JP2005272606A - 易引裂性に優れたフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エチレン単独重合体、またはエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体であって、(1)密度が900〜975kg/m3、(2)MFRが0.01〜100g/10分、(3)Mw/Mnが3.0以上、(4)(Mz/Mw)−(Mw/Mn)≧0.5の関係を満たし、(5)分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%、(6)半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たすエチレン系重合体を用いる。
【選択図】 選択図なし
Description
(1)密度が900〜975kg/m3であり、
(2)メルトフローレート(MFR、荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.01〜100g/10分であり、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mnが3.0以上であり、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められる(Mz/Mw)−(Mw/Mn)≧0.5の関係を満たし、
(5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
(6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たす
エチレン系重合体からなることを特徴とするフィルムに関するものである。
インフレーションフィルム成形時のバブルの安定性を目視により評価した。
○:バブルの揺れがなく、安定した成形が可能
△:バブルの揺れがわずかにあるが、フィルムのしわは少ない
×バブルの揺れが大きく、成形したフィルムにしわが多数入る
[フィルム肌]
成形したフィルムの表面の肌荒れの様子を目視と触感により評価した。
○:肌荒れがなく、フィルム表面は平滑
△:わずかに肌荒れがあるが、触感ではフィルム表面はほぼ平滑
×:ひどい肌荒れがあり、触感でもフィルム表面に凹凸が認められる
[ヘーズ(透明性)]
JIS K7105(1981年)に準拠して、日本電色工業社製 ヘーズメーター(型番 300A)により測定した。
JIS K7128−2(1998年)に準拠して、エルメンドルフ引裂法により、島津製作所社製 引張試験機(型番DCS−100)により測定した。
JIS K6922−2(1997年)に準拠し、島津製作所社製 引張試験機(型番DCS−100)により測定した。
エチレン系重合体(A−1)の製造
重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
ジメチルアニリン塩酸塩(1mol)の60%エタノール水溶液8Lで合成ヘクトライト(ラポナイトRD;ラポルテ社製)1000gを処理し、水洗することで、1250gの有機変性粘土化合物を得た。
5Lのフラスコに、[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド 7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。反応溶液を45℃に冷却し、傾斜法で上澄液を除去した。これをヘキサンで希釈して4.5Lとした後に、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.66g(1.8ミリモル)を加え、固体触媒を得た。
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、1−ブテンを1.0kg/時、水素20NL/時および得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給し、重合温度85℃で重合した。得られたポリマーはMFR3.7g/10分、密度942kg/m3であった。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
得られたエチレン系重合体(A−1)のパウダー100重量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.04重量部、GSY−P101(エーピーアイコーポレーション社製)を0.08重量部および塩素吸収剤としてDHT−4A(協和化学工業社製)を0.04重量部配合し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所社製 型番FM75C)により820rpmで1分間混合した。その後に50mmφ単軸押出機(プラコー社製 型番PDA−50)を用い、設定温度200℃、回転数100rpmで混練してペレット状にした。
エチレン系重合体(A−2)の製造
[固体触媒の調製]
5Lのフラスコに、製造例1に記載の[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド 7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した後に傾斜法で上澄液を除去し、ヘキサン希釈して触媒溶液とした。
製造例2で得られた固体触媒を用い、1−ブテンを0.4kg/時、水素を15NL/時とした以外、製造例1と同様に重合を行った。得られたポリマーはMFR3.7g/10分、密度942kg/m3であった。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
得られたエチレン系重合体(A−2)のパウダーは、製造例1と同様の方法でペレット状にした。
エチレン系重合体(A−3)の製造
1−ブテンを0.25kg/時、水素を15NL/時とした以外、製造例1と同様に重合を行った。得られたポリマーはMFR0.9g/10分、密度954kg/m3であった。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
得られたエチレン系重合体(A−3)のパウダーは、製造例1と同様の方法でペレット状にした。
エチレン系重合体(A−4)の製造
[固体触媒の調製]
5Lのフラスコに、製造例1に記載の[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450g、ヘキサン1.4kgを加え、その後トリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.06g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した後に傾斜法で上澄液を除去し、ヘキサン希釈して触媒溶液とした。
製造例4で得られた固体触媒を用いて1−ブテンを加えず、水素を8NL/時とした以外、製造例1と同様に重合を行った。得られたポリマーはMFR0.9g/10分、密度954kg/m3であった。得られたエチレン系重合体の物性について測定した値を表1に示す。
得られたエチレン系重合体(A−4)のパウダーは、製造例1と同様の方法でペレット状にした。
[フィルム成形]
製造例1で得られたエチレン系重合体(A−1)を用い、プラコー社製 空冷単層インフレーション成形機(型番LL50B、押出機スクリュー径50mmφ、ダイス径75mmφ、リップクリアランス2mm、デュアルスリットタイプエアリング)により、設定温度190℃、押出量18kg/時、引取速度14m/分、ブロー比2.1の成形条件で、厚み50μmのインフレーションフィルムを成形した。フィルム外面には表面張力が0.048N/mとなるようコロナ放電処理を施した。フィルム物性およびフィルム成形時の消費電力値と樹脂圧力値を表2に示す。フィルム製造時の引取方向に対して垂直方向(横方向)(TD)の引裂強度(X)を引取方向(MD)の引裂強度(Y)で除した値(X/Y)が3以上であり、MD方向への易引裂性が良好であった。また、透明性、機械的物性、成形加工性も良好であった。
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、製造例2で得られたエチレン系重合体(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのインフレーションフィルムを成形した。フィルム物性およびフィルム成形時の消費電力値と樹脂圧力値を表2に示す。X/Yが3未満であり、MD方向の易引裂性が劣った。ヘーズ値が高く、フィルムの透明性も不良であった。また、インフレーション成形時のバブル安定性が不良で、フィルムにしわが多数入った。さらに、実施例1と比較して成形時の消費電力と樹脂圧力が高かった。
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、製造例3で得られたエチレン系重合体(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのインフレーションフィルムを成形した。フィルム物性およびフィルム成形時の消費電力値と樹脂圧力値を表2に示す。X/Yが3以上であり、MD方向への易引裂性が良好であった。また、透明性、機械的物性、成形加工性も良好であった。
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、製造例4で得られたエチレン系重合体(A−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのインフレーションフィルムを成形した。フィルム物性およびフィルム成形時の消費電力値と樹脂圧力値を表2に示す。X/Yが3未満であり、MD方向の易引裂性が劣った。ヘーズ値が高く、フィルムの透明性も不良であった。また、インフレーション成形時にメルトフラクチャーが発生し、フィルム表面に凹凸が発生した。さらに、実施例2と比較して成形時の消費電力と樹脂圧力が高かった。
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、東ソー社製「ニポロンハード 5110」(密度960kg/m3、MFR0.9g/10分、以下A−5と略す。物性について測定した値を表1に示す。)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのインフレーションフィルムを成形した。フィルム物性およびフィルム成形時の消費電力値と樹脂圧力値を表2に示す。実施例2と比較してTD方向の引張破壊応力と引張破壊伸びひずみが低く、機械的特性が劣った。
[積層体の作製]
実施例1で成形したフィルムを、井上金属社製 ドライラミネーター(型式名 パイロットコーター)を用いて、15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製 ハーデンN1102)とドライラミネートを行った。接着剤はポリエーテル系ポリウレタン接着剤(主剤 大日精化社製 セイカボンドA−154−2、硬化剤 大日精化社製 セイカボンドC−88)を使用し、接着剤塗布量は2.5g/m2であった。ラミネート後40℃に保持したオーブン中で40時間エージング処理を行い、エチレン系重合体/ナイロンの積層体を得た。フィルム物性の測定結果を表3に示す。易引裂性、透明性とも良好であった。
Claims (3)
- エチレン単独重合体、またはエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体であって、
(1)密度が900〜975kg/m3であり、
(2)メルトフローレート(MFR、荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.01〜100g/10分であり、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mnが3.0以上であり、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められる(Mz/Mw)−(Mw/Mn)≧0.5の関係を満たし、
(5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
(6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たす
エチレン系重合体からなることを特徴とするフィルム。 - フィルム製造時の引取方向に対して垂直方向(横方向)(TD)の引裂強度(X)を引取方向(MD)の引裂強度(Y)で除した値(X/Y)が、3以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
- 請求項1または2に記載のフィルムを少なくとも1層として有する積層体。
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JP2004087224A JP2005272606A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 易引裂性に優れたフィルム |
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Cited By (3)
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JP2008031385A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Mitsui Chemicals Inc | 熱可塑性樹脂用改質材および樹脂組成物 |
JP2008031380A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Mitsui Chemicals Inc | 易引裂き性フィルムおよびその製造方法ならびにその用途 |
JP2019170610A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 株式会社フジシール | 吸収性物品包装体及び吸収性物品包装体の製造方法 |
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2004
- 2004-03-24 JP JP2004087224A patent/JP2005272606A/ja active Pending
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