JP2005275245A - 正帯電性磁性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、トナー粒子表面に液体潤滑剤を存在させ、かつ疎水化された流動促進剤を添加することにより、現像性、帯電性にすぐれ、カブリの無くフィルミングやオフセット等の装置汚染なく、長期にわたり安定した良好な画像を得ることの出来る正帯電性磁性トナーを提供することにある。
【解決手段】少なくともスチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体および磁性体とからなるトナー粒子と、液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤とを含有することを特徴とする正帯電性磁性トナーである。

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子写真複写機、レーザービームプリンター、静電記録装置等において、静電荷像を現像するために用いられる正帯電性磁性トナーに関する。
原稿の複写を行う複写機あるいはパーソナルコンピュータを含むコンピュータの出力を行うプリンタ、ファクシミリ受信装置のプリンタなどにおいては、複写または記録画像を得る方法として、電子写真法または静電記録法が従来から広く採用されている。この電子写真法あるいは静電記録法を用いた複写機、プリンタとしては、電子写真複写機、レーザービームプリンター、液晶アレイを用いたプリンタ、静電プリンタなどが代表的なものとして挙げられる。電子写真法あるいは静電記録法においては、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に種々の手段で静電潜像(静電荷像)が形成され、この静電潜像を現像剤により現像し、得られたトナー像を必要に応じ紙などの被転写体に転写し、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着することにより最終トナー像を得る一方、静電荷像担持体上に転写しないで残留するトナーはクリーニング手段によって除去される。これら工程を繰り返し行うことにより、順次複数枚の複写物あるいは記録物が得られる。
上記静電潜像を現像する方法としては、微細トナーが電気絶縁性液体に分散された液体現像剤を用いる方法(湿式現像法)、結着樹脂中に着色剤、必要に応じ磁性体等が分散された粉体トナーをキャリア粒子と共に用いる方法、結着樹脂中に磁性体が分散された磁性トナーを用い、キャリア粒子を用いることなく現像を行う方法など(乾式現像法)が知られている。これらの方法の内、近年では、粉体トナーあるいは磁性トナーを用いる乾式現像法が主として採用されている。
ところで、電子写真複写機、レーザービームプリンターなどは、最近では小型化、パーソナル化が進む一方で、高速化も要求されるようになっており、更に低エネルギー化も要求されている。したがって、これら装置については出来得る限りシンプルな機構により、信頼性高く且つ高品質の画像を高速且つ低エネルギーで長期間に亘り形成するための改良が種々試みられている。また、このような装置の改良とともに、現像の際に用いられるトナーの改善も種々試みられている。
1成分トナーでは現像部材との摩擦帯電により帯電させるため、トナーの潤滑性は重要で、潤滑性の欠如により、帯電部材、例えば現像ブレードや現像スリーブへの固着が発生し、画像品質の低下を招く。
また潜像担持体表面が樹脂で構成されている場合には、特にトナー凝集物と潜像担持体との間でも密着が発生し、転写材への移行が阻害され、極端な場合、密着が強固な部分が全く転写せずトナー画像が欠損する現象が起りやすい。
またクリーニング工程ではクリーニングブレード、ファーブラシ等、直接潜像保持体に接触するため、トナーの潤滑性の欠落に伴うクリーニング不良を生じ、画像欠陥を招くことがある。
このようにトナーの離型性、潤滑性の重要性は、増々大きくなってきている。
これらの問題を解決する為に、シリコーン化合物をトナー中に含有させる方法が検討されており、シリコーンオイルをトナー中に含有させることによりトナー付着、とりわけ定着時のオフセット性の向上を図っている。(例えば特許文献1、2参照)
特開平2−3073号公報 特開平3−63660号公報
また、液体潤滑剤を使用して、トナー粒子中の構成材料である磁性体やカーボンブラックを液体潤滑剤で処理することにより、分散性を上げ帯電性能を良好にすることが提案されている。(例えば特許文献3、4参照)
特開平3−43748号公報 特開平3−53260号公報
また更にはシリコーンオイルをトナーの原料である着色剤や無機微粒子を担体として予め含浸させ、これを用いて加熱混練してトナー粒子を作成する方法も提案されている。これらによればトナー構成材料である着色剤やフィラー等に予めシリコーンオイル等を含浸させておき、経時によりトナー粒子表面に染み出させることにより、トナーの潤滑性を向上させる手法として提示されている。(例えば特許文献5〜14参照)
特開平4−274445号公報 特開平7−152199号公報 特開平7−191494号公報 特開平7−199525号公報 特開平8−15891号公報 特開平8−22149号公報 特開平8−76408号公報 特開平8−272133号公報 特開平9−15901号公報 特開平9−269685号公報
しかしながら、これらの方法はトナー粒子中に離型性の高い液体潤滑剤を大量に内添するため、加熱混練時に相溶性の乏しい液体潤滑剤が表面に浮き出てしまい、あるいは加熱混練時に液体潤滑剤が結合して大きな液体の固まりをトナー混練物中に形成するなど、トナー粒子の分散性が悪くなる。
またトナー粒子作成時の混練工程において液体潤滑剤に起因する滑りが生じるため、均一に混練するためのせん断力が十分に加わらない。
また一般にシリコーン化合物に代表される液体潤滑剤はトナーの帯電性に影響を与えるため、トナー粒子中の内添による方法では、特に高温時では過剰に表面に浮き出てしまうため帯電性が不安定になり、またトナーの流動性も変化するなど、トナー性能の制御が非常に困難である。
一方、トナー粒子には通常、荷電制御剤が含有されるが、従来の荷電制御剤ではトナー粒子中への分散性、配合性が必ずしも好ましくなく、トナー粒子中において荷電制御剤の分散不良、配合不良に起因する帯電分布のバラツキや、また分級微粉の再利用に関して配合量を検討する必然性が有った。これを改良するために荷電制御特性を示す樹脂を用いることが提案されている。(例えば特許文献15参照)
特開昭63−184762号公報
このように従来からトナーの離型性、潤滑性の重要性が求められ、様々な方法が提案され、各種液体潤滑剤を添加したトナーの提案がなされているが、現状としては十分に良好なものが得られているとは言い難い。
このような現状に鑑み、本発明の目的は、上述の問題点を解決した正帯電性磁性トナー及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、トナー粒子表面に液体潤滑剤を存在させ、かつ疎水化された流動促進剤を添加することにより、現像性、帯電性にすぐれ、カブリの無くフィルミングやオフセット等の装置汚染なく、長期にわたり安定した良好な画像を得ることの出来る正帯電性磁性トナー及びその画像形成方法を提供することにある。
また本発明は、エコロジーに考慮した正帯電性磁性トナーを提供することにある。
本発明は、スチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体および磁性体とからなるトナー粒子と、液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤とを含有することを特徴とする正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、液体潤滑剤の25℃における粘度が10〜400000mm2/sであることを特徴とする上記記載の正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、液体潤滑剤が、トナー粒子表面に添加されていることを特徴とする上記記載の正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、疎水化された流動促進剤が直鎖のシリコーンオイルで処理された無機微粒子で、かつ疎水化率が50%以上であることを特徴とする上記記載の正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、流動促進剤のBET比表面積が20〜450m2/gであることを特徴とする上記記載の正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、スチレン−アミン系共重合体のアミン価が160〜200であることを特徴とする正帯電性磁性トナーに関する。
また本発明は、スチレン系結着樹脂のゲルパーミエーショングラフ(GPC)により測定される分子量分布において、少なくともピークが2つ以上であり、低分子側の分子量ピーク(L)が12000以下、高分子側の分子量ピーク(H)が25万以上であることを特徴とする上記記載の正帯電性磁性トナーに関する。
本発明は特定のスチレン系結着樹脂、磁性体及びスチレン−アミン系共重合体とを含有するトナー粒子と、かつ液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤とを含有する正帯電性磁性トナーを用いることにより、潤滑性に優れフィルミング、オフセット等の装置汚染がなく、かつ帯電安定性に優れ、画像濃度が高くカブリの少ない、更に長寿命の安定した品質の優れた画像を提供することができる。また、高いトナーの流動性と環境(温度/湿度)安定性を持つため画像の環境影響性が少なく、中抜け等の画像欠陥ない画像を提供することができる。またスチレン−アミン系共重合体を用いることにより、環境に優しく、また高い分散性を持つことにより安定した画像特性を保つうえ、かつトナー中への分散性が良好なため分級微粉の再利用化も実施しやすいエコロジーに配慮した正帯電性磁性トナーを提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明における正帯電性磁性トナーは、スチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体および磁性体とからなるトナー粒子と、液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤とを含有することを特徴とする。
本発明の正帯電性磁性トナーに用いられる液体潤滑剤としては、動物油、植物油、石油系潤滑油、合成潤滑油などが挙げられ、その中でも安定性の点から合成潤滑油が好ましく用いられる。
合成潤滑油としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリコーンなどのシリコーン;ペンタエリスリトールエステル、トリメチルロールプパンエステルなどのポリオールエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(α−オレフィン)などのポリオレフィン;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリグリコール;テトラデシルシリケート、テトラオクチルシリケートなどのケイ酸エステル;ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどのジエステル;トリクレシルホスフェート、プロピルフェニルホスフェートなどのリン酸エステル;ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレンなどのフッ化炭化水素;ポリフェニルエーテル、アルキルナフテン、アルキル芳香族などがある。中でも熱安定性、酸化安定性から、シリコーン、フッ化炭化水素が好ましい。
上記シリコーンとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性などの反応性シリコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性などの非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジエンシリコーンなどの直鎖状のシリコーンが用いられる。中でも熱安定性、酸化安定性から、直鎖シリコーンが好ましい。
本発明においては、液体潤滑剤がトナー表面に存在することにより、その効果を発揮するので、硬化型のシリコーンはその性質上、効果は薄れる。また、反応性シリコーンや極性基をもつシリコーンは、結着樹脂への相溶性が高いので、その程度によってはトナー粒子表面から内部に浸透するため効果が劣る場合がある。また、非反応性シリコーンでも側鎖によってはトナーに用いる結着樹脂との相溶性が高くなり、トナー粒子中への移行が多くなり効果が劣る場合もある。従って、ジメチルシリコーン、フッ素変性シリコーン、フッ化炭化水素が、反応性、極性が少なく吸着も強固でなく、結着樹脂との相溶性も殆どないので好ましく用いられる。
本発明に用いられる液体潤滑剤は、25℃における粘度が10〜400000mm2/sであることが好ましく、更には20〜200000mm2/sであることが好ましく、特には50〜100000mm2/sであることが好ましい。10mm2/s未満の場合には、低分子量成分が多くなるためトナーに対し可塑的に働く場合があり、耐ブロッキング性が悪化したり、経時による現像性の悪化などが生じることがある。また、400000mm2/sを超える場合には、粘度が高いためにトナー粒子表面に均一に分散しない。
液体潤滑剤の粘度測定は、JIS−Z8803に準じて行った。即ち本発明においては、25℃において回転式粘度計ビスコテスター VT550(英弘精機株式会社製)を用い、所望のセンサ用の測定セルに測定試料を入れて測定する。測定値と比重から以下の式に従い動粘性に換算する。
また、本発明において液体潤滑剤は、トナー粒子表面に存在することが好ましいため、トナー粒子を作製した後、疎水化された流動促進剤や他の外添剤を添加する際に液体潤滑剤を外添することにより添加することが好ましい。さらに好ましくはトナー粒子を作成後、予め液体潤滑剤を混合し、さらにその後疎水化された流動促進剤、必要に応じ研磨剤等の他の外添剤を添加、混合する事が好ましい。それにより疎水化された流動促進剤及び研磨剤等、他の外添剤の性能を損なうことのない優れた正帯電性磁性トナーが得られる。
本発明における正帯電性磁性トナーの液体潤滑剤の好ましい添加量としては、トナー粒子100重量部に対して0.001〜5.0重量部、好ましくは0.005〜3.0重量部、より好ましくは0.01〜1.0重量部である。0.001重量部以下では液体潤滑剤としては十分な量とは云えず、トナーへの潤滑付与において不十分である。また5.0重量部以上では量が多すぎるために、逆にトナーにべたつきをもたらし、粉体流動性が悪くなり、また帯電安定性も悪化し画像濃度が低下する。
本発明の正帯電性磁性トナーは、スチレン−アミン系共重合体を含有するため、一般的に用いられる重金属を含有する荷電制御剤に比較して、対エコロジー性に優れる。また、スチレン系結着樹脂との相溶性が極めて高いため、トナー粒子中において均一な分散性を示し、好ましい帯電特性を得ることが出来る。
本発明に用いられるスチレン−アミン系共重合体としては、正の荷電制御機能を有するスチレン−アミン系共重合体であればいずれも使用可能であるが、中でも、スチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン/ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体を用いることが好ましい。
以下に本発明に用いられるスチレン−アミン系共重合体の一般式を示す。
中でも好ましいスチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、およびスチレン/ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体の化学式をそれぞれ以下に示す。
またこれらのスチレン−アミン系共重合体のアミン価は160〜200であることが良好な帯電性を得る上で好ましい。アミン価が160よりも小さいと、トナーとして良好な電荷を付与させることが困難になってしまう。また200よりも大きくなると、結着樹脂への相溶性が悪くなってしまい、帯電量分布が偏在し画像としてカブリが増えたり、機内飛散が生じたりすることがある。
また結着樹脂と良好な相溶性を得るためには、スチレン−アミン系共重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)での測定で数平均分子量が4000〜15000の範囲であることが好ましい。これは結着樹脂の低分子成分と好ましく相溶するために重要である。
なお、上記GPCによる分子量分布は、下記の測定条件にて行った。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THFに溶解した試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせをあげることができる。
また測定用サンプルは以下のようにして作成する。すなわち、試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、充分に振とうし、試料の合一体がなくなるまでTHFと良く混合し、さらに12時間以上静置する。この時、THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製等が利用できる)を通過させたものをGPC測定用サンプルとする。また、サンプル濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
アミン価の測定は、サンプル樹脂1gを秤量し、トルエン20mlに溶解後、イソプロピルアルコール(IPA)20ml及びブロムフェノールブルー溶液を数滴加えて1/10N塩酸IPA溶液で滴定し、終点はブルーから黄緑色になる点とした。
スチレン−アミン系共重合体のトナー粒子中への添加量としては、帯電安定性、画像特性から結着樹脂100重量部に対して、0.05〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。20重量部以上では帯電が高くなりすぎるためカブリを生じ、またトナー定着時のタックが強くなるためオフセット性が増し、また0.05重量部以下では十分な帯電を得られず画像濃度が低くなる。また結着樹脂との良好な分散性、相溶性を考慮するとガラス転移温度は(40〜70℃)、軟化温度(Ts)は(100〜140℃)であることが好ましいものである。
本発明の正帯電性磁性トナーで用いられる結着樹脂としてはスチレン系結着樹脂を用いることが重要である。即ちスチレン系結着樹脂は、本発明で使用される荷電制御特性を示すスチレン−アミン系共重合体と極めて相溶性が良好で、分散性が高く、またそれに伴い均一で安定した帯電特性を示すことが出来る。
本発明で用いられるスチレン系結着樹脂としては、スチレン重合体、スチレン共重合体のいずれのスチレン系樹脂も使用可能であり、それらの混合物も使用可能である。
具体的にはポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などが挙げられる。
本発明におけるスチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
スチレン重合体またはスチレン共重合体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でも構わない。架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1、3−ブタンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。これら架橋剤は、他のモノマー成分100重量部に対し、0.01〜5重量部程度、より好ましくは0.03〜3重量部程度の量で用いられる。
スチレン系結着樹脂を合成する方法としては、従来公知の塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法および懸濁重合法があり、いずれの合成方法におけるスチレン系結着樹脂でも使用することが出来る。
本発明におけるスチレン系結着樹脂の合成に当たっては重合開始剤が用いられるが、重合開始剤としては、従来公知のものの何れも用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどが通常好ましく用いられる。開始剤のビニルモノマーに対する使用割合は、0.2〜5重量%が一般的である。重合温度は、使用するモノマーおよび開始剤の種類に応じ適宜選定される。
本発明におけるスチレン系結着樹脂の分子量分布としては、定着性および耐オフセット性、機械的強度から少なくとも2つ以上の分子量分布を持つことが好ましい。具体的には、定着性を向上させるため低分子側のピークが12000以下、好ましくは500〜10000、さらに好ましくは1000〜8000以下の分子量が好ましい。低分子側のピークが12000以上の場合は本来の目的である定着性が悪くなる。一方、耐オフセット性および機械的強度を向上させるために高分子側のピークは25万以上、好ましくは30万以上、さらに好ましくは35万以上が好ましい。高分子側のピークが25万以下では十分な機械的強度が得られず、定着不良を起こし、印字部の耐摩擦性に劣る。
また本発明において、スチレン系結着樹脂中の揮発分が1%以下、好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.4%以下である。スチレン系結着樹脂樹脂中揮発成分であるの残存溶媒および/または未反応モノマーが1%以上存在すると、それら揮発成分に起因する帯電特性の不安定化やトナーの流動性の低下を生じ、また現像器や定着器への付着等の装置汚染や画像劣化を引き起こす。
スチレン系結着樹脂中の揮発分の測定方法は、100gの測定サンプルを時計皿に広げ、これを窒素置換した乾燥器に150℃、1h放置し、乾燥前後の重量比を求めることにより行なった。具体的には以下の式で求める。
本発明の正帯電性磁性トナーに使用できる磁性体としては、従来より知られている磁性体を使用することが可能であり、例えばマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体及びこれらの混合物があげられる。中でも酸化鉄または二価金属と酸化鉄等の鉄化合物が磁気特性や着色力、原料コストから好ましく、その中でも特にマグネタイトが好ましい。またマグネタイトについて、粒形としては球形、六面体、八面体等、各種結晶形のいずれのものも使用可能である。
本発明において使用する磁性体は上記のうち、BET法による比表面積が4〜8m2 /gのものが好ましい。磁性体のBET法による比表面積が8m2 /gを超えるものを用いると、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう。更には電荷のリークによる画像のノイズである黒筋が生じ、また機内飛散も生じてしまう。これは磁性体の比表面積が8m2 /gを超えるとトナー母粒子中への均一な分散が困難になり分散不良を起こしやすく、これによりトナー母粒子中に磁性体の偏在が生じてしまいトナー粒子の抵抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなってしまう。またトナー粒子中への磁性体の配合性も損なわれてしまいトナー母粒子と分級微粉中の磁性体含有量に差が生じてしまい、分級微粉をリサイクルして原料として混練時に投入することが困難になってしまう。一方、比表面積が4m2 /gより小さいものを用いると、磁性体粒子がトナー母粒子に十分な着色を行うことが困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ることができなくなる。これらの磁性体は平均粒径が0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、更に好ましくは60〜100重量部である。
また必要に応じて、磁性体と併用して、従来から着色剤として公知である無機・有機の染料・顔料を含有させて使用することも可能であり、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダムンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等があげられる。
本発明の正帯電性磁性トナーを構成するトナー粒子においては上記に記載したスチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体および磁性体に加えて定着時の離型性を向上させるために、室温で固体のワックスを含有することができる。
本発明に使用するワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、最大吸熱ピークのピークトップ温度が70〜160℃以下であることが好ましい。70℃未満に最大のピーク温度が存在する場合には、ワックスの融解温度が低過ぎ十分な耐高温オフセット性が得られず、160℃を超える領域に最大ピークのピーク温度が存在する場合には、ワックスの融解温度が高過ぎ十分な耐低温オフセット性、低温定着性が得られにくくなる傾向にある。すなわちこの領域に最大ピークのピーク温度が存在することで、耐オフセット性と定着性のバランスを取り易くなる。
また本発明に使用する前記液体潤滑剤は定着時にも離型効果を発揮するが、更なる定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から、次のようなワックス類をトナー中に含有させることが好ましい。即ち、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
これらの中でも好ましく用いられるワックスは、オレフィンを高圧下でラジカル重合あるいはチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のポリオレフィン及びこの時の副生成物、高分子量のポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量のポリオレフィン、一酸化炭素、水素からなる合成ガスから触媒を用いて得られる炭化水素の蒸留残分、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素などから得られるワックスが用いられ、酸化防止剤が添加されていてもよい。あるいは、直鎖状のアルコール、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系誘導体である。
特に好ましいものは、チーグラー触媒でエチレンなどのオレフィンを重合したもの及びこの時の副生成物、フィッシャートロプシュワックスなどの炭素数が千〜数千ぐらいまでの炭化水素を母体とするものが良い。また、炭素数が数百、特には百ぐらいまでの末端に水酸基をもつ長鎖アルキルアルコールも好ましい。
これらのワックスから、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例えば、融液晶析及び結晶濾別)等を利用して、ワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また分別後に、酸化やブロック共重合、グラフト変性を行ってもよい。例えば、これらの方法で、低分子量分を除去したもの、低分子量分を抽出したもの、更にこれらから低分子量分を除去したものなどの任意の分子量分布を持つものである。
本発明の正帯電性磁性トナーにおいては、これらのワックスの含有量は、スチレン系結着樹脂100重量部に対し、0.2〜20重量部で用いられ、0.5〜10重量部で用いるのが効果的である。更に、数種のワックス類を併用することも可能である。
本発明においてDSC測定では、結着樹脂、ワックスの熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定には島津製作所製DSC−60を用いた。
本発明の測定に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度6℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。この昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後のベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線との交点の温度をガラス転移点とした。
本発明の正帯電性磁性トナーにおいて疎水化された流動促進剤は、微粒子の基材を疎水化処理して用いる。微粒子の基材としては、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ;アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の金属炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の金属窒化物などの無機微粉体などが用いられる。
流動促進剤の基材となる無機微粉体の中でも好ましいものは金属ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法によるシリカ微粉体であり、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらを流動促進剤の基材となる無機微粉体として使用することもできる。一方、湿式法で製造する方法は、従来公知である種々の方法が適用できる。例えば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般反応式で示せば下記のようになる。
その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニアは塩類またはアルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用する方法などがある。
それらの重量平均径は、1次粒子の平均で0.001〜2.0μmの範囲であることが望ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲の無機粉体を流動促進剤の基材となる無機微粉体として使用するのが好ましい。
本発明の正帯電性磁性において、流動促進剤は無機微粒子の基材を疎水化処理して用いるが、その疎水化剤としては現像剤への潤滑性、離型性付与の点から、シリコーンオイルを用いて処理したものが好ましい。疎水化処理に用いられるシリコーンオイルとしては、一般に次の式により示されるものである。
[式中、Rはアルキル基(例えばメチル基)、アリール基を示し、nは整数を示す。]
流動促進剤の基材である無機微粉体を疎水化する為の好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜20000mm2/s、好ましくは1〜10000mm2/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルなどが好ましい。また、側鎖に窒素を有するシリコーンオイルを用いてもよい。そのようなシリコーンオイルとしては、少なくとも下記式で表わされる部分構造を持つシリコーンオイルも使用できる。
(式中、R1は水素、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を示し、R2はアルキレン基またはフェニレン基を示し、R3及びR4は水素、アルキル基、またはアリール基を示し、R5は含窒素複素環基を示す)尚、上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原子を有するオルガノ基を有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲で、ハロゲン等の置換基を有していても良い。これらの疎水化処理に用いられるシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物、あるいは併用や多重処理して用いてもよい。
これらの疎水化された流動促進剤はBET法での比表面積が20〜450m2/gが好ましく、より好ましくは30m2/g〜400m2/gであり、更に好ましくは50m2/g〜300m2/gである。BET比表面積が20m2/g以下の場合はトナー粒子上に留まらずに単離してコロ効果が薄れるため流動性が劣り、またカブリが多くなる。他方450m2/g以上の場合は粒径が小さくなるため長期の使用において流動促進剤がトナー粒子表面に埋め込まれこれもコロ効果が失われるため流動性が劣り、また画像濃度も低下する。
また流動促進剤の基材である無機微粉体の疎水化処理方法として、無機微粉体と反応あるいは物理吸着する有機金属化合物で化学的に処理することによって付与することも出来る。これらの方法としては、金属ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された無機微粉体をシランカップリング剤、チタンカップリング剤等で処理することが挙げられる。
疎水化処理に用いるシランカップリング剤の例としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1、3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1、3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
また、未処理のシリカ微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。そのような疎水化処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。
これらのカップリング剤は1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。
疎水化された流動促進剤は、離型効果が大きく、液体潤滑剤を含有するトナーとともに用いることにより現像剤の潤滑性、離型性は格段に向上する。また、トナー粒子表面の液体潤滑剤を吸着してしまうこともない。また表面に液体潤滑剤を有するトナーは静電凝集しやすいが、疎水化処理せしめた流動促進剤により現像剤に流動性を付与できるだけでなく、帯電もさらに安定化することができる。
上記疎水化処理された流動促進剤は、トナー100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。添加量が0.01重量部以下の場合は流動促進剤としての機能を持つ量とは云えず、流動性やブロッキング性が極めて悪い。また8重量部以上ではトナー粒子上から浮遊した流動化剤が多く、機内飛散を生じ、またカブリも多くなる。
また疎水化率は流動促進剤の表面の疎水化処理の程度を示す。このため疎水化率が40%以下の場合は表面の疎水化されていない部分から空気中の水分を吸収し易いために、特に高湿時での帯電安定性が劣り、画像濃度が下がったり、カブリを生じやすくなったりする。よって上記疎水化処理せしめた流動促進剤の疎水化率は40%以上、好ましくは50%以上である。
流動促進剤の疎水化率の測定方法はメタノール滴定法により求めた。具体的には、純水50mlに測定試料200mgを添加し、撹拌しながらビュレットでメタノール(吸光分析用グレード)を滴下し、液面上に試料がほぼ無くなり液中に馴染んだ所を終点とし、要したメタノール量を求める。その値から以下式により疎水化率を求める。
本発明の正帯電性磁性トナーにおいては、更に必要に応じて、外添剤として研磨剤、滑剤、有機微粒子、その他添加剤を使用することもできる。
特に、現像性、感光体の研磨及びトナーの耐久性を向上させるためにトナー粒子の表面に次の無機粉体を添加することが好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステンなどのセラミックス;カーボンブラックやグラファイトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステンなどが好ましい。またこれらは適宜疎水化処理しても良い。
同様の目的で、トナー粒子の表面に以下の有機粒子や複合粒子を添加することも可能である。ポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル樹脂粒子などの樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子が挙げられる。
更にトナー粒子の表面に次のような滑剤粉末を添加することもできる。テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミノ酸誘導体が挙げられる。
本発明の正帯電性磁性トナーを製造するにあたっては、スチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体、磁性体、および必要に応じてワックス等の添加剤からなるトナー粒子を構成する材料をボールミルやヘンシェルミキサー、その他の混合機により充分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて十分に混練し、混練物を冷却固化後、機械的な粉砕、粉砕物の分級によってトナー粒子を得る方法が好ましい。
他には、結着樹脂の溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナー粒子を得る方法;結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合法によるトナーの製造法がある。またコア材及びシェル材から成るマイクロカプセルトナーがある。
上記トナー粒子を得た後、液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤、更には必要に応じてその他の添加剤を添加し、ヘンシェルミキサー等の混合機により、トナー粒子と充分混合させてトナー表面に均一に存在せしめることにより、所望の正帯電磁性トナーを得ることが出来る。
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体
(ピーク分子量 L:2,500 H:400,000) 48.0重量部
・磁性体(マグネタイト:比表面積 7.3m2/g,形状:八面体)45.0重 量部
・ポリプロピレンワックス 2.0重量部
・スチレン/ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(アミン価180,平均分子量:7,200) 5.0重量部
上記材料をミキサーで予備混合した後、吐出温度150℃に設定した2軸混練押出機によって溶融混練を行った。混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕機によって微粉砕し、更に風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径:10.5μmのトナー粒子Aを得た。
・トナー粒子A 100.0重 量部
・シリカ(ジメチルシリコーンオイル疎水化処理,120m2/g) 0.5重 量部
・研磨剤 (タングステンカーバイト) 0.5重 量部
・シリコーンオイル
(ジメチルシリコーンオイル,粘度50mm2/s) 0.03重量部
上記材料をミキサーで混合し、篩取りしてトナーを調製した。
(実施例2〜6)
実施例1の液体潤滑剤のかわりに、表1のものを用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
(実施例7〜9)
実施例1の流動促進剤の代わりに、表2に示すものを用いる以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
(実施例10〜13)
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体
(ピーク分子量 L:5,500 H:350,000) 43.0重量部
・磁性体(マグネタイト:比表面積 4.5m2/g,形状:球形) 45.0重量部
・ポリプロピレンワックス 2.0重量部
・スチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(アミン価160,平均分子量:13,000) 10.0重量部
上記材料を実施例1と同様にして体積平均粒径:10.5μmのトナー粒子Bを得た。
実施例1と同様にトナー粒子を外添処理し、表3に示したトナーを作成した。
(実施例14〜17)
・スチレン−n−ブチルアクリレート−メタクリル酸メチル共重合体
(ピーク分子量 L:7,800 H:420,000) 53.0重量部
・磁性体(マグネタイト:比表面積 7.7m2/g,形状:八面体)44.0重 量部
・ポリプロピレンワックス 2.0重量部
・スチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(アミン価190,平均分子量:4,200) 1.0重量部
上記材料を実施例1と同様にして体積平均粒径:9.0μmのトナー粒子Cを得た。
実施例1と同様にトナー粒子を外添処理し、表4に示したトナーを作成した。
(比較例1)
実施例1の液体潤滑剤を添加しないことを除き,同様にしてトナーを作成した。
(比較例2)
実施例1の液体潤滑剤を添加せず、シリカを195m2/g(疎水化度82%)に変更することを除き,同様にしてトナーを作成した。
(比較例3)
実施例1の流動促進剤を疎水化処理を行っていないもの(190m2/g,疎水化度5%のシリカ)に変更することを除き、同様にしてトナーを作成した。
(比較例4)
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体
(ピーク分子量 L:2500 H:350000) 52.0重量部
・磁性体(マグネタイト:比表面積 7.3m2/g,形状:八面体)44.0重量部
・ポリプロピレンワックス 2.0重量部
・4級アンモニウム塩(オリエント化学製,ボントロンP−51) 2.0重量部
上記材料を実施例1と同様にして体積平均粒径:10.5μmのトナー粒子Dを得た。
得られたトナー粒子Dを用いることを除き,実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(比較例5,6)
トナー粒子Dを用いることを除き,実施例2,および5と同様にしてトナーを作製した。上記比較例1〜6について表5に示した。
(画像の評価)
市販の複写機であるNP−2120(キャノン社製,改造機)を用いて実写評価を行った。
上記の複写機に、各トナーを適用し、温度23℃、湿度50%の環境で1万枚の連続複写テストを行い、画像濃度、カブリの評価を行った。画像濃度は反射濃度計(マクベス RD918)で測定した。またカブリは反射吸光度計(フォトボルト モデル577)で出力前の紙の測定値から出力後の測定値を引いた差をカブリの値とした。結果を表5に示す。
ドラムフィルミング、スリーブフィルミング、および中抜けの判断基準は目視で以下のように行った。
5: 全くない
4: 極一部あるが、全く問題なし
3: 一部あるが実用上問題なし
2: 多少目立ち、実用上問題有り
1: はっきりと認識でき、問題有り
結果として、実施例1〜17に関して、画像濃度、カブリともに良好で実用に問題は無かった。また画像劣化現象も見られなかった。比較例1、2に関しては潜像保持体である感光ドラム上にフィルミングが見られた。また比較例3では画像濃度が低く、現像スリーブにフィルミングも生じた。比較例4〜6ではカブリが高く、また中抜けも若干生じた。
本発明の正帯電性磁性トナーは、電子写真方式の乾式現像剤、トナーを用いる複写機、プリンタ等において好ましく利用でき、特に現像性および帯電性に優れ、画像中抜け、カブリ等が発生せず、画像劣化現象無く、長期間にわたり安定した画像特性を得ることができるものである。

Claims (7)

  1. 少なくともスチレン系結着樹脂、スチレン−アミン系共重合体および磁性体とからなるトナー粒子と、液体潤滑剤および疎水化された流動促進剤とを含有することを特徴とする正帯電性磁性トナー。
  2. 液体潤滑剤の25℃における粘度が10〜400000mm2/sであることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性磁性トナー。
  3. 液体潤滑剤が、トナー粒子表面に添加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の正帯電性磁性トナー。
  4. 疎水化された流動促進剤が直鎖のシリコーンオイルで処理された無機微粒子で、かつ疎水化率が50%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の正帯電性磁性トナー。
  5. 流動促進剤のBET法による比表面積が20〜450m2/gであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の正帯電性磁性トナー。
  6. スチレン−アミン系共重合体のアミン価が160〜200であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の正帯電性磁性トナー。
  7. スチレン系結着樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される分子量分布において、ピークが少なくとも2つ以上であり、低分子側の分子量ピーク(L)が12000以下、高分子側の分子量ピーク(H)が25万以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の正帯電性磁性トナー。
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