JP2005272858A - 軽金属材料の表面前処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程数を短縮し、かつ軽金属材料へのめっきや陽極酸化による皮膜の付着性を向上させ、耐食性を向上させる表面前処理方法を提供する。
【解決手段】 硝酸系または硫酸あるいはそれらの混合溶液中に軽金属材料を浸漬し、電流密度−200mA/cm2〜−500mA/cm2の範囲でのカソード分極処理と超音波振動の印加を同時に行うことにより、表面の金属間化合物(特にFeAl3系やCuAl2系金属間化合物)を選択的に除去する。
【選択図】なし

Description

この出願の発明はアルミニウムやマグネシウム等の、あるいはそれらの合金等の軽金属材料のめっきや陽極酸化のための表面前処理方法に関するものである。
アルミニウムやマグネシウム等の軽金属材料は、軽量で加工性に優れていることから多くの分野の製品に利用されてきている。たとえばアルミニウムの合金板は、磁気記録媒体等の基板として使用されており、コンピュータの記録媒体であるハードディスク等においてはNi−P(ニッケル−リン)めっきを施した基板として使用されてもいる。また、たとえばアルミニウムやその合金は高圧送電線に広く使用されている鋼心アルミニウム捲り線においても欠かせないものになっている。
このようなアルミニウム等の軽金属材料については、製品等への実利用に際して様々な目的のための表面処理や加工が施されてきてもいる。たとえば記録媒体の基板としてのアルミニウム合金板においては、基板作製時に形成される表面の加工変質層や酸化膜をエッチング加工により除去することが提案されており、また、この方法では、化学的または物理的エッチングに先行して、超音波を照射して脱脂処理することが望ましいとされている(特許文献1)。
また、上記のNi−Pめっきを施したアルミニウム基板の加工変質層等に基づく腐食の発生を抑える等の目的のために、研磨砥粒等の付着物を除去するための超音波洗浄を施した後に酸化還元電位がプラスまたはマイナスの電解機能水により洗浄を行う方法も提案されている(特許文献2)。
さらにまた、アルミニウムの表面処理法としては、耐摩耗性の向上等のために陽極酸化によってアルマイト皮膜を形成する方法もよく知られている。
たとえば以上のような表面処理や加工についての様々な工夫、改善の提案がなされ、これらが実際にも採用されてきているものの、アルミニウム等の軽金属材においては、その表面状態の改善が望まれているのが実情である。
すなわち、アルミニウムやマグネシウム等の軽金属を主とする材料には、通常、機械的特性や化学的特性を付加するために銅等の種々の合金元素が添加されている。一方アルミニウムやマグネシウム等の軽金属にはその製造過程やリサイクル回収過程から鉄等の不純物元素が不可避的に混入する。このような合金元素や不純物元素は軽金属材料のマトリックス中に固溶されてα固溶体相を形成するか、あるいは金属間化合物として析出2次相を形成している。
そして、このような析出2次相としてのFeAl3やCuAl2系金属間化合物の存在は軽金属材料の耐食性や表面処理性を劣化させる原因になることが知られている。特に、軽金属材料表面の金属間化合物はめっき時の皮膜密着性や皮膜生成の阻害要因の一つとなっている。また、表面の金属間化合物の存在は、めっき、あるいは陽極酸化による皮膜を形成した場合であっても局部腐食の要因となるものである。このようなことから、従来では、金属間化合物の悪影響を抑えるため極力不純物の少ない軽金属材料が使用されている。また、たとえばめっき皮膜の密着性を高めるため、2回亜鉛置換中間層形成の前処理(ダブルジンケート処理)が行われてきてもいる。
しかしながら、軽金属材料においてはその製造やリサイクル使用に際しての不純物の混入は不可避であり、これを避けるには分別回収や製錬設備等に膨大な負担が生じることになる。また、エッチングや超音波洗浄、電解機能水による洗浄処理等の従来の前処理法では金属間化合物の悪影響を完全に排除することが難しいのが実情であった。
このような状況において、この出願の発明者はアルミニウムの耐食性や表面処理性に悪影響を及ぼす金属間化合物を除去するための方法として、表面のFeAl3系金属間化合物を硝酸アルミニウム水溶液を用いて溶解する方法を提案している(非特許文献1)。またさらに、この方法では鉄含有量の多いアルミニウムの金属間化合物を完全に除去することは難しいとの知見を踏まえ、さらに検討を進め、硝酸水溶液中でカソード処理することが有効であることを見出している(非特許文献2)。
ただ、発明者によって見出されたこのような処理方法はこれまでに知られていないものであるが、その実用的展開についてはほとんど手さぐりの未踏の課題となっていた。特に、実用面においては、硝酸系水溶液を用いての処理方法であることから、対象とする軽金属材料の表面に変質や損傷をもたらすことなく、金属間化合物を選択的に、しかも極めて短時間の処理として可能とすることや、この処理後の表面が、めっきや陽極酸化による皮膜形成にとって有効とされるかどうか、そしてこれを有効とするための具体的な方策はどのようなものかは大変に大きな課題となっていた。
特開平4−286723号公報 特開2001−43528号公報 日本金属学会誌、62(1998),167. 日本金属学会誌、63(1999),776.
そこで、この出願の発明は、以上のような背景から、実利用において欠かせない手段となっているめっきや陽極酸化による皮膜形成のための前処理として、表面の金属間化合物を上記のような発明者の提案によるカソード処理の特長を生かし、選択的に、かつ短時間で効率的に除去し、耐食性の向上等を目的とする皮膜形成のためのめっきや陽極酸化の適用を阻害することなしに、これらの処理に適した表面とすることのできる、めっきや陽極酸化のための前処理方法としての新しい技術手段を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして以下の方法を提供する。
〔1〕軽金属材料のめっきや陽極酸化のための前処理としての表面処理方法であって、軽金属材料を電解質溶液中に浸漬し、軽金属材料の電位−pH図において金属状態が安定な領域でのカソード処理を超音波の印加と同時に行い、軽金属材料表面の金属間化合物を選択的に除去することを特徴とする軽金属材料の表面前処理方法。
〔2〕電解質溶液が硝酸水溶液または硫酸水溶液あるいはそれらの混合系水溶液であることを特徴とする上記の表面前処理方法。
〔3〕電流密度−200mA/cm2〜−500mA/cm2の範囲でカソード分極処理することを特徴とする上記の表面前処理方法。
〔4〕超音波振動の印加は周波数1kHz〜1MHz、処理時間10秒〜600秒、処理温度0℃〜95℃の範囲で行うことを特徴とする上記の表面前処理方法。
〔5〕上記いずれかの方法において、あらかじめ軽金属材料に対して脱脂およびアルカリエッチング処理のうち少なくともいずれかを施すことを特徴とする軽金属材料のめっき前表面処理方法。
〔6〕上記いずれかの方法により表面前処理した後にめっきを施すことを特徴とする軽金属材料のめっき方法。
〔7〕上記いずれかの方法により表面前処理した後に亜鉛置換処理等の中間層形成を介してめっきを施すことを特徴とする軽金属材料のめっき方法。
〔8〕上記いずれかの方法により表面前処理した後に陽極酸化処理を施すことを特徴とする軽金属材料の陽極酸化方法。
上記のとおりのこの出願の第1の発明によれば、軽金属材料表面のマトリックス相に損傷や変質をもたらすことはなく、FeAl3系およびCuAl2系等の金属間化合物相をカソード分極処理と超音波振動の印可により選択的かつ極めて短時間で効率的に分離除去することができる。
そして、得られた表面では、マトリックス相の損傷、そして変質がもたらされることなく、しかも金属間化合物はその残存が観察できないほどきれいに完全に除去されている。金属間化合物が除去された表面に形成された微小な凹部は、皮膜の付着性向上のためのアンカー効果を奏することになる。そして得られた表面は化学的に活性である。このため、たとえば、めっき密着性の向上がはかられ、また亜鉛置換法等の中間層形成も容易になる。軽金属材料表面にめっきを施すためには2回亜鉛置換法(ダブルジンケート処理)が従来から施されているが、1回の亜鉛置換でもよく、あるいはこの亜鉛置換処理そのものが省略可能となる。しかも得られためっき皮膜は密着性は良好である。また、陽極酸化によるアルマイト等の皮膜形成においても、その付着性の向上、そして耐食性の顕著な向上が図られる。
このような優れた効果は、従来の表面処理技術の知識や、発明者によって得られていた従前のカソード処理の知見からは全く予期できないものであった。
カソード分極処理、そして超音波洗浄という手段そのものは公知であっても、カソード分極処理と超音波振動の印加とを同時に行うことによる相乗的な作用効果として、予期することのできない顕著なものと言ってよい。
また、第2から第5の発明によれば、上記のような作用は好適な条件のもとにより向上されることになる。
そして第6の発明によれば密着性や耐食性等に優れた軽金属材料のめっきが実現される。第7の発明によれば従来のめっきの工程が少なくなり、めっき工程におけるコストダウンがはかれる。
さらに第8の発明によれば、耐食性等の優れた陽極酸化皮膜が実現されることになる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下その実施の形態について説明する。
まず何よりも特徴的なことは、この出願の発明では、カソード処理と超音波振動の印可とを同時に行うことにより、表面の金属間化合物を選択的にほぼ完全に極めて効率的に除去し、化学的に活性な表面とすることである。このことはカソード処理での金属間化合物表面で起こる水素ガスによる刺激作用と超音波による金属間化合物表面の浸食作用との相乗効果である。この処理により軽金属材料の表面を電気めっき、無電解めっき等のめっき層形成に適した表面状態にすることができる。また、陽極酸化処理に適した表面状態とすることができる。
この出願の発明の表面処理方法が対象としている軽金属材料としては、不純物元素として鉄と銅(水素の交換電流密度の大きい元素)を含有するアルミニウムやマグネシウム等の軽金属元素を組成の主成分とする金属やそれらの合金からなる軽金属材料が代表的なものとして例示される。また電解質溶液としては硝酸系や硫酸系あるいはそれらの各種混合溶液が使用される。たとえば硝酸や硫酸あるいはそれらの混合水溶液が用いられ、なかでも好適には硝酸あるいは硝酸金属塩水溶液、硫酸あるいは硫酸金属塩水溶液もしくはそれら両者の混合水溶液が考慮される。
このような電解質溶液における硝酸濃度としては一般的には5〜65%の範囲であり、好適には30〜50%の範囲、さらには20〜40%の範囲であり、硫酸に関しては一般的には10〜55%の範囲であり、好適には30〜50%の範囲、さらには20〜40%の範囲である。
またカソード分極処理は、この出願の発明においては、対象とする軽金属材料の電位−pH図において金属状態が安定な領域で行う。ここで、電位−pH図については、世界的にも著名な文献;
M.Poubaix: Atlas of equilibria in aqueous solutions. (1966) Pergamon Press. London.
にまとめられており、その作成方法についても詳しく記載されている。また、「金属状態が安定な領域」についても上記文献にその区画が記載されている。
たとえばアルミニウムの場合、地球上で存在できる安定な(アルミニウムに関する)化学種は、金属アルミニウム(Al)、アルミニウムイオン(Al3+)、酸化アルミニウム(たとえばhydrargilite、Al23・3H2O)、アルミン酸イオン(AlO2 -)であるが、これらのなかで、金属アルミニウムが安定に存在できる区画がこの出願の発明の規程に該当している。
この出願の発明では、以上のような、軽金属材料の電位−pH図において金属状態が安定な領域で、超音波振動の印加と同時にカソード分極処理を行うが、このカソード分極処理については、たとえばポテンシオガルバノ・スタットを用いてカソード定電流を付加することによって行うことができる。このようなカソード分極処理における電流密度としては−100〜−1000mA/cm2が通常考慮され、好適には−200〜−500mA/cm2の範囲である。
超音波振動の印加については、その周波数を、通常、1kHz〜1MHzの条件とすることが好ましいが、たとえば周波数、28kHz、45kHz、100kHz等の混合周波数としてもよい。そして、カソード分極処理と同時の超音波振動の印加においては、通常、処理時間を10秒〜600秒の範囲に、電解質溶液の温度を0℃〜95℃の範囲とすることが一般的に考慮される。
以上のようなカソード分極処理と超音波振動の印加とを同時に行うことはこの出願の発明にとって欠かせない要件であって、同時に行うことによって前記のような予期することのできない顕著な相乗的効果が実現されることになる。すなわち、軽金属材料表面のマトリックス相に損傷や変更をもたらすことなく、金属間化合物の選択的で、かつ極めて短時間での効率的な分離除去が可能とされ、得られた軽金属材料表面の化学的活性化と、金属間化合物が除去された後の微小な凹部によるアンカー効果によるめっき皮膜や陽極酸化皮膜の付着性の向上、そして耐食性の顕著な向上が図られる。めっき前工程の工程数も大幅に短縮される。
また、この出願の発明方法においては、あらかじめ軽金属材料表面に対して脱脂処理やアルカリエッチング処理を施しておくことも有効である。これらの処理については従来からの手段が適宜に採用されてよい。
また、めっきの直前には、従来のように亜鉛置換等の中間層を形成しておいてもよい。
この出願の発明のめっき前表面処理を施した軽金属材料の表面に対しては電解めっき、無電解めっきを施すことにより均質で良好な、大きな密着力のめっき皮膜が得られる。
そしてまた、表面への皮膜形成法としての陽極酸化もこの出願の発明において考慮される。品質で良好、大きな密着強度の陽極酸化皮膜が形成されることになる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
<実施例1>
<1>添付した図面の図1は、この出願の発明のめっき前表面処理方法のための実験的な処理装置の概要を示した断面図である。たとえば、この図1に例示したように、処理装置では、電解構(1)に電解質溶液(2)を入れ、試験片(3)を白金等の不溶性極(4)に対向配置し、試験片(3)は超音波振動装置(5a)で直接振動させるか、あるいは、超音波振動装置(5b)により電解質溶液(2)経由で間接振動させる。温度調節装置(6)により溶液温度は一定に保持されている。
<2>試験片(3)としては、市販の工業用純アルミニウム(JIS規格1100-H14:化学成分0.6%Fe、0.1%Si、0.05%Cu、残部Al)試験片を用いた。まず、前処理として353Kの10%NaOH水溶液中で60s浸漬し、水洗後、室温の30%HNO3水溶液で60s浸漬し、水洗乾燥し、実験に供した。この前処理により試験片表面に付着していた圧延油等の異物は完全に除去された。
次いで、試験片(3)および対極(4)をリード線(7)、(8)でポテンシオスタット(10)と接続し、試験片(3)を電解質溶液(2)中に浸漬させ、対極(4)から試験片(3)へと直流電流を流し、カソード分極処理した。試験片(3)の表面から水素ガスの発生が観察される。この時超音波による振動を作用させると試験片(3)表面からの水素ガスの離脱が容易になる。
<3>まず、カソード分極処理を行った。その条件としては20%HNO3水溶液を用い、電流密度は−200mA/cm2、保持時間1000sとした。硝酸濃度と浸漬時間の依存性を電子顕微鏡によって表面観察した。
図2はブランクテストとしてカソード分極処理をしない表面を示した。白い矩形の金属間化合物が散在しているが観察される。図3はカソード分極処理を施した試験片表面を示す。金属間化合物が完全に除去されていることがわかった。この処理に超音波(28kHz、45kHz、100kHzの場合周波数で、温度約25℃)振動の印加を併用することで処理時間は10s〜60sの極めて短時間とすることができる。超音波振動を印加しない場合には、この時間の100倍以上が必要とされ、しかもきれいに完全に除去することは必ずしも容易ではない。
図4は上記のカソード分極処理と超音波振動の付加を施した試験片にNi−P無電解めっきを施した表面を示す。めっきむらもなく均一なめっき付着面が得られた。
従来のような亜鉛置換による中間層形成処理を施さなくても良好なめっき皮膜が得られた。
Ni−P無電解めっきの条件は様々に知られており、たとえば、硫酸ニッケル(30g/l)+ホスフィン酸ナトリウ(10g/l)+クエン酸ナトリウム(10g/l)の浴温90℃に浸漬する。なお、実施例でのめっき液には市販のめっき液を用いた。
<実施例2>
また、上記のカソード分極処理(CTNA:Cathodic Treatment in Nitric Acid)と超音波振動の付加を施した試験片に陽極酸化皮膜を施した。良好な陽極酸化皮膜が得られた。
この図5は、図6に示したCTNA処理を行わなかった場合と比べ完璧な陽極酸化皮膜が形成されていることを示す分極曲線であることがわかる。
具体的に説明すると以下のとおりである。
<1>試験片は、実際に用いられている鋼心アルミニウム捲り線:ACSR送電線(以下試験片Alと略記)を用いた。化学成分はJISH2110相当品(0.08%Si、0.13%Fe,0.03%Zn、Mn<0.01%,Cu<0.01%)である。直径2.6mmのAl線を長さ150mmに裁断し、絶縁テープとエナメル塗料を用いて露出面積4.5cm2とした。
初期表面状態を統一するために前処理を施した。前処理は、アルカリ洗浄(70℃の10%NaOH水溶液中で1分間浸漬)を行い、水洗後、中和処理(室温の30%HNO3 水溶液中で1分間浸漬)後イオン交換水での十分な水洗を行い。24時間自然乾燥後、実験に供した。
<2>金属間化合物の選択除去
20%HNO3水溶液中に浸漬した試験片Alにカソード定電流約−2kA/m2を1.2ks間流した。溶液は室温とし、攪拌状態下で、実施例1と同様に処理を行った。
<3>陽極酸化処理
陽極酸化処理の方法は色々提案されているが、試験片Alを攪拌状態下の15%H2SO4水溶液中で定電流約200A/m2で0.9ks間通電する方法を用いた。
<4>評価
図5は、陽極酸化後の分極線を例示したものである。この図5では、局部腐食発生を示す孔食電位は現れず、電流密度約0.004μA/cm2で、ほとんど電位軸と平行な分極挙動(−800mV〜+300mVの電位範囲のアノード分極抵抗はほぼ無限大)を示している。この図5は、図6に示したCTNA処理を行わなかった場合と比べ完璧な陽極酸化皮膜が形成されていることを示す分極曲線であることがわかる。
実施例のための実験的処理装置の概要図である。 ブランクテストとして試験片表面の金属間化合物分布を電子顕微鏡(2000倍)で観察した時の写真を例示した図である。 実施例でカソード分極処理(20%HNO3水溶液で、電流密度は−200mA/cm2、保持時間100s保持)された試験片の表面状態を電子顕微鏡(2000倍)で観察した時の写真を例示した図である。 本発明の実施例でカソード分極処理された試験片に無電解Ni-Pめっきを施したの表面状態を電子顕微鏡(2000倍)で観察した時の写真を例示した図である。 金属間化合物除去後に陽極酸化を行った場合の分極曲線である。 金属間化合物を除去することなく陽極酸化を行った場合の分極曲線である。

Claims (8)

  1. 軽金属材料のめっきや陽極酸化の前処理としての表面処理方法であって、軽金属材料を電解質溶液中に浸漬し、軽金属材料の電位−pH図において金属状態が安定な領域でのカソード分極処理を超音波振動の印加と同時に行い、軽金属材料表面の金属間化合物を選択的に除去することを特徴とする軽金属材料の表面前処理方法。
  2. 電解質溶液が硝酸水溶液または硫酸水溶液あるいはそれらの混合系水溶液であることを特徴とする請求項1の軽金属材料の表面前処理方法。
  3. 電流密度−200mA/cm2〜−500mA/cm2の範囲でカソード分極処理することを特徴とする請求項1の軽金属材料の表面前処理方法。
  4. 超音波振動の印加は周波数1kHz〜1MHz、処理時間10秒〜600秒、処理温度0℃〜95℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1の軽金属材料の表面前処理方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかの方法において、あらかじめ軽金属材料に対して脱脂およびアルカリエッチング処理のうち少なくともいずれかを施すことを特徴とする軽金属材料の表面前処理方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかの方法により表面前処理した後にめっきを施すことを特徴とする軽金属材料のめっき方法。
  7. 請求項1ないし5のいずれかの方法により表面前処理した後に亜鉛置換処理等の中間層形成を介してめっきを施すことを特徴とする軽金属材料のめっき方法。
  8. 請求項1ないし5のいずれかの方法により表面前処理した後に陽極酸化処理を施すことを特徴とする軽金属材料の陽極酸化方法。
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