JP2005272220A - 軽量セラミックスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業環境を低下させることなく且つ気孔率や気孔径を制御して目的の用途に最適な軽量セラミックスを製造する。
【解決手段】ガラス成分を含むセラミックス原料を用いて形成した中空の顆粒を成形した後、1500℃〜1600℃で焼成する。特に、中空の顆粒の粒子径及び、又は中空の顆粒の外皮の厚さを調整してかさ密度を調整することが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラス成分を含むセラミックス原料を用いて形成した中空の顆粒を成形した後、1500℃〜1600℃で焼成する。特に、中空の顆粒の粒子径及び、又は中空の顆粒の外皮の厚さを調整してかさ密度を調整することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、軽量セラミックスの製造方法に関し、特に、炭素系原料を用いることなく製造することで製造工程過程をクリーンな状態に保持することが出来、且つ気孔率や気孔径を制御することが出来る軽量セラミックスの製造方法に関するものである。
多孔質セラミックスは、フィルター或いは断熱材を含む多様な用途がある。そして多孔質セラミックスを製造するための方法として、例えば、ポリウレタンフォームの原料中にセラミックス原料を混合し、発泡成形した後、焼成してポリウレタン成分を焼却する方法、粒状の樹脂を詰め込んでおき、この樹脂間にセラミックススラリーを流し込み、乾燥させた後焼成する方法、ガラスに炭素源を混合し、成形後に気散させる方法、セラミックス繊維を加圧成形した後、焼結する方法、等の製造方法が提案されている。
上記方法で得られた多孔質セラミックスは、空隙率が大きく、耐熱性及び耐薬品性が大きく、所望を形状を得ることが出来るものの、強度が低く磨耗に弱いという問題がある。また気孔径や空隙率を安定させることが難しいという問題もある。
本件発明者等は上記の如き多孔質セラミックスが持つ問題点を解決して軽量化したセラミックス(軽量セラミックス)の開発に携っている。この結果、酸化物系セラミックス原料に炭素源を混合した原料を成形し、この成形物を還元雰囲気で焼成した後、再度酸化雰囲気で焼成して炭素源を焼却することで、空隙を形成した軽量セラミックスの製造方法を開発した(特許文献1参照)。この発明では、強度の低下が少なく、気孔径の制御が容易で安定した軽量セラミックスを製造することが出来るという利点を有する。
特許文献1に記載した発明は、セラミックス原料に炭素系原料を混合した原料を成形した後、酸化雰囲気で焼成して炭素を燃焼させることで、炭素の酸化気散跡を気孔(空隙)として軽量化をはかる軽量セラミックスの製造方法である。この発明では、炭素系原料として、カーボンブラック、グラファイト等の炭素そのもの、或いは炭素含有量が高い高分子化合物(樹脂類或いは油脂類)を用いている。このような炭素原料は多くは黒色であり、また焼成の際に炭素系原料の酸化分解に伴って臭いが生じ、作業環境を低下させる虞がある。
本発明の目的は、作業環境を低下させることなく且つ気孔率や気孔径を制御し得る軽量セラミックスの製造方法を提供することにある。
本件発明者等は、引き続き従来の多孔質セラミックスの持つ問題を解決し、且つ特許文献1に記載した発明の改良をはかることが出来る軽量セラミックスの製造方法の開発に携わってきた。その結果、セラミックス原料からなる中空の球を規則的に接合させることで強度を発現し、且つかさ密度を容易に調整することが出来る軽量セラミックスの製造方法を完成させるに至った。即ち、本発明に係る軽量セラミックスの製造方法は、ガラス成分を含むセラミックス原料を用いて形成した中空の顆粒を成形した後、1500℃〜1600℃で焼成することを特徴とするものである。
上記軽量セラミックスの製造方法に於いて、中空の顆粒の粒子径及び、又は中空の顆粒の外皮の厚さを調整してかさ密度を調整することが好ましい。
本発明に係る第1の軽量セラミックスの製造方法では、セラミックス原料が、ガラス成分を含むものの炭素系原料を含むことがないので、取り扱い時に炭素系原料による黒色が周囲に影響を与えることがなく、且つ焼成する際に炭素系原料の酸化分解に伴う臭いが生じることがない。従って、作業環境を低下させることがなく、良好な環境を保持して製造することが出来、且つ中空の顆粒を接合させることで高い強度を発揮することが出来る。
また本発明に係る第2の軽量セラミックスの製造方法では、中空の顆粒の粒子径や外皮の厚さを選択的に調整することでかさ密度を調整することによって、用途に対応させて最適なかさ密度を持った軽量セラミックスを製造することが出来る。
また本発明に係る製造方法を実施して得られた軽量セラミックスは、独立気孔が主体となるため、高い性能を持つ断熱材として利用することが出来る。またかさ密度を調整して気孔率を所望の値に調整することで、濾過すべき物体のサイズに対応させた効率の良いフィルターとして利用することが出来る。
以下、本発明に係る軽量セラミックスの製造方法の最も好ましい形態について説明する。本発明の軽量セラミックスの製造方法は、ガラス成分を含むセラミックス原料を用いて中空の顆粒を造粒し、この顆粒を成形して1500℃〜1600℃の範囲で焼成することで、成形形状を保持した軽量セラミックスを製造するものである。
更に、顆粒の粒子径や外皮の厚さを調整することでかさ密度を調整し、これにより、目的の用途に最適なかさ密度を持った軽量セラミックスを製造することを実現したものである。
本発明に於いて、セラミックス原料はガラス成分を含むものの、炭素系原料を含むことはない。即ち、セラミックス原料として炭化物系原料をも含むものではない。従って、セラミックス原料としては酸化物系原料と非酸化物系原料とがあるが、焼成炉の雰囲気の制御を考慮した場合、酸化物系のセラミックス原料を用いることが好ましい。このような酸化物系原料としては、アルミナ、ジルコニアがあり、何れも好ましく用いることが可能である。
セラミックス原料に含まれるガラス成分は焼成時に顆粒どうしを接合する機能を有するものであり、この機能を発揮し得るものであれば特に限定するものではない。このようなガラス成分としては、酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等があり、これらを複数種混合して用いることが可能である。これらのガラス成分は、1500℃〜1600℃の焼成温度範囲で顆粒の表面に移動し易い性質を有しており、顆粒どうしを接合すること、即ち、バインダーとしての機能を発揮する。
セラミックス原料に於けるガラス成分の混合率は5%〜20%の範囲であることが好ましい。ガラス成分の混合率が前記範囲よりも多くなると、顆粒どうしの接合強度を増加させるものの、得られた軽量セラミックス製品の耐熱温度を低下させ、またかさ密度の低い範囲を制御することが困難となる。また混合率が前記範囲よりも少なくなると、得られた軽量セラミックス製品が充分な強度を発揮することが困難になる。
ガラス成分を含むセラミックス原料からなる中空の顆粒を形成する方法として特に限定するものではないが、通常の顆粒製造技術として確立しているスプレードライ方式を採用することが好ましい。即ち、アルミナ又はジルコニアからなるセラミックスの基原料の粉末と、ガラス成分となる酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムの中から選択された複数の基原料の粉末と、からなるスラリーを調製し、PVA等の有機バインダーを添加した後、このスラリーをスプレードライすることにより、セラミックス原料からなる中空の顆粒を形成すること(造粒すること)が可能である。
ガラス成分を含むセラミックス原料からなる中空の顆粒を成形する場合、この顆粒が極めて流動性を有することから、皿状の焼結用鞘に敷き詰めることが好ましい。そして、焼結用鞘に敷き詰めた状態で焼成することで、板状或いは塊状の軽量セラミックス製品を得ることが可能となる。
このように、本発明に係る製造方法で得られた軽量セラミックス製品は、板状或いは塊状となる。このため、目的の用途が特殊な形状を有するものである場合、この形状を板状或いは塊状の軽量セラミックス製品から切り出して最終製品を得ることが好ましい。
板状或いは塊状に形成された軽量セラミックス製品から目的の形状を切り出す加工法を特に限定するものではないが、例えばレーザ加工法やプラズマ加工法、或いは特殊工具による機械切削法等があり、目的の用途に応じた形状や、軽量セラミックス製品のかさ密度等の条件に応じて適宜選択することが好ましい。
上記の如く、本発明に係る軽量セラミックスの製造方法では、セラミックス原料からなる中空の顆粒をガラス成分を介して接合している。このため、個々の顆粒毎の中空部分が気孔を構成することとなる。従って、顆粒の大きさ及び、又は外皮の厚さを調整することで、中空部分の大きさ(気孔の大きさ)を調整することが可能となる。
即ち、顆粒の大きさ及び、又は外皮の厚さを適宜調整することで、気孔の大きさを調整することが可能であり、この調整に伴って、得られた軽量セラミックス製品のかさ密度を調整することが可能である。
セラミックス原料からなる顆粒の大きさの調整、外皮の厚さの調整は、スプレードライを実施する際のスラリーの濃度、ディスクの回転数、温度等の条件を適宜設定することで行われる。この条件の設定は一般的に行われている方式である。
本発明に係る製造方法を実施して得られた軽量セラミックス製品では、該軽量セラミックス製品を構成する個々の顆粒が中空であるため、主体は独立気孔となる。このため、高い強度と耐熱性を発揮することが可能となり、微細なフィルターとしての機能を発揮することも可能となる。
セラミックスの基原料をアルミナとし、この基原料にガラス成分として、酸化ケイ素を5.5重量%、酸化マグネシウムを1.5重量%、酸化カルシウムを0.6重量%、酸化ナトリウムを0.3重量%(ガラス成分のセラミックス原料に対する混合率は7.9重量%)を混合したスラリーをスプレードライして大きさが150μm以下の顆粒を作った。
次いで得られた顆粒を、150μm〜106μm(平均128μm)、106μm〜75μm(平均91μm)、75μm〜63μm(平均69μm)、63μm〜45μm(平均54μm)の顆粒に分級し、アルミナ製の焼結用鞘に振動のみを付与して充填し、温度1510℃で2時間保持して焼成し、各分級毎の板状の軽量セラミックスからなる4試料を得た。
各試料毎のかさ密度と見掛け気孔率を図1に示す。尚、同図には試料を顆粒の平均サイズで示している。
図に示すように、顆粒の大きさが平均128μmの試料では、かさ密度が最も大きく約1.85g/cm3 で、見掛け気孔率は最も小さく約51%であった。また顆粒の大きさが平均91μmの試料では、かさ密度が約1.65g/cm3 で、見掛け気孔率は約55%であった。顆粒の大きさが平均69μmの試料では、かさ密度が約1.5g/cm3 で、見掛け気孔率は約61%であった。顆粒の大きさが平均54μmの試料では、かさ密度が最も小さく約1.45g/cm3 で、見掛け気孔率は最も大きく約62%であった。
上記の如く、本実施例では、かさ密度が約1.45g/cm3 〜約1.85g/cm3 、見掛け気孔率が約61%〜約51%の軽量アルミナセラミックスを得ることができた。このかさ密度と見掛け気孔率を持つセラミックス製品は、従来の多孔質セラミックスと比較して充分に軽量化されているとすることが可能である。
尚、顆粒の大きさが平均128μmの試料では曲げ強度が約12.7MPa(13kgf/cm2 )であり、また顆粒の大きさが平均54μmの試料の曲げ強度は約0.98MPa(10kgf/cm2 )であった。この強度は、断熱材や耐火材として、或いはフィルターとして利用する際に充分な強度であるといえる。
本発明に係る製造方法を実施して得られた軽量セラミックス製品は、主体は独立気孔であり、かさ密度を調整することで気孔の大きさを調整して、高い強度と、高い耐熱性、微細なフィルターとしての機能、を発揮することが可能となる。このため、例えば最高温度が1100℃程度の汎用型電気炉の断熱材として、或いは焼成温度以下の温度に対する耐熱材として利用することが可能である。また水洗による掃除が出来ないような場所に用いるフィルターとして利用することも可能であり、この場合、フィルターとしての軽量セラミックス製品の掃除は加熱によるダストの強制燃焼であっても、気孔を損傷することがなく、繰り返し利用することが可能である。
Claims (2)
- ガラス成分を含むセラミックス原料を用いて形成した中空の顆粒を成形した後、1500℃〜1600℃で焼成することを特徴とする軽量セラミックスの製造方法。
- 前記中空の顆粒の粒子径及び、又は中空の顆粒の外皮の厚さを調整してかさ密度を調整することを特徴とする請求項1に記載した軽量セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2004088696A JP2005272220A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 軽量セラミックスの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008195595A (ja) * | 2006-04-04 | 2008-08-28 | Covalent Materials Corp | 多孔体およびその製造方法 |
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2004
- 2004-03-25 JP JP2004088696A patent/JP2005272220A/ja active Pending
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