JP4496039B2 - 感光性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は感光性組成物に関し、詳しくは、レーザー等の走査露光装置を用いて画像形成可能な感光性組成物に関する。更に詳しくは、感光性平版印刷版、プリント配線基板作成用レジスト、カラーフィルター、蛍光体パターンの形成等に好適な感光性組成物に関する。
放射線に感応し、照射部に於いて架橋反応が進行する光架橋システムは、その機構から大別して光ラジカル系と光カチオン系に分けられる。光ラジカル系としては主にアクリレート類を用いた光ラジカル発生剤との組み合わせによる系が主流であり、室温硬化性が良好で、硬化速度が速い事が特徴の1つであるが、一方で、充分な光照射を行っても重合反応率が100%に達せず、残存するアクリレートモノマーによる硬化物物性への悪影響や、硬化物からのアクリレートモノマーのブリード、及び強アルカリ条件での硬化物の加水分解による劣化などの種々の問題を抱えている。
これに対して光カチオン系においては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系光カチオン発生剤等を利用して、エポキシ系化合物のカチオン開環重合或いはビニルエーテル類のカチオン重合を利用する等の方法で同様な光架橋システムが構築されている。この場合の最大の利点は酸素による重合阻害を受けない点であり、空気中の硬化反応に利用されている。欠点としては、硬化速度が低い場合が多く、また架橋反応を進行させる為に放射線照射後に加熱処理(ポストキュア)が必要である事や、塩基性物質が存在すると重合阻害を受ける事などの問題があった。
このような光架橋システムは、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。更に、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いるフォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォトレジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもので、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計が必要となっている。
また、広く用いられているタイプの平板印刷版は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。このような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインキと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インキが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移する事を利用するものである。パターン上に転移したインキはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写する事で印刷が行われる。
上記した光反応による溶解度の変化を利用してレリーフ像を形成する感光性組成物は、従来から多くの研究が成されており、また実用化されている。例えば、特公昭49−34041号、同平6−105353号等には側鎖にエチレン性不飽和結合を有する重合体と架橋剤と光ラジカル発生剤を主体とする感光性組成物が開示されている。これらは、400nm以下の紫外線領域を中心とした短波長の光に対して感光性を有するものである。
一方、近年、画像形成技術の進歩に伴い、可視光に対して高感度を示す感光性材料が求められるようになってきた。例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等を用いた出力機に対応した感光性材料及び感光性平版印刷版の研究も活発に行われている。
更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用出来るようになった事に伴い、該レーザー光に対応する感光性材料及び感光性平版印刷版が注目されている。
上記可視光〜近赤外光に感光性を有する光重合性組成物として、特開平9−134007号公報にはエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合可能な化合物と400〜500nmに吸収ピークを持つ光増感色素と重合開始剤とを含有する平版印刷版材料が開示され、特開昭62−143044号、同昭62−150242号、同平5−5988号、同平5−194619号、同平5−197069号、同2000−98603号公報等には、有機ホウ素アニオンと色素との組み合わせが開示され、特開平4−31863号、同平6−43633号公報には色素とs−トリアジン系化合物との組み合わせが開示され、特開平7−20629号、同平7−271029号公報にはレゾール樹脂、ノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び光酸発生剤の組み合わせが開示され、特開平11−212252号、同平11−231535号公報には特定の重合体と光酸発生剤と近赤外増感色素の組み合わせが開示されている。
また、側鎖に重合性二重結合を有するポリマーを用いた感光性組成物が知られている。例えば、特公平6−105353号公報、特開2001−290271号公報(特許文献1)、特開2002−244288号公報(特許文献2)に記載されている。
また、重合性モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、ビニルピリジン等の含窒素不飽和モノマーを光硬化性組成物に用いることが、特開平11−106413号公報(特許文献3)に記載されている。また、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としてN−ビニルピロリドンを用いることが、特開平8−297364号公報(特許文献4)に記載されている。
上述した感光性組成物は、光が照射された部分が硬化し、現像処理によって未露光部(非硬化部)が溶解除去されてレリーフ画像が形成されるが、感光性組成物の皮膜強度を高くすると現像処理時の溶出性が低下し、皮膜強度と溶出性を同時に満足することは難しかった。
特開2001−290271号公報 特開2002−244288号公報 特開平11−106413号公報(段落番号「0056」) 特開平8−297364号公報(段落番号「0037」)
本発明の目的は、皮膜強度と現像時の溶出性を同時に満足する感光性組成物を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
(1)重合性二重結合を1個のみ有する、下記一般式1で表されるオキサジアゾール誘導体、下記一般式2で表されるテトラゾール誘導体及び下記一般式3で表されるテトラゾール誘導体の中の少なくとも1種と、光ラジカル発生剤を含有することを特徴とする感光性組成物。
(2)更に、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する多官能重合性モノマーもしくはオリゴマーを含有する上記(1)に記載の感光性組成物。
(3)更に、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有する増感色素を含有する上記(1)に記載の感光性組成物。
(4)前記増感色素が750nm以上に吸収を有する増感色素である上記(3)に記載の感光性組成物。
(5)更にバインダーポリマーを含有する上記(1)に記載の感光性組成物。
(6)前記バインダーポリマーが、側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである上記(5)に記載の感光性組成物。
本発明によれば、感光性組成物の皮膜強度と未露光部の溶出性が向上する。
本発明に用いられる重合性二重結合を1個のみ有する、オキサジアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体について詳しく説明する。本発明に用いられるオキサジアゾール誘導体またはテトラゾール誘導体は、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、アクリロイル、あるいはメタクリロイル基等の重合性二重結合を有する基が1個のみ、直接もしくは連結基を介してオキサジアゾール環またはテトラゾール環と結合している化合物である。ここで、重合性二重結合を有する基の中のビニル基を形成するβ位の炭素原子は置換基を有しないか、あるいは置換基を有する場合であっても炭素数5以上の置換基は除く。本発明の代表的なオキサジアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体の一般式をそれぞれ下記に示す。
Figure 0004496039
1は重合性二重結合を有する基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基を表す。X1、X2は連結基を表すが、これらの連結基は存在しなくてもよい。
上記一般式を更に詳細に説明する。R1で表される重合性二重結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、あるいはメタクリロイル基が挙げられ、これらの基は置換基を有しても良いが、上述したようにビニル基を形成するβ位の炭素原子は置換基を有しないか、あるいは置換基を有する場合であっても炭素数5以上の置換基は除かれる。R2で表される脂肪族基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族基としては置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基、複素環基としてはピリジル基やキノリル基等、アミノ基はアルキル基等で置換されていてもよい。X1、X2はで表される連結基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、−C=N−、アルキレンオキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、複素環基の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられ、上記Rは水素原子またはアルキル基を表す。
一般式1一般式2及び一般式3において、Rで表される重合性二重結合を有する基としては、好ましくはビニルフェニル基であり、ビニルフェニル基としては、詳細には下記一般式で表すことができる。
Figure 0004496039
式中、R11、R12は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等を表すが、好ましくは水素原子である。R13は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等を表すが、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。R14は置換可能な基もしくは原子を表し、mは0〜4の整数を表す。
上記一般式において、R14で表される置換可能な基もしくは原子としては、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。mが2以上の時、R14はそれぞれ同じでも、異なっていても良い。

以下に一般式1の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
Figure 0004496039
Figure 0004496039
以下に一般式2及び一般式3の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
上記一般式1一般式2及び一般式3の化合物は単独もしくは組み合わせて用いる事が出来る。感光性組成物中における含有量は、全組成物に対して1〜60質量%の範囲が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、特に3〜30質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光性組成物は、光ラジカル発生剤を含有する。光ラジカル発生剤としては公知の化合物用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物、オニウム塩(特開2003−114532号公報に記載のヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩)等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式で表される。
Figure 0004496039
式中、R21、R22、R23およびR24は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R21、R22、R23およびR24の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が挙げられるが、好ましくは、オニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 0004496039
他の好ましい光ラジカル発生剤剤として、トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
上述したような光ラジカル発生剤の含有量は、前述したオキサジアゾール誘導体もしくはテトラゾール誘導体に対して、1〜300質量%の範囲が好ましく、更には100〜200質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明の感光性組成物は、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する多官能重合性モノマーもしくはオリゴマーを含有するのが好ましい。かかるモノマーもしくはオリゴマーの分子量は1万以下で、好ましくは5000以下である。該化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基等の重合性二重結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
重合性二重結合としてアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールグリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
重合性二重結合としてビニルフェニル基を有する化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 0004496039
式中、Z3は連結基を表し、R31、R32は水素素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等を表す。R33は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R34は置換可能な基または原子を表す。m3は0〜4の整数を表し、k3は2以上の整数を表す。m3が2以上の場合、R34はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z3の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R35)−、−C(O)−O−、−C(R36)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR35及びR36は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R31及びR32は水素原子でR33は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k3は2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
Figure 0004496039
上記したような多官能重合性モノマーもしくはオリゴマーの含有量は、前述したオキサジアゾール誘導体もしくはテトラゾール誘導体に対して、50〜300質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光性組成物は、バインダーポリマーを含有するのが好ましい。かかるポリマーとしては、アルカリ可溶性のポリマーが好ましく、そのためにはカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが好ましい。この場合、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの割合は、共重合体トータル組成100質量%中に対して5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、更に10〜90質量%の範囲が好ましい。これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
本発明に好ましく用いられるバインダーポリマーとしては、側鎖に重合性二重結合を有し、かつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む共重合体が特に好ましい。共重合体の側鎖に重合性二重結合を導入するためのモノマーは後述するが、共重合体組成に於ける側鎖に重合性二重結合を有するモノマーの割合として、共重合体トータル組成100質量%中に対して5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10〜95質量%の範囲がより好ましく、更に20〜90質量%の範囲が好ましい。
側鎖に重合性二重結合を有する重合体を得るためのモノマーとしては、例えば、ビニル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリルアミド、1−プロペニル−(メタ)アクリレート、β−フェニルビニル−(メタ)アクリレート、α−クロロビニル−(メタ)アクリレート、β−メトキシビニル−(メタ)アクリレート、ビニル−チオ−(メタ)アクリレート等が挙げられ、また、重合性二重結合としてビニルフェニル基を有する重合体も好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる側鎖にビニル基フェニル基を有する重合体とは、該フェニル基が直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子又はそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記一般式で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 0004496039
式中、Z4は連結基を表し、R41、R42は、水素素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等を表し、R43は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R44は置換可能な基又は原子を表す。n4は0又は1を表し、m4は0〜4の整数を表し、k4は1〜4の整数を表す。m4が2以上の場合、R44はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z4の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R45)−、−C(O)−O−、−C(R46)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化18で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR45及びR46は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。
Figure 0004496039
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。上記一般式で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものでは無い。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
Figure 0004496039
Figure 0004496039
上記一般式で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R41及びR42が水素原子でR43が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、連結基としては複素環を含むものが好ましくk4は1〜4の整数、m4は0〜4の整数、n4は0又は1であるものが好ましい。
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるバインダーポリマーは、上述したカルボキシル基を有するモノマー及び側鎖に重合性二重結合を有するモノマー以外にも共重合体中に他のモノマー成分を導入して多元共重合体として合成、使用することが出来る。こうした場合に共重合体中に組み込むことが出来るモノマーとして、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用することが出来る。これらのモノマーの共重合体中に占める割合としては、先に述べた共重合体組成中に於ける側鎖に重合性二重結合を有するモノマーおよびカルボキシル基含有モノマーの好ましい割合が保たれている限りに於いて任意の割合で導入することが出来る。
上記のような重合体の分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量で1000から100万の範囲であることが好ましく、さらに1万から30万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられる側鎖にビニルフェニル基を有し、かつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有する共重合体の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 0004496039
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Figure 0004496039
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上記の例以外のバインダーポリマーの例としてはフェノール性水酸基を有するポリマーが挙げられ、ポリビニルフェノール、フェノール樹脂、ポリヒドロキシベンザール等も用いる事が出来る。
上述したバインダーポリマーの感光性組成物における含有比率は、感光性組成物の全組成物に対して10〜90質量%が適当であり、20〜80質量%の範囲が好ましく、特に30〜70質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光性組成物は、可視光から赤外光の各種光源に対応できるように、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し、前述の光ラジカル発生剤を分光増感する増感色素を併せて含有することが好ましい。このような増感色素として、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、クマリン、ポリフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、スクアリリウム化合物、ピリリウム化合物が挙げられ、更に、欧州特許第0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同5,227,227号に記載の化合物も用いることができる。
可視光(400〜700nm)に吸収を有する増感色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004496039
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近年、400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザーを搭載した出力機が開発されている。この出力機は、最大露光エネルギー量が数十μJ/cm2程度で、用いられる感光材料も高感度が要求される。本発明の感光性組成物は、上記した増感色素を組み合わせて用いる事によってこの出力機への対応を可能にした。上記した増感色素の中でも、青色半導体レーザー用としてはピリリウム系化合物又はチオピリリウム系化合物が好ましい。
また、本発明の感光性組成物は、近赤外〜赤外光、即ち700nm以上、更に750〜1100nmの波長領域のレーザー光を用いた走査露光に対しても極めて好適に用いられる。このような近赤外に増感する為に用いられる増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 0004496039
Figure 0004496039
上記で例示した増感色素の対アニオンを、前述した有機ホウ素アニオンに置換した増感色素も同様に用いる事が出来る。
上記で例示した増感色素の含有量は、前述した光ラジカル発生剤に対して1〜60質量%の範囲が適当であり、好ましくは2〜50質量%の範囲である。
本発明の感光性組成物は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。例えば、保存性を向上させる目的で、ヒンダードフェノール化合物やヒンダードアミン化合物を添加することが好ましく行われる。
感光性組成物を構成する要素として、他に、画像の視認性を高める目的で種々の染料、顔料を添加することや、感光性組成物のブロッキングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
本発明の感光性組成物は、平版印刷版の感光層として好ましく用いることができる。この場合の感光層自体の厚みは、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばポリエステルフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を平版印刷版として使用する為には、これに密着露光或いはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋する事でアルカリ性現像液に対する溶解性が低下する事から、後述するアルカリ性現像液により非露光部を溶出する事でパターン形成が行われる。
アルカリ性現像液としては、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現像液が良好に非露光部を選択的に溶解し、下方の支持体表面を露出出来る為極めて好ましい。更に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加する事も好ましく行われる。
現像液には更にアニオン性の界面活性剤を含有するのが好ましく、これによって一段と溶出性が改良される。かかるアニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられるが、これらの中でもアルキルナフタレンスルホン酸塩が好ましい。アニオン性界面活性剤の含有量は、現像液1リットル当たり1〜50gの範囲が好ましく、特に3〜30gの範囲が好ましい。
上記したアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアガム、デキストリン類等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
次に、本発明に用いられる一般式1及び2で示される代表的な化合物の合成例を以下に示す。
合成例1(O−17の合成例)80gの2−n−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾールを1.6Lのメタノールに溶解し、60.6gのトリエチルアミン、66.8gのp−クロロメチルスチレンを加え、1時間加熱環流した。その後室温まで冷却して析出した結晶を濾取した。ロート上、メタノール約400mlで洗浄を行い、真空乾燥器内で1昼夜乾燥する事で収率72%で目的物を得た。融点57〜58℃。
合成例2(T−6の合成例)10gの1−(3、4−ジクロロフェニル)−5−メルカプト−テトラゾールを200mLのメタノールに溶解し、6.1gのトリエチルアミン、6.8gの4−クロロメチルスチレンを加え、室温下1時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。ロート上、メタノール約20mlで洗浄を行い、真空乾燥器内で1昼夜乾燥する事で収率47%で目的物を得た。融点79〜80℃。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものでは無い。
厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液を乾燥厚みが4.0ミクロンになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて6分間乾燥を行った。
<感光性塗工液>
下記の表1で示す一般式1又は2の化合物 3質量部
バインダーポリマー(P−1;質量平均分子量約9万) 12質量部
光ラジカル発生剤(BC−4) 1質量部
多官能重合性モノマー(ペンタエリスリトールトリアクリレート) 3質量部
増感剤(S−34) 0.5質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
上記感光性塗工液の一般式1又は2の化合物の種類を変化して、各種感光材料を作成した。
耐傷性の評価は、HEDON−18針圧計を用いて0.5Rmmのサファイヤ針で0〜100gの連続荷重で引っ掻き、傷が見え始める荷重(g)を目視にて評価を行った。
上記のようにして作成した感光材料(平版印刷版材料)を、830nmに発光する半導体レーザーを搭載したイメージセッター[大日本スクリーン製造(株)製、PTR−4000]を使用して、2400dpi、ドラム回転速度1000rpm、版面露光エネルギー100mJ/cm2で露光を行った。
<現像液>
N−メチルエタノールアミン 35g
リン酸(85%溶液) 10g
水酸化カリウム pHを11.6に調整する量
アルキルナフタレンスルホン酸Na(35%溶液) 30g
ジエチレントリアミン5酢酸 1g
水で 1L
pHは11.6(25℃)
溶出性は上記アルカリ性現像液で30℃、15、20、25、30秒間現像を行ったとき、非画像部が完全に残っている;×、僅かに残っている;△、完全に無くなっている;○で評価した。画像部においては全ての感光材料において、塗膜の硬化が得られ、高感度の感光材料が得られている事が分かる。
Figure 0004496039
上記表中R−1はN−ビニルピロリドン、R−2は下記に示す化合物、R−3はビニルイミダゾールである。
Figure 0004496039
また上記表1に示した結果より明らかなように、一般式1又は2で示された化合物を含有する本発明の感光材料は広い現像時間でレリーフ画像が得られる事が分かる。
上記の感光材料について溶出性が○となったものについて印刷版としての性能を評価した。オフセット印刷機[リョービ(株)製;Ryobi560]に取り付け、インキ[大日本インキ化学工業(株)製;FINE INKニューチャンピオン墨(N)]及び湿し水[(株)日研化学研究所製;アストロマークIIIの1%水溶液]を用いて印刷を行い、、耐刷力を評価した。耐刷力は、印刷画質が変化しない最大の印刷枚数で評価した。その結果、25秒現像を行った感光材料8では6万枚程度、30秒現像を行った感光材料8,9、10及び11ではそれぞれ4万枚程度、4万枚程度、2万枚程度及び5万枚程度、その他では、いずれも15万枚以上の印刷が可能であった。
実施例1の感光材料3と7に於いて、バインダーポリマー(P−1)の代わりにP−10、P−13、あるいはアリルメタクリレート/メタクリル酸(質量比83/17)共重合体(質量平均分子量約10万)を用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果、P−10及びP−13を用いた感光材料は実施例1と同様な結果が得られた。アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を用いた感光材料もほぼ同程度の性能が得られたが、耐刷力が10万程度で若干劣った。
本発明の活用例として、走査露光用の印刷版が挙げられる。従来よりも現像条件の安定性が充分に得られない、また現像前に傷の付きやすい条件でも安定した品質の印刷版を得る事が出来る。

Claims (1)

  1. 重合性二重結合を1個のみ有する、下記一般式1で表されるオキサジアゾール誘導体、下記一般式2で表されるテトラゾール誘導体及び下記一般式3で表されるテトラゾール誘導体の中の少なくとも1種と、光ラジカル発生剤を含有することを特徴とする感光性組成物。
    Figure 0004496039
    (R は重合性二重結合を有する基を表し、R は水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基を表す。X 、X は連結基を表すが、これらの連結基は存在しなくてもよい。)
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