JP2005277252A - 光起電力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、耐環境性に優れ、金属ペーストからなる集電極との密着性等が良好な光起電力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明は、光入射側のp型水素化非晶質シリコン層4上にITO膜5とこのITO膜5上に銀ペーストからなる集電極6を設けた光起電力装置であって、少なくとも集電極6が設けられていない領域のITO膜5上にSiOxからなる透光性保護膜10が設けられ、透光性保護膜10の膜厚が下地のITO膜5の算術平均表面粗さ(Ra)の約1倍以上10倍以下にする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、光起電力装置に係り、特に酸化物透明導電膜とこの酸化物透明導電膜上に集電極を設けた光起電力装置の耐環境信頼性を高くするものである。
最近、屋根に設置する太陽光発電システムの導入普及が急速に進んでおり、従来の民生用太陽電池に比べてより高い耐環境信頼性が要求されている。一般的には、耐環境性はモジュール構造等により十分に確保できるように設計されているものの、光電変換素子そのものに優れた耐環境信頼性があることがより望ましい。例えば、光入射側に酸化インジウム錫(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物透明導電膜と櫛形の金属電極を用いた光起電力装置においては、半導体層のみならず酸化物透明導電膜にもより高い耐湿性、耐アルカリ等の高信頼性が要求される。
高効率用の酸化物透明導電膜には高い光透過率と低い電気抵抗が同時に求められる。一般的に高い光透過率と低い電気抵抗を得るためには、より結晶性の高い透明導電膜が必要となる。しかし、多結晶体であるITO膜やZnO膜では結晶粒が大きくなるとその分結晶粒界の影響も大きくなり、粒界をパスとしたガラスから溶出するアルカリの拡散が催促され、耐環境信頼性低下が起こる可能性がある。
斯かる問題点を解決するために、結晶配向性の異なる2種類のITO膜の積層により高信頼性を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、光起電力素子を形成後、受光面側を樹脂製の防湿膜で被覆した光電変換装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−347571号公報 特開平10−107308号公報
上記した特許文献に開示された光起電力装置においても高信頼性が実現されているが、集電極との密着性等に関しては言及されておらず、この部分の構成に更に改善が必要である。
この発明は、これら問題点を解決して、高信頼性かつ高効率の太陽電池を得ることを目的とする。
この発明は、光入射側に酸化物透明導電膜とこの酸化物透明導電膜上に集電極を設けた光起電力装置であって、少なくとも集電極が設けられていない領域の酸化物透明電極上に透光性保護膜が設けられ、前記透光性保護膜の膜厚が下地の酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)の約1倍以上10倍以下であることを特徴とする。
前記酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.5nm以上2nm以下、更に好ましくは0.5nm以上1nm以下であることを特徴とする。
前記透光性保護膜の膜厚が下地の酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)の約4倍以上約8倍以下であることを特徴とする。
前記集電極はフィンガー部とバスバー部で構成され、前記集電極の無い有効発電領域は半導体層、酸化物透明導電膜、透光性保護膜の順に積層され、前記集電極電極の少なくともフィンガー部は、半導体層、酸化物透明導電膜、集電極、透光性保護膜の順に積層されていることを特徴とする。
前記集電極のバスバー部上には、透光性保護膜を設けず、このバスバー部上に接続タブが半田付けされることを特徴とする。
上記したこの発明は、酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)が2nm以下であり、透光性絶縁膜の膜厚が下地の酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)の約1倍以上10倍以下にすることで、良好なアルカリバリア効果を有する集電極と酸化物透明導電膜の密着性を低下することなく改善し、高信頼性が得られる。
また、バスバー部と接続タブの接合部に透光性保護膜を存在させないことで、フラックスの染み出しや接合不良を防ぐことができる。
以下、この発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略斜視図、図2は、この発明の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略断面図である。
この実施形態による光電変換装置1は、図1及び図2に示すように、約1Ω・cmの抵抗率と約300μmの厚みとを有するとともに、(100)面を有するn型単結晶シリコン基板2(以下、n型単結晶シリコン基板2という)を備えている。n型単結晶シリコン基板2の表面には、数μmから数十μmの高さを有する光閉じ込めのためのピラミッド状凹凸が形成されている。このn型単結晶シリコン基板2上には、RFプラズマCVD法により約5nmの厚みを有する実質的に真性のi型水素化非晶質シリコン(a−Si:H)層3が形成されている。また、i型水素化非晶質シリコン層3上には、約5nmの厚みを有するp型水素化非晶質シリコン層4が形成されている。これらの各層の形成条件の一例を表1に示す。
そして、p型水素化非晶質シリコン層4上には、約100nmの厚みを有する酸化物透明導電膜として、この実施形態ではITO膜5がマグネトロンスパッタ法により形成されている。このITO膜5は、SnO2を添加したIn23によって形成されている。そして、ITO膜5は、0.5nm〜2nmの算術平均表面粗さ(Ra:JIS B 0601−1994により規定)、更に望ましくは0.5nm〜1nmの算術平均粗さ(Ra)の表面ラフネスが小さい膜が用いられる。
更に、このITO膜5の上面の所定領域にはペースト電極からなる櫛形状の集電極6が形成されている。この集電極6は、銀(Ag)の微粉末と熱硬化性樹脂とによって構成される。集電極6は、例えば、エポキシ樹脂に銀(Ag)の微粉末を練りこんだ硬化温度250℃以下の低温焼成型のAgペーストを用い、スクリーン印刷法により、フィンガー部6Fとバスバー部6Bとを高さ約10μm〜30μm、幅100μm〜500μmに形成し、200℃、80分で焼成硬化して形成される。フィンガー部6Fは、複数の互いに平行に形成され、バスバー部6Bは、フィンガー部6Fに流れる電流を集合させる。
この実施形態においては、ITO膜5上に、上記集電極6を覆うようにして、透光性保護膜10が形成されている。透光性保護膜10は、少なくともシリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)のいずれかを含む無機物で形成され、この実施形態においては、SiO2ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタにより形成した酸化シリコン(SiOx(1.5≦x≦2))膜が用いられる。
上記したように、光入射側においては、集電極6の無い有効発電領域は、p型水素化非晶質シリコン層4、ITO膜5、透光性保護膜10の順に積層して形成されている。また、集電極6の箇所は、p型水素化非晶質シリコン層4、ITO膜5、集電極6、透光性保護膜10の順に積層して形成されている。
尚、少なくとも集電極6のフィンガー部6Fの上に透光性保護膜10が積層されていれば良く、この実施形態においては、バスバー部6Bの上にも透光性保護膜10が積層されているが、後述するように、バスバー部6B上に透光性保護膜10を設けなくてもよい。
また、n型単結晶シリコン基板2の下面上には、約5nmの厚みを有する実質的に真性のi型水素化非晶質シリコン層7が形成されている。i型水素化非晶質シリコン層7上には、約20nmの厚みを有するn型水素化非晶質シリコン層8が形成されている。このようにn型単結晶シリコン基板2の下面上に、i型水素化非晶質シリコン層7およびn型水素化非晶質シリコン層8が順番に形成されることにより、いわゆるBSF(Back Surface Field)構造が形成されている。更に、n型水素化非晶質シリコン層8上には、約100nmの厚みを有する例えば、Agからなる裏面電極9が形成されている。
尚、n型単結晶シリコン基板2の下面上に形成されたi型水素化非晶質シリコン層7、n型水素化非晶質シリコン層8の上記以外の構成は、それぞれ、n型単結晶シリコン基板2の上面に形成されたi型水素化非晶質シリコン層3、p型水素化非晶質シリコン層4の構成と同様である。これらの各層の形成条件の一例を表1に示す。
Figure 2005277252
上記の表1においては、p型ドーパントして硼素(B)を、n型ドーパントとして燐(P)を用いているが、これ以外に、p型ドーパントとしては3族元素であるAl、Ga、In、n型ドーパントとしては5族元素であるN、As、Sbが挙げられる。そして、シランガス(SiH4)などのソースガスに、これらの少なくとも上記の1つを含む化合物ガスを混合することでp型またはn型に価電子制御できる。水素化非晶質シリコン(a−Si:H)は、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法等、公知手段を使用することができる。半導体は結晶質、または水素、フッ素の少なくとも一方を含む非晶質または微結晶Si、SiGe、SiGeC、SiC、SiN、SiGeN、SiSn、SiSnO、SiO、Ge、GeC、GeNのいずれかであってもよい。
図3は、この実施形態を示す図2の点線Aで囲んだ領域を拡大して示す構造図である。酸化物透光性薄膜としてのITO膜5は、0.5nm〜2nmの算術平均表面粗さ(Ra)、更に望ましくは0.5nm〜1nmの表面ラフネスが小さい酸化物透明導電膜であり、その上の透光性保護膜10の膜厚はITO膜5表面の算術平均表面粗さ(Ra)の1〜10倍以下、好ましくは1〜5倍以下が望ましく、詳細は以下に記述する。
上記したように、この実施形態においては、p型水素化非晶質シリコン層4上に透光性導電膜として錫をドープした酸化インジウム薄膜(ITO)5が堆積されている。この発明に用いて好適な透光性導電膜は以下のような方法で形成できる。
この実施形態では、透光性導電膜として錫(Sn)をドープした酸化インジウム(以下ITO)を用いた。この膜は、SnO2粉末を5wt%としてIn23粉末との焼結体をターゲットとしてカソードに設置した。ターゲットには、他にSi、Ge、Tiの少なくとも1つをドーパントとして用いてよい。これらの化合物粉末を適量、酸化インジウム粉末に混ぜて焼結し、ターゲットを作成すればよい。SnO2の量を変える事でITO中のSn量を変化させることが可能であるが、Inに対するSnの量は1atomic%から10atomic%が好ましく、更に2atomic%から7atomic%が好ましい。ターゲットの焼結密度は90%以上が好ましい。
そして、成膜時のプラズマダメージ抑制のために、カソード表面に300〜3000Gaussの強磁場をマグネットにより印加できる装置を使用し、素子をカソードと平行に対向設置してから、チャンバーを真空排気した。加熱ヒータにより基板温度を室温から200℃になるまで加熱した。また、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の混合ガスを流して圧力を0.4〜1.3Paに保ち、カソードにDC電力を0.5〜2kW投入して放電開始した。基板をカソードに対し静止させた状態で成膜速度は約10〜80nm/minとなった。Arの他にはHe、Ne、Kr、Xeの不活性ガスまたはこれらの混合気体を用いることもできる。気体放電はパルス変調DC放電やRF、VHF、マイクロ波放電でも可能である。
次に、ITO膜5表面の算術平均粗さ(Ra)が信頼性にどのように影響するか調べた。このために、上記した光電変換装置1において、膜厚は100nmとしたITO膜5表面の算術平均粗さ(Ra)が異なるものを複数個準備し、これら複数のサンプルを簡易モジュール化した。簡易モジュールは、各サンプルを3×3の9枚にて、互いに隣接する他の光電変換装置1と扁平形状の銅箔からなる接続タブを介して直列に接続する。そして、接続タブによって接続された複数の光電変換装置を、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)からなる充填剤を用いて、ガラス基板からなる表面保護材とPET(Poly Ethylene Terephtalate)/アルミニウム箔/PETの3層構造からなる裏面保護材の間に封止した。
各サンプルを用いた簡易モジュールを、湿度85%、温度85℃、1000時間の恒温恒湿試験前後での出力を評価した。図4は、ITO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)と簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す。
図4より、ITO膜5の算術平均表面粗さ(Ra)が大きくなるほど規格化モジュール出力は低下する傾向にあることが明らかとなった。太陽電池のIV特性において開放電圧(Voc)の低下率が変化しており、これは、算術平均表面粗さ(Ra)が大きい場合は、結晶配向性が小さく、さまざまな面方位を有するITOが存在し、それゆえに結晶粒界密度が大きいために、粒界をパスとしたガラスのアルカリ成分の光電変換装置(太陽電池)への進入が多いことと関係があると考えられる。
図5は、ITO膜5表面の算術平均表面粗さ(Ra)を0.5nm、1nm、2nmと変化させたサンプルにおける透光性保護膜10の膜厚を変化させたとき恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化したモジュール出力との関係を測定した結果である。
サンプルは、ITO膜5表面の算術平均表面粗さ(Ra)を0.5nm、1nm、2nmと変化させたものに対して、SiO2ターゲットを用いて基板温度200℃、Ar200sccm、圧力1.36PaにてRFマグネトロンスパッタにより成膜速度1.25Å/sで透光性保護膜10を形成し、形成した膜厚が異なる複数のサンプルを容易した。
この成膜速度は、320秒で40nmの成膜ができたことを透過電子顕微鏡写真により確認し、成膜速度を計算により求めた。この条件で膜厚1〜40nm、即ち、前記成膜速度から成膜時間で換算した値のサンプルを作成した。形成したサンプルSiOx(1.5≦x≦2)膜により、この発明の実施形態の構造を実現した場合のSiOxの厚みと上記と同様の簡易モジュールにおける恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化したモジュール出力との関係を測定した結果を示す。
図5により、規格化モジュール出力を最大にする透光性保護膜の厚みが存在することが明らかとなった。
図6は、図5の透光性保護膜10の膜厚dをITO膜5表面の算術平均表面粗さ(Ra)で除去したd/Raと簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す。
図6より、規格化モジュール出力が0.99以上の優れた信頼性を実現するためには、d/Ra=1すなわち透光性保護膜の厚みがITO表面の算術平均表面粗さ(Ra)以上が必要であり、これは、表面全域を効果的に透光性保護膜にて覆うために必要な膜厚が起因していると考える。さらに、1≦d/Ra≦10の範囲で規格化モジュール出力が0.99以上が実現できているが、d/Ra>10では0.99より小さくなる。これは、透光性保護膜10としてのSiOx膜の残留応力と金属ペーストからなる集電極6/ITO膜5間の残留応力とを加えたものと集電極6/ITO膜5間の密着力の関係で、ITO膜5表面の算術平均表面粗さ(Ra)が大きいほど応力の分散効果が大きいもしくは表面のOH基が多いことによる金属ペースト/ITO間の高密着強度を反映している可能性が考えられる。
さらに、いずれも規格化モジュール出力が0.99以上となるためには1≦d/Ra≦10であり、さらに規格化モジュール出力が0.995以上となるためには0.5nm≦Ra≦1nmかつ4≦d/Ra≦8であった。
今回、樹脂中のエポキシが70wt.%、100wt.%の2種類の250℃以下で硬化する低温焼成型Agペーストを用いて評価を行った結果はいずれも同じ傾向を示した。
図7は、図4のITO単層構造とこの発明の実施形態であるSiOx膜を2Raの膜厚で積層した構造において、ITO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)と上記と同様に作成した簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す。
図7より、この発明の実施例の信頼性は従来構造に比べて高く、太陽電池のIVパラメータのうち開放電圧(Voc)の低下が小さいことより、ガラスからのアルカリが効果的にブロックされていることが確認された。また、この発明の構造においても、下地ITO単層構造の信頼性も強く影響し、Ra≦2nmが0.99以上の規格化モジュール出力を得るために必要であることが確認できた。
また、ITOの代わりにZnO:Ga、ZnO:Alを用いた場合にも、同様の効果が確認された。
上記したこの発明の光電変換装置を用いて、モジュール化すると、図8に示すようになる。図8に示すように、この太陽電池モジュールは、複数の光電変換装置1を備えている。この複数の光電変換装置1の各々は、互いに隣接する他の光電変換装置1と扁平形状の銅箔からなる接続タブ12を介して直列に接続されている。また、接続タブ12の一方端側は、所定の光電変換装置1の上面側の集電極6(図1参照)に接続されるとともに、他方端側は、その所定の光電変換装置1に隣接する別の光電変換装置1の裏面側電極9(図1参照)に接続されている。
そして、接続タブ12によって接続された複数の光電変換装置1は、EVAからなる充填剤13によって覆われている。また、充填剤13の上面上には、ガラス基板からなる表面保護材14が設けられている。また、充填材13の下面上には、PET/アルミニウム箔/PETの3層構造からなる裏面保護材15が設けられている。
上記したこの発明の光電変換装置1同士をバスバー部6Bで銅箔などの接続タブ12を用いて接続する際、下地の非晶質半導体層に悪影響を与えずに半田付けする必要がある。このため、フラックスを用いて半田付けされる場合が多い。しかし、バスバー部6Bまで図1に示すように、透光性保護膜10が設けられている場合には、フラックスが透光性保護膜10により染み出したり、接着不良が生じる場合がある。
そこで、図9、図10に示すこの発明の他の実施形態においては、接続タブ12が接続されるバスバー部6Bには、透光性保護膜10を設けず、即ち、透光性保護膜が存在しない領域10aが形成される。そして、他のフィンガー部6FとITO膜5全面に、透光性保護膜10を設けるように構成する。このように構成すると、バスバー部6Bの上には透光性保護膜が形成されていないので、フラックスを用いて接続タブ12を半田付けする際、フラックスの染み出しも生じることなく、確実に接続タブ12とバスバー部6Bとの接合が行える。
次に、上記した図9、図10に示す他の実施形態の効果を確認するために、(1)ITO膜5の全面上に、上記集電極6を覆うようにして透光性保護膜(SiOx)10膜を設けたもの、(2)接続タブが接続されるバスバー部6Bには、透光性保護膜(SiOx)10を設けず他の集電極6とITO膜上に透光性保護膜(SiOx)10を設けたもの、(3)、透光性保護膜を全く設けないものをそれぞれ用意し、特性を比較した。
表2に上記(1)〜(3)に示す光電変換装置の特性を比較した結果を示す。ここで、表2においては、上記(3)のサンプルを1として規格化している。
Figure 2005277252
いずれの条件においても曲線因子(F.F.)の低下は見られたいない。これはバスバー6Bに透光性保護膜10が存在しているにも関わらず、負荷接合時の直列抵抗の増加がないことを意味している。原因として、バスバー部6Bの凹凸に比べて透光性保護膜10は非常に薄いために実質的には透光性保護膜10で覆われたいないバスバー部6Bが多く存在していることが考えられるからである。
次に、これらの光起電力装置のバスバー部6Bにフラックスを塗布し、接続タブを半田溶着した。その結果、(2)および(3)のサンプルはフラックスのにじみもなく、また問題なく接続タブが接合できた。一方、(1)のサンプルはフラックスがにじむだけでなく、半田溶着の強度が不十分であった。即ち、モジュール作成が困難であった。また、慎重にサンプルを取り扱いモジュールを作成したが、フラックスのにじみ部における外観不良やモジュール化後の特性低下、特にF.F.の低下があった。
表3に、(2)に示すサンプル(バスバー部の透光性保護膜はなし)を用いて恒温恒湿試験、湿度85%、温度85℃、1000時間の恒温恒湿試験前後での出力を評価した。ここでは、透光性保護膜を設けていないサンプル(3)の特性を1として規格化している。
Figure 2005277252
表3より、バスバー部6に透光性保護膜を形成していないにも関わらず、耐湿性に優れた光電変換装置が得られることが分かった。
これらの結果から、特にフラックスを用いた半田溶着工程を用いる場合には、この発明の他の実施形態で示すように、バスバー部6に透光性保護膜を形成しない構造が耐環境性に優れた保護膜の働きとモジュール作成の容易さを両立できることが分かった。
ここで、上記実施形態では、非晶質シリコンと単結晶シリコンの接合を用いた光起電力素子につき説明したが、光起電力素子を保護膜で覆う覆う工程を有する光起電力素子、特に光起電力素子の電極上に取り出し電極(接続タブ)をフラックスを用いて接合させる装置であれば、光起電力素子に制限はない。
透光性保護膜もSiOx膜以外に、酸化チタンなどの酸化金属も使用できる。特に、耐湿性では、透光性絶縁材料とすることでより効果的であることが分かった。、
この発明の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略斜視図である。 この発明の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略断面図である。 図2の点線Aで囲んだ領域を拡大して示す構造図である。 ITO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)と簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す特性図である。 TO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)を0.5nm、1nm、2nmと変化させたサンプルにおいて、透光性保護膜の膜厚を変化させたとき恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化したモジュール出力との関係を測定した結果を示す特性図である。 図5の透光性保護膜の膜厚dをITO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)で除去したd/Raと簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す特性図である。 図4のITO単層構造とこの発明の実施形態であるSiOx膜を2Raの膜厚で積層した構造において、ITO膜表面の算術平均表面粗さ(Ra)と上記と同様に作成した簡易モジュールの恒温恒湿試験後の出力を試験前の出力で規格化した規格化モジュール出力との関係を示す特性図である。 この発明の光起電力装置を用いた太陽電池モジュールを示す断面図である。 この発明の他の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略平面図である。 この発明の他の実施形態による光電変換装置の構成を示した概略断面図である。
符号の説明
1 光電変換装置
2 n型単結晶シリコン基板
3 i型水素化非晶質シリコン層
4 p型水素化非晶質シリコン層
5 ITO膜(酸化物透明導電膜)
6 集電極
7 i型水素化非晶質シリコン層
8 n型水素化非晶質シリコン層
9 裏面電極
10 透光性保護膜(SiOx(1.5≦x≦2))

Claims (5)

  1. 光入射側に酸化物透明導電膜とこの酸化物透明導電膜上に集電極を設けた光起電力装置であって、少なくとも集電極が設けられていない領域の酸化物透明電極上に透光性保護膜が設けられ、前記透光性保護膜の膜厚が下地の酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)の約1倍以上10倍以下であることを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.5nm以上2nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 透光性保護膜の膜厚が下地の酸化物透明導電膜の算術平均表面粗さ(Ra)の約4倍以上約8倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  4. 前記集電極はフィンガー部とバスバー部で構成され、前記集電極の無い有効発電領域は半導体層、酸化物透明導電膜、透光性保護膜の順に積層され、前記集電極電極の少なくともフィンガー部は、半導体層、酸化物透明導電膜、集電極、透光性保護膜の順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  5. 前記集電極のバスバー部上には、透光性保護膜を設けず、このバスバー部上に接続タブが半田付けされることを特徴とする請求項4に記載の光起電力装置。
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