JP2005271365A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクの経時変化による筆記不良、描線の色相変化を防止し、使用者が作りたてのインクを使えるというイメージを与えることができ、且つ、必要に応じて使用者が好みの色を調色できる筆記具を提供することを目的とする。
【解決手段】 インク用液体30が、これに添加される着色剤50が添加されていない状態で筆記具10に収納されているとともに、使用開始に際して該インク用液体30が該着色剤50を添加されて着色インク31となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筆記具、更に詳しくは、インクを用いた筆記具であって、インク中に含まれるインク用液体と着色剤とが分離して収納されているものの、使用時には前記インク用液体と着色剤を混合し、インクとして筆記できるようにする筆記具に関するものである。
従来から、インクを用いた筆記具には、種々のものが提供されている。その多くは、筆記具自体がインクを保有し、その筆記具自体が保有するインクを筆記先端へ導いて筆記するものである。このような筆記具としては、具体的には、例えば、万年筆、ボールペン、フェルトペン、サインペン(マーカーペン)、又は、ニードルペンなどがある。そのような筆記具に用いられるインクは、染料又は顔料による着色剤を、ビヒクル(溶剤、媒体)の中にあらかじめほぼ均一に溶解又は分散させたものが一般的である。
ところで、上述したような従来の筆記具は、その着色剤がすでにビヒクル中に溶解又は分散させた状態であるため、在庫状態や保存状態で経時劣化を起こし、インクとして適さない物性に変化してしまうことが、しばしば観測された。ここでいうインクとして適さない物性に変化する経時劣化とは、pH変化や顔料凝集、溶剤乾燥による色相の変化、粘度変化による筆記性の低下、ペン先での目詰まり、等が挙げられる。
さらに、上述したような従来の筆記具は、使用者は使用する筆記具の色を、あらかじめ用意された色の中から選択するしかなく、使用者が好みに応じて、または必要に応じて、筆記具用インクの色を調色できるものではなかった。逆に筆記具メーカーにとっては、使用者が希望すると予測される色の数だけ筆記具を開発、生産、流通、販売させなくてはならないという課題がある。
これらの課題に対し、顆粒状の色材を所定の容器内で塗布可能な状態にして使用する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、これは所謂絵の具の調合方法の一つであり、使用する際には再び容器から出して使用せねばならず、本発明が目指すところの好みの色調を調整し、そのまますぐ筆記出来る筆記具または筆記具の調整方法ではない。
また、無色透明の液体を、色材の吸着された多孔質体を通すことによって着色させ筆記に用いる方法も提案されている(特許文献2)。これについても、着色させる色は生産者が予め用意した色の中から使用者が選択するしか方法が無く、使用者の要求に合わせたインキを調色できるわけではない。
特開平6−145563号公報 特開2001−260586号公報
そのため、近年、着色剤の経時劣化を防止できる筆記具、又は使用者の要求に合わせてインクを調色できる形態の筆記具の提供が望まれていた。ことに、消費者の手に渡るまでに店頭で陳列されている間の着色剤の経時劣化が問題となっていた。
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、着色剤の経時劣化を防止することで、保存安定性に優れる筆記具を提供することを第1の課題とする。
また、上記第1の課題に加え、インク用液体と、このインク用液体に着色するための着色剤とを分離して収納するとともに、使用時に前記インク用液体と着色剤を混合し使用することにより、着色剤とインク用液体との混合による経時劣化を、その筆記具の使用直前まで防止できる筆記具を提供することを第2の課題とする。
さらに、上記第1の課題に加え、使用者が自らの手で着色剤とインク用液体とを混合することにより、使用時にフレッシュで新鮮なインクを作るというイメージを使用者に与える筆記具を提供することを第3の課題とする。
また、上記第1、第2又は第3の課題に加え、インク用液体を、水もしくは水を主成分とする水溶液とすることで、インク用液体に水溶性極性溶剤もしくは水溶性液体媒体を添加することができ、保水性、筆記感、耐ペン先乾燥性に優れる筆記具を提供することを第4の課題とする。
さらに、上記第4の課題に加え、インク用液体を、防腐剤を含有する水溶液とすることで、インク用液体に防腐剤を添加することができ、保存安定性に優れる筆記具を提供することを第5の課題とする。
また、上記第1、第2、第3、第4又は第5の課題に加え、着色剤を、乾燥した粉体とすることで、着色剤の液中での経時劣化をほぼ完全に抑制し、インクの物性を長期にわたって保存できる筆記具を提供すること、また、使用者にとっても乾燥させた粉末の着色剤がインク用液体に溶解又は分散していく様子を観察できることが、ちょっと楽しいというイメージを使用者に与える筆記具を提供することを第6の課題とする。
(1)第1の発明
前記の第1の課題に鑑み、本発明のうち第1の発明に係る筆記具10は、インク用液体30が、これに添加される着色剤50が添加されていない状態で収納されているとともに、使用開始に際して該インク用液体30が該着色剤50を添加されて着色インク31となることを特徴とする。
「インク用液体30」とは、実際の筆記の際に筆記面に転写される「着色インク31」の成分のうち、着色剤50を溶解する溶媒、又は、この溶媒に筆記には適さない程度の主として美観向上を目的とする着色がなされた液体をいう。
本発明に用いる着色剤50としては、染料、顔料、着色樹脂微粒子等が挙げられる。
染料としては、例えば、アイゼンプリムラレッド4BH、アイゼンプリムライエローGCLH(以上、アイゼン)などの直接染料、アイゼンボンソーRH、アイゼンオパールピンクBH、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(以上、アイゼン)、オリエントソルプルブルーOBX、オリエントソルプルブルーOBB(以上、オリエント化学)などの酸性染料、タートラジン、アシッドレッド、フロキン(以上、アイゼン)などの食料染料、蛍光染料、増白剤などが挙げられる。
また、顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、蓄光剤、マイカ、スメクタイトのような平板状無機物、ガラスフレーク、アルミペースト、金箔などの無機顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料、その他蛍光顔料等が挙げられる。
着色樹脂微粒子としては、例えば、樹脂微粒子中に上述の顔料からなる着色剤50が分散された着色樹脂微粒子、樹脂粒子の表面が上述の顔料からなる着色剤50で被覆された着色樹脂微粒子、樹脂粒子に上述の染料からなる着色剤50が染着された着色樹脂微粒子などが挙げられる。本発明では、着色樹脂微粒子の構造(中空構造又は中実構造)、形状(球状、多角形状、扁平状又は繊維状)等は特に限定されるものでない。
着色樹脂微粒子に用いられる樹脂成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、ブタジエン等の重合体もしくはこれらの共重合体、ベンゾグアナミン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等から選択される少なくとも1種が挙げられ、必要に応じて架橋などの処理を行ったものであっても良い。これらの樹脂への着色方法としては、従来公知の懸濁重合、分散重合、乳化重合、シード重合法、ミクロゲル重合、逆ミセル重合などの手法が用いられる。好ましい着色樹脂微粒子の樹脂分としては、価格や色材との混和・染着性などの点からアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミンが望ましい。
また、着色剤50の剤形としては、粉末状、固体状、液体状が可能である。
本第1の発明に係る筆記具10は、以下のように作用する。
まず、使用開始前の状態においては、筆記具10内に収納されているインク用液体30には着色剤50が添加されていない。このことにより、インク用液体30中に溶解した状態での着色剤50の経時劣化(退色、変色)の懸念が生じない。
次に、使用開始に際して初めて、インク用液体30に着色剤50が添加されて着色インク31となる。このことにより、使用開始の時点で着色インク31が生成することとなるため、経時劣化の全くない着色インク31を使用開始の時点で得ることが可能となる。
(2)第2の発明
前記の第2の課題に鑑み、本発明のうち第2の発明は、前記第1の発明の特徴に加えて、前記インク用液体30を収納する液体収納室21、前記着色剤50を収納する着色剤収納室41、これらの液体収納室21と着色剤収納室41との交通を隔離する隔離手段24、及び、この隔離手段24を除去して前記液体収納室21と着色剤収納室41とを交通させる隔離解除手段42を備えたことを特徴とする。
「液体収納室21」とは、筆記具10内部の空間であって、インク用液体30を収納する部分をいう。
「着色剤収納室41」とは、筆記具10内部の空間であって、着色剤50を収納する部分をいう。この着色剤収納室41には、インク用液体30に溶解可能な状態に形成された着色剤50が収納される。
「隔離手段24」とは、筆記部内部において、液体収納室21と着色剤収納室41とを物理的に隔離する構造をいう。
「隔離解除手段42」とは、上記隔離手段24を物理的に除去又は移動させることの可能な構造をいう。
本第2の発明に係る筆記具10は、以下のように作用する。
まず、使用開始前の状態においては、インク用液体30は液体収納室21に収納され、一方、着色剤50は着色剤収納室41に収納され、各々の交通は隔離手段24により隔離されている。すなわち、使用開始前の状態においては、筆記具10内に収納されているインク用液体30には着色剤50が添加されていない。このことにより、インク用液体30中に溶解した状態での着色剤50の経時劣化(退色、変色)の懸念が生じない。
次に、使用開始に際して、隔離解除手段42により、隔離手段24が除去され、インク用液体30と着色剤50とが交通可能となる。すなわち、この段階で初めて、着色剤50がインク用液体30に溶解されることとなる。このことにより、使用開始の時点で着色インク31が生成することとなるため、経時劣化の全くない着色インク31を使用開始の時点で得ることが可能となる。
(3)第3の発明
前記の第3の課題に鑑み、本発明のうち第3の発明に係る筆記具10は、前記第1の発明の特徴に加え、前記着色剤50は前記インク用液体30に溶解可能な別体の着色体51として形成されるとともに、前記インク用液体30を収納するとともに脱着可能な蓋15を有する液体収納室21を備える筆記具10であって、該蓋15を取り外して該液体収納室21内へ該着色体51を投入して溶解したのち使用可能となることを特徴とする。
本第3の発明における「液体収納室21」には、脱着可能な「蓋15」がついており、この蓋15を外した状態で、「着色体51」を投入可能となっている。
「着色体51」とは、着色剤50を適宜の形状に形成したものであって、筆記具10とは別体に形成されるものをいう。また、この着色体51は、インク用液体30に投入されると容易に溶解するように形成されることを要する。着色体51の具体的な形状としては、着色剤50をタブレット状に固化させたものが可能である。また、粉体の着色剤50をインク用液体30に可溶なカプセル内の収納させたものも可能である。
このように、着色体51を筆記具10とは別体に形成することで、筆記具10内に着色剤50をあらかじめ収納しておく場合に比べ、筆記具10内に着色剤50を収容するスペースを設けることが不要となり、その分を液体収納室21に充てることが可能となる。それにより、インク用液体30の容量をより多く確保することも可能となっている。
たとえば、他種類の色彩の着色体51を用意し、その中から所望のものを選んで溶解させたり、また、任意の組合せで混色を楽しんだりすることも可能となる。
着色体51を、使用者が任意に選択できる単色又は2色以上の混色とすることで、使用者の好みに応じて、または必要に応じて、インクの色を調色できる筆記具10を提供することが可能となる。
たとえば、着色体51の色を、例えば、赤、青、黄の3種類用意し、それぞれ検量し複数個用意することも可能である。このとき、使用者は3種類の着色剤50から任意の組み合わせで、着色体2個を選択する。選んだ2個の着色体51とインク用液体30とを混合し使用する。このとき、使用者が赤、赤と選択したときインクは赤色を呈するが、例えば、赤、青の組み合わせならば、紫色のインクが作成でき、赤、黄の組み合わせならば、橙のインクが作成できる。選択できる着色剤50の色数を、n個とすると、そのうち2つを選んで調色できる色の数は、同色同士の組合せも可とすれば、(n2+n)個となる。さらに1度に混合する着色剤50の数を2個以上に増やすことで、調色可能となる色の数を飛躍的に増やすことができる。この発明の着色剤50は、必ずしも色を付けることを目的とするものでなくてもよく、上述したが、着色剤50を酸化チタンとすることで、調色するインクに隠蔽性を付与したり、調色剤を蛍光増白剤とすることで、調色するインクに蛍光性を付与したり、することができる。そのほかにも蓄光剤を用い、蓄光性を付与したり、マイカ、スメクタイトのような平板状無機物、ガラスフレーク、アルミペースト、金箔などの無機顔料を用い、ラメ感、きらきら感、メタリック感を付与したりすることもできる。上述した着色剤50は必要な量が検量された状態で提供されているため、使用者は再現性良く調色することができる。
本第3の発明に係る筆記具10は、以下のように作用する。
まず、使用開始前の状態においては、筆記具10内に収納されているインク用液体30には、筆記具10とは別体な着色体51が添加されていない。このことにより、インク用液体30中に溶解した状態での着色剤50の経時劣化(退色、変色)の懸念が生じない。
次に、使用開始に際して、蓋15を外した状態で、液体収納室21内に着色体51を投入する。しかる後に蓋15を再び装着し、インク用液体30に着色体51として成形された着色剤50を溶解させることとなる。すなわち、この段階で初めて、着色剤50がインク用液体30に溶解されることとなる。このことにより、使用開始の時点で着色インク31が生成することとなるため、経時劣化の全くない着色インク31を使用開始の時点で得ることが可能となる。
(4)第4の発明
前記第4の課題に鑑み、本発明のうち第4の発明は、前記第1、第2又は第3の発明の特徴に加え、前記インク用液体30は、水又は水を主成分とする水溶液であることを特徴とする。
本発明のインク用液体30は、水(精製水、イオン交換水、蒸留水、純水、海洋深層水等)を主溶剤として用いるが、さらに、溶剤として、保水性の付与、筆記感の向上の点から、水に相溶性のある極性基を有する水溶性極性溶剤、並びに、耐ペン先乾燥性の向上の点から水溶性液体媒体を使用することができる。用いることができる水溶性極性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ピロリドン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。用いることのできる水溶性液体媒体としては、例えば、グリセリンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、及びジグリセリンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物の中から選ばれる少なくとも1種、好ましくは、ジグリセリンプロピオンオキサイド4〜30モル付加物、ジグリセリンエチレンオキサイド5〜40モル付加物が挙げられ、更に好ましくは、ポリオキシエチレン13モル付加ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン9モル付加ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン10モル付加グリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン9モル付加グリセリルエーテルを用いることが望ましい。これらの水溶性極性溶剤及び/又は水溶性液体媒体の含有量は、混合したインク組成物全量に対して、好ましくは、1〜30重量%、更に好ましくは、5〜20重量%とすることが望ましい。これらの含有量が1重量%未満であると、保水性、筆記感、耐ペン先乾燥性に優れるインクを得ることが難しく、また、30重量%を超えると、筆記描線の乾燥性が低下するため、好ましくない。
(5)第5の発明
前記の第5の課題に鑑み、本発明のうち第5の発明は、前記第4の発明の特徴に加え、前記インク用液体30は、防腐剤を含有することを特徴とする。
防腐剤としては、例えばデヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアザリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム塩、フェノールなどを用いることができる。
なお、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせてもよい。
(6)第6の発明
前記の第6の課題に鑑み、本発明のうち第6の発明は、前記第1、第2、第3、第4又は第5の発明の特徴に加え、前記着色剤50は、粉体であることを特徴とする。
この粉体の着色剤50は、凍結乾燥法によって作製されることが望ましい。着色剤50の乾燥方法としては、例えば、加熱乾燥法、減圧乾燥法、風力乾燥法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。好ましい着色剤50の乾燥方法としては、上述の方法の中から着色剤50の物性に変化を与えない方法が望ましい。具体的には、液体窒素、ドライアイス、氷、フリーザー等による冷却が挙げられる。また、ダイアフラム型真空ポンプ、アスピレーター、クーリングアスピレーター、水道直結型アスピレーター、油回転真空ポンプ等の装置を用いた減圧による方法も可能である。これらのうち、着色剤50の凍結乾燥する乾燥方法としては、より高い真空度を得ることのできる、油回転型真空ポンプによる減圧方法が望ましい。
(7)その他
本発明のインク組成物には、更に、上記以外の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、水性インクに汎用されている添加剤(任意成分)を用いることができる。添加剤としては、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、防錆剤もしくは防黴剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン、2,3,4,5−テトラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど、安息香酸やソルビタン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。また、着色剤50の分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等を添加する事ができ、例えば、ノニオン系、アニオン系界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸又はその塩、ポリイソプレンスルホン酸等が挙げられる。更に、必要に応じて、劣化防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤も配合することができる。
上述した添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、乾燥前の着色剤50、乾燥後の着色剤50、インク用液体30のいずれにも配合することができる。
上記のように構成されているので、本発明は、以下に記す効果を奏する。
すなわち、本発明のうち第1の発明によれば、インク用液体と、このインク用液体に着色するための着色剤とを分離して収納するとともに、使用時に前記インク用液体と着色剤を混合し使用することにより、着色剤とインク用液体との混合による経時劣化を、その筆記具の使用直前まで防止できる筆記具を提供することが可能となる。
また、本発明のうち第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、インク用液体と、このインク用液体に着色するための着色剤とを分離して収納するとともに、使用時に前記インク用液体と着色剤を混合し使用することにより、着色剤とインク用液体との混合による経時劣化を、その筆記具の使用直前まで防止できる筆記具を提供することが可能となる。
さらに、本発明のうち第3の発明によれば、第1の発明の効果に加え、使用者が自らの手で着色剤とインク用液体とを混合することにより、使用時にフレッシュで新鮮なインクを作るというイメージを使用者に与える筆記具を提供することが可能となる。
また、本発明のうち第4の発明によれば、第1、第2又は第3の発明の効果に加え、インク用液体を、水もしくは水を主成分とする水溶液とすることで、インク用液体に水溶性極性溶剤もしくは水溶性液体媒体を添加することができ、保水性、筆記感、耐ペン先乾燥性に優れる筆記具を提供することが可能となる。
さらに、本発明のうち第5の発明によれば、第4の発明の効果に加え、インク用液体を、防腐剤を含有する水溶液とすることで、インク用液体に防腐剤を添加することができ、保存安定性に優れる筆記具を提供することが可能となる。
また、本発明のうち第6の発明によれば、第1、第2、第3、第4又は第5の発明の効果に加え、着色剤を、乾燥した粉体とすることで、着色剤の液中での経時劣化をほぼ完全に抑制し、インクの物性を長期にわたって保存できる筆記具を提供することができるものである。また、使用者にとっても乾燥させた粉末の着色剤がインク用液体に溶解又は分散していく様子を観察できることが、ちょっと楽しいというイメージを使用者に与える筆記具を提供することができるものである。
特に、着色剤を凍結乾燥法によって作成された粉体とすることで、乾燥操作による着色剤の物性変化、色相変化、凝集、等を防止でき、従来の筆記具と同等の筆記性を有し、且つ保存安定性に優れる筆記具を提供することが可能となる。また、着色剤を凍結乾燥法によって乾燥させることで、通常の乾燥操作で得られる粉体よりも、インク用液体と混合したときの再溶解性又は再分散性に優れる粉体として作成することができるため、使用者にとっても混合した着色剤がすばやくインク用液体に溶解又は分散するので、ストレスなくインクを作成できる筆記具を提供することが可能となる。
本発明は、従来の様にインクを用いた筆記具に利用できるものであり、具体的には、例えば、万年筆、ボールペン、フェルトペン、サインペン(マーカーペン)、又は、ニードルペンなどの用途などによって変更して好適に各種用途の筆記具に適用することができるものである。更に、着色剤として修正液等の隠蔽剤、塗布液等の塗布剤、化粧品等の化粧料等とした塗布具にも適用可能なものである。
以下、本発明に係る筆記具10の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。ここで、図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る筆記具10の要部側面断面図である。また、図3、図4及び図5は、本発明の第2の実施の形態に係る筆記具10の要部側面断面図である。なお、以下の説明においては、筆記面に向かう方向を「前方」と称し、その反対方向を「後方」と称する。
(1)第1の実施の形態
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る筆記具10は、円筒状の軸筒11を備えている。この軸筒11内部の後方側には、液体収納タンク20が設けられている。この液体収納タンク20の内部空間は、インク用液体30を収納するための液体収納室21となっている。一方、軸筒11内部の前方側には、着色剤収納タンク40が設けられ、その内部空間は粉体の着色剤50を収納するための着色剤収納室41となっている。また、軸筒11先端にはマーキングペン用のペン先13が設けられている。このペン先13にはバルブ12が連結されており、このバルブ12はペン先13へ着色インク31を導出させるべく、着色剤収納タンク40前端に開通している。さらに、軸筒11先端には、ペン先13を保護すべくキャップ14が脱着可能に装着されている。
液体収納タンク20の前端部分は内径が縮小した縮径部22となっている。この縮径部22の中途部分には、環状に内径がやや拡大している保持溝23が設けられている。縮径部22には、鋼製ボールによる隔離手段24が圧入されている。この隔離手段24の直径は、縮径部22の内径より大で、かつ、保持溝23を含めた内径よりは小である。これにより、保持溝23の位置で隔離手段24が保持されることとなっている。また、液体収納タンク20の後端は軸筒11後端より突出した尾栓25となっている。
一方、着色収納タンクの後端には、前記隔離手段24を後方へ押し出すための隔離解除手段42が形成されている。この隔離解除手段42の外径は前記縮径部22の内径とほぼ等しくなっている。
使用に際しては、この尾栓25を前方へ圧入すると、液体収納タンク20全体が前方へ移動することとなる。そうすると、着色剤収納タンク40後端の隔離解除手段42が、隔離手段24に当接してこれを後方へ押圧することとなる。そして、図2に示すように、縮径部22内壁の弾性変形により隔離手段24が後方へ移動する。これにより、液体収納室21と着色剤収納室41とが交通し、インク用液体30と着色剤50とが混合し溶解することで着色インク31となり筆記が可能となる。
なお、ペン先13はマーキングペン用ペン先となっている。ただし、このような場合に限らず、例えばボールペンチップによって形成しても良く、また、万年筆のペン先によって形成しても良く、また、繊維束帯からなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、フェルトからなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、焼結体からなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、ニードルペンに用いられる細長い管状の筆記用尖端によって形成しても良い。
なお、本実施の形態では、バルブ12を備えた筆記具10を示したが、本発明ではバルブ12を備えた筆記具10に限定されるものではなく、例えば、コレクターを備えた、万年筆、ボールペン、フェルトペン、サインペン(マーカーペン)、又は、ニードルペンなどにも用いることができる。
(2)第2の実施の形態
図3に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る筆記具10は、円筒状の軸筒11を備え、その内部空間がインク用液体30を収納する液体収納室21となっている。液体収納室21内には、インク用液体30とともに鋼製ボールの撹拌部材16が収納されている。一方、軸筒11後端には、脱着可能なスクリューキャップとしての蓋15が螺着されている。また、軸筒11先端にはマーキングペン用のペン先13が設けられている。このペン先13にはバルブ12が連結されており、このバルブ12はペン先13へ着色インク31を導出させるべく、液体収納室21前端に開通している。さらに、軸筒11先端には、ペン先13を保護すべくキャップ14が脱着可能に装着されている。
使用時には、図4に示すように、蓋15を取り外し、乾燥粉体の着色剤50をタブレット状に加圧成型した着色体51を所定の個数だけ軸筒11内に投入した後、蓋15を再び装着する。この状態で軸筒11を上下に振ることで、軸筒11内の撹拌部材16が上下し、着色剤50とインク用液体30とが混合され、溶解することで図5に示すように着色インク31となる。この撹拌部材16は図2においては球状であるが、それ以外の任意の形であってもよい。
なお、本実施の形態においても、ペン先13はマーキングペン用ペン先によって形成される場合に限らず、例えばボールペンチップによって形成しても良く、また、万年筆のペン先によって形成しても良く、また、繊維束帯からなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、フェルトからなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、焼結体からなる筆記用尖端によって形成しても良く、また、ニードルペンに用いられる細長い管状の筆記用尖端によって形成しても良い。
なお、本実施の形態においても、バルブ12を備えた筆記具10を示したが、本発明ではバルブ12を備えた筆記具10に限定されるものではなく、例えば、コレクターを備えた、万年筆、ボールペン、フェルトペン、サインペン(マーカーペン)、又は、ニードルペンなどにも用いることができる。
なお、前記着色体51としては、計量可能であれば、小袋に封入したもの、カプセル化してあるものを採用してもよい。また、計量カップを付属させることで、数回分の着色剤50を計量するようにすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1〜4)
以下の実施例1から4までにおいては、前記第1の実施の形態に示した、液体収納タンク20及び着色剤収納タンク40を備えた筆記具10を使用した。
(実施例1)
着色剤50として、3重量%のpyranine120(BASF、黄色染料)及び97重量%の水を混合した溶液を着色剤収納タンク40へ0.5g充填した。
一方、インク用液体30として、79.87重量%の水、20.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)及び0.13重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納タンク20をへ1.5g充填した。
これらの着色剤収納タンク40及び液体収納タンク20を装着した筆記具を実施例1に係る筆記具10とした。
(実施例2)
着色剤50として、75重量%のpyranine120(BASF、黄色染料)及び25重量%のブリリアントブルーFCF(M)(保土ヶ谷化学、青色染料)を混合した溶液を着色剤収納タンク40へ0.02g充填した。
一方、インク用液体30として、84.90重量%の水、15.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)及び0.10重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納タンク20へ1.98g充填した。
これらの着色剤収納タンク40及び液体収納タンク20を装着した筆記具を実施例2に係る筆記具10とした。
(実施例3)
着色剤50として、1gのVCカラー黄色(御国色素、着色微粒子(固形分30重量%))を着色剤収納タンク40に充填し封入した。その後この着色剤収納タンク40を液体窒素中にて凍結させた。凍結した着色剤50の封入された着色剤収納タンク40を真空デシケータに入れ、油回転真空ポンプ(TSW-300、東京理化器械)にて減圧し乾燥させた。マノメータ(ハンディマノメータPG-100-102GP、アズワン)で減圧度を測定したところ、大気との差圧は100kPaであった。12時間後、上記真空デシケータを大気開放し、着色剤収納タンク40を取り出した。
一方、インク用液体30として、69.70重量%の水、30.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)、0.10重量%のトリエタノールアミン(和光純薬工業、pH調整剤)及び0.20重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納タンク20へ1g充填した。
これらの着色剤収納タンク40及び液体収納タンク20を装着した筆記具を実施例3に係る筆記具10とした。
(実施例4)
着色剤50として、99.5重量%のVCカラー黄色(御国色素、着色微粒子(固形分 30重量%))及び0.5重量%のブリリアントブルーFCF(M)(保土ヶ谷化学、青色染料)の混合物を1g着色剤収納タンク40に充填し封入した。その後この着色剤収納タンク40を液体窒素中にて凍結させた。凍結した着色剤50の封入された着色剤収納タンク40を真空デシケータに入れ、油回転真空ポンプ(TSW-300、東京理化器械)にて減圧し乾燥させた。マノメータ(ハンディマノメータPG-100-102GP、アズワン)で減圧度を測定したところ、大気との差圧は100kPaであった。12時間後、上記真空デシケータを大気開放し、着色剤収納タンク40を取り出した。
一方、インク用液体30として、69.70重量%の水、30.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)、0.10重量%のトリエタノールアミン(和光純薬工業、pH調整剤)及び0.20重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納タンク20へ1g充填した。
これらの着色剤収納タンク40及び液体収納タンク20を装着した筆記具を実施例4に係る筆記具10とした。
(比較例1〜4)
以下の比較例1から4までにおいては、通常のマーキングペンの液体収納室に以下のそれぞれ下記の着色インクを充填したものを使用した。
(比較例1)
着色インクとして、83.90重量%の水、1.00重量%のpyranine120(BASF、黄色染料)、15.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)及び0.10重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納室に充填したマーキングペンを比較例1に係る筆記具とした。
(比較例2)
着色インクとして、83.90重量%の水、0.75重量%のpyranine120(BASF、黄色染料)、0.25重量%のブリリアントブルーFCF(M)(保土ヶ谷化学、青色染料)、15.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)及び0.10重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納室に充填したマーキングペンを比較例2に係る筆記具とした。
(比較例3)
着色インクとして、34.40重量%の水、50.00重量%のVCカラー黄色(御国色素、着色微粒子(固形分 30重量%))、15.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)、0.50重量%のトリエタノールアミン(和光純薬工業、pH調整剤)及び0.10重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納室に充填したマーキングペンを比較例3に係る筆記具とした。
(比較例4)
着色インクとして、33.90重量%の水、50.00重量%のVCカラー黄色(御国色素、着色微粒子(固形分 30重量%))、0.50重量%のブリリアントブルーFCF(M)(保土ヶ谷化学、青色染料)、15.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)、0.50重量%のトリエタノールアミン(和光純薬工業、pH調整剤)及び0.10重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を液体収納室に充填したマーキングペンを比較例4に係る筆記具とした。
(試験方法及び評価)
実施例1から4までについては、調整後直ちに尾栓25を圧入して着色剤50とインク用液体30とを混合して筆記した場合と、調整後気温50℃及び湿度65%の環境下に3ヶ月間放置してから尾栓25を圧入して着色剤50とインク用液体30とを混合して筆記した場合とにおける筆記性及び色相の変化を比較した。
比較例1から4までについては、調整後直ちに筆記した場合と、調整後気温50℃及び湿度65%の環境下に3ヶ月間放置してから筆記した場合とにおける筆記性及び色相の変化を比較した。
筆記性の変化については、下記の基準で評価した。
◎:筆記性に変化なし。
○:筆記性の変化は僅かで、比較的良好な筆記性。
△:インクの追従性がやや劣るが、ある程度筆記することで復元する。
×:筆記性が悪い又は筆記不可。
色相の変化については、下記の基準で評価した。
◎:筆記描線の色相に変化なし。
○:筆記描線の変化は僅か。
△:描線は変化しているが、筆記具としては問題ない範囲。
×:描線にかすれが観測される。
上記基準で評価した実施例及び比較例の試験結果を、下記の表1に示す。
Figure 2005271365
上記表1の結果から明らかなように、各実施例は、各比較例に比べて、筆記性及び色相の変化が少なく、経時安定性に優れることが判明した。
(実施例5〜14)
以下の実施例5から14までにおいては、前記第2の実施の形態に示した、蓋15を備えた液体収納室21を有する筆記具10を使用した。
まず、uniPOSCA赤(PC−17K.15、三菱鉛筆)を30回程度撹拌し、軸に穴をあけインクを取り出した。このインクを1g試験管に充填し、液体窒素を用いて凍結させた。凍結したインクを封入した試験管を真空デシケータに入れ、油回転真空ポンプ(TSW-300、東京理化器械)にて減圧し乾燥させた。マノメータ(ハンディマノメータPG-100-102GP、アズワン)で減圧度を測定したところ、大気との差圧は100kPaであった。12時間後、上記真空デシケータを大気開放し、試験管を取り出した。この試験管内に残存している凍結乾燥インクを着色剤Aとした。
上記と同様に、uniPOSCA青(PC−17K.33、三菱鉛筆)のインクから得られた凍結乾燥インクを着色剤B、uniPOSCA黄(PC−17K.2、三菱鉛筆)のインクから得られた凍結乾燥インクを着色剤C、及び、uniPOSCA緑(PC−17K.6、三菱鉛筆)のインクから得られた凍結乾燥インクを着色剤Dとした。
また、インク用液体30として、88.87重量%の水、1.00重量%のサーフロンDF−58(日信化学工業、界面活性剤)、5.00重量%の10%アンモニア水(和光純薬工業、pH調整剤)、5.00重量%のグリセリン(和光純薬工業、防乾剤)及び0.13重量%のバイオエース(ケイアイ化成、防腐剤)を混合した溶液を、各実施例の液体収納室21へそれぞれ2g充填した。
その後、下記の表2に示すように、各着色剤50のうち、任意の2つ(同種も可)を、インク用液体30の充填された液体収納室21へ投入した。そして、筆記具10を震盪してインク用液体30と着色剤50を溶解させた後、筆記した描線の色相を表2に示した。
Figure 2005271365
上記表2の結果から明らかなように、本発明によって、4色の着色剤50のうち、同種を含む任意の2つから10通りの色彩の描線を得ることができることが判明した。なお、実施例10と実施例14との色相はいずれも緑ではあったが、両者は微妙に色調が異なるものであった。また、本実施例においては各着色剤50は正確に計量されているため、色相の再現性は良好で、何度実施しても同様の色相を示した。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、上記実施例では、着色剤50を4色としたが、それ以外の色の着色剤50を用いることもできる。さらに、1度に混合する着色剤50を2つとしたが、それ以上の数の着色剤50を混合することもできる。
本発明の第1の実施の形態に係る筆記具を一部断面で示した側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る筆記具を一部断面で示した側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る筆記具を一部断面で示した側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る筆記具を一部断面で示した側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る筆記具を一部断面で示した側面図である。
符号の説明
10 筆記具
11 軸筒 12 バルブ
13 ペン先 14 キャップ
15 蓋 16 撹拌部材
20 液体収納タンク 21 液体収納室
22 縮径部 23 保持溝
24 隔離手段 25 尾栓
30 インク用液体 31 着色インク
40 着色剤収納タンク 41 着色剤収納室
42 隔離解除手段
50 着色剤 51 着色体

Claims (7)

  1. インク用液体が、これに添加される着色剤が添加されていない状態で収納されているとともに、使用開始に際して該インク用液体が該着色剤を添加されて着色インクとなることを特徴とする筆記具。
  2. 前記インク用液体を収納する液体収納室、前記着色剤を収納する着色剤収納室、これらの液体収納室と着色剤収納室との交通を隔離する隔離手段、及び、この隔離手段を除去して前記液体収納室と着色剤収納室とを交通させる隔離解除手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記着色剤は前記インク用液体に溶解可能な別体の着色体として形成されるとともに、前記インク用液体を収納するとともに脱着可能な蓋を有する液体収納室を備える筆記具であって、該蓋を取り外して該液体収納室内へ該着色体を投入して溶解したのち使用可能となることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  4. 前記インク用液体は、水又は水を主成分とする水溶液であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の筆記具。
  5. 前記インク用液体は、防腐剤を含有することを特徴とする請求項4記載の筆記具。
  6. 前記着色剤は、粉体であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の筆記具。
  7. 前記粉体の着色剤は、凍結乾燥法によって作製されたことを特徴とする請求項6記載の筆記具。
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