JP2005277244A - リアクトルの製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リアクトルとくに車両用リアクトルに適した小型軽量で冷却効果と耐環境性に優れたリアクトルを低コストで提供する。
【解決手段】 被覆導線を中空平板状に巻回した複数個の単位コイル1a、1bを同心に重ね、単位コイル相互のコイル端を接続し、外部に導出する引き出し線3に接続端子板4を取り付けた空芯コイル1を成形する。この空芯コイル1の積み重ね方向の両側面と各単位コイル相互間に、端子部を含めて板状の広いプリプレグ6を挿入し、コイル成形部12と、端子成形部13および突出リブ成形部14とをそなえたプレス下型10に収納し、プレス上型11を載せて、熱を加えながら加圧成形し、プリプレグ6の樹脂を単位コイルの導線間に生じた隙間まで浸透させ、接続端子板4の外部との接続部を残して全体を一体に被覆すると同時にコイル収納部21の外周に突出リブ22を形成させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 被覆導線を中空平板状に巻回した複数個の単位コイル1a、1bを同心に重ね、単位コイル相互のコイル端を接続し、外部に導出する引き出し線3に接続端子板4を取り付けた空芯コイル1を成形する。この空芯コイル1の積み重ね方向の両側面と各単位コイル相互間に、端子部を含めて板状の広いプリプレグ6を挿入し、コイル成形部12と、端子成形部13および突出リブ成形部14とをそなえたプレス下型10に収納し、プレス上型11を載せて、熱を加えながら加圧成形し、プリプレグ6の樹脂を単位コイルの導線間に生じた隙間まで浸透させ、接続端子板4の外部との接続部を残して全体を一体に被覆すると同時にコイル収納部21の外周に突出リブ22を形成させる。
【選択図】 図2
Description
本発明はリアクトル特に車両用の偏平型リアクトルの製造法に関する。
電力用のリアクトルは、インバータ機器などに多く使用されているが、高周波対策に伴って低騒音化が強く求められており、鉄心リアクトルでは騒音の低下に限度があるため、空芯リアクトルが見なおされている。このような従来の空芯リアクトルは、一般に円筒形に形成したコイルが用いられているが(たとえば特許文献1参照)、コイルが大型になる欠点があり、小型化するために、円板状に巻回したコイルを複数個並べて配置したものが提案されており、冷却効果を高めるためコイル相互間に多数のフィンを付けた冷却ブロックを設けるようにしている(たとえば特許文献2参照)。
また、円筒形コイルに替えて中空円板状のコイルを絶縁スペーサおよび絶縁ワッシャーを間挿して積層する直流リアクトルが知られている(たとえば特許文献3参照)。
なお、絶縁樹脂シートに渦巻き状の導体パターンを設けたコイルシートを積層固着する方法として、プリプレグを介して積層し、加熱硬化させたコンバータ用トランスがあるが(特許文献4参照)、電力用のリアクトルではコイルシートと異なって大きなコイルを使用するため、コイルを重ねて硬化させても冷却が十分に行われないなどのため用いられていなかった。
特開平9−82540号公報(図2)
特開平10−241970号公報(要約)
特開平9−293615号公報(要約)
特開2001−307933号公報(実施例の欄)
なお、絶縁樹脂シートに渦巻き状の導体パターンを設けたコイルシートを積層固着する方法として、プリプレグを介して積層し、加熱硬化させたコンバータ用トランスがあるが(特許文献4参照)、電力用のリアクトルではコイルシートと異なって大きなコイルを使用するため、コイルを重ねて硬化させても冷却が十分に行われないなどのため用いられていなかった。
前述のように、リアクトルの低騒音対策および小型軽量化のために、円板状のコイルを用いて無鉄心構造とすることが望まれるが、十分な冷却効果を得るためにファンなどを取り付けると、構造を複雑化させるだけでなく、コスト高になる欠点があり、このため特に車両用など耐環境性を必要とするリアクトルにおいては、小型化や低コスト化を達成できなかった。
また、円板状のコイルを熱硬化性樹脂で一体化する技術を応用して、リアクトルの形成を試みたが、樹脂成形に手数を要し、工程が増加し生産性が悪かった。また、コイルをプリプレグを介して積層し加熱硬化させた場合も、冷却効果が十分に得られず、とくに硬化後に引き出し線を固定端子に取り付ける場合に引き出し線の部分を損傷しやすく、取り扱いを慎重にする必要があり、耐環境性に優れたリアクトルを得ることかできなかった。
また、円板状のコイルを熱硬化性樹脂で一体化する技術を応用して、リアクトルの形成を試みたが、樹脂成形に手数を要し、工程が増加し生産性が悪かった。また、コイルをプリプレグを介して積層し加熱硬化させた場合も、冷却効果が十分に得られず、とくに硬化後に引き出し線を固定端子に取り付ける場合に引き出し線の部分を損傷しやすく、取り扱いを慎重にする必要があり、耐環境性に優れたリアクトルを得ることかできなかった。
本発明は、試行錯誤を繰り返した結果、被覆導線を平板状に巻回した単位コイルをテーピングして同心に重ね、単位コイル相互のコイル端を直列あるいは並列に接続して空芯コイルを形成し、外部と接続する引き出し線にあらかじめ接続端子板を取り付け、この空芯コイルの重ね方向の両側面と各単位コイル相互間に、引き出し線と接続端子板との接続部分を含めて、コイルより十分に広く適宜厚さの板状にしたプリプレグを挿入して積層状態にする。これをコイル成形部と、前記コイル端と接続端子板との接続部を含めた端子成形部と、コイル成形部の周囲にコイル成形部より厚さを小さくした突出リブ成形部とをそなえたプレス型を用いて、空芯コイルと前記コイル端と接続端子板との接続部を含めて樹脂に埋め込むとともに、コイル成形部の外周にこのコイル成形部より厚さを薄くした突出リブをプリプレグによって加圧成形し、一体に加熱硬化させる。
このため、加圧成形によってコイル導線間の隙間に樹脂を浸透させると同時に、積層した空芯コイルと、引き出し線に接続した接続端子板の一部が同時に埋め込まれ、コイル収納部の外周に、このコイル収納部より小さい厚さの突出リブが一体に形成される。
なお、この突出リブに取付座と取付孔を同時に形成させることができる。
このため、加圧成形によってコイル導線間の隙間に樹脂を浸透させると同時に、積層した空芯コイルと、引き出し線に接続した接続端子板の一部が同時に埋め込まれ、コイル収納部の外周に、このコイル収納部より小さい厚さの突出リブが一体に形成される。
なお、この突出リブに取付座と取付孔を同時に形成させることができる。
このように、被覆導線を平板状に巻回した単位コイルを同心に重ねて接続し、外部に導出するコイル端に接続端子板を取り付け、重ねた単位コイルの両側面と各単位コイル相互間に、適宜厚さの板状の広いプリプレグを挿入してプレス型に入れ、コイル全体を熱硬化性の樹脂で包むとともに、接続端子板との接続部が同時に埋め込まれ、コイル収納部の外周にコイル収納部より薄い突出リブを一体に加圧成形により樹脂成形しているので、コイル導体相互の隙間に樹脂が十分に入り込んで導体間の隙間をなくし、振動や騒音を生じない強固な状態に成形され、確実な小型軽量化ができる。また、積層した空芯コイルを埋め込んだコイル収納部の外周に、前記導体間の樹脂と一体に突出リブを形成させ、この突出リブの厚さをコイル収納部より薄くしているので、コイルに発生する熱が有効に突出リブに熱伝導され、突出リブを薄くしているため冷えやすく、広い面で熱放散を良好に行って冷却効果を増大させることができる。したがって、ファンなどを別個に設ける必要がなくなるとともに、生産工程を単純化し、コストを低下させる。
また、全体を一体に成形するため振動や耐環境性に優れ、接続端子板の一部だけが外部に出ているので、引き出し線と接続端子板との接続が確実に保持され、取り扱い時の不都合による接続不良などの事故を防ぐことができ、車両用としても小スペースで簡単に取り付けられ、省メンテナンスを実現できるなどの効果が得られる。
なお、突出リブに取付孔をそなえることにより、取り付けをさらに簡単にできる効果がある。
なお、突出リブに取付孔をそなえることにより、取り付けをさらに簡単にできる効果がある。
以下、図に示す実施例について説明する。
1は空芯コイルで、被覆導線を中空円板状に巻回した単位コイル1a、1bで構成しており、この単位コイルを同心に重ねて内側中空内の接続部2でコイル端を接続し、外側に導出するコイル端を引き出し線3、3としてそれぞれ接続端子板4、4に接続している。5はガラステープなどによるテーピング、6は前記空芯コイル1の端子部分を含む両側面および単位コイル相互間に挿入した不飽和ポリエステル樹脂などを適宜の厚さの板状にセミキュアしたプリプレグで、単位コイルより十分に大きい角形にしてある。
1は空芯コイルで、被覆導線を中空円板状に巻回した単位コイル1a、1bで構成しており、この単位コイルを同心に重ねて内側中空内の接続部2でコイル端を接続し、外側に導出するコイル端を引き出し線3、3としてそれぞれ接続端子板4、4に接続している。5はガラステープなどによるテーピング、6は前記空芯コイル1の端子部分を含む両側面および単位コイル相互間に挿入した不飽和ポリエステル樹脂などを適宜の厚さの板状にセミキュアしたプリプレグで、単位コイルより十分に大きい角形にしてある。
10はプレス下型で、空芯コイル1の径より大きい環状のコイル成形部12とコイル成形部12に続く端子成形部13をそなえ、プレス上型11との間でコイル成形部12を囲む角形の突出リブ成形部14および中空成形部15をそなえ、突出リブ成形部14に取付座成形部16をそなえている。17はプレス上型11のコイル成形部である。
図4の20は製造されたリアクトル、21は空芯コイル1を収納したコイル収納部、22はコイル収納部21の周囲に一体成形され、コイル収納部21より厚さを小さくした突出リブ、23は突出リブ22に設けた取付座、24はコイルの引き出し線3と接続端子板4との接続部を埋め込んだ端子部である。なお、取付リブ22は重なった単位コイルに跨がるように、コイル収納部21の厚さ方向の中央部に設けることが望ましい。
図4の20は製造されたリアクトル、21は空芯コイル1を収納したコイル収納部、22はコイル収納部21の周囲に一体成形され、コイル収納部21より厚さを小さくした突出リブ、23は突出リブ22に設けた取付座、24はコイルの引き出し線3と接続端子板4との接続部を埋め込んだ端子部である。なお、取付リブ22は重なった単位コイルに跨がるように、コイル収納部21の厚さ方向の中央部に設けることが望ましい。
中空円板状に巻回した単位コイル1a、1bを同心に重ねてコイル端を接続し、引き出し線3、3にそれぞれ接続端子板4、4を取り付ける。プレス下型10のコイル成形部12、突出リブ成形部14および端子成形部13の広さに合わせたプリプレグ6を入れ、その上に単位コイル1a、1b間にプリプレグ6を挿入した空芯コイル1を位置合わせをして収納し、さらに同様のプリプレグ6を被せてプレス上型11を載せる。このプレス型を成形機で熱を加えて徐々に圧力を加えて加圧成形し、プリプレグ6の樹脂を単位コイルの導線間に生じた隙間まで浸透させ、接続端子板4の外部導線との接続部を残して、引き出し線3と接続端子板4との接続部を含めた全体を一体に被覆させると同時に、突出リブ22と取付座23を形成して熱硬化させる。
1 空芯コイル
1a、1b 単位コイル
2 接続部
3 引き出し線
4 接続端子板
5 テーピング
6 プリプレグ
10 プレス下型
11 プレス上型
12 コイル成形部
13 端子成形部
14 突出リブ成形部
15 中空成形部
16 取付座成形部
17 コイル成形部
20 リアクトル
21 コイル収納部
22 突出リブ
23 取付座
24 端子部
1a、1b 単位コイル
2 接続部
3 引き出し線
4 接続端子板
5 テーピング
6 プリプレグ
10 プレス下型
11 プレス上型
12 コイル成形部
13 端子成形部
14 突出リブ成形部
15 中空成形部
16 取付座成形部
17 コイル成形部
20 リアクトル
21 コイル収納部
22 突出リブ
23 取付座
24 端子部
Claims (2)
- 被覆導線を平板状に巻回した複数個の単位コイルを同心に重ね、単位コイル相互のコイル端を接続し、外部に導出するコイル端に接続端子板を取り付けた空芯コイルを成形し、前記空芯コイルの積み重ね方向の両側面および各単位コイル相互間に、板状にしたプリプレグを挿入して積層状態にし、コイル成形部と、前記コイル端と接続端子板との接続部を含む端子成形部と、コイル成形部の周囲にコイル成形部より厚さを小さくした突出リブ成形部とをそなえたプレス型により、前記空芯コイルをプリプレグとともに加圧成形により一体に加熱硬化させることを特徴とするリアクトルの製造法。
- 前記プレス型が、突出リブ成形部に取付孔成形部をそなえている請求項1に記載したリアクトルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004090907A JP2005277244A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | リアクトルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004090907A JP2005277244A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | リアクトルの製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005277244A true JP2005277244A (ja) | 2005-10-06 |
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JP (1) | JP2005277244A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011530172A (ja) * | 2008-07-29 | 2011-12-15 | クーパー テクノロジーズ カンパニー | 電磁デバイス |
-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004090907A patent/JP2005277244A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080205 |