JP2005281551A - 新規な重合性モノマー及びこれを含んでなる感光性組成物及び平版印刷版 - Google Patents

新規な重合性モノマー及びこれを含んでなる感光性組成物及び平版印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光重合性が高く、高感度である新規な光重合性モノマーを見出すことを課題とし、強アルカリ等に対する耐薬品性が良好でポストキュアを必要としない感光性組成物を見出すことを課題とする。
【解決手段】分子内に下記一般式(1)で表される単位構造を2つ以上有することを特徴とする重合性モノマー、及びこれを含んでなる感光性組成物。
【化1】
Figure 2005281551

【選択図】 なし

Description

本発明は新規な重合性モノマーに関し、またこれを利用したネガ型の感光性組成物に関する。用途としては、感光性樹脂、印刷版、インキ、塗料、接着剤、架橋剤、光学レンズ材料、光ファイバーコーティング、三次元造形、ホログラフィー記録材料、プリント配線板やIC等の電子材料に利用可能な感光性組成物に関する。更に、レーザー等の走査露光による画像形成が可能な前記感光性組成物に関する。更に、前記感光性組成物を利用した平版印刷版に関する。
放射線に感応し、照射部に於いて架橋反応が進行する光架橋システムは、その機構から大別して光ラジカル系と光カチオン系に分けられる。光ラジカル系としては主にアクリレート類と光ラジカル発生剤との組み合わせによる系が主流であり、室温硬化性が良好で、硬化速度が速いことが特徴の一つであるが、一方で、十分な光照射を行っても重合反応率が100%に達せず、残存するアクリレートモノマーによる硬化物物性への悪影響や、硬化物からのアクリレートモノマーのブリード、及び強アルカリ条件での硬化物の加水分解による劣化などの種々の問題を抱えている。
これに対して光カチオン系に於いては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系光カチオン発生剤等を利用して、エポキシ系化合物のカチオン開環重合あるいはビニルエーテル類のカチオン重合を利用する等の方法で同様な光架橋システムが構築されている。この場合の最大の利点は酸素による重合阻害を受けない点であり、空気中の硬化反応に利用されている。欠点としては、硬化速度が低い場合が多く、また架橋反応を進行させるために放射線照射後に加熱処理(ポストキュア)が必要であることや、塩基性物質が存在すると重合阻害を受けること等の問題があった。(例えば特許文献1参照。)
特開平1−126638号公報
本発明は、光重合性が高く、高感度である新規な光重合性モノマーを見出すことを課題とし、強アルカリ等に対する耐薬品性が良好でポストキュアを必要としない感光性組成物を見出すことを課題とする。特に可視光から赤外光のレーザーによる走査露光に於いても十分高感度で、画像部の強度に優れ、且つポストキュアを必要としないネガ型感光性組成物、及びこれを利用した平版印刷版を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に記載の重合性モノマーを用いることによって上記課題を基本的には解決できることを見出した。
1)分子内に下記一般式(1)で表される単位構造を2つ以上有することを特徴とする重合性モノマー(以下、本発明の重合性モノマーと略す)。
Figure 2005281551
式(1)中、VPはビニル基が置換したフェニル基を表し、L1は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または原子群からなる2価の連結基を表す。m1は0〜4の整数を表し、p1は0または1を表す。
2)前記一般式(1)で表される光重合性モノマーを含有することを特徴とする感光性組成物。
3)走査露光用である上記2)に記載の感光性組成物。
4)750〜1100nmの近赤外レーザーによる露光用である上記2)または3)に記載の感光性組成物。
5)400〜430nmの青色半導体レーザーによる露光用である上記2)または3)に記載の感光性組成物。
6)上記2)〜5)のいずれか1つに記載の感光性組成物を利用した平版印刷版。
上記一般式(1)中、VPで表されるビニル基が置換したフェニル基とは、具体的には下記一般式(2)で表される。
Figure 2005281551
式(2)中、R1,R2及びR3は、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R1及びR2が水素原子であり、R3が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であるものが特に好ましい。
式(2)中、R4は、置換可能な基を表す。例えば、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
上記一般式(1)中、L1で表される、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または原子群からなる2価の連結基としては、具体的には下記化3に例示される構造単位及び下記に示す複素環より構成される基が挙げられる。これらの基は単独でも任意の2つ以上が組み合わされていても良い。更には、これらの基は置換基を有していても良い。
Figure 2005281551
1を構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
上述した2価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
本発明により、光重合性が高く、高感度な重合性モノマーを提供することができる。更には、本発明の重合性モノマーを用いることによって、高感度で、画像部の強度に優れ、且つポストキュアを必要としない感光性組成物を提供することができる。特に可視光から赤外光のレーザーによる走査露光に於いても十分高感度で、画像部の強度に優れ、且つポストキュアを必要としないネガ型感光性組成物、及びこれを利用した平版印刷版を提供することができる。
本発明の重合性モノマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
Figure 2005281551
Figure 2005281551
Figure 2005281551
Figure 2005281551
本発明の重合性モノマーの製造方法としては、従来公知の化学反応を用いて合成することができる。代表的には以下の様な方法があり、更に具体的には、後述する実施例に詳述するが、これらに限定されるものではない。
本発明の重合性モノマーの代表的な製造方法としては、出発物質である1級または2級のアミン化合物を二硫化炭素と反応させた後、下記一般式(3)で表されるアルキル化剤でチオエステル化する方法が挙げられる。
Figure 2005281551
式(3)中、R1,R2,R3,R4,L1,m1及びp1は、上記一般式(2)中の記号と同一である。X1は、脱離基(例えばハロゲン原子、アリールスルホネート基、アルキルスルホネート基等)を表す。
上記方法に於いては、塩基を共存させることが好ましく、一般に好適に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等の3級アミン類、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、等が挙げられる。
上記方法に於いては、一般に有機溶媒を用いるのが好ましく、好適に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記方法に於いて、反応温度は、原料の種類及び溶媒の種類によって異なるが、一般的には0℃〜溶媒が還流する温度が好ましい。反応時間も原料の種類によって異なるが、通常10分〜40時間、好ましくは30分〜24時間の範囲から選ばれる。
本発明の重合性モノマーを光学レンズ等の光学材料に用いる場合には、本発明の重合性モノマーは全重合性モノマー組成中に20〜80質量%の割合で含有されることが好ましく、30〜70質量%の割合で含有された場合に、硬度、耐候性等に優れた樹脂が得られるため特に好ましい。本発明の重合性モノマーを用いて光学材料樹脂を得る重合方法としては、特に制限されず、特開平2−268170号公報等に記載の従来公知の方法を採用することができる。
本発明の重合性モノマーを感光性組成物に用いる場合には、バインダー樹脂及び、光重合開始剤または光酸発生剤と共に用いられる。更に可視光から赤外光の各種光源に対応できるように、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し、前述の光重合開始剤または光酸発生剤を増感する増感剤を併せて含有することも好ましく行われる。本発明の重合性モノマーは、バインダー樹脂に対して1〜1000質量%の割合で含有されることが好ましく、更に5〜100質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
本発明の重合性モノマーを含有する感光性組成物に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限されず、特開2001−290271号公報に記載の全てのバインダー樹脂及びその他の公知のバインダー樹脂を用いることができる。これらバインダー樹脂の中でも、特開2001−290271号公報等に記載のアルカリ可溶性樹脂や特開2003−215801号公報に記載の水溶性樹脂を用いることが好ましく、更に平版印刷版用途としては、下記一般式(4)で表される側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有するアルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂を用いることが特に好ましい。バインダー樹脂の分子量は、質量平均分子量で1000〜100万の範囲にあることが好ましく、1万〜30万の範囲にあることが特に好ましい。バインダー樹脂は1種のみの単独で用いても良いし、任意の2種以上を混合して用いても良い。
Figure 2005281551
式(4)中、R5,R6,R7,R8,L2,m2及びp2は、それぞれ上記一般式(2)中のR1,R2,R3,R4,L1,m1及びp1と同義である。これらの基の中でも、R5及びR6が水素原子であり、R7が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であるものが特に好ましい。
本発明の重合性モノマーを含有する感光性組成物に用いられる光重合開始剤または光酸発生剤としては、特に制限されず、光または電子線の照射によりラジカルまたは酸を発生し得る化合物であれば任意の化合物を用いることができる。そのような光重合開始剤または光酸発生剤の例としては、特開2001−290271号公報等に例示された化合物を使用することができ、具体的には、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、アジニウム化合物、活性エステル化合物、メタロセン化合物、トリハロアルキル置換化合物、有機ホウ素化合物、芳香族ジアゾニウム塩化合物、o−ニトロベンジルエステル類、スルホン酸エステル誘導体、スルホン類、リン酸エステル誘導体及びスルホニルジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
上記光重合開始剤及び光酸発生剤は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。また、任意の光重合開始剤と任意の光酸発生剤を組み合わせて用いることもできる。特に、トリハロアルキル置換化合物と有機ホウ素塩化合物を組み合わせて用いた場合には、感度が大幅に向上するために好ましい。光重合開始剤及び光酸発生剤は、バインダー樹脂に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更に1〜40質量%の範囲が特に好ましい。
本発明の重合性モノマーを含有する感光性組成物に用いられる増感剤としては、各種増感色素が好ましく用いられる。このような増感色素として、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、クマリン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、スクアリリウム化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物が挙げられ、更に、欧州特許第0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同5,227,227号公報等に記載の化合物も用いることができる。
これらの増感剤の中でも、近年開発された、400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザーに対応する増感剤としては、ピリリウム化合物またはチオピリリウム化合物が好ましい。また、近赤外から赤外光、即ち700nm以上、更には750〜1100nmの波長領域のレーザー光を用いた走査露光に対応する増感剤としては、シアニン色素、ポリメチン色素、スクワリリウム色素が好ましい。増感剤はバインダー樹脂に対して、0.01〜15質量%の割合で含有されることが好ましく、0.1〜10質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
本発明の重合性モノマーを含有する感光性組成物は、上述した要素以外にも種々の目的で他の要素を添加しても良い。
感光性組成物を構成する他の要素として、本発明の重合性モノマー以外の分子内に重合性不飽和結合基を有する重合性モノマー或いは重合性オリゴマーを挙げることができる。特に、分子内に重合性不飽和結合基を2つ以上有する多官能重合性モノマー或いはオリゴマーを使用することが好ましい。このような重合性モノマーの例としては、、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマー、1,4−ジビニルベンゼン、1,4−ビス(4−ビニルベンジルオキシ)ベンゼン、1,1,2,2−テトラキス[4−(4−ビニルベンジルオキシ)フェニル]エタン等の多官能スチレン誘導体、イタコン酸エステル系モノマー、クロトン酸エステル系モノマー、マレイン酸エステル系モノマー等が挙げられる。
上記したような重合性モノマー或いは重合性オリゴマーと、本発明の重合性モノマーを併用する場合には、本発明の重合性モノマーを、重合性モノマーの総量に対して20質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することが特に好ましい。重合性モノマーの総和は、バインダー樹脂に対して1〜1000質量%の割合で含有されることが好ましく、更に5〜100質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
感光性組成物を構成する他の要素として、重合性不飽和結合基の熱重合或いは熱架橋を防止し、長期にわたる保存性を向上させる目的で、種々の重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物等が好ましく使用され、特にハイドロキノンが好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、バインダー樹脂に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する他の要素として、着色剤の添加も好ましく行うことができる。着色剤としては、露光及び現像処理後に於いて、画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素及び顔料を使用することができ、バインダー樹脂に対して0.5〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する要素については、上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して添加することもできる。例えば、感光性組成物のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子或いは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
感光層は上述した要素から構成される感光性組成物の塗液を、支持体上に塗布、乾燥して作製される。塗布方法としては、公知の種々の方法を用いることができ、例えば、バーコーター塗布、カーテン塗布、ブレード塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、回転塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。平版印刷版として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、更に1μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために好ましい。
上記感光性組成物の塗液が塗布される支持体については、公知の種々の支持体を使用することができる。例えば、紙、ポリエチレン被覆紙、フィルム、金属板等を挙げることができる。特に平版印刷版として使用する場合には、未露光部の支持体表面が非画像部となるため、親水性表面を有する支持体が使用される。このための支持体としては、粗面化処理され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板が特に好ましく用いられる。
平版印刷版の支持体として用いられる好適なアルミニウム板は、感光層との接着性を良好にし、非画像部に保水性を与える目的で、機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗面化等によって粗面化され、続いて陽極酸化処理が施される。また必要に応じて各種親水化処理や封孔処理等が施され、そのような親水化処理の例としては、アルカリ金属のケイ酸塩水溶液を用いたシリケート処理、フッ化ジルコン酸カリウムによる処理、ポリビニルホスホン酸による処理等が挙げられる。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する感光性組成物は、密着露光或いはレーザー走査露光を行った後、現像液により未露光部を除去することでパターン形成が行われる。露光された部分は架橋することで現像液に対する溶解性が低下し、画像部が形成される。
以下、実施例により本発明の重合性モノマーの代表的な合成例を挙げるが、他の例示化合物も同様の方法により合成することができる。また、その効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
重合性モノマー(C−1)の合成
エチレンジアミン[ナカライテスク(株)製]12.0g(200mmol)とトリエチルアミン[ナカライテスク(株)製]44.5g(440mmol)をメタノール400mlに溶解し、氷水冷却下撹拌しながら、二硫化炭素[ナカライテスク(株)製]33.5g(440mmol)をメタノール100mlに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、氷水冷却下で30分間、その後室温に戻し更に1時間撹拌した。得られた黄白色懸濁液に、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩[和光純薬工業(株)製]2gを加え、氷水冷却下撹拌しながら、4−クロロメチルスチレン[セイミケミカル(株)製、CMS−14]60.1g(400mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて2時間撹拌を継続した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、メタノール及び水で十分に洗浄を繰り返した。これを乾燥し、重合性モノマー(C−1)を白色結晶として74.0g(収率83%)得た。融点184〜186℃。
重合性モノマー(C−7)の合成
1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン[東京化成工業(株)製]4.45g(30mmol)とトリエチルアミン[ナカライテスク(株)製]6.68g(66mmol)をメタノール30mlに溶解し、氷水冷却下撹拌しながら、二硫化炭素[ナカライテスク(株)製]5.02g(66mmol)をメタノール15mlに溶解した溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷水冷却下で30分間、その後室温に戻し更に1時間撹拌した。得られた黄色溶液に、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩[和光純薬工業(株)製]0.2gを加え、氷水冷却下撹拌しながら、クロロメチルスチレン(p−体とm−体の1:1混合物)[セイミケミカル(株)製、CMS−P]9.16g(60mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて2時間撹拌を継続した。反応終了後、反応液に水200mlを加え、酢酸エチル150mlで抽出した。有機層を水、次いで食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、重合性モノマー(C−7)を黄色油状物として12.2g(収率76%)得た。
重合性モノマー(C−17)の合成
トリエチレンテトラミン[東京化成工業(株)製]2.19g(15mmol)とトリエチルアミン[ナカライテスク(株)製]6.68g(66mmol)をメタノール30mlに溶解し、氷水冷却下撹拌しながら、二硫化炭素[ナカライテスク(株)製]5.02g(66mmol)をメタノール15mlに溶解した溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、氷水冷却下で30分間、その後室温に戻し更に1時間撹拌した。得られた黄白色懸濁液に、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩[和光純薬工業(株)製]0.2gを加え、氷水冷却下撹拌しながら、4−クロロメチルスチレン[セイミケミカル(株)製、CMS−14]9.16g(60mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて2時間撹拌を継続した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、メタノール及び水で十分に洗浄を繰り返した。これを乾燥し、重合性モノマー(C−17)を白色結晶として8.32g(収率61%)得た。融点175〜177℃。
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで、該塗液を、厚みが0.10mmのゼラチン下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布、75℃で5分間乾燥して試料を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(下記BP−1) 3.0質量部
光重合開始剤(下記PI−1) 1.0質量部
本発明の重合性モノマー(下表1) 1.0質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
1,3−ジオキソラン 50.0質量部
Figure 2005281551
上記バインダー樹脂(BP−1)及び後述するバインダー樹脂(BP−2)の構造式中の添え数字は、バインダー樹脂の総量に対する各繰り返し単位の質量%を表す。
(比較例1)
本発明の重合性モノマーを使用せずに、実施例4と同様に試料を作製した。
得られた試料を、高圧水銀ランプを光源とし、光量が20mW/cm2になるように光量を調整し、濃度差0.15間隔のステップウェッジを有するコントロールウェッジ[富士写真フイルム(株)製]を介して、15秒間密着露光を行った。露光後、メタ珪酸ナトリウムを0.7質量%含有する水溶液を現像液として使用し、30℃で20秒間現像を行ったところ、未露光部が溶出され、鮮明なステップウェッジパターンを得た。このステップウェッジパターンに於いて、画像として残る最大のステップ段数を感度として求めた。このステップ段数の数字が大きいほど感度が高いことを表す。結果を表1に示した。
Figure 2005281551
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで該塗液を、厚みが0.24mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、75℃で5分間乾燥を行い、試料を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(下記BP−2) 5.0質量部
光重合開始剤(上記PI−1) 1.0質量部
光重合開始剤(下記PI−2) 0.5質量部
本発明の重合性モノマー(下表2) 0.8質量部
増感剤(下記SD−1) 0.5質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
メタノール 20.0質量部
1,4−ジオキサン 30.0質量部
Figure 2005281551
(比較例2)
本発明の重合性モノマーを使用せずに、実施例5と同様に試料を作製した。
得られた試料を次のようにして露光を行った。即ち、タングステンランプを光源とする密着露光機[三菱製紙(株)製;ヒシラコピープリンター]を使用して、780nm以下の光を遮断するフィルターを通して3mW/cm2の光量で780nm以上の波長の光を通過させ、このフィルター上に濃度差0.15間隔のコントロールウェッジ[富士写真フイルム(株)製]を通して30秒間露光を行った。露光後、30℃に温度調整を行った水道水を使用して、30秒間現像を行った。現像処理後に、アルミニウム板上に形成されたステップウェッジのパターンに於いて、画像として残る最大のステップ段数を感度として求めた。結果を表2に示した。
Figure 2005281551
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで該塗液を、厚みが0.24mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、75℃で5分間乾燥を行い、試料を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(上記BP−1) 3.0質量部
光重合開始剤(上記PI−1) 1.0質量部
光重合開始剤(下記PI−3) 0.5質量部
重合性モノマー(下表3) 1.0質量部
増感剤(上記SD−1) 0.5質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
1,3−ジオキソラン 45.0質量部
Figure 2005281551
(比較例3及び4)
本発明の重合性モノマーの代わりに、下記CC−1及びCC−2を使用して実施例6と同様に試料を作製した。
Figure 2005281551
上記のようにして作製した試料を、35℃で相対湿度60%に調節された加温庫に入れ、4週間経時させた。実施例5と同様に露光し、メタ珪酸ナトリウムを0.7質量%含有する水溶液を現像液として30℃で現像を行い、非画像部の溶出時間を及び感度を比較した。結果を表3に示した。
Figure 2005281551
上記実施例6で得られた試料(試料番号6−4)の平版印刷版としての印刷性能を評価した。加温前及び加温後の試料を、830nmに発光する半導体レーザーを搭載したイメージセッター[大日本スクリーン製造(株)製、PTR−4000]を使用して、2400dpi、ドラム回転速度1000rpm、版面露光エネルギー70mJ/cm2で露光を行った。露光後、実施例6と同様の現像処理を行い、オフセット印刷機[リョービ(株)製;Ryobi560]に取り付け、インキ[大日本インキ化学工業(株)製;FINE INKニューチャンピオン墨(N)]及び湿し水[(株)日研化学研究所製;アストロマークIIIの1%水溶液]を用いて印刷を行った。加温前及び加温後の試料共に、印刷画質に変化のない良質な印刷物が15万枚得られ、加温による印刷特性の変化は認められなかった。
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで、該塗液を、厚みが0.24mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、75℃で5分間乾燥を行って、平版印刷版を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(上記BP−1) 3.0質量部
光重合開始剤(上記PI−1) 1.0質量部
光重合開始剤(上記PI−3) 0.5質量部
重合性モノマー(C−22) 1.0質量部
増感剤(下記SD−2) 0.5質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
1,3−ジオキソラン 45.0質量部
Figure 2005281551
上記のようにして作製した平版印刷版を、青色半導体レーザー搭載出力機;ESCHER GRAD社製イメージセッターCobalt8CTP(発振波長410nm、出力30mW)を使用して露光試験を行った。露光後、メタ珪酸ナトリウムを0.7質量%含有する水溶液を現像液として30℃で現像を行い20秒間現像を行ったところ、未露光部が溶出され、鮮明な画像パターンを得た。また、オフセット印刷機[リョービ(株)製;Ryobi560]、インキ[大日本インキ化学工業(株)製;FINE INKニューチャンピオン墨(N)]及び湿し水[(株)日研化学研究所製;アストロマークIIIの1%水溶液]を用いて印刷版としての性能を評価した結果、10万枚まで鮮明な印刷物が得られた。
上記実施例4〜8の結果より明らかなように本発明の重合性モノマーを含む感光性組成物は、ポストキュアを必要とせず、高感度で、強アルカリ現像液に対しても高い耐性を有し、保存安定性にも優れていることが分かる。また該感光性組成物を平版印刷版として使用した場合には、レーザーによる走査露光に対しても十分高感度で、保存安定性に優れ、露光後加熱処理を行わなくても鮮鋭で高耐刷力の平版印刷版を得ることができ、良質な印刷物を多数枚印刷することができることが分かる。
本発明の活用例としては、感光性樹脂、印刷版、インキ、塗料、接着剤、架橋剤、光学レンズ材料、光ファイバーコーティング、三次元造形、ホログラフィー記録材料、プリント配線板やIC等の電子材料への応用が挙げられる。

Claims (6)

  1. 分子内に下記一般式(1)で表される単位構造を2つ以上有することを特徴とする重合性モノマー。
    Figure 2005281551
    [式(1)中、VPはビニル基が置換したフェニル基を表し、L1は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または原子群からなる2価の連結基を表す。m1は0〜4の整数を表し、p1は0または1を表す。]
  2. 前記一般式(1)で表される光重合性モノマーを含有することを特徴とする感光性組成物。
  3. 走査露光用である請求項2に記載の感光性組成物。
  4. 750〜1100nmの近赤外レーザーによる露光用である請求項2または3に記載の感光性組成物。
  5. 400〜430nmの青色半導体レーザーによる露光用である請求項2または3に記載の感光性組成物。
  6. 前記請求項2〜5のいずれか1つに記載の感光性組成物を利用した平版印刷版。
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