JP2005281358A - 炭化水素系燃料用の脱硫剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い活性を長期にわたり維持することができる高活性及び高耐久性の炭化水素系燃料用の脱硫剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 高分散性担体と、この高分散性担体に担持したNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素とを含む脱硫剤とする。上記の高分散性担体としては、少なくとも2種の元素が存在する複合酸化物、ベーマイト又はこれらの混合物を含むものが好ましい。本脱硫剤は、上記少なくとも2種の元素の各化合物の溶液を混合して複合酸化物の沈殿を調製し、この沈殿物を焼成して複合酸化物の粉末とするか、又はベーマイトを溶解した酸性の溶液と、アルカリ溶液とを混合して沈殿を調製し、この沈殿物を焼成してベーマイトが存在する粉末として、この粉末に上記少なくとも一種の活性金属元素を含浸させ、さらに焼成することで製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭化水素系燃料中から硫黄化合物を除去するための炭化水素系燃料用の脱硫剤及びその製造方法に関する。
燃料電池に水素を供給するために、一般に改質器において炭化水素系燃料を触媒を用いて水蒸気改質反応等により水素を製造することが行われる。しかし、改質器内の触媒、特に水蒸気改質触媒は燃料中に含まれる硫黄化合物により被毒されるため、前処理として脱硫剤により硫黄分を除去する必要がある。
炭化水素系燃料のうち液化天然ガスを主体とする都市ガスには、付臭剤としてターシャリブチルメルカプタン、硫化ジメチル等の硫黄化合物が添加されており、その濃度は数ppmと一定である。この場合、脱硫剤としては、取り扱いが容易な常温脱硫剤が挙げられる。
一方、炭化水素系燃料のうちプロパンガス(LPG)や灯油等も燃料電池用の燃料として有望な燃料であり、水蒸気改質触媒により水素に転換することができる。しかしながら、LPGや灯油等の場合、その産地や製造方法により多種の硫黄化合物を含有しており、その濃度範囲も様々である。特に、常温脱硫剤では除去し難い硫化カルボニル(COS)を含有する場合もある。よって、LPGや灯油等の炭化水素系燃料の場合、都市ガス用の常温脱硫剤では十分に硫黄酸化物を除去することができないという問題がある。
そこで、脱硫剤を高温に加熱することで優れた脱硫性能を発揮する炭化水素系燃料用の脱硫剤が研究されており、このような脱硫剤としては、例えば、シリカアルミナの担体にニッケル及び銅を担持させた脱硫剤(特開2001−279271号公報)や、酸化銅と酸化亜鉛の混合物成形体に鉄又はニッケルを担持させた脱硫剤(特開平11−61154号公報)が知られている。しかしながら、前者の脱硫剤は、高い活性を長期にわたり維持することできず、耐久性が不充分であるという問題がある。また、後者の脱硫剤は、脱硫剤が粉化する等、強度が低く、耐久性が不充分であるという問題がある。
特開2001−279271号公報 特開平11−61154号公報
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、高い活性を長期にわたり維持することができる高活性及び高耐久性の炭化水素系燃料用の脱硫剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る炭化水素系燃料用の脱硫剤は、高分散性担体と、この高分散性担体に担持したNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素とを含むことを特徴とする。このように、活性金属が担持される担体を高分散性担体とすることで、活性金属の担体への分散性が向上するため、活性金属の高い活性を長期間にわたって維持することができる。
上記高分散性担体としては、少なくとも二種の元素が存在する複合酸化物を含むものが好ましい。このような二種以上の元素が存在する複合酸化物は、各元素の酸化物に比べて比表面積が大きく、活性金属の分散性が非常に高いので、活性金属の高い活性を長期間にわたって維持することができる。特に、複合酸化物の比表面積を100m2/g以上にすることが好ましい。
上記複合酸化物としては、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23及びSiO2−Al23から選ばれる少なくとも一種が好ましい。このような複合酸化物は、その比表面積が特に高いので、活性金属の分散性がさらに向上し、活性金属の高い活性をより長期間にわたって維持することができる。さらに、このような複合酸化物は、各種ガス及び高熱においても安定である。よって、ガスによる腐食及び脱酸素による結晶構造の破壊や、高熱による結晶成長(破壊)を防ぐことができる。
また、上記複合酸化物としては、TiO2−SiO2−MO、TiO2−Al23−MO、TiO2−ZrO2−MO、ZrO2−Al23−MO、TiO2−P25−MO、TiO2−B23−MO及びSiO2−Al23−MOから選ばれる少なくとも一種(式中のMOは、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgの酸化物から選ばれる少なくとも一種)が好ましい。このような複合酸化物とすることで、その比表面積がさらに増加するので、活性金属の分散性がさらに向上し、活性金属の高い活性をより長期間にわたって維持することができる。
さらに、上記複合酸化物と混合された状態で、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含むことが好ましい。このように複合酸化物と上記元素との混合物とすることで、活性金属の高い活性をより長期間にわたって維持することができるとともに、担体自身にも脱硫性能を付与することができる。
また、上記高分散性担体としては、ベーマイトを含むものが好ましい。ベーマイトは高比表面積を有するので、これを担体に添加することで、活性金属の分散性が良くなり、活性金属の高い活性を長期間にわたって維持することができる。また、ベーマイトを添加することで、担体の成形性及び成形強度を向上させることもできる。よって、脱硫剤の強度が向上し、成型した形状を長期間にわたり保持することができる。さらに、ベーマイトは、従来のグラファイト等の炭素系の成形助剤と比べて加熱による燃焼しにくいので、脱硫剤を加熱して使用する脱硫システムにおいて、脱硫剤の耐久性を飛躍的に向上させることができる。
上記高分散性担体は、上記ベーマイトに加えて、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含むことが好ましい。このような元素を加えることで、担体自身にも脱硫性能を付与することができる。
さらに、上記高分散性担体としては、上記の複合酸化物とベーマイトとを含むものが好ましい。これにより、脱硫剤の高い活性を長期間にわたり維持できるとともに、脱硫剤の成形性及び成形強度も向上できるので、高活性かつ高耐久性の脱硫剤を得ることができる。
本発明は、別の態様として、炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法であって、Ti、Si、Al、Zr、B及びPから選ばれる少なくとも二種の元素の各化合物の溶液を混合して複合酸化物の沈殿を調製し、この沈殿物を焼成して複合酸化物の粉末とする工程と、この複合酸化物の粉末にNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素を含浸させ、さらに焼成する工程とを含むことを特徴とする。
上記複合酸化物の沈殿の調製において、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素の化合物の溶液をさらに混合することが好ましい。また、上記複合酸化物の粉末に、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素を含む粉末を混合した後、この混合粉末に上記活性金属元素を含浸させることが好ましい。さらに、上記複合酸化物の沈殿の調製において、ベーマイト粉末をさらに混合することにより、複合酸化物とベーマイトが存在する沈殿物を得て、この沈殿物を焼成して複合酸化物とベーマイトが存在する担体粉末とした後、この担体粉末に上記活性金属元素を含浸させることが好ましい。
また、本発明に係る炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法は、別の態様として、ベーマイトを溶解した酸性の溶液と、アルカリ溶液とを混合してベーマイトが存在する沈殿を調製し、この沈殿物を焼成してベーマイトが存在する担体粉末を得る工程と、この担体粉末にNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素を含浸させ、さらに焼成する工程とを含むことを特徴とする。上記担体粉末を得る工程において、ベーマイトを溶解した溶液とNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素の化合物の溶液とを混合した酸性の混合溶液と、アルカリ溶液とを混合してベーマイトと上記元素の酸化物とが存在する沈殿を調製し、この沈殿物を焼成してベーマイトと上記元素の酸化物とが存在する担体粉末を得ることが好ましい。
本発明は、さらに別の態様として、炭化水素系燃料の脱硫システムであり、上記の本発明に係る脱硫剤が、炭化水素系燃料の流通経路内に設置されていることを特徴とする。また、本発明に係る脱硫システムは、上記の高分散性担体に上記の活性金属元素のうち異なる種類の金属を担持させた2種以上の脱硫剤が、炭化水素系燃料の流通経路に直列に設置されていることを特徴とする。また、直列に設置される脱硫剤は、上記の本発明に係る脱硫剤のうちの2種以上としても良い。
本発明に係る脱硫システムは、脱硫剤を加熱する手段をさらに備えることが好ましい。脱硫剤は100〜500℃の高温に加熱することが好ましい。また、本発明に係る脱硫システムは、燃料電池発電システム用改質器の内部に設置することが好ましく、改質器内部の熱エネルギーによって脱硫剤を加熱することが好ましい。
また、本発明に係る脱硫システムは、炭化水素系燃料タンクからの燃料流通経路が分岐して2以上の脱硫剤に並列に設置されており、少なくとも1つの脱硫剤が低硫黄濃度用脱硫剤であり、少なくとも他の1つの脱硫剤が高硫黄濃度用脱硫剤であることを特徴とする。この脱硫システムは、特に、タンク中の燃料残量の変動に伴い燃料中の硫黄化合物が変動する燃料に対して使用することが好ましい。また、高硫黄化合物用脱硫剤中に担持されているNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属の量は、低硫黄濃度用脱硫剤中に担持されている活性金属の量よりも多いことを特徴とする。
さらに、本発明に係る脱硫システムは、前記タンク中の燃料残量を検知する手段とともに、前記2以上の脱硫剤に通じる燃料流通経路を切り替える切り換え手段がさらに設置されていることを特徴とする。この切替手段として、タンク中の燃料残量が所定量に達した際に検知信号を送る検知手段と、この検知信号により、低硫黄濃度用脱硫剤から高硫黄濃度用脱硫剤へ燃料の流通を切り替える脱硫剤切替手段とを含むことが好ましい。
さらにまた、本発明に係る脱硫システムは、前記燃料タンクが2以上並列に設置され、各タンクには燃料の残量を検知する検知手段がそれぞれ備えられているとともに、前記脱硫剤に通じる燃料流通経路を該2以上のタンク間で切り替えられる切替手段を備えることを特徴とする。この切替手段として、タンク中の燃料残量が所定量に達した際に検知信号を送る検知手段と、この検知信号により、タンク中の燃料が一部残存した状態で別のタンクへ流通を切り替える脱硫剤切替手段とを含むことが好ましい。なお、この切替後、切り替えられた一部の燃料が存在するタンク中に他の同じ燃料を充填することが好ましい。なお、本発明に係る脱硫剤又は脱硫システムは、燃料電池発電システムに用いることが好ましい。
上記の通り、本発明によれば、高い活性を長期にわたり維持することができる高活性及び高耐久性の炭化水素系燃料用の脱硫剤及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明に係る炭化水素系燃料用の脱硫剤及び脱硫システムの実施の形態についてさらに詳細に説明する。先ず、本発明に係る脱硫剤は、高分散性担体と、この高分散性担体に担持したNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素とを含むものである。高分散性担体としては、少なくとも2種の元素が存在する複合酸化物、ベーマイト又はこれらの混合物を含むものが好ましい。
本発明に係る高分散性担体は、その第1の実施形態として、少なくとも2種の元素が存在する複合酸化物を含むものである。この少なくとも2種の元素が存在する複合酸化物としては、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、リン、ホウ素(第一担体元素)から選ばれた少なくとも2種の元素の複合酸化物が好ましい。
この複合酸化物は、共沈法又は加水分解法により、少なくとも2種の元素の各化合物の溶液を混合して複合酸化物を沈殿させて調製したものが好ましい。用いる元素の化合物としては、共沈法又は加水分解法により複合酸化物が沈殿するものであれば特に限定されないが、例えば、チタニウムイソプロポキシド、オルト珪酸テトラエチル、アルミニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソブトキシド、リン酸トリメチル、トリメチルボランが好ましい。また、得られる複合酸化物としては、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23及びSiO2−Al23が好ましい。
また、上記の第一担体元素に加えて、ニッケル、鉄、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、スズ、銀の元素(第二担体元素)を加えることもできる。この第二担体元素は、共沈法又は加水分解法により第二担体元素の化合物の溶液と少なくとも2種の第一担体元素の各化合物の溶液とを混合して第一担体元素との複合酸化物とすることが好ましい。用いる第二担体元素の化合物としては、共沈法又は加水分解法により複合酸化物が沈殿するものであれば特に限定されないが、例えば、硝酸化合物が好ましい。また、得られる複合酸化物としては、TiO2−SiO2−MO、TiO2−Al23−MO、TiO2−ZrO2−MO、ZrO2−Al23−MO、TiO2−P25−MO、TiO2−B23−MO、SiO2−Al23−MO(MOは、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn、Agの各酸化物の少なくとも1種)が好ましい。
なお、第二担体元素の原料化合物は、上記のように第一担体元素の原料化合物と混合して複合酸化物を沈殿させる他に、第一担体元素の複合酸化物の焼成品粉末と混合して共沈させることでも、第一担体元素と第二担体元素との複合酸化物を得ることができる。また、第二担体元素は、第一担体元素との複合酸化物とする他、それ自体で酸化物等の沈殿を得て、これを、第一担体元素からなる複合酸化物の未焼成品又は焼成品の粉末又は成形品と混合することでも、第一担体元素からなる複合酸化物に添加することができる。なお、この場合、第一担体元素からなる複合酸化物と混合する前に、この第二担体元素の沈殿生成物に活性金属元素を担持させておいても良い。
また、本発明に係る高分散性担体は、その第2の実施形態として、ベーマイト(組成式:γ−AlO(OH))を含むものである。本実施形態の担体は、ベーマイトを含むものであれば特に限定されないが、上記の第二担体元素をさらに含むものが好ましい。この場合、共沈法又は加水分解法によりベーマイト溶液と上記の第二担体元素の原料化合物とを混合してベーマイトと第二担体元素とを含む沈殿物を生成することが好ましい。なお、第二担体元素は、上記のようにベーマイトと同時に沈殿させる他、ベーマイト粉末と混合することでも、ベーマイトに加えることができる。
さらに、本発明に係る高分散性担体は、その第3の実施形態として、上記の複合酸化物とベーマイトとを含むものである。複合酸化物にベーマイトを添加する方法としては、共沈法又は加水分解法により第一担体元素の原料化合物を混合して複合酸化物を沈殿させる際に、この第一担体元素の原料化合物にベーマイト粉末を添加することが好ましい。これにより、上記の複合酸化物とベーマイト(AlO(OH))との沈殿物を得ることができる。また、複合酸化物の未焼成品又は焼成品の粉末又は成形品と混合することでも、複合酸化物にベーマイトを添加することができる。
そして、上記の第1〜3の実施形態により得られた高分散性担体に、ニッケル、鉄、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、スズ、銀から選ばれた少なくとも1種の活性金属元素を担持させることで、本発明に係る脱硫剤を得ることができる。高分散性担体の表面に活性金属元素を担持する方法としては、含浸法又は沈殿法を用いることが好ましい。含浸法又は沈殿法に用いる活性金属の原料化合物は、特に限定されないが、硝酸化合物が好ましい。活性金属の担持量は、脱硫剤の全重量に対して0.5〜80重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましい。活性金属を担持させた後、適宜乾燥させて、200〜600℃の温度範囲、より好ましくは200〜400℃の温度範囲、特に好ましくは300℃付近で1〜24時間(昇温速度5〜600℃/h)にわたって焼成することで脱硫剤粉末を得ることができる。
この焼成した脱硫剤粉末は、加圧成形して固定化した後、所定の粒径になるように破砕して篩い分けすることが好ましい。また、粉末を直接、所定の形状に加圧成形することもできる。脱硫剤の形状は、特に限定は無いが球状又は円柱状が好ましい。また、脱硫剤の大きさは、特に限定されないが、球状であれば直径0.5〜5mm、円柱状であれば直径及び高さが2〜5mmの範囲が好ましい。得られた脱硫剤は、後述する脱硫システムに使用するために、水素含有ガスにより還元処理する等の前処理を行う。
次に、本発明に係る脱硫剤を加熱脱硫剤として用いた脱硫システムについて説明する。なお、常温脱硫剤としては、β型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト又はMFI型ゼオライトを担体として、銀、銅又はコバルトを金属成分として担持したものを用いることが好ましい。図1に、LPGの脱硫システムの一例を模式的に示す。LPG中の硫黄化合物としては、硫化ジメチル、メチルエチルサルファイド、ターシャリーブチルメルカプタンなどが含まれる場合(LPG1)を対象としている。
図1に示すように、LPGが充填されたボンベ2には、検知手段の1つとして液面レベル計3が設けられ、供給ライン4へ繋がるガス出口には開閉弁6が設けられている。LPGの供給ライン4は、常温脱硫剤1の前段で分岐しており、一方が切替弁7Aを介して常温脱硫剤1Aに通じており、他方が切替弁7Bを介して常温脱硫剤1Bに通じている。常温脱硫剤1A,1Bの後流には、各々弁が設けられてからラインが1つに合流する。このように脱硫されたガスのラインは、燃料電池システムの改質器などに接続される。ラインの途中では、ガスの一部を採取して分析できるように分析計5と接続されていてよい。なお、切替弁などの各弁については、三方弁などの他の弁を用いてシステムを構成することも十分可能であり、上記の形態に何ら限定されるものではない。
以上の構成によれば、ボンベ2から排出されるLPGは、開放された開閉弁6から供給ライン4を通って常温脱硫剤1へ送られる。ボンベ2の使用当初は切替弁7Aを開放、切替弁7Bを閉じて、低硫黄濃度用脱硫剤である常温脱硫剤1AにLPGを送る。脱硫処理されたガスは、後段に送られ、必要に応じて一部を分析計5に送り、脱硫率をモニターすることもできる。
LPGボンベ2中の硫黄濃度はLP残留量に依存するため、LP残留量を液面レベル計3でモニターして、使用する常温脱硫剤の切替え操作を行う。上述したように、ボンベ2中では液面が存在しており、LPの消費量が増大すると液面がボンベ下部に下降してくる。液面レベル計3は、この液面の位置がボンベ2内の一定の位置より低くなった場合に、検知信号を送る検知手段である。検知手段は、切替弁7A、7Bと接続されており、検知信号によってボンベ2使用当初に開放されていた切替弁7Aを閉じて、切替弁7Bを開放する。これによって、低硫黄濃度用脱硫剤である常温脱硫剤1Aに送られていたLPGは、高硫黄濃度用脱硫剤である常温脱硫剤1Bに送られる。
なお、本発明で用いることのできる検知手段としては、図1で示した液面レベル計3の他、例えば、供給ライン4に設けられた着色剤でもよい。供給ライン4に流通するガス中の硫黄濃度は、ボンベ2が一定以上の消費を行った後に急激に高くなる。よって、着色剤は、ボンベ使用当初からの一定状態の硫黄濃度では色が変化しないが、急激な硫黄濃度上昇によって一気に色が変化する。この着色剤の色変化を検知手段として識別して、検知信号を送ることができる。例えば、硫黄吸着状態では黒色となる着色剤では、可視光による検知が容易である。なお、変色した着色剤は再利用することが難しいので、通常はフィルター等の形態のまま、着色剤ごと交換することが好ましい。
本実施の形態に示したLPG1の脱硫方法においては、LPG1ボンベ2A中のガスを最後まで使用することが可能であり、低硫黄濃度用脱硫剤と高硫黄濃度用脱硫剤である常温脱硫剤を2以上並列に設置して使用する。
図2に、本実施の形態に係るLPGの脱硫方法のシステム構成の他の一例を示す。本実施の形態では、LPG中の硫黄化合物としては、硫化ジメチル、メチルエチルサルファイド、ターシャリーブチルメルカプタン等の他、硫化カルボニル(COS)などが含有する場合(LPG2)を主に対象としている。
図2に示すように、COSを含有するLPG2が充填されたボンベ2には、供給ライン4へ繋がるガス出口に開閉弁6が設けられている。LPGの供給ライン4は、常温脱硫剤1へ通じている。常温脱硫剤1の後流には、ライン12を介して加熱脱硫剤9が設置されている。加熱脱硫剤9の近傍には、ヒーター8が設けられており、脱硫剤9を所望の温度まで保温加熱できる。硫黄濃度の分析計5は常温脱硫剤1後流と加熱脱硫剤9後流の両方のS濃度をモニターできるように、それぞれ弁10又は11を介してガスライン12と接続されている。
以上の構成によれば、ボンベ2から排出されるLPGは、開放された開閉弁6から供給ライン4を通って常温脱硫剤1へ送られる。LPG2を燃料に用いた場合、常温脱硫剤1ではCOS以外のS成分を除去することはできるが、COSは除去することができない。よって、後流の加熱脱硫剤9により、COSを除去する。また、ボンベ2の9割消費以降の高濃度S分についても、常温脱硫剤1で除去しきれず後流に流れる各種の硫黄成分を加熱脱硫剤9により完全に除去することができる。
本実施の形態に示したLPGの脱硫方法においては、LPG2ボンベ2中のガスを最後まで使用することが可能であり、ガス流れ方向に対して前流に常温脱硫剤1、後流に加熱脱硫剤9を2以上直列に設置して使用する。
また、本実施の形態では、加熱脱硫剤9は図3に示すように、燃料電池システムの改質器20と組み合わせて、排熱が利用できるように改質器20内部に充填することができる。この態様によれば、加熱手段としてのヒーター8が不要となり、加熱脱硫剤9は交換無しで長期間に安定して使用することができる。常温脱硫剤と加熱脱硫剤の組み合わせて用いる際には、前流の常温脱硫剤1で約8割以上のS分を除去し、加熱脱硫剤で仕上げ脱硫を行うこととなる。このため、加熱脱硫剤9の設置スペースが限定されていること、および、基本的に交換が不要であることを考慮すると、COS以外のS化合物は予め除去し、極力少ない充填量の加熱脱硫剤9を用いることがよい。
本実施の形態のようにLPG中にCOSが含有される場合は、上記常温脱硫剤では十分な除去が困難であるため、常温脱硫剤と加熱脱硫剤を直列に連結して用いる。なお、加熱脱硫剤のみの設置も考えられるが、加熱脱硫剤は固定式で交換型でないため、数年以上の寿命を必要とするため大容量の脱硫剤が必要となる場合がある。COSの含有量はLPG中に多く含有する場合でも全体硫黄分の2割以下と考えられるため、後流に設置する加熱脱硫剤の容量を出来るだけ少なくし、加熱によるエネルギーロスを出来るだけ少なくして、効率的なPEFCシステムを提供することが必要である。加熱吸着剤に外部加熱を抑えるため、改質器内部に脱硫剤を内蔵してLPGを流通させることが好ましい。
図4には、上記実施の形態(図1)あるいは(図2)の態様に組み合わせて用いることができるLPGボンベのシステム構成の他の一例を示す。図4では、供給ライン4以降のシステムとして、常温脱硫剤1のみを用いた場合を記載したが、本発明の目的を達成するためには図5又は図6のようなシステムが望ましい。ここでは、LPG中の硫黄化合物としては、硫化ジメチル、メチルエチルサルファイド、ターシャリーブチルメルカプタンなどが含有する場合(LPG1)を主に対象としている。
図4に示すように、LPG1が充填されたボンベ2Aおよび2Bは並列に設置されており、供給ライン4へ繋がるガス出口にはそれぞれ独立に開閉弁6Aおよび6Bが設けられている。ボンベ2Aおよび2Bには、それぞれ検知手段の1つとして液面レベル計3Aおよび3Bが設けられている。LPGの供給ライン4は、常温脱硫剤1へ通じている。常温脱硫剤1の後流には、ラインの一部から脱硫処理してガス中の硫黄濃度の分析計5へ繋がるガスライン12が接続されている。なお、検知手段としては液面レベル計に限られるものではなく、例えば供給ライン4に着色剤を設ける態様であってもよい。
以上の構成によれば、使用当初には、最初に用いるボンベ2Aから排出されるLPGが、開放された開閉弁6Aから供給ライン4を通って常温脱硫剤1へ送られる。この際、開閉弁6Bは閉じている。脱硫処理されたガスは、後段に送られ、必要に応じて一部を分析計5に送り、脱硫率をモニターすることもできる。
LPGボンベ2A中の硫黄濃度はLP残留量に依存するため、LP残留量を液面レベル計3Aでモニターして、使用するボンベの切替え操作を行う。液面レベル計3により、LPG中のS分濃度が高くなるボンベ2Aが約8〜9割消費時において、ボンベ中の液面レベル計が検知して、検知信号を送る。検知手段は、開閉弁6A、6Bと接続されており、検知信号によって使用当初に開放されていた6Aを閉じて、6Bを開放する。これによって、ボンベ2Aから供給ライン4へ送られていたガスは、ボンベ2Bから送られることになり、ボンベ2Aからの供給は終了する。
図4に示すパラレル配置においては、検知信号によるボンベ切替工程を適切な時期に実施することによって、常温脱硫剤1には一定濃度のS分が略一定に供給されることとなる。このため、出口S濃度をS<0.1ppm(分析計の検出限界以下)とすることが可能であり、一定以上の安定した脱硫性能を得ることができる。よって、上記実施の形態(図1)又は(図2)において、複数のボンベを設けた図5又は図6に示す態様を採用すれば、本実施の形態で説明した一定以上の安定した脱硫性能が期待できるので、一層確実にしかも安定して脱硫が可能となる。ここで、高濃度S分が残存したボンベ2Aについては、そのままS分(付臭剤)を追加せずにLPGを充填して再利用することができる。
(脱硫剤の調製)
284.3gのチタニウムイソプロポキシドと69.3gのオルト珪酸テトラエチルとを室温で攪拌混合後、この混合液を80℃に加熱した4.8リットルのイオン交換水の中に一気に添加し、80℃を保持したまま2時間攪拌した。これにより得られた沈殿物を遠心分離器にて洗浄ろ過後、乾燥し、500℃で5時間焼成することによって、TiO2とSiO2の重量比が80:20の複合酸化物1を得た。
次に、得られた複合酸化物1を25gとり、そこに123.8gの硝酸ニッケル・6水和物を200gのイオン交換水に溶解させた硝酸ニッケル水溶液を入れた後、磁製皿上で蒸発乾固含浸した。これにより得られた粉末を乾燥器で完全に乾燥後、300℃で5時間(昇温速度100℃/h)焼成を施すことによって、複合酸化物に50重量%のNiが担持した試作脱硫剤粉末1を得た。
さらに、得られた試作脱硫剤粉末1を30tonの加圧成形器で粉末を固定化させた後、粒径が2〜4mmの範囲となるように破砕後篩い分けして固形型脱硫剤1を得た。
実施例1にて、オルト珪酸テトラエチルの代わりにアルミニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソブトキシド、トリメチルボラン、リン酸トリメチルを用いて、得られる複合酸化物にAl23、ZrO2、B23、P25が重量比で20%存在するよう添加したこと以外は実施例1と同様にして、固形型脱硫剤2〜5を得た。
実施例1にて、80℃に加熱した4.8リットルのイオン交換水に、Ti源とSi源の混合液と併せて市販のベーマイト粉末20gを一気に添加したこと以外は実施例1と同様にして、TiO2−SiO2−ベーマイト含有の固形型脱硫剤6を得た。
実施例1にて、硝酸ニッケルの代わりに硝酸銅、硝酸鉄、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸スズ、硝酸銀を用いて、得られる試作脱硫剤粉末中にそれぞれ金属が50重量%担持されるよう添加したこと以外は実施例1と同様にして、固形型脱硫剤7〜13を得た。
実施例1にて、硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケルと硝酸鉄を用いて、複合酸化物にニッケルが25%、鉄が25%それぞれ担持されるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、固形型脱硫剤14を得た。
実施例4にて、硝酸鉄の代わりに硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸スズ、硝酸銀を用いて、複合酸化物にそれぞれ金属が25%担持されるよう添加したこと以外は実施例4と同様にして、固形型脱硫剤15〜20を得た。
実施例1にて、イオン交換水中に24.8gの硝酸ニッケル・6水和物を加えたこと以外は実施例1と同様にして、固形型脱硫剤21を得た。
実施例7にて、硝酸ニッケルの代わりに硝酸銅、硝酸鉄、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸スズ、硝酸銀を用いたこと以外は実施例7と同様にして、固形型脱硫剤22〜28を得た。
実施例1にて、市販のTiO2に硝酸ニッケル水溶液を用いて50重量%のニッケルを担持したNi/TiO2を得て、これを複合酸化物1と粉末混合した後に、ニッケルを担持させたことこと以外は実施例1と同様にして、固形型脱硫剤29を得た。
炭酸ナトリウム2.5molを水2リットルに溶解させ、60℃に保温してアルカリ溶液Aを得た。また、ベーマイト0.015mol及び硝酸亜鉛0.225molを水400mlに溶解させ、60℃に保温して酸性溶液Bを得た。そして、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し、ベーマイト及び亜鉛を含有した沈殿生成液Cを得た。この沈殿生成液Cを2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Cのろ液及びNaイオン、NOイオンが検出されない様に十分洗浄した。そして、100℃で24時間乾燥し、その後、300℃で3時間焼成することにより担体粉末30を得た。
この担体粉末30を47.5gとり、そこに12.4gの硝酸ニッケル・6水和物を40gのイオン交換水に溶解させた硝酸ニッケル水溶液を入れた後、磁製皿上で蒸発乾固含浸した。これにより得られた粉末を乾燥器で完全に乾燥後、300℃で5時間(昇温速度100℃/h)焼成を施すことにより、5重量%のニッケルが担持された試作脱硫剤粉末30を得た。
得られた試作脱硫剤粉末30を30tonの加圧成形器で粉末を固定化させた後、粒径が2〜4mmの範囲となるように破砕後篩い分けして固形型脱硫剤30を得た。
実施例10にて、硝酸亜鉛の代わりに硝酸銅、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸スズ、硝酸銀を用いて、得られる試作脱硫剤粉末中にそれぞれ金属が50重量%担持されるよう添加したこと以外は実施例10と同様にして、固形型脱硫剤31〜37を得た。
実施例10にて、硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケルと硝酸鉄を用いて、ニッケルが25%、鉄が25%それぞれ担持されるように添加したこと以外は実施例10と同様にして、固形型脱硫剤38を得た。
実施例12にて、硝酸鉄の代わりに硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸スズ、硝酸銀を用いて、それぞれ金属が25%担持されるよう添加したこと以外は実施例12と同様にして、固形型脱硫剤39〜44を得た。
実施例10にて、得られた担体粉末30に実施例1の複合酸化物1を重量比で複合酸化物:担体粉末=2:8となるように粉末混合し、この混合物にニッケルを5重量%担持させたこと以外は実施例10と同様にして、固形型脱硫剤45を得た。
実施例3及び10にて、得られた試作脱硫剤粉末を3mmφ×3mmLの円柱状に成型したこと以外は実施例3及び10と同様にして、固形型脱硫剤46及び47を得た。
実施例3及び10にて、得られた試作脱硫剤粉末をそれぞれ1〜2mmφの球状に成型したこと以外は実施例3及び10と同様にして、固形型脱硫剤48及び49を得た。
(比較例1、2)
なお、比較例として、特開2003−279260号公報の実施例1の手順に従い、シリカ−アルミナ(Si/Alモル比5)に、Niが51.0wt%、Cuが19.8wt%、Znが4.9wt%含まれた比較脱硫剤粉末1を得た。そして、この得られた比較脱硫剤粉末1を1〜2mmφの球状に成型して比較固形型脱硫剤1を得た。
また、特開平11−61154号公報の実施例1の手順に従い、Cu−ZnにNiが担持された比較脱硫剤粉末2を得た。そして、この得られた比較脱硫剤粉末2を1〜2mmφの球状に成型して比較固形型脱硫剤2を得た。
(脱硫性能試験)
固形型脱硫剤1〜49及び比較固形型脱硫剤1、2について、LPGを用いた脱硫性能試験を実施した。試験条件を表1に示す。試験中は、反応管に充填した脱硫剤の流通前後のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフによってガス中のS濃度を測定した後、S分が脱硫剤出口でスリップするまでに脱硫剤に吸着したS分量を算出した。
Figure 2005281358
上記の脱硫性能試験によって得られた結果を表2に示す。表2に示す通り、固形型脱硫剤1〜49は、特に反応管入口温度が200℃のように脱硫剤を加熱して使用する環境下において、比較固形型脱硫剤1、2よりもLPG中のS分除去性能が著しく向上した。
Figure 2005281358
(成型強度試験)
また、固形型脱硫剤48、49及び比較固形型脱硫剤1、2について、固形型脱硫剤の圧壊強度を木屋式硬度計(株式会社木屋製作所製、製造番号1600−D)にて測定した。その結果を表2に示す。表2に示す通り、固形型脱硫剤48、49は、比較固形型脱硫剤1、2よりも成型体の圧壊強度が著しく向上したことが確認できた。
常温脱硫剤を用いた脱硫システムの一例を概略的に示した模式図である。 本発明の脱硫剤を用いた脱硫システムの一例を概略的に示した模式図である。 図2の脱硫システムを燃料電池用改質器と組み合わせた場合の一例を示した図である。 常温脱硫剤を用いた脱硫システムの他の例を概略的に示した模式図である。 常温脱硫剤を用いた脱硫システムのさらに他の例を概略的に示した模式図である。 本発明の脱硫剤を用いた脱硫システムの他の一例を概略的に示した模式図である。
符号の説明
1 常温脱硫剤
2 LPGボンベ
3 液面レベル計
4 供給ライン
5 分析計
6 開閉弁
7 切替弁
8 ヒーター
9 加熱脱硫剤
10、11 弁
12 ライン
20 改質器
21 バーナ
22 改質触媒
23 触媒

Claims (15)

  1. 高分散性担体と、この高分散性担体に担持したNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素とを含んでなる炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  2. 上記高分散性担体が、少なくとも二種の元素が存在する複合酸化物を含むものである請求項1に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  3. 上記複合酸化物の比表面積が100m2/g以上である請求項2に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  4. 上記複合酸化物が、TiO2−SiO2、TiO2−Al23、TiO2−ZrO2、ZrO2−Al23、TiO2−P25、TiO2−B23及びSiO2−Al23から選ばれる少なくとも一種である請求項2又は3に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  5. 上記複合酸化物が、TiO2−SiO2−MO、TiO2−Al23−MO、TiO2−ZrO2−MO、ZrO2−Al23−MO、TiO2−P25−MO、TiO2−B23−MO及びSiO2−Al23−MOから選ばれる少なくとも一種であり、上記MOが、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgの酸化物から選ばれる少なくとも一種である請求項2又は3に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  6. 上記高分散性担体が、上記複合酸化物と混合された状態で、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含むものである請求項2〜5のいずれかに記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  7. 上記高分散性担体が、ベーマイトを含むものである請求項1に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  8. 上記高分散性担体が、上記ベーマイトに加えて、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含むものである請求項7に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  9. 上記高分散性担体が、ベーマイトをさらに含むものである請求項2〜6のいずれかに記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤。
  10. Ti、Si、Al、Zr、B及びPから選ばれる少なくとも二種の元素の各化合物の溶液を混合して複合酸化物の沈殿を調製し、この沈殿物を焼成して複合酸化物の粉末とする工程と、この複合酸化物の粉末にNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素を含浸させ、さらに焼成する工程とを含んでなる炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
  11. 上記複合酸化物の沈殿の調製において、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素の化合物の溶液をさらに混合する請求項10に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
  12. 上記複合酸化物の粉末に、Ni、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素を含む粉末を混合した後、この混合粉末に上記活性金属元素を含浸させる請求項10又は11に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
  13. ベーマイトを溶解した酸性の溶液と、アルカリ溶液とを混合してベーマイトが存在する沈殿を調製し、この沈殿物を焼成してベーマイトが存在する担体粉末を得る工程と、この担体粉末にNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の活性金属元素を含浸させ、さらに焼成する工程とを含んでなる炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
  14. 上記担体粉末を得る工程において、ベーマイトを溶解した溶液とNi、Fe、Cu、Zn、Co、Mn、Sn及びAgから選ばれる少なくとも一種の元素の化合物の溶液とを混合した酸性の混合溶液と、アルカリ溶液とを混合してベーマイトと上記元素の酸化物とが存在する沈殿を調製し、この沈殿物を焼成してベーマイトと上記元素の酸化物とが存在する担体粉末を得る請求項13に記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
  15. 上記複合酸化物の沈殿の調製において、ベーマイト粉末をさらに混合することにより、複合酸化物とベーマイトが存在する沈殿物を得て、この沈殿物を焼成して複合酸化物とベーマイトが存在する担体粉末とした後、この担体粉末に上記活性金属元素を含浸させる請求項10〜12のいずれかに記載の炭化水素系燃料用の脱硫剤を製造する方法。
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