JP2005271710A - 弾性クローラ - Google Patents

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知久 吉田
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Abstract

【課題】 縁石等への乗り上げによるクローラ縁部の亀裂の発生や、これに伴うクローラ縁部の切断が防止された弾性クローラを得る。
【解決手段】 芯金2の接地側の面2eは、クローラ幅方向略中央部2dから端部2fにわたり一つの連続した平面とされ、芯金2はその翼部先端2dがラグ接地面5aの幅方向端部5bよりも外側となるようにクローラ本体1に埋設されている弾性クローラC1とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種のクローラ式走行装置に用いられる弾性クローラに関する。
クローラ走行装置は現在コンバイン等の農業機械、バックホー等の建設作業機械等に幅広く用いられている。これらのクローラ走行装置には無端状の弾性クローラが装着され、この弾性クローラは、弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向端部に翼部を有する芯金と、この芯金の接地側に設けられた抗張体と、前記クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された多数のラグよりなるラグ群とからなるものが使用されている。
クローラ走行装置の運転時において縁石等に乗り上げた際、芯金の翼部先端と縁石との間にクローラの外側縁部(以下、クローラ縁部という)が挟まれてしまう。このために、クローラ縁部に変形が繰り返された場合には当該クローラ縁部の切断につながる。このようなクローラ縁部の切断を防止しようとした弾性クローラとして、クローラ本体に埋設された芯金の翼部先端側部をクローラの内周側に向けて傾斜させ、当該翼部先端を船底形部としたものが開示されている(特許文献1参照)。
特開平11−348847号公報(図7)
前記特許文献1に記載の弾性クローラの場合、クローラ縁部に対応する部分には芯金の翼部先端におけるクローラ内周方向に傾斜された部分が入っている。従って、クローラが縁石に乗り上げたときの角度によっては、その縁石から受ける力を芯金で十分に受けることができない。このような場合には、クローラ縁部の弾性材部のみでその力を受けなければならず、変形が繰り返された場合には亀裂の発生及び成長を抑制することはできない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部の亀裂の発生や、これに伴うクローラ縁部の切断を防止することができる弾性クローラを得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、第1の本発明は、弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向端部に翼部を有する芯金と、この芯金の接地側に設けられた抗張体と、前記クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されかつ両端面が接地側に向かって窄まる形状に形成された多数のラグよりなるラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、前記芯金の接地側の面は、クローラ幅方向略中央部から端部にわたり一つの連続した平面とされ、前記芯金は、その翼部先端が前記ラグ接地面のクローラ幅方向端部よりも外側となるようにクローラ本体に埋設されていることを特徴とする。
この場合、芯金の接地側の面がクローラ幅方向略中央部から端部にわたり一つの連続した平面とされ、この芯金はその翼部先端が前記ラグ接地面のクローラ幅方向端部よりも外側となるようにクローラ本体に埋設されているので、芯金の翼部がクローラ内周方向へ角度を変えずにクローラ幅方向に向けてクローラ縁部に一直線に入り込み、そのクローラ縁部の剛性が上がる。従って、クローラが縁石に乗り上げてクローラ縁部に力がかかった際のクローラ縁部の撓みが小さくなる。縁石に対するクローラの傾斜角度が大きくなった場合であっても、クローラ本体を形成する弾性部材のみにその力がかるのを防ぐことができ、クローラ縁部の撓みが大きくならない。また、ラグの傾斜している端面に縁石が当接した場合には、当該縁石をクローラの外側へ逃がすことができる。このように、クローラ縁部の撓みが小さく、乗り上げた縁石等がクローラの外側に逃げやすいことから、クローラ縁部での亀裂の発生及び成長を抑制することができる。
さらに、クローラ縁部の亀裂の発生及び成長を抑制するために、上記の本発明において、各芯金の翼部先端がクローラ幅方向外側に膨らむ湾曲形状に形成され、かつこの翼部先端の曲率半径を当該翼部幅(翼部におけるクローラ周方向の幅)で除した数値が0.4以上となるように設定することが好ましい。
前記曲率半径をこのような値に設定することによって、芯金の翼部先端の湾曲形状がなだらかとなり亀裂の発生及び成長をさらに抑制することができる。前記曲率半径を翼部幅で除した数値が0.4未満である場合には、芯金の翼部先端に曲率半径の小さい湾曲形状ができることになり、クローラ縁部の亀裂の発生を十分に抑制することができない
また、第2の本発明は、弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向端部に翼部を有する芯金と、この芯金の接地側に設けられた抗張体と、前記クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されたラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、前記クローラ本体に前記芯金の翼部先端の接地側を被う補強層が設けられ、この補強層はクローラ幅方向に配向した多数の繊維よりなることを特徴とする。
この場合、芯金の翼部先端の接地側が補強層で被われるので、クローラが縁石に乗り上げた際における前記翼部先端にかかろうとする力を当該補強層で受け止めることができる。さらに、補強層を構成する多数の繊維がクローラ幅方向(ラジアル方向)に配向されているので、クローラ縁部にかかる力が繊維方向であるクローラ幅方向に沿って逃がされる。これにより、芯金の翼部先端へかかる力が減少するのと同時に、縁石から受ける力が分散され、クローラ縁部の亀裂の発生及び成長を著しく低減することができる。
また、補強層を構成する繊維をクローラ本体に対してバイヤス方向ではなく、本発明のようにラジアル方向とすることで、クローラ縁部にかかる力が当該クローラ縁部内で斜め方向に偏らないので、クローラの捻れを防ぐことができる。さらに、バイヤス方向とした場合には、逆方向を組み合わせて2枚重ねにする必要があり弾性クローラの屈曲剛性が上がってしまうのに対して、本発明では1枚のみでよいことから屈曲剛性がさほど上がらない。従って、クローラ走行装置の馬力ロスが発生しない。
上記第2の発明において、前記補強層をクローラ幅方向の両端部間にわたる幅でクローラを周回させることや、これよりも短い幅で周回させることができるが、前記補強層のクローラ幅方向の長さをA、前記翼部先端から前記補強層外端までの長さをB、前記翼部先端からクローラ外側端部までの長さをCとした場合、AをCで除した数値が0.5〜2.0とされ、かつBをCで除した数値が0.3〜0.8とされていることが好ましい。その理由は、AをCで除した数値が、0.5未満ではゴムの加硫時の動きにより狙いの位置に補強層を設定し難く、2.0を越えると補強効果に対し補強層が余剰となる。また、BをCで除した数値が0.3未満ではクローラ縁部の剛性が得られず当該縁部の切断を防止する効果を得ることができない。0.8を越えると上下型の割り面から補強層が露出するおそれがあり当該補強層を挟んで、クローラ本体の内周面側と接地側にゴムが割れる原因となる。
一方、上記本発明の弾性クローラを製造する際において、前記補強層を設けたためにコストアップとなっているが、このコストアップ分を低減する方法として、前記補強層を前記芯金の翼部先端近傍にのみ設けるようにすればよい。このようにすれば、補強層をクローラ周方向で周回させるように設けた場合(すなわち補強層がクローラ周方向で連続するように設けられた場合)よりも、補強層の使用量が減り弾性クローラの製造コストを抑えることができる。また、弾性クローラを軽量化することにもつながる。
また、前記補強層には各種の繊維を用いることができるが、クローラ本体(ゴム材)の引張り強度よりも高い引張り強度を有する素材よりなる繊維とすれば、補強層の耐荷重性が高くなり、クローラ縁部が繰り返して変形された場合のクローラ縁部の耐久性を向上することができる。このような繊維として、スチール繊維、ナイロン等の脂肪族ポリアミド及びケブラー等の芳香族ポリアミドが挙げられる。
上記の通り、本発明によれば、クローラ縁部の撓みを小さくするか、芯金の翼部先端へかかる力を減らして、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部の亀裂の発生や、これに伴うクローラ縁部の切断を防止することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
は、第1の本発明に係る弾性クローラC1の一実施形態を示している。弾性クローラC1は、農業機械や建設作業機械等の走行部として採用されるクローラ走行装置に用いられるもので、弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体1と、このクローラ本体1内にクローラ周方向Xに間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向Y端部に翼部2Aを有する芯金2と、この芯金2の接地側に設けられた抗張体3と、クローラ本体1の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されかつ両端面5cが接地側に向かって窄まる形状に形成された多数のラグ5よりなるラグ群とを備えている。
なお、この弾性クローラC1は、所定位置に配置された駆動スプロケットと、アイドラと、当該駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数個の転輪により主構成される図示しないクローラ走行装置の外周に巻き掛けられて用いられる。
クローラ本体1は、ゴム等の弾性材料を無端帯状に形成することにより形成されており、当該クローラ本体1の外周面にはクローラ周方向Xに所定間隔をおいて多数のラグ5が一体に突設されている。このラグ5は、弾性クローラC1の左右両側に配置され、左右一方のラグ5と、他方のラグ5とは、クローラ周方向Xに位置ずれさせて配置されていて、千鳥状となっている。この左右のラグ5は、その端面5cが接地側に向かって窄まる形状に形成され、断面略台形状でクローラ幅方向Yに延びるように形成されており、芯金2と対応するクローラ周方向X位置でかつ芯金2と同じピッチでクローラ本体1の外周面に配置されている。
また、芯金2はクローラ本体1のクローラ幅方向Yを補強するものであり、この芯金2の接地側にはクローラ本体1の伸長を規制するスチールコード等による抗張体3がクローラ本体1のクローラ周方向X全周にわたって並設されている。この芯金2は、クローラ幅方向Yに長く形成されたもので、同幅方向Yの中央部に位置する肉厚部2Bと、この肉厚部2Bからクローラ幅方向Y外側に延びる翼部2Aと、クローラ走行装置の転動輪(図示せず)の転動経路を一定範囲に規制すべく肉厚部2Bの内周側から突設された左右一対の係合突起2Cとを有している。
また、芯金2の幅方向略中央部2dから翼部先端2fまでの接地側の面2eが一つの連続した平面となっており、芯金2はその面2eがクローラ本体1の接地面に対して平行となるようにクローラ本体1内に埋設されている。また、芯金2の長さLsをクローラ幅Lcで除した数値が0.70〜0.95とされている。その理由は、クローラ幅Lに対する長さ比率が0.7未満である場合には、弾性クローラC1に必要な抗張体3が翼部2Aの接地側の面2e(平坦面)に入りきらなくなるからであり、0.95を越える場合には、翼部先端2fとクローラ本体1の端との間のゴム厚さが少なくなり、弾性クローラC1側面の外傷によりすぐに芯金2が露出してしまうおそれがあるからである。
さらに、芯金2は、当該芯金2の翼部先端2fがラグ接地面5aの幅方向端部5bよりもクローラ幅方向Y外側となるようにクローラ本体1に埋設されている。例えば、特許文献1(特開平11−348847号公報)の弾性クローラに使用されている芯金はその翼部先端がクローラ内周側へ向けて角度を変えているので、弾性クローラが急な角度で縁石に乗り上げた際に、そこから受ける力を当該クローラの縁部にあるゴムのみで受けなければならず、このような乗り上げが繰り返された場合にはゴムの各所に亀裂が発生するという問題がある。しかし、本実施形態の弾性クローラC1では、芯金2はその翼部2Aがクローラ内周側へ角度を全く変えずにクローラ幅方向Yに向けてクローラ縁部1fに一直線に入り込んでいる。従って、クローラ縁部1fの剛性が上がり、図2に示すように、弾性クローラC1が縁石Sに乗り上げてクローラ縁部1fに力がかかった際の当該クローラ縁部1fの撓みが小さくなるだけでなく、前記特許文献1の弾性クローラとは異なり当該クローラ縁部1fへかかる多様な力の方向に対処することができる。
また、図3に示すように、各芯金2の翼部先端2fがクローラ幅方向Y外側に膨らむ湾曲形状に形成され、かつこの翼部先端2fの曲率半径Rを当該翼部幅M(翼部2Aにおけるクローラ周方向Yの幅)で除した数値が0.4以上となるように設定されている。前記曲率半径Rをこのような値に設定することによって、芯金2の翼部先端2fの湾曲形状がなだらかとなり、クローラ縁部1fの亀裂の発生及び成長を抑制する効果が高まる。前記曲率半径Rを翼部幅Mで除した数値が0.4未満である場合には、芯金2の翼部先端2fに曲率半径Rの小さい湾曲形状ができることになり、クローラ縁部1fの亀裂の発生を十分に抑制することができない
上記実施形態に係る弾性クローラC1によれば、芯金2の翼部2Aがクローラ内周方向へ角度を変えずにクローラ幅方向Yに向けてクローラ縁部1fに一直線に入り込んでいるので、クローラ縁部1fの剛性が上がることになり、クローラが縁石Sに乗り上がった際にクローラ縁部1fの撓みが小さくなる。
また、縁石Sに対するクローラの傾斜角度が大きくなった場合であっても、クローラ縁部1fにかかる力が、クローラ本体1を形成する弾性部材のみにかけられるのを防ぐことができ、クローラ縁部1fの撓みが大きくならない。また、ラグ5の傾斜している端面5cに縁石Sが当接した場合には、当該縁石Sをクローラの外側へ逃がすことができる。
このように、クローラ縁部1fの撓みが小さく、かつ縁石S等がクローラの外側に逃げやすくなっていることから、クローラ縁部1fでの亀裂の発生及び成長を抑制することができ、クローラ縁部1fの切断が防止される。また、芯金2の翼部先端2fの湾曲形状がなだらかとなっているので、クローラ縁部1fの亀裂の発生及び成長を抑制する効果が高まる。
図4〜図6は、第2の本発明に係る弾性クローラC2の第1実施形態を示している。本発明の特徴は、クローラ本体1に芯金2の翼部先端2fの接地側を被う補強層7が設けられ、この補強層7はクローラ幅方向Yに配向した多数の繊維よりなる点である。
この弾性クローラC2は、前記第1の発明と同じく農業機械や建設作業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置に用いられるものである。図4、図5に示すように、弾性クローラC2は、無端帯状に形成してなるクローラ本体1と、このクローラ本体1内にクローラ周方向Xに間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向Y端部に左右の翼部2Aを有する芯金2と、同クローラ本体1の内部にクローラ周方向Xに沿って埋設された抗張体3と、同抗張体3の接地側に設けられた補強層7と、クローラ本体1の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されたラグ5よりなるラグ群とを備えている。
なお、この弾性クローラC2は、所定位置に配置された駆動スプロケットと、アイドラと、当該駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数個の転輪により主構成される図示しないクローラ走行装置の外周に巻き掛けられて用いられる。
クローラ本体1は、ゴム等の弾性材料を無端帯状に形成することにより形成されており、当該クローラ本体1の外周面にはクローラ周方向Xに所定間隔をおいて多数のラグ5が一体に突設されている。このラグ5は、弾性クローラC1の左右両側に配置され、左右一方のラグ5と、他方のラグ5とは、クローラ周方向Xに位置ずれさせて配置されていて、千鳥状となっている。この左右のラグ5は、その端面5cが接地側に向かって窄まる形状に形成され、断面略台形状でクローラ幅方向Yに延びるように形成されており、芯金2と対応するクローラ周方向X位置でかつ芯金2と同じピッチでクローラ本体1の外周面に配置されている。
また、芯金2はクローラ本体1のクローラ幅方向Yを補強するものであり、この芯金2の接地側にはクローラ本体1の伸長を規制するスチールコード等による抗張体3がクローラ本体1のクローラ周方向X全周にわたって並設されている。この芯金2は、クローラ幅方向Yに長く形成されたもので、同幅方向Yの中央部に位置する肉厚部2Bと、この肉厚部2Bからクローラ幅方向Y外側に延びる翼部2Aと、クローラ走行装置の転動輪(図示せず)の転動経路を一定範囲に規制すべく肉厚部2Bの内周側から突設された左右一対の係合突起2Cとを有している。
補強層7は、クローラの左右両端部に設けられており、かつ芯金2の翼部先端2fの接地側を被うように設けられている。また、この補強層7は、図5に示すように、クローラ周方向Xに沿って連続して構成されておりクローラを周回している。従って、補強層7はその長手方向をクローラ周方向Xに向けてクローラ本体1の全周にわたって埋設されている。また、補強層7は多数の芳香族ポリアミド繊維(デュポン社のケブラー(商品名))をその幅方向に配向させて製作されたものである。従って、多数の前記繊維は、クローラ本体1に対してそのラジアル方向(クローラ幅方向Y)に配向している。
なお、前記補強層7には有機系繊維、スチール繊維、その他各種の繊維を用いることができるが、クローラ本体(ゴム材)の引張り強度(単位面積当たりの強度)よりも高い引張り強度を有する素材よりなる繊維とすれば、クローラ縁部1fの耐荷重性が高まり、クローラ縁部1fの耐久性を向上することができる。このような繊維として、上記以外では、ナイロン等の脂肪族ポリアミド及びポリエステル、ポリオレフィン系の繊維が挙げられる。
また、図6に示すように、補強層7のクローラ幅方向Yの長さをA、翼部先端2fから補強層外端7aまでの長さをB、翼部先端2fからクローラ外側端部1cまでの長さをCとした場合、AをCで除した数値が0.5〜2.0とされ、かつBをCで除した数値が0.3〜0.8とされている。その理由は、AをCで除した数値が、0.5未満ではゴムの加硫時の動きにより狙いの位置に補強層7を設定し難く、2.0を越えると補強効果に対し補強層7が余剰となる。また、BをCで除した数値が0.3未満ではクローラ縁部1cの剛性が得られず当該縁部1cの切断を防止する効果を得ることができない。0.8を越えると上下型の割り面から補強層7が露出するおそれがあり当該補強層7を挟んで、クローラ本体1の内周面側と接地側にゴムが割れる原因となる。
この場合、芯金2の翼部先端2fの接地側が補強層7で被われるので、クローラが縁石に乗り上げた際における前記翼部先端2fにかかろうとする力を当該補強層7で受け止めることができる。さらに、補強層7を構成する多数の繊維がクローラ幅方向X(ラジアル方向)に配向されているので、クローラ縁部1fにかかる力が繊維方向であるクローラ幅方向Xに沿って逃がされる。これにより、芯金2の翼部先端2fへかかる力が減少するのと同時に、縁石から受ける力が分散され、クローラ縁部1fの切断を著しく低減することができる。
また、補強層7を構成する繊維をクローラ本体1に対してバイヤス方向ではなく、本発明のようにラジアル方向とすることで、クローラ縁部1fにかかる力が当該クローラ縁部1f内で斜め方向に偏らないので、クローラの捻れを防ぐことができる。さらに、バイヤス方向とした場合には、逆方向の補強層を組み合わせて2枚重ねにする必要があり弾性クローラの屈曲剛性が上がってしまうのに対して、本発明では補強層7が1枚のみでよいことから弾性クローラの屈曲剛性がさほど上がらない。従って、クローラ走行装置の馬力ロスが発生しない。
図7は、第2の本発明に係る第2実施形態を示している。本実施形態が、上記第1実施形態と異なる点は、補強層10が前記芯金2の翼部先端2f近傍にのみ設けられている点である。図に示すように、各補強層10はクローラの左右両端部で前記翼部先端2fに対応する位置にのみ設けられており、クローラ周方向Xに沿って並べられている。また、補強層10は、第1実施形態と同様に抗張体3の接地側で、かつ翼部先端2fの接地側を被うように設けられている。各補強層10はすべて同寸法で平面視矩形状をなしており、翼部2Aのクローラ周方向X幅よりも広く、クローラ幅方向で翼部先端2aよりも外側へ出るように設けられている。この補強層10を構成する繊維、及びその配向は上記第1実施形態と同様である。
補強層10が芯金2の翼部先端2fにのみ設けられていることにより、第1実施形態のように補強層7をクローラ周方向Xで周回させるように設けた場合(すなわち補強層がクローラ周方向で連続するように設けられた場合)よりも、補強層の使用量が減り弾性クローラC3の製造コストを抑えることができる。従って、補強層を設けた上記本発明の弾性クローラを製造する際において、補強層を設けたためにコストアップとなっているが、このコストアップ分を低減する方法として、本実施形態のように補強層10を翼部先端2f近傍にのみ設けるようにすればよい。また、このようにすれば弾性クローラC3を軽量化することにもつながる。
なお、上記実施例はすべて例示であって、制限的なものではない。例えば、第1の本発明における、芯金の翼部先端の形状を変更してさらにクローラ縁部1fの亀裂の発生及び成長を抑制することもでき、第2の本発明において、補強層をクローラ幅方向の両端部間にわたる広い幅でクローラを周回させるようにしてもよい。また、第1、第2の本発明において、クローラ本体、ラグ、抗張体の形状等を、弾性クローラの設計仕様に応じて適宜変更することもできる。
第1の本発明に係る弾性クローラの幅方向断面図である。 同弾性クローラが縁石に乗り上げた状態を示す図である。 同弾性クローラを接地側から見た平面図である。 第2の本発明に係る弾性クローラの幅方向断面図である。 同弾性クローラを接地側から見た平面図である。 同弾性クローラの端部近傍の断面図である。 第2の本発明の第2実施形態に係る弾性クローラを接地側から見た平面図である。
符号の説明
1 クローラ本体
1f 縁部
2 芯金
2f 翼部先端
7 補強層
R 曲率半径
M 翼部幅

Claims (6)

  1. 弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向端部に翼部を有する芯金と、この芯金の接地側に設けられた抗張体と、前記クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されかつ両端面が接地側に向かって窄まる形状に形成された多数のラグよりなるラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、
    前記芯金の接地側の面は、クローラ幅方向略中央部から端部にわたり一つの連続した平面とされ、前記芯金は、その翼部先端が前記ラグ接地面のクローラ幅方向端部よりも外側となるように前記クローラ本体に埋設されていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 前記芯金の翼部先端がクローラ幅方向外側に膨らむ湾曲形状に形成され、この翼部先端の曲率半径を当該翼部幅で除した数値が0.4以上とされている請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. 弾性体によって無端帯状に形成されたクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に間隔をおいて埋設されかつクローラ幅方向端部に翼部を有する芯金と、この芯金の接地側に設けられた抗張体と、前記クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成されたラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、
    前記クローラ本体に前記芯金の翼部先端の接地側を被う補強層が設けられ、この補強層はクローラ幅方向に配向した多数の繊維よりなることを特徴とする弾性クローラ。
  4. 前記補強層のクローラ幅方向の長さをA、前記翼部先端から前記補強層のクローラ幅方向外端までの長さをB、前記翼部先端からクローラ外側端部までの長さをCとした場合、AをCで除した数値が0.5〜2.0とされ、かつBをCで除した数値が0.3〜0.8とされている請求項3に記載の弾性クローラ。
  5. 前記補強層は前記翼部先端近傍にのみ設けられている請求項3又は4に記載の弾性クローラ。
  6. 前記繊維は、クローラ本体の引張り強度よりも高い引張り強度を有する素材よりなる請求項3〜5のいずれかに記載の弾性クローラ。
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