JP2005280031A - フレキシブルプリント基板用銅張り積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸湿や熱履歴による接着力の低下を可及的に低減させ、プリント基板等に加工したあとでも信頼性が確保され、特に、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオ、PDA、カーナビゲータ、その他の各種電子機器類の製造に好適なフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板を提供する。
【解決手段】 銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けたフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板であって、絶縁層と接する上記導体の表面が防錆処理されており、大気中150℃の環境下で500時間放置する加熱放置試験後の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値が、加熱放置試験前の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値の80%以上であることを特徴とするフレキシブルプリント基板用銅張り積層板である。
【選択図】 なし
【解決手段】 銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けたフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板であって、絶縁層と接する上記導体の表面が防錆処理されており、大気中150℃の環境下で500時間放置する加熱放置試験後の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値が、加熱放置試験前の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値の80%以上であることを特徴とするフレキシブルプリント基板用銅張り積層板である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けたフレキシブルプリント基板用銅張り積層板に関し、フレキシブルプリント基板用として寸法信頼性に優れると同時に接着信頼性に優れ、電子部品実装、配線ケーブル用として有用な銅張り積層板に関する。
近年、高機能化する携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオ、PDA、カーナビゲータ、その他の各種電子機器類の小型化、軽量化の進展に伴って、これらに電気配線用基板材料としてフレキシブルプリント基板が使用され、配線部材の小型高密度化、多層化、ファイン化、低誘電化、高耐熱化等の要求が高まっている。
このフレキシブルプリント基板の形成に用いられる銅張り積層板としては、ポリイミドフィルム等からなる絶縁層と銅箔とを耐熱性接着剤で張り合わせた3層タイプのものと、銅箔上にポリイミドまたはポリイミド前駆体溶液等を塗布・乾燥し、必要により熱処理を行って形成する2層タイプのものとがある。
上記3層タイプの銅張り積層板は、ポリイミドフィルム自体が低吸湿性であるという利点を有するものの、接着剤の使用によって耐熱特性に限界があり、鉛フリー半田製造プロセスや、高温にさらされる環境での使用において銅箔と絶縁層との接着信頼性が著しく低下するという欠点を有する。更にはポリイミドフィルムにはその製造手段によって面内に不均一な配向が残留し、熱履歴を経ることで不均一な寸法変化が生じるため、寸法信頼性に劣るという問題がある。
一方、2層タイプの銅張り積層板は、接着剤を使用していないため、耐熱性に優れるという利点を有し、たとえば特公平6−49185号公報に記載されているようなフレキシブルプリント配線板用基板が携帯電話用など高機能、微細配線基板用として広く使用されている。
ところで、上述したように、携帯電話やデジタルカメラ等の各種電子機器類の小型化や軽量化に加え、新規の携帯型電子機器の開発が進む近時においては、フレキシブルプリント基板の高集積化、高密度化の要請が更に高まっている。そのため、フレキシブルプリント基板を形成する銅張り積層板については、銅箔と絶縁層との接着信頼性が更に重要な因子として要求され、吸湿や熱履歴による接着性の低下の更なる改善が求められるようになってきている。
これまでに、種々の有利性を有する2層タイプの銅張り積層板において、銅箔の表面を粗面化して銅箔の表面に凹凸を形成し、絶縁層に銅箔を食い込ませる投錨効果によって接着強度を更に高める方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、このように表面粗さの大きい銅箔や粗化処理で凹凸を形成した銅箔を用いてエッチングで回路を形成すると、エッチング直線性が低下して回路幅が不均一となる問題や、エッチング残りに起因するショート不良の問題が生じるおそれがあり、また、粗面化することによって銅箔の薄箔化が妨げられる等の問題も生じる。
そこで、実質的に粗面化処理が施されていない金属箔の表面を防錆処理、クロメート処理、及びシランカップリング処理のいずれか、もしくはこれらの組み合わせによって表面処理することで、金属箔と絶縁層との界面の密着性及び平坦性が両立される金属張積層板が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法は、絶縁層を特定の樹脂組成物からなるワニスを基材に塗布したプリプレグを用いるものである。
特開2004−25835号公報
そこで、本発明者らは、電子機器類の分野にて近年急速に進む高集積化及び高密度化の要請、並びに増大するフレキシブルプリント基板の需要にこたえるための銅張り積層板の生産性改善の要請を受けて、2層タイプの銅張り積層板の銅箔と絶縁層との接着の信頼性を更に向上させていく技術について鋭意検討した結果、表面に特定の金属種を有する導体を防錆処理することにより、ポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けた銅張り積層板が、吸湿や熱履歴後であっても優れた接着力を有して信頼性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって本発明の目的は、吸湿や熱履歴による接着力の低下を可及的に低減させ、プリント基板等に加工したあとでも信頼性が確保され、特に、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオ、PDA、カーナビゲータ、その他の各種電子機器類の製造に好適なフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板を提供することにある。
すなわち本発明は、銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けたフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板であって、絶縁層と接する上記導体の表面が防錆処理されており、大気中150℃の環境下で500時間放置する加熱放置試験後の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値が、加熱放置試験前の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値の80%以上であることを特徴とするフレキシブルプリント基板用銅張り積層板である。
本発明において、銅箔又は銅合金箔からなる導体としては、具体的には、銅箔や、アルミニウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、モリブデン、クロム、及び錫等の他の金属から選ばれた少なくとも1つの金属と銅との合金からなる銅合金箔であればよい。また、導体の厚さについては、好ましくは2〜100μmの範囲であるのがよく、高密度配線に対応する観点から15μm以下であるのが更に好ましい。
また、本発明においては、絶縁層と接する上記導体の表面が防錆処理されている必要があり、具体的には、コバルト、亜鉛、ニッケル、モリブデン、及び錫から選ばれた少なくとも2種以上の金属を用いて防錆処理を行うのが好ましい。導体の表面を防錆処理することにより、銅張り積層板の製造工程あるいはプリント基板加工工程における熱処理によって銅箔の表面が酸化され、接着力が低下することを防止する効果がある。
上記防錆処理の方法については特に制限されず、例えば電解メッキ、スパッタなどの公知の手段によって導体の表面に0.0001〜0.1μm程度の極薄い皮膜を形成することができる手段であればよい。
また、本発明においては、導体と絶縁層との接着力を更に向上させる目的で、好ましくは防錆処理された導体の表面が、更にクロメート処理されていると共に、シランカップリング処理されているのがよい。
上記クロメート処理の具体的な手段については、例えばクロム酸または重クロム酸塩を主成分とする溶液中に導体を浸漬し、表面にクロメート層を生成する等の公知の手段を用いることができる。
また、シランカップリング処理については、例えば市販のシランカップリング剤を用いて導体の表面に塗布することによって行うことができるが、この際使用するシランカップリング剤については、好ましくはビニル基、グリシドキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等の有機樹脂と反応性を有する官能基、及びメトキシ基、エトキシ基等のガラス、金属、珪素などと親和性を有する官能基を持つ構造のものであるのがよい。
また、本発明において、絶縁層を形成するポリイミド系樹脂としては、イミド環構造を有するポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等を挙げることができる。
また、本発明における絶縁層については、例えば導体との接着力向上の観点から選ばれたポリイミド系樹脂と、電気特性や寸法安定性等の観点から選ばれたポリイミド系樹脂との積層構造とするような、各機能を分担させてなる多層構造としてもよい。
本発明における絶縁層を形成するポリイミド系樹脂について、好ましくはポリイミド系樹脂を形成する原料のジアミン成分が、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリドから選ばれた1種又は2種以上からなり、かつ、ポリイミド系樹脂を形成する原料の酸無水物成分が、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物から選ばれた1種又は2種以上からなるのがよい。
本発明におけるフレキシブルプリント基板用銅張り積層板の製造方法については、例えば防錆処理を施した導体の表面にポリイミド又はポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布して乾燥させた後、必要によりイミド化等の熱処理を行うことによって得ることができる。また、防錆処理を施した導体の表面には、更に公知の方法によってクロメート処理を行うと共に、公知の方法によってシランカップリング処理を行い、ポリイミド又はポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布して上記のように銅張り積層板を得ることが好ましい。
銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド又はポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布する方法としては、例えばナイフコータ、ダイコータ、ロールコータ、カーテンコータ等を用いて公知の方法によって塗布することができる。また、厚さの制御のしやすさの観点から、ポリイミド又はポリイミド前駆体樹脂溶液の濃度については、これらのポリマーの重合度にもよるが、通常5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%であるのがよい。溶液の濃度が5重量%より低いと1回の塗工で十分な膜厚が得られず、また、30重量%より高くなると溶液の粘度が高くなり塗工に困難が生じ好ましくない。
ポリイミド前駆体溶液を導体上に塗布する場合は、塗布・乾燥後に熱処理によってイミド化処理を行う。この際、残留溶媒による発泡や揮発成分の蒸発不良を避けるため、急激に高温で熱処理を行わず、低温から徐々に加熱して高温まで上昇させながら熱処理していくのが好ましい。このときの最終的な熱処理温度としては、好ましくは300〜400℃であるのがよい。400℃を超えるとポリイミドの熱分解が起こりはじめ、反対に300℃より低いとポリイミド系樹脂が導体上に十分に配向せず、平面性や寸法安定性の観点で優れた銅張り積層板を得ることができなくなる。また、このようにポリイミド前駆体溶液を用いて形成した絶縁層の厚みは10〜150μmであるのがよい。
本発明におけるフレキシブルプリント基板用銅張り積層板については、大気中150℃の環境下で500時間放置する加熱放置試験後の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値が、加熱放置試験前の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値の80%以上である。本発明における加熱放置試験、及び導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の測定についての詳細は、実施例記載の各条件に従う。
本発明におけるフレキシブルプリント基板用銅張り積層板は、高温放置後の接着性が安定した銅張り積層板である。すなわち、本発明の銅張り積層板は、吸湿や熱履歴後であっても優れた接着性を有し、フレキシブルプリント配線板用として寸法信頼性に優れると同時に接着信頼性に優れる。そのため、電子部品実装や配線ケーブル用として有用であり、特に鉛フリー半田などの高温処理が用いられる基板加工プロセスや自動車エンジン周辺など長時間高温に晒される場所で使用される電子部品用途等に好適であり、導体と絶縁層との接着力の低下が可及的に低減され、配線の剥がれや絶縁性低下などの不安のない信頼性に優れた銅張り積層板である。
以下、実施例に基づき本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例におけるフレキシブルプリント基板用銅張り積層板の評価は以下の方法で行った。また、銅張り積層板を形成する導体として以下の銅箔を準備すると共に、絶縁層を形成するためのポリイミド前駆体樹脂溶液を以下の合成例1及び2によって合成した。
実施例におけるフレキシブルプリント基板用銅張り積層板の評価は以下の方法で行った。また、銅張り積層板を形成する導体として以下の銅箔を準備すると共に、絶縁層を形成するためのポリイミド前駆体樹脂溶液を以下の合成例1及び2によって合成した。
[加熱放置試験]
熱履歴後の接着力の評価を行うため、温度150℃に設定された大気オーブン内に銅張り積層板を500時間放置して加熱放置試験を行った。この加熱放置試験後の銅張り積層板については、23℃、湿度50%の恒温恒湿下に24時間放置後、下記の90°引き剥がし接着力の測定を行った。
熱履歴後の接着力の評価を行うため、温度150℃に設定された大気オーブン内に銅張り積層板を500時間放置して加熱放置試験を行った。この加熱放置試験後の銅張り積層板については、23℃、湿度50%の恒温恒湿下に24時間放置後、下記の90°引き剥がし接着力の測定を行った。
[接着力の測定]
銅張り積層板に1mm幅の回路を形成し、この銅張り積層板を形成する導体と絶縁層との接着力を90°引き剥がし接着力の測定によって評価した。測定には株式会社東洋精機製作所製の万能試験機(STROGRAPH-R1)を使用し、温度23℃及び湿度50%RHの環境下で90°引き剥がし接着力を測定した。加熱放置試験後に行う90°引き剥がし接着力の測定は、上述のとおり恒温恒湿下にて導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力を測定し、加熱放置試験前についても、常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力を測定した。また、この90°引き剥がし接着力の測定については、加熱放置試験前に行う測定と加熱放置試験後に行う測定は23℃、湿度50%の恒温恒室内にて同一の条件となるようにした。
銅張り積層板に1mm幅の回路を形成し、この銅張り積層板を形成する導体と絶縁層との接着力を90°引き剥がし接着力の測定によって評価した。測定には株式会社東洋精機製作所製の万能試験機(STROGRAPH-R1)を使用し、温度23℃及び湿度50%RHの環境下で90°引き剥がし接着力を測定した。加熱放置試験後に行う90°引き剥がし接着力の測定は、上述のとおり恒温恒湿下にて導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力を測定し、加熱放置試験前についても、常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力を測定した。また、この90°引き剥がし接着力の測定については、加熱放置試験前に行う測定と加熱放置試験後に行う測定は23℃、湿度50%の恒温恒室内にて同一の条件となるようにした。
[銅箔の準備]
銅張り積層板の作製にあたり下記の2種類の銅箔を準備した。
銅箔1:
18μm厚み圧延銅箔であり、この銅箔の表面には防錆金属である亜鉛、ニッケル及びコバルトが含有されており、更にこの表面にクロメート層が形成されると共に、シランカップリング剤が塗布されている。
銅箔2:
18μm厚み電解銅箔であり、この銅箔の表面には防錆金属である亜鉛及びニッケルが含有されており、更にこの表面にクロメート層が形成される共に、シランカップリング剤が塗布されている。
銅箔1及び2におけるクロメート層の形成とシランカップリング剤の塗布については、次のようにして行った。クロメート層は、重クロム酸ナトリウムを35g/L、40℃に調整された水溶液にて陰極処理を行い、室温下に放置して表面を乾燥させて形成した。その後、23℃のγ-アミノプロピルトリエトキシシランpH8.0の水溶液に5秒間浸漬させ、引き上げ、室温にて表面乾燥後、120℃の大気オーブンにて5分乾燥させた。
銅張り積層板の作製にあたり下記の2種類の銅箔を準備した。
銅箔1:
18μm厚み圧延銅箔であり、この銅箔の表面には防錆金属である亜鉛、ニッケル及びコバルトが含有されており、更にこの表面にクロメート層が形成されると共に、シランカップリング剤が塗布されている。
銅箔2:
18μm厚み電解銅箔であり、この銅箔の表面には防錆金属である亜鉛及びニッケルが含有されており、更にこの表面にクロメート層が形成される共に、シランカップリング剤が塗布されている。
銅箔1及び2におけるクロメート層の形成とシランカップリング剤の塗布については、次のようにして行った。クロメート層は、重クロム酸ナトリウムを35g/L、40℃に調整された水溶液にて陰極処理を行い、室温下に放置して表面を乾燥させて形成した。その後、23℃のγ-アミノプロピルトリエトキシシランpH8.0の水溶液に5秒間浸漬させ、引き上げ、室温にて表面乾燥後、120℃の大気オーブンにて5分乾燥させた。
[合成例1]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、n-メチルピロリジノンを入れた。この反応容器自体を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器にピロメリット酸二無水物(以下PMDA)/3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BTDA)を投入し、その後、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、(以下DAPE)を投入した。この際、モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率(BTDA:PMDA)が70:30となると共に、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるように投入した。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は、3,200cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、n-メチルピロリジノンを入れた。この反応容器自体を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器にピロメリット酸二無水物(以下PMDA)/3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BTDA)を投入し、その後、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、(以下DAPE)を投入した。この際、モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率(BTDA:PMDA)が70:30となると共に、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるように投入した。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は、3,200cpsであった。
[合成例2]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、n-メチルピロリジノンを入れた。この反応容器自体を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器に3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物(以下DSDA)、及びPMDAを投入し、その後、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下TPE-R)を投入した。この際、モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率(DSDA:PMDA)が90:10となると共に、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるように投入した。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は、3,200cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、n-メチルピロリジノンを入れた。この反応容器自体を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器に3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物(以下DSDA)、及びPMDAを投入し、その後、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下TPE-R)を投入した。この際、モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率(DSDA:PMDA)が90:10となると共に、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるように投入した。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は、3,200cpsであった。
導体として上記銅箔1を準備した。この銅箔1上に合成例1のポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布し、乾燥を行い、銅箔1上にポリイミド前駆体樹脂層が形成された積層体を得た。この積層体を340℃で、8時間かけて熱処理し、絶縁層としてポリイミドの厚みが25μmである片面銅張り積層板を得た。
この片面銅張り積層板のポリイミド(絶縁層)と銅箔(導体)との90°引き剥がし接着力の測定結果は、加熱放置試験前の値が1.01kN/mであり、加熱放置試験後の値が0.93kN/mであった。すなわち、加熱放置試験後の90°引き剥がし接着力の値は、加熱放置試験前の90°引き剥がし接着力の値の92%であった(保持率92%)。
導体として上記銅箔2を用い、合成例2のポリイミド前駆体樹脂溶液を用いて実施例1と同様の処理を行った。
得られた銅張り積層板のポリイミド(絶縁層)と銅箔(導体)との90°引き剥がし接着力の測定結果は、加熱放置試験前の値が1.21kN/mであり、加熱放置試験後の値が0.98kN/mであった。すなわち、加熱放置試験後の90°引き剥がし接着力の値は、加熱放置試験前の90°引き剥がし接着力の値の81%であった(保持率81%)。
得られた銅張り積層板のポリイミド(絶縁層)と銅箔(導体)との90°引き剥がし接着力の測定結果は、加熱放置試験前の値が1.21kN/mであり、加熱放置試験後の値が0.98kN/mであった。すなわち、加熱放置試験後の90°引き剥がし接着力の値は、加熱放置試験前の90°引き剥がし接着力の値の81%であった(保持率81%)。
[比較例1]
導体として防錆処理、クロメート処理およびシランカップリング剤処理を行ってない銅箔を用い、合成例1のポリイミド前駆体樹脂溶液を用いて実施例1と同様の処理を行った。
得られた銅張り積層板のポリイミド(絶縁層)と銅箔(導体)との90°引き剥がし接着力の測定結果は、加熱放置試験前の値が0.96kN/mであり、加熱放置試験後の値が0.60kN/mであった。すなわち、加熱放置試験後の90°引き剥がし接着力の値は、加熱放置試験前の90°引き剥がし接着力の値の67%であった(保持率67%)。
導体として防錆処理、クロメート処理およびシランカップリング剤処理を行ってない銅箔を用い、合成例1のポリイミド前駆体樹脂溶液を用いて実施例1と同様の処理を行った。
得られた銅張り積層板のポリイミド(絶縁層)と銅箔(導体)との90°引き剥がし接着力の測定結果は、加熱放置試験前の値が0.96kN/mであり、加熱放置試験後の値が0.60kN/mであった。すなわち、加熱放置試験後の90°引き剥がし接着力の値は、加熱放置試験前の90°引き剥がし接着力の値の67%であった(保持率67%)。
Claims (5)
- 銅箔又は銅合金箔からなる導体上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を設けたフレキシブルプリント基板用の銅張り積層板であって、絶縁層と接する上記導体の表面が防錆処理されており、大気中150℃の環境下で500時間放置する加熱放置試験後の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値が、加熱放置試験前の常温での導体と絶縁層との90°引き剥がし接着力の値の80%以上であることを特徴とするフレキシブルプリント基板用銅張り積層板。
- 防錆処理された導体の表面が、更にクロメート処理されていると共に、シランカップリング処理されている請求項1に記載のフレキシブルプリント基板用銅張り積層板。
- 防錆処理が、コバルト、亜鉛、ニッケル、モリブデン及び錫から選ばれた少なくとも2種以上の金属を用いて行う請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント基板用銅張り積層板。
- 銅合金箔が、アルミニウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、モリブデン、クロム及び錫から選ばれた少なくとも1以上の金属と銅との合金からなる請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用銅張り積層板。
- ポリイミド系樹脂を形成する原料のジアミン成分が、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリドから選ばれた1種又は2種以上からなり、ポリイミド系樹脂を形成する原料の酸無水物成分が、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、及び4,4'-オキシジフタル酸無水物から選ばれた1種又は2種以上からなる請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用銅張り積層板。
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Legal Events
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