JP2005272300A - 炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
スポンジ状の多孔質構造体の形状を保った炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質材及びそれを容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】
スポンジ状の多孔質構造体の有形骨格に、樹脂及びシリコン粉末を含んだスラリーを、多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸後、真空あるいは不活性雰囲気下で900〜1350℃で炭素化する。得られた炭素化多孔質構造材を、真空、或いは不活性雰囲気下において、1350℃以上の温度で反応焼結させ、溶融シリコンとの濡れ性のよい炭化ケイ素を生成させると同時に、体積減少反応に起因する開気孔を生成させ、真空或いは不活性化雰囲気下において、1300〜1800℃の温度で、この多孔質構造体にシリコンを溶融含浸することにより炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材を製造する。
【選択図】 なし
スポンジ状の多孔質構造体の形状を保った炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質材及びそれを容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】
スポンジ状の多孔質構造体の有形骨格に、樹脂及びシリコン粉末を含んだスラリーを、多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸後、真空あるいは不活性雰囲気下で900〜1350℃で炭素化する。得られた炭素化多孔質構造材を、真空、或いは不活性雰囲気下において、1350℃以上の温度で反応焼結させ、溶融シリコンとの濡れ性のよい炭化ケイ素を生成させると同時に、体積減少反応に起因する開気孔を生成させ、真空或いは不活性化雰囲気下において、1300〜1800℃の温度で、この多孔質構造体にシリコンを溶融含浸することにより炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材を製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、シリコンと炭素との反応焼結後にシリコンを溶融含浸するという二段反応焼結法により、スポンジ状の連続多孔質の形状を保持した超軽量の炭化ケイ素系耐熱性多孔質構造材及びそれを製造する方法に関するものであり、更に具体的には、高温用フィルター、高温構造部材、断熱材、溶融金属濾過材、バーナープレート、ヒーター材、高温用消音材等の多くの用途に適する耐熱性超軽量多孔質構造材及びその製造方法に関するものである。
炭化ケイ素系セラミックスは軽量で、耐熱性、耐磨耗性、耐食性などに優れていることから、近年、例えば、高温耐食部材、ヒーター材、耐磨耗部材や、さらには研削材、砥石などの用途に幅広く用いられている。この炭化ケイ素系セラミックスは、主に焼結技術により製造されているため、気孔率90%以上のフィルター形状の超軽量多孔質材としての実用化までには至っていない。
最近では、このような耐熱性軽量多孔質セラミックスの研究が行われはじめている。例えば、ブリジストン社では、鋳鉄用セラミックフォームフィルターとして、スポンジに炭化ケイ素粉末スラリーを含浸後、余剰スラリーの除去を行い、乾燥、焼成して多孔質炭化ケイ素構造体を得ている。カタログでの物性値では、空孔率は85%、見掛比重約0.42g/cm3 となっている。
しかしながら、上記方法では炭化ケイ素の粉末のスラリーを用いるので、余剰スラリー除去作業を行っても、余剰スラリーが残り、気孔となる部分を塞いでいるところがある。また、気孔率も85%程度と低く、見掛比重も約0.42g/cm3と高い。また気孔径も1〜5mm程度(標準セル数13ヶ/25mm〜6ヶ/mm)と大きい。
本発明者は、繊維強化炭化ケイ素複合材の研究において、シリコンの溶融含浸法ではシリコンが系外より加わるので、体積増加の反応となり、フェノール樹脂の炭素化による緻密なアモルファス炭素のみのマトリックスは、溶融シリコンとほとんど反応しないが、シリコン粉末とフェノール樹脂の混合物が反応焼結(体積減少反応)して生成した溶融シリコンとの濡れ性のよい炭化ケイ素と、ポーラスな残留アモルファス炭素のマトリックスには、溶融シリコンが容易に浸透し、反応することができることを見いだした。
特開2000−313676
本発明は、このような知見に基づいて、従来の炭化ケイ素系耐熱性軽量多孔質材及びその製造方法における各種欠点を克服し、多孔質構造体の有形骨格に成形したままの形状を保持させて、複雑な形状のものでも容易に製造可能にした気孔が均一で、開気孔率80%以上、密度0.3g/cm3以下の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材及びその製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明者は、炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材について鋭意研究を重ねた結果、スポンジ等の多孔質構造体の有形骨格にシリコン粉末と樹脂を含浸させ、シリコン粉末及び上記構造体からの炭素との体積減少を伴った炭化ケイ素生成反応により、ポーラスな炭化ケイ素、残留炭素部分を生成させ、このポーラスな骨格部分にシリコンの溶融含浸を行うことにより、炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材を、複雑な形状のものであっても、容易に多孔質構造体の有形骨格の形状を保ったままで製造し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
上記により完成した本発明の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、溶融シリコンと濡れ性のよい炭化ケイ素を含むと同時に、体積減少反応に起因する開気孔が生成された炭素化多孔質構造焼結体にシリコンを溶融含浸させてなる炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材であって、前記炭素化多孔質構造焼結体が、有形骨格を形成する樹脂、ゴム、及び紙から選択され1つのスポンジ状多孔質構造体の有形骨格に、炭素源としての樹脂類及びシリコン粉末を含んだスラリーを、前記スポンジ状多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させて炭素化した炭素化多孔質構造体の反応焼結により形成したものであることを特徴とする。
また、本発明の上記炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法は、樹脂、ゴム、及び紙から選択され1つのスポンジ状のスポンジ状多孔質構造体の有形骨格に、炭素源としての樹脂類及びシリコン粉末を含んだスラリーを、スポンジ状多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させた後、真空或いは不活性雰囲気下において900〜1350℃で炭素化し、その炭素化多孔質構造体を、真空或いは不活性雰囲気下において、1350℃以上の温度で反応焼結させることにより、溶融シリコンと濡れ性のよい炭化ケイ素を生成させると同時に、体積減少反応に起因する開気孔を生成させ、この多孔質構造体に、真空或いは不活性化雰囲気下において1300〜1800℃の温度でシリコンを溶融含浸することを特徴とする。
上記方法においては、シリコンと炭素の反応焼結処理とシリコンの溶融含浸を同じ熱処理で行っても良く、炭素化を含めた全ての熱処理を同じ熱処理で行っても良い。このような本発明の方法によれば、複雑形状の大型構造体でも容易に製造できるし、多孔質構造体の加工も、炭素化後に行えば、容易に行うことができる。
上記方法において、スラリーを多孔質構造体にその連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させるに際しては、多孔質構造体の有形骨格に樹脂類及びシリコン粉末を含んだスラリーを含浸させた後に、そのスラリーを絞るのが有効である。上記方法において用いるスポンジ状多孔質構造体の有形骨格を構成する材料としては、スラリーを保持できる多孔質構造体が望ましく、この多孔質構造体を構成する材料としては、樹脂あるいはゴム製等のスポンジ、あるいは、スポンジ形状のプラスチック類や紙等が適している。
また、上記方法において多孔質構造体の有形骨格に含浸させる炭素源としての樹脂類には、フェノール樹脂、フラン樹脂、あるいはポリカルボシラン等の有機金属ポリマー、または蔗糖が好ましいものとして挙げられる。これらの樹脂類はその1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、添加剤として、炭素粉末、黒鉛粉末、カーボンブラックを添加し、または、骨材或いは酸化防止剤として、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコン、アルミナ、シリカ、ムライト、二ケイ化モリブデン、炭化ホウ素、ホウ素粉末等を添加してもよい。
上記方法において用いるスラリーに含ませるシリコン粉末として、マグネシウム、アルミニウム、チタニウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、あるいはタングステンから選ばれた少なくとも1種のシリコン合金、またはそれらとシリコン粉末の混合物でもよい。また溶融含浸用のシリコンは、純シリコン金属でもよいし、マグネシウム、アルミニウム、チタニウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、タングステン等のシリコン合金、あるいはそれらとシリコンの混合物でもよい。
以上に詳述した本発明の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材及びその製造方法によれば、スポンジ状の多孔質構造体の有形骨格に、炭素源となる樹脂とシリコン粉末とを含むスラリーを、多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させた後、反応焼結を利用して溶融シリコンと濡れ性のよい炭化ケイ素と開気孔を生成せしめ、この部分にシリコンを溶融含浸して、最初の多孔質構造体の形状を保った炭化ケイ素系耐熱性軽量多孔質複合材を容易に製造することができ、そのため、複雑な形状のものでも容易に製造することができ、高温用フィルター、高温構造部材、断熱材、溶融金属濾過材、バーナープレート、ヒーター材、高温用消音材等の多くの用途に利用することができる。
次に、本発明方法の好適な実施形態について説明する。本発明の方法においては、まず溶解した炭素源としてのフェノール樹脂等とシリコン粉末を混合したスラリーを、スポンジ状多孔質構造体の有形骨格に十分に塗布し、あるいはそのスラリーに多孔質構造体を浸して含浸させた後、スラリー液が連続気孔部を塞がない程度にまで絞り、乾燥させる。この乾燥は、約70℃で12時間程度行うのが望まれる。
上記多孔質構造体は、前述したように、樹脂あるいはゴム製等のスポンジ、あるいは、スポンジ形状のプラスチック類や紙等を用いることができる。また、多孔質構造体の有形骨格に含浸させる樹脂類としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、有機金属ポリマーまたは蔗糖から選ばれた少なくとも1種を用いることができ、必要に応じて前記添加剤等を添加することができる。さらに、炭化ケイ素の生成に用いる上記シリコン粉末としては、微粉末が適しており、特に平均粒径が30μm以下の微粉末が好適である。粒径が大きなものは、ボールミル等により粉砕して微粉化すればよい。
次に、このようにして得られた多孔質構造物を、真空あるいはアルゴンなどの不活性雰囲気下で、900〜1350℃程度の温度において炭素化する。これによって得られる炭素化複合体においては、スポンジの多孔質構造体は熱分解して無くなり、骨格部分はフェノール樹脂の炭素化による炭素部分と、シリコン粉末が混ざりあっている状態になり、骨格部分の形状も、元の形状と同じである。また、炭素化した多孔質構造体は加工可能な強度がある。
この炭素化した多孔質構造体は、真空あるいはアルゴンなどの不活性雰囲気下で1350℃以上の温度において焼成処理し、炭素とシリコンとを反応させて溶融シリコンと濡れ性のよいポーラスな炭化ケイ素を構造体の有形骨格部分上に形成させる。同時に、この反応が体積減少反応であるため、その体積減少反応に起因する開気孔が生成される。その結果、マトリックス部が、気孔を有する炭化ケイ素及び残留炭素により形成された多孔質構造焼結体を得る。
次に、この多孔質構造焼結体は、真空或いは不活性化雰囲気下において1300〜1800℃程度の温度に加熱し、骨格上にあるポーラスな炭化ケイ素と炭素部分にシリコンを溶融含浸することにより、炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質材が得られる。なお、本発明の方法において用いるシリコン粉末と樹脂からの炭素との混合の割合は、シリコンと炭素との原子比がSi/C=0.05〜4になるように選ぶのが望ましい。
次に、実施例により本発明の方法をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを500〜600μmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を塞がない程度に絞った後、乾燥させた。この時、スポンジは軸方向で約20%膨張した。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、炭素化前に比べて軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径500〜600μm、開気孔率97%、密度0.07g/cm3であり、つぶれた気孔は見つからなかった。
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを500〜600μmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を塞がない程度に絞った後、乾燥させた。この時、スポンジは軸方向で約20%膨張した。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、炭素化前に比べて軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径500〜600μm、開気孔率97%、密度0.07g/cm3であり、つぶれた気孔は見つからなかった。
[実施例2]
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを約1mmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。この時、スポンジは軸方向で約20%膨張した。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、炭素化前に比べて軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径約1mm、開気孔率97%、密度0.06g/cm3であった。
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを約1mmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。この時、スポンジは軸方向で約20%膨張した。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、炭素化前に比べて軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径約1mm、開気孔率97%、密度0.06g/cm3であった。
[実施例3]
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを約1.5〜2mmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。この場合、スポンジの膨張は、ほとんど無かった。
次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、最終的には軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。
得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径1.5〜2mmで、開気孔率95%、密度0.1g/cm3であった。
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするために1日間ボールミル混合し、それらを約1.5〜2mmの気孔を有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。この場合、スポンジの膨張は、ほとんど無かった。
次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行い、スポンジ形状の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質複合材を得た。スポンジは炭素化の際に収縮し、最終的には軸方向で約12%の収縮を生じて僅かに小さくなった。
得られた炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材は、スポンジと同じ構造で、気孔径1.5〜2mmで、開気孔率95%、密度0.1g/cm3であった。
[比較例1]
実施例1で用いたスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成すると、跡形もなく無くなった。
実施例1で用いたスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成すると、跡形もなく無くなった。
[比較例2]
エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、500〜600μmの気孔と有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行ったが、シリコンの含浸は生じず、炭素質多孔体のままであった。
エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、500〜600μmの気孔と有するポリウレタン製のスポンジに含浸し、スラリー液が連続気孔部を覆わない程度に絞った後、乾燥させた。次に、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質多孔体を真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行ったが、シリコンの含浸は生じず、炭素質多孔体のままであった。
Claims (7)
- 溶融シリコンと濡れ性のよい炭化ケイ素を含むと同時に、体積減少反応に起因する開気孔が生成された炭素化多孔質構造焼結体にシリコンを溶融含浸させてなる炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材であって、
前記炭素化多孔質構造焼結体が、有形骨格を形成する樹脂、ゴム、及び紙から選択され1つのスポンジ状多孔質構造体の有形骨格に、炭素源としての樹脂類及びシリコン粉末を含んだスラリーを、前記スポンジ状多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させて炭素化した炭素化多孔質構造体の反応焼結により形成したものである
ことを特徴とする炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材。 - 樹脂、ゴム、及び紙から選択され1つのスポンジ状のスポンジ状多孔質構造体の有形骨格に、炭素源としての樹脂類及びシリコン粉末を含んだスラリーを、スポンジ状多孔質構造体の連続気孔が塞がれない範囲内で含浸させた後、真空或いは不活性雰囲気下において900〜1350℃で炭素化し、その炭素化多孔質構造体を、真空或いは不活性雰囲気下において、1350℃以上の温度で反応焼結させることにより、溶融シリコンと濡れ性のよい炭化ケイ素を生成させると同時に、体積減少反応に起因する開気孔を生成させ、この多孔質構造体に、真空或いは不活性化雰囲気下において1300〜1800℃の温度でシリコンを溶融含浸することを特徴とする炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
- 前記樹脂類として、フェノール樹脂、フラン樹脂、有機金属ポリマー、及び蔗糖から選ばれた少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項2に記載の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
- 前記スラリーに、添加剤として、炭素粉末、黒鉛粉末、及びカーボンブラックから選択される1種以上を加えることを特徴とする請求項2又は3に記載の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
- 前記スラリーに、骨材或いは酸化防止剤として、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコン、アルミナ、シリカ、ムライト、二ケイ化モリブデン、炭化ホウ素、及びホウ素粉末から選択される1種以上を添加することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
- 前記シリコン粉末として、マグネシウム、アルミニウム、チタニウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、及びタングステンから選ばれた少なくとも1種のシリコン合金、又はこの一種とシリコン粉末の混合物を用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
- 前記溶融含浸用のシリコンとして、マグネシウム、アルミニウム、チタニウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、及びタングステンから選ばれた少なくとも1種のシリコン合金、又はこの一種とシリコンの混合物を用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材の製造方法。
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