JP2005271303A - 液体噴射装置及び液体残量演算方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体残量演算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で液体の残量を演算することができる液体噴射装置及び液体残量演算方法を提供すること。
【解決手段】 プリンタは、ケース14内の密閉された圧力室19に、可撓性部材を有するインクパック18を収容し、同インクパック18から記録ヘッド8側にインクを導出することにより減少した体積だけ圧力室19の体積が増大するインクカートリッジCを備える。また、圧力室19に空気を供給する加圧ポンプPと、圧力室19内の圧力を検出する空気供給バルブ25と、インクカートリッジCのインク残量を演算する演算手段を備える。演算手段は、圧力室19の圧力が所定値に到達するまでの加圧ポンプPの空気供給量から、圧力室19の容積増加分を算出し、この容積増加分からインクカートリッジCのインク残量を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体噴射装置及び液体残量演算方法に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンタと言う。)が広く知られている。このプリンタの中には、インクカートリッジをキャリッジに搭載せず、装置本体側に配置する構成(いわゆるオフキャリッジ型)とするものがある。このプリンタに備えられるインク供給システムは、インクカートリッジから、キャリッジ上に搭載されたサブタンクにインクを補給し、サブタンクから記録ヘッドにインクを供給する。
また、このプリンタには、インクカートリッジ内のインク残量を演算するインクエンド判定手段が備えられる。このインクエンド判定手段は、例えば、サブタンク内のインク量が所定の量以下になったことを検出するインク量検出手段と、インク補給開始からの時間を計時する計時手段等から構成される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で示すプリンタは、液面を検出するセンサからなるインク量検出手段がサブタンク内のインクが所定量以下になったことを検出すると、加圧ポンプの駆動によりインクカートリッジ内に空気を送出して、空気の加圧によりインクをサブタンクに補給するようになっている。このとき、計時手段によって計時されたポンプ駆動時間が所定時間以上になったにも関わらず、インク量検出手段が所定量以上のインク(インクフル状態)を検出しない場合には、インクカートリッジ内のインクがなくなった状態(インクエンド状態)であると判断する。
特開2002−273906号公報
ところが、上記のインクエンド判定手段は、サブタンク内のインク量を直接検出することから、インク量検出手段をサブタンクに組み付ける。このため、サブタンク又はプリンタの構成が複雑化したり、部品点数が増大する可能性があった。
本発明の目的は、簡単な構成で液体の残量を演算することができる液体噴射装置及び液体残量演算方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、少ない部品点数で液体の残量を演算することができる液体噴射装置及び液体残量演算方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドから液体を噴射させる液体噴射装置において、ケース内の密閉された空気室に、可撓性部材を有する液体収容部を収容し、同液体収容部から前記液体噴射ヘッド側に液体を導出することにより前記液体収容部の減少した体積だけ前記空気室の容積が増大する液体収容体と、前記空気室に空気を供給する加圧ポンプと、前記空気室内の圧力を検出する検出手段と、前記液体収容体の液体残量を演算する演算手段とを備え、前記演算手段が、前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプによる空気供給量に基づいて前記空気室の容積を算出し、この空気室容積から前記液体収容部内の液体の残量を算出する。
これによれば、演算手段により、加圧ポンプから空気室に供給された空気供給量に基づいて液体収容体の液体残量を算出することができる。つまり、演算手段により、加圧ポンプの空気供給量から空気室の容積が算出され、この容積から液体収容部の液体残量が算出
される。このため、液体噴射装置側又は液体収容体に、液体残量を検出するセンサ等を設けなくても液体残量を算出することができる。
この液体噴射装置において、前記液体収容体を複数備え、前記各液体収容体と前記加圧ポンプとをそれぞれ連通する各空気流路の途中に各空気供給バルブを設け、所定の前記液体収容体から前記液体噴射ヘッド側に液体を供給する際は、その液体収容体に対応する前記空気供給バルブを開状態にするとともに、前記演算手段は、前記各液体収容体毎に前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの空気供給量に基づいて前記空気室の容積を算出し、それぞれ前記液体収容体の初期液体量から前記空気室容積を減算することにより前記液体収容体の液体残量を算出する。
これによれば、加圧ポンプと複数の液体収容体とを連通する、複数の空気流路の途中に、各空気供給バルブがそれぞれ設けられている。このため、所定の液体収容体にのみ空気を供給することができる。そして、演算手段は、各液体収容体毎に加圧ポンプから供給された空気供給量から空気室の容積を算出し、この空気室容積から各液体収容体の液体残量を算出する。このため、複数の液体収容体が備えられている場合に、液体噴射装置側又は液体収容体に、液体残量を検出するセンサ等を設けなくても液体残量を算出することができる。
この液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数又は液体量に基づいて、前記各液体収容体の液体残量を算出する吐出量演算手段をさらに備え、前記吐出量演算手段により算出された各液体残量と、前記演算手段により算出された各液体残量とに基づいて、前記吐出量演算手段が前記液体残量の算出に用いる演算パラメータを補正する。
これによれば、吐出量演算手段が液体残量を算出する際に用いる演算パラメータを、演算手段が算出した結果に基づいて補正することができる。このため、吐出量演算手段の演算結果をより正確にすることができる。
この液体噴射装置において、前記液体収容体を複数備え、前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数又は液体量に基づいて、前記各液体収容体の液体残量を算出する吐出量演算手段と、前記各液体収容体に対し、前記加圧ポンプから送出された空気を前記各液体収容体の空気室に分配して供給する空気流路とをさらに備え、前記演算手段が、前記各空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプによる空気供給量に基づいて、前記各空気室の容積の総和を算出し、前記各液体収容体の初期液体量の総和から前記各空気室の容積の総和を減算して、前記液体収容体の液体残量の総和を算出するとともに、前記各液体収容体の液体残量の総和に、前記吐出量演算手段により算出された前記各液体収容体の液体残量の全体量に対する各比率を乗算して、前記各液体収容体の液体残量をそれぞれ算出する。
これによれば、液体噴射装置には、液体噴射ヘッドから吐出される液滴数又は液体量に基づいて、各液体収容体の液体残量を算出する吐出量演算手段が備えられる。また、液体噴射装置には、複数の液体収容体が備えられ、加圧ポンプから各液体収容体の空気室に空気が分配する空気流路が備えられる。演算手段は、加圧ポンプによって各液体収容体の空気室に供給される空気供給量に基づいて液体残量の総和を算出する。そして、演算手段は、その算出した残量総和に、吐出量演算手段が算出した各液体収容体の液体残量比率を乗算することにより、各液体収容体の液体残量を算出する。つまり、演算手段は、空気供給量から算出された液体残量の総和と、吐出量演算手段が算出した液体残量に基づく比率とを利用して、各液体収容体の液体残量を算出する。従って、複数の液体収容体が液体噴射装置に備えられる場合にも、液体残量を検出するセンサ等を用いることなく各液体残量を
それぞれ算出することができる。また、装置の個体差によりばらつきが発生しやすい吐出量演算手段の液体残量だけでなく、実際に加圧ポンプが供給した空気供給量を利用することで、液体残量をより正確に算出することができる。
この液体噴射装置において、前記吐出量演算手段により算出された各液体残量の総和と、前記演算手段により算出された各液体残量の総和とを比較して、前記吐出量演算手段が前記液体残量の算出に用いる演算パラメータを補正する。
これによれば、吐出量演算手段が各液体残量の総和を算出する際に用いる演算パラメータを、演算手段が算出した結果に基づいて補正することができる。このため、吐出量演算手段の演算結果をより正確にすることができる。
この液体噴射装置において、前記演算パラメータは、前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数に乗算する係数であって、前記吐出量演算手段は、前記液滴数に前記係数を乗算することにより液体消費量を算出し、前記吐出量演算手段の前記演算パラメータに補正を加える際は、前記係数の大きさを、前記吐出量演算手段により算出される液体残量が、前記演算手段により算出される液体残量に近づくように変更する。
これによれば、吐出量演算手段の演算パラメータとしての係数に補正を加える場合には、その係数の大きさを、吐出量演算手段による液体残量が、演算手段により算出される液体残量に近づくように変更する。このため、係数の値を、その装置に適した値に補正することができる。
この液体噴射装置において、前記演算手段により算出された液体残量が、前記吐出量演算手段により算出された液体残量よりも少ない場合には、前記吐出量演算手段から算出された液体残量を採用する。
これによれば、前演算手段から算出された液体残量が、吐出量演算手段から算出された液体残量よりも少ない場合には、吐出量演算手段から算出された液体残量を採用する。つまり、吐出量演算手段は、液滴数に基づいて消費量を算出するので、個体差を加味して、液滴の大きさ(重量、体積)を大きめに設定している。このため、吐出量演算手段が算出する液体残量は、実際の液体残量よりも少ないことが多いので、演算手段が算出する液体残量よりも少ないことが予測される。従って、逆に、演算手段が算出した液体残量が、吐出量演算手段が算出した液体残量よりも少ない場合には、加圧ポンプから空気室に至る機構に障害がある可能性があるとして、吐出量演算手段が算出した液体残量を採用する。このため、空気を供給する機構に障害がある場合にも、液体残量を比較的正確に算出することができる。
この液体噴射装置において、前記液体収容部の液体が消費されていない時の前記空気室の容積を初期容積とし、前記演算手段は、前記初期容積と、前記初期容積の状態の前記空気室に前記加圧ポンプにより空気を供給し、前記空気室の圧力を所定圧力に到達させるまでの前記加圧ポンプの駆動時間とから、前記加圧ポンプの単位時間あたりの空気供給量を算出し、その単位時間あたりの空気供給量に基づいて前記加圧ポンプからの空気供給量を算出する。
これによれば、液体収容部の液体が消費されていない時の空気室の容積を初期容積とし、演算手段は、この初期容積と、初期容積の状態の空気室に加圧ポンプにより空気を供給し、所定圧力に達するまでの加圧ポンプの駆動時間とから、加圧ポンプの単位時間あたりの空気供給量を算出する。加圧ポンプにより空気が供給され、各空気室の圧力が所定圧力に達するまでの加圧ポンプの駆動時間と空気室の初期容積から加圧ポンプの単位時間あた
りの空気供給量が算出される。このため、加圧ポンプの供給量をより正確に算出することができる。
本発明の液体噴射装置の液体残量演算方法は、液体噴射ヘッドから液体を噴射させる液体噴射装置の液体残量演算方法において、ケース内の密閉された空気室に、可撓性部材を有する液体収容部を収容し、同液体収容部から前記液体噴射ヘッド側に液体を導出することにより前記液体収容部の減少した体積だけ前記空気室の容積が増大する液体収容体と、前記空気室に空気を供給する加圧ポンプと、前記空気室内の圧力を検出する検出手段とを備え、前記加圧ポンプにて空気を前記空気室に供給し、前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプの空気供給量を求め、その空気供給量から前記空気室の容積を求めて、この空気室容積から前記液体収容部内の液体の残量を算出する。
これによれば、加圧ポンプから空気室に供給された空気供給量に基づいて液体収容体の液体残量を算出することができる液体噴射装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図7に従って説明する。図1は、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、単にプリンタとする)の概略を説明する平面図である。
図1に示すように、プリンタ1は、上側が開口する略直方体形状のフレーム2を備えている。フレーム2には、プラテン3が架設されており、図示しない紙送り機構により、このプラテン3上をターゲットとしての紙が給送されるようになっている。そして、フレーム2にはプラテン3と平行にガイド部材4が架設されており、このガイド部材4には、キャリッジ5がガイド部材4の軸線方向に移動可能に挿通支持されている。また、このキャリッジ5は、タイミングベルト6を介してキャリッジモータ7に駆動連結されており、キャリッジモータ7の駆動によってガイド部材4に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ5のプラテン3に対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド8が搭載されている。記録ヘッド8の下面8a(図2参照)には、記録ヘッド8のノズルNが開口している。そして、記録ヘッド8に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、紙面上にノズル開口から液体としてのインク滴が吐出されるようになっている。
また、キャリッジ5上には4個の第1〜第4のサブタンクS1〜S4が搭載されている。第1〜第4のサブタンクS1〜S4は、その内部に記録ヘッド8に供給するインクを一時貯留している。また、第1〜第4のサブタンクS1〜S4は、プリンタ1が使用するインクの種類に対応して4個具備されている。尚、本実施形態内で第1〜第4のサブタンクS1〜S4を互いに区別しない場合には、単にサブタンクSとして説明する。
フレーム2の右端にはカートリッジホルダ10が設けられている。このカートリッジホルダ10には、4個の液体収容体としての第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4が着脱可能に備えられている。第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4は、カートリッジホルダ10に装着されると、その内部に貯留したインクを各補給路11a〜11dを介して第1〜第4のサブタンクS1〜S4にそれぞれ補給する構成になっている。尚、本実施形態内で第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4を互いに区別しない場合には、単にインクカートリッジCとして説明する。同様に、各補給路11a〜11dも、特に区別しない場合には、単に補給路11として説明する。
また、フレーム2内であって非印刷領域には、クリーニング機構12が備えられている。このクリーニング機構12は、キャップ手段13を有している。キャップ手段13は、箱状のキャップ13aと、図示しないキャップ昇降機構とを備えている。キャップ13aは、キャップ13aの上方に移動した記録ヘッド8の下面8aを、キャップ昇降機構の駆動により封止する。このキャップ13aには、図示しない吸引ポンプが接続されている。この吸引ポンプは、クリーニング機構12に備えられる図示しない駆動モータを駆動源としている。クリーニング機構12は、キャップ13aが記録ヘッド8を封止した際に前記吸引ポンプを駆動して、キャップ13aを介してノズルN内のインクを吸引する、いわゆるクリーニングを行う。このクリーニングによって、記録ヘッド8のノズルN内の粘度の高くなったインク、気泡、下面8a等に付着した塵埃が、吸引ポンプに移送され、印刷不良が防止される。
次に、プリンタ1に備えられるインク供給システムについて、図2〜図4に従って説明する。図2は、プリンタ1に備えられるインク供給システムの模式図である。図3及び図4は、インクカートリッジC内部を説明する説明図である。
図2に示すように、各インクカートリッジCは、気密状態に形成されたケース14を備えている。また、ケース14内には、袋状の可撓性のフィルム(可撓性部材)からなる、液体収容部としてのインクパック18が備えられている。各インクパック18は、各サブタンクSに接続された各補給路11にインクを導出可能になっている。図2及び図3に示すように、ケース14とインクパック18との間の空間は、空気室としての圧力室19となっている。圧力室19は、インクパック18のインクが消費されていない状態では、図3に示すように、圧力室19の容積は最小になっている。そして、この最小の容積を、以下、圧力室19の初期容積A1とする。
ケース14の外側面には、記憶素子15及び端子16が配設されている。端子16は、インクカートリッジCをカートリッジホルダ10に装着した際に、プリンタ1側と電気的に接続するように構成されている。また、記憶素子15には、インクの種類、製造番号、インクが消費されていない時のインク初期量、圧力室19の初期容積A1等、インクカートリッジCに関する情報が格納されている。尚、図2には便宜上、一つのインクカートリッジCと、そのインクカートリッジCに対応する空気流路及びインク流路を示し、その他のインクカートリッジCとそれに対応する空気流路及びインク流路とは図示を省略する。
また、図2に示すように、プリンタ1には、加圧ポンプPが備えられている。加圧ポンプPには、1本の上流側チューブ20が接続されている。上流側チューブ20の途中には圧力調整弁21が設けられている。圧力調整弁21は、加圧ポンプPによって加圧された空気圧が、何らかの障害により過度の状態に達した時に、圧力を開放して、各インクカートリッジCに加わる空気圧が所定の範囲に維持する機能を有している。また、圧力調整弁21には、各インクカートリッジCにそれぞれ接続する4つの空気流路としての空気供給路22が接続されている。各空気供給路22は、チューブ等から構成され、加圧ポンプPから送出された空気を各インクカートリッジCにそれぞれ独立して供給する。これらの空気供給路22の途中には、検出手段としての各空気供給バルブ25がそれぞれ設けられている。
各空気供給バルブ25は、各インクカートリッジCに対応しており、そのインクカートリッジCからインク補給が行われる際に開状態になる。また、本実施形態では、各空気供給路22であって、空気供給バルブ25と圧力調整弁21の間には、圧力検出器27がそれぞれ設けられている。各圧力検出器27は、対応するインクカートリッジCの圧力室19の空気圧が所定圧力としての上限圧力P2(例えば、1.1気圧)以上になった場合には、信号を出する。そして、全ての圧力検出器27から前記信号が出力されると、加圧ポ
ンプPは駆動停止されるようになっている。また、インクカートリッジCの少なくとも一つの圧力室19の空気圧が所定の下限圧力P1(例えば、1気圧)未満になったことを、各圧力検出器27からの信号によって検出された場合には、加圧ポンプPが駆動されるか又は空気供給バルブ25が開状態になって圧力室19が大気に開放されるようになっている。
また、インクパック18と各サブタンクSとを接続する各補給路11の途中には、各補給バルブ26がそれぞれ設けられている。インク補給動作の際には、先ずこれらの補給バルブ26を閉じた状態で加圧ポンプPが駆動され、圧力室19内に空気が充填される。さらに、圧力検出器27により圧力室19内の圧力が上限圧力P2以上になったことが検知されると、補給バルブ26が開状態にされる。このとき、各圧力室19内に充填された空気により各インクパック18は加圧された状態になっているので、各インクパック18内のインクが各補給路11にそれぞれ押し出される。押し出されたインクは、各補給路11を介して各サブタンクSにそれぞれ補給される。各サブタンクS内のインクは、記録ヘッド8側へ供給される。
このように、インクカートリッジCからインクがサブタンクSに供給されると、図4に示すように、ケース14内におけるインクパック18の占有体積は、図4中二点鎖線で示す初期状態よりも小さくなる。つまり、インクパック18の体積が減少した分だけ、圧力室19の容積が増大する。このため、インクが消費するにつれて、加圧ポンプPが圧力室19に供給する空気供給量も多くなる。
次に、プリンタ1の電気的構成を説明する。図5は、プリンタ1の電気的構成の説明図である。印刷制御手段30は、プリンタ1に接続された図示しないコンピュータ、又はプリンタ1に備えられた、外部記憶媒体読取り装置(図示せず)から送信された印刷データに基づいて、ビットマップデータを生成する。また、印刷制御手段30は、生成したビットマップデータに基づいてヘッド駆動回路31に信号を送信し、前記圧電素子を駆動させて記録ヘッド8からインク滴を吐出させる。また、印刷制御手段30は、フラッシング用のプログラムに従って、ヘッド駆動回路31にフラッシングのための駆動信号を送信する。ヘッド駆動回路31は、この信号を受信すると、記録ヘッド8からインクを吐出して、いわゆるフラッシングを行う。このフラッシングが行われることにより、ノズルN内のインクのメニスカスが整えられる。
加圧ポンプ駆動回路32は、印刷制御手段30からの信号を受けて、加圧ポンプPの駆動源である加圧用駆動モータ(図示せず)を駆動する。加圧用駆動モータの駆動により加圧ポンプPが駆動すると、加圧ポンプPから上流側チューブ20及び空気供給路22を介してインクカートリッジCの圧力室19に空気が供給される。
クリーニング機構駆動回路33は、クリーニング指令検知手段(図示せず)からの制御信号を受けて、クリーニング機構12の前記吸引ポンプの駆動モータを駆動させ、吸引ポンプを作動させる。尚、クリーニング指令検知手段は、プリンタ1の操作部に備えられたスイッチ等である。
第1のバルブ駆動回路34は、印刷制御手段30等から信号を受けて、各空気供給バルブ25のうち、指定された一つの空気供給バルブ25を開状態にする。第2のバルブ駆動回路35は、印刷制御手段30等から信号を受けて、各補給バルブ26のうち、指定された一つの補給バルブ26を開状態にする。
演算手段36(吐出量演算手段)は、ビットマップデータ等に基づいてインクカートリッジC内のインク残量を算出するドット演算処理と、加圧ポンプPの空気供給量に基づい
てインク残量を算出する空気量演算処理とを行う機能を有する。ドット演算処理を行う際には、演算手段36は、印刷制御手段30からビットマップデータに基づいたインク滴の吐出数に関するデータを受信する。また、演算手段36は、印刷制御手段30から、フラッシングの際のインク滴の吐出数に関するデータを受信する。さらに、演算手段36は、クリーニング機構駆動回路33から、クリーニングの際に記録ヘッド8から排出されるインク量に関するデータを受信する。
演算手段36は、印刷制御手段30からインク滴吐出数に関するデータを受信すると、係数設定手段42から係数dを読み出す。この係数dは、インク滴の体積又は重量等に関して設定された演算パラメータであって、インク滴吐出数に乗算されてインク吐出量を算出するものである。つまり、演算手段36は、読み出した係数dを、印刷制御手段30から受信したインク滴吐出数Jに乗算し、印刷又はフラッシングの度ごとに、消費されたサブタンクS内のインク消費量(=d・J;以下、これをタンク消費量という)を算出する。尚、演算手段36が、クリーニング機構駆動回路33から、クリーニングの際のインク排出量に関するデータを受信した際には、1回のクリーニングの際に吐出された消費量が判っているので、係数dを用いて算出することはない。
さらに、演算手段36は、算出したタンク消費量を、消費量カウンタ37に送信する。この消費量カウンタ37は、第1〜第4のサブタンクS1〜S4内に貯留されたインクの消費量(以下、累積消費量Rとする)に関するデータをそれぞれ格納している。詳述すると、消費量カウンタ37は、先に格納されている累積消費量Rに、受信したタンク消費量(=d・J)を加算して新たな累積消費量R(=R+d・J)を記憶することにより、その時々の各サブタンクS内のインク消費量を記憶する。そして、累積消費量Rが所定値以上に達した場合には、印刷制御手段30は、所定値以上に達したサブタンクS内のインクが少量である状態と判断し、加圧ポンプ駆動回路32を介して加圧ポンプPを駆動してインク補給動作を開始させる。このとき、印刷制御手段30は、第1のバルブ駆動回路34を介して、所定値以上に達したサブタンクSに対応するインクカートリッジCに接続された空気供給路22の空気供給バルブ25を開状態にする。
また、印刷制御手段30は、インク補給動作を開始させると、消費量カウンタ37に格納されていたそのときの累積消費量Rを第1の残量カウンタ38に出力するとともに、消費量カウンタ37に格納されていた、そのときの累積消費量Rをリセットさせる。
第1の残量カウンタ38は、ドット演算処理によって算出された第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4毎に、そのインクパック18のインク残量(以下、これを第1のインク残量という)をそれぞれ格納する。第1の残量カウンタ38は、消費量カウンタ37から送信された累積消費量Rを、既に格納している第1のインク残量VDから減算し、新たな第1のインク残量VD(=VD−R)を新たに算出して格納する。
また、空気量演算処理の際は、演算手段36は、各インクカートリッジC毎に、加圧ポンプPによって圧力室19に供給された空気供給量に基づいて、圧力室19の増加容積ΔAを算出する。ここで増加容積ΔAとは、圧力室19のある時点の容積A2から、初期容積A1を減算した値(=A2−A1)である。この増加容積ΔA(=A2−A1)は、インクパック18内のインクが消費されることによって増加した圧力室19の体積を意味する。つまり、増加容積ΔAは、未使用時のインクパック18内のインク量(初期インク量V1)から、インクが消費されることで減少したインク量に相当する。従って、初期インク量V1から、増加容積ΔAを減算すれば、そのときのインクパック18のインク残量(=V1−ΔA;以下、第2のインク残量VZという)となる。そして、演算手段36は、演算した第2のインク残量VZを第2の残量カウンタ39に送信する。尚、本実施形態では、初期インク量V1及び圧力室19の初期容積A1は、インクカートリッジCに設けた
記憶素子15に予め記憶され、その記憶されている初期インク量V1及び初期容積A1を使用して演算が行われる。
第2の残量カウンタ39は、空気量演算処理によって算出された、第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4毎のインクパック18の第2のインク残量VZをそれぞれ格納する。第2の残量カウンタ39は、演算手段36が演算する度に、その新たな第2のインク残量VZ(=V1−ΔA)を更新し、格納する。
計時手段40は、加圧ポンプP(前記加圧用駆動モータ)の駆動開始から駆動停止までの駆動時間Tを計時する。さらに、計時手段40は、駆動時間Tの計時を完了すると、その駆動時間Tを計時カウンタ41に送信する。
計時カウンタ41は、第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4毎に、そのカートリッジのために加圧ポンプPが駆動した駆動時間Tをそれぞれ格納するように構成されている。計時カウンタ41は、計時手段40から駆動時間Tに関する信号を受信すると、既に格納していた駆動時間Tをリセットして新たにその駆動時間Tを格納する。また、供給率設定手段43は、加圧ポンプPの単位時間当たりの空気供給量である、空気供給率Kを格納している。
次に、第1の実施形態の処理手順を説明する。まず、加圧ポンプPの単位時間当たりの空気供給量(空気供給率K)を算出する処理手順について説明する。
インクカートリッジCがカートリッジホルダ10に装着されると、そのインクカートリッジCの端子16がプリンタ1側と電気的に接続されることにより、印刷制御手段30に信号が送信される。このとき、そのインクカートリッジCに対応する空気供給バルブ25及び補給バルブ26は閉状態となっている。印刷制御手段30は、カートリッジ装着の信号を受信すると、第1のバルブ駆動回路34に信号を送信し、そのインクカートリッジCに対応する空気供給バルブ25のみを開状態にする。さらに、印刷制御手段30は、加圧ポンプ駆動回路32に信号を送信して、加圧ポンプPを駆動させる。また、印刷制御手段30から計時手段40に計時を開始させるための信号が送信され、計時手段40が加圧ポンプPの駆動時間Tの計時を開始する。
加圧ポンプPが駆動すると、インクカートリッジCの圧力室19に空気が供給される。このとき、図3に示すように、ケース14内のインクパック18はインクが消費されない状態であって、ケース14とインクパック18との間の圧力室19の初期容積A1は、一定(例えば、5ml)になっている。
圧力検出器27が、圧力室19内の圧力が上限圧力P2(例えば、1.1気圧)になったことを検出すると、圧力検出器27から印刷制御手段30に信号が出力される。印刷制御手段30は、第1のバルブ駆動回路34を駆動して、空気供給バルブ25を閉状態にする。また、印刷制御手段30は、加圧ポンプ駆動回路32に信号を送信し、加圧ポンプP(加圧用駆動モータ)の駆動を停止させる。加圧ポンプPの駆動が停止すると、計時手段40は駆動時間Tの計時動作を終了し、その駆動時間Tを計時カウンタ41に格納する。
計時カウンタ41が駆動時間Tを格納すると、演算手段36は、計時カウンタ41の計数値(駆動時間T)及び圧力室19の初期容積A1に基づいて、加圧ポンプPの空気供給率Kを算出する。具体的には、演算手段36は、記憶素子15に格納された初期容積A1を、計時した駆動時間Tで除算する。例えば、圧力室19の初期容積A1が5ml、その圧力室19を下限圧力P1(1気圧)から上限圧力P2(1.1気圧)にするまでの加圧ポンプPの駆動時間Tが0.5秒とすると、空気供給率Kは1ml/sである。
即ち、
K=A1・(P2−P1)/T=5・(1.1−1.0)/0.5=1ml/s
この演算は、各インクカートリッジC毎に行われ、各インクカートリッジCに対する空気供給率Kが求められる。尚、カートリッジホルダ10に複数のインクカートリッジCが同時に装着された場合は、加圧ポンプPは一つのインクカートリッジCに対し前記した処理をそれぞれ行う。そして、演算手段36は、算出した各インクカートリッジCの空気供給率Kの値を供給率設定手段43にそれぞれ格納する。
次に、サブタンクSにインクを補給するための処理について図6に従って説明する。まず、印刷、フラッシング又はクリーニングによって記録ヘッド8からインクが吐出(排出)されると、タンク消費量(=d・J)が消費量カウンタ37に加算される(S1−1)。具体的には、印刷又はフラッシングが行われると、演算手段36がドット演算処理を行う。すなわち、前記したように、印刷制御手段30が記録ヘッド8のノズルからのインク滴吐出数Jを演算手段36に送信する。演算手段36は、係数設定手段42に格納された係数dを吐出数に乗算して、印刷又はフラッシングの際のタンク消費量(=d・J)を算出する。さらに、演算手段36は、算出したタンク消費量を消費量カウンタ37に送信する。また、クリーニングが行われると、クリーニング機構駆動回路33が、クリーニングの際に記録ヘッド8から排出されたタンク消費量を、消費量カウンタ37に送信する。消費量カウンタ37は、タンク消費量を受信すると、既に格納していた累積消費量Rに加算し、新たに累積消費量R(=R+d・J)を算出する。
次に、累積消費量Rが所定値以上か否かが判断される(S1−2)。具体的には、演算手段36が、累積消費量R(=R+d・J)が、例えば2ml以上であるか否か判断する。累積消費量Rが2ml未満の場合(S1−2においてNO)、そのサブタンクS内のインクの消費量が少なく、十分なインク量が貯留されている状態として、消費量カウンタ37の計数値が所定値以上になるまで、ステップS1−1とステップS1−2の処理が繰り返される。
消費量カウンタ37に格納された累積消費量R(=R+d・J)が、例えば2ml以上等、所定値以上であった場合(S1−2においてYES)、サブタンクSへのインクの補給が行われる前に、残量演算処理が行われる(S1−3)。
この残量演算処理について図7に従って説明する。まず、演算手段36が、加圧ポンプPの空気供給量に基づいてインクカートリッジCの第2のインク残量VZを算出する(S2−1)。詳述すると、印刷制御手段30により、加圧ポンプ駆動回路32に信号が送信されて、加圧ポンプP(加圧用駆動モータ)が駆動する。また、印刷制御手段30の指令により、計時手段40が加圧ポンプPの駆動時間Tの計時動作を開始する。尚、このとき、補給バルブ26は閉状態になっている。
圧力室19に空気が充填されて、圧力検出器27により、圧力室19内の圧力が上限圧力P2(1.1気圧)になったことが検出されると、加圧ポンプPの駆動が停止する。加圧ポンプPの駆動が停止すると、計時手段40が計時を停止し、駆動時間Tを計時カウンタ41に格納する。
加圧ポンプPが停止すると、演算手段36は、空気量演算処理を行う。具体的には、演算手段36は、計時カウンタ37に格納された加圧ポンプPの駆動時間T、供給率設定手段43に格納された空気供給率Kを利用して、圧力室19の増加容積ΔA(=A2−A1)を算出する。例えば、加圧ポンプPの駆動時間Tが1.2秒、空気供給率Kが1ml/sだったとすると、加圧ポンプPの空気供給量から、圧力室19の容積A2は12mlと算出される。さらに、圧力室19の初期容積A1が5mlの場合、圧力室19の初期状態
からの増加容積ΔAは、7mlである。
即ち、
A2=T・K/(P2−P1)=1.2・1/(1.1−1.0)=12ml
ΔA=A2−A1=12ml−5ml=7ml
この圧力室19の増加容積ΔAは、インクが消費されることにより増加した体積であって、インクパック18のインク消費量とみなすことができる。さらに、演算手段36は、インクカートリッジCの初期インク量V1から圧力室19の増加容積ΔAを減算し、インクカートリッジCの第2のインク残量VZを算出する。例えば、初期インク量V1が20mlだったとすると、第2のインク残量VZは、13mlである。
即ち、
VZ=V1−ΔA=20ml−7ml=13ml
演算手段36は、算出した第2のインク残量VZの値を、第2の残量カウンタ39に格納する。
一方、演算手段36は、ドット演算処理を行う。具体的には、演算手段36は、消費量カウンタ37に格納された累積消費量Rと、サブタンクS内に残留したインクを示す前記所定値(2ml)とを、第1の残量カウンタ38に既に格納された第1のインク残量VDから減算し、新たな第1のインク残量VDとして、第1の残量カウンタ38に格納する。
そして、演算手段36は、第1の残量カウンタ38に格納された、ドット演算処理による第1のインク残量VDと、第2の残量カウンタ39に格納された、空気量演算処理による第2のインク残量VZを比較する。尚、ドット演算処理に用いられる係数dは、装置の個体差を考慮して大きめに設定されている。つまり、プリンタ1の個体差により、インク滴の大きさにばらつきが生じる可能性があり、インク滴の大きさがばらつきの範囲の中で大きい方に偏った場合には、インクが多めに消費されることになる。従って、インクカートリッジC内のインクが無くなっているにも関わらず、インクエンドが検出されないような事態を防止するため、係数dは、ばらつきの範囲において比較的大きな値に設定されている。
つまり、大抵の場合、ドット演算処理により算出される第1のインク残量VDよりも、実際のインク残量は多くなることが予測される。このため、空気量演算処理による第2のインク残量VZも、実際の空気供給量に基づいているので、ドット演算処理による第1のインク残量VDよりも多いことが予測される。従って、その予測に反して第1のインク残量VDの方が多い場合には、空気供給システム等にリーク等の異常が発生し、空気量演算処理が適正に行われていない可能性がある。このため、演算手段36は、第1のインク残量VDの方が多い場合には、その第1のインク残量VDを採用するようになっている。第1のインク残量VDの方が少ない場合(VZ>VD)には、空気量演算処理による第2のインク残量VZを採用する。採用されたインク残量は、インクカートリッジCの記憶素子15に格納される。
また、演算手段36は、第2のインク残量VZを採用した場合には、補正処理を行う(S2−2)。具体的には、演算手段36は、第2のインク残量VZ及び第1のインク残量VDとに基づいて、係数設定手段42に格納された係数dを小さく補正する。
さらに、演算手段36は、採用され、記憶素子15に格納したインク残量が所定値以下か否かを判断する(S2−3)。具体的には、演算手段36は、記憶素子15にアクセスして、第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4に対応するインク残量が、所定値以下であるか否かを判断する。インク残量が所定値を超える場合(S2−3においてNO)は
、インクカートリッジC内のインクが十分である状態とみなして、続けてインク補給を行う(S1−4)。インク残量が所定値以下の場合(S2−3においてYES)は、インクエンド状態であると判断して、プリンタ1の図示しない表示部にインクエンドの表示を出力する(S2−4)。つまり、インクカートリッジC内のインクが少量である場合には、サブタンクSへのインク補給を行わないので、インクを補給できないにも関わらず加圧ポンプPを駆動して、補給路11内に気泡等が混入してしまう事態が避けられる。
次に、ステップS1−4におけるインク補給の際の処理手順について、説明する。既に圧力室19内には空気が加圧状態で充填されているので、印刷制御手段30から第2のバルブ駆動回路35に信号が送信され、補給バルブ26が開状態になる。その結果、圧力室19に充填された空気がインクパック18を押し潰すことにより、補給路11を介してサブタンクSにインクが補給される。サブタンクSにインクを充填すると、第2のバルブ駆動回路35により補給バルブ26を閉状態とし、インク補給を終了する。そして、以下、累積消費量Rのカウントアップ、インクカートリッジCの第1及び第2のインク残量VD,VZの演算、及びインク補給処理が前記した処理手順(ステップS1−1〜S1−4、ステップS2−1〜S2−4)に基づいて繰り返される。
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、演算手段36が、計時カウンタ37に格納された加圧ポンプPの駆動時間Tと、供給率設定手段43に格納された、加圧ポンプPの空気供給率Kとを用いて、インクカートリッジCの圧力室19の増加容積ΔAを算出するようにした。また、演算手段36は、インクカートリッジCの初期インク量V1から、圧力室19の増加容積ΔAを減算して、インクカートリッジCの第2のインク残量VZを算出するようにした。このため、プリンタ1側、又はインクカートリッジCにインク残量を検出するセンサ等を設けることなく、インクカートリッジCに供給する空気供給量からインク残量を算出することができる。このため、簡単な構成でインクカートリッジCのインク残量を算出することができる。また、インク残量の演算には、プリンタ1のインク供給システムに予め設けられている加圧ポンプP、空気供給バルブ25等が使用される。このため、インク残量を演算するための部品を別途設けることなく、インク残量を算出することができるので、部品点数を減らすことができる。さらに、インクカートリッジCからサブタンクSへのインク補給を行う前に、インク残量を演算することができるので、インクが無いにも関わらずインク補給動作を行って、補給路11内に気泡等が混入するのを防止できる。
(2)第1の実施形態では、各インクカートリッジCに接続される各空気供給路22に、各空気供給バルブ25をそれぞれ設けた。また、加圧ポンプPから空気を供給する際は、インク補給を行うインクカートリッジCに対応する空気供給バルブ25を開状態とし、その圧力室19に空気を供給するようにした。さらに、演算手段36は、加圧ポンプPの駆動時間Tから、そのインクカートリッジCの圧力室19の容積を算出し、この圧力室19の容積に基づいて第2のインク残量VZを算出するようにした。従って、複数のインクカートリッジCがプリンタ1に搭載されている場合にも、加圧ポンプPの空気供給量に基づいてインク残量を算出することができる。
(3)第1の実施形態では、演算手段36が、ドット演算処理により算出された第1のインク残量VDと、空気量演算処理により算出された第2のインク残量VZとを比較するようにした。また、演算手段36は、ドット演算処理によって算出された第1のインク残量VDの方が多い場合には、補正処理を行って、演算機能に補正を加えるようにした。この補正処理では、係数設定手段42に格納された係数dを、各処理で算出された各インク残量に基づいて、小さくなるように変更した。このため、インク残量をより正確に算出することができる。また、インク補給の度に補正を行うことが可能なので、インク残量をより正確に算出することができる。
(4)第1の実施形態では、演算手段36は、ドット演算処理により算出された第1のインク残量VDと、空気量演算処理により算出された第2のインク残量VZとを比較するようにした。また、演算手段36は、ドット演算処理による第1のインク残量VDの方が少ない場合には、空気演算処理による第2のインク残量VZを採用し、インクカートリッジCの記憶素子15に格納するようにした。また、ドット演算処理による第1のインク残量VDの方が多い場合には、その第1のインク残量VDを採用するようにした。つまり、予測に反してドット演算処理による第1のインク残量VDの方が多い場合には、空気供給システム等にリーク等の異常が発生している可能性を考慮して、ドット演算処理による第1のインク残量VDを採用する。このため、プリンタ1の演算機能の信頼性を向上させることができる。
(5)第1の実施形態では、インクカートリッジCが装着された際に、加圧ポンプPにより、そのインクカートリッジCの圧力室19に空気を供給した。また、演算手段36が、加圧ポンプPの駆動時間T及び圧力室19の初期容積A1に基づいて、加圧ポンプPの空気供給率Kを算出し、供給率設定手段43に格納するようにした。従って、個体差のある加圧ポンプPの空気供給率Kをプリンタ1ごとに算出することができるので、より正確な空気供給率Kを設定できる。このため、加圧ポンプPからの空気供給量をより正確に算出することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図8に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態のインク供給システムと、インク残量を算出する処理手順とを変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図8は、第2の実施形態のインク供給システムの模式図である。図8に示すように、加圧ポンプPには、1本の上流側チューブ20が接続され、上流側チューブ20の途中には圧力調整弁21が設けられている。圧力調整弁21には、上流側チューブ20を介して、1個の検出手段としての圧力検出器50が接続されている。圧力検出器50は、圧力室19が上限圧力P2に達したことを検出した場合には、加圧ポンプPの駆動を停止する。また、圧力検出器50は、各インクカートリッジCに加わる空気圧が下限圧力P1となった場合には、加圧ポンプPを駆動し、インクカートリッジCに加わる空気圧が所定の範囲に維持されるように機能する。
また、圧力検出器50には、各インクカートリッジCにそれぞれ接続する4つの空気流路としての空気供給路51が接続されている。各空気供給路51は、チューブ等から構成され、加圧ポンプPから送出された空気を分配し、それぞれ各インクカートリッジCに供給する。すなわち、加圧ポンプPが駆動すると、各空気供給路51を介して第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4に対して空気が分配されて供給されるようになっている。従って、第1の実施形態における各インクカートリッジCの空気供給バルブ25及び補給バルブ26が配設されないので、第1及び第2のバルブ駆動回路34,35は省略される。
また、本実施形態では、サブタンクSはいわゆる自己封止弁であって、記録ヘッド8にインクを一時貯留するダンパとしての機能だけでなく、記録ヘッド8側へのインクの供給を制御するバルブ機能も有する。このサブタンクSは、サブタンクSと記録ヘッド8との間のインク流路が所定圧よりも負圧になると、サブタンクS内と記録ヘッド8とを連通し、一時貯留したインクを記録ヘッド8側へ供給するようになっている。
次に、加圧ポンプPの単位時間当たりの空気供給量(空気供給率K)を算出する処理手順について説明する。インクカートリッジCがカートリッジホルダ10に装着されると、
印刷制御手段30は、加圧ポンプ駆動回路32に信号を送信して、加圧ポンプPを駆動させる。また、印刷制御手段30から計時手段40に計時動作を開始させるための信号が送信され、計時手段40が加圧ポンプPの駆動時間Tの計時を開始する。
加圧ポンプPが駆動すると、インクカートリッジCの各圧力室19に空気が供給される。このとき、各圧力室19の初期容積A1は、一定(例えば、5ml)になっている。圧力検出器50が、各圧力室19内の圧力が上限圧力P2(例えば、1.1気圧)になったことを検出すると、圧力検出器50から印刷制御手段30に信号が出力され、印刷制御手段30は、加圧ポンプP(加圧用駆動モータ)の駆動を停止させる。加圧ポンプPの駆動が停止すると、計時手段40が駆動時間Tの計時動作を終了し、駆動時間Tを計時カウンタ41に格納する。
計時カウンタ41が駆動時間Tを格納すると、演算手段36は、計時カウンタ41の駆動時間T及び各圧力室19の初期容積A1に基づいて、加圧ポンプPの空気供給率Kを算出する。具体的には、演算手段36は、予め格納された初期容積A1を、計時した駆動時間Tで除算する。例えば、各圧力室19の初期容積A1が5ml、それらの圧力室19を下限圧力P1(1気圧)から上限圧力P2(1.1気圧)にするまでの加圧ポンプPの駆動時間Tが0.4秒とすると、空気供給率Kは5ml/sである。
即ち、
K=4・A1・(P2−P1)/T=4・5・(1.1−1.0)/0.4
=5ml/s
そして、演算手段36は、算出した空気供給率Kの値を供給率設定手段43に格納する。
次に、インク残量演算処理及びインク補給処理の処理手順を図6及び図7に従って説明する。まず、演算手段36が、印刷制御手段30、又はクリーニング機構駆動回路33から送信された信号に基づいて、タンク消費量(=d・J)を消費量カウンタ37に加算する(S1−1)。さらに、演算手段36が、消費量カウンタ37の各計数値、すなわち累積消費量Rが所定値以上か否か判断する(S1−2)。累積消費量Rが所定値(例えば、2ml)未満の場合(S1−2においてNO)には、サブタンクS内のインクが十分ある状態として、消費量カウンタ37の計数値が所定値以上になるまで、ステップS1−1とステップS1−2の処理が繰り返される。
各インクカートリッジCに対応する累積消費量Rのうち、所定値(2ml)以上の累積消費量Rが格納された場合(S1−2においてYES)には、演算手段36が、残量演算処理を行う(S1−3)。具体的には、演算手段36が、供給率設定手段43に格納された空気供給率Kと、計時カウンタ51の駆動時間Tとを利用して、各圧力室19の容積の総和TA2を算出する。例えば、加圧ポンプPの空気供給率Kが5ml/s、加圧ポンプPの駆動時間Tが1.1秒である場合、各圧力室19の容積の総和TA2は、55mlである。
即ち、
TA2=T・K/(P2−P1)=1.1・5/(1.1−1.0)=55ml
さらに、演算手段36は、各圧力室19の容積の総和TA2から、各圧力室19の初期容積の総和TA1を減算して、各圧力室19の増加容積の総和TΔA、つまり各インクカートリッジCのインク消費量の総和を算出する。例えば、各圧力室19の初期容積の総和TA1が20ml(5ml・4個)だとすると、各圧力室19の増加容積の総和TΔA(=TA2−TA1)は35mlである。
さらにまた、演算手段36は、各圧力室19の増加容積の総和TΔAを、インクカートリッジCのインク初期量の総和TV1から減算して、第2のインク残量の総和TVZを算出する。例えば、インク初期量の総和TV1が80ml(20ml・4個)だとすると、第2のインク残量の総和TVZ(=TV1−TΔA)は、45mlである。このとき、演算手段36により、ドット演算処理が行われて、第1の残量カウンタ38に各インクカートリッジCのインク残量がそれぞれ格納されている。
さらに、演算手段36が、第1の残量カウンタ38にアクセスして、ドット演算処理によって算出された第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4の第1のインク残量VDを読み出す。また、演算手段36は、読み出した各インクカートリッジCの第1のインク残量VDを使用して、各第1のインク残量VDの、第1のインク残量VDの総和に対する比率r(=VD/TVD)を算出する。さらに、演算手段36は、算出した各比率rをインク残量の総和TVZに乗算して、新たに各インクカートリッジCの第2のインク残量VZ(=r・TVZ)をそれぞれ算出する。
つまり、例えば、第1のインクカートリッジC1の第1のインク残量VDが8ml、第2のインクカートリッジC2の第1のインク残量VDが16ml、第3のインクカートリッジC3の第1のインク残量VDが8ml、第4のインクカートリッジC4の第1のインク残量VDが18mlの場合、第1のインク残量の総和TVDは、50mlである。このとき、例えば、演算手段36は、第1のインクカートリッジC1の残量の総和に対する比率r(=VD/TVD=8/50)を算出する。さらに、演算手段36は、この比率rを、空気供給量から算出した第2のインク残量の総和TVZ(45ml)に乗算して、第2のインク残量VZ(=r・TVZ=7.2ml)を算出する。
また、演算手段36は、第2のインクカートリッジC2の比率r(=VD/TVD=16/50)を算出し、第2のインク残量VZ(=r・TVZ=14.4ml)を算出する。演算手段36は、第3及び第4のインクカートリッジC3,C4の第2のインク残量VZも同様にして算出する。すなわち、ドット演算処理によって求めた第1のインク残量VDは、プリンタ1の個体差によってばらつきが生じるが、各インク残量の全体に対する比率rは、比較的正確である利点がある。また、空気量演算処理は、実際の空気供給量に基づいているのでインク残量の総和を比較的正確に算出することができる。このため、空気量演算処理によって算出したインク残量の総和TVZに、ドット演算処理によって求めた比率rを乗算することによって、複数のインクカートリッジCの第2のインク残量VZをそれぞれ算出することができる。
また、演算手段36は、第2のインク残量VZが第1のインク残量VDよりも多い場合(VZ>VD)には、補正処理を行う(S2−2)。具体的には、演算手段36は、第2のインク残量の総和TVZ(45ml)と、第1のインク残量の総和TVD(50ml)に基づいて、係数設定手段42に格納された係数dを小さくする。
さらに、演算手段36は、各インクカートリッジCの第2のインク残量VZが所定値以下か否かを判断する(S2−3)。具体的には、演算手段36は、第2の残量カウンタ39にアクセスして、第1〜第4のインクカートリッジC1〜C4に対応する第2のインク残量VZが、所定値以下であるか否かを判断する。第2のインク残量VZが所定値を超える場合(S2−3においてNO)は、インク補給が行われる(S1−4)。所定値以下の場合(S2−3においてYES)は、そのインクカートリッジCがインクエンド状態であると判断して、図示しない表示部にインクエンドの表示を出力する(S2−4)。
次に、ステップS1−4における本実施形態のインク補給のための処理手順について説明する。まず、印刷制御手段30から、加圧ポンプ駆動回路32に信号が送信されて、加
圧ポンプPが駆動し、全ての圧力室19に対し空気が送出される。加圧ポンプPからの空気の供給により、各圧力室19に空気が充填され、圧力検出器50が各圧力室19の圧力がインク補給のための圧力(例えば、1.2気圧)に達したことを検出すると、加圧ポンプPの駆動が停止される。その結果、圧力室19に充填された空気がインクパック18を押し潰すことにより、補給路11を介してサブタンクSにインクが補給される。サブタンクSにインクを充填すると、インク補給を終了する。そして、以下、累積消費量Rのカウントアップ、インクカートリッジCの第1及び第2のインク残量VD,VZの演算及びインク補給処理が前記した処理手順(ステップS1−1〜S1−4、ステップS2−1〜S2−4)に基づいて繰り返される。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(3)〜(5)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(6)第2の実施形態では、演算手段36が、計時カウンタ37に格納された加圧ポンプPの駆動時間Tと、供給率設定手段43に格納された空気供給率Kとを用いて、インクカートリッジCの圧力室19の増加容積の総和TΔAを算出し、この増加容積の総和TΔAから第2のインク残量の総和TVZを算出するようにした。また、演算手段36は、ドット演算処理によって算出された第1のインク残量VDを使用して、各第1のインク残量VDのインク残量の総和TVDに対する比率rを算出するようにした。さらに、演算手段36は、算出した各比率rを第2のインク残量の総和TVZに乗算して、各インクカートリッジCの第2のインク残量VZをそれぞれ算出するようにした。このため、プリンタ1側、又はインクカートリッジCにインク残量を検出するセンサ等を設けることなく、インクカートリッジCに供給する空気供給量からインク残量を算出することができる。また、インク残量の演算には、プリンタ1のインク供給システムに予め設けられている加圧ポンプP、空気供給バルブ25等が使用されるので、インク残量を演算するための部品を別途設けることなく、インク残量を算出することができる。さらに、インクカートリッジCからサブタンクSへのインク補給を行う前に、インク残量を演算することができるので、インクが無いにも関わらずインク補給動作を行って、補給路11内に気泡等が混入するのを防止できる。
また、実際に空気を供給することによって、残量の総和を比較的正確に算出できる空気量演算処理と、各インク残量の比率rを算出できるドット演算処理とを利用して各インク残量を算出するので、比較的正確にインク残量を算出できる。さらに、各インクカートリッジCごとに空気を供給しなくても、簡単な構成及び制御で複数のインクカートリッジCのインク残量を演算することができる。
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施形態では、各インクカートリッジCに対する空気供給率Kを求めるようにしたが、これを平均化して、一つの空気供給率Kにして使用するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、インク補給(S1−4)の前に、インク残量演算処理(S1−3)を行うようにしたが、図9に示すように、インク補給(S3−3)の後に残量演算処理(S3−4)を行うようにしてもよい。このとき、インクを供給した後のインクカートリッジCに、再度、加圧ポンプPから空気を圧送して圧力室19内に空気を充填することで、演算手段36により空気量演算処理が行われる。このため、インクを消費した後すぐにインク残量を演算することができるので、インクエンド状態を直ちに検知することができる。尚、各ステップの処理手順の内容は、S1−1〜S1−4、及びS2−1〜S2−4と同じである。
・上記各実施形態では、第2のインク残量VZが第1のインク残量VDよりも少ない(VZ<VD)場合には、係数設定手段42に格納された係数dを補正する(S2−2)よ
うにしたが、プリンタ1の個体差が小さい場合には、この処理を省いてもよい。これにより、より簡単な処理手順にすることができる。
・上記各実施形態では、係数設定手段42は、インク滴の重量(ドット重量)に関する係数を記憶するようにしてもよい。また、このとき、演算手段36は、インクカートリッジC内に残ったインクの重量を算出するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、空気をインクカートリッジCに供給することで、インクを記録ヘッド8に供給するようにしたが、インクカートリッジCを記録ヘッド8よりも鉛直方向において上方に設けることにより、インクカートリッジCから記録ヘッド8へ重力によってインクを供給するようにしてもよい。この場合、加圧ポンプP、上流側チューブ20、圧力調整弁21、空気供給バルブ25、圧力検出器27,50等の空気供給システムは、インクカートリッジCのインク残量を演算する目的のみで使用される。
・上記各実施形態では、プリンタ1は4個のインクカートリッジCを備えるようにしたが、これ以外の数でもよい。例えば、1個のみインクカートリッジCを備えてもよい。
・第2の実施形態では、サブタンクSをいわゆる自己封止弁の構成にしたが、単なるダンパ構成にしてもよい。
・第2の実施形態では、複数のインクパック18を一つのケースに収容し、一つの圧力室を共有するインクカートリッジに適用してもよい。
・上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ1について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、流体(液体)もインクに限られず、他の流体(液体)に応用してもよい。また、液体収容体は、液体噴射装置以外の他の装置に搭載されるものとして使用してもよい。
第1の実施形態のプリンタの平面図。 同プリンタのインク供給システムを説明する模式図。 同プリンタのインクカートリッジの初期状態を示す説明図。 同インクカートリッジのインク消費状態を示す説明図。 同プリンタの電気的構成を説明する説明図。 同実施形態の処理手順の説明図。 同実施形態の残量演算処理の説明図。 第2の実施形態のインク供給システムの模式図。 別例の処理手順の説明図。
符号の説明
1…液体噴射装置としてのプリンタ、8…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、14…ケース、18…液体収容部としてのインクパック、19…空気室としての圧力室、22,51…空気流路としての空気供給路、25…検出手段としての空気供給バルブ、36…演算手段及び吐出量演算手段としての演算手段、50…検出手段としての圧力検出器、C,C1〜C4…液体収容体としてのインクカートリッジ、P…加圧ポンプ。

Claims (9)

  1. 液体噴射ヘッドから液体を噴射させる液体噴射装置において、
    ケース内の密閉された空気室に、可撓性部材を有する液体収容部を収容し、同液体収容部から前記液体噴射ヘッド側に液体を導出することにより前記液体収容部の減少した体積だけ前記空気室の容積が増大する液体収容体と、前記空気室に空気を供給する加圧ポンプと、前記空気室内の圧力を検出する検出手段と、前記液体収容体の液体残量を演算する演算手段とを備え、
    前記演算手段が、前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプによる空気供給量に基づいて前記空気室の容積を算出し、この空気室容積から前記液体収容部内の液体の残量を算出することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記液体収容体を複数備え、
    前記各液体収容体と前記加圧ポンプとをそれぞれ連通する各空気流路の途中に各空気供給バルブを設け、所定の前記液体収容体から前記液体噴射ヘッド側に液体を供給する際は、その液体収容体に対応する前記空気供給バルブを開状態にするとともに、
    前記演算手段は、前記各液体収容体毎に前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの空気供給量に基づいて前記空気室の容積を算出し、それぞれ前記液体収容体の初期液体量から前記空気室容積を減算することにより前記液体収容体の液体残量を算出することを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2に記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数又は液体量に基づいて、前記各液体収容体の液体残量を算出する吐出量演算手段をさらに備え、
    前記吐出量演算手段により算出された各液体残量と、前記演算手段により算出された各液体残量とに基づいて、前記吐出量演算手段が前記液体残量の算出に用いる演算パラメータを補正することを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記液体収容体を複数備え、
    前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数又は液体量に基づいて、前記各液体収容体の液体残量を算出する吐出量演算手段と、
    前記各液体収容体に対し、前記加圧ポンプから送出された空気を前記各液体収容体の空気室に分配して供給する空気流路とをさらに備え、
    前記演算手段が、前記各空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプによる空気供給量に基づいて、前記各空気室の容積の総和を算出し、前記各液体収容体の初期液体量の総和から前記各空気室の容積の総和を減算して、前記液体収容体の液体残量の総和を算出するとともに、
    前記各液体収容体の液体残量の総和に、前記吐出量演算手段により算出された前記各液体収容体の液体残量の全体量に対する各比率を乗算して、前記各液体収容体の液体残量をそれぞれ算出することを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項4に記載の液体噴射装置において、
    前記吐出量演算手段により算出された各液体残量の総和と、前記演算手段により算出された各液体残量の総和とを比較して、前記吐出量演算手段が前記液体残量の算出に用いる演算パラメータを補正することを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項3又は5に記載の液体噴射装置において、
    前記演算パラメータは、前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の液滴数に乗算する係
    数であって、
    前記吐出量演算手段は、前記液滴数に前記係数を乗算することにより液体消費量を算出し、
    前記吐出量演算手段の前記演算パラメータに補正を加える際は、前記係数の大きさを、前記吐出量演算手段により算出される液体残量が、前記演算手段により算出される液体残量に近づくように変更することを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか一つに記載の液体噴射装置において、
    前記演算手段により算出された液体残量が、前記吐出量演算手段により算出された液体残量よりも少ない場合には、前記吐出量演算手段から算出された液体残量を採用することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の液体噴射装置において、
    前記液体収容部の液体が消費されていない時の前記空気室の容積を初期容積とし、前記演算手段は、前記初期容積と、前記初期容積の状態の前記空気室に前記加圧ポンプにより空気を供給し、前記空気室の圧力を所定圧力に到達させるまでの前記加圧ポンプの駆動時間とから、前記加圧ポンプの単位時間あたりの空気供給量を算出し、その単位時間あたりの空気供給量に基づいて前記加圧ポンプからの空気供給量を算出することを特徴とする液体噴射装置。
  9. 液体噴射ヘッドから液体を噴射させる液体噴射装置の液体残量演算方法において、
    ケース内の密閉された空気室に、可撓性部材を有する液体収容部を収容し、同液体収容部から前記液体噴射ヘッド側に液体を導出することにより前記液体収容部の減少した体積だけ前記空気室の容積が増大する液体収容体と、前記空気室に空気を供給する加圧ポンプと、前記空気室内の圧力を検出する検出手段とを備え、
    前記加圧ポンプにて空気を前記空気室に供給し、前記空気室の圧力が所定圧力に到達するまでの前記加圧ポンプの空気供給量を求め、その空気供給量から前記空気室の容積を求めて、この空気室容積から前記液体収容部内の液体の残量を算出することを特徴とする液体噴射装置の液体残量演算方法。
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