JP2001033962A - 感光性組成物および感光性平版印刷版材料 - Google Patents

感光性組成物および感光性平版印刷版材料

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JP2001033962A
JP2001033962A JP11207132A JP20713299A JP2001033962A JP 2001033962 A JP2001033962 A JP 2001033962A JP 11207132 A JP11207132 A JP 11207132A JP 20713299 A JP20713299 A JP 20713299A JP 2001033962 A JP2001033962 A JP 2001033962A
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photosensitive
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photosensitive composition
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JP11207132A
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Akira Furukawa
彰 古川
Kunihiro Doi
邦博 土井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性組成物として高感度かつ保存性が良好で
あり、更に印刷性に優れた平版印刷版を与える。 【解決手段】ハロアルキル置換されたトリアジン基を側
鎖に有する重合体を含んでなることを特徴とする感光性
組成物およびこれを用いた平版印刷版材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性組成物に関
し、更にこれを利用した感光性平版印刷版材料に関す
る。更に詳しくは、レーザーを用いて画像形成可能な感
光性組成物および感光性平版印刷版材料に関する。更
に、感光性水溶性樹脂を使用したスクリーン用レジスト
や、カラーフィルター、蛍光体パターンの形成等に好適
な水溶性の感光性組成物に関する。また、特に近赤外光
の波長範囲にある光に感度を有するネガ型の感光性平版
印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性組成物は、光反応(紫外光や可視
光の照射)によって分子構造が化学変化を起こし、その
結果、物理現象(物性)に変化が生じる。この光の作用
による化学変化としては、架橋・重合・分解・解重合・
官能基変換などがあり、溶解度・接着性・屈折率・物質
浸透性および相変化など多様である。このような感光性
組成物は、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、
カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。
さらに、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いる
フォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォト
レジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもの
で、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計
が必要となっている。
【0003】光照射により酸を発生する光酸発生剤とこ
れを利用した種々の感光性組成物については多くの例が
挙げられる。光酸発生剤としては、芳香族ジアゾニウム
塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニ
ウム塩、鉄アレーン錯体、スルホン酸ニトロベンジルエ
ステル、ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステ
ル、トリハロメチルトリアジン誘導体、トリハロメチル
オキサジアゾール誘導体等が代表的な例として挙げられ
るが、中でもトリハロメチルトリアジン誘導体は高感度
な感光性組成物を与える点で優れた光酸発生剤と言え
る。
【0004】上記のような光酸発生剤として特にトリハ
ロメチルトリアジン誘導体と酸触媒架橋剤を組み合わせ
たネガ型感光性組成物の例として、例えば、特開平5−
88366号、同5−341522号、同7−1406
53号公報等に見られるように、光照射部において発生
する酸を利用し、ヘキサメトキシメチロールメラミン等
の架橋剤とフェノール樹脂等を組み合わせることで、露
光後に加熱処理を行うことで現像後にネガ型のレリーフ
像を与えるものである。同様に、光酸発生剤と酸硬化性
樹脂とを組み合わせたネガ型フォトレジストに関して
は、例えば特開昭62−164045号、特開平3−7
5652号、特開平5−181277号公報等に見られ
る例が挙げられるが、これらの問題点として保存安定性
が十分でない問題が挙げられている。保存安定性に係わ
る問題点としては、一つは未露光部部分の溶解性が経時
的に変化し、現像性が悪化する問題と、もう一つは、感
度が経時的に劣化するという二点が主な問題点であり、
解決方法として例えば架橋剤として使用するヘキサメト
キシメチロールメラミンの純度を高める方法等が提案さ
れているが、精製方法が煩雑であったり、工業的規模で
実施するには種々の問題が残されていた。
【0005】広く用いられているタイプの平板印刷版
は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜
を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、
露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。こ
のような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表
面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、
親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと
湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インク
が親油性表面を有するパターン上に選択的に転移するこ
とを利用するものである。パターン上に転移したインク
はその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、こ
れから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
【0006】現在、平版印刷分野において主流となって
いる印刷版は、アルミニウムを支持体とする感光性樹脂
層を設けたPS版(Presensitized Plateの略)であ
る。PS版にはネガ型およびポジ型の2種があり、ネガ
型は露光部が硬化し、現像液により露光部を残し未露光
部を溶解除去することで親水性表面を有するアルミニウ
ム支持体上に、露光パターンに応じた形で、親油性表面
を有する硬化した被膜を形成するものである。ポジ型は
逆に露光部が現像液に対して可溶性を示すことで未露光
部分が露光パターンに応じて選択的にアルミニウム支持
体表面に被膜を形成するものである。
【0007】上記のようなPS版を作成するための材料
としては、例えば、米沢輝彦著、「PS版概論」(印刷
学会出版部発行)や永松元太郎・乾 英夫著、「感光性
高分子」(講談社発行)、あるいは山岡亜夫・永松元太
郎著、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業発
行)に詳しく述べられている。
【0008】上記のようなPS版を使用して印刷版を作
成するためには、従来より行われている方法は、作成し
た原稿を銀塩写真フィルムに焼き付け、フィルム原稿を
作成し、適当な光源を備えた密着プリンターによりフィ
ルム原稿を通して露光を行い上記のような原理で支持体
表面に印刷パターンを形成するものである。
【0009】近年、コンピューターの進歩によりデジタ
ル化された原稿データをレーザービームを用いてフィル
ムを介在させずに印刷版に直接画像露光を行う各種CT
Pシステムが各社から提案されており、一部実用化が進
んでいる。例えば、特開平7−20629号、同7−2
71029号公報等には、レゾール樹脂、ノボラック樹
脂、赤外線吸収剤、酸発生剤を基本的に含む感光性層を
有する平版印刷版が開示されている。この平版印刷版は
例えば高出力半導体レーザー等により露光し、感光性層
中の赤外線吸収剤が光熱変換を行うことで露光部を局所
的に高温に至らしめ、この際酸発生剤が発生する酸によ
りレゾール樹脂およびノボラック樹脂からなる樹脂層の
現像液に対する溶解性が架橋等により変化することを利
用したものである。ネガ型処理では、こうした方式を用
いる場合に露光後に版面を加熱処理することが上記明細
書中に記載されており、露光部に発生した強酸によるレ
ゾール樹脂・ノボラック樹脂間の架橋を促進させる上で
必要とされる工程であるが、加熱される温度により露光
部/未露光部の溶解性の差が一定に保たれず、例えば十
分な加熱が行われなければ現像液により露光部まで溶解
する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未露光部
が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等の問題
点がある。
【0010】CTPシステムの別の例として、例えば特
開平7−314934号、特開平8−48018号公報
に記載されるようなレーザーアブレーションを利用した
平版印刷版作成方法や、特開平8−305007号のよ
うな同じくフレキソグラフ印刷版の形成方法等が示され
ているが、こうしたアブレーションを生じさせるために
必要な露光エネルギーを与えるためにはYAGレーザー
のように極めて高出力のレーザーを使用する必要があ
る。現在のところこうしたレーザーは寿命が短く、かつ
高価であり、さらにはアブレーションにより飛散するカ
スの除去が問題となっている。
【0011】重合性モノマーを含む光重合反応を利用し
たレーザー露光可能なCTP印刷版の例として、例えば
清水茂樹、「印刷雑誌」78巻、9頁、1995年等に
解説がなされている。この方式はラジカル発生剤と光増
感色素を組み合わせた上記2種のCTPシステムと比較
して高感度の印刷版を与えるが、材料の保存性、感度等
に安定性、長期保存性を確保することが困難であるなど
の問題があった。
【0012】さらに高感度のCTPシステム用平版印刷
版材料として、銀錯塩拡散転写方式を利用したアルミニ
ウムを支持体とする印刷版の例が挙げられ、例えば特開
平5−265216号、同5−313206号、特開平
7−56345号、同7−56347号、特開平9−6
005号公報等に記載されるような、物理現像核を担持
したアルミニウム支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設け
た構成からなる高感度平版印刷版材料についてもその有
効性が示されている。こうした銀塩写真方式を利用した
平版印刷版は安価な低出力レーザーで十分な露光感度を
有し、かつ解像度が高いというメリットを有するが、現
像工程において現像液pHや液温度の管理が重要であ
り、かつ高感度であるが故に版材を暗室中で扱わざるを
得なく、ハンドリングの点で問題があった。
【0013】光源として、従来から利用されるハロゲン
ランプ、タングステンランプ、水銀ランプ、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプ、カーボンアーク、ナトリ
ウムランプ等に加えて、ヘリウムネオンレーザー、アル
ゴンレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー等が特
にデジタル画像出力用光源として盛んに利用されるよう
になっている。これらの内でも特に半導体レーザーは高
出力化、長寿命化、低価格化が進みつつあり、特に好ま
しい露光光源として挙げられる。
【0014】上記のような半導体レーザーを利用し、デ
ジタル画像を形成するための感光性組成物の例として、
特開平10−90885号、同9−127694号、同
9−138500号公報等が挙げられ、特に平版印刷版
としての用途に関しては、特開平7−20629号、同
271029号、同9−244226号公報等に記載さ
れる例が挙げられる。これらの内、平版印刷版に関する
明細書については、フェノール樹脂、赤外線吸収剤、酸
発生剤を基本的に含む感光性層を有する平版印刷版が開
示されている。こうした平版印刷版は例えば高出力半導
体レーザー等により露光し、光酸発生剤から発生する酸
によりフェノール樹脂の現像液に対する溶解性が架橋等
により変化することを利用したものである。ネガ型処理
では、こうした方式を用いる場合に露光後に版面を加熱
処理することが上記明細書中に記載されており、露光部
に発生した強酸によるフェノール樹脂の架橋を促進させ
る上で必要とされる工程であるが、加熱される温度によ
り露光部/未露光部の溶解性の差が一定に保たれず、例
えば十分な加熱が行われなければ現像液により露光部ま
で溶解する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未
露光部が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等
の問題点がある。更には、長期にわたる保存性や特に高
温条件下での保存により、感光層が自然硬化する問題
や、バインダー中に於いて光酸発生剤の相溶性が低く、
バインダー樹脂から析晶する等の原因により感度低下を
来すといった経時保存性に問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光材料と
して高感度かつ経時保存性に優れ、更には可視光レーザ
ー、近赤外光高出力半導体レーザー等の光源が利用でき
る感光性組成物を与えることを課題とする。さらに、経
時保存性が良好で、画質、耐刷力に優れた平版印刷版材
料を与えることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ハロアルキ
ル置換されたトリアジン基を側鎖に有する重合体を含ん
でなることを特徴とする感光性組成物を使用することで
基本的には達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】ここでハロアルキル置換されたト
リアジン基を側鎖に有する重合体とは、任意の連結基を
介して重合体に結合したハロアルキル置換トリアジン誘
導体を含むものであり、具体的には化1で示される官能
基を側鎖に有する重合体である。
【0018】
【化1】
【0019】化1中、L1は重合体とハロアルキル置換
トリアジン基を結合するための任意の連結基で、ハロア
ルキル置換トリアジン基がL1を介さずに直接重合体に
結合していても良い。Xは塩素原子または臭素原子を表
し、n、mは0、1または2を表す。
【0020】化1で示されるような置換基を有する重合
体のより具体的な例として、化2及び化3に示されるよ
うな繰り返し単位を有する重合体が好ましい例として挙
げられる。これらの内で特にスチリル基を中間に介して
重合体に結合した繰り返し単位を有する重合体(r−
1、r−2,r−4,r−5、r−6,r−7)等が特
に感度が高く好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】上記のような重合体を合成するには、前駆
体となる重合体を予め合成しておき、これにハロアルキ
ル置換されたトリアジン誘導体を結合させる方法と、重
合性基を導入したハロアルキル置換トリアジン誘導体を
重合する方法の二種類が挙げられる。前駆体となる重合
体との反応によりトリアジン誘導体を結合する場合に於
いては、前駆体重合体に反応性基を導入しておき、これ
と反応することで前駆体重合体に結合する別の反応性基
をトリアジン誘導体が含むことが必要であり、こうした
反応性基の組み合わせとしては、水酸基とアルデヒド基
(アセタール化)、アミノ基とアルデヒド基(シッフ塩
基形成)、アミノ基とカルボキシル基(アミド結合形
成)、水酸基とカルボキシル基(エステル化)、カルボ
キシル基とグリシジル基(付加)、その他多種多様の結
合方法によって前駆体重合体にトリアジン誘導体を結合
することが可能である。後述する合成例の中で具体的な
方法を例示する。
【0024】一方、重合性基として特にビニル基等のラ
ジカル重合性基を含むトリハロアルキル置換されたトリ
アジン誘導体の例を化4に示すが、これらの例に見られ
るような種々の重合性基を有するトリアジン誘導体モノ
マーを重合することで本発明に係わる該重合体を合成す
ることも出来る。これらの内で特にスチリル基を中間に
介して重合性二重結合を有するモノマー類(M−2,M
−3,M−4,M−5,M−6,M−7等)が先に述べ
たように重合体とした場合に高感度であるため好まし
い。
【0025】
【化4】
【0026】上記何れの方法によっても目的とするハロ
アルキル置換トリアジンを側鎖に有する重合体を得るこ
とが出来るが、重合体中に含まれるトリアジン誘導体基
の好ましい割合は、該重合体の全繰り返し単位中におい
て1モル%以上含まれることが好ましく、さらには10
モル%以上含まれることが更に好ましい。
【0027】上記のハロアルキル置換トリアジン誘導体
基を含む繰り返し単位以外にも、他の官能基を有する繰
り返し単位を含むことも好ましく、これらは前駆体重合
体の合成時あるいは、トリアジン誘導体モノマーとの共
重合の際に導入することが出来、こうした共重合モノマ
ーの例としては、スチレン、4−メチルスチレン、4−
ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カ
ルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチル
スチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メ
タクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタク
リル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステ
ル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエ
チレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシ
ポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポ
リプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオ
キシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸
2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチル
アミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル
類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメ
タクリル酸エステルと同様の例、或いは、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステルのようなカルボキシ基を有するモノマー類、ア
リルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー
類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルス
ルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその
塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等の
スルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジ
ン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N
−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマ
ー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーと
して4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビ
ニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、
4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いは
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリル
アミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、
ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−
ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミド
もしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒ
ドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、また
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリ
ロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコー
ル、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレ
ート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用す
ることが出来る。
【0028】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体として、特にアルカリ水溶液に
可溶性を有するものが好ましく、この場合には重合体中
にカルボキシ基やフェノール性水酸基をさらに含むこと
が極めて好ましく行われる。或いは、エチレンオキシ基
を導入した該重合体についても同様にアルカリ性現像液
を使用して現像を行う場合に良好な溶解性を示すため好
ましい。このような置換基を該重合体中に導入するため
には、上記の例に挙げたモノマーのうち、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステル、4−カルボキシスチレン等のようなカルボキ
シ基を有するモノマー類や4−ヒドロキシスチレン、4
−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、ヒドロキシフェ
ニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、或いはメタクリル酸メトキシジエチレングリコール
モノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリ
コールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメ
タクリル酸エステル類等を共重合モノマーとして前駆体
ポリマー或いは共重合体の合成の際に好ましく使用する
ことが出来る。また、これらの共重合体中に於けるこれ
らのモノマーの割合は、99モル%以下、更に好ましく
は90モル%以下の割合で含むことが好ましい。特に好
ましい該重合体の例を化5に示す。化5中、数字は重量
部を表す。
【0029】
【化5】
【0030】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体の分子量としては重量平均分子
量で1000以上100万以下であることが好ましい。
更に好ましい範囲は、1万から20万の範囲である。
【0031】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体を含む感光性材料は、その特徴
の一つとして保存性が改良されることが挙げられる。即
ち、低分子化合物であるトリハロアルキルトリアジン誘
導体は結晶性が高く、バインダー樹脂中に溶解した状態
で保存した場合に、バインダー樹脂中で結晶化が生じ、
結果として感度が大きく低下する場合がしばしば認めら
れる。本発明に於いては該トリアジン誘導体が重合体中
に直接結合していることから結晶化が起こり得ず、極め
て良好な保存安定性を示すことが特徴の一つである。
【0032】ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体
基を側鎖に有する重合体は、これを単独で使用すること
で感光性組成物として使用することが可能である。この
場合、光照射された部分に於いてハロアルキル基が光分
解しラジカルが生成するが、推測ではあるがこのラジカ
ル同士の再結合の結果として露光部に於いて架橋が生じ
る。従って、本発明に係わる該重合体は単独で使用する
ことでもネガ型の感光体を与えることが特徴の一つであ
る。更には、露光後に加熱処理を行わずとも十分に硬化
したパターンを与えることも特徴の一つである。
【0033】或いは、相溶性、溶解性の改良された光酸
発生剤として上記のハロアルキル置換されたトリアジン
誘導体基を側鎖に有する重合体を使用することも好まし
く行われる。好ましい例としては、フェノール性水酸基
を有する重合体と、該ハロアルキル置換されたトリアジ
ン誘導体基を側鎖に有する重合体および酸触媒架橋剤と
してメトキシメチロールメラミン類やレゾール樹脂等を
混合して感光性組成物を構成することも好ましく行われ
る。この場合、該ハロアルキル置換されたトリアジン誘
導体基を側鎖に有する重合体を光酸発生剤として使用す
ることで、感度および保存性の向上とともに、先に述べ
たように特にアルカリ可溶性を付与した該重合体を使用
した場合に非画像部の溶出性が顕著に向上し、現像時の
残膜が生じにくいと言う好ましい特性を示すことが特徴
である。この例の場合には露光後の加熱処理が好ましく
行われるが、露光後加熱の条件については低分子光酸発
生剤を使用した場合より広い処理条件が適用でき、ま
た、感光性組成物としての加熱保存性についても改良が
認められる。
【0034】該ハロアルキル置換されたトリアジン誘導
体基を側鎖に有する重合体とともに他のバインダー樹脂
を併せて使用することも好ましく行われる。バインダー
樹脂としては、様々な樹脂が使用できるが、露光部にお
いて現像液の溶解性が低下するため本発明で得られる感
光性組成物は一般にネガ型の感光体を与えるものであ
る。未露光部を現像液により溶出する際に、現像液とし
ては水性現像液を使用することが好ましく、このために
はバインダー樹脂としては水性現像液に可溶性を有する
樹脂を使用することが極めて好ましい。こうした樹脂の
例としては、側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基等の
酸基を有する重合体や水酸基或いはフェノール性水酸基
を有する樹脂が好ましく使用され、水性現像液としては
アルカリ性水溶液が好ましく使用される。特にアクリル
系共重合体樹脂として各種(メタ)アクリル系モノマー
とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸等の酸基を有するモノマーと
の共重合体樹脂や、ポリビニルフェノール、フェノール
樹脂、ポリヒドロキシベンザール樹脂等が極めて好まし
い例として挙げることが出来る。
【0035】該ハロアルキル置換されたトリアジン誘導
体基を側鎖に有する重合体とともに使用するバインダー
樹脂の更に好ましい例としては、側鎖に重合性二重結合
を有するバインダー樹脂が挙げられる。該重合体が光分
解することで生じたラジカルによりこうした側鎖に二重
結合を有するバインダー樹脂が効果的に架橋することで
高感度のネガ型感光材料が与えられる。バインダー樹脂
中に於ける二重結合の導入割合は、全繰り返し単位中に
於いて1モル%以上であることが好ましく、さらには1
0モル%以上である場合に感度が向上するため更に好ま
しい。こうした好ましいバインダー樹脂の例を化6に示
す。
【0036】
【化6】
【0037】上記のようなバインダー樹脂とともに本発
明に係わる該重合体を使用する場合には、バインダー樹
脂と該重合体の割合には好ましい範囲が存在し、該重合
体1重量部に対し、バインダー樹脂は0.1部から50
部の範囲で使用することが特に好ましい。
【0038】該重合体中に重合性二重結合およびアルカ
リ可溶性基を併せて含む場合には、これを単独で使用す
ることでも高感度の感光体を与えることが出来る。特に
好ましい該重合体の例を化7に示す。式中、数字は重量
部を表す。
【0039】
【化7】
【0040】本発明に係わる更にもう一つの好ましい様
態は、該ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体基を
側鎖に有する重合体とともに重合性二重結合を有するモ
ノマーを含んでなる感光性組成物である。この場合も、
光照射部に於いて発生するラジカルによってモノマーが
重合し、硬化することでネガ型の感光体を与えることに
なる。この場合に使用できる好ましいモノマーとして
は、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソノル
ボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フ
ェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−メトキシエチルアクリレート等の単官能アクリル系モ
ノマーや、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイ
ソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレー
ト、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
【0041】上記のような重合性モノマーを含む場合に
於いて、該ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体基
を側鎖に有する重合体とモノマーの比率は、重量比で各
々1対0.1〜0.1対1の範囲で含まれることが極め
て好ましく、更には、アルカリ可溶性樹脂として例え
ば、アクリル系共重合体樹脂として各種(メタ)アクリ
ル系モノマーとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の酸基を有す
るモノマーとの共重合体樹脂や、ポリビニルフェノー
ル、フェノール樹脂、ポリヒドロキシベンザール樹脂等
を含んでなる感光性組成物も好ましい例として挙げられ
る。こうしたアルカリ可溶性樹脂を併せて含む場合に
は、アルカリ可溶性樹脂(A)と該モノマー(B)及び
該ハロアルキル置換されたトリアジン誘導体基を側鎖に
有する重合体(C)の各々の比率は(A):(B)=
1:0.1〜0.1:1及び(B):(C)=1:0.
1〜0.1:1の範囲で含まれる場合が極めて好まし
い。
【0042】本発明に係わる好ましい様態は、該ハロア
ルキル置換されたトリアジン誘導体基を側鎖に有する重
合体とともに、可視光から近赤外光の波長範囲にある色
素を加えて使用する感光性組成物である。この場合の色
素の働きは、光源からの光を吸収し、このエネルギーを
上記の該重合体に与え、後者の分解反応を誘起する働き
を行うものである。
【0043】上記のような目的で使用される色素の好ま
しい例としては、シアニン、メロシアニン、ローダニ
ン、クマリン、ポルフィリン系色素等が好ましい例とし
て挙げられる。特に近赤外光領域で高出力半導体レーザ
ー等を使用する場合の色素としては上記のような例に加
えてスクアリリウム色素、ピリリウム色素、ジチオベン
ジルニッケル錯体あるいはカーボンブラック、フタロシ
アニン類等が挙げられる。好ましく使用される色素の例
を化8、化9、化10および化11に示すが、これらの
内で特にシアニン系色素が最も好ましく使用される。
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】上記のような色素を該重合体に添加して使
用する場合、好ましい色素の量としては、平米当たり5
mgから500mgの範囲が好ましく、さらには10m
gから60mgの範囲が特に好ましい。該重合体の量と
しては、これを色素とともに単独のバインダーとして使
用する場合には平米当たり100mgから3gの範囲で
使用することが好ましい。
【0049】感光性組成物を構成する要素については上
述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有
することも出来る。画像の視認性を高める目的で種々の
染料、顔料を添加することや、感光性組成物のブロッキ
ングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微
粒子を添加することも好ましく行われる。さらには感光
層を保護する目的等で感光層に隣接する形で別の層を設
けても良い。
【0050】上記に述べた感光性組成物を利用すること
で平版印刷版が構成される。平版印刷版材料として使用
する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に
0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形
成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロ
ンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために
極めて好ましい。感光層は上述の3つの要素を混合した
溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上
に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィル
ムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ま
しい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム板である。
【0051】上記のようにして支持体上に形成された感
光層を有する材料を印刷版として使用するためには、こ
れに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光さ
れた部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶
解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液に
より未露光部を溶出することでパターン形成が行われ
る。
【0052】本発明に係わる感光材料特に平版印刷版材
料を感光させる光源としては近赤外領域に発振波長を有
する高出力半導体レーザーが特に好ましく、版材表面に
露光される光エネルギーとしては数mW/cm2以上の
光量が好ましい。具体的には830nm付近に発光する
1Wクラスの高出力半導体レーザー或いは1064nm
に発光するYAGレーザー等が本発明に係わる好ましい
レーザー光源として挙げることが出来る。
【0053】露光後に、架橋反応を完結させ、アルカリ
現像液に対する耐性をより強固にする等の目的で加熱処
理を施すことも好ましく行われるが、加熱温度は50℃
から150℃の温度範囲において行うのが好ましく、加
熱時間は数秒から数分程度の範囲が好ましい。
【0054】アルカリ性現像液としては、本発明に係わ
る重合体を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ま
しくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナト
リウム、メタ珪酸ナトリウムのようなアルカリ性化合物
を溶解した水性現像液が良好に未露光部を選択的に溶解
し、下方の支持体表面を露出出来るため極めて好まし
い。こうしたアルカリ現像液を用いて現像処理を行った
後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引きが好ま
しく行われる。
【0055】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
【0056】合成例1(化4中M−3の合成例) 4−クロロメチルスチレン(セイミケミカル(株)製、
CMS−14)152.6グラム(1モル)および4−
ヒドロキシベンズアルデヒド122.1グラム(1モ
ル)をエタノール500mlに溶解し、炭酸カリウム7
0グラムを加え、還流下6時間加熱攪拌を行った。反応
系を室温に冷却し、全体を2リッターの水中に移し、析
出した沈殿を濾過し、水洗を行った。これをエタノール
1リッターから再結晶を行うことで4−(p−ビニル)
ベンジルオキシベンズアルデヒドの白色結晶を167グ
ラム(収率70%)を得た。これを23.8グラムとり
(0.1モル)、1,3−ビストリクロロメチル−5−
メチル−トリアジン(ミドリ化学(株)製、TAZ−1
00)を33グラム(0.1モル)加え、エタノール1
00mlに溶解し、酢酸アンモニウム6グラムを加えて
6時間加熱攪拌を行った。室温に冷却後、析出した結晶
を濾過により回収した。エタノールから再結晶すること
で目的とする化合物M−3を33グラム(収率60%)
を得た。
【0057】合成例2(化5中、P−2の合成例) 合成例1で得た化合部M−3を使用し、これを30グラ
ムおよびn−ブチルアクリレート40グラム、アクリル
酸30グラムをイソプロパノール100mlおよび1,
4−ジオキサン100mlの混合溶媒に溶解し、内温7
0℃に保ち、窒素雰囲気下、開始剤としてアゾイソブチ
ロニトリルを1グラム添加し、6時間加熱攪拌を行っ
た。重合系を室温に冷却した後、1リッターのジイソブ
チルエーテル中に移し、析出した重合体を濾過により回
収し、乾燥した。75グラムの黄褐色粉末状の重合体を
回収し、H−nmrによりほぼP−2の組成比であるこ
とを確認した。また、重合体の分子量は、通常のGPC
測定によりポリスチレン換算で重量平均分子量5万であ
った。
【0058】合成例3(化5中、P−5の合成例) 合成例1で示した中間体4−(p−ビニル)ベンジルオ
キシベンズアルデヒドを使用し、これを50グラムおよ
びイソプロピルアクリレート15グラム、アクリル酸3
5グラムをイソプロパノール100mlおよび1,4−
ジオキサン100mlの混合溶媒に溶解し、内温70℃
に保ち、窒素雰囲気下、開始剤としてアゾイソブチロニ
トリルを1グラム添加し、6時間加熱攪拌を行った。重
合系を室温に冷却した後、1リッターのジイソブチルエ
ーテル中に移し、析出した重合体を濾過により回収し、
乾燥した。80グラムの白色粉末状の重合体を回収し
た。得られた重合体のうち10グラムをとり、これをジ
オキサン20ml、イソプロパノール20mlの混合溶
媒に溶解し、1,3−ビストリクロロメチル−5−メチ
ル−トリアジン(ミドリ化学(株)製、TAZ−10
0)を7グラム加え、さらに酢酸アンモニウム1グラム
を加えて6時間加熱攪拌を行った。反応系を室温に冷却
した後、200mlのジイソブチルエーテル中に移し、
析出した重合体を濾過により回収し、乾燥した。13グ
ラムの黄褐色粉末状の重合体を回収した。H−nmrに
よりほぼ60%のアルデヒド基が消失していることから
P−5の組成比であると推定した。また、重合体の分子
量は、通常のGPC測定によりポリスチレン換算で重量
平均分子量12万であった。
【0059】実施例1 合成例2で得た重合体P−2を使用して下記の処方によ
る感光性組成液を作成し、ワイアバーを使用して100
ミクロン厚みのポリエステルフィルム上に乾燥膜厚が約
1ミクロンになるよう塗設し、感光性フィルムを作成し
た。 重合体P−2 1重量部(固形) ビクトリアピュアブルー(着色用染料)0.05重量部 エタノール 2重量部 DMF 2重量部 ジオキサン 3重量部
【0060】得られた感光性フィルムを高圧水銀ランプ
を光源とする密着露光計を使用して、200mWの光量
で濃度差0.15間隔のステップウェッジを有するマス
クフィルムを通し1秒間露光を行った。露光後直ちに、
アルカリ水溶液(メタ珪酸ソーダの12%水溶液)もし
くはDMFを使用して現像を行ったところ、約10mJ
/cm2以上の露光量を与えた部分が画像として残存
し、レリーフパターンが形成された。
【0061】実施例2 下記の処方による感光性組成液を作成し、ワイアバーを
使用して100ミクロン厚みのポリエステルフィルム上
に乾燥膜厚が1.5ミクロンになるよう塗設し、感光性
フィルムを作成した。 重合体P−2 1重量部(固形) 色素(S−2) 0.02重量部 ジオキサン 7重量部 DMF 2重量部
【0062】得られた感光性フィルムをタングステンラ
ンプを光源とする密着露光計を使用して、500nm以
下の波長の光をカットする黄色フィルターを通して、2
mWの光量で濃度差0.15間隔のステップウェッジを
有するマスクフィルムを通し90秒間露光を行った。露
光後直ちに、メタ珪酸ソーダを6重量%溶解した現像液
を使用して現像を行ったところ、約15mJ/cm2
上の露光量を与えた部分が画像として残存し、レリーフ
パターンが形成された。
【0063】実施例3 実施例2で用いた感光性組成液を用いて、砂目立て処理
を行い陽極酸化アルミニウム板上に同様に塗布、乾燥を
行い感光性平版印刷版を作成した。実施例2と全く同様
にして、ステップウェッジおよび解像度パターンを有す
るネガフィルム原稿を通して露光を行い、更に実施例2
と同様にして現像を行い、陽極酸化アルミニウム板上に
パターンが形成された。これをアラビアゴム水溶液で表
面をコートし平版印刷版として印刷試験に供した。印刷
機はリョービ3200(モルトン方式印刷機)を使用
し、インクはニューチャンピオン墨H(大日本インク
(株)製)を用い、湿し水は1%東邦エッチ液を使用し
て通常のオフセット印刷を行った。インク着肉性は刷り
はじめより良好で、かつ非画像部においては地汚れの発
生もなく良好な印刷物が得られ、耐刷性に関しては10
万部以上の良好な結果を得た。
【0064】実施例4 感光性組成液として以下の構成からなる液を使用した。 重合体(P−3) 10重量部 色素(S−8) 0.1重量部 ジオキサン 100重量部 DMF 10重量部
【0065】上記感光性組成液を実施例3と同様に陽極
酸化アルミニウム板上に乾燥膜厚が1.2μになるよう
塗布乾燥を行い感光性平版印刷版原板を作成した。これ
をドラムに巻き付け、830nmの発信波長を有する1
W出力の半導体レーザーを使用し、パルス露光を行い、
解像力テストパターンを印字した。感光性平版印刷版表
面上の露光エネルギーは50mJ/cm2であった。露
光後、実施例1と全く同様にして現像を行い平版印刷版
を作成した。実施例3と全く同様にして印刷試験を行
い、同様に良好な結果を得た。
【0066】実施例5、6および比較例1,2 感光性組成液として以下の構成からなる液を使用した。 m−クレゾールノボラック樹脂 10重量部 光酸発生剤 1重量部 ヘキサメトキシメチロールメラミン 3重量部 色素(S−8) 0.1重量部 ジオキサン 100重量部 DMF 10重量部
【0067】光酸発生剤として本発明に係わるハロアル
キル置換トリアジン基を有する重合体を使用した場合と
比較として低分子ハロアルキル置換トリアジン化合物を
使用した場合を比較した。上記の感光性組成液処方によ
り陽極酸化アルミニウム板上に乾燥膜厚が1.2μにな
るよう塗布乾燥を行い感光性平版印刷版原版を作成し
た。これをドラムに巻き付け、830nmの発信波長を
有する1W出力の半導体レーザーを使用し、パルス露光
を行い、解像力テストパターンを印字した。ドラムの回
転数を変えることで版面上の露光エネルギーを変化さ
せ、現像後に画像が形成される最小の露光量を求めるこ
とで製版感度を見積もった。レーザー露光後の版は13
0℃に調節した乾燥器内で1分間加熱処理を行った後、
6%メタ珪酸ソーダ水溶液を使用して現像を行い、さら
にガム引きすることで印刷版とした。また、感光性印刷
版の加熱保存性を評価するため、上記で作成した原版を
50℃に調節した乾燥器内に30日間保存した後に、全
く同様にしてレーザー露光および露光後加熱、現像を行
い、フレッシュでの評価結果と比較した。結果を表1に
まとめたが、比較とする低分子光酸発生剤を使用した場
合には加熱保存後の試料は熱かぶりが著しく、未露光部
においても現像液に不溶性であり、製版感度の評価が出
来なかったが、本発明による試料に於いては、感度およ
び保存性、印刷性に於いて良好な結果を得た。尚、感光
性組成物塗液をガラス板上に塗布し、自然乾燥させた場
合に、比較例1および2の試料では結晶化による皮膜の
白濁が認められたが、実施例5および6の試料では均質
透明な皮膜が形成され、結晶化を有効に防止できている
ことを確認した。
【0068】
【表1】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】
【発明の効果】感光材料として高感度であり、高出力半
導体レーザーを含めた光源が利用できる感光性組成物お
よび保存性、画質、耐刷力に優れた平版印刷版材料を与
える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA12 AB03 AC01 AC08 AD01 CA41 CA42 CB41 2H096 AA06 AA30 BA06 BA20 EA02 EA04 4J002 BC111 BE041 BF011 BH021 BJ001 DA036 EU026 EV296 EV306 EV316 FD096 GP00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロアルキル置換されたトリアジン基を
    側鎖に有する重合体を含んでなることを特徴とする感光
    性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における該重合体および可視光
    から近赤外光の波長領域に吸収を有する色素を含んでな
    ることを特徴とする感光性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の該感光性組成
    物を利用したことを特徴とする感光性平版印刷版材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009265202A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Toyo Ink Mfg Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

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