JP2005273158A - ボックスの取り付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボックス本体に対する蓋体の装脱着操作が簡単であるにも拘わらず、ボックス本体に対する蓋体の脱落を有効に防止できるボックスの取り付け構造を提供する。
【解決手段】 ボックスは、ボックス本体1の内壁に形成された一対の支軸4,5と、ボックス本体1の開口部2を開閉可能な前記蓋体11の端部に形成され、かつ支軸4,5に対して所定の角度で挿抜可能な切欠部12と、この切欠部に連通し、支軸4,5を収容可能な凹部13とを備えている。前記支軸4,5は縦断面楕円形状に形成され、一方の支軸4の長軸(支軸の下部傾斜面)は約30°の角度で傾斜し、他方の支軸5の長軸は上下方向に向いている。切欠部の開口幅Wと支軸の短軸長さL1と支軸の長軸長さL2と凹部の内径Dとの関係は、W≧L1、W<L2、及びD>L2である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、メータボックス(水道メータボックスなど)などのボックスにおいて、ボックス本体(又は受け枠)と蓋体との取り付け構造(又はヒンジ構造)及びこの取り付け構造を備えたボックス(メータボックスなど)に関する。
水道メータボックスは、上部の開口部を余して地中に埋設される四角枠状のボックス本体(又は受け枠)と、このボックス本体の上部開口部を開閉可能なプレート状蓋体とで構成されている。このような構造のボックスにおいて、ボックス本体に対して蓋体が簡単に外れないことが要求される。
実開平4−61156号公報(特許文献1)には、上面が開放する四辺形状の受け枠と、この受け枠の開放上面を開閉可能に閉塞する様に蝶着されている蓋本体とを有し、受け枠の開放部内側の三辺に蓋本体の前縁及び左右の側縁の下面を受け止める第1棚部を設けるとともに、受け枠の開放部内側の蝶着側一辺に蓋本体の蝶着側の後縁を受け止める第2棚部を設け、前記第1棚部を前記第2棚部より高く位置させ、蓋本体の蝶着側後縁の下面には回動時に第2棚部に滑動して係脱する係合部を設けた地下構造物用筐枠体が開示されている。この文献の第1図には、受け枠の対向する内壁に突出して形成され、かつ下面が傾斜した第1及び第2の蝶着ピンと、蓋本体の端部側壁のうち、前記第1及び第2の蝶着ピンに対応する部位に形成され、第1及び第2の蝶着ピンよりも大きな窪み部で構成された第1及び第2窪み部と、前記第2窪み部を構成する周壁のうち蓋本体の端部に向かって開口して形成された切欠挿入部と、第2窪み部を構成する周壁のうちこの切欠挿入部に隣接して形成された係合部とを備えた構造が記載されている。
しかし、この構造では、第1棚部と第2棚部とを形成する必要があり、構造が複雑化する。また、この構造の筐枠体では、受け枠に対する蓋本体の装脱着操作が煩雑化する。すなわち、受け枠に対して蓋本体を装着するためには、第1の蝶着ピンの延出方向に沿って第1窪部を移動させて蓋本体の一方の側部を受け枠に装着する操作と、この装着操作の後、蓋本体を所定の角度(第2の蝶着ピンの下面の角度に沿った角度)に回動させる操作と、この回動操作の後、第2の蝶着ピンに対して切欠挿入部を通じて第2窪み部を第2の蝶着ピンの下面に沿って案内しつつ蓋本体の他方の側部を受け枠に挿入して装着する操作と、この装着操作の後、蓋本体を回動させて受け枠の上面開口部を閉塞する操作とが必要である。また、蓋本体を受け枠から外す場合には、上記と逆の順序で操作する必要がある。
特開平9−236470号公報(特許文献2)には、量水器等を収納する受け枠と、この受け枠に開閉可能に連結する蓋本体とを備え、これらの受け枠と蓋本体との間を、いずれか一方に設けた支軸と、他方に設けられ前記支軸周りを包囲する凹部とによって連接し、前記凹部を内外に連通させるとともに前記支軸を外挿可能な切欠を設けたメータボックスにおいて、前記凹部と支軸との間に装着する拘束手段によって、前記支軸が前記切欠を通って前記凹部に向かう動きには抵抗を与える蓋の取り付け構造が開示されている。この文献には、蓋本体を特定の姿勢としたときのみ前記蓋本体の切欠によって外挿可能な縦断面形状に支軸を形成することも開示されている。さらに、支軸の縦断面形状をほぼ蒲鉾状とし、上方に臨む側を円弧状面とし、下面を平坦面とし、この平坦面が受け枠の中央側に向けて上に傾斜していることも記載されている。さらに、前記凹部の切欠は支軸の突出方向に対して直交する方向に開放しているとともに、切欠の縦方向の開口長さを、支軸の平坦面から円弧面の頂点までの長さよりも大きく形成し、蓋本体を支軸の平坦面の傾斜に合わせた姿勢としたときに、支軸が切欠部を自由に出入りでき、この傾斜姿勢を外れると、支軸が切欠を通過できない寸法関係とすることも記載されている。
この文献に記載の構造では、受け枠に対して蓋本体を装着するためには、蓋本体を所定の傾斜角度に傾斜させ、切欠を支軸に挿入する操作と、この操作の後、蓋本体を回動させて受け枠の開口部を閉じる操作とが必要であり、比較的簡単な操作で装着できる。しかし、前記取り付け構造では、蓋本体の装着操作および脱着操作においては、いずれも蓋本体を特定の角度に傾斜させた姿勢で行う必要がある。また、蓋本体を偶然にも前記姿勢の角度に傾斜させると、受け枠から蓋本体が容易に外れてしまう。
実公平5−38145号公報(特許文献3)には、メータボックスに形成された開口の縁部に板片状のブラケットが設けられ、このブラケットに設けられた切欠状の凹入部に蓋に設けられた支軸が嵌脱可能になっており、かつ前記凹入部に嵌合された上記支軸を中心として蓋が開閉揺動される形式のメータボックスの開閉機構が開示されている。前記支軸の断面形状は長軸が蓋の厚み方向に向く楕円ないし長円形状に形成されており、前記凹入部は、支軸の出入り口と支軸の支持部とを有すると共に、支持部と出入り口との間に段差が形成され、出入り口の開き幅寸法が支軸の短軸寸法と同一かそれよりも長くて長軸寸法よりも短く設定され、出入り口と支持部との間の段差部の開き幅寸法が支軸の短軸寸法と同一かそれよりも長くて長軸寸法よりも短く設定され、支持部の開き寸法が上記支軸の長軸寸法と同一かそれよりも長く設定され、支持部の長さ寸法が上記支軸の短軸寸法よりも長く設定されていることが記載されている。
この開閉機構では、凹入部からの支軸の抜けだしが段差部により阻止できるため、蓋が不必要に外れることを防止できる。しかし、前記開閉機構では、蓋の装着には、メーターボックスに対して蓋を立てて支軸を凹入部の出入り口に嵌める操作と、この操作の後、蓋を少し傾けて支軸を、段差部を介して支持部に落とし込む操作と、蓋を回動させてメータボックスの開口を閉じる操作とを必要とし、蓋の脱着には、上記と逆の操作を必要とする。そのため、メータボックスに対する蓋の装脱着操作が煩雑である。
実開平4−61156号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図) 特開平9−236470号公報(特許請求の範囲、段落番号[0026]、[0027]) 実公平5−38145号公報(実用新案登録請求の範囲、考案の効果)
従って、本発明の目的は、ボックス本体に対する蓋体の装脱着操作が簡単であるにも拘わらず、ボックス本体に対する蓋体の脱落を有効に防止できるボックスの取り付け構造およびこの構造を備えたボックスを提供することにある。
本発明の他の目的は、構造が簡単であるにも拘わらず、ボックス本体に対する蓋体の装脱着が容易であり、かつ脱落又は抜け出るのを防止できるボックスの取り付け構造およびこの構造を備えたボックスを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、縦断面形状が楕円形状の支軸と、この支軸に対して所定の角度で挿抜可能(又は進退可能)な切欠部(又は開放部)を有し、かつ前記支軸を収容可能な凹部との組合せにおいて、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とを異なる方向に向けて形成すると、一方の支軸と他方の支軸とに対する挿抜角度が異なるため、構造を簡素化できるとともに、ボックス本体に対する蓋体の装脱着操作が簡単であるにも拘わらず、ボックス本体に対する蓋体の脱落を有効に防止できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のボックスの取り付け構造(又はヒンジ構造)は、ボックス本体の開口部を蓋体で開閉可能に取り付けるための構造であって、前記ボックス本体の内壁に形成された一対の支軸と、前記蓋体の端部に形成され、かつ支軸に対して所定の角度で挿抜可能(又は進退可能)な切欠部(又は開放部)と、この切欠部に連通し、かつ前記支軸を収容可能な凹部とを備えている。そして、前記支軸が、縦断面において楕円形状に形成されており、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いている。
本発明は、前記取り付け構造(又はヒンジ構造)を備えたボックスも含む。このボックスは、開口部を有するボックス本体と、このボックス本体の開口部を開閉可能な蓋体と、前記ボックス本体の上部内壁に形成された一対の支軸と、前記蓋体の端部に形成され、かつ支軸に対して所定の角度で挿抜可能(又は進退可能)な切欠部(又は開放部)と、この切欠部に連通し、かつ前記支軸を収容可能な凹部とを備えており、前記支軸が、縦断面において楕円形状に形成され、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いている。
このような構造およびボックスでは、一方の支軸(第1の支軸)に対しては、その長軸方向に沿って蓋体を前進させることにより、切欠部を通じて支軸を凹部に収容できる。そのため、蓋体は第1の支軸の周りを回動可能である。一方、他方の支軸(第2の支軸)に対しては、前記蓋体の前進動の姿勢から蓋体を回動させて、第2の支軸の長軸方向に蓋体を前進させることにより、切欠部を通じて支軸を凹部に収容でき、蓋体は第2の支軸の周りを回動可能である。そのため、蓋体でボックス本体の開口部を閉塞できる。このように、第1の角度での蓋体の前進動と回動と第2の角度での前進動により、ボックス本体に対して蓋体を容易に装着できる。そして、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いているため、一方の支軸から蓋体を抜いたとしても、他方の支軸により蓋体がボックス本体から抜けるのを防止できる。なお、ボックス本体に対する蓋体の取り外しは、任意の順序で行うことができる。すなわち、上記と逆の動作で行ってもよく、凹部からの第2の支軸の脱離と回動と凹部からの第1の支軸の脱離を経て、ボックス本体から蓋体を取り外すことができる。
なお、前記切欠部及び凹部のサイズ、支軸の形状は、前記ボックス本体に対する蓋体の装脱着を損なわない限り特に制限されず、切欠部の開口幅をW、支軸の短軸長さをL1、支軸の長軸長さをL2、凹部の内径をDとするとき、次のような関係式を充足する場合が多い。
開口幅W≧短軸長さL1
開口幅W<長軸長さL2
内径D>長軸長さL2
また、一方の支軸および他方の支軸の長軸方向は、ボックス本体に対する蓋体の抜けを防止できればよく、例えば、一方の支軸の長軸方向と他方の支軸の長軸方向との角度差は30〜70°程度であってもよい。より具体的には、一方の支軸の長軸は、ボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側(斜め内方)に傾斜していてもよく、他方の支軸の長軸が、ボックス本体の底部から上部方向(上下方向)を向いていてもよい。また、一方の支軸の下面は、傾斜面、例えば、ボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側に20〜60°の角度で傾斜した傾斜面として形成してもよい。
本発明では、特定の切欠凹部と特定の方向に向いた支軸とを組み合わせているため、ボックス本体に対する蓋体の装脱着操作が簡単であるにも拘わらず、ボックス本体に対する蓋体の脱落を有効に防止できる。また、蓋体の端部に形成された切欠凹部と、ボックス本体の内壁に所定方向に向けて形成された支軸とを組み合わせているため、構造が簡単である。しかも、ボックス本体に対する蓋体の装脱着が容易であるだけでなく、ボックス本体から蓋体が脱落又は抜け出るのを防止できる。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は本発明のボックスを示す概略斜視図であり、図2は図1のボックスの蓋体の内面を示す概略平面図であり、図3は図1のボックス本体に形成された第1の支軸を示す概略側面図であり、図4は図1のボックス本体に形成された第2の支軸を示す概略側面図である。図5は第1の支軸に対する取り付け構造を示す概略図であり、図6は第2の支軸に対する取り付け構造を示す概略図である。
この例では、地中に埋設されるボックス本体(地中埋設構造物)と蓋体とで構成された水道メータボックスが示されており、ボックス本体及び蓋体はそれぞれ射出成形により形成されている。ボックスは、上部に四角形状の開口部2を有する四角枠状ボックス本体(又は受け枠)1と、このボックス本体の開口部2を開閉可能な四角形状の蓋体(プレート状蓋本体)11とを備えている。前記ボックス本体1は、上部内壁(開口部2に隣接する内壁)に形成され、かつ前記蓋体11の周縁部を支持するための切欠段状の受け部3と、補強リブ部とを備えている。この補強リブ部は、ボックス本体1の底部の外周に形成され、かつ横方向に延びる外周延出部6と、ボックス本体1の長辺の上部外壁に横方向に形成された横リブ7と、前記外周延出部6と横リブ7との間の上下方向に形成された複数の縦リブ(突条リブ)8と、ボックス本体1のコーナー部及び短辺の外壁に前記外周延出部6から上方(開口部方向)に延出する複数の縦リブ(突条リブ)9とで構成されている。
前記ボックス本体1の一方の側部(短辺のうち長辺に隣接する側部)で対向する上部内壁のうち前記受け部3の近傍には、第1の支軸4および第2の支軸5が突出している。各支軸4,5は、縦断面形状が楕円体状に形成されている。すなわち、図3〜図6に示されように、各支軸4,5は、短軸長さL1よりも大きな長軸長さL2(L1<L2)を有する楕円柱状に形成されている。なお、第1の支軸4の下面は、ボックス本体1の底部から上部に向かってボックス本体1の開口部2側(内方)にθ=約25〜35°の角度で傾斜した傾斜面(又は平坦な傾斜したガイド面)4aとして形成されている。また、第1の支軸4は、長軸方向をボックス本体1の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側(内方)に傾斜して形成されており、第2の支軸5は、長軸方向をボックス本体1の底部から上部方向(上下方向)を向けて形成されている。
そして、前記ボックス本体1の一対の支軸4,5に対応する前記蓋体11の両端部には、前記一対の支軸4,5に対して挿抜可能(又は出し入れ可能)であり、かつ支軸4,5を収容可能な切欠凹部が形成されている。この例では、蓋体11の両端部に形成された切欠凹部はほぼ同じ構造を有する。すなわち、図3〜図6に示されるように、切欠凹部は、各支軸4,5の短軸長さL1よりも開口幅Wが広く(W>L1)、しかも各支軸の長軸長さL2よりも開口幅Wが小さく(W<L2)、各支軸4,5に対して所定の角度で挿抜可能(又は出し入れ可能)な切欠部(又は開放部、開口部)12と、この切欠部に連通して蓋体11の長手方向に延びる凹部13とで構成されており、この凹部13は各支軸4,5を遊びをもって収容可能である(すなわち、支軸4,5と凹部13の周壁及び内壁との間には遊びが形成されている)。この例では、前記凹部13は内径(又は蓋体の厚み方向の内径)Dが奥行き(蓋体の長手方向の内径)よりも小さな四角形状の凹部として形成されており、前記凹部13の内径Dは、前記支軸4,5の長軸長さL2よりも大きく(D>L2)形成されている。そのため、ボックス本体1に対して蓋体11を装着した状態では、各支軸4,5を中心軸として蓋体11が回動可能である。
なお、蓋体11には、指などが挿入可能であり、開閉操作のための切欠部(操作部)14と、ボックス本体1内のメータを確認するための開口15とが形成されているとともに、蓋体11を補強するため、補強リブが形成されている。この補強リブは、図2に示されるように、蓋体11の周縁部に形成された周縁リブ16と、この周縁リブから所定間隔毎に短い長さで内方に向かって縦横方向に延出する複数の延出リブ17と、これらの複数の延出リブから対向する辺に向かって斜め方向に延出して交差する交差リブ18とで構成されている。この交差リブ18は、蓋体11の長手方向及び短手方向に対して、複数の延出リブ17から斜め方向に拡がって延びる斜行リブとして形成されている。また、補強リブにより蓋体11が補強されているため、蓋体11を軽量化するため、補強された蓋体11の周辺部のうち適所(複数の延出リブ17の間の領域など)には、肉抜き部(薄肉部)19が形成されている。さらに、蓋体11の表面側の両側部には、支軸4,5に対する蓋体11の挿入及び抜き出し角度を示すためのマーク(又はマーカー)20a,20bが施されている。
このような取り付け構造及びこの構造を備えたボックスでは、マーカー20aに従って蓋体11を第1の支軸4に対してθ=約25〜35°の角度に傾斜させて、蓋体11又は切欠凹部を前進させると、切欠部12の開口幅Wが支軸4の短軸長さL1よりも大きいため、切欠部12の壁面を支軸4のガイド面4aで案内しつつ支軸4を凹部13に円滑に案内できる。また、凹部13の内径Dが支軸4の長軸長さL2よりも大きいため、凹部13内で支軸4は遊嵌している。なお、切欠部12の開口幅Wが支軸4の長軸長さL2よりも小さいため、前記前進又は挿入角度を外れると、前記切欠部12を通じて、支軸4を凹部13に案内できず、進入が規制される。
そして、マーカー20bに従って蓋体11を所定の角度(この例では、第2の支軸5の長軸方向の向きである約90°の角度)に回動させ、蓋体11を前進させると、切欠部12の開口幅Wが支軸5の短軸長さL1よりも大きいため、支軸5を凹部13に円滑に収容できる。また、前記と同様に、凹部13の内径Dが支軸5の長軸長さL2よりも大きいため、凹部13内で支軸5は遊嵌している。なお、切欠部12の開口幅Wが支軸5の長軸長さL2よりも小さいため、前記前進又は挿入角度を外れると、前記切欠部12を通じて、支軸5を凹部13に挿入できない。
なお、上記とは逆の操作、すなわち、第2の支軸5に対して蓋体11を前進させて凹部13に収容した後、第1の支軸4に対して蓋体11を前進させて凹部13に収容してもよい。
このようにして装着された蓋体11は、ボックス本体1に対して回動可能であり、ボックス本体1の開口部2を開閉可能である。さらに、ボックス本体1に対する蓋体11の脱落を有効に防止できる。すなわち、所定の角度(前記θ=約25〜35°の角度)で第1の支軸4から蓋体11を抜こうとしても、第2の支軸5に対する蓋体11の抜き取り角度が約90°であるため、ボックス本体1から蓋体11を抜き出すことができない。逆に第2の支軸5から蓋体11を抜こうとしても、傾斜した第1の支軸4により蓋体11を抜き出すことができない。しかも、蓋体11の両側部には、ほぼ同様の構造の切欠凹部(切欠部と凹部とで構成された切欠凹部)を形成すればよいため、構造を簡素化できる。
なお、ボックス本体1から蓋体11を脱離(又は取り出す)には、上記の装着操作と逆の操作を行えばよい。
樹脂の射出成形により蓋体11を形成すると、熱収縮により肉痩せ(薄肉化)が部分的に生じ、肉厚変動により均一な蓋体(特にプレート状蓋体)11を得ることが困難である。特に、高い強度が要求される蓋体11の周縁部では肉厚が大きいため、蓋体11の周辺部で肉厚の変動が生じやすい。しかし、前記補強リブ16〜18を形成することにより、肉厚変動を抑制できるだけでなく、蓋体11の周辺部(コーナー部の周縁リブ16の内方域及び複数の延出リブ17の間の領域)には、肉抜き部(薄肉部)19を形成しているため、蓋体11の厚みの変動を抑制できる。
なお、ボックス本体及び開口部は、前記形状に限らず、円形状、楕円形状、多角形状などであってもよいく、通常、枠体状(特に、四角枠体などの多角枠体状)に形成されている。開口部はボックス本体の上面形状に対して相似形である場合が多いものの、ボックスの上面形状と異なっていてもよい。ボックス本体(又は受け枠)は、蓋体を支持するための受け部又は支持部を有している場合が多く、受け部又は支持部は、ボックス本体の内周面全体に亘り形成する必要はなく、所定間隔毎に規則的に又は不規則的に形成してもよい。また、ボックス本体は必ずしもリブにより補強されている必要はないが、軽量化しつつ強度を高めるためには、補強リブを形成するのが有利である。補強リブの形態は前記形態に限らず、ボックスの用途などに応じて選択でき、縦方向だけでなく、横方向、縦横方向や斜め交差方向に補強リブを形成してもよい。なお、ボックス本体の底部は開口していてもよく、用途や必要性によっては閉じていてもよい。ボックス本体は、水道メータボックスなどのメータボックスとして、地中埋設構造物(又は埋設体)を形成する場合が多い。
蓋体(蓋本体)は、ボックス本体の開口部を開閉可能であればよく、通常、ボックス本体の開口部に対応した形状を有し、プレート状に形成されている。また、蓋体の回動操作性の点から、蓋体とボックス本体の周壁との間には遊びを形成する場合が多く、開口部に比べて蓋体のサイズを小さくする場合が多い。蓋体もリブにより補強する必要はないが、大きな付加が作用する用途(例えば、水道メータボックスなどのメータボックスの蓋体)では補強リブを形成するのが有利である。この補強リブも前記形態に限らず、縦方向、横方向、縦横方向、斜め交差方向に形成してもよい。
なお、樹脂の射出成形などの方法により溶融樹脂を用いて蓋体を形成すると、熱収縮により肉痩せ(肉厚変動)が部分的に生じ、均一な蓋体(特にプレート状蓋体)を得ることが困難である。均一な厚みの蓋体を得るためには、前記のように蓋体の周辺部に薄肉部(肉抜き部)を形成するのが有利である。
前記支軸は、一対の形態で前記ボックス本体の適所に形成できるが、通常、開口部側の上部内壁(特に対峙又は対向する上部内壁)に形成される。支軸の断面形状(縦断面形状)は、切欠凹部に対する挿抜性(出し入れ性)と、蓋体の脱離に対する規制性とを両立させるため、楕円形状である。なお、「楕円形状」とは、短軸長さL1と長軸長さL2とが異なる形状を意味し、楕円状に限らず、長方形状、ラクビーボール状、紡錘状などの形態を含む。支軸の短軸長さL1と長軸長さL2との割合は、例えば、短軸長さL1/長軸長さL2=1/1.2〜1/10、好ましくは1/1.2〜1/5、さらに好ましくは1/1.3〜1/3程度であってもよい。支軸のうち切欠凹部の挿入側の先端部は、鋭角であってもよく鈍角であってもよく、通常、縦断面において少なくともコーナー部が湾曲している場合が多い。
本発明の構造及びボックスでは、蓋体の装脱着の操作性を高めるとともに、蓋体の脱離を規制するため、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いており、一方の支軸の長軸方向と他方の支軸の長軸方向とに角度差を設けている。この角度差は、一方の支軸に対しては蓋体が抜けても他方の支軸により蓋体の抜けを規制できる範囲で選択でき、例えば、10〜90°、好ましくは20〜80°、さらに好ましくは30〜70°(例えば、45〜70°)程度であってもよい。なお、一対の支軸のうち一方の支軸の長軸の向きは、0°<前記θ<90°の範囲から選択でき、通常、θ=15〜80°(例えば、20〜70°、好ましくは20〜60°、さらに好ましくは25〜50°)程度である。
さらに、一対の支軸のうち少なくとも一方の支軸は、蓋体の切欠部の壁面を案内するためのガイド面を有していてもよい。また、このガイド面は湾曲していてもよく、平坦であってもよい。例えば、少なくとも一方の支軸の下面(又は側面)は、ボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側に傾斜した傾斜面として形成してもよい。この傾斜面は、ボックス本体の開口部縁に対する傾斜角度(前記例では、角度θ)が15〜80°(例えば、20〜70°、好ましくは20〜60°、さらに好ましくは25〜50°)程度であってもよい。なお、上下方向に長軸が延びる支軸であっても、支軸の少なくとも一方の側部(又は両側部)に、θ=80〜90°程度の角度のガイド面を形成してもよい。
なお、水道メータボックスなどの実用的な観点からすると、一方の支軸の長軸がボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側に傾斜(ボックス本体の斜め内方に傾斜)しており、他方の支軸の長軸が、ボックス本体の上部内壁に沿って上下方向を向いている場合が多い。
前記切欠凹部は、前記支軸に対応する部位に形成すればよく、通常、蓋体の端部(特に、蓋体の端面の両側部)に形成する場合が多い。切欠凹部は、所定の角度で支軸に対して進退可能又は出し入れ可能な切欠部(開放部)を備えている。この切欠部の開口幅Wは支軸の短軸長さL1と同一(開口幅W=短軸長さL1)であってもよいが、通常、支軸の短軸長さL1よりも大きく形成されている(開口幅W>短軸長さL1)。また、所定角度で蓋体の挿抜操作を行うとともに、蓋体の脱落を規制するため、切欠部の開口幅Wは、支軸の長軸長さL2よりも小さく形成されている(開口幅W<長軸長さL2)。
このような切欠部は支軸を収容可能な凹部(特に遊びをもって支軸を収容可能な凹部)に連通している。すなわち、凹部の周壁の所定部(特に蓋体の端部)には、支軸に対して挿抜可能な切欠部(開放部)が形成され、この切欠部が蓋体の端部(特に端面)で開口している。前記収容凹部の深さは支軸長さと同一又は大きく形成されている。また、凹部の内径Dは、支軸を中心として蓋体を円滑に回動させるため、支軸の長軸長さL2よりも大きく形成されている(内径D>長軸長さL2)。なお、凹部の形状は、前記長方形状に限らず、正方形状などの多角形状、楕円状、円形状などであってもよい。
蓋体の両端部に形成された前記切欠凹部の構造は、同一であってもよく異なっていてもよい。例えば、第1及び第2の支軸の形状に対応させて、前記切欠部の開口幅や凹部の形状及びサイズが異なる切欠凹部を形成してもよい。なお、蓋体の切欠部(操作部)や開口などは必ずしも必要ではない。
本発明のボックスは、金属、セラミックス、木材などの種々の材料で形成できるが、生産性などの観点から、樹脂(又はプラスチック)で形成するのが有利である。樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂(ABS樹脂などのゴム成分で強化されたスチレン系樹脂を含む)、アクリル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂、エンジニアリングプラスチックなどが例示できる。樹脂としては、バージンプラスチックに限らず、再生プラスチックも使用できる。また、樹脂は、安定剤、補強剤(粉粒状、繊維状補強剤)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、導電剤などの種々の添加剤を含んでいてもよい。メーターボックスなどの大きな荷重が作用する用途では、繊維状補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)や板状補強剤(タルクなど)を用いる場合が多い。
本発明は、種々のボックス(例えば、メータボックス)、特に水道メータボックスなどの地中埋設構造物(又は地中埋設ボックス)において、ボックス本体に対して蓋体を装脱着するために有用である。
図1は本発明のボックスを示す概略斜視図である。 図2は図1のボックスの蓋体の内面を示す概略平面図である。 図3は図1のボックス本体に形成された第1の支軸を示す概略側面図である。 図4は図1のボックス本体に形成された第2の支軸を示す概略側面図である。 図5は第1の支軸に対する取り付け構造を示す概略図である。 図6は第2の支軸に対する取り付け構造を示す概略図である。
符号の説明
1…ボックス本体
2…開口部
3…受け部
4…第1の支軸
4a…傾斜面
5…第2の支軸
11…蓋体
12…切欠部
13…凹部

Claims (6)

  1. ボックス本体の開口部を蓋体で開閉可能に取り付けるための構造であって、前記ボックス本体の内壁に形成された一対の支軸と、前記蓋体の端部に形成され、かつ支軸に対して所定の角度で挿抜可能な切欠部と、この切欠部に連通し、かつ前記支軸を収容可能な凹部とを備えており、前記支軸が、縦断面において楕円形状に形成され、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いているボックスの取り付け構造。
  2. 切欠部の開口幅をW、支軸の短軸長さをL1、支軸の長軸長さをL2、凹部の内径をDとするとき、開口幅W≧短軸長さL1、開口幅W<長軸長さL2、内径D>長軸長さL2である請求項1記載の取り付け構造。
  3. 一方の支軸の長軸方向と他方の支軸の長軸方向との角度差が30〜70°である請求項1記載の取り付け構造。
  4. 一方の支軸の長軸が、ボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側に傾斜しており、他方の支軸の長軸が、ボックス本体の底部から上部方向を向いている請求項1記載の取り付け構造。
  5. 一方の支軸の下面が、ボックス本体の底部から上部に向かってボックス本体の開口部側に20〜60°の角度で傾斜した傾斜面として形成されている請求項1記載の取り付け構造。
  6. 開口部を有するボックス本体と、このボックス本体の開口部を開閉可能な蓋体と、前記ボックス本体の内壁に形成された一対の支軸と、前記蓋体の端部に形成され、かつ支軸に対して所定の角度で挿抜可能な切欠部と、この切欠部に連通し、かつ前記支軸を収容可能な凹部とを備えており、前記支軸が、縦断面において楕円形状に形成され、一方の支軸の長軸と他方の支軸の長軸とが異なる方向に向いているボックス。
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