JP2003191313A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2003191313A
JP2003191313A JP2001397001A JP2001397001A JP2003191313A JP 2003191313 A JP2003191313 A JP 2003191313A JP 2001397001 A JP2001397001 A JP 2001397001A JP 2001397001 A JP2001397001 A JP 2001397001A JP 2003191313 A JP2003191313 A JP 2003191313A
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Kazunori Kanamori
一典 金森
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Tダイのリップから押し出された溶融フィル
ムを、該溶融フィルムとチルロールとの間の空気を吸引
しながら該チルロール上に引き取り、冷却固化させる熱
可塑性樹脂フィルムの製造において、MDとTDの物性
バランスに優れる熱可塑性樹脂フィルムを高速で製造す
る方法を提供すること。 【解決手段】 Tダイのリップから押し出された溶融フ
ィルムを、該溶融フィルムとチルロールとの間の空気を
吸引しながら該チルロール上に引き取り、冷却固化させ
る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、フィルム
製造速度が150〜1000m/分であり、チルロール
接点におけるフィルムのMDの温度勾配が0.1〜2.
5℃/mmである熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Tダイのリップか
ら押し出された溶融フィルムを、該溶融フィルムとチル
ロールとの間の空気を吸引しながら該チルロール上に引
き取り、冷却固化させる熱可塑性樹脂フィルムの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、商品包装が高機能化や個包装化す
ることにより、熱可塑性樹脂シーラントフィルムを用い
た包装材料の需要が大きく伸びており、該フィルムの供
給量の増大やコストダウンが求められている。この要求
に対し、特開平11−188776号公報などには、吸
引チャンバーを備えたTダイフィルム製造装置を用い
て、Tダイのリップから押し出された溶融フィルムを、
該溶融フィルムとチルロールとの間の空気を吸引しなが
ら該チルロール上に引き取り、冷却固化させる熱可塑性
樹脂フィルムの製造装置が開示されており、該製造装置
による熱可塑性樹脂フィルムの高速製造の検討が行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該製造装置は、熱可塑
性樹脂フィルムを高速で製造する場合に、製造安定性の
観点で好ましいが、従来、該製造装置で製造された熱可
塑性樹脂フィルムのMD(フィルム巻取り方向)とTD
(フィルムの巾方向)の物性バランスは低下することが
あり、該物性バランスを低下させることなく生産速度を
十分高速にすることが出来なかった。かかる状況のも
と、本発明が解決しようとする課題は、Tダイのリップ
から押し出された溶融フィルムを、該溶融フィルムとチ
ルロールとの間の空気を吸引しながら該チルロール上に
引き取り、冷却固化させる熱可塑性樹脂フィルムの製造
において、MDとTDの物性バランスに優れる熱可塑性
樹脂フィルムを高速で製造する方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、T
ダイのリップから押し出された溶融フィルムを、該溶融
フィルムとチルロールとの間の空気を吸引しながら該チ
ルロール上に引き取り、冷却固化させる熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法において、フィルム製造速度が150
〜1000m/分であり、チルロール接点におけるフィ
ルムのMDの温度勾配が0.1〜2.5℃/mmである
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるTダイフィル
ム製造装置としては、Tダイのリップから押し出された
溶融フィルムを、該溶融フィルムとチルロールとの間の
空気を吸引しながら該チルロール上に引き取り、冷却固
化させる装置であればよく、公知のTダイフィルム製造
装置、例えば、特開平11−188776号公報に記載
の装置を用いることができる。
【0006】本発明のフィルムの製造方法において、チ
ルロール接点におけるフィルムのMD(フィルム巻取り
方向)の温度勾配は0.1〜2.5℃/mmであり、好
ましくは0.3〜2℃/mmである。該温度勾配が大き
すぎると、フィルムのMDとTDの物性バランスが低下
し、フィルムのMDの引裂強度や衝撃強度が低下する場
合がある。一方、該温度勾配が小さすぎると、フィルム
の冷却固化が遅くなり、フィルムの高速生産性が低下す
る場合がある。
【0007】該温度勾配は、フィルム巾の中心位置にお
いて測定される下記温度T0、T1を用いて下記式(I)
により算出される。 温度勾配 = (T0−T1) / L (I) T0 :フィルム巾の中心において、フィルムがチルロ
ールに接する点でのフィルム温度(℃) T1 :T0測定位置からチルロール回転方向へ30mm
移動した点におけるフィルム温度(℃) L :30(mm) ここで、温度T0、T1は、例えば、バンドパスフィルタ
付き赤外放射式温度計を用いて測定することができる。
【0008】本発明のフィルムの製造方法におけるフィ
ルム製造速度は150〜1000m/分である。該速度
が低すぎると高速生産性が低下し、該速度が高すぎると
フィルムの厚みむらが大きくなることがあり、また、加
工中にフィルムが破断することがある。なお、フィルム
の製造速度は、チルロールの円周速度とする。
【0009】本発明のフィルムの製造条件は、チルロー
ル接点におけるフィルムのMDでの温度勾配が0.1〜
2.5℃/mmとなるように、適宜調整されるものであ
り、通常、Tダイスの温度は200〜300℃に、吸引
チャンバー内の吸引圧力は−20〜−0.05kPa
に、Tダイリップ出口からチルロール表面までの垂直方
向(重力方向)の距離(エアーギャップ)は15〜50
mmに、チルロール温度は10〜90℃に調整される。
また、該温度勾配を小さくする方法としては、フィルム
加工に問題ない範囲で、Tダイスより押し出される樹脂
温度を低温化する方法や、吸引チャンバー内の吸引圧力
を弱くする方法、Tダイリップ出口からチルロール表面
までの垂直方向(重力方向)の距離(エアーギャップ)
を長くする方法、チルロール温度を高くする方法などが
あげられる。
【0010】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑
性樹脂を含有するフィルムである。該熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂など
のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどをあげ
ることができる。該熱可塑性樹脂としては、コストの観
点から、ポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂が好まし
い。また、該熱可塑性樹脂としては、フィルム加工性の
観点から、ビカット軟化温度が70〜180℃である熱
可塑性樹脂が好ましい。
【0011】ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィンか
ら誘導される繰り返し単位を含有する重合体である。該
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセ
ン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数が2〜20のオ
レフィンを1種または2種以上組み合わせて用いられ
る。ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン以外の単量体
から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、該
オレフィン以外の単量体としては、例えば、酢酸ビニル
などのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステ
ル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン
酸;スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ンなどの炭素数8〜12のビニル芳香族化合物;1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソ
プレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;
ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニ
ル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共
役ジエン;ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、4
−ビニルシクロヘキセンなどの炭素原子数5〜15のビ
ニル脂環族炭化水素化合物などをあげることができる。
これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0012】ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン
単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−
ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エ
チレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテ
ン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロ
ピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン
−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘ
キセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン
共重合体、エチレン−スチレン共重合体、プロピレン−
スチレン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共
重合体、プロピレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などがあげら
れ、これらポリオレフィン系樹脂は1種または2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0013】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
の中では、得られるフィルムの低温強度を高める観点か
ら、ポリエチレン系樹脂を含有する樹脂が好ましい。こ
こでポリエチレン系樹脂とは、エチレンから誘導される
繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体である。
【0014】ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート
(MFR)は、生産性をより高める観点から、好ましく
は0.1〜50g/10分であり、より好ましくは0.
5〜20g/10分であり、更に好ましくは1〜10g
/10分である。なお、ポリエチレン系樹脂のMFR
は、JIS K6922−2に規定された方法に従い、
荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定される。
【0015】ポリエチレン系樹脂の製造方法としては、
特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重合用
触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チ
ーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロ
セン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合
法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法、また、ラジ
カル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等があげら
れる。
【0016】ポリエチレン系樹脂としては、得られるフ
ィルムの強度を高める観点から、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体を含有する樹脂が好ましく、錯体系触媒に
より製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体を含
有する樹脂がより好ましい。また、錯体系触媒の中で
は、入手容易性の観点から、メタロセン系錯体触媒が好
ましい。
【0017】ここでいうメタロセン系錯体触媒とは、シ
クロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を持つ遷移
金属化合物(以下「メタロセン系遷移金属化合物」と略
すことがある)を用いてなるオレフィン重合用触媒であ
り、かかるメタロセン系遷移金属化合物として好ましく
は、一般式MLan-a(式中、Mは元素の周期律表の第
4族またはランタナイド系列の遷移金属原子である。L
はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基または
ヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシク
ロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数
のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、
水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であ
る。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦n
を満足する整数である。)で表される化合物である。か
かるメタロセン系遷移金属化合物の具体例としては、ビ
ス(1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−n−プロピル
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジ
エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−
テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド等があげられる。
【0018】上記メタロセン系遷移金属化合物は活性化
助触媒と接触させて用いることが好ましい。かかる活性
化助触媒としてはアルモキサン化合物や、有機アルミニ
ウム化合物とトリチルボレート、アニリニウムボレート
等のホウ素化合物との併用などがあげられる。またSi
2、Al23等の無機担体、エチレン、スチレン等の
重合体等の有機ポリマー担体を含む粒子状担体を組み合
わせて用いられる。
【0019】ポリエチレン系樹脂としては、透明性の観
点から、成分(A)エチレン−α−オレフィン共重合体
と成分(B)高圧ラジカル法低密度ポリエチレンとから
なり、成分(A)と成分(B)の合計量100重量%に
おいて、成分(A)の含有量が99.9〜70重量%で
あり、成分(B)の含有量が0.1〜30重量%である
樹脂組成物を含有する樹脂が好ましい。成分(A)およ
び成分(B)の含有量としては、より好ましくは、成分
(A)の含有量が99.5〜80重量%、成分(B)の
含有量が0.5〜20重量%であり、更に好ましくは、
成分(A)の含有量が99〜90重量%、成分(B)の
含有量が1〜10重量%であり、最も好ましくは、成分
(A)の含有量が98〜95重量%、成分(B)の含有
量が2〜5重量%である。
【0020】成分(A)の密度は、透明性をより高める
観点から、好ましくは935kg/m3以下であり、よ
り好ましくは930kg/m3以下であり、得られるフ
ィルムのハンドリング性を高める観点から、好ましくは
890kg/m3以上であり、より好ましくは900k
g/m3以上である。また、成分(A)のMFRは、透
明性をより高める観点から、好ましく1〜20g/10
分であり、より好ましくは2〜10g/10分である。
成分(A)は、エチレン−α−オレフィン共重合体1種
で用いられてもよく、2種以上を配合して用いられても
よい。
【0021】成分(B)のエチレンから誘導される繰り
返し単位の含有量は、透明性をより高める観点から、好
ましくは90重量%以上であり、より好ましくは95重
量%以上である。また、成分(A)のMFRは、透明性
をより高める観点から、好ましく0.1〜20g/10
分であり、より好ましくは1〜10g/10分である。
成分(B)は、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン1種
で用いられてもよく、2種以上を配合して用いられても
よい。
【0022】ポリエチレン系樹脂として、上述の成分
(A)および成分(B)からなる樹脂組成物を含有する
樹脂を用いた場合、本発明の効果を損なわない範囲にお
いて、成分(A)および成分(B)以外の他のポリエチ
レン系樹脂を配合してもよい。成分(A)および成分
(B)以外の他のポリエチレン系樹脂としては、例え
ば、高密度ポリエチレンなどがあげられる。
【0023】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
の中では、得られるフィルムの耐熱性を高める観点か
ら、ポリプロピレン系樹脂を含有する樹脂が好ましい。
ここでポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンから誘導
される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体で
ある。該ポリプロピレン系樹脂の中では、得られるフィ
ルムの耐熱性をより高める観点から、エチレンから誘導
される繰り返し単位の含有量が10重量%以下であるエ
チレン−プロピレン共重合体、α−オレフィンから誘導
される繰り返し単位の含有量が30重量%以下であるプ
ロピレンと炭素原子数が4〜12のα−オレフィンとの
共重合体、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有
量が10重量%以下であり、炭素原子数4〜12のα−
オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が30
重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素原子数4
〜12のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。
【0024】ポリプロピレン系樹脂の製造方法として
は、特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重
合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例え
ば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非
メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー
重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法などがあ
げられる。
【0025】本発明で用いられる熱可塑性樹脂には、必
要に応じて、シリカ、珪藻土、PMMAで代表されるア
ンチブロッキング剤;高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エ
ステルで代表される滑剤;ステアリン酸カルシウムなど
の脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂、ポリシロキサンで代表
される加工性改良剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン(IRGANOX 101
0)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−
3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート
(IRGANOX 1076)で代表されるフェノール
系安定剤;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトで代表されるホ
ファイト系安定剤;多価アルコール(例えば、グリセリ
ン、ジグリセリン、ソルビタン、ポリエチレングリコー
ルなど)と炭素原子数8〜22の脂肪酸とのエステルで
代表される帯電防止剤などの各種添加剤、他の樹脂を配
合してもよい。
【0026】該各種添加剤、該他の樹脂を熱可塑性樹脂
に混合する方法は、該各種添加剤、該各種添加剤のマス
ターバッチ、該他の樹脂を熱可塑性樹脂にドライブレン
ドする方法でもよく、あらかじめメルトブレンドする方
法でもよい。
【0027】本発明により製造されるフィルムの厚み
は、通常、5〜300μmである。フィルムの構成は、
単層でもよく多層でもよい。また、本発明のフィルムは
単独で用いてもよく、ドライラミネート法、サンドラミ
ネート法等の公知のラミネーション法により、紙、織
物、板紙、アルミニウム箔、他の熱可塑性樹脂基材とラ
ミネートして用いてもよい。本発明により製造されるフ
ィルムは、様々な用途に用いる事が出来るが、MDとT
Dの物性バランスに優れたフィルムであるため、シーラ
ントフィルムとして好適であり、食品包装、電機部品包
装、薬品包装など、種々の製品の包装に用いられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0029】(1)実施例および比較例で用いたポリマ
ーは以下の通りである。 PE−:住友化学工業(株)製、商品名スミカセン
E FV402、密度=912kg/m3、MFR=4
g/10分、ビカット軟化点=96℃(メタロセン系オ
レフィン重合用触媒を用いて製造されたエチレンとヘキ
セン−1との共重合体) PE−:住友化学工業(株)製、商品名 EMB9
2、MFR=4g/10分(高圧ラジカル重合により製
造された低密度ポリエチレン) ABA:水澤化学(株)製、商品名 JC−50(合
成アルミノシリケート) SA−:エルカ酸アミド SA−:エチレンビスオレイン酸アミド
【0030】(2)実施例および比較例で用いたTダイ
フィルム加工機は以下の通りである。 製造メーカー:SHIモダンマシナリー(株) 押出機:65mmφ押出機×3台 フィードブロック:3種3層 Tダイ:1200mm巾,リップギャップ1.6mm 吸引チャンバー:開口部15mm×1200mm チルロール:直径600mmφ,
【0031】(3)評価方法は以下の通りである。 チルロール接点におけるフィルムのMDの温度勾配
(単位:℃/mm) バンドパスフィルタ(中心波長λmax=3.43μ、半
値幅Δ1/2=140nm使用)付き赤外放射式温度計
(NEC三栄(株)製サーモトレーサーTH3104M
R)を用い、放射率0.95、16回積算の条件で、フ
ィルム巾の中心において、フィルムがチルロールに接す
る点でのフィルムのMD方向の温度勾配を測定し、上述
の式(I)を用いて算出した。 メルトフローレート(MFR) JIS K6922−2に規定された方法に従い、荷重
2.16kg、温度190℃で測定を行った。 密度 JIS K6922−2に規定された方法に従った。 エアーギャップ(単位:mm) Tダイのリップ出口からチルロール表面までの垂直方向
(重力方向)の距離を測定した。 吸引圧力(単位:kPa) マノメーターゲージを用いて、吸引チャンバー内部の真
空度を測定した。 エルメンドルフ引裂強度(単位:kN/m) JIS Z1702に従い、フィルムのMD、TDにつ
いて測定し、MD値とTD値の比を、引裂強度バランス
として評価した。 引張破断伸び(単位:%) JIS K6781に従い、フィルムのMD、TDにつ
いて測定し、MD値とTD値の比を、引張破断伸びバラ
ンスとして評価した。 ヘイズ(単位:%) JIS K7105に従い測定した。 ビカット軟化点(単位:℃) ASTM−D1525に従い測定した。 [実施例1]Tダイ温度を240℃、吸引チャンバー内
の吸引圧力を−4.4kPa、エアーギャップを35m
m、チルロール温度を40℃、チルロールの円周速度を
200m/分に調整したTダイフィルム加工機を用い
て、PE−100重量部、PE−3重量部、ABA
0.7重量部、SA−0.02重量部、SA−0.0
1重量部からなる組成物をTダイのリップから溶融押し
出し、チルロール上で冷却固化することにより、厚み3
0μmの単層未延伸フィルムを得た。このとき、チルロ
ール接点でのフィルム温度勾配は0.7℃/mmであっ
た。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。 [実施例2]吸引チャンバー内の吸引圧力を−1.7k
Pa、エアーギャップを20mmに調整する以外は、実
施例1と同様にフィルムの加工を行った。このとき、チ
ルロール接点でのフィルム温度勾配は0.7℃/mmで
あった。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示
す。
【0032】[比較例1]Tダイ温度を260℃、エア
ーギャップを27mmに調整する以外は、実施例1と同
様にフィルムの加工を行った。このとき、チルロール接
点でのフィルム温度勾配は2.8℃/mmであった。得
られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、吸
引チャンバーを用いたTダイフィルム加工機によって、
MDとTDの物性バランスに優れる熱可塑性樹脂フィル
ムを高速で製造する方法を提供することができた。本発
明のフィルムは、コスト、透明性、強度、耐熱性などに
も優れうるため、こんにゃくや漬物等のように水ととも
に包装される食品類、ミルクや醤油等の液体の食品類、
菓子などのような乾燥した食品類、ハムやソーセージ等
の加工肉類などの食品包装;電機部品包装;薬品包装な
ど、種々の製品の包装に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Tダイフィルム加工機のダイスリップ
出口周辺の側面からの模式図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tダイのリップから押し出された溶融フ
    ィルムを、該溶融フィルムとチルロールとの間の空気を
    吸引しながら該チルロール上に引き取り、冷却固化させ
    る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、フィルム
    製造速度が150〜1000m/分であり、チルロール
    接点におけるフィルムのMDの温度勾配が0.1〜2.
    5℃/mmである熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂を
    含有する樹脂である請求項1記載のフィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系
    樹脂を含有する樹脂である請求項2記載のフィルムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエチレン系樹脂が、下記成分(A)
    および(B)を含有する樹脂であり、成分(A)および
    成分(B)の合計量100重量%において、成分(A)
    の含有量が99.9〜70重量%であり、成分(B)の
    含有量が0.1〜30重量%である請求項3記載のフィ
    ルムの製造方法。 (A)エチレン−α−オレフィン共重合体 (B)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
    系樹脂を含有する樹脂である請求項2記載のフィルムの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂フィルムがシーラント用熱
    可塑性樹脂フィルムである請求項1〜5いずれかに記載
    のフィルムの製造方法。
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WO2007004324A1 (ja) * 2005-07-01 2007-01-11 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリアミド系樹脂積層フィルムロールの製造方法

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