JP2005273009A - 金の回収方法および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 脱銅スライム等の貴金属含有物から不純物の少ない金を効率よく回収する方法を提供する。
【手段】 金含有液から有機溶媒を用いて金を抽出する溶媒抽出工程を有する金の回収方法において、溶媒抽出槽から排液管を通じて溶液を抜き出す際に、排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に応じて排液管を開閉して水相と有機相とを分離して抜き出し、分離した有機相から金を回収することを特徴とする金の回収方法であり、好ましくは、水相、中間相、および有機相を分離して抜き出し、中間相をさらに静置して水相と有機相に分離し、これらの有機相から金を回収する一方、分離した水相からセレンないしテルルを回収し、また回収した金を鋳造してインゴットを製造する金の回収および製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、脱銅スライム等の貴金属含有物から不純物の少ない金を効率よく回収する方法に関する。銅電解製錬等においては電解銅を回収した後に多量の脱銅スライムが残る。この脱銅スライムには白金、セレン、テルル、鉛、金、銀、銅などが含まれている。本発明はこのような脱銅スライム等の浸出液から金を有機溶媒に抽出して回収する際に、有機相を分離性よく抜き出して不純物の少ない高純度の金を回収する方法に関する。さらに、本発明は金抽出後液からセレン、テルル、白金族を回収する工程を含む方法を提供する。
銅電解澱物から貴金属を回収する方法として、脱銅澱物を塩化浸出し、この浸出後液から金を有機溶媒に抽出し、この有機相の金を還元して回収する一方、金抽出後液からセレンを蒸留して回収する方法が知られている(非特許文献1)。実操業ではこの金の抽出溶媒としてジブチルカルビトール(DBC)を用い、ミキサセトラーによる連続処理が行われている。
上記ミキサセトラーによる抽出方法では、有機相と水相は各セトラーごとに攪拌した後にセトラー上部から有機相を抜き出し、下側から水相を分離して連続的に送液されるが、有機相と水相の分離性が必ずしも十分ではなく、有機相に水相が混入して金の品質を劣化させる問題が指摘されている(上記非特許文献1、489頁)。
一方、バッチ式の抽出方法では、抽出槽で有機相と水相とを接触させた後に静置して相分離させ、これを目視観察して相変化をとらえ、流路のバルブを切り替えて有機相と水相を分離する方法や、溶液の導電率を測定し、その変化を捉えて流路のバルブを開閉して有機相と水相を分離する方法などが知られている(特許文献1、特許文献2)。しかし、目視観察による方法は相分離が不正確であり、しかも自動化できないと云う問題がある。また、溶液の導電率を測定する方法は鉱酸を含む腐食性の溶液には使用できないと云う問題がある。なお、上記装置について、高周波を用いれば電極の腐食による性能劣化を回避できることがその一部に説明されているが、この方法は高周波の測定系の他に高周波の印加手段が必要であり、装置が大型化する問題がある。
さらに、従来の金回収方法に付随しているセレン、テルル、白金族の回収工程について溶媒抽出によって白金族を回収する方法が知られているが(非特許文献1)、この溶媒抽出はコスト高であり、抽出後の回収処理も煩雑で手間がかかる。また、セレンおよびテルルの回収率が低い。
「資源と素材」vol.11 p484-492 (2000) 特開昭51−18978号公報 特開昭59−145003号公報
本発明は、従来の上記問題を解決した金回収方法を提供するものである。具体的には、溶液の光透過率によって相変化を検出し、この光透過率の変化に応じて溶液を抜き出すことによって有機相と水相とを分離性よく抜き出すことができるようにし、また、好ましくは、水相と有機相と共にこれらの間の中間相を分離して抜き出すことによって水相と有機相の分離性を高め、高純度の金を回収することができるようにし、また光透過率を利用することによって、腐食性溶液についても適用できるようにし、さらに、好ましくは、金回収工程に付随するセレン、テルル、白金族の回収効果も高めた処理方法を提供するものである。
本発明は、以下の構成からなる金回収方法に関する。
(1)金含有液から有機溶媒を用いて金を抽出する溶媒抽出工程を有する金の回収方法において、溶媒抽出槽から排液管を通じて溶液を抜き出す際に、排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に応じて排液管を開閉して水相と有機相とを分離して抜き出し、分離した有機相から金を回収することを特徴とする金の回収方法。
(2)溶媒抽出槽の排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に基づいて水相、中間相、および有機相を分離して抜き出し、中間相をさらに静置して水相と有機相に分離し、これらの有機相から金を回収する上記(1)に記載する金の回収方法。
(3)上記(1)または(2)の方法において、金を抽出した有機相を酸洗浄した後に還元剤を添加して金を還元し、析出した金を含む有機相を固液分離して金を回収する方法。
(4)上記(1)〜(3)の何れかの方法において、還元析出した金を含む有機相を固液分離して金を回収する一方、その濾液を静置して有機相と水相に分離し、この有機相を金の溶媒抽出工程に循環させて再使用し、また回収した金の洗浄水と共に上記水相に還元剤を加えて微量残留する金を還元析出させる金の回収方法。
(5)上記(1)〜(4)の何れかの方法において、有機相から金を回収する一方、分離した水相からセレンないしテルルを回収する金の回収方法。
(6)上記(1)〜(5)の何れかの方法において、有機相から分離した水相(金抽出後液)を蒸留工程に送り、残留する有機溶媒を蒸留分離する工程、有機溶媒を分離した後に液中の貴金属を還元する工程、この還元物を加熱処理して蒸留した高純度セレンを回収する工程、この蒸留残をアルカリ溶融後に水浸出してセレンおよびテルルを含む液と、白金族元素を含む残渣とに分離するアルカリ溶融工程、一方、有機溶媒分離後の上記還元物をアルカリ浸出してセレンとテルルを含む液と、白金族元素を含む残渣とに分離するアルカリ浸出工程、上記浸出液を中和してセレンおよびテルルを沈澱化し回収する工程、上記残渣から白金族元素を回収する工程を有する金の回収方法。
(7)上記(6)の方法において、アルカリ溶融工程およびアルカリ浸出工程において分離した浸出残渣に酸化剤の存在下で塩酸を加えて白金族を浸出し、この白金族含有浸出液から白金とパラジウムを分離回収する工程を含む金の回収方法。
(8)溶媒抽出工程において、溶液の光透過率の変化に応じて排液管を自動的に開閉する制御系を有し、溶媒抽出槽で分離した各相を自動的に分離して連続的に抜き出す上記(1)〜(7)の何れかに記載する金の回収方法。
(9)上記(1)〜(8)の何れかの方法によって回収した金を高周波誘導加熱炉で溶解し、溶解した金をモールドに鋳込んでインゴットに形成する金の製造方法。
本発明の回収方法は、金の溶媒抽出において、排液管を流れる溶液の光透過率に基づいて相変化を検出し、水相、中間相、有機相を分離性よく抜き出すので、有機相に対する水相の混入が十分に抑制され、水相の不純物金属が有機相に混入するのを防止することができるので、有機相から高純度の金を回収することができる。
また、本発明の回収方法は、有機相から高純度の金を回収する一方で、分離した水相からセレンやテルルを効率よく回収することができ、さらに白金およびパラジウムをおのおの分離して回収することができる。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
本発明に係る金の回収方法の一例を図1に示す。図示するように、本発明の方法は、金含有液から有機溶媒を用いて金を抽出する溶媒抽出工程を有する金の回収方法において、溶媒抽出槽から排液管を通じて溶液を抜き出す際に、排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に応じて排液管を開閉して水相と有機相とを分離して抜き出し、分離した有機相から金を回収することを特徴とする金の回収方法である。
〔溶媒抽出工程〕
金含有液は、例えば、脱銅スライムの塩酸浸出液などを用いることができる。脱銅スライムには金やセレン、テルルなどの有価金属が残留しているので、図4に示すように、脱銅スライムを過酸化水素等の酸化剤と共に塩酸に投入して塩化浸出し、金やセレン、テルルなどを含む塩酸浸出液とし、この金含有塩酸浸出液にDBC等の有機溶媒を加えて有機相に金を抽出することが行われている。本発明の回収方法はこの塩酸浸出液に適用することができる。
本発明の方法は、溶媒抽出槽から排液管を通じて溶液を抜き出す際に、排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に応じて排液管を開閉することによって、溶液の水相と有機相を分離して抜き出す。好ましくは水相と有機相の間のエマルジョン化した中間相を、水相および有機相と分離して抜き出す。中間相を抜き出すことによって水相と有機相の分離性が向上する。なお、この溶媒抽出工程において、好ましくは、溶液の光透過率の変化に応じて排液管を自動的に開閉する制御系を設け、溶媒抽出槽で分離した各相を自動的に分離して連続的に抜き出すようにすると良い。
本発明の金回収方法に適する溶媒抽出装置の一例を図2に示す。図示する装置は、溶媒抽出槽10と、溶媒抽出槽10の底部に接続した排液管11とを有し、該排液管11には、排液管を流下する溶液の透過率を測定する光センサー手段12と、排液管を開閉する自動開閉バルブ13、14と、該バルブに接続した受液槽15〜17が設けられており、さらに上記光センサー手段12の測定値に基づいて上記バルブに開閉信号を送る制御系18を有している。
上記光センサー手段12の一例としては、排液管11の一部にガラス材20を用いて測定用の光が通過する測定用光路を形成し、該光路を通過するレーザ光の照射手段21とその受光手段22を該光路の両側に設け、さらに受光したレーザ光に基づいて透過率を決定する手段によって形成することができる。レーザ光を用いることによって測定精度を高めることができる。また、透過率を決定する手段は上記制御系18に組み込み、受光量などによって透過率を検出し、この透過率に基づいて開閉信号をバルブ13、14に送るようにすればよい。
さらに、図示する装置例では、排液管11の測定用光路の下方に設けた第1バルブ13と第2バルブ14には3方向切替え弁が用いられており、第1バルブ13には水相を溜める受液槽15が分岐して接続している。また、第1バルブ13より下方の第2バルブ14には有機相の受液槽17と中間相の受液槽16がおのおの接続している。これらのバルブ13、14はエアー駆動バルブなどを用いることができる。
上記装置構成において、例えば、金含有浸出液から金を有機溶媒のジブチルカルビトール(DBC)に抽出する場合、溶媒抽出槽10で金含有水溶液とDBCを混合した後に静置すると、有機相と水相、中間相に分離する。これを槽底の排液管11を通じて抜き出す際に、排液管11を通過する溶液の光透過率を光センサー手段12によって連続的に測定する。この光透過率は水相、中間相、有機相についてそれぞれ異なるので、光透過率の変化によって相変化を検出することができる。この変化に応じて排液管11のバルブ13、14を自動的に開閉することによって、水相、中間相、有機相をおのおの分離して抜き出すことができる。
具体的には、上記DBCによる金抽出において、例えば図3に示す光透過率のグラフが得られる。図示するように、最初に抜き出される水相は少し濁っているので、水相の透過率はブランク値より低い。水相と有機相の境界の中間相では二相のエマルジョン化が生じるので、透過率はさらに減少する。次に有機相では透過率が急激に高くなる。このように水相、中間相、有機相の各段階に対応しておのおの透過率が変化するので、この変化に応じてバルブを開閉し、水相、中間相、有機相をおのおの分離して抜き出す。
このように溶液の光透過率を利用すれば、水相、中間相、有機相を分離性よく連続的に抜き出すことができ、有機相に対する水相の混入が十分に抑制されるので、水相の不純物金属が有機相に混入するのを防止することができ、有機相から高純度の金を回収することができる。なお、溶液の色を指標にして相変化を検出する方法が考えられるが、金属イオンを含む溶液の多くは着色しており、肉眼で色の微妙な変化を識別できても、光学的に光の波長の変化によって相の変化を検出するには、目的波長を一定範囲に限定して判断する必要があるが、これは実際にはかなり難しく実用的ではない。
抜き出した有機相を希塩酸などで酸洗浄して不純物を除去し、還元剤を導入して金を還元する。有機溶媒としてDBCを用いた場合には金が安定に抽出されるので、これを直接に還元することができる。還元剤としてはシュウ酸、あるいはシュウ酸ナトリウムを用いることができる。有機相中の金は還元されて析出するので、これを固液分離して金を回収する。
上記金回収方法において、図1に示すように、好ましくは、溶液の水相および有機相と共に、エマルジョン化した中間相を分離して抜き出した後に、この中間相をさらに静置して水相と有機相に分離し、この有機相を先の有機相に加えて金を還元析出させることによって金の回収率を高めることができる。
また、上記金回収方法において、図1に示すように、析出した金を含む有機相を固液分離して金を回収する一方、この濾液を静置して有機相と水相に分離し、回収した有機相を金の溶媒抽出工程に循環させて再使用し、一方、回収した金の洗浄水と共に上記水相に還元剤を添加して微量残留する金を還元析出させることによって金の回収率を高めることができる。
以上のようにして回収した金を、例えば高周波誘導加熱炉で溶解し、溶解した金をモールドに鋳込んでインゴットに形成し、各種用途に用いることができる。
〔金抽出後液の処理〕
上記溶媒抽出工程において抜き出した水相(金抽出後液)にはセレン、テルル、白金族などの貴金属が含まれている。この金抽出後液からセレン、テルル、白金族を回収することができる。この回収工程を図4、図5に示す。図示するように、金抽出後液を蒸留工程に送り、残留する有機溶媒(DBC)を蒸留分離する。有機溶媒を蒸留分離した後に、亜硫酸ガスを導入してこれらの貴金属を還元して沈澱化させる。具体的には、先ずセレンを還元析出させて固液分離し、回収したセレン滓を680℃〜750℃に加熱し、蒸留した高純度セレンを回収する。また、セレン滓を分離した濾液にさらに亜硫酸ガスを導入してテルルと残留するセレンを還元析出させ、このテルル滓を固液分離して回収する。
〔アルカリ溶融工程〕
セレンを蒸留分離した蒸留残にアルカリを加えて加熱溶融する(アルカリ溶融工程)。アルカリは苛性ソーダと硝酸ソーダの混合物を用いるとよい。該混合物の両者の量比はNaOH:NaNO3=3:1〜6:1が好ましい。上記混合物を用いることによって十分な酸素を供給すると共に適度な酸化力を作用させる。この混合物の溶融温度以上(概ね350℃〜450℃)に加熱して上記還元物を溶融した後に、この溶融物を水浸出してセレンおよびテルルを溶出させ、残渣に含まれる白金族と分離する。
〔アルカリ浸出工程〕
上記アルカリ溶融とは別に、上記テルル滓にアルカリ溶液を加えて浸出を行う(アルカリ浸出工程)。好ましくは、アルカリ濃度を5〜8モル/Lとし、60〜90℃に加熱すると良い。上記濃度の強アルカリ性にすることによってセレン、テルルの酸化還元電位が下がり、常圧下でも酸化剤を用いずに、これらを溶出させることができる。この浸出液を濾過してセレンおよびテルルを含む濾液と、白金族を含む残渣に分離する。
〔セレン、テルルの回収〕
アルカリ溶融工程およびアルカリ浸出工程で分離したセレンテルル含有浸出液に、硫酸ないし塩酸を加えて中和すると、セレンおよびテルルが析出沈澱するので、これを固液分離して回収する。このセレン、テルルの品位は概ね99%以上であり、高純度のセレンおよびテルルを回収することができる。
〔白金族の回収〕
一方、アルカリ溶融工程およびアルカリ浸出工程で分離した浸出残渣に、過酸化水素などの酸化剤の存在下で、塩酸を加えて白金族を浸出する。この白金族含有浸出液をパラジウム精製液と白金精製液に分離し、この白金精製液に塩化アンモニウムを添加すると、白金が塩化白金酸アンモニウム〔(NH4)2PtCl6〕になり、選択的に沈澱する。一方、パラジウム精製液にアンモニアを添加すると、パラジウムがジクロロジアミンパラジウム〔(NH3)2PdCl2〕になって沈澱する。従って、白金とパラジウムを分離して回収することができる。
以下に本発明の実施例を示す。なお、実施例の溶媒抽出は図2に示す溶媒抽出装置を用いて行った。
銅電解スライム200kg(品位 Au:0.9%、Se:8.0%、Te:0.8%)に塩酸と過酸化水素を加えて含有貴金属を浸出し、さらにこの浸出液の塩酸濃度を1.5モル/Lに調整した。調整後の液中濃度はAu:2.7g/L、Se:25g/L、Te:2.5g/Lであった。この浸出液340Lに金抽出溶媒(ジプチルカルピトール:DBC)23Lを加え、30分間攪拌した後に60分静置してDBCに金を抽出した。有機相中の金濃度は3.45g/Lであった。
抽出後、装置のバルブを開いて液を排出し、排液管の透明部分に設置した光センサー手段によって排液管路を流れる溶液の光透過率を測定したところ、水相が流れている間の光透過率は9.5を示した。バルブ13を通じてこの水相を受液槽15に導いた。水相と共に中間相が流れ出したところで光透過率が急激に減少した。光透過率が4.5より小さくなったところでバルブ13を切替えて流路を中間相の受液槽16に変更した。中間相が受液槽16に導入されている間に光透過率は0.5以下に低下した。次に、中間相がなくなり排液管に有機相のみが流れると光透過率は急激に上昇した。この光透過率が90を超えたところでバルブ14を切替えて流路を有機相の受液槽17に切替えた。光透過率は最終的に95以上を示した。抜き出した有機相を希塩酸で酸洗浄した後に、シュウ酸と苛性ソーダを加えて液中の金を還元し、析出した金を濾別回収した。回収した金の純度は99.99%であり、回収率は99.5%であった。
実施例1において、品位 Au:1.6%、Se:21.4%、Te:1.8%の銅電解スライム200kgを用い、塩酸浸出液量を330L、DBC量を40Lにした以外は同一の条件下で金の溶媒抽出を行い、有機相から金を回収した。この還元金の純度は99.99%であり、回収率は99.5%であった。
実施例1の金抽出後液(溶媒抽出後の水相)を亜硫酸ガスで液中のセレン濃度が5g/lになるまで還元し、固液分離して得たセレン滓を加熱処理してセレンを蒸留分離した。この蒸留残300gに苛性ソーダと硝酸ソーダの混合物403gを加えて400℃で2時間加熱した。この溶融物を冷却した後に水1.5Lを加えて攪拌し、固液分離して濾液1.6Lおよび濾滓201gを得た。また、セレン滓を分離した金抽出後液にさらに亜硫酸ガスを導入して、液中のテルルおよび残留セレンが完全に沈澱するまで還元し、これを固液分離してテルル滓を得た。このテルル滓201gに苛性ソーダ溶液(濃度5モル/L)を2L加えて80℃に加熱し、冷却後に濾過して濾液2.1Lと濾滓18gを得た。
次に、上記濾液を80℃に保ち、硫酸を加えて中和し、生じた沈澱を濾別回収して金属セレン95.4%および金属テルル4.5%の含有物を得た。さらに、上記濾滓に過酸化水素と共に塩酸を加えて70℃に加熱して濾過した。この浸出液1.5Lに塩化アンモニウム90gを添加し、生じた沈澱を濾別回収した後に、さらにこの濾液にアンモニアを添加して生じた沈澱を濾別回収した。これらの沈澱をおのおの還元性雰囲気下で900℃にカ焼し、スポンジ状の白金16.5g(品位99.95%)とパラジウム120g(品位99.95%)を得た。
本発明の金回収方法の一例を示す工程図 本発明の溶媒抽出工程に用いる抽出装置の概念図 抽出溶液の光透過率の変化を示すグラフ 図1の金回収工程に続くセレン、テルル、白金族の回収工程図 図4のセレン、テルルの処理工程に続く回収工程図
符号の説明
10−溶媒抽出槽、11−排液管、12−光センサー手段、13、14−開閉バルブ、15、16、17−受液槽、18−制御系18。

Claims (9)

  1. 金含有液から有機溶媒を用いて金を抽出する溶媒抽出工程を有する金の回収方法において、溶媒抽出槽から排液管を通じて溶液を抜き出す際に、排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に応じて排液管を開閉して水相と有機相とを分離して抜き出し、分離した有機相から金を回収することを特徴とする金の回収方法。
  2. 溶媒抽出槽の排液管を通過する溶液の光透過率を測定して相変化を検出し、この相変化に基づいて水相、中間相、および有機相を分離して抜き出し、中間相をさらに静置して水相と有機相に分離し、これらの有機相から金を回収する請求項1に記載する金の回収方法。
  3. 請求項1または2の方法において、金を抽出した有機相を酸洗浄した後に還元剤を添加して金を還元し、析出した金を含む有機相を固液分離して金を回収する方法。
  4. 請求項1〜3の何れかの方法において、還元析出した金を含む有機相を固液分離して金を回収する一方、その濾液を静置して有機相と水相に分離し、この有機相を金の溶媒抽出工程に循環させて再使用し、また回収した金の洗浄水と共に上記水相に還元剤を添加して微量残留する金を還元回収する金の回収方法。
  5. 請求項1〜4の何れかの方法において、有機相から金を回収する一方、分離した水相からセレンないしテルルを回収する金の回収方法。
  6. 請求項1〜5の何れかの方法において、有機相から分離した水相(金抽出後液)を蒸留工程に送り、残留する有機溶媒を蒸留分離する工程、有機溶媒を分離した後に液中の貴金属を還元する工程、この還元物を加熱処理して蒸留した高純度セレンを回収する工程、この蒸留残をアルカリ溶融後に水浸出してセレンおよびテルルを含む液と、白金族元素を含む残渣とに分離するアルカリ溶融工程、一方、有機溶媒分離後の上記還元物をアルカリ浸出してセレンとテルルを含む液と、白金族元素を含む残渣とに分離するアルカリ浸出工程、上記浸出液を中和してセレンおよびテルルを沈澱化し回収する工程、上記残渣から白金族元素を回収する工程を有する金の回収方法。
  7. 請求項6の方法において、アルカリ溶融工程およびアルカリ浸出工程において分離した浸出残渣に酸化剤の存在下で塩酸を加えて白金族を浸出し、この白金族含有浸出液から白金とパラジウムを分離回収する工程を含む金の回収方法。
  8. 溶媒抽出工程において、溶液の光透過率の変化に応じて排液管を自動的に開閉する制御系を有し、溶媒抽出槽で分離した各相を自動的に分離して連続的に抜き出す請求項1〜7の何れかに記載する金の回収方法。
  9. 請求項1〜8の何れかの方法によって回収した金を高周波誘導加熱炉で溶解し、溶解した金をモールドに鋳込んでインゴットに形成する金の製造方法。
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