JP2005274437A - 車両用残燃料表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両が高速移動状態で斜面を走行している場合でも、正確な残燃料値を表示することが可能な車両用残燃料表示装置100の提供。
【解決手段】
検知残燃料(Xn)と、車両傾斜角度(θ)と、車速度(Vn)とに基づいて、補正残燃料値(A)を求めるとともに、表示手段(4)に補正残燃料値(A)を表示する制御手段(10)を備えた車両用残燃料表示装置であって、制御手段(10)は、車速度(Vn)が所定の車速度(V1)以上であった場合は、第一の補正係数(α)で補正演算するとともに、車速度(Vn)が所定の車速度(V1)未満であった場合は、第一の補正係数(α)よりも小さい第二の補正係数(β)求め、補正残燃料値(A)を表示手段(4)に表示する事により、車両が傾斜状態で、かつ高速移動状態の場合でも燃料検出手段が検出した残燃料値から補正残燃料値を求め、表示することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両に搭載される燃料タンク内の残燃料値を表示する車両用残燃料表示装置に関する。
従来、特許文献1に記載のように、傾斜角度に基づいて燃料タンク内の残燃料値を補正して表示する車両用残燃料表示装置がある。
特開平7−134054号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の車両用残燃料表示装置では、車両が停車状態または低速移動状態にあり、かつ車両が傾斜していることを前提として残燃料値の補正表示を行う車両用残燃料表示装置を示すにとどまっており、車両が傾斜状態で、かつ高速移動状態の場合での補正表示に関しては記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑み、車両が傾斜状態で、かつ高速移動している場合であっても、ほぼ正確な残燃料値を表示することが可能な車両用残燃料表示装置を提供する事を目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の車両用残燃料表示装置は、燃料タンク(200)内の残燃料値を検出する燃料検出手段(2)からの検知残燃料(Xn)と、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段(5)が検出する車両傾斜角度(θ)と、車両の車速度検出手段(3)が検出する車速度(Vn)とに基づいて、検知残燃料値(Xn)から補正残燃料値(A)を求めるとともに、表示手段(4)に補正残燃料値(A)を表示する制御手段(10)を備えた車両用残燃料表示装置であって、
制御手段(10)は、車速度(Vn)が所定の車速度(V1)以上であった場合は、第一の補正係数(α)を用いて補正残燃料値(A)を求めるとともに、
車速度(Vn)が所定の車速度(V1)未満であった場合は、第一の補正係数(α)よりも小さい第二の補正係数(β)を用いて補正演算して補正残燃料値(A)を求め、求めた補正残燃料値(A)を表示手段(4)に表示することを特徴とする。
この発明により、車両が傾斜状態で、かつ所定の車速度(V1)以上、つまり高速移動状態の場合でも燃料検出手段が検出した残燃料値から残燃料補正値を演算し、表示することが可能となる。
特に、本発明では、高速移動状態の場合と、低速移動状態もしくは停車状態の場合とで、補正演算に用いる補正係数を変更し、高速移動状態の補正演算に用いる補正係数の方が、低速移動状態もしくは停車状態の補正演算に用いる補正係数よりも大きな値になるよう設定することで、車速の挙動によって生じる液面変動に、検出する残燃料値が左右される可能性を少なくし、より正確な残燃料補正値を表示することが可能となる。
請求項2に記載の車両用残燃料表示装置における制御手段(10)は、検知残燃料値(Xn)と、車両傾斜角度(θ)とから算出される補正値(Δdn)を予め格納する記憶手段(10a)を備えることを特徴とする。
この発明により、予め残燃料値と車両傾斜角度とから演算した補正値をデータとして記憶手段に格納しているので、残燃料値と車両傾斜角度を入力するだけで、その都度演算することなく、補正値を得ることが可能となり、残燃料補正値の表示速度を上昇させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図3を用いて説明する。
(構成)
図1は、車両用残燃料表示装置100の構成図である。車両用残燃料表示装置100は、制御装置10と、イグニッションスイッチ1(以下IGSW1と記す)と、燃料センサ2と、車速センサ3と、残燃料表示器4と、傾斜センサ5とからなる。
IGSW1は、図示しない車載バッテリーと上述する制御装置10とを電気的に接続する経路の開閉を行うスイッチである。
燃料センサ2は、燃料タンク200内に配置され、当該燃料タンク200内の残燃料値を検出する液量測定器である。具体的には、残燃料の液面の上下に合わせて浮かぶフロート2aと、当該フロート2aの上下(すなわち残燃料の液面の上下)の幅を計測する計測装置2bとからなる。この計測装置2bは後述する制御装置10と電気的に接続している。
ちなみにこの計測装置2bは、フロート2aと連動する図示しないアームの上下の移動幅を電気抵抗値に変換し、その変換した電気抵抗値を制御装置10に伝達する電気抵抗型残燃料計測器である。この燃料センサ2は請求項で示す燃料検出手段に相当する。
車速センサ3は、車両の速度を検出する検出器である。図示しないABS、ECU等が自制御のために使用している車輪速情報をもとにした電気信号のものが多い。
残燃料表示器4は、後述する制御装置10から伝達される残燃料値Xnを表示する表示手段である。制御装置10から伝達される補正残燃料値Aを、図示しない円心状のメーターと、該メーター略中央を支点として回転運動する事でメーターのメモリを指示する図示しない指針とで補正残燃料値Aを表示するアナログタイプと、図示しない複数の7セグメント型LEDにて数値で表示するデジタルタイプの2タイプある。
当該車両用残燃料表示装置100においては、上述したどちらのタイプであっても良い。ちなみにこの残燃料表示器4は請求項で示す表示手段に相当する。
傾斜センサ5は、車両傾斜角度θを計測しリニア電気信号に置換して後述する制御装置10に送信するセンサである。この傾斜センサは、請求項で示す傾斜角度検出手段に相当する。
制御装置10は、CPU、RAM、ROMなどからなるECUである。上述したIGSW1と、燃料センサ2と、車速センサ3と、残燃料表示器4と、傾斜センサ5と接続している。この制御装置10は請求項で示す制御手段に相当する。
この制御装置10は、後述するメモリ10aを内蔵しており、このメモリ10aには、残燃料補正値情報Δdnと、走行時用補正係数αと、停車時用補正係数βとが格納されている。
残燃料補正値情報Δdnは、上述した傾斜センサ5が検出した車両傾斜角度情報θに対応する検知残燃料値Xnに対する補正値である。
例えば、車両傾斜角度としてθ1を入力し、検知残燃料値としてX1を入力した場合は、残燃料補正値としてΔd1を出力する。同様に、車両傾斜角度としてθ2を入力し、検知残燃料値としてX2を入力した場合は、残燃料補正値としてΔd2を出力する。このように残燃料補正値情報Δdnは、車両傾斜角度θと、検知残燃料値Xによって求められるデータテーブルである。この残燃料補正値情報Δdnの説明図を図2に示す。
走行時用補正係数αは、車両が走行している際に表示する補正残燃料Aを求める際の補正演算時に用いる補正係数である。この走行時用補正係数αは請求項で示す第一の補正係数に相当する。
上述したように、車両走行時は燃料タンク200内の残燃料の液面には激しい液面変動が生じている。この激しい液面変動を起こしている検知残燃料値Xを、そのまま残燃料表示器4に表示していては、車両用残燃料表示装置100は、その都度、異なった検知残燃料値Xnを表示してしまう。
そこで、燃料センサ2は定期的に燃料タンク200内の検知残燃料Xnを検出し、制御装置10に送信するが、制御装置10は受信した検知残燃料値Xnに対し補正演算を行い、補正残燃料値Aを求め、この補正残燃料値Aを表示する。
走行時用補正係数αとは、このときに用いる係数の事である。この走行時用補正係数αの具体的な値は、所定の車速度V1以上であるなら、約250〜300程度が妥当な値である事が発明者の研究によって判明している。
停車時用補正係数βは、車両が停車、もしくは限りなく停車に近い低車速で走行している際に表示する補正残燃料Aを求める際の補正演算時に用いる係数である。この停車時用補正係数βは、請求項で示す第二の補正係数に相当する。
この停車時用補正係数βの役割と必要性とは、上述した走行時用補正係数αと同様なので省略するが、走行時用補正係数αと異なる点は、その値である。
走行時用補正係数αは、250〜300回程度であったが、停車時用補正係数βは、30〜40回程度が妥当な値である事が発明者の研究によって判明している。
走行時用補正係数αと停車時用補正係数βとが、なぜこのように値が異なるのかを以下に説明する。車両が走行している場合は、その振動により、燃料タンク200内の液面変動は停車時のそれより変動幅が大きい。
しかし、車両が停車している場合は、走行時の振動が少ないので、燃料タンク200の液面変動は走行時のそれよりも変動幅が小さい。
その為、実際の表示に至るまでの補正係数を小さく設定しても表示する残燃料値は変化しにくい。変化しにくいのであるから、大きな補正係数を用いる必要はないことになる。
しかし、例えば停車中の車内の乗員が車体を揺らすほどの動作を行った場合は、その揺れに応じて、やはり燃料タンク200内の液面に変動が生じるので、ある程度の大きさの補正係数を設定しなければならない。
そこで、停車時用補正係数βは、1よりも大きくなければならないが走行時用補正係数αよりは小さい値となっている。
(作動)
本実施形態の車両用残燃料表示装置100において、車両が高速移動状態で斜面を走行している場合でも、ほぼ正確な残燃料値を表示する作動について図3を用いて以下に説明する。
ステップS1にて、制御装置10は、所定の車速度V1(例えば時速1Km/h程度の値)を読み込む。読み込み終わるとステップS2に進む。
ステップS2にて、制御装置10は、車速センサ3から現在の車両の車速度Vnを受信する。受信し終わるとステップS3に進む。
ステップS3にて、制御装置10は、燃料センサ2から検知残燃料値Xnを受信する。受信しおわるとステップS4に進む。
ステップS4にて、制御装置10は、ジャイロセンサ5から車両傾斜角度θnを受信する。受信しおわるとステップS5に進む。
ステップS5にて、ステップS3にて受信した検知残燃料値Xnと、ステップS4にて受信した車両傾斜角度θnとを用いて、メモリ10aから補正値Δdnを読み込む。読み込みおわるとステップS6に進む。
ステップS6にて、ステップS3にて受信した検知残燃料値Xnと、ステップS5にて求めた補正値Δdnとを用いて、補正残燃料値Aを求め、メモリ10aに格納する。格納し終わるとステップS7に進む。
ステップS7にて、ステップS1にて読み込んだ所定の車速度V1とステップS2で受信した現在の車速度Vnとを比較判定する。
このときの比較判定結果が、現在の車速度Vnは所定の車速度V1以上であった場合は、ステップS8に進み、現在の車速度Vnが所定の車速度V1未満であった場合は、ステップS9に進む。
ステップS8にて、制御装置10は、メモリ10aに格納されている補正残燃料値Aと、走行時用補正係数αとを読み出し、以下に示す数式1ならびに数式2にて重み付け処理を行う。
(数1)α=256
(数2)A=((Xn×(α−1))+A)÷α
上述した数式1ならびに数式2にて補正残燃料値Aに対し、256分の1の重み付け処理を行う。この重み付け処理は車両が走行中(正確には車速度V1以上)の際の補正演算の一種であり、α=256とは走行時用補正係数の具体的な数値である。(請求項で示す第一の補正係数に相当する)。
また、ステップS7での比較判定結果が、現在の車速度Vnの方は所定の車速度V1未満であり、ステップS9に進んだ場合は、制御装置10は、メモリ10aに格納されている補正残燃料値Aと、停車時用補正係数βとを読み出し、以下に示す数式3ならびに数式4にて重み付け処理を行う。
(数3)β=32
(数4)A=((Xn×(β−1))+A)÷β
上述した数式3ならびに数式4にて補正残燃料値Aに対し、32分の1の重み付け処理を行う。この重み付け処理は車両が停車中もしくは極停車車速で走行中(正確には車速度V1未満)の際の補正演算の一種であり、β=32とは停車時用補正係数の具体的な数値である(請求項で示す第二の補正係数に相当する)。
ステップS8またはステップS9にて重み付け処理が終了すると、ステップS10に進む。
ステップS10にて、重み付け処理を行った後の補正残燃料値Aを残燃料表示器4に表示する。表示し終わると、ステップS1に戻り、閉ループ処理を繰り返す。
(作用効果)
上述した構成と作動とにより、車両が高速移動状態で斜面を走行している場合でも、ほぼ正確な残燃料値、すなわち補正残燃料値Aを表示することが可能な車両用残燃料表示装置100を提供することが可能となる。
当然、停車状態、もしくは低車速状態で斜面を走行している場合でも、ほぼ正確な残燃料値、すなわち補正残燃料値Aを表示することが可能なことは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る車両用残燃料表示装置100の概略の構成図である。 メモリ10a内に格納される、車両傾斜角度情報θと、残燃料値Xnとから求められる補正値Δdnの説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用残燃料表示装置100における補正処理内容を示したフローチャートである。
符号の説明
1 イグニッションスイッチ
2 燃料センサ(燃料検出手段)
3 車速センサ(車速度検出手段)
4 残燃料表示器(表示手段)
5 傾斜センサ(傾斜角度検出手段)
10 制御装置(制御手段)
10a メモリ(記憶手段)
Xn 検知残燃料値
A 補正残燃料値
α 走行時用補正係数(第一の補正係数)
β 停車時用補正係数(第二の補正係数)

Claims (2)

  1. 燃料タンク(200)内の残燃料値を検出する燃料検出手段(2)からの検知残燃料(Xn)と、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段(5)が検出する車両傾斜角度(θ)と、車両の車速度検出手段(3)が検出する車速度(Vn)とに基づいて、前記検知残燃料値(Xn)から補正残燃料値(A)を求めるとともに、表示手段(4)に前記補正残燃料値(A)を表示する制御手段(10)を備えた車両用残燃料表示装置であって、
    前記制御手段(10)は、前記車速度(Vn)が所定の車速度(V1)以上であった場合は、第一の補正係数(α)を用いて前記補正残燃料値(A)を求めるとともに、
    前記車速度(Vn)が前記所定の車速度(V1)未満であった場合は、前記第一の補正係数(α)よりも小さい第二の補正係数(β)を用いて補正演算して前記補正残燃料値(A)を求め、求めた前記補正残燃料値(A)を前記表示手段(4)に表示することを特徴とする車両用残燃料表示装置。
  2. 前記制御手段(10)は、前記検知残燃料値(Xn)と、前記車両傾斜角度(θ)とから算出される補正値(Δdn)を予め格納する記憶手段(10a)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用残燃料表示装置。
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