JP2005280266A - 成形型及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 型温度調節用通路の配置位置・成形方法等を工夫することによって成形品の固化の均一化を図り、製品歩留まり及び生産能率を向上させることのできる成形型とその製造方法を提供する。
【解決手段】 合わせ面PL(基準平面S)に近接する部位を形成することになる可動側層状体112aには、可動側キャビティ132の一部を構成することになるキャビティ壁部132aと、合わせ面PLを貫通する貫通通路42Tの一部を構成することになる貫通通路壁部42Taとが同時一体形成される。キャビティ壁部132aとして、ベース部13b・柄部13s・天頂部13t・傘状部13c・裾部13fの各一部を構成することになるベース壁部113b・柄壁部113s・天頂壁部113t・傘状壁部113c・裾壁部113fが含まれる。また、貫通通路壁部42Taとして、起立部42sの一部を構成することになる起立壁部142sが含まれる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、射出成形用金型等の成形型とその製造方法に関する。
樹脂等の成形に用いられる射出成形機等には、例えば固定型と可動型とからなる金型等の成形型が用いられる。このような成形型には、固定型と可動型との間に形成されるキャビティ内に充填(注入)された溶融樹脂を固化させるために、型の冷却(温度調節)機構が付設されている。そして、キャビティ内の溶融樹脂を速やかにかつ均一に固化させるために、例えば、(1)合わせ面に沿って設けられる冷却通路(型温度調節用通路)の配置数・配置位置や金型材料(材質)等を工夫したり、(2)冷却水(冷媒)の温度・流量等を管理・制御したりすることが種々試みられている(特許文献1,2参照)。
特許第3072217号公報 特許第3316883号公報
しかし、
(1)冷却通路は一般にドリル等で穴あけされるため、固定型・可動型それぞれの型内で直線状に形成されることが多く、配置には設計上・製造上の限界がある;
(2)ポンプの定格容量・台数による制限や接続部からの漏水防止のための流量(水圧)制限がある;
等の理由により、成形品(すなわちキャビティ)の形状が複雑化するにつれて、冷却工程での成形型温度が不均一にかつ高温になる傾向がある。このことは成形品の固化に部分的又は時間的なばらつきを生じ、(a)固化する際の成形品の変形・寸法精度悪化等により、あるいは突出しの際の成形品の変形・損傷等により、製品歩留まりが低下したり、(b)成形サイクルが長くなることによって生産能率が低下したりする。
本発明の課題は、型温度調節用通路の配置位置・成形方法等を工夫することによって成形品の固化の均一化を図り、製品歩留まり及び生産能率を向上させることのできる成形型とその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明に係る成形型は、
固定型に対し可動型を接近移動させることにより、それらが合わせ面で接触するとともに両者間にキャビティが形成される成形型であって、
型温度調節用通路が、前記合わせ面を貫通し前記固定型と可動型とに跨って形成された貫通通路を含むことを特徴とする。
このような成形型によれば、合わせ面を貫通し固定型と可動型とに跨って形成された貫通通路を流れる型温度調節媒体(冷却媒体又は加熱媒体)によって、成形品が固化する際の位置的又は時間的なばらつきが生じにくくなる。その際、固定型と可動型との境界(合わせ面)付近での温度差の解消、キャビティ(成形品)の形状等により溶融樹脂等の保有熱が溜まりやすい部位での熱引き(熱伝導)の改善等を図ることができる。特に、貫通通路は合わせ面を貫通し、貫通通路を流れる型温度調節媒体がキャビティ内の溶融樹脂等と直接接触しないので、例えば、局所的な急冷に伴う成形品の変形・割れ等(不良発生)が生じにくい。したがって、成形品の形状が複雑化しても、成形品の変形等による製品歩留まりの低下や成形サイクルの長期化による生産能率の低下を抑制することができる。
そして、このような成形型において、固定型及び可動型のうち少なくとも一方が、合わせ面に平行な断面を有する複数の層状体を積層することにより一体形成され、かつ、層状体が、キャビティを構成するキャビティ壁部と貫通通路を構成する貫通通路壁部とを含むことが望ましい。これによって、キャビティ(成形品)が複雑な三次元形状を有する場合でも、貫通通路(温調配管)を型温度調節のために最も効果的な位置に精度よく組み込むことができ、成形品の固化の均一化により、製品歩留まりや生産能率の向上に寄与することができる。
具体的には、貫通通路壁部が、局所的な開口を除いて周囲をキャビティ壁部に包囲される形態で層状体に形成されている。これにより、閉じ込められた狭い空間を形成して溶融樹脂等の保有熱が最も溜まりやすい状態となる部位(例えば、傘状(又はきのこ状、スカート状)部、すだれ状(又はブラインド状、カーテン状)部等)を有するキャビティでの熱引き(熱伝導)の改善が図りやすくなる。
本発明に係る「成形型」の代表例は、キャビティ型(メス型)を固定型、コア型(オス型)を可動型とする射出成形用金型(特許文献1参照)や、一方を固定型、他方を可動型とする一対の分割型からなる射出成形用金型(特許文献2参照)である。ただし、「成形型」には、射出成形以外の成形方法(例えば、圧縮成形、トランスファ成形等)や、プラスチック以外の成形材料(例えば、ガラス等)に用いられる金属以外の型材料(例えば、ゴム、プラスチック等)製の型が含まれる。なお、「型温度調節用通路」は通常冷却通路であるが、成形材料によっては結晶性を向上させるため成形型(金型)を高温に維持する必要があり、このような場合には加熱通路としての機能も有する。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る射出成形用の成形型は、
固定型に対し可動型を接近移動させることにより、それらが合わせ面で型締めされるとともに両者間にキャビティが形成される射出成形用の成形型であって、
型温度調節用通路としての冷却通路が、前記合わせ面を貫通し前記固定型と可動型とに跨って形成された貫通通路を含み、
前記貫通通路を流れる冷媒が前記固定型及び可動型のうち少なくとも一方の側の冷却通路から吸引排出されることを特徴とする。
このような射出成形用の成形型によれば、貫通通路が合わせ面を貫通し固定型と可動型とに跨って形成されていても、その内部を流れる冷媒が合わせ面から噴出しない。したがって、合わせ面の貫通通路にOリング、パッキン、樹脂コーティング層等のシール処理を施さなくてよいので構造が簡素で安価であり、冷媒漏れによる錆の発生も防止できる。なお、冷媒として、冷却水等の冷却液や冷却空気等の冷却ガスを用いることができる。また、貫通通路は、固定型・可動型いずれの冷却通路に連結されていてもよく、冷却通路に対して直列状・並列状のいずれでも連結できる。さらに、貫通通路を固定型及び可動型の各冷却通路に跨るバイパス路として連結してもよい。
具体的には、冷却通路を流れる冷媒は冷却水であり、その冷却水は合わせ面から貫通通路に吸い込まれる外気とともに負圧ポンプにより固定型及び可動型のうちいずれか一方の側の冷却通路から吸引排出されることが望ましい。この場合、冷却水を圧送しなくてすむためポンプ(及び駆動モータ)の負担を軽減できるとともに、外気の吸引により冷却効率が向上する。
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る成形型の製造方法は、
固定型と可動型との合わせ面を含む基準平面に平行な断面を有する複数の層状体の各々に、両者間に形成されるキャビティを構成することが予定されたキャビティ壁部と、前記合わせ面を貫通する貫通通路を構成することが予定された貫通通路壁部とが同時一体形成され、
それら複数の層状体が積層一体化されて前記固定型及び可動型のうち少なくとも一方が造型されることを特徴とする。
このような成形型の製造方法によれば、スライス状(薄膜状)の層状体にキャビティ壁部と貫通通路壁部とを一工程で一体的に形成でき、また複数の層状体の積層一体化によりキャビティと貫通通路とを有する成形型の造型ができるので、造型に要する時間を短縮できる。
ここで、本発明における積層一体化造型法として、具体的には次のような手法を採用することができる。
(1)熱溶融硬化性物質の溶融・硬化による方法……プレート上に熱溶融硬化性物質(例えば金属粉末)を所定厚さで層状に均一散布し、レーザービーム等をキャビティ断面形状及び貫通通路断面形状に沿って照射することにより照射部位が熱溶融硬化した層状体を形成するとともに、同時にその照射により互いに隣接した層状体を積層一体化する造型法である(特公平6−98687号公報、特許第2620353号公報参照)。
(2)光硬化性物質の硬化による方法……容器に光硬化性流動物質(例えば光硬化性樹脂溶液)を入れ、水銀ランプ等の光源からの光束をキャビティ断面形状及び貫通通路断面形状に沿って照射することにより照射部位が光硬化した層状体を形成するとともに、同時にその照射により互いに隣接した層状体を積層一体化する造型法である(特公平6−24773号公報、特公平7−57531号公報参照)。
(3)シート状物質の切断・積層による方法……プレート上に所定厚さのシート状物質(例えば金属シート材)を載置し、レーザービーム等をキャビティ断面形状及び貫通通路断面形状に沿って照射することにより切断された層状体を形成し、複数の層状体を積層一体化する造型法である(特開平8−318535号公報参照)。
なお、「キャビティ壁部と貫通通路壁部との同時一体形成」とは、層状体の形成工程においてキャビティ壁部と貫通通路壁部とがともに(一緒に)形成されることを意味する。したがって、例えば2台のレーザー発信器を同時に作動させて両壁部を一挙に熱溶融硬化させる方法の他、1台のレーザー発信器によって一方の壁部、続いて他方の壁部を順次熱溶融硬化させる方法を用いてもよい。また、「複数の層状体の積層一体化」には、両壁部の同時一体形成と並行して隣接する層状体同士を一体化させる方法、両壁部の同時一体形成により複数の層状体(例えばシート状物質)を予め形成しておき、隣接する層状体同士を次々に又はすべての層状体を一斉に一体化させる方法、のいずれを採用してもよい。
このような成形型の製造方法において、固定型側の層状体と可動型側の層状体とは、それぞれ基準平面から互いに等しい距離を隔てて等しい厚さを有し、かつキャビティ壁部と貫通通路壁部とが同時一体形成され、複数の層状体がそれぞれ積層一体化されて固定型と可動型とが同時進行の形で造型されることにより、固定型と可動型とには基準平面に対して対称なキャビティがそれぞれ形成される場合がある。基準平面に対して対称なキャビティを有する固定型と可動型とが同時進行の形で造型されることによって、造型に要する時間をさらに大幅に短縮でき、また造型のための制御も簡素化される。
(実施例)
次に、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係る成形型の一実施例である射出成形用金型を用いた射出成形機を示す正面断面図及び右側面図である。この射出成形機100は、射出成形用金型10(成形型;以下、単に金型という)を用いて自動車用樹脂部品等の成形品を製造するものである。図1に示す射出成形機100は、金型10を開閉したり高圧で締め付け固定したりするための型締め装置20と、合成樹脂等の成形材料を溶融して金型10のキャビティ13(空洞部)へ射出するための射出装置30と、金型10内で冷却水(冷媒;型温度調節媒体)を循環冷却してキャビティ13内の溶融樹脂等を冷却・固化するための冷却装置40(型温度調節装置)と、キャビティ13内に突入して冷却・固化した樹脂成形品等を取り出すための突出し装置50とを備えている。
図1において、金型10は、図中上側に位置する固定型11と下側に位置する可動型12とに分割され、固定型11と可動型12とが合わせ面PLで閉じられたとき、溶融樹脂の充填(注入)される空間であるキャビティ13が形成される。この実施例では、キャビティ13は合わせ面PLを含む基準平面Sに対して対称な形態を有する固定側キャビティ131及び可動側キャビティ132として両型11,12にそれぞれ形成され、固定型11(第一分割型)及び可動型12(第二分割型)は一対の分割型(金型10)を構成している。そして、固定型11はさらにその上方に位置する固定側取付板15(射出成形機100の固定側ダイプレート(図示せず)に固定されている)に取り付けられ、可動型12はさらにその下方に位置する受け板16に取り付けられている。また、受け板16は型締め装置20に連結され、固定側取付板15に対して上下方向(縦方向)に接近離間可能とされている。なお、固定型11及び可動型12には、合わせ面PLで閉じ合わせる際の案内部11a,12aがそれぞれ形成されており、この実施例では固定型11の四隅に設けられた案内凸部11aと可動型12の四隅に設けられた案内凹部12aとから構成されている(図4、図5参照)。
型締め装置20は、受け板16に一端を固定された複数(例えば2本;図4参照)の植え込みボルト21(締結部材)と、植え込みボルト21の他端に連結されたトグルリンク機構等の締め付け部22とを有している。また、射出装置30は、樹脂等の成形材料を溜めておくホッパ31と、成形材料を加熱溶融させた溶融樹脂を貯蔵するシリンダ32と、シリンダ32内において溶融樹脂をキャビティ13へ送り込むスクリュ33とを有している。一方、固定側取付板15にロケートリング17が固定され、ロケートリング17には下端にキャビティ13に連通するピンポイントゲート18aを開口するウェルタイプのスプルーブッシュ18が嵌め込み固定されている。そして、射出成形の際、シリンダ32先端のノズル32aがスプルーブッシュ18に挿入され、シリンダ32内の溶融樹脂がスクリュ33によりキャビティ13へ送り込まれる。
冷却装置40は、冷却水を流すために固定型11及び可動型12の内部にそれぞれ形成された断面円管形状の冷却通路41,42(型温度調節用通路;温調配管)と、固定型11及び可動型12の冷却通路41,42から冷却水を吸引・排出するための負圧ポンプ43(吸引ポンプ、減圧ポンプ)とを有している。なお、負圧ポンプ43には駆動のための電動モータ43a(ポンプ駆動手段)が付設されている。また、44は負圧ポンプ43から冷却通路41,42への冷却水の逆流を防止するための逆止め弁、45は冷却水貯留タンクである(図2参照)。
突出し装置50は、受け板16の下方に突出しストロークLに相当する隙間を介して位置する上部エジェクタプレート51と、上部エジェクタプレート51の下面に取り付けられた下部エジェクタプレート52と、キャビティ13内に突入することによって成形品Mを取り出すための突出し機構53とを有している。また、突出し機構53は、複数(例えば6本;図4参照)のエジェクトピン53aと、複数(例えば2本;図4参照)のエジェクトストッパピン53bと、複数(例えば2個;図4参照)のリターンスプリング53c(付勢部材;弾発部材)と、下部エジェクタプレート52を上方に押圧する押圧部(図示せず)とを含んで構成されている。
このうち、エジェクトピン53aは、上部エジェクタプレート51に基端が固定され、型締め時等には先端がキャビティ13の下縁と一致してキャビティ13を塞ぎ、成形品Mを取り出す際には先端が受け板16と可動型12とを貫通してキャビティ13内に突入する。エジェクトストッパピン53bは、上部エジェクタプレート51に基端が固定され、成形品Mを取り出す際に先端が受け板16と可動型12とを貫通して固定型11の合わせ面PLに当接する場合がある。リターンスプリング53cは、受け板16と上部エジェクタプレート51との間において、突出しストロークLを維持するように、植え込みボルト21に被嵌された圧縮コイルスプリング等により構成されている。したがって、リターンスプリング53cは、型締め時等には固定型11と可動型12とを合わせ面PLで圧着させる機能を有し、成形品Mを取り出す際には上部エジェクタプレート51により圧縮されてエジェクトピン53a及びエジェクトストッパピン53bを上方へ押し出す機能を有する。
図2はこのような分割式の可動型12及び固定型11で構成される金型10の内部構造を示し、図3は図2の金型10を用いて射出成形された成形品Mを示している。また、図4は可動型12の平面図、図5は固定型11の底面図を示している。なお、図5の固定型11を線分X1―Y1を中心として180°反転させ、図4の可動型12に対して点X2と点X1、点Y2と点Y1がそれぞれ一致するように合わせ面PL,PLを対面させた(面合わせした)状態が図2となる。
図2に示すキャビティ13は、既述の通り、固定型11と可動型12との合わせ面PLを含む基準平面Sに対して対称な形態を有する固定側キャビティ131及び可動側キャビティ132から構成される。具体的には、キャビティ13は、奥行方向(前後方向)に所定の厚さを有し縦方向(上下方向)よりも横方向(左右方向)に長く延びる平板長尺状のベース部13bと、ベース部13bの横方向中央部から前方へ直立状に突出する柄部13sと、柄部13sの先端で円錐台状に形成された天頂部13tと、天頂部13tで二股に分岐しベース部13bへ向けて末広がり状に開く傘状部13c(キャップ状部;きのこ状部)と、各傘状部13cの先端にてベース部13bと平行状に縦方向(上下方向)に突出する裾部13fとが、一体形成されている。なお、固定型11と可動型12との合わせ面PLの周縁は、キャビティ13(ベース部13b)の長手方向を長辺とする矩形状に形成されている(図4、図5参照)。
したがって、キャビティ13に溶融樹脂を充填させて形成される成形品Mも、図3に示すように、基準平面Sに対して対称な形態を有することになり、ベース部Mbと前方突起部としての柄部Ms・天頂部Mt・傘状部Mc・裾部Mfとがキャビティ13と同一形状で一体的に形成される。
図2に戻り、固定型11に配管された固定側冷却通路41は、固定側キャビティ131の周囲を合わせ面PL(基準平面S)とほぼ平行状に連続的に包囲する形態に形成された固定側周回通路41Rを有している。固定側取付板15(図1参照)の長手方向一端側(図1、図2では右側)に設けられた入口側プラグ41iに接続された固定側周回通路41Rは、固定型11(固定側キャビティ131)のベース部13bの後方を上縁に沿って横方向(長手方向他端側)へと向かう後方部41bを含む(図1、図5参照)。さらに、固定側周回通路41Rは、ベース部13bの外側を迂回し方向転換する反転部41eと、反転部41eに引き続きベース部13bの前方を上縁に沿って横方向へ逆向きに向かう前方部41fとを含む。なお、前方部41fの終端は、固定側取付板15の長手方向一端側に設けられた出口側プラグ41oに接続されている。また、前方部41fにおいて、前方突起部としての柄部13s・天頂部13t・傘状部13c・裾部13fの各部の前方外側を半円状に迂回する前方側半円部41c2が形成され、前方側半円部41c2に対応させて後方部41bにも後方側半円部41c1が形成されている。
したがって、入口側プラグ41iから固定側周回通路41Rに流入した冷却水は、後方部41b→後方側半円部41c1→後方部41b→反転部41e→前方部41f→前方側半円部41c2→前方部41fを経て、出口側プラグ41oから負圧ポンプ43によって吸引・排出される。
他方、可動型12に配管された可動側冷却通路42は、可動側キャビティ132の周囲を合わせ面PL(基準平面S)とほぼ平行状に連続的に包囲する形態に形成された可動側周回通路42Rを有している。この可動側周回通路42Rは、可動型12(可動側キャビティ132)の長手方向一端側(図2では右側)に設けられた入口側プラグ42iから可動側キャビティ132のベース部13bの前方下方を横方向(長手方向他端側)へと向かう前方部42fを含む(図1、図4参照)。さらに、可動側周回通路42Rは、ベース部13bの他端側下方で方向転換する反転部42eと、反転部42eに引き続きベース部13bの後方下方を横方向へ逆向きに向かい長手方向一端側に設けられた出口側プラグ42oに至る後方部42bとを含む。また、前方部42fにおいて、前方突起部としての柄部13s・天頂部13t・傘状部13c・裾部13fの各部の前方外側を半円状に迂回する前方側半円部42cが形成されている。なお、後方部42bには、前方側半円部42cに対応する後方側半円部は形成されていない。
そして、可動側周回通路42Rのうち後方部42bの横方向中央部(前方側半円部42cに対応する部分)には、ベース部13bの下方において前方側半円部42cの内部スペースへ平行状に突入する突出部42p,42pが形成されている(図4参照)。さらに、可動側周回通路42Rの平行状の突出部42p,42pの先端から上方へ立ち上がり門型状に連結する貫通通路42Tが、固定型11と可動型12との合わせ面PLを貫通して固定型11に達するように接続・形成されている(図1(a)、図4、図5参照)。この門型状の貫通通路42Tの起立部42s,42sは、キャビティ13のベース部13b・柄部13s・傘状部13c・裾部13fで囲まれた可動型12の三角状壁部(又は三角状空間)をそれぞれ貫通し、それらの上端は固定側周回通路41Rの後方部41b・前方部41f等とほぼ同じ高さの水平状の連結部42jに連なっている。
したがって、入口側プラグ42iから可動側周回通路42Rに流入した冷却水は、前方部42f→前方側半円部42c→前方部42f→反転部42e→後方部42b→突出部42p→貫通通路42T(起立部42s→連結部42j→起立部42s)→突出部42p→後方部42bを経て、合わせ面PLから貫通通路42Tに吸い込まれる外気とともに、出口側プラグ42oから負圧ポンプ43によって吸引・排出される。これによって、ベース部13b・柄部13s・傘状部13c・裾部13fによって閉じ込められたキャビティ13内の溶融樹脂の保有熱が効率よく貫通通路42Tを流れる冷却水に熱伝達される。なお、突出部42p及び貫通通路42Tの内径は他の可動側周回通路42Rの内径よりも小に設定されているので、貫通通路42Tを流れる冷却水の流速は相対的に速くなる。
このように、固定型11及び可動型12の内部には平面視でほぼ重なる位置に各冷却通路41,42が形成され、固定側周回通路41Rと可動側周回通路42Rとで冷却水の流動方向を逆方向に設定しているので、キャビティ13内の溶融樹脂が全体として均一に冷却・固化されやすくなる。しかも、可動側周回通路42Rには、合わせ面PLを貫通して固定型11にまで達する貫通通路42Tが直列状に接続されているので、冷却配管の自由度が増し冷却効率が向上する。そして、貫通通路42Tがキャビティ13のベース部13b・柄部13s・傘状部13c・裾部13fで囲まれた部分を貫通する場合には、キャビティ13内の溶融樹脂の保有熱が溜まりやすいこれらの部分からの熱引きが良好となる。また、貫通通路42Tの配置位置に対応する固定側周回通路41Rをベース部13bから遠ざけるために後方側半円部41c1が形成されているので、貫通通路42Tによる冷却効果の向上が図られた場合でも、ベース部13bの横方向中央部分が過剰に冷却されることが防止されている。よって、成形品M全体がバランスよく冷却・固化され、ベース部Mbの反り・曲がり等の変形が少なくなる。
図4に示すように、エジェクトピン53aは、ベース部13bの下方から横方向の両端部と中央部の3ヶ所で、両裾部13fの下方から2ヶ所で、天頂部13tの下方から1ヶ所で、合計6ヶ所で可動側キャビティ132内に突入可能である。また、エジェクトストッパピン53bは、ベース部13bの厚さ方向中心位置(すなわち、金型10の奥行方向の中心位置)において、下方から2ヶ所で固定型11の合わせ面PLに当接可能である。さらに、エジェクトストッパピン53b及びリターンスプリング53c(植え込みボルト21)は、シリンダ32先端のノズル32aの中心位置を挟んで点対称となる2ヶ所にそれぞれ設けられている。
ところで、図1に示すように、シリンダ32先端のノズル32a(ゲート18a)の中心位置は、ベース部13b(キャビティ13)の横方向中央部に位置するエジェクトピン53aの中心位置から、ベース部13bの厚さ方向中心線上で所定の離間距離W(たとえば2mm)だけずれて(離隔して;オフセットして)配置されている。ノズル32aの中心位置とエジェクトピン53aの中心位置とが距離W変位していることによって、エジェクトピン53aをキャビティ13内に突入させて成形品Mを突き出したときに、キャビティ13内で冷却・固化した樹脂はゲート18a(スプルーブッシュ18)内の樹脂と容易に分離する。それによって、ノズル32aをスプルーブッシュ18に接続したままで連続成形することができる。
次に、以上で説明した金型10の製造方法について説明する。図6に可動型12を製造するための可動側層状体112a,…,112n、図7に固定型11を製造するための固定側層状体111a,…,111nをそれぞれ示している。なお、図6の可動側層状体112a,…,112n及び図7の固定側層状体111a,…,111nを積層一体化して造型する方法として、この実施例では、「層状に均一散布した金属粉末にレーザービーム等を照射することにより照射部位が熱溶融硬化した層状体を形成するとともに、同時にその照射により互いに隣接した層状体を積層一体化する造型法」である「熱溶融硬化性物質の溶融・硬化による造型方法」を用いている。その造型法原理については特公平6−98687号公報、特許第2620353号公報等に記載されているので、ここでは説明を省略する。
図6に示すように、可動型12は合わせ面PL(基準平面S;図2参照)に平行な断面を有する複数の可動側層状体112a,…,112nから構成され、それらの可動側層状体112a,…,112nを積層・固着することにより一体形成される積層一体化造型法によって製造される。その際、可動型12のうち、合わせ面PL(基準平面S)に近接する部位を形成することになる可動側層状体112aには、可動側キャビティ132の一部を構成することになるキャビティ壁部132aと、合わせ面PLを貫通する貫通通路42Tの一部を構成することになる貫通通路壁部42Taとが同時一体形成される。具体的には、キャビティ壁部132aとして、ベース部13b・柄部13s・天頂部13t・傘状部13c・裾部13fの各一部を構成することになるベース壁部113b・柄壁部113s・天頂壁部113t・傘状壁部113c・裾壁部113fが含まれる。また、貫通通路壁部42Taとして、起立部42sの一部を構成することになる起立壁部142sが含まれる。ここで、「キャビティ壁部132aと貫通通路壁部42Taとの同時一体形成」は、1台のレーザー発信器を用いてまずキャビティ壁部132aを、続いて貫通通路壁部42Taを、順次熱溶融硬化させて形成することにより達成される。なお、貫通通路壁部42Ta(起立壁部142s)は、ベース壁部113bと裾壁部113fとの間の局所的な開口を除いて周囲をキャビティ壁部132aを構成する各壁部に包囲される形態で可動側層状体112aに形成されている。
一方、可動型12のうち、合わせ面PL(基準平面S)から離間する部位を形成することになる可動側層状体112nには、可動側キャビティ132の周囲を包囲する可動側周回通路42Rの一部を構成することになる可動側周回通路壁部42Rnと、合わせ面PLを貫通する貫通通路42Tの一部を構成することになる貫通通路壁部42Tnとが同時一体形成される。具体的には、可動側周回通路壁部42Rnとして、入口側プラグ42i・前方部42f・前方側半円部42c・反転部42e・後方部42b・突出部42p・出口側プラグ42oの各一部を構成することになる入口側プラグ壁部142i・前方壁部142f・前方側半円壁部142c・反転壁部142e・後方壁部142b・突出壁部142p・出口側プラグ壁部42oが含まれる。また、貫通通路壁部42Tnとして、起立部42sの一部を構成することになる起立壁部142sが含まれる。ここで、「可動側周回通路壁部42Rnと貫通通路壁部42Tnとの同時一体形成」は、1台のレーザー発信器を用いてまず可動側周回通路壁部42Rnを、続いて貫通通路壁部42Tnを、順次熱溶融硬化させて形成することにより達成される。
なお、可動側層状体112aには、キャビティ壁部132a及び貫通通路壁部42Taとともに、エジェクトストッパピン53bを通過させるためのストッパピン孔壁部153bが同時一体形成される。また、可動側層状体112nには、可動側周回通路壁部42Rn及び貫通通路壁部42Tnとともに、ストッパピン孔壁部153bと、エジェクトピン53aを通過させるためのエジェクトピン孔壁部153aとが同時一体形成される。
そして、図7に示すように、固定型11は合わせ面PL(基準平面S;図2参照)に平行な断面を有する複数の固定側層状体111a,…,111nから構成され、それらの固定側層状体111a,…,111nを積層・固着することにより一体形成される積層一体化造型法によって製造される。その際、固定型11のうち、合わせ面PL(基準平面S)に近接する部位を形成することになる固定側層状体111aには、固定側キャビティ131の一部を構成することになるキャビティ壁部131aと、合わせ面PLを貫通する貫通通路42Tの一部を構成することになる貫通通路壁部42Taとが同時一体形成される。具体的には、キャビティ壁部131aとして、ベース部13b・柄部13s・天頂部13t・傘状部13c・裾部13fの各一部を構成することになるベース壁部113b・柄壁部113s・天頂壁部113t・傘状壁部113c・裾壁部113fが含まれる。また、貫通通路壁部42Taとして、起立部42sの一部を構成することになる起立壁部142sが含まれる。ここで、「キャビティ壁部131aと貫通通路壁部42Taとの同時一体形成」は、1台のレーザー発信器を用いてまずキャビティ壁部131aを、続いて貫通通路壁部42Taを、順次熱溶融硬化させて形成することにより達成される。なお、貫通通路壁部42Ta(起立壁部142s)は、ベース壁部113bと裾壁部113fとの間の局所的な開口を除いて周囲をキャビティ壁部131aを構成する各壁部に包囲される形態で固定側層状体111aに形成されている。
一方、固定型11のうち、合わせ面PL(基準平面S)から離間する部位を形成することになる固定側層状体111nには、固定側キャビティ131の一部を構成することになるキャビティ壁部131aと、固定側キャビティ131の周囲を包囲する固定側周回通路41Rの一部を構成することになる固定側周回通路壁部41Rnと、合わせ面PLを貫通する貫通通路42Tの一部を構成することになる貫通通路壁部42Tnとが同時一体形成される。具体的には、キャビティ壁部131aとして、ベース部13bの一部を構成することになるベース壁部113bが含まれる。また、固定側周回通路壁部41Rnとして、後方部41b・後方側半円部41c1・反転部41e・前方部41f・前方側半円部41c2の各一部を構成することになる後方壁部141b・後方側半円壁部141c1・反転壁部141e・前方壁部141f・前方側半円壁部141c2が含まれる。さらに、貫通通路壁部42Tnとして、連結部42jの一部を構成することになる連結壁部142jが含まれる。ここで、「キャビティ壁部131aと固定側周回通路壁部41Rnと貫通通路壁部42Tnとの同時一体形成」は、1台のレーザー発信器を用いてまずキャビティ壁部131aを、次に固定側周回通路壁部41Rnを、続いて貫通通路壁部42Tnを、順次熱溶融硬化させて形成することにより達成される。
さらに、可動型12及び固定型11の製造方法において、可動側層状体112a,…と固定側層状体111a,…とは、それぞれ基準平面Sから互いに等しい距離を隔てて等しい厚さを有し、キャビティ壁部132a,131aと貫通通路壁部42Taとが同時一体形成される。そして、2組の層状体112a,…,112n及び111a,…,111nがそれぞれ積層一体化されて可動型12と固定型11とが同時進行の形で造型される。つまり、可動型12と固定型11とが、合わせ面PLを含む基準平面Sに対して対称な形態で可動側キャビティ132と固定側キャビティ131とが形成される一対の分割型である場合、可動型12の造型専用のレーザー発信器と固定型11の造型専用のレーザー発信器とを2台同時に稼動させることによって、造型時間が短縮できる。また、可動側周回通路42Rと固定側周回通路41Rとの基準平面Sからの距離を等しくし、可動型12と固定型11との縦方向の厚さを等しくすれば、可動型12及び固定型11の造型を同時に開始し、同じ制御内容(制御プログラム)に基づいて同時に終了することも可能となる。
次に、このようにして製造した金型10を用い、射出成形機100により成形品Mを製造する方法(射出成形方法)について、図1により概略を説明する。
(1)型締め工程
型締め装置20の締め付け部22を作動させることにより、可動型12(受け板16)を固定型11(固定側取付板15)に接近移動させ、合わせ面PLで閉じて、所定の型締め力で金型10の型締めを行う。
(2)ノズルタッチ工程
射出装置30のノズル32aを固定側取付板15のスプルーブッシュ18に挿入・固定する。なお、ノズル32aをスプルーブッシュ18に接続したままで連続成形することができる。
(3)射出工程
射出装置30のスクリュ33を回転させてシリンダ32内の溶融樹脂を所定の射出圧力でキャビティ13へ送り込む。
(4)冷却工程
冷却装置40を作動させることにより、固定型11及び可動型12の冷却通路41,42に冷却水を流通させ、キャビティ13内の溶融樹脂を冷却・固化させる。
(5)型開き工程
型締め装置20の締め付け部22を型締め工程とは逆方向に作動させることにより、可動型12(受け板16)を固定型11(固定側取付板15)から離間移動させ、金型10を分離する。
(6)突出し工程
突出し装置50の押圧部を作動させることにより、リターンスプリング53cの弾発力に抗して上部エジェクタプレート51(下部エジェクタプレート52)を突出しストロークLにわたって上方に押圧・移動させ、エジェクトピン53aの先端部がキャビティ13内に突入して成形品Mを取り出す。押圧部を逆方向に作動させて押圧力を解除すると、リターンスプリング53cの弾発力により上部エジェクタプレート51(下部エジェクタプレート52)が下方に移動し、エジェクトピン53aが元の位置に復帰する。
(変形例)
図2の金型の変形例を図8(a)に示す。図8(a)の金型210は、メス型(キャビティ型)としての固定型211とオス型(コア型)としての可動型212とから構成されている。この場合、固定型211と可動型212とが合わせ面PLで閉じられたとき、合わせ面PLを含む基準平面が上下に複数(例えば2面)形成され、キャビティ213は上方基準平面S1と下方基準平面S2との間に形成される。
キャビティ213は、横方向(左右方向)に延びる天板部213tと、天板部213tから下方に突出する複数(例えば4個)の脚部213fとが一体形成され、脚部213f間の天板部213tには貫通孔213hがそれぞれ形成されている。したがって、キャビティ213に溶融樹脂を充填させて形成される成形品Nも、図8(c)に示すように、天板部Ntと脚部Nfと貫通孔Nhとがキャビティ213と同一形状で一体的に形成される。
図8(a)に示す金型210の内部には、冷却装置240において冷却水を可動型212から固定型211へ流すために、断面円管形状の冷却通路241(型温度調節用通路;温調配管)が形成されている。冷却通路241は、いずれも合わせ面PLを貫通し固定型211と可動型212とに跨って形成された周回通路241Rと貫通通路241Tとを含んで構成されている。具体的には、周回通路241Rは、キャビティ213の周囲を合わせ面PLに沿って連続的に包囲するとともに、キャビティ213の外側で合わせ面PL(下方基準平面S2)を貫通する単一ループ形態に形成されている。また、貫通通路241Tは、可動型212内の周回通路241Rから枝分かれして合わせ面PL(下方基準平面S2及び上方基準平面S1)を貫通し、キャビティ213の貫通孔213hを通り固定型211内の周回通路241Rに合流する複数(例えば3個)のバイパス路として並列状に形成されている。なお、図8(a)において図2と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
したがって、可動型212内の周回通路241Rに流入した冷却水は、キャビティ213の外側で合わせ面PL(下方基準平面S2)を貫通し、固定型211内の周回通路241Rから流出する。このとき、可動型212内の周回通路241Rから枝分かれした貫通通路241Tは、合わせ面PL(下方基準平面S2及び上方基準平面S1)を貫通し、固定型211内の周回通路241Rに合流する。これによって、天板部213tと脚部213fとによって閉じ込められたキャビティ213内の溶融樹脂の保有熱が効率よく貫通通路241Tを流れる冷却水に熱伝達される。なお、貫通通路241Tの内径は周回通路241Rの内径よりも小に設定されているので、貫通通路241Tを流れる冷却水の流速は相対的に速くなる。
このような金型210も前述の「熱溶融硬化性物質の溶融・硬化による造型方法」により積層一体化されている。例えば、図8(b)に示すように、可動型212のうち、合わせ面PL(下方基準平面S2)に近接する部位を形成することになる可動側層状体312aには、キャビティ213(脚部213f)の一部を構成することになるキャビティ壁部213a(脚壁部313f)と、合わせ面PLを貫通する貫通通路241Tの一部を構成することになる貫通通路壁部241Taとが同時一体形成される。なお、可動型212及び固定型211の内部に形成される周回通路241Rと貫通通路241Tとは、従来と同様にドリル等の穴あけ加工によって形成することもできる。
次に、図8(a)の冷却配管の変形例を図9に示す。図9の冷却装置440では、冷却通路241(周回通路241R及び貫通通路241T)を流れる冷却水を圧送するために、可動型212内の周回通路241Rへの入口側に圧送ポンプ443と電動モータ443a(ポンプ駆動手段)とが設けられ、逆止め弁444を固定型211内の周回通路241Rからの出口側に設けている。ただし、合わせ面PL(上方基準平面S1)を貫通する貫通通路241Tから冷却水が漏れることを防止するために、可動型212と固定型211との合わせ面PLにはOリング、パッキン、樹脂コーティング層等のシール材446がそれぞれ介装されている。また、合わせ面PL(下方基準平面S2)を貫通する周回通路241Rから冷却水が漏れることを防止するために、可動型212と固定型211との合わせ面PLにはOリング、パッキン、樹脂コーティング層等のシール材447が介装されている。なお、図9において図8(a)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
以上で述べた他、次のような変更も可能である。
(1)貫通通路42Rは可動側冷却通路42に対して直列状に1ヶ所に配置した場合についてのみ説明したが、例えば、固定側冷却通路41に対して並列状に複数ヶ所に配置してもよい。あるいは、貫通通路42Rは可動側冷却通路42と固定側冷却通路41とに跨るバイパス路として配置してもよい。
(2)金型10から1個の成形品Mを製造する場合についてのみ説明したが、複数個取りに用いてもよい。
(3)図9のような圧送式冷却装置を図2の実施例に適用してもよい。
本発明に係る成形型の一実施例である射出成形用金型を用いた射出成形機を示す正面断面図及び右側面図。 図1の金型の内部構造を示す斜視透視図。 図2の金型を用いて射出成形された成形品の斜視図。 可動型の平面図。 固定型の底面図。 可動側層状体を示す平面図。 固定側層状体を示す平面図。 図2の金型の変形例を示す断面図、その可動側層状体の平面図、及び変形例の金型を用いて射出成形された成形品の斜視図。 図8(a)の冷却配管の変形例を示す説明図。
符号の説明
10 金型(成形型;射出成形用金型)
11 固定型(第一分割型)
111a〜111n 固定側層状体(固定型側の層状体)
12 可動型(第二分割型)
112a〜112n 可動側層状体(可動型側の層状体)
13 キャビティ
131 固定側キャビティ
131a キャビティ壁部
132 可動側キャビティ
132a キャビティ壁部
20 型締め装置
30 射出装置
40 冷却装置(型温度調節装置)
41 固定側冷却通路(型温度調節用通路;温調配管)
41R 固定側周回通路
42 可動側冷却通路(型温度調節用通路;温調配管)
42R 可動側周回通路
42T 貫通通路
42Ta 貫通通路壁部
43 負圧ポンプ
50 突出し装置
53a エジェクトピン(突出し機構)
100 射出成形機
PL 合わせ面
S 基準平面

Claims (7)

  1. 固定型に対し可動型を接近移動させることにより、それらが合わせ面で接触するとともに両者間にキャビティが形成される成形型であって、
    型温度調節用通路が、前記合わせ面を貫通し前記固定型と可動型とに跨って形成された貫通通路を含むことを特徴とする成形型。
  2. 前記固定型及び可動型のうち少なくとも一方は、前記合わせ面に平行な断面を有する複数の層状体を積層することにより一体形成され、
    かつ、前記層状体は、前記キャビティを構成するキャビティ壁部と前記貫通通路を構成する貫通通路壁部とを含む請求項1に記載の成形型。
  3. 前記貫通通路壁部は、局所的な開口を除いて周囲を前記キャビティ壁部に包囲される形態で前記層状体に形成されている請求項2に記載の成形型。
  4. 固定型に対し可動型を接近移動させることにより、それらが合わせ面で型締めされるとともに両者間にキャビティが形成される射出成形用の成形型であって、
    型温度調節用通路としての冷却通路が、前記合わせ面を貫通し前記固定型と可動型とに跨って形成された貫通通路を含み、
    前記貫通通路を流れる冷媒が前記固定型及び可動型のうち少なくとも一方の側の冷却通路から吸引排出されることを特徴とする射出成形用の成形型。
  5. 前記冷却通路を流れる冷媒は冷却水であり、その冷却水は前記合わせ面から前記貫通通路に吸い込まれる外気とともに負圧ポンプにより前記固定型及び可動型のうちいずれか一方の側の冷却通路から吸引排出される請求項4に記載の射出成形用の成形型。
  6. 固定型と可動型との合わせ面を含む基準平面に平行な断面を有する複数の層状体の各々に、両者間に形成されるキャビティを構成することが予定されたキャビティ壁部と、前記合わせ面を貫通する貫通通路を構成することが予定された貫通通路壁部とが同時一体形成され、
    それら複数の層状体が積層一体化されて前記固定型及び可動型のうち少なくとも一方が造型されることを特徴とする成形型の製造方法。
  7. 前記固定型側の層状体と前記可動型側の層状体とは、それぞれ前記基準平面から互いに等しい距離を隔てて等しい厚さを有し、かつ前記キャビティ壁部と貫通通路壁部とが同時一体形成され、
    それら複数の層状体がそれぞれ積層一体化されて前記固定型と可動型とが同時進行の形で造型されることにより、前記固定型と可動型とには前記基準平面に対して対称なキャビティがそれぞれ形成される請求項6に記載の成形型の製造方法。
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