JP2005281502A - 硬化性組成物 - Google Patents

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和資 木村
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Abstract

【課題】硬化後の表面に残存タックがないため外観が損なわれず、ガラス越し耐候接着性に優れ、かつ、基材等の被覆の超親水性化効果等の機能を阻害しない硬化性組成物の提供。
【解決手段】加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、タック止め剤0.1〜10質量部とを含有する硬化性組成物であって、前記重合体(A)として、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A1)を含有する、硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、改良された硬化速度と、優れた接着性および耐候接着性を有する、加水分解性ケイ素含有基を有するアクリル系重合体を用いた硬化性組成物に関する。
加水分解性ケイ素含有基を有する重合体は、室温での優れた硬化性、配合設計の容易さ等から、シーリング材、接着剤等の用途の硬化性組成物に用いられている。特に、アクリル系(メタクリル系も含む。以下同じ。)の主鎖を有する重合体(例えば、特許文献1〜5参照。)は、耐候性、耐熱性、耐油性および各種の被着体に対する接着性に優れるため、過酷な環境下において、シーリング材、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。また、リビングラジカル重合により合成されるアクリル系の主鎖を有する重合体は、比較的低粘度で取扱い性に優れるので、室温湿気硬化型一成分形組成物として好適に用いられる。
しかしながら、上述したアクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体を用いた組成物は、硬化後の表面に残存タックがあるため、大気中に露出した状態で用いられる用途においては、埃や塵を表面に保持しやすく、外観の低下が著しいという問題を有している。
また、ポリオキシアルキレン系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体を用いた組成物は、耐候性に劣るため、例えば、ガラス越しに太陽光を受ける用途においては、接着性が低下するという問題を有している。
また、ポリウレタンシーリング材組成物は、接着性に優れるが、ウレタン結合の紫外線による劣化が激しいので、同様に、例えば、露出目地など、太陽光を直接受ける用途では、表面劣化が著しいという問題を有している。
また、シリコーン系シーリング材組成物は、耐候性に優れるが、低分子量のシリコーン化合物が組成物から放出され、組成物の周辺のガラス等の基材を汚染するという問題を有している。特に、接着される基材またはその周辺の部材に、超親水性化効果等の機能を奏する光触媒が被覆されている場合等においては、低分子量のシリコーン化合物がその機能を阻害するという問題も有している。
特開平9−272714号公報 特開平11−43512号公報 特開平11−80249号公報 特開2000−154205号公報 特開2003−96106号公報
したがって、本発明は、硬化後の表面に残存タックがないため外観が損なわれず、ガラス越し耐候接着性に優れ、かつ、基材等の被覆の超親水性化効果等の機能を阻害しない硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、アクリル系の主鎖と加水分解性ケイ素含有基とを有する重合体と、大気中に露出した面にブリードアウトする特定のタック止め剤とを併用すると、タック止め剤が大気中に露出した面の側にブリードアウトして残存タックをなくす一方で、タック止め剤を用いる場合に通常問題となる接着性の低下が、接着面では起こらないことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、
タック止め剤0.1〜10質量部と
を含有する硬化性組成物であって、
前記重合体(A)として、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A1)を含有する、硬化性組成物。
(2)前記タック止め剤が脂肪族アミン化合物および/または脂肪酸エステル化合物である上記(1)に記載の硬化性組成物。
(3)前記脂肪族アミン化合物が、炭素原子数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を有する、第一級アミン化合物または第二級アミン化合物である、上記(2)に記載の硬化性組成物。
(4)前記脂肪酸エステル化合物が、炭素原子数8〜20のカルボン酸のモノグリセリドまたはジグリセリドである、上記(2)に記載の硬化性組成物。
(5)前記重合体(A)として、更に、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A2)を含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(6)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部の炭酸カルシウムを含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(7)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部の分子量1000以下の加水分解性化合物を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(8)更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部のシランカップリング剤を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(9)前記シランカップリング剤が、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物である上記(8)に記載の硬化性組成物。
(10)更に、スズ触媒および/またはチタン触媒を含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、アクリル系の主鎖を有する重合体の優れた耐候性等を維持しつつ、残存タックがなく、大気中に露出する用途に用いても、外観が損なわれない。
したがって、本発明の硬化性組成物は、過酷な環境下、例えば、大気中に露出し、直接またはガラス越しに太陽光を受ける用途において、シーリング材、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。
特に、本発明の硬化性組成物は、接着される基材またはその周辺の部材の被覆の機能を阻害しないため、基材等に、超親水性化効果等の機能を奏する光触媒が被覆されている場合において、好適に用いられる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、タック止め剤0.1〜10質量部とを含有し、前記重合体(A)として、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A1)を含有する。
初めに、重合体(A)について説明する。
本発明に用いられる重合体(A)は、加水分解性ケイ素含有基を、分子内に少なくとも1個有する有機重合体である。本発明においては、加水分解性ケイ素含有基は、重合体(A)の分子内の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよく、また、両方に存在していてもよい。
重合体(A)の主鎖としては、例えば、アルキレンオキシド重合体(アルキレンオキシド単量体単位を含有する重合体)等のポリエーテル、ポリエステル、エーテル・エステルブロック共重合体、ビニル系重合体、ビニル共重合体、ジエン系重合体、飽和炭化水素、アクリル系重合体が挙げられる。
ポリエーテルは、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C25)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH2CH2CH2O−で表される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
ポリエーテルは、これらの繰り返し単位の1種のみからなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
ビニル系重合体、ビニル系共重合体、ジエン系重合体および飽和炭化水素としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、ポリイソブチレンが挙げられる。
アクリル系重合体は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体である。
アクリル酸アルキルエステル単量体単位としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニルが挙げられる。
また、メタクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニルが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
主鎖がアクリル系の重合体としては、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むものであれば特に限定されないが、これらの単量体単位の割合が50質量%を超えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
主鎖は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
また、主鎖がアクリル系の重合体は、主鎖が、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を含有する単量体単位;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基を含有する単量体単位;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含有する単量体単位;ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性および内部硬化性の点で共重合効果を期待することができる。
そのほかに、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
アクリル系重合体の単量体組成は、用途、目的等により適宜選択される。
例えば、単量体のアルキルエステル部分のアルキル鎖が長い場合には、ガラス転移温度が低くなり、硬化物の物性は軟らかいゴム状弾性体となる。逆に、短い場合には、ガラス転移温度が高くなり、硬化物の物性も硬くなる。
一方、硬化後の物性は、アクリル系重合体の分子量にも大きく依存する。
したがって、アクリル系重合体の単量体組成は、分子量を考慮しつつ、所望の粘度、硬化後の物性等に応じて、適宜選択すればよい。
主鎖がアクリル系の重合体の主鎖は、制御されたビニル重合の方法等によって得ることができる。例えば、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法等によって、溶液重合法、塊重合法等を行って得ることができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
連鎖移動剤法においては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより、末端に官能基を有する重合体が得られる。
リビングラジカル重合法においては、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することにより、ほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。
連鎖移動剤法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジカル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるので好ましい。本発明においては、特開2003−313397号公報に記載されている方法が好適に用いられる。
反応は、通常、上述した単量体単位、ラジカル開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を混合させて50〜150℃で反応させることにより行われる。
ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類;含ハロゲン化合物が挙げられる。
溶剤としては、例えば、エーテル類、炭化水素類、エステル類等の非反応性の溶剤が好適に挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した水酸基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
Figure 2005281502

中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
重合体(A)としては、2官能以上、即ち、分子内にアルコキシシリル基を2個以上有するアルコキシシラン類が好ましく、3〜20官能のアルコキシシラン類が原料の入手が容易なことからより好ましい。
重合体(A)は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
重合体(A)の分子量は特に限定されないが、高分子のものは高粘度であり、ハンドリングしにくい場合があるため、数平均分子量50,000以下であるのが好ましい。
このような重合体(A)は、公知の方法によって製造することができる。
以下、主鎖がアクリル系の重合体である場合(以下、「重合体(A1)」という)の製造方法について説明する。
重合体(A1)が有する加水分解性ケイ素含有基の数は、1分子あたり少なくとも1個である。また、加水分解性ケイ素含有基の結合位置は、主鎖の末端であるのが好ましく、主鎖の末端のみであるのがより好ましい。
重合体(A1)の主鎖に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法は、特に限定されず、例えば、(i)連鎖移動剤として加水分解性ケイ素含有基を含有するメルカプタンの存在下、上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と加水分解性ケイ素含有基以外の反応性官能基とを有する化合物(例えば、アクリル酸)の存在下、上記単量体単位を重合させ、生成した共重合体を加水分解性ケイ素含有基とY基と反応しうる官能基とを有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH33基とを有する化合物)と反応させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iii)加水分解性ケイ素含有基を含有する化合物(例えば、アゾビスニトリル化合物、ジスルフィド化合物)を開始剤として上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(iv)リビングラジカル重合法によって上記単量体単位を重合させて分子末端に加水分解性ケイ素含有基を導入する方法、(v)重合性不飽和結合と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物と上記単量体単位とを、加水分解性ケイ素含有基が1分子あたり少なくとも1個導入されるように単量体単位の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法が挙げられる。
中でも、重合体(A1)が、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体に加水分解性ケイ素含有基を有するヒドロシランをハイドロシリルレーションにより付加することによる製造されるのが好ましい態様の一つである。
末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、有機ハロゲン化合物またはハロゲン化スルホニル化合物を、開始剤と、触媒として周期表の第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体とを用いて、重合することにより得られる、(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、アルケニル基に変換することにより製造することができる。
ここで、末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル系重合体は、従来、連鎖移動剤として、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化合物を用いて重合する方法により製造されてきた。
しかしながら、この方法では、重合体の両末端に確実にハロゲンを導入することが困難であった。
これに対して、特開平1−247403号公報には、アルケニル基を有するジチオカーパメートまたはジアリルジスルフィドを連鎖移動剤として用いることにより、両末端にアルケニル基を有するアクリル系重合体の製造方法が記載されている。また、特開平6−211922号公報には、水酸基含有ポリスルフィドまたはアルコール系化合物を連鎖移動剤として、末端に水酸基を有するアクリル系重合体を製造し、更に、水酸基の反応を利用して末端にアルケニル基を有するアクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、重合体末端に確実にアルケニル基を導入することは困難である。
一方、アルケニル基を経ないで加水分解性ケイ素含有基を有する(メタ)アクリル系重合体を得る方法として、特公平3−14068号公報には、(メタ)アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有メルカプタン、加水分解性ケイ素含有基含有ジスルフィドおよび加水分解性ケイ素含有基を有するラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法が記載されている。また、特公平4−55444号公報には、アクリル系モノマーを加水分解性ケイ素含有基含有ヒドロシラン化合物またはテトラハロシラン化合物の存在下に重合させる方法が記載されている。更に、特開平5−97921号公報には、加水分解性ケイ素含有基を有する安定カルバニオンを開始剤としてアクリル系モノマーをアニオン重合させ、重合末端を2官能性の求電子化合物と反応させて、末端に加水分解性ケイ素含有基を有するアクリル系重合体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法では、側鎖に官能基が導入されるなどの問題があった。即ち、末端に確実に加水分解性ケイ素含有基を導入することは困難であった。また、これらのラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が広く、粘度が高いという問題もあった。
そこで、近年、アクリル系重合体の末端に官能基が確実に導入される方法として、リビングラジカル重合が注目されている。リビングラジカル重合は、特開平9−272714号公報等に記載されている。
特に、特開2000−154205号公報および特開2000−178456号公報には、リビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法について詳しく記載されている。ここでは、開始剤として、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が用いられ、触媒として、周期表第8族、第9族、第10族または第11族の元素を中心金属とする金属錯体が用いられる。また、末端に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。
また、特開2003−96106号公報には、(メタ)アクリル酸エステル単量体のラジカル重合を、開始剤として、2,2′−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を用い、連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を用いて行うことが記載されている。ここでは、重合溶媒として2−プロパノール、イソブタノール等を用いられると、第三級炭素原子に結合した水素原子を有するため、連鎖移動剤としても作用し、連鎖移動剤の使用量を低減することができるなどの点で好ましいこと、および、芳香族溶剤を用いる場合よりも分子量分布を狭く制御することができることのため有用であると記載されている。
以上のような、いずれかの重合法により得られる(メタ)アクリル系重合体から製造される重合体(A)は、分子量分布が、通常のラジカル重合により得られる(メタ)アクリル系重合体が通常2.0以上であるのに対し、1.5以下と極めて狭いため、低粘度である。また、末端への官能基導入率も極めて高い。
重合体(A1)の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000であるものが、重合時の難易度、相溶性、取扱い粘度の点で好ましい。中でも、数平均分子量1,000〜50,000のものが強度と粘度とのバランスの点で好ましく、2,000〜30,000のものが、作業性等取扱いの容易さ、接着性等の点で、より好ましい。
本発明においては、重合体(A)として、少なくとも、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有する重合体(A1)が含有される。重合体(A1)を用いることにより、優れた耐候性が得られる。
重合体(A)の全量に占める重合体(A1)の割合は、15質量%以上であるのが好ましく、20質量%以上であるのがより好ましい。
また、重合体(A1)と、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含有する重合体(A2)とを併用するのは、本発明の好適な態様の一つである。これにより、物性調整の自由度が増し、残存タックがなくなる表面硬化時間がより短くなり、また、原料の価格も安価となる。
この場合、重合体(A1)および(A2)の割合は、質量比で、(A1)/(A2)=0.1〜100であるのが好ましく、0.5〜10であるのがより好ましい。上記範囲であると、表面硬化時間と耐候性とのバランスが優れたものとなる。
重合体(A1)としては、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、鐘淵化学工業社製のSMAP(カネカテレケリックポリアクリレート) SA100S、SA110S、SA120S、SA200SX;鐘淵化学工業社製のカネカMSポリマー S943が挙げられる。
同様に、重合体(A2)としても、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、鐘淵化学工業社製のMSポリマー(例えば、MSポリマー S203)が挙げられる。
つぎに、タック止め剤について説明する。
従来、タック止め剤は接着性の低下をもたらすことが知られており、優れた接着性や耐候接着性を目的とする用途においては、硬化性組成物に脂肪族アミン化合物等を含有させることができなかった。例えば、上述した重合体(A2)のみを含有する硬化性組成物に脂肪族アミン化合物を含有させると、接着性および耐候接着性が大きく低下する。
これに対し、本発明者は、驚くべきことに、上述した重合体(A1)を含有する硬化性組成物においては、脂肪族アミン化合物等を含有させても、接着性および耐候接着性の低下がないことを見出した。これは当業者の技術常識からは考えられない結果であった。そして、本発明者は、この知見に基づき、本発明を完成させたのである。
本発明に用いられるタック止め剤は、大気中に露出している表面にブリードアウトして、表面の残存タックをなくす効果を奏するタック止め剤であれば、特に限定されないが、脂肪族アミン化合物および/または脂肪酸エステル化合物が好ましい。
脂肪族アミン化合物は、大気中に露出している表面にブリードアウトして、大気中の二酸化炭素等の酸と反応することにより塩の結晶となり、表面の残存タックを低減させる。また、脂肪酸エステル化合物も、同様に、大気中に露出している表面にブリードアウトして、表面の残存タックを低減させる。
脂肪族アミン化合物としては、例えば、分岐していてもよい炭素原子数1〜40の(ポリ)アミン化合物が挙げられる。
炭素数1〜40の脂肪族モノアミンとして、例えば、置換基を有していてもよい、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、セチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
炭素数1〜40の脂肪族ポリアミンとして、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンテトラミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′,N″−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられる。
上記炭素原子数1〜40の脂肪族アミンには、それらの構造異性体が含まれる。
また、上記炭素原子数1〜40の脂肪族アミンは、分子内に1個以上の二重結合および/または三重結合を有していてもよい。
また、これらの脂肪族アミン化合物は、水素原子の一つ以上を、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、アルケニレン基、オキシ基、アシル基、ハロゲン原子等で置換してもよく、また、その骨格に、酸素原子、イオウ原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
中でも、脂肪族アミン化合物が、炭素原子数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を有する、第一級アミン化合物または第二級アミン化合物であるのが、ブリードアウトする時間が適当であり、かつ、系から揮散しないという点で好ましい。
脂肪酸エステル化合物としては、例えば、炭素原子数8〜20のカルボン酸のモノグリセリドまたはジグリセリド(例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド)、カプリン酸メチル、カプロン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、カプリル酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、アルファスルホ脂肪酸エステルが挙げられる。
中でも、炭素原子数8〜20のカルボン酸のモノグリセリドまたはジグリセリドであるのが、ブリードアウトする時間が適当であり、かつ、系から揮散しないという点で好ましい。
タック止め剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合の割合は、本発明の硬化性組成物が用いられる用途、本発明の硬化性組成物に要求される物性等に応じて、適宜決定することができる。
タック止め剤の含有量は、上述した重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、より好ましくは0.5〜3質量部である。
本発明の硬化性組成物は、炭酸カルシウムを含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されず、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウムが挙げられる。
また、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウムも用いることができる。具体的には、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、カルファイン200(丸尾カルシウム社製)、ホワイトン305(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)、白艶華CCR(白石工業社製)、変性脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、ライトンA−4(重質炭酸カルシウム、備北粉化工業社製)、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムとして、シーレッツ200(丸尾カルシウム社製)、スノーライトSS(重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。中でも、脂肪酸、変性脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等で表面処理されたものが、特に好ましい。表面処理炭酸カルシウムは、粘度を高くするため形状保持性および作業性に寄与し、また、表面が疎水性であるため貯蔵安定性に寄与する。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭酸カルシウムの含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、分子量1000以下の加水分解性化合物を含有するのが好ましい態様の一つである。加水分解性化合物は、重合体(A)、炭酸カルシウム等が持つ水分を吸収し、貯蔵安定性を向上させるために効果的に用いられる。
このような加水分解性化合物としては、例えば、ビニルシラン、オキシムシラン、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン等の比較的低分子量のシランカップリング剤;オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、2−フェニル−3−オキサゾリジンエタノール、ポリオキシアルキレン−メチルステアロキシポリシロキサンコポリマー等の加水分解性化合物が挙げられる。
分子量1000以下の加水分解性化合物の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい態様の一つである。シランカップリング剤は、本発明の硬化性組成物の接着性を向上させる。
シランカップリング剤は、特に限定されないが、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物であるのが好ましい。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシランが挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、スズ触媒および/またはチタン触媒を含有するのが好ましい。
スズ触媒および/またはチタン触媒は、従来公知のものを用いることができる。
スズ触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナートが挙げられる。
チタン触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類が挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
スズ触媒および/またはチタン触媒の含有量は、前記重合体(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の硬化剤を含有することができる。
例えば、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系硬化剤、潜在性硬化剤、紫外線硬化剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム以外の充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。
炭酸カルシウム以外の充填剤としては、各種形状のものを使用することができる。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
可塑剤または軟化剤としては、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等の石油系軟化剤が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、乾式シリカ、ホワイトカーボン、水素添加ひまし油、炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
上記のような各成分から本発明の硬化性組成物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは上記各成分を、減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練し、均一に分散させる方法が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、湿気硬化型であり、1液型の硬化性組成物として使用することができる。また、必要に応じて、重合体(A)を主剤側とし、スズ触媒および/またはチタン触媒を硬化剤側とした2液型として使用することもできる。
本発明の硬化性組成物は、湿気にさらすと、加水分解性ケイ素含有基の加水分解により、硬化反応が進行する。また、適宜水分を供給して、硬化反応を進行させることもできる。
本発明の硬化性組成物は、土木建築用、コンクリート用、木材用、金属用、ガラス用、プラスチック用等のシーリング材、シール剤、ポッティング剤、弾性接着剤、コーティング材、ライニング材、接着剤等の用途に好適に用いられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例1〜5ならびに比較例1および2)
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し分散させ、第1表に示される各硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物について、以下のようにして表面硬化時間、初期ガラス接着性およびガラス越し耐候接着性を評価した。
(1)表面硬化時間
硬化性組成物を10mm程度の径になるようにビード状に押し出した後、23℃、50%RHの条件下に放置し、硬化性組成物の表面にポリエチレン(PE)シートを付着させても、組成物がPEシートに付着しなくなるまでの時間(表面硬化時間)を測定した。
結果を第1表に示す。
(2)24時間後残存タック
硬化性組成物を10mm程度の径になるようにビード状に押し出した後、23℃、50%RHの条件下に放置し、24時間後に硬化性組成物の表面に指で触れ、タックの有無を評価した。
結果を第1表に示す。第1表中、タックが全くなく、または、軽微であったものを○、タックが大きかったものを×で示した。
(3)初期ガラス接着性およびガラス越し耐候接着性
縦50mm、横50mm、厚さ5mmのJIS R3202に規定されているフロートガラス製のガラス板2枚と硬化性組成物とを用いて、JIS A5758:1997の規定に準じて、H型試験片を作製した。
ついで、得られたH型試験片を、23℃、50%RHの条件下で14日間放置し、更に、30℃で14日間放置して養生した。
養生後のH型試験片について、引張速度50mm/minで引張試験を行い、破壊の状態を目視で観察して「初期ガラス接着性」を評価した。
また、上記と同様の方法により、作製および養生を行ったH型試験片に、一方のガラス板の硬化性組成物を打設していない面の側から、その面に垂直に、サンシャインウエザオメーター(SWOM)を用いて、1000時間および5000時間の照射を行い、促進劣化させた。
促進劣化後のH型試験片について、引張速度50mm/minで引張試験を行い、破壊の状態を目視で観察して「ガラス越し耐候接着性」を評価した。
結果を第1表に示す。第1表中、破壊の状態をCF(凝集破壊)およびAF(界面はく離)で示した。
Figure 2005281502
上記第1表に示される各成分は、以下のとおりである。
・重合体(A1):SMAP SA100S、鐘淵化学工業社製
・重合体(A2):MSポリマーS203、鐘淵化学工業社製
・炭酸カルシウム1:脂肪酸表面処理炭酸カルシウム、白艶華CCR、白石工業社製
・炭酸カルシウム2:変性脂肪酸表面処理重質炭酸カルシウム、ライトンA−4、備北粉化工業社製
・紫外線吸収剤:チヌビン327、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・老化防止剤:944LD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・酸化チタン:タイペークR−820、石原産業社製
・可塑剤:ポリプロピレンジオール、エクセノール3020、旭硝子社製、数平均分子量3,000
・ビニルシラン:ビニルトリメトキシシラン、A171、日本ユニカー社製
・アミノシラン:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、A1110、日本ユニカー社製
・スズ触媒:4価スズ系触媒、No.918、三共有機合成社製
・タック止め剤1:アルキル(硬化牛脂)プロピレンジアミン、アスファゾール#10、日本油脂社製
・タック止め剤2:ステアリルアミン、ファーミン86T、花王社製
・タック止め剤3:ステアリン酸モノグリセリド、エキセルT−95パウダー、花王社製
第1表から明らかなように、本発明の硬化性組成物(実施例1〜4)は、表面硬化時間が短く、残存タックがないため、使用時の外観の低下が抑制されている。また、本発明の硬化性組成物(実施例1〜4)は、初期ガラス接着性のみならず、ガラス越し耐候接着性にも優れる。
これに対し、タック止め剤を含有しない場合(比較例1)には、残存タックがある。また、重合体としてポリオキシアルキレン系重合体のみを用いた場合(比較例2)には、ガラス越し耐候接着性に劣る。

Claims (10)

  1. 加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)100質量部と、
    タック止め剤0.1〜10質量部と
    を含有する硬化性組成物であって、
    前記重合体(A)として、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A1)を含有する、硬化性組成物。
  2. 前記タック止め剤が脂肪族アミン化合物および/または脂肪酸エステル化合物である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記脂肪族アミン化合物が、炭素原子数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を有する、第一級アミン化合物または第二級アミン化合物である、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記脂肪酸エステル化合物が、炭素原子数8〜20のカルボン酸のモノグリセリドまたはジグリセリドである、請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 前記重合体(A)として、更に、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A2)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、50〜400質量部の炭酸カルシウムを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部の分子量1000以下の加水分解性化合物を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 更に、前記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部のシランカップリング剤を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記シランカップリング剤が、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物である請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 更に、スズ触媒および/またはチタン触媒を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
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