JP2001075277A - 感光性組成物および感光性平版印刷版材料 - Google Patents

感光性組成物および感光性平版印刷版材料

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JP2001075277A
JP2001075277A JP25116299A JP25116299A JP2001075277A JP 2001075277 A JP2001075277 A JP 2001075277A JP 25116299 A JP25116299 A JP 25116299A JP 25116299 A JP25116299 A JP 25116299A JP 2001075277 A JP2001075277 A JP 2001075277A
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photosensitive
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photosensitive composition
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Akira Furukawa
彰 古川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性組成物として高感度であり、更に印刷性
に優れた平版印刷版を与える。 【解決手段】側鎖にメルカプト基を結合した複素環基を
有する重合体および光酸発生剤から構成されることを特
徴とする感光性組成物およびこれを用いた平版印刷版材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はネガ型感光性組成物
に関し、更にこれを利用した感光性平版印刷版材料に関
する。更に詳しくは、レーザーを用いて画像形成可能な
感光性組成物および感光性平版印刷版材料に関する。ま
た、特に近赤外光の波長範囲にある光に感度を有するネ
ガ型の感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性組成物は、光反応(紫外光や可視
光の照射)によって分子構造が化学変化を起こし、その
結果、物理現象(物性)に変化が生じる。この光の作用
による化学変化としては、架橋・重合・分解・解重合・
官能基変換などがあり、溶解度・接着性・屈折率・物質
浸透性および相変化など多様である。このような感光性
組成物は、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、
カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。
さらに、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いる
フォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォト
レジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもの
で、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計
が必要となっている。
【0003】広く用いられているタイプの平板印刷版
は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜
を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、
露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。こ
のような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表
面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、
親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと
湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インク
が親油性表面を有するパターン上に選択的に転移するこ
とを利用するものである。パターン上に転移したインク
はその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、こ
れから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
【0004】現在、平版印刷分野において主流となって
いる印刷版は、アルミニウムを支持体とする感光性樹脂
層を設けたPS版(Presensitized Plateの略)であ
る。PS版にはネガ型およびポジ型の2種があり、ネガ
型は露光部が硬化し、現像液により露光部を残し未露光
部を溶解除去することで親水性表面を有するアルミニウ
ム支持体上に、露光パターンに応じた形で、親油性表面
を有する硬化した被膜を形成するものである。ポジ型は
逆に露光部が現像液に対して可溶性を示すことで未露光
部分が露光パターンに応じて選択的にアルミニウム支持
体表面に被膜を形成するものである。
【0005】上記のようなPS版を作成するための材料
としては、例えば、米沢輝彦著、「PS版概論」(印刷
学会出版部発行)や永松元太郎・乾 英夫著、「感光性
高分子」(講談社発行)、あるいは山岡亜夫・永松元太
郎著、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業発
行)に詳しく述べられている。
【0006】上記のようなPS版を使用して印刷版を作
成するためには、従来より行われている方法は、作成し
た原稿を銀塩写真フィルムに焼き付け、フィルム原稿を
作成し、適当な光源を備えた密着プリンターによりフィ
ルム原稿を通して露光を行い上記のような原理で支持体
表面に印刷パターンを形成するものである。
【0007】近年、コンピューターの進歩によりデジタ
ル化された原稿データをレーザービームを用いてフィル
ムを介在させずに印刷版に直接画像露光を行う各種CT
Pシステムが各社から提案されており、一部実用化が進
んでいる。例えば、特開平7−20629号、同7−2
71029号明細書等には、レゾール樹脂、ノボラック
樹脂、赤外線吸収剤、酸発生剤を基本的に含む感光性層
を有する平版印刷版が開示されている。この平版印刷版
は例えば高出力半導体レーザー等により露光し、感光性
層中の赤外線吸収剤が光熱変換を行うことで露光部を局
所的に高温に至らしめ、この際酸発生剤が発生する酸に
よりレゾール樹脂およびノボラック樹脂からなる樹脂層
の現像液に対する溶解性が架橋等により変化することを
利用したものである。ネガ型処理では、こうした方式を
用いる場合に露光後に版面を加熱処理することが上記明
細書中に記載されており、露光部に発生した強酸による
レゾール樹脂・ノボラック樹脂間の架橋を促進させる上
で必要とされる工程であるが、加熱される温度により露
光部/未露光部の溶解性の差が一定に保たれず、例えば
十分な加熱が行われなければ現像液により露光部まで溶
解する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未露光
部が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等の問
題点がある。
【0008】CTPシステムの別の例として、例えば特
開平7−314934号、特開平8−48018号に記
載されるようなレーザーアブレーションを利用した平版
印刷版作成方法や、特開平8−305007号のような
同じくフレキソグラフ印刷版の形成方法等が示されてい
るが、こうしたアブレーションを生じさせるために必要
な露光エネルギーを与えるためにはYAGレーザーのよ
うに極めて高出力のレーザーを使用する必要がある。現
在のところこうしたレーザーは寿命が短く、かつ高価で
あり、さらにはアブレーションにより飛散するカスの除
去が問題となっている。
【0009】重合性モノマーを含む光重合反応を利用し
たレーザー露光可能なCTP印刷版の例として、例えば
清水茂樹、「印刷雑誌」78巻、9頁、1995年等に
解説がなされている。この方式はラジカル発生剤と光増
感色素を組み合わせた上記2種のCTPシステムと比較
して高感度の印刷版を与えるが、材料の保存性、感度等
に安定性、長期保存性を確保することが困難であるなど
の問題があった。
【0010】さらに高感度のCTPシステム用平版印刷
版材料として、銀錯塩拡散転写方式を利用したアルミニ
ウムを支持体とする印刷版の例が挙げられ、例えば特開
平5−265216号、同5−313206号、特開平
7−56345号、同7−56347号、特開平9−6
005号明細書等に記載されるような、物理現像核を担
持したアルミニウム支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設
けた構成からなる高感度平版印刷版材料についてもその
有効性が示されている。こうした銀塩写真方式を利用し
た平版印刷版は安価な低出力レーザーで十分な露光感度
を有し、かつ解像度が高いというメリットを有するが、
現像工程において現像液pHや液温度の管理が重要であ
り、かつ高感度であるが故に版材を暗室中で扱わざるを
得なく、ハンドリングの点で問題があった。
【0011】光源として、従来から利用されるハロゲン
ランプ、タングステンランプ、水銀ランプ、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプ、カーボンアーク、ナトリ
ウムランプ等に加えて、ヘリウムネオンレーザー、アル
ゴンレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー等が特
にデジタル画像出力用光源として盛んに利用されるよう
になっている。これらの内でも特に半導体レーザーは高
出力化、長寿命化、低価格化が進みつつあり、特に好ま
しい露光光源として挙げられる。
【0012】上記のような半導体レーザーを利用し、デ
ジタル画像を形成するための感光性組成物の例として、
特開平10−90885号、同9−127694号、同
9−138500号等が挙げられ、特に平版印刷版とし
ての用途に関しては、特開平7−20629号、同27
1029号、同9−244226号明細書等に記載され
る例が挙げられる。これらの内、平版印刷版に関する明
細書については、フェノール樹脂、赤外線吸収剤、酸発
生剤を基本的に含む感光性層を有する平版印刷版が開示
されている。こうした平版印刷版は例えば高出力半導体
レーザー等により露光し、光酸発生剤から発生する酸に
よりフェノール樹脂の現像液に対する溶解性が架橋等に
より変化することを利用したものである。ネガ型処理で
は、こうした方式を用いる場合に露光後に版面を加熱処
理することが上記明細書中に記載されており、露光部に
発生した強酸によるフェノール樹脂の架橋を促進させる
上で必要とされる工程であるが、加熱される温度により
露光部/未露光部の溶解性の差が一定に保たれず、例え
ば十分な加熱が行われなければ現像液により露光部まで
溶解する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未露
光部が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等の
問題点がある。更には、長期にわたる保存性や特に高温
条件下での保存により、感光層が自然硬化する問題や、
感度低下を来すといった保存性に問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光材料と
して高感度であり、かつ保存性が良好で、感光波長域が
広く選択できることから種々のレーザーを含めた光源が
利用できる感光性組成物を与えることを課題とする。さ
らに、画質、耐刷力に優れたアルカリ水性現像液で現像
が可能な平版印刷版材料を与えることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は側鎖にメルカ
プト基を結合した複素環基を有する重合体および光酸発
生剤から構成されることを特徴とする感光性組成物を使
用することで基本的には達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】側鎖にメルカプト基を結合した複
素環基を有する重合体の好ましい例としては、下記一般
式化1、化2または化3で示される繰り返し単位を含む
重合体が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】化1中、R1は水素原子またはメチル基を
表し、X1は含窒素複素環基を表す。L1はX1と重合体
主鎖を連結するための任意の連結基を表し、nは1また
は2を表す。
【0018】
【化2】
【0019】化2中、X2は含窒素複素環基を表す。L2
はX2と重合体主鎖を連結するための任意の連結基を表
し、mは1または2を表す。
【0020】
【化3】
【0021】化3中、X3は含窒素複素環基を表す。L3
はX3と重合体主鎖を連結するための任意の連結基を表
し、pは1または2を表す。
【0022】上記に於いて含窒素複素環基とは、ピロー
ル環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール
環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾー
ル環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾ
ール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、イン
ドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベ
ンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチ
アゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾ
ール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピ
ラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環
等が挙げられ、これらにはメルカプト基以外の置換基が
結合していても良い。
【0023】上記の含窒素複素環基にはメルカプト基が
直接結合しており、さらに重合体主鎖と該含窒素複素環
基を連結するための連結基としては任意のものが使用で
きるが、好ましい例としてはアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基、COO基、NHCOO基、NHC
OOC2H4基、CONH基或いは化4で示されるよう
な基等の2価の連結基が挙げられる。
【0024】
【化4】
【0025】化4中、R2は水素原子またはアルコキシ
基を表す。
【0026】化1〜化3に示すような繰り返し単位を有
する重合体の合成については、特開平8−184967
号、同8−184969号、同8−211614号公報
あるいは後述する合成例に示すように、対応するモノマ
ーの重合により、或いはメルカプト基を結合した含窒素
環化合物と前駆体ポリマーとの間の高分子反応により容
易に合成することが出来る。前駆体ポリマーに反応性基
を導入しておき、これと反応することで前駆体ポリマー
に結合する別の反応性基を含窒素複素環基が含むことが
必要であり、こうした反応性基の組み合わせとしては、
水酸基とアルデヒド基(アセタール化)、アミノ基とア
ルデヒド基(シッフ塩基形成)、アミノ基とカルボキシ
ル基(アミド結合形成)、水酸基とカルボキシル基(エ
ステル化)、カルボキシル基とグリシジル基(付加)、
その他多種多様の結合方法によって前駆体ポリマーに含
窒素複素環基を結合することが可能である。あるいは別
の方法として、予めメルカプト基を結合した含窒素複素
環基を有するモノマーを合成し、メルカプト基に対する
適当な保護基を結合するか或いは強アルカリ下で重合を
行うことでも通常のラジカル重合の手法を用いて合成す
ることも可能である。こうした場合のモノマーの好まし
い例を化5〜化7に示す。後述する合成例の中で具体的
な方法を例示する。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】上記のメルカプト基を結合した含窒素複素
環基を含む繰り返し単位以外にも、他の官能基を有する
繰り返し単位を含むことも好ましく、これらは前駆体ポ
リマーの合成時あるいは、メルカプト基(保護されてい
ても良い)を結合した含窒素複素環モノマーとの共重合
の際に導入することが出来、こうした共重合モノマーの
例としては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒド
ロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボ
キシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチ
レン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル
酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル
類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチ
レングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポ
リエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリ
プロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキ
シ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2
−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルア
ミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、
或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタク
リル酸エステルと同様の例、或いは、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエス
テルのようなカルボキシ基を有するモノマー類、アリル
アミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、
或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホ
ン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、
スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスル
ホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2
−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、
或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4
−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイ
ミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビ
ニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエ
チルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒ
ドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドも
しくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニト
リル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒド
ロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸
ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロ
イルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、
ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート
等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用するこ
とが出来る。
【0031】メルカプト基を結合した含窒素複素環基を
側鎖に有する重合体として、特にアルカリ水溶液に可溶
性を有するものが好ましく、この場合には重合体中にカ
ルボキシ基やフェノール性水酸基をさらに含むことが極
めて好ましく行われる。或いは、エチレンオキシ基を導
入した該重合体についても同様にアルカリ性現像液を使
用して現像を行う場合に良好な溶解性を示すため好まし
い。このような置換基を該重合体中に導入するために
は、上記の例に挙げたモノマーのうち、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエ
ステル、4−カルボキシスチレン等のようなカルボキシ
基を有するモノマー類や4−ヒドロキシスチレン、4−
ヒドロキシフェニルアクリルアミド、ヒドロキシフェニ
ルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、或いはメタクリル酸メトキシジエチレングリコール
モノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリ
コールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメ
タクリル酸エステル類等を共重合モノマーとして前駆体
ポリマー或いは共重合体の合成の際に好ましく使用する
ことが出来る。また、これらの共重合体中に於けるこれ
らのモノマーの割合は、99モル%以下、更に好ましく
は90モル%以下の割合で含むことが好ましい。特に好
ましい該重合体の例を化8〜化10に示す。式中、数字
は重量部を表す。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】上記のような重合体の分子量については好
ましい範囲が存在し、重量平均分子量で1000から1
00万の範囲であることが好ましく、さらに1万から2
0万の範囲にあることが特に好ましい。
【0036】上記のような重合体中に含まれるメルカプ
ト基を結合した含窒素複素環を有する繰り返し単位の割
合についても好ましい範囲が存在し、重合体中に少なく
とも1モル%以上含まれていることが必要であり、好ま
しくは10モル%以上含まれている場合に光照射部にお
いて効果的に架橋が生じ、ネガ画像を与える。さらに、
アルカリ可溶性であるためには90モル%以下の割合で
含まれることが好ましく、重合体中に含まれる好ましい
割合としては10〜90モル%の範囲である。
【0037】該メルカプト基を結合した含窒素複素環基
を側鎖に有する重合体とともに他のバインダー樹脂を併
せて使用することも好ましく行われる。バインダー樹脂
としては、様々な樹脂が使用できるが、露光部において
現像液の溶解性が低下するため本発明で得られる感光性
組成物は一般にネガ型の感光体を与えるものである。未
露光部を現像液により溶出する際に、現像液としては水
性現像液を使用することが好ましく、このためにはバイ
ンダー樹脂としては水性現像液に可溶性を有する樹脂を
使用することが極めて好ましい。こうした樹脂の例とし
ては、側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基等の酸基を
有する重合体や水酸基或いはフェノール性水酸基を有す
る樹脂が好ましく使用され、水性現像液としてはアルカ
リ性水溶液が好ましく使用される。特にアクリル系共重
合体樹脂として各種(メタ)アクリル系モノマーとアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸等の酸基を有するモノマーとの共重合
体樹脂や、ポリビニルフェノール、フェノール樹脂、ポ
リヒドロキシベンザール樹脂等が極めて好ましい例とし
て挙げることが出来る。
【0038】本発明に係わる更にもう一つの好ましい様
態は、該メルカプト基を結合した含窒素複素環基を側鎖
に有する重合体とともに重合性二重結合を有するモノマ
ーを含んでなる感光性組成物である。この場合も、光照
射部に於いて発生するラジカルによってモノマーが重合
し、硬化することでネガ型の感光体を与えることにな
る。この場合に使用できる好ましいモノマーとしては、
ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ラウリ
ルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、イソノルボル
ニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノ
キシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−メ
トキシエチルアクリレート等の単官能アクリル系モノマ
ーや、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシア
ヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グ
リセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
【0039】上記のような重合性モノマーを含む場合に
於いて、該メルカプト基を結合した含窒素複素環基を側
鎖に有する重合体とモノマーの比率は、重量比で各々1
対0.1〜0.1対1の範囲で含まれることが極めて好
ましく、更には、アルカリ可溶性樹脂として例えば、ア
クリル系共重合体樹脂として各種(メタ)アクリル系モ
ノマーとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、フマル酸、マレイン酸等の酸基を有するモノマ
ーとの共重合体樹脂や、ポリビニルフェノール、フェノ
ール樹脂、ポリヒドロキシベンザール樹脂等を含んでな
る感光性組成物も好ましい例として挙げられる。こうし
たアルカリ可溶性樹脂を併せて含む場合には、アルカリ
可溶性樹脂(A)と該モノマー(B)及び該メルカプト
基を結合した含窒素複素環基を側鎖に有する重合体
(C)の各々の比率は(A):(B)=1:0.1〜
0:1及び(B):(C)=1:0.1〜0.1:1の
範囲で含まれる場合が極めて好ましい。
【0040】本発明に係わる光酸発生剤の好ましい例と
しては、オニウム塩として、ジアゾニウム塩、ヨードニ
ウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩や、或いはト
リハロメチル置換されたトリアジン誘導体およびオキサ
ジアゾール誘導体、またはニトロベンジルエステル誘導
体、アリールスルホン酸エステル誘導体および鉄アレー
ン錯体等が挙げられる。これらの内で好ましい光酸発生
剤の例を化11および化12に示すが、特に好ましい例
はハロアルキル置換されたs−トリアジン誘導体であ
る。
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】或いは、上記のハロアルキル置換されたs
−トリアジン誘導体として特に、ハロアルキル置換され
たトリアジン基を側鎖に有する重合体を使用すること
で、先に述べたメルカプト基を結合した含窒素複素環基
を側鎖に有する重合体と組み合わせて使用することで、
さらに感度が上昇するとともに、硬化性が向上するため
極めて好ましく使用出来る。ここでハロアルキル置換さ
れたトリアジン基を側鎖に有する重合体とは、任意の連
結基を介して重合体に結合したハロアルキル置換トリア
ジン誘導体を含むものであり、具体的には化13で示さ
れる官能基を側鎖に有する重合体である。
【0044】
【化13】
【0045】化13中、L4は重合体とハロアルキル置
換トリアジン基を結合するための任意の連結基で、ハロ
アルキル置換トリアジン基がL4を介さずに直接重合体
に結合していても良い。Xは塩素原子または臭素原子を
表し、n、mは0、1または2を表す。
【0046】化13で示されるような置換基を有する重
合体のより具体的な例として、化14及び化15に示さ
れるような繰り返し単位を有する重合体が好ましい例と
して挙げられる。これらの内で特にスチリル基を中間に
介して重合体に結合した繰り返し単位を有する重合体
(r−1、r−2,r−4,r−5、r−6,r−7)
等が特に感度が高く好ましい。
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】上記のような重合体を合成するには、先に
述べたメルカプト基を結合した含窒素複素環基を有する
重合体の合成方法と同様にして得ることが出来る。即
ち、前駆体となる重合体を予め合成しておき、これにハ
ロアルキル置換されたトリアジン誘導体を結合させる方
法と、重合性基を導入したハロアルキル置換トリアジン
誘導体を重合する方法の二種類が挙げられる。前駆体と
なる重合体との反応によりトリアジン誘導体を結合する
場合に於いては、前駆体重合体に反応性基を導入してお
き、これと反応することで前駆体重合体に結合する別の
反応性基をトリアジン誘導体が含むことが必要であり、
こうした反応性基の組み合わせとしては、水酸基とアル
デヒド基(アセタール化)、アミノ基とアルデヒド基
(シッフ塩基形成)、アミノ基とカルボキシル基(アミ
ド結合形成)、水酸基とカルボキシル基(エステル
化)、カルボキシル基とグリシジル基(付加)、その他
多種多様の結合方法によって前駆体重合体にトリアジン
誘導体を結合することが可能である。
【0050】一方、重合性基として特にビニル基等のラ
ジカル重合性基を含むトリハロアルキル置換されたトリ
アジン誘導体の例を化16に示すが、これらの例に見ら
れるような種々の重合性基を有するトリアジン誘導体モ
ノマーを重合することでも該重合体を合成することも出
来る。これらの内で特にスチリル基を中間に介して重合
性二重結合を有するモノマー類(M−2,M−3,M−
4,M−5,M−6,M−7等)が先に述べたように重
合体とした場合に高感度であるため好ましい。
【0051】
【化16】
【0052】上記何れの方法によっても目的とするハロ
アルキル置換トリアジンを側鎖に有する重合体を得るこ
とが出来るが、重合体中に含まれるトリアジン誘導体基
の好ましい割合は、該重合体の全繰り返し単位中におい
て1モル%以上含まれることが好ましく、さらには10
モル%以上含まれることが更に好ましい。
【0053】上記のハロアルキル置換トリアジン誘導体
基を含む繰り返し単位以外にも、他の官能基を有する繰
り返し単位を含むことも好ましく、これらは前駆体重合
体の合成時あるいは、トリアジン誘導体モノマーとの共
重合の際に導入することが出来、こうした共重合モノマ
ーの例としては、スチレン、4−メチルスチレン、4−
ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カ
ルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチル
スチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メ
タクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタク
リル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステ
ル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエ
チレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシ
ポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポ
リプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオ
キシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸
2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチル
アミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル
類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメ
タクリル酸エステルと同様の例、或いは、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステルのようなカルボキシ基を有するモノマー類、ア
リルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー
類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルス
ルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその
塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等の
スルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジ
ン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N
−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマ
ー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーと
して4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビ
ニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、
4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いは
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリル
アミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、
ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−
ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミド
もしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒ
ドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、また
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリ
ロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコー
ル、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレ
ート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用す
ることが出来る。
【0054】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体として、特にアルカリ水溶液に
可溶性を有するものが好ましく、この場合には重合体中
にカルボキシ基やフェノール性水酸基をさらに含むこと
が極めて好ましく行われる。或いは、エチレンオキシ基
を導入した該重合体についても同様にアルカリ性現像液
を使用して現像を行う場合に良好な溶解性を示すため好
ましい。このような置換基を該重合体中に導入するため
には、上記の例に挙げたモノマーのうち、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステル、4−カルボキシスチレン等のようなカルボキ
シ基を有するモノマー類や4−ヒドロキシスチレン、4
−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、ヒドロキシフェ
ニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、或いはメタクリル酸メトキシジエチレングリコール
モノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリ
コールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメ
タクリル酸エステル類等を共重合モノマーとして前駆体
ポリマー或いは共重合体の合成の際に好ましく使用する
ことが出来る。また、これらの共重合体中に於けるこれ
らのモノマーの割合は、99モル%以下、更に好ましく
は90モル%以下の割合で含むことが好ましい。特に好
ましい該重合体の例を化17に示す。化17中、数字は
重量部を表す。
【0055】
【化17】
【0056】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体の分子量としては重量平均分子
量で1000以上100万以下であることが好ましい。
更に好ましい範囲は、1万から20万の範囲である。
【0057】本発明に係わる感光性組成物中に、先に挙
げたような光酸発生剤とともに可視光から近赤外光の領
域に吸収を有する色素を添加することで該感光性組成物
および感光性平版印刷版材料を可視光〜近赤外領域の何
れかの波長範囲に感光性を持たせることが出来る。こう
した目的で使用される色素の好ましい例としては、シア
ニン、メロシアニン、ローダニン、クマリン、ポルフィ
リン系色素等が好ましい例として挙げられる。特に近赤
外光領域で高出力半導体レーザー等を使用する場合の色
素としては上記のような例に加えてスクアリリウム色
素、ピリリウム色素、ジチオベンジルニッケル錯体ある
いはカーボンブラック、フタロシアニン類等が挙げられ
る。好ましく使用される色素の例を化8および化9に示
す。
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】本発明による感光性組成物を構成する各要
素について説明を行ったが、それぞれの要素が感光層中
に占める割合については好ましい範囲が存在する。該含
窒素複素環基を有する重合体100重量部に対し、光酸
発生剤の好ましい割合は1重量部から50重量部の範囲
であり、さらに好ましい範囲は1重量部から20重量部
の範囲である。色素の好ましい割合は0.1重量部から
20重量部の範囲であり、さらに好ましい範囲は1重量
部から10重量部の範囲である。
【0063】感光性組成物を構成する要素については上
述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有
することも出来る。画像の視認性を高める目的で種々の
染料、顔料を添加することや、感光性組成物のブロッキ
ングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微
粒子を添加することも好ましく行われる。さらには感光
層を保護する目的等で感光層に隣接する形で別の層を設
けても良い。
【0064】平版印刷版材料として使用する場合の感光
層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンか
ら10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ま
しく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であるこ
とが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。
感光層は上述の要素を混合した溶液を作成し、公知の種
々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支
持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙
を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨さ
れ、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
【0065】上記のようにして支持体上に形成された感
光層を有する材料を印刷版として使用するためには、こ
れに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光さ
れた部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶
解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液に
より未露光部を溶出することでパターン形成が行われ
る。
【0066】アルカリ性現像液としては、本発明に係わ
る重合体を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ま
しくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸
カリウム等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現
像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体
表面を露出出来るため極めて好ましい。こうしたアルカ
リ現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアゴム
等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
【0067】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
【0068】合成例1(化8中SP−2の合成例) p−クロロメチルスチレン(セイミケミカル社製)およ
びp−ヒドロキシベンズアルデヒドを炭酸カリウムとと
もにエタノール中で6時間加熱還流して合成し、エタノ
ールから再結晶することで得られた4−ビニルベンジロ
キシベンズアルデヒドを使用し、これを70gおよびメ
タクリル酸30gを1,4−ジオキサン200gに溶解
し、窒素導入管、温度計、還流管、攪拌機を備えた50
0mlの4つ口丸底フラスコ内に移し、水浴上で内温6
5℃に保ち、開始剤としてアゾビスジメチルバレロニト
リル(和光純薬製V−65)を1g添加することで重合
を開始した。6時間加熱攪拌を続けた後、2−アミノ−
5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール39gお
よびジメチルホルムアミド100mlを添加して、内温
85℃で3時間加熱攪拌を行った。反応系を室温まで冷
却後、全体を3リッターの蒸留水中に移し、析出した沈
殿をデカンテーションにより回収し、乾燥させた。GP
CによりTHFを溶離液に使用して分子量測定を行い、
ポリスチレン換算で重量平均分子量10万であった。ま
た、H−nmr測定によりアルデヒド基に基づくプロト
ンの吸収は消失しており、化8中SP−2で示した構造
であると推定した。
【0069】合成例2(化9中SP−5の合成例) 特開平8−184967号公報合成例2に記載の方法に
よりp−クロロメチルスチレンとビスムチオールから合
成された化5中m−1で示されるモノマー70グラムと
メタクリル酸30gを水酸化カリウム50グラムを溶解
したエタノール400gに溶解し、窒素導入管、温度
計、還流管、攪拌機を備えた1リッターの4つ口丸底フ
ラスコ内に移し、水浴上で内温65℃に保ち、開始剤と
してアゾビスジメチルバレロニトリル(和光純薬製V−
65)を1g添加することで重合を開始した。6時間加
熱攪拌を続けた後、反応系を室温まで冷却後、全体を2
リッターの蒸留水中に移し、濃塩酸をpH2になるまで
徐々に加え、析出した沈殿をデカンテーションにより回
収し、乾燥させた。GPCによりTHFを溶離液に使用
して分子量測定を行い、ポリスチレン換算で重量平均分
子量13万であった。また、H−nmr測定により、化
9中SP−5で示した構造であると推定した。
【0070】実施例1 上記合成例1で得られた重合体(SP−2)を使用し、
下記の処方による感光性組成液を作成し、ワイアバーを
使用して100ミクロン厚みのポリエステルフィルム上
に乾燥膜厚が3ミクロンになるよう塗設し、感光性フィ
ルムを作成した。 重合体(SP−2) 10重量部 光酸発生剤(T−8) 1重量部 ジオキサン 60重量部 DMF 30重量部
【0071】得られた感光性フィルムを高圧水銀ランプ
を光源とする感光計を使用して、220mWの光量で濃
度差0.15間隔のステップウェッジを有するマスクフ
ィルムを通して1秒間露光を行った。露光後すぐにメタ
珪酸ソーダを6重量%溶解した現像液を使用して現像を
行ったところ、約50mJ/cm2以上の露光量を与え
た部分が画像として残存し、レリーフパターンが形成さ
れた。
【0072】実施例2 実施例1で用いた感光性組成液を用いて、砂目立て処理
を行い陽極酸化アルミニウム板上に同様に塗布、乾燥を
行い感光性平版印刷版を作成した。実施例1と全く同様
にして、ステップウェッジおよび解像度パターンを有す
るネガフィルム原稿を通して露光を行い、直後に実施例
1と同様にして現像を行い、陽極酸化アルミニウム板上
にパターンが形成された。これをアラビアゴム水溶液で
表面をコートし平版印刷版として印刷試験に供した。印
刷機はリョービ3200(モルトン方式印刷機)を使用
し、インクはニューチャンピオン墨H(大日本インク
(株)製)を用い、湿し水は1%東邦エッチ液を使用し
て通常のオフセット印刷を行った。インク着肉性は刷り
はじめより良好で、かつ非画像部においては地汚れの発
生もなく良好な印刷物が得られ、耐刷性に関しては30
万部以上の良好な結果を得た。
【0073】実施例3 感光性組成液として以下の構成からなる液を使用した。 重合体(SP−5) 10重量部 光酸発生剤(化17中P−1) 3重量部 色素(S−6) 0.3重量部 ジオキサン 100重量部 DMF 10重量部
【0074】上記感光性組成液を実施例2と同様に陽極
酸化アルミニウム板上に乾燥膜厚が1.2μになるよう
塗布乾燥を行い感光性平版印刷版原板を作成した。これ
をドラムに巻き付け、830nmの発信波長を有する1
W出力の半導体レーザーを使用し、パルス露光を行い、
解像力テストパターンを印字した。感光性平版印刷版表
面上の露光エネルギーは50mJ/cm2であった。露
光後、感光性平版印刷版をドラムから取り出し、実施例
1と全く同様にして現像を行い平版印刷版を作成した。
現像後のプレート上には、10μ細線およびドットが明
瞭に再現されていることを光学顕微鏡観察および走査型
電子顕微鏡観察により確認した。実施例2と全く同様に
して印刷試験を行い、同様に良好な結果を得た。
【0075】実施例4 実施例3における感光性組成液処方に於いて、重合体を
化8中SP−3に変え、光酸発生剤を化11中T−1、
色素を化19中S−12に変えた以外は全く同様にして
実施例3と同様な実験を行い、同様に良好な結果を得
た。
【0076】実施例5 実施例3における感光性組成液処方に於いて、重合体を
化10中SP−10に変え、光酸発生剤を化17中P−
5、色素を化19中S−8に変えた以外は全く同様にし
て実施例3と同様な実験を行い、同様に良好な結果を得
た。
【0077】
【発明の効果】感光材料として高感度であり、感光波長
域が広く選択できることから種々のレーザーを含めた光
源が利用でき、さらに、画質、耐刷力に優れた平版印刷
版を与える。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖にメルカプト基を結合した複素環基
    を有する重合体および光酸発生剤から構成されることを
    特徴とする感光性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における該光酸発生剤がトリハ
    ロアルキル置換されたs−トリアジン化合物であること
    を特徴とする感光性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1における該光酸発生剤がトリハ
    ロアルキル置換されたs−トリアジン誘導体を側鎖に有
    する重合体であることを特徴とする感光性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3における該感光性組成物と
    して更に可視光から近赤外光の範囲に吸収を有する色素
    を併せて含むことを特徴とする感光性組成物。
  5. 【請求項5】 上記何れかの請求項における該感光性組
    成物を利用したことを特徴とする感光性平版印刷版材
    料。
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