で60分間の耐熱性試験を行って外観変化がない耐熱性を有する前記の発泡ポリイミド成型体。
9)密度が0.01〜0.8g/cmである前記の発泡ポリイミド成型体。
10)耐熱性バインダ−が、使用時の温度で1〜1000000ポイズの溶融粘度である前記の発泡ポリイミド成型体の製法。
11)予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、0.0005〜0.1g/cmの密度を有するものである前記の発泡ポリイミド成型体の製法。
この発明において予め発泡されたポリイミド樹脂塊は、好適には、芳香族テトラカルボン酸二無水物とアルコ−ルとを反応させた芳香族テトラカルボン酸のハ−フエステルとジアミンとアルコ−ルとを含むポリイミド発泡前駆体混合物を蒸発乾固、粉末化し、予備成型して適当なグリ−ン体を作成し、さらに加熱して発泡させることによって得られる。前記の加熱の前に、マイクロ波加熱を行ってもよい。
前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物などが挙げられる。
特に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50%以上含むものが好ましい。
前記のジアミンとしては、2芳香核ジアミンまでを主成分とすることが好ましく、これによって発泡ポリイミドのTgが300℃以上を達成することが容易になる。多置換アミン成分は高温での発泡の収縮防止、発泡強度(発泡中に割れにくい)増大のために、必須なものではないが一部含まれている方が好ましい。ジアミノジシロキサンは界面活性剤的に作用し、発泡均一化のために0.1〜10モル%の範囲、好ましくは0.2〜5モル%は必要である。少量では発泡が均一化しづらく、多量ではTg低下および熱安定性の低下をまねく。
前記のポリイミド発泡前駆体混合物として、好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)のハ−フエステルと芳香族ジアミン、例えば、p−フェニレンジアミン(以下、PPDと略記することもある。)および/または4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、ODAと略記することもある。)と、発泡均一化のための成分、例えばジアミノジシロキサンおよびさらに必要ならば分子内に3個以上のアミノ基を有するアミン化合物、例えば芳香族トリアミン化合物または芳香族テトラアミン化合物、特にテトラアミノビフェニルをエステル化溶媒、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、n−ブタノ−ルなどの低級一級アルコ−ル、好適にはメタノ−ルあるいはエタノ−ルと均一混合して溶解して、全量中の不揮発成分量が10%〜50%程度の混合物として得ることができる。
前記のポリイミド発泡前駆体混合物には、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、置換ピリジンなどのイミド化触媒を加えてもよい。
また、他の公知の添加剤、例えば、無機フィラ−、無機あるいは有機顔料などを加えてもよい。
上記混合物を蒸発乾固し、粉末化を行う工程においては、実験室的にはエバポレ−タ、工業的にはスプレ−ドライヤ−などが使用できる。この蒸発温度は100℃未満、好ましくは80℃以下の状態に保たれることが好ましい。高温乾燥では発泡性が極端に低下する。乾燥の際、常圧でも、加圧下でも、あるいは減圧下でもよい。
前記の適当なグリ−ン体を成型する工程においては、例えば、室温での圧縮成形、スラリ−溶液として流延乾固、マイクロ波に不活性な容器への充填を行う。この際に、蓋はしなくともよい(すなわち、完全に固める必要はない。)。概略均一な状態のグリ−ン体であれば、発泡時の均一化は達成できる。
前記のマイクロ波加熱による加熱においては、一般的には約2.45GHzで行うことが好ましい。これは日本の国内法(電波法)に基く。粉末重量当たりのマイクロ波出力を目安とすることが好ましい。これは実験を重ねることによって定義すべきである。例えば、100g/1kW程度で約1分で発泡を開始し、2〜3分で発泡は収束する。この状態では非常に脆い発泡体である。
次いでマイクロ波加熱体を熱風等の加熱により、200℃程度から徐々に昇温する(一応の目安として、100℃/10分程度の昇温速度)。最終は加熱によって生成するポリイミドのガラス転位温度(Tg)+αの温度にて5〜60分間、好適には10分間程度加熱する。
上記の各工程によって加熱発泡することによって、形状は不定形とはなるが、均一な発泡状態の弾力性がありかつ復元力に優れた発泡体が得られる。
前記の方法において、固体状態のポリイミド前駆体の加熱を、発泡のための加熱と熱固定(高分子量化)のための加熱の2段階とすることが好ましい。
また、前記の発泡ポリイミドの製法において、発泡のための加熱を、加熱均一性向上のためにマイクロ波加熱によって行うことが好ましい。
そして、熱固定(高分子量化)のための加熱を、発泡ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上の温度、好適には310℃より高く500℃以下の温度で5〜60分間程度加熱して行うことが好ましい。
前記の発泡工程によって得られる発泡されたポリイミド樹脂塊は、発泡倍率を任意に調整することができるが、好適には0.0005〜0.1g/cmの密度を有するものが好ましい。
この発明においては、前記の予め発泡されたポリイミド樹脂塊を破砕し、これを末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−と混合し、この混合物を所定の形状を有する型枠に投入後、所定の密度まで加圧、焼成することによって、発泡ポリイミド成型体を得る。
前記の方法におけるポリイミド樹脂発泡塊を破砕する方法としては、特に制限はなく、例えばプラスティック成形体の解砕機を適宜使用することができる。
前記の方法によって、ポリイミド樹脂発泡塊として球に換算してφ(直径)が1mm〜50mm程度の大きさの破砕品とすることが好ましい。
この発明においては、前記の破砕品を末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−と混合することが重要である。
前記の末端変性イミドオリゴマ−としては、ポリイミドの耐熱性を維持しつつバインダ−として機能する必要性から、ビフェニルテトラカルボン酸類と芳香族ジアミン化合物と4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて得られる対数粘度(ηinh、30℃、0.5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が0.05−1である末端変性イミドオリゴマ−が好適である。
前記のビフェニルテトラカルボン酸類として、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好適である。
前記の方法において、耐熱性バインダ−の使用量は、固形分換算でポリイミド樹脂発泡塊の破砕品100質量部に対して、2〜30質量部であることが好ましい。
前記のポリイミド樹脂発泡塊の破砕品と耐熱性バインダ−とを混合する方法としては特に制限はなく、例えばポリイミド樹脂発泡塊の破砕品と耐熱性バインダ−の粉末とをニ−ダ−で混合する方法、あるいはポリイミド樹脂発泡塊の破砕品に耐熱性バインダ−の溶液を噴霧する方法が挙げられる。
この発明においては、ポリイミド樹脂発泡塊の破砕品と耐熱性バインダ−との混合物を所定の形状を有する型枠に投入後、所定の密度まで加圧、焼成することによって、発泡ポリイミド成型体を得ることができる。
前記の焼成とは、加熱硬化を含む。
前記の型枠としては、耐熱性素材製、例えば金属製、好適にはステンレス製の型枠が使用できる。
前記の加圧、焼成は、例えば型枠内に耐熱性バインダ−を混合したポリイミド樹脂発泡塊の破砕品をガス抜きを備えたステンレス製の型枠内に投入し、押さえ蓋で所定寸法(例えば高さ)に圧縮し、押さえ蓋を固定した後、250℃以上でポリイミド発泡体のガラス転位温度以下の温度、好適には300℃以上400℃以下の温度に加熱した加熱炉内に10〜120分間程度置くことによって行うことが好ましい。
この発明のポリイミド成型体は、好適には300℃で60分間の耐熱性試験を行って外観変化がなく、質量減少が1%以下の耐熱性を有するものである。
また、この発明の発泡ポリイミド成型体は、成型条件を選択することによって、密度が0.01〜0.8g/cmである。
そして、前記の発泡ポリイミド成型体は、密度が予め発泡されたポリイミド樹脂塊およびその破砕物の1.2倍〜20倍程度であることが好ましい。
また、この発明の発泡ポリイミド成型体は、型枠を選択することによって、形状がシ−ト状、パイプ状、柱状、キュ−ブ状、箱状のいずれでも発泡ポリイミド成型体とすることができ、特にパイプの形状を有し、内径が10〜1000mmで、外径が15〜2000mmであるもの、あるいは辺がA、B、Cからなるブロックの形状を有し、A、B、Cが各々独立に10〜3000mmである発泡ポリイミド成型体とすることができる。
実施例および比較例における物性測定法を以下に示す。
ガラス転移温度:DSC(セイコ−電子工業社製、DSC220C)を用い、N雰囲気下、20℃/分の昇温速度にて測定。
発泡倍率:真密度/見かけ密度より算出。
真密度は、同組成のポリイミドフィルムを常法により作製し、密度勾配管を用いて測定した値を用いた。
見かけ密度は、立方体または四角形シ−ト状に切断したものをノギスにより計測して体積を求め、また天秤により質量を計測し、質量/体積により求めた。
引張強度:150mmL×25mmW×10mmTの短冊状サンプルを切り出し、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製)を使用し、引張速度10mm/分で測定した。
引張伸び:引張強度測定試験と同様のサンプル、測定機および測定条件で測定した。
耐熱試験:オ−ブン中に60分放置後の外観、質量変化を求めた。
以下の記載において、各略号は次の化合物を意味する。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル
TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
DADSi:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
DMZ:1,2−ジメチルイミダゾ−ル
500mlナス型フラスコにa−BPDA180mmol、メタノ−ル70g、触媒としてDMZ2.44gを仕込み、90℃オイルバス中で還流させながら90分間加熱攪拌を行い、均一溶液とした。次に、この溶液を30℃以下に冷却した後、PPD189mmol、DADSi2mmol、メタノ−ル30gを加え均一溶液とした。この溶液をエバポレ−タ−で濃縮し、60℃減圧乾燥して固形物を得た。
この固形物を粉砕粉末化して圧縮成型機を使用してグリ−ン体を成型し、このグリ−ン体をマイクロ波加熱装置を使用して、発泡倍率が130倍(密度:0.011g/cm)である発泡体を得た。この発泡体を450℃で15分間加熱し、ポリイミド発泡体を得た。
このポリイミド発泡体を解砕機で略φ5mm径の大きさに解砕したチップを得た。
また、a−BPDA11.77g(0.04モル)、4,4−ODA10.01g(0.05モル)およびPEPA4.964g(0.02モル)から、NMP62g中、180℃で4時間加熱して熱イミド化し、粉末状の末端変性イミドオリゴマ−を得た。このオリゴマ−は理論Mnが2490であり、ηinhが0.10であり、Tg(DSC)が200℃であり、硬化発熱ピ−クが357℃であった。この末端変性イミドオリゴマ−の硬化前の最低溶融粘度は14000ポイズ(316℃)であった。
なお、この末端変性イミドオリゴマ−を熱硬化(380℃×2時間)し厚さ3mmの硬化物(試験片)を作製し、ASTM D−790に準拠して曲げ試験をして求めた曲げ強度は1490kgf/cm2であった。またこの硬化物は、Tg(DSC)が375℃であり、発熱ピ−クが認められなかった。また、DMAcに不溶で、弾性率が290kg/mm2 、引張強度が11.5kg/mm2 、伸びが20%であり、TGAによる5%重量減少温度が約520℃であった。
前記のポリイミド発泡体を解砕したチップに、耐熱性バインダ−として前記の末端変性イミドオリゴマ−を使用し、チップ15gに対して耐熱性バインダ−3gをブレンドし、その後、該耐熱バインダ−をブレンドしたチップを高さ250mm、幅150mm、長さ200mmのステンレス製の型に投入し、ガス抜きを備えた押さえ蓋で高さが20mmまで圧縮し、押さえ蓋を固定した。この容器をオ−ブン中に投入し、400℃で30分間焼成した。冷却後、型から発泡ポリイミド成型体を取り出した。
この発泡ポリイミド成型体について、密度、引張強度、300℃オ−ブン中に60分間放置後の外観、質量変化を調べた。
結果を次に示す。
密度 0.037g/cm
引張強度 31.9kpa
引張伸び 5.2%
300℃×60分耐熱試験
外観 変化なし
重量変化 変化なし
型枠の形状を変えた他は実施例1と同様にして、図2に示す寸法の発泡ポリイミド成型体を得た。
この発泡ポリイミド成型体について、密度、引張強度、引張伸び、300℃オ−ブン中に60分間放置後の外観、質量変化を調べた。結果をまとめて表1に示す。
耐熱性バインダ−としての添加量を3gから2gに変えた他は実施例1と同様にして、発泡ポリイミド成型体を得た。
この発泡ポリイミド成型体について、密度、引張強度、300℃オ−ブン中に60分間放置後の外観、質量変化を調べた。
結果を次に示す。
密度 0.035g/cm
引張強度 22.5kpa
引張伸び 4.9%
300℃×60分耐熱試験
外観 変化なし
重量変化 変化なし
型枠として実施例2と同様の型枠を使用した他は実施例3と同様して、発泡ポリイミド成型体を得た。
この発泡ポリイミド成型体は実施例3と同等の性能を示した。
比較例1
耐熱性バインダ−として、ウレタン系バインダ−を使用し、バインダ−量としてチップに対して10質量%の量で噴霧し、実施例1に記載の型枠を使用して、密度0.03g/cmの成型体を成型し、次いで100℃のスチ−ムで加熱しウレタンバインダ−を硬化させて、ウレタンバインダ−製発泡ポリイミド成型体を得た。常法に従って60℃雰囲気下で乾燥した後、評価を行った。
結果をまとめて次に示す。
密度 0.035g/cm
引張強度 20.3kpa
引張伸び 7.4%
300℃×60分耐熱試験
バインダ−一部炭化
重量変化 10.5%減少
図1は、この発明の一例である発泡ポリイミド成型体の写真である。 図2は、この発明の一例である実施例2で得られた発泡ポリイミド成型体の寸法である。

Claims (13)

  1. 予め発泡されたポリイミド樹脂塊の破砕物と末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−との混合物を成型後、焼成してなる発泡ポリイミド成型体。
  2. 予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、芳香族テトラカルボン酸成分として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分を必須成分として得られるポリマ−である請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  3. 予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、ジアミン成分として分子中にアミノ基が2個のジアミンまたは2個のジアミンと3個以上のものとの混合物であるアミン化合物を使用して得られるものである請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  4. 耐熱性バインダ−が、ビフェニルテトラカルボン酸類と芳香族ジアミン化合物と4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて得られる対数粘度(ηinh、30℃、0.5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が0.05−1である末端変性イミドオリゴマ−である請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  5. 耐熱性バインダ−が、式
    Figure 2005281573
    (式中、Xは芳香族ジアミン残基であり、nは整数である。)
    で表され末端変性イミドオリゴマ−である請求項4に記載の発泡ポリイミド成型体。
  6. 耐熱性バインダ−が、使用時の温度で1〜1000000ポイズの溶融粘度である請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  7. 耐熱性バインダ−が、焼成(加熱硬化)後に300℃以上のガラス転移温度(Tg)、1300kgf/cm以上の曲げ強度を有する請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  8. 耐熱性バインダ−が、予め発泡されたポリイミド樹脂塊の破砕物に対して2〜30質量%の割合で混合されている請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  9. 300℃で60分間の耐熱性試験を行って外観変化がない耐熱性を有する請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  10. 密度が0.01〜0.8g/cmである請求項1に記載の発泡ポリイミド成型体。
  11. 予め発泡されたポリイミド樹脂塊を破砕し、これを末端変性イミドオリゴマ−からなる耐熱性バインダ−と混合し、この混合物を所定の形状に成型した後、350℃以上の温度で焼成してバインダ−を硬化させることによって発泡ポリイミド樹脂塊を強固に結合せしめることを特徴とする発泡ポリイミド成型体の製法。
  12. 耐熱性バインダ−が、使用時の温度で1〜1000000ポイズの溶融粘度である請求項11に記載の発泡ポリイミド成型体の製法。
  13. 予め発泡されたポリイミド樹脂塊が、0.0005〜0.1g/cmの密度を有するものである請求項11に記載の発泡ポリイミド成型体の製法。
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