JP2008222807A - 重合体及びこれを含んでなる感光性組成物及び平版印刷版 - Google Patents

重合体及びこれを含んでなる感光性組成物及び平版印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度で、経時保存した後においても、現像液への溶出性および感度が低下しない、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体およびこれを含んでなる感光性組成物を提供する。また、高感度であり経時保存した後においても耐刷性と現像液への溶出性が低下しない平版印刷版を提供する。
【解決手段】側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体であって、複素環を有さないモノマーを重合させた後に、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物を付加させることを特徴とする重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合体およびこれを含んでなる感光性組成物および平版印刷版に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいてレーザー等の走査露光装置を用いて、画像形成可能な平版印刷版に適した重合体に関する。
感光性組成物は、光反応によって分子構造が化学変化を起こし、その結果、物理現象(物性)に変化が生じる。この光の作用による化学変化としては、架橋・重合・分解・解重合・官能基変換などがあり、溶解度・接着性・屈折率・物質浸透性および相変化など多様である。このような感光性組成物は、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。さらに、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いるフォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォトレジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもので、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計が必要となっている。
広く用いられているタイプの印刷版は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。このような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給し、インクが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移する現象を利用するものである。パターン上に転移したインクはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
近年、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する感光性組成物及び平版印刷版が注目されている。
750〜900nmの近赤外レーザー光に感光性を有する感光性組成物として、特定の重合体と光酸発生剤と近赤外増感色素の組み合わせが開示されている(例えば、特許文献1)。しかしながらこのような光酸発生剤を用いた重合性組成物は、近赤外領域に充分高い感光性を付与するのは難しく、特に各種レーザー光を用いた走査露光に適用するには感光性が不足していた。
側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体と光ラジカル発生剤を含有することを特徴とする感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献2)。この発明では、700〜1300nmの近赤外レーザー光に対して高感度で露光部の耐刷性に優れた平版印刷版を得ることができる。この発明中で開示されている重合体の作製方法では、重合の際に複素環を含む連結基を有するモノマーを用いている。これとメタクリル酸やアクリル酸といったカルボキシル基含有モノマーを共重合させた後に、ビニル基が置換したフェニル基を有する化合物を付加させることで目的とする重合体を得ている。しかし、このような作製法により得られた重合体を使用すると、高感度である感光性組成物が得られ、また高感度で露光部の耐刷性に優れた平版印刷版を得ることができる反面、経時保存後に現像液への溶出性の低下などの問題が発生する場合があった。
これに対して、溶出性を向上させる手段として感光性組成物や現像液に特定の添加剤を加える方法が提案されている(例えば、特許文献3〜7)。また、保存性を向上させる手段として感光組成物に特定の添加剤を加える方法が提案されている(例えば、特許文献8〜13)。しかし、上記の方法はいずれも特定の添加物を用いることによって問題の解決を試みるものであり、十分満足できるものではなかった。
特開平11−212252号公報 特開2001−290271号公報 特開2005−284143号公報 特開2005−284241号公報 特開2006−64952号公報 特開2006−111843号公報 特開2006−215119号公報 特開2001−222101号公報 特開2003−295468号公報 特開2004−301986号公報 特開2005−265890号公報 特開2006−292772号公報 特開2006−39179号公報
本発明の目的は、高感度で、経時保存した後においても、現像液への溶出性および感度が低下しない、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体およびこれを含んでなる感光性組成物を提供することにある。また、高感度であり経時保存した後においても耐刷性と現像液への溶出性が低下しない平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体であって、複素環を有さないモノマーを重合させた後に、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物を付加させることを特徴とする重合体により達成することができた。
本発明により、高感度で、経時保存した後においても、現像液への溶出性および感度が低下しない、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体およびこれを含んでなる感光性組成物が得られる。また、高感度であり経時保存した後においても耐刷性と現像液への溶出性が低下しない平版印刷版が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における重合体は、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する。側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有することにより、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、印刷版に使用すれば高感度で加熱処理を必要としない印刷版を作成することができる。また、複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有することにより、複素環同士の相互作用によって版面が強固になり、耐刷性が向上する。
本発明における重合体の側鎖に有するフェニル基は、該フェニル基が有する水素原子と置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、本発明に用いられる重合体が側鎖に有する前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2008222807
式中、Z1は連結基を表し、R11、R12、及びR13は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R14は水素原子と置換可能な基または原子を表す。n1は0〜1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表す。
上記した基について更に詳細に説明する。連結基Z1は、複素環を含むものが好ましく、他の基や原子、例えば酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R15)−、−C(O)−O−、−C(R16)=N−、−C(O)−、スルホニル基、及び下記に示す基等が単独もしくは2以上が複合した状態で含まれていても良い。ここでR15及びR16は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2008222807
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。本発明の重合体が側鎖に有する基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
本発明の重合体が側鎖に有する基の中には好ましいものが存在する。即ち、R11及びR12が水素原子でR13が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。k1は1または2であるものが好ましい。
共重合体組成に於ける側鎖にビニル基が置換したフェニル基の割合として、重合体全体の組成100質量%中に1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、これ以下の割合ではその導入の効果が認められない場合がある。また、95質量%以上含まれる場合に於いては、平版印刷版に使用した際に重合体が現像液に溶出しない場合がある。
上記のような重合体の分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量で1000から10万の範囲であることが好ましく、さらに3000から3万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に係る重合体は、0℃〜100℃の範囲で熱分解型の重合開始剤を用いて、複素環を有さないビニルモノマーをラジカル重合させて得ることが、簡便な設備で比較的短時間に重合体を得ることができるため好ましい。0℃〜100℃の範囲で重合させるのは、0℃未満では反応速度が実用的でなく、100℃を超える温度では熱重合を起こすためである。
本発明の重合体の作製に用いられる重合開始剤としては、一般にラジカル重合による高分子合成反応に用いられる公知の熱分解型のラジカル重合開始剤を特に制限なく使用することができ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスプロピオニトリル等のアゾビスニトリル系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過安息香酸−t−ブチル、α−クミルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の無機過酸化物、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等のアゾ又はジアゾ系化合物、ニトロソフェニル尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド等のテトラアルキルチウラムジスルフィド類、ジベンゾイルジスルフィド等のジアリールジスルフィド類、ジアルキルキサントゲン酸ジスルフィド類、アリールスルフィン酸類、アリールアルキルスルホン類、1−アルカンスルフィン酸類、アルキルパーオキシカルバメート類、ニトロソアリールアシルアミン類等を挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上併用しても良い。
上記重合開始剤の使用量は、モノマーの全質量に対して0.01〜10質量%であり、特に0.1〜5質量%使用することが好ましい。これらは重合開始時に一括に添加しても良いし、分割あるいは連続的に添加しても良い。
本発明の重合体の作製に用いられる複素環を有さないモノマーは、ラジカル重合が可能なビニル基を有する化合物であれば複素環を有していない限り特に制限なく使用することができる。具体的には、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、アクリロイルモルホリン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを適宜モノマーとして使用することが出来る。
本発明の重合体としては、アルカリ性水溶液に可溶性を付与するために、複素環を有さないモノマーの一つとしてカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含むことが好ましい。重合体中に於けるルボキシル基含有モノマーの割合は同じく5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。これらの複素環を有さないモノマーの重合体中に占める割合としては、先に述べた共重合体組成の好ましい割合が保たれている限りに於いて任意の割合で導入することが出来る。
本発明の重合体は複素環を有さないモノマーと官能基を導入したものを用いて重合を行い、その後、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物に導入した異なる官能基と反応させることにより本発明の重合体を得ることができる。複素環を有さないモノマーに導入する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、酸ハライド基、カルボン酸無水物基、アミノ基、ハロゲン化アルキル基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基等を挙げることができる。
本発明の重合体の作製に用いられる複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物は下記一般式で表される。
Figure 2008222807
式中、Z2は連結基を表し、R21、R22、及びR23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R24は水素原子と置換可能な基または原子を表す。n2は0〜1を表し、m2は0〜4の整数を表し、k2は1〜4の整数を表す。Xは複素環を有さないモノマーを用いて重合を行って得られた重合体へ複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物を導入するための官能基を表す。官能基としては、水酸基、カルボキシル基、酸ハライド基、カルボン酸無水物基、アミノ基、ハロゲン化アルキル基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基等をあげることができる。
上記した基について更に詳細に説明する。連結基Z2は、複素環を含み、他の基や原子、例えば酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、及び下記に示す基等が単独もしくは2以上が複合した状態で含まれていても良い。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2008222807
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k2は1〜4の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2008222807
本発明の重合体の作製に用いられる媒体としては、一般にラジカル重合による高分子合成反応に用いられる公知の媒体を特に制限なく、使用することができ、メタノール、アルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の飽和炭化水素化合物、トルエン、ベンゼン等の芳香族化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル等および水等をあげることができる。これらは単独で用いても2種以上併用しても良い。
重合調整剤として、アミンやチオール、ジスルフィド等に代表される重合促進剤や連鎖移動触媒等を加えることができる。重合調整剤の添加量は、好ましくはモノマー全質量の5質量%以下である。この範囲より多いと重合を阻害することがある。
上記複素環を有さないモノマーをラジカル重合することにより得られた重合体に、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物を付加させる方法は一般に用いられている有機反応を用いることができる。複素環を有さないモノマーの一部に官能基を導入したものを用いて重合を行い、その後、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物に導入した異なる官能基と反応させることにより本発明の重合体を得ることができる。導入する官能基の組み合わせとしては、ハロゲン化アルキル基とメルカプト基との組み合わせが反応が容易であることから好ましい。
本発明に用いられる重合体の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成中に於ける各繰り返し単位のモル%を表す。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
本発明に係る感光性組成物は有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物として、s−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、オニウム塩、有機過酸化物等の一般に用いられる光重合開始剤が好ましく用いられるが、特に有機ホウ素塩が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物として、s−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記で表される。
Figure 2008222807
式中、R31、R32、R33およびR34は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R31、R32、R33およびR34の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオン、オニウムイオン及びカチオン性増感色素が挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、ヨードニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンまたはオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。また、カチオン性増感色素の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを含有する場合は、該増感色素の吸収波長に応じて感光性が付与される。しかし、後者の場合は更にアルカリ金属もしくはオニウム塩の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを併せて含有するのが好ましい。
本発明に係わる最も好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩とこれを増感する色素を併せて含む感光層が挙げられ、この場合の有機ホウ素塩は750〜900nmの波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。感光層に有機ホウ素塩とこれを増感する色素を含有することにより750〜900nmの波長領域の光に高い感度を得ることができる。
本発明に用いられる有機ホウ素塩としては、先に示した有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
本発明において、有機ホウ素塩とともに用いることでさらに高感度化、硬調化が具現される光重合開始剤としてトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物として、s−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を下記に示す。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
上述したような光重合開始剤の含有量は、感光層全体の固形分量に対して1質量%から50質量%の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る感光性組成物は、近赤外〜赤外光、即ち、750〜900nmの波長領域のレーザー光を用いた走査露光に対して極めて好適に用いられる。このような近赤外に増感するために用いられる増感色素としてはシアニン、ポリメチン、スクアリリウム色素等を利用することができるが、以下の増感色素を利用することが好ましい。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
上記で例示した増感色素の含有量は、感光層1m2当たり3〜300mg程度が適当である。好ましくは10〜200mg/m2である。
本発明に係る感光性組成物は、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する多官能重合性モノマーもしくはオリゴマーの重合性化合物を含有するのが好ましい。かかる重合性化合物の分子量は1万よりも少なく、好ましくは5000以下である。該化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が置換したフェニル基等の重合性二重結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
重合性二重結合としてアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物を使用した場合、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度で加熱処理を必要としないネガ型感光材料を作成することができる。重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2008222807
式中、Z3は連結基を表し、R41、R42は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等を表す。R43は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R44は水素原子と置換可能な基または原子を表す。m3は0〜4の整数を表し、k3は2以上の整数を表す。m3が2以上の場合、R44はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z3の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R45)−、−C(O)−O−、−C(R46)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR45及びR46は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R41及びR42は水素原子でR43は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k3は2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
Figure 2008222807
上記した重合性化合物の添加量は、重合体1質量部に対して0.01質量部から10質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに0.05質量部から1質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
また重合促進剤として、アミンやチオール、ジスルフィド等に代表される重合促進剤や連鎖移動触媒等を加えることができる。具体例としては、例えば、N−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、米国特許4,414,312号公報や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−29161号公報記載のジスルフィド類、米国特許3,558,322号公報や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載の、o−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が挙げられる。重合促進剤の添加量は、好ましくは感光層全固形分の0.1〜5質量%である。この範囲より少なすぎると効果が期待できない。また多すぎると感光層の膜質を劣化させやすくなる。
本発明に係る感光性組成物は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。特に、スチリル基の熱重合あるいは熱架橋を防止し長期にわたる保存性を向上させる目的で種々の重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物等が好ましく使用され、特にハイドロキノンが好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、重合体100質量部に対して0.1質量部から10質量部の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する要素として、他に、画像の視認性を高める目的で種々の染料、顔料を添加することや、感光層のブロッキングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
平版印刷版材料として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は、少なくとも重合体中にアクリル酸を含まないか、アクリル酸のメタクリル酸に対するモル比が0.5以下であり、かつ側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体を含有する感光性塗工液を作製し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を印刷版として使用するためには、これに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶解性が低下することから、アルカリ性現像液により未露光部を溶出することでパターン形成が行われる。
アルカリ性現像液としては、本発明に係わる感光層を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体表面を露出出来るため極めて好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
p−クロロメチルスチレン23gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸20gおよびエタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、前記(M−1)40gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率90%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量30000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−1の構造を支持するものであった。
厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて6分間乾燥を行った。
<感光性塗工液>
重合体 (P−1) 12質量部
重合開始剤(BC−6) 1質量部
トリハロアルキル置換化合物(T−4) 0.5質量部
重合性化合物(C−5) 3質量部
増感色素 (S−1) 0.5質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサン 20質量部
保存経時前後の現像性評価については、80℃、相対湿度50%に調節した乾燥機内に0〜4週間の間で加熱時間を変えて保存した試料を用い、現像性評価として露光を行わずに下記の現像液を使用して35℃の液温において1秒間隔で下記現像液に浸漬を行い、感光層被膜が溶出できる最小の時間を求めることで現像性の評価を行った。この時間が短くかつ加熱に於いても変化が少ないものが良好である。結果を表1に示す。
<現像液>
水酸化カリウム 25g
珪酸カリウム 10g
界面活性剤(ペレックスNBL、花王社製) 30g
水 1L
耐刷性を調べるために、80℃、相対湿度50%で4週間加熱したものと未加熱のものとを830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cm2の条件で、作製したサンプルに50%平網露光を行った。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、現像液で現像を行った。現像液は、上記組成のものを使用した。現像液温は35℃、現像液への浸漬時間は20秒であった。
耐刷性としては、印刷機はハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)を使用し、インキはBEST ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の1%水溶液を使用し、画像部が欠落し印刷ができなくなった枚数で評価した。耐刷性については、下記評価基準にて評価し、得られた結果を表1に示す。
耐刷性○:20万枚以上、○△:10万枚〜20万枚未満、△:5万枚〜10万枚未満、×:5万枚未満
感度については以下のようにして評価した。版面上の露光量が100mJ/cm2になるように設定し、グレイスケールを介してベタ画像を露光した。その後上記現像液にて処理を行った。現像液温は35℃、現像液への浸漬時間は約20秒であった。感度は得られたグレイスケール段数より判断した。表1にグレイスケール段数を示した。グレイスケールは各段ごとに1/21/2の光学濃度差の光学くさびであり、2段高いと感度が2倍高いことを示す。得られた結果を表1に示す。
p−クロロメチルスチレン23gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸20gおよびエタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、前記(M−1)40gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率90%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量8000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−1の構造を支持するものであった。
実施例1に記載の重合体を上記重合体P−1へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
p−クロロメチルスチレン23gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸20gおよびエタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、前記(M−9)60gおよびトリエチルアミン40gを加え、60℃で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率87%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量30000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−2の構造を支持するものであった。
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体P−2へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
メタクリル酸33gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、エタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、前記(M−10)45gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率92%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量6000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−3の構造を支持するものであった。
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体P−3へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
メタクリル酸33gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、エタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、前記(M−5)40gおよびトリエチルアミン40gを加え、50℃で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率90%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量9000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−4の構造を支持するものであった。
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体P−4へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
前記(M−1)40gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸60gおよびエタノール400mL、蒸留水100mLを加え、攪拌しながら水浴上でトリエチルアミン90gを添加した。窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を2g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に、1,4−ジオキサン100gおよびp−クロロメチルスチレンを23g加え、室温で更に15時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)70〜80gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率60%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量30000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体P−1の構造を支持するものであった。
実施例1に記載の重合体を上記重合体P−1へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。なお80℃、相対湿度50%で1週間加熱したサンプルは溶出性が低く、現像により良好な画像が得られなかったので、耐刷性の評価が行えず、評価不可とした。
(比較例2)
p−クロロメチルスチレン23gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸20gおよびエタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、下記化合物40gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率91%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量20000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により下記構造を支持するものであった。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
(比較例3)
p−クロロメチルスチレン23gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸20gおよびエタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、下記化合物30gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率89%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量9000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により下記構造を支持するものであった。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
(比較例4)
メタクリル酸33gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1L4ツ口フラスコ内にとり、エタノール200mL、蒸留水50mLを加え、窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。重合体溶液中に攪拌しながら水浴上で、1,4−ジオキサン100g、下記化合物20gおよびトリエチルアミン40gを加え、室温で更に3時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)40〜50gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3Lの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率92%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により質量平均分子量8000(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により下記構造を支持するものであった。
Figure 2008222807
Figure 2008222807
実施例1に記載の重合体P−1を上記重合体へ変更した以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示した。
Figure 2008222807
表1の結果からも明らかなように、本発明により経時保存した後においても溶出性、耐刷性に優れた高感度の平版印刷版に適した重合体、およびこれらに優れた平版印刷版が得られる。
厚みが1mmの銅張り積層板上に、実施例1で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
厚みが1mmの銅張り積層板上に、実施例2で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
厚みが1mmの銅張り積層板上に、実施例3で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
厚みが1mmの銅張り積層板上に、実施例4で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
厚みが1mmの銅張り積層板上に、実施例5で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
(比較例5)
厚みが1mmの銅張り積層板上に、比較例1で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
(比較例6)
厚みが1mmの銅張り積層板上に、比較例2で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
(比較例7)
厚みが1mmの銅張り積層板上に、比較例3で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
(比較例8)
厚みが1mmの銅張り積層板上に、比較例4で作製した感光性塗工液を乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で乾燥した。
このようにして得られた実施例6〜10の感光性組成物および比較例5〜8の感光性組成物について、保存経時後の現像性と感度についてそれぞれ評価した。評価は80℃、相対湿度50%で4週間加熱したものと未加温のものをそれぞれ準備し、実施例1と同様に感光性皮膜が溶出できる最小の時間と感度を評価し、この結果を表2に示した。
Figure 2008222807
表2の結果からも明らかなように本発明により、経時保存した後においても溶出性に優れ、かつ感度の安定した感光性組成物に適した重合体、およびこれらに優れた感光性組成物が得られる。
表1および表2の結果から明らかなように、本発明により、高感度で、経時保存した後においても、現像液への溶出性および感度が低下しない、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体およびこれを含んでなる感光性組成物を提供する。また、高感度であり経時保存した後においても耐刷性と現像液への溶出性が低下しない平版印刷版を提供する。

Claims (3)

  1. 側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体であって、複素環を有さないモノマーを重合させた後に、複素環を有する基とビニル基を置換基として有する芳香族化合物を付加させることを特徴とする重合体。
  2. 請求項1に記載の重合体を含有する感光性組成物。
  3. 支持体上に、少なくとも請求項1に記載の重合体を含有する感光層を有する平版印刷版。
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