JP2008012804A - 液体噴射装置及び液体残量演算方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体残量演算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成であっても、液体収容部の消費量又は残量を演算する演算機能に液体種個別の補正を加えることができる液体噴射装置及び液体残量演算方法を提供する。
【解決手段】インクエンドのインクカートリッジが新品のインクカートリッジと交換された前後において、インクカートリッジ内に収容されたインクパックとケースとの隙間からなる圧力室に、大気圧から所定圧力P2に到達するまで加圧ポンプを駆動して空気を供給する。演算手段は、そのときの空気供給量と圧力室の圧力変化との関係から決まる圧力室の総容積から、交換前のインク総使用量Vendと、交換後のインク総使用量Vintをそれぞれ算出する(S32〜S38,S40〜S45)。演算手段は、インク総使用量VendとVintの差分であるインク使用量ΔVと、そのインク色のインク消費量Rとを用いて、演算手段がそのインク色のインク消費量の演算に用いる係数を補正する(S47,S48)。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体噴射ヘッドで液体が噴射等されて液体供給源である液体収容部で消費された液体の消費量又は残量を求める機能を備えた液体噴射装置及び液体残量演算方法に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンタという)が広く知られている。このプリンタの中には、インクカートリッジをキャリッジに搭載せず、装置本体側に配置する構成(いわゆるオフキャリッジ型)を採用するものがある。このプリンタに備えられるインク供給システムは、インクを補給する時期を検出すると、加圧ポンプの駆動によりインクカートリッジ内に空気を送出して、空気の加圧によりインクを補給するようになっている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、これらのプリンタには、インクカートリッジがインクエンドなったか否かを判定するため、インクカートリッジ毎のインク消費量を演算するインク消費量演算手段が備えられていた。インク消費量演算手段は、印刷データに基づく記録ヘッドからのインク滴の吐出数、およびフラッシング動作による記録ヘッドからのインク滴の吐出数をカウントアップして、これに係数を乗じてインク消費量に換算する。また、充填動作やクリーニング動作による記録ヘッドからのインク吸引量をインク消費量として積算する。そして、インク消費量演算手段がインク色毎に演算したインク消費量を初期インク量から減算することで、インクカートリッジ毎のインク残量を算出している。
また、特許文献2に記載されたプリンタでは、インクカートリッジ内に所定圧力に到達するまで空気を送り込み、この過程におけるインクカートリッジ内の空気圧の変化と空気送込量との関係からインク使用量を演算する空気量演算処理が採用されている。そして、このインク使用量にインク消費量が一致するように係数を補正することにより、インク消費量演算手段の演算機能に補正を加える構成になっていた。
特許文献2には、各インクカートリッジ毎に個々に圧力検出手段及び空気供給バルブを備えた構成が開示されている。また、特許文献2には、他の構成として、複数のインクカートリッジに共通の圧力検出手段が1個設けられただけの構成が開示されている。
特開2002−273906号公報 特開2005−271303号公報
ところで、インク消費量演算手段では、記録装置(プリンタ)の個体差によりインク滴のドット重量が±10%程度のばらつきをもつことから、インクエンドを検出しないままインク切れになって発生する空打ちを防止するため、インク滴のドット重量がばらつき範囲内で最大側に偏った場合を想定して係数が大きめの値に初期設定されている。このため、ドット重量がばらつきの最小の方向にずれた場合には、全容量の20%のインクが残った状態でインクエンドとなってしまう。また、インク滴のドット重量のばらつきは、インク色毎のノズルの個体差のばらつき等に起因して、インク色毎に異なっている。このため、どのインクカートリッジにおいても適正なインク残量の時にインクエンドと判定されるためには、インク消費量演算手段が演算に用いる係数の補正がインク色毎に行われることが好ましい。
特許文献2に開示された二つの構成のうち、各インクカートリッジ毎に個々に圧力検出手段及び空気供給バルブを備えた構成の場合、インク色毎に個別に係数を補正するためには、インクカートリッジ毎に個別に空気送込動作を行わなければならなかった。このため、空気送込動作をインク色と同数の4回ずつ行う必要があり、補正に長時間を要する。さらに圧力検出手段及び空気供給バルブを4個ずつ設ける必要があるので、多くの部品点数による装置構造の複雑化および製造コストの上昇を招くという問題があった。
また、特許文献2に開示された二つの構成のうち、複数のインクカートリッジに共通の圧力検出手段が1個設けられただけの構成の場合、空気送込量は全てのインクカートリッジの空気室の総容積であり、この空気室の総容積と、インクカートリッジ毎のインク消費量の総和とが等しいとみなして、両者の比に応じて係数を補正する構成であった。この補正された係数は、インク色毎のドット重量のばらつきをインク色間で平均した平均ばらつきを補正する値になっており、インク色間に共通に適用される一律補正を行うものであった。
このため、圧力検出手段や空気供給バルブを各インクカートリッジに個々に設けることなく、各インクカートリッジ間で共有する簡単な装置構成としても、インク色毎に個別に係数を補正できる構成が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、圧力検出手段が二以上の液体収容部間で共有されるなどの簡単な構成であっても、液体収容部の消費量又は残量を演算する演算機能に液体種個別の補正を加えることができる液体噴射装置及び液体残量演算方法を提供することにある。
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、異なる種類の液体をそれぞれ収容する複数の液体収容部が個々に密閉状態に収容された一以上の液体収容体と、前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1の演算手段と、前記室の圧力を検出する圧力検出手段と、前記液体収容部が未使用の液体収容部と交換された交換前後に、当該交換に係る液体収容部に対応する室を含む二以上の室に前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ前記ポンプによる流体の供給又は吸引を行わせる制御手段と、前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から決まる前記二以上の室の総容積の交換前後の差が交換前の前記液体収容部の消費量に等しい関係を用いて該交換前の液体収容部の消費量又は残量を演算する第2の演算手段と、前記第1及び第2の演算手段による前記交換前の液体収容部に係る各演算結果に基づいて、前記第1の演算手段における演算機能に当該液体収容部に対応する液体種個別の補正を加える補正手段とを備えたことを要旨とする。なお、流体とは、気体などの圧縮性流体を指す。また、液体収容部の交換は、液体収容部ごと、あるいは液体収容体ごと交換されてもよい。
これによれば、液体収容部が未使用の液体収容部と交換される場合、その交換前と交換後において、制御手段によってポンプが駆動され、当該交換に係る液体収容部に対応する室を含む二以上の室に対し圧力検出手段により圧力を検出しつつ流体の供給又は吸引が行われる。この液体収容部の交換前後において第1の演算手段は、液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を液体収容部毎に演算する。また、液体収容部の交換後において、第2の演算手段は、二以上の室に対して供給又は吸引された流体量と圧力変化との関係から規定される前記二以上の室の総容積の交換前後の差から交換前の前記液体収容部の消費量又は残量を演算する流体量の供給又は吸引前後の圧力変化(圧力差)を少なくとも用いて、流体量と圧力変化との関係から規定される二以上の室の総容積の交換前後の差から、交換前の液体収容部の消費量又は残量を演算する。そして、補正手段は、第1及び第2の演算手段により演算された交換に係る液体収容部の各演算結果に基づいて、第1の演算手段における演算機能に交換に係る液体収容部に対応する液体種個別の補正を加える。このように交換された液体収容部に対応する液体種については第1の演算手段における演算機能に個別の補正が加えられる。よって、液体収容部が交換される度に第1の演算手段の演算機能にその交換に係る液体収容部に対応する液体種個別の補正が加えられるので、第1の演算手段により演算される液体収容部毎の消費量又は残量の精度を高くすることができる。例えば液体収容部毎に求められる液体残量の精度が向上する。
また、本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部が個々に密閉状態に収容された一以上の液体収容体と、前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積が増える前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記室の圧力を検出する圧力検出手段と、前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1の演算手段と、前記ポンプを駆動して二以上の前記室に対し前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ流体の供給又は吸引を行わせる制御手段と、前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から該二以上の室に対応する二以上の前記液体収容部の総消費量又は総残量を演算する第2の演算手段と、前記第1の演算手段による液体収容部毎の前記消費量又は残量と、前記第2の演算手段による前記二以上の液体収容部の前記総消費量又は総残量とを対応させて、異なるタイミングで複数回取得したデータに基づいて、前記第1の演算手段における演算機能に液体種毎個別に補正を加える補正手段とを備えたことを要旨とする。
これによれば、第1の演算手段は、液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を液体収容部毎に演算する。制御手段は、ポンプを駆動して圧力検出手段により圧力を検出しつつ二以上の室に対し流体の供給又は吸引を行わせる。また、第2の演算手段は、前記二以上の室に対して供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から、前記二以上の室に対応する二以上の液体収容部の総消費量又は総残量を演算する。補正手段は、第1の演算手段による液体収容部毎の前記消費量又は残量と、第2の演算手段による二以上の液体収容部の総消費量又は総残量とを対応させて、異なるタイミングで複数回取得したデータに基づいて、前記第1の演算手段における演算機能に液体種毎個別に補正を加える。よって、第1の演算手段により液体種毎に演算される液体収容部の消費量又は残量の精度を高くすることができる。例えば液体収容部毎に求められる液体残量の精度が向上する。
また、本発明の液体噴射装置では、前記複数の液体収容部がそれぞれ個別に筐体内に収容された複数の液体収容体を備えていることが好ましい。これによれば、一つの液体収容部の液体を使い切った場合にそれを収容する液体収容体を交換することで、その液体収容部のみを交換できるので、経済的である。
また、本発明の液体噴射装置では、前記ポンプは、前記室に流体を供給して該室の室圧を加圧する加圧ポンプであることが好ましい。これによれば、加圧ポンプにより室に流体を供給して室圧を上昇させる構成なので、液体収容体の室に流体を供給して液体収容部を加圧することにより液体収容部から液体噴射ヘッド側へ液体を供給する液体供給システムの加圧ポンプとして共用することができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記加圧ポンプにより室圧が所定圧力に到達するまで前記室に流体を送り込むことによって前記液体収容部を加圧し、前記液体収容部から液体を前記液体噴射ヘッドへ供給することが好ましい。
これによれば、室に流体を送り込んで液体収容部を加圧して前記液体噴射ヘッドへ液体を供給するために設けられた加圧ポンプ及び圧力検出手段を、第1の演算手段の演算機能に補正を加えるために行われる室への流体の供給にも流用される。このため、補正専用にポンプと圧力検出手段を設ける必要がなくなる。なお、液体供給時に加圧する所定圧力と、補正のために室に流体を送り込んで加圧する所定圧力は、必ずしも一致しない。
また、本発明の液体噴射装置では、前記液体収容部から前記液体噴射ヘッドへ液体を供給する液体供給路上には液体供給弁が設けられ、前記制御手段は前記ポンプを駆動させる際は、前記液体供給弁を閉弁させることが好ましい。
これによれば、室の室圧に所定の圧力変化が生じるまでポンプが駆動される際は、液体供給弁が閉弁される。この閉弁によって、流体が室へ供給された際に液体収容部が加圧されて液体収容部内の液体が排出されることが回避されたり、あるいは室から流体を吸引した際に液体収容部に負圧が作用して液体収容部内へ液体が導入されることが回避されたりする。このため、流体を室へ供給又は室から流体を吸引しても、室の容積は変化しなくなる。よって、演算される液体の消費量又は残量の精度を向上できる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記補正手段による前記演算機能の液体種個別の補正が行われる前において、前記制御手段は前記ポンプを駆動させて前記二以上の室に対する流体を供給又は吸引を行わせ、前記二以上の室に供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から前記第2の演算手段が演算した該二以上の液体収容部の総消費量と、前記第1の演算手段が演算した前記二以上の液体収容部の消費量の総和との比に応じて前記第1の演算手段における演算機能に補正を加える第2補正手段をさらに備えたことが好ましい。
これによれば、最初に装着された液体収容体についても、第2補正手段により第1の演算手段の演算機能に補正(一律補正)が加えられることにより、第1の演算手段により求められる液体収容部毎の消費量又は残量の精度を上げることができる。この結果、例えば液体収容部の液体を使い切ったと判定される液体エンド時の残量を少なくすることができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記第1の演算手段は、液体噴射指示データに基づく前記液体噴射ヘッドからの液滴の吐出数及びフラッシング動作による前記液体噴射ヘッドからの液滴の吐出数に、それぞれ係数を乗じて液体の消費量を演算することが好ましい。
これによれば、液体噴射ヘッドから吐出される液滴の吐出数から液体の消費量を演算することができる。よって、第1の演算手段により、消費量を求めたり、又は液体収容部の初期液体量から該消費量を差し引いて残量を求めたりすることができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記補正手段は、前記係数を補正することが好ましい。
これによれば、補正手段が係数を補正することにより、第1の演算手段により求められる液体の消費量又は残量の精度を上げることができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記液体噴射ヘッドは、液滴重量の異なる複数種の液滴を吐出可能であり、前記係数は複数の液滴重量に対応して複数管理されていることが好ましい。
これによれば、液体噴射ヘッドから吐出される液滴の液滴重量(つまり液滴サイズ)が異なっても、その液滴重量に対応して管理された係数が選択されて消費量が求められる。このため、第1の演算手段により求められる消費量又は残量の精度を上げることができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記第1の演算手段は、前記液体噴射ヘッドから液体を吸引排出させるクリーニングの動作毎に該クリーニングに対応する所定の消費量を計数して前記消費量又は残量を求めるように構成されていることが好ましい。
これによれば、液体噴射ヘッドから液体を吸引排出させるクリーニングが行われたときには、そのクリーニングに対応する所定の消費量が計数されて消費量又は残量が求められる。よって、第1の演算手段により求められる消費量又は残量の精度を上げることができる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記第1の演算手段における演算機能は、前記液体噴射ヘッドから吐出される液滴のドット重量がばらつき範囲内の大きい側に偏っている場合を想定して前記消費量が算出されるように設定されており、前記第1の演算手段により求められた消費量よりも、前記第2の演算手段により求められた消費量の方が多い場合は、前記補正手段は補正を行わないことが好ましい。
これによれば、第1の演算手段によりドット重量がばらつき範囲内の大きい側に偏っている場合を想定して設定された演算機能に基づき消費量又は残量を演算する。この第1の演算手段の演算結果から定まる消費量よりも、第2の演算手段の演算結果から定まる消費量の方が多い場合、補正手段による補正は行われない。つまり、それまでの演算機能に基づき演算された第1の演算手段による消費量又は残量が採用される。よって、例えば設定よりも早く液体切れと判定されることを回避でき、しかも設定より実際の消費が少なめの場合に液体収容部の液体切れ判定時期を遅らせて液体収容部の液体をより多く使用できる。
また、本発明の液体噴射装置では、前記制御手段は、前記液体収容部が満タン状態にあって二以上の室の総容積が既知であるときに前記ポンプを駆動させて該二以上の室に流体を供給又は吸引させるように構成され、該供給又は吸引の際にポンプ駆動時間又はポンプ駆動回転数と、該二以上の室の圧力変化とを取得して両値の対応関係から、前記ポンプにより単位時間当たり又は単位回転当たりに供給又は吸引される流量を算出して前記第2の演算手段における前記演算機能に設定する設定手段をさらに備えたことが好ましい。
これによれば、設定手段によりポンプの個体差等によりばらつくポンプ能力を適正に設定できるので、第2の演算手段による消費量又は残量を精度よく求めることができる。
また、上記の液体噴射装置の発明は、液体噴射装置の液体残量演算方法として実現することも可能である。すなわち、一の方法の発明は、一つ以上の液体収容体に個別に密閉状態に収容されるとともに液体噴射ヘッドに供給される異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部の液体残量を演算する液体噴射装置の液体残量演算方法であって、前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記室の圧力を検出する圧力検出手段とを用い、演算手段が前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1演算ステップと、前記複数のうち一つの液体収容部が未使用の液体収容部と液体収容部ごとあるいは液体収容体ごと交換された交換前後に、当該交換に係る液体収容部に対応する室を含む二以上の室に前記圧力検出手段により前記二以上の室の圧力を検出しつつ前記ポンプによる流体の供給又は吸引を行わせる制御ステップと、前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との関係から決まる前記二以上の室の総容積の交換前後の差が交換前の前記液体収容部の消費量に等しい関係を用いて該液体収容部の消費量又は残量を演算する第2演算ステップと、前記第1演算ステップ及び前記第2演算ステップの前記交換前の前記液体収容部に係る各演算結果に基づいて、前記演算手段における演算機能に前記交換に係った液体収容部に対応する液体種個別の補正を加える補正ステップとを備え、前記演算手段が補正後の演算機能に従って前記液体収容部毎の残量を求めることを要旨とする。
また、他の方法の発明は、一以上の液体収容体に個別に密閉状態に収容されるとともに液体噴射ヘッドに供給される異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部の液体残量を演算する液体噴射装置の液体残量演算方法であって、前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記室の圧力を検出する圧力検出手段とを用い、演算手段が前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1演算ステップと、二以上の前記室に対して前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ前記ポンプに流体の供給又は吸引を行わせる制御ステップと、前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から該二以上の室に対応する二以上の前記液体収容部の総消費量又は総残量を演算する第2の演算手段と、前記第1の演算ステップによる液体収容部毎の前記消費量又は残量と、前記第2の演算手段による前記二以上の液体収容部の前記総消費量又は総残量とを対応させて、異なるタイミングで複数回取得したデータに基づいて、前記演算手段における演算機能に液体種個別に補正を加える補正ステップとを備え、前記演算手段が補正後の演算機能に従って前記液体収容部毎の残量を求めることを要旨とする。
(第1実施形態)
以下、本発明をインクジェット式プリンタに具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、本実施形態におけるインクジェット式プリンタの平面図である。図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ11」という)は、上方(図面の紙面手前方向)側が開口する略矩形箱状をなす本体ケース12を備えている。本体ケース12内の底部寄り位置には、その長手方向に沿ってプラテン13が架設されている。プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙(図示略)が副走査方向(図1における上下方向)に給送されるようになっている。また、本体ケース12内には、プラテン13の長手方向と平行に棒状のガイド軸14が架設されている。
このガイド軸14には、キャリッジ15がガイド軸14の軸線方向に沿って往復移動可能に支持されている。キャリッジ15は、一対のプーリ16a間に張設された無端状のタイミングベルト16に固定されている。本体ケース12の背面右端寄り位置にはキャリッジモータ17が配設され、このキャリッジモータ17は一方のプーリ16aを回転駆動させる。キャリッジモータ17が正逆転駆動されると、タイミングベルト16が正逆回転し、キャリッジ15はガイド軸14に沿って主走査方向(図1における左右方向)に往復移動するように構成されている。
キャリッジ15のプラテン13に対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド18が設けられている。また、キャリッジ15上には、記録ヘッド18に供給される液体としてのインクの圧力調整を行うバルブユニット19がインク色と同数の複数個(本実施形態では4個)設けられている。そして、記録ヘッド18からプラテン13上に給送された記録用紙(図示略)にインク滴が噴射されることで印刷が行われるようになっている。
本体ケース12の一端部(図1では右端部)には、カートリッジホルダ21が設けられている。カートリッジホルダ21には、複数個(本実施形態では4個)の液体収容体としてのインクカートリッジC1〜C4が着脱可能に装填されている。この装填状態にある各インクカートリッジCは、インク供給路22a〜22d(液体供給路)を通じて対応する各バルブユニット19にインクを供給可能に接続されている。インク供給路22a〜22d上には、各インクカートリッジC1〜C4から供給されるインクのインク圧を検出する液圧センサ23が設けられている。液圧センサ23は、インク供給路22a〜22d上のインクの圧力(インク圧)、すなわちバルブユニット19に供給されるインク圧を検出し、そのインク圧に応じた検出信号を出力する。
カートリッジホルダ21の上側には、加圧ユニット26が搭載されている。この加圧ユニット26は、空気供給路27(流体供給路)を通じて流体としての空気をインクカートリッジC1〜C4内に圧送する装置であって、ポンプとしての加圧ポンプ28、圧力検出手段としての空気圧センサ29及び空気供給バルブ30(大気開放弁)を備えている。加圧ユニット26は、加圧ポンプ28が圧送した空気を、空気供給路27を通じて各インクカートリッジC1〜C4内に供給して、各インクカートリッジC1〜C4内のインクを空気圧で加圧することにより、各インクカートリッジC1〜C4からインクを空気圧に応じたインク圧で供給する加圧式のインク供給システムを構成する。なお、インク供給システムは、カートリッジホルダ21、インクカートリッジC1〜C4及び加圧ユニット26により構成される。
空気圧センサ29は、加圧ポンプ28と空気供給バルブ30の間を接続する一本の空気供給路27a内の空気圧を検出することにより、インクカートリッジC内の空気圧を検出する。空気圧センサ29はインクカートリッジC1〜C4内の空気圧が所定圧力以上のときにオンし、所定圧力未満のときにオフするように設定されている。
空気供給バルブ30は、加圧ポンプ28と空気供給路27とを連通する内部流路を内蔵し、その内部流路を大気に開放する開弁状態と、大気に対して遮断する閉弁状態とに切り換え可能な大気開閉弁からなる。空気供給バルブ30が閉弁された状態で加圧ポンプ28が駆動されると、各インクカートリッジC1〜C4内に空気が供給されてその内部が加圧される。このとき各インクカートリッジC1〜C4にそれぞれ連通する各空気供給路27が、空気供給バルブ30の内部を通じて該空気供給バルブ30の開閉状態に拘わらず常に連通する状態にあるので、各インクカートリッジC1〜C4内の空気圧は常に等しくなる。一方、この加圧状態で空気供給バルブ30が開弁されると、インクカートリッジC1〜C4内が大気に開放されて内部の空気圧が共に大気圧(初期圧力P1=101.3kPa)になる。
本実施形態では、空気圧センサ29及び空気供給バルブ30は、4個全てのインクカートリッジC1〜C4に対して共通に1個ずつ設けられている。もちろん、空気圧センサ29及び空気供給バルブ30は、二以上のインクカートリッジCに共有されていれば足り、例えばインクカートリッジ2個につき空気圧センサ29及び空気供給バルブ30が1個ずつ共有された構成も採用できる。また、空気圧センサ29と空気供給バルブ30のうち一方がインクカートリッジ2個に1個が共有された構成で計2個備えられ、他方が4個全てのインクカートリッジに共有された構成でもよい。なお、本実施形態において、インクカートリッジC1〜C4を互いに区別しない場合は、単にインクカートリッジCとして説明する。同様に、各インク供給路22a〜22dも、特に区別しない場合には、単にインク供給路22として説明する。
また、本体ケース12内においてキャリッジ15の非印刷時の待機位置であるホームポジションに対応する位置には、クリーニング機構32が備えられている。このクリーニング機構32は、キャップユニット33とワイパ34とを有している。キャップユニット33は、箱状のキャップ33aと、キャップ33aを昇降させる図示しない昇降機構とを備えている。キャリッジ15がホームポジションに到達すると、キャップ33aが昇降機構により上昇して記録ヘッド18のノズル開口面を封止する。クリーニング機構32は、電動モータを駆動源とする吸引ポンプ(いずれも図示略)を有し、この吸引ポンプはキャップ33aが記録ヘッド18を封止した状態で駆動される。吸引ポンプからの吸引力(負圧)がキャップ33a内に及ぶことにより、記録ヘッド18のノズル18a(図2参照)からインクを吸引するクリーニング(吸引クリーニング)が行われる。このクリーニングによって、記録ヘッド18のノズル18a内の増粘インクや記録ヘッド18内のインク中の気泡および異物(紙粉等)などがインクと共に吸引除去され、印刷不良が防止される。クリーニングの後、キャリッジ15がホームポジションから離れる過程で、ワイパ34が記録ヘッド18のノズル開口面を払拭することによりノズル18a内のメニスカスが整えられるようになっている。
次に、プリンタ11に備えられる加圧式のインク供給システムについて、図2に従って説明する。図2は、インク供給システムの模式図である。なお、図2は便宜上、一つのインクカートリッジCについてのインク加圧供給系のみ示している。
図2に示すように、各インクカートリッジCは、密閉状態に形成された四角箱状のケース35と、ケース35内に収容された液体収容部としてのインクパック36とを備えている。インクパック36は、可撓性を有するとともにガス透過性の低いフィルムにより袋状に形成されており、インクカートリッジC毎に異なるインク色(液体種)のインクが封入されている。
ケース35とインクパック36との間の空間(隙間)は、空気室としての圧力室37となっている。インクカートリッジCがカートリッジホルダ21(図1参照)に装填された状態では、各インクパック36が各インク供給路22にインクを導出可能な状態に接続されるとともに、圧力室37が空気供給路27と接続されるように構成されている。なお、図2では、カートリッジホルダ21が省略されているが、カートリッジホルダ21を介した接続構造については後述する。
また、図2に示すように、ケース35の外側面には、記憶素子38及び端子39が配設されている。端子39は、インクカートリッジCをカートリッジホルダ21に装着した際に、プリンタ11の本体側の不図示の端子と電気的に接続されるように構成されている。また、記憶素子38には、インクの種類、製造番号、未使用(新品)状態での初期インク量Vo、圧力室37の初期容積Ao等、インクカートリッジCに関する情報が格納されている。
加圧ポンプ28の吐出口に接続された1本の空気供給路27a上には、圧力調整弁40、空気圧センサ29及び空気供給バルブ30が直列に設けられている。圧力調整弁40は、加圧ポンプ28によって加圧された空気圧が、何らかの障害により最大規定圧を超えた時に圧力を開放して、各インクカートリッジCに加わる空気圧を最大規定圧以下に維持する機能を有している。また、圧力室37に一旦供給された空気は、圧力調整弁40の存在により空気供給バルブ30が閉弁されている限り漏出することはない。空気供給バルブ30は、インク供給時は常に閉弁状態(大気遮断状態)にあり、インク加圧供給を停止する特定の時期にのみ開弁される。特定の時期とは、プリンタ11の電源投入時、電源遮断時、及び印刷が行われないまま一定時間待機した後に移行する省電力モード(スリープモード)時が挙げられる。
また、図2に示すように、各インクパック36と各バルブユニット19とを接続する各インク供給路22の途中には、インク供給バルブ41及び液圧センサ23がそれぞれ設けられている。インク供給バルブ41は、インク供給時は常に開弁状態にあり、インク供給を停止する特定の時期にのみ閉弁される。また、液圧センサ23は、バルブユニット19に供給されるインクの液圧Piが所定の下限圧力Pimin(例えば大気圧+3kPa)未満になったことを検出する。液圧センサ23からの信号によって液圧Piが下限圧力Pimin未満になったことが検出された場合は、加圧ポンプ28が駆動されるようになっている。
そして、加圧ポンプ28が駆動され、ケース35内の圧力室37に空気が供給されてインクパック36が大気圧より高圧の空気圧で加圧されることによって、インクパック36からインクが押し出され、インク供給路22を通じてバルブユニット19側へ加圧インクが供給されるようになっている。空気圧センサ29が、各インクカートリッジCの圧力室37の空気圧Paが所定圧力P2(例えば、1.1気圧(1.1×101.3kPa))に達した(Pa≧P2)ことを検出した場合は、加圧ポンプ28の駆動が停止されるようになっている。
空気供給バルブ30は4本の空気供給路27に対して共通に1個設けられているだけなので、空気供給バルブ30の閉弁状態の下で加圧ポンプ28から圧送された加圧空気は、4本の空気供給路27に分配されて全てのインクカートリッジCの各圧力室37に供給される。そして、加圧ポンプ28の駆動が停止された後も、圧力室37の空気圧は維持され、インクパック36がインクの消費により体積を減少させた分だけ圧力室37の容積が増大することで、圧力室37の空気圧はインクの消費と共に徐々に減圧する。そして、圧力室37の空気圧が減圧するに連れて、インク供給路25へ供給される加圧インクのインク圧も徐々に減圧する。この減圧過程において4つの圧力室37は、対応するインクパック36におけるインク消費量の多少に拘わらず、同じ値の空気圧を保ったまま減圧する。また、特定の時期に、空気供給バルブ30が開弁された場合は、全てのインクカートリッジCの各圧力室37が共通に大気圧となる。
バルブユニット19には、記録ヘッド18へのインク供給圧を調整するダイヤフラム式の圧力調整弁42が内蔵されている。圧力調整弁42は、バルブユニット19内に区画形成された2つのインク室42a,42bと、両インク室42a,42bを連通孔で連通する状態に隔てる隔壁42fと、連通孔を閉塞する方向へバネ42dにより付勢された弁体42eと、一方のインク室42bの内外の圧力差により撓み変形するとともに内側へ撓んだ図2に示す状態でバネ42dの付勢力に抗して弁体42eを開弁方向へ押圧するダイヤフラム42cとを有している。
記録ヘッド18でインクが消費されてインク室42bのインク圧が所定値(下限圧)未満に減圧すると、その減圧により内側へ撓んだダイヤフラム42cがバネ42dの付勢力に抗して弁体42eを押し、圧力調整弁42は開弁する。この開弁によりインク室42aからインクが供給されたインク室42bのインク圧が所定値(上限圧)まで上昇すると、このインク圧の上昇に連れて減少したダイヤフラム42cの内側への押圧力にバネ42dの付勢力が勝って弁体42eが隔壁42fの連通孔を閉塞し、圧力調整弁42は閉弁する。
こうして記録ヘッド18で所定量のインクが消費される度にその消費による減圧によって圧力調整弁42が開弁して記録ヘッド18にインクが補充されることで、記録ヘッド18へのインク供給圧が略一定圧に保たれる。本実施形態では、インク補給時期を検出するためのインク消費量検出手段が不要であることから、サブタンクは廃止されているが、圧力調整弁42のインク室42aに連通するインク貯留目的のみのサブタンクをバルブユニット19内に設ける構成としてもよい。
記録ヘッド18には、各バルブユニット19と連通するインク色毎の各ノズル18aがノズル開口面18b(ノズル形成面)に開口する状態に形成されている。各ノズル18aは図2の紙面と直交する方向にインク色毎に多数個並んで配置されており、ノズル開口面18bにはインク色と同数の4列のノズル列が形成されている。吸引クリーニングの際は、ノズル開口面18bにキャップ33aが密接することでノズル18aが封止される。
図3及び図4は、カートリッジホルダに装填されたインクカートリッジCの内部を説明する側断面図である。インクカートリッジCのインク供給路22及び空気供給路27との接続は、図3に示すようにカートリッジホルダ21を介して行われる。詳しくは、カートリッジホルダ21に突設された供給針21aが、インクパック36のインク供給部36aに差し込まれたときに該インク供給部36aに内蔵された弁体(いずれも図示略)が開弁方向へ押し込まれることにより、インクパック36の内部がインク供給路22と連通する状態になる。また、インクカートリッジCに設けられた空気導入部36bが、カートリッジホルダ21に設けられた空気供給部21bに差し込まれたときに該空気供給部21bに内蔵された弁体(いずれも図示略)が開弁方向へ押し込まれることにより、圧力室37が空気供給路27と連通された状態になる。このため、仮にインクカートリッジCが装填されていない未装填の空気供給部21bが存在しても、その未装填の空気供給部21bが閉弁されているので、装填されているインクカートリッジCへの加圧空気の供給が可能になっている。
図3に示すように、インクパック36がインク満タン(インクフル)の状態にあるときは、圧力室37の容積は最小になっている。そして、この最小の容積を、以下、圧力室37の初期容積Aoとする。
インクカートリッジCからインクがインク供給路22側へ導出されるに従い、図4に示すように、ケース35内におけるインクパック36の占有体積は、図4中に二点鎖線で示す初期状態から徐々に小さくなる。その一方で、インクパック36の体積が減少した分だけ、圧力室37の容積が増大する。このため、空気圧Paが所定圧力P2に到達するまで加圧ポンプ28が圧力室37に供給する空気供給量も、インクパック36のインク消費が進むに連れて徐々に多くなる。なお、図4で実線で描かれたインクパック36はインクエンドの状態を示している。
次に、プリンタ11の電気的構成を説明する。図5は、プリンタ11の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ11はコントローラを備え、そのコントローラはマイクロコンピュータ50を有している。マイクロコンピュータ50には出力系としてヘッド駆動回路51、加圧ポンプ駆動回路52、クリーニング機構駆動回路53、第1のバルブ駆動回路54、第2のバルブ駆動回路55及び表示駆動回路56が接続されている。また、入力系として、空気圧センサ29、液圧センサ23及びカートリッジ検出手段57が接続されている。
マイクロコンピュータ50は、ハードウェアとしては、基板上にCPU、ASIC、ROM、RAM及び不揮発性メモリ、各種カウンタ等が実装された構成となっている。そして、マイクロコンピュータ50は、機能構成としては、印刷制御手段60、演算手段61、消費量カウンタ62、残量カウンタ63、計時カウンタ64、係数設定手段65及び供給率設定手段66を構築している。本実施形態では、例えば印刷制御手段60はASIC及びCPUにより構成され、演算手段61はCPUにより構成されている。消費量カウンタ62、残量カウンタ63及び計時カウンタ64はカウンタ回路により構成してもよいし、CPUがプログラムを実行することにより実現されるソフトカウンタを採用することもできる。また、係数設定手段65及び供給率設定手段66は、RAM又は不揮発性メモリ等のメモリの所定記憶領域をCPUが使用することで実現される。
印刷制御手段60は、プリンタ11に接続された図示しないホストコンピュータ、又はプリンタ11に備えられた外部記憶媒体読取装置(図示せず)から送信された印刷データ(液体噴射指示データ)に基づいて、ビットマップデータを生成する。また、印刷制御手段60は、生成したビットマップデータに基づいてヘッド駆動回路51に信号を送信し、図示しない液体噴射アクチュエータ(例えば圧電振動素子)を駆動させて記録ヘッド18からインク滴を吐出させる。また、印刷制御手段60は、フラッシング用のプログラムに従って、ヘッド駆動回路51に印刷とは関係のないフラッシングのための駆動信号を送信する。ヘッド駆動回路51は、この駆動信号を受信すると、記録ヘッド18に全ノズル18aからインクを吐出させる、いわゆるフラッシングを行わせる。印刷時には印刷画像の配色等に応じて高い頻度で使用されるノズル18aと不使用ノズル18aとが存在する場合があり、不使用ノズル18a内のインクは吐出されないため増粘しやすいが、フラッシングが行われることにより、不使用ノズル18a内の増粘したインクが除去される。
加圧ポンプ駆動回路52は、印刷制御手段60からの信号を受けて、加圧ポンプ28の駆動源である加圧ポンプモータ68を駆動する。加圧ポンプモータ68の駆動により加圧ポンプ28が駆動すると、加圧ポンプ28から空気供給路27を通じてインクカートリッジCの圧力室37に空気が供給される。
クリーニング機構駆動回路53は、クリーニング操作手段(図示せず)からの操作指令信号、クリーニングタイマ(図示せず)からの経過時間信号、及びカートリッジ検出手段57から未使用インクカートリッジ検出時の検出信号のうちいずれかを印刷制御手段60が受け付けたときに、印刷制御手段60からの指令信号を入力する。クリーニング機構駆動回路53は、指令信号を受けると、キャリッジ15をホームポジションに配置するとともに、クリーニング機構32の前記吸引ポンプの電動モータを駆動させ、吸引ポンプを作動させる。なお、クリーニングタイマは、前回のクリーニング時からの経過時間を計時しており、印刷制御手段60はプリンタ11の電源投入時にクリーニングタイマから取得した経過時間に応じたランク(強度)のクリーニングを指令する。
第1のバルブ駆動回路54は、印刷制御手段60から信号を受けて、空気供給バルブ30を開弁又は閉弁させる。印刷制御手段60は、加圧ポンプ28の駆動停止状態で各インク供給路22の途中に配設されたいずれかの液圧センサ23が予め設定された下限圧力Pimin未満の液圧Piを検出した場合には、プログラムに従って加圧ポンプ駆動回路52に駆動信号を送信し、加圧ポンプ28の駆動を開始させる。
第2のバルブ駆動回路55は、印刷制御手段60から信号を受けて、各インク供給バルブ41を開弁又は閉弁させる。本実施形態では、演算手段61がインク消費量を演算する際に用いる演算機能の補正目的で、圧力室37に空気を送り込む空気送込動作を行うために加圧ポンプ28が駆動されるときには、インク供給バルブ41が閉弁される。
そして、加圧ポンプ28の駆動により各圧力室37の空気圧が上昇して、空気圧Paが所定圧力P2(>P1)に達した(Pa≧P2)ことを空気圧センサ29が検出すると、印刷制御手段60が加圧ポンプ駆動回路52に駆動停止信号を送信して、加圧ポンプ28(加圧ポンプモータ68)の駆動を停止させる。なお、インク供給路22内を流れるインクの圧力(液圧)が何らかの障害により過度の状態になり、液圧センサ23が予め定められた大気開放用閾値Pfを超える液圧Piを検出した場合は、空気供給バルブ30を開弁させて空気供給路27内の圧力を大気に開放する。
演算手段61は、ビットマップデータ等に基づいてインクカートリッジC(インクパック36)毎のインク消費量を算出するドット演算処理と、前記空気送込動作による加圧ポンプ28の空気供給量に基づいて前記演算機能の補正に用いる全インクカートリッジC1〜C4のインク総使用量を算出する空気量演算処理とを行う機能を有する。また、演算手段61は、インクカートリッジCの交換前後における各空気量演算処理で取得した両インク総消費量の差分から、交換されたインクカートリッジCのインク消費量を算出するとともに、インク消費量の演算機能に該交換されたインクカートリッジCに対応するインク色個別の補正を加える補正処理を行う。これらの各処理は、後述するプログラムに従って行われる。なお、ドット演算処理を行う演算手段61により第1の演算手段が構成される。また、空気量演算処理及び補正処理を行う演算手段61により第2の演算手段が構成される。
ドット演算処理を行う際には、演算手段61は、印刷制御手段60からビットマップデータに基づいたインク滴吐出数に関するデータを受信する。また、演算手段61は、印刷制御手段60から、フラッシングの際のインク滴吐出数に関するデータを受信する。さらに、演算手段61は、クリーニング機構駆動回路53から、クリーニングの際に記録ヘッド18から吸引排出される、クリーニングのランクに応じたインク排出量に関するデータを受信する。
演算手段61は、印刷制御手段60からインク滴吐出数に関するデータを受信すると、係数設定手段65から係数dを読み出す。この係数dは、インク滴吐出数Jに乗算することによりインク消費量(=d・J)を算出できる係数値であり、インク滴のドット重量(又は体積)に応じた値に設定されている。本実施形態では、記録ヘッド18のノズルから吐出されるインク滴の大きさ(ドットサイズ)には大中小の3種類があり、ドットサイズに応じた3種類の係数dが設定されている。ビットマップデータでは1画素当たりのドットサイズを大中小で区別できるので、大中小のドットサイズ別にインク滴吐出数Jを割り出し、各インク滴吐出数Jにそのドットサイズに応じた係数dを乗算したものを加算することにより、インク消費量は算出される。なお、係数dは、大中小のドットサイズの平均サイズに応じた値とし、大中小のドットサイズ(インク滴サイズ)に共通の値として設定されてもよい。
インク滴のドット重量は±10%程度でばらつくので、インクエンドが検出されないままインク切れになって発生する空打ちを防止するため、係数dは、ドット重量のばらつき範囲内の略最大値に応じた値に初期設定されている。このため、ドット重量がばらつき範囲の最小側に偏った場合は、インク容量の20%が残った状態でインクエンドと判定されることになる。このようなインクの無駄を解消するため、略最大値に初期設定された係数dを、装置の個体差から決まる装置個々のドット重量に適した値に近づけるように小さく補正する余地があれば、係数dを小さく補正することにより、適正なインクエンド残量でインクエンド判定が行われるようにしている。なお、インクエンドの設定残量は、印刷途中でインクエンドになってもその印刷の最終頁まで印刷できるように設定されている。
演算手段61は、読み出した係数dを、印刷制御手段60から受信したインク滴吐出数Jに乗算し、印刷又はフラッシングの度ごとに、消費されたインク消費量(=d・J)を算出する。また、演算手段61が、クリーニング機構駆動回路53から、クリーニングの際のインク排出量に関するデータを受信した際には、そのデータから特定されるインク排出量をクリーニング時のインク消費量Rclとして取得する。
さらに、演算手段61は、演算等により取得したインク消費量を、消費量カウンタ62に送信する。この消費量カウンタ62は、インクカートリッジC1〜C4内のインクの消費量(以下、累積消費量Rとする)に関するデータをそれぞれ格納している。詳述すると、消費量カウンタ62は、先に格納されている累積消費量Rに、受信したインク消費量(d・J、又はRcl)を加算して新たな累積消費量R(R=R+d・J、又はR=R+Rcl)を記憶することにより、その時々の各インクカートリッジC1〜C4内のインク消費量を記憶する。なお、プリンタ11が初めてインクカートリッジCを検出した最初に実施される初期充填動作や、インクカートリッジ交換時の交換クリーニングの際も、演算手段61は、クリーニング機構駆動回路53からインク排出量に関するデータを同様に受信するので、これらのインク排出量も累積消費量Rとして計数される。
残量カウンタ63は、ドット演算処理によって算出されたインクカートリッジC1〜C4毎のインク消費量から求まるインク残量をそれぞれ格納する。演算手段61は、初期インク量Voから、消費量カウンタ62に格納された累積消費量Rを減算し、新たなインク残量Z(=Vo−R)を算出して残量カウンタ63に格納する。但し、残量カウンタ63に格納されたインク残量Zは、空気量演算処理で求められたインク使用量から決まるインク残量に更新される場合がある。
印刷制御手段60は、インク残量Zが所定値以下に達したインク色があると、そのインク色のインクカートリッジCがインクエンドに達したと判定し、表示駆動回路56を介して表示部69にインク色を特定してインクエンドの旨を表示する。
計時カウンタ64は、前記空気送込動作のために加圧ポンプ28が駆動されるときに、加圧ポンプ28(加圧ポンプモータ68)の駆動開始から駆動停止までの駆動時間Tを計時する。また、供給率設定手段66は、加圧ポンプ28の単位時間当たりの空気供給量である空気供給率Qを格納している。
次に、本実施形態の処理手順について図6〜図8を用いて説明する。図6は空気量演算処理及び補正処理について説明する主にインクカートリッジC1〜C4の模式図である。図7は、インク残量判定処理を示すフローチャート、図8はインクカートリッジ交換時に行われる係数補正処理を示すフローチャートである。
<空気供給率Qの演算>
まず、加圧ポンプ28の単位時間当たりの空気供給量である空気供給率Qを算出する処理手順を、図5及び図6(a)を用いて説明する。
インクカートリッジCがカートリッジホルダ21に装填された状態では、その端子39がプリンタ11の本体側の端子と電気的に接続されることにより、印刷制御手段60に信号が送信される。はじめてプリンタ11が使用されるときは、カートリッジ検出手段57がインクカートリッジC1〜C4の各記憶素子38から読み出したインク消費量のデータが全て「0」であることから、印刷制御手段60は、インクカートリッジC1〜C4の全てが、インク満タン状態の新品となっている初期状態であると判定する。この初期状態では、印刷制御手段60はプログラムに従って、加圧ポンプ28が1秒当たりに供給できる空気量で示される空気供給率Q(ml/s)(ポンプ能力)を求める処理を行う。
このときはプリンタ11の電源投入直後の初期設定後であって、空気供給バルブ30は開弁状態、インク供給バルブ41は閉弁状態となっている。印刷制御手段60は、カートリッジ検出手段57から初期状態である旨の信号を受信すると、第1のバルブ駆動回路54に信号を送信し、空気供給バルブ30を閉弁させて、インクカートリッジC1〜C4の各圧力室37を大気と遮断する。さらに、印刷制御手段60は、加圧ポンプ駆動回路52に信号を送信して、加圧ポンプ28を駆動させる。また、印刷制御手段60から計時カウンタ64に計時を開始させるための信号が送信され、計時カウンタ64が加圧ポンプ28の駆動時間Tの計時を開始する。
加圧ポンプ28の駆動により、インクカートリッジCの圧力室37に空気が供給される。このとき、図6(a)に示すように、ケース35内のインクパック36はインクが満タン状態にあって、圧力室37の初期容積Aoは、全てのインクカートリッジC1〜C4において一定(例えば、5ml)になっている。つまり、全ての圧力室37の初期総容積Aalloは、インクカートリッジの装填個数をN個とすると、Aallo=N・Aoで表される。
印刷制御手段60は、空気圧センサ29により空気圧Paが所定圧力P2(例えば、1.1気圧)に達したことが検出されると、加圧ポンプ駆動回路52に信号を送信し、加圧ポンプ28(加圧ポンプモータ68)の駆動を停止させる。加圧ポンプ28の駆動が停止すると、計時カウンタ64は駆動時間Tの計時動作を終了する。
演算手段61は、計時カウンタ61の計数値(駆動時間T)及び圧力室37の初期容積Aoに基づいて、加圧ポンプ28の空気供給率Q(ポンプ能力)を算出する。具体的には、演算手段61は、記憶素子38に格納された初期容積Aoとインクカートリッジ個数Nとから決まる初期総容積Aallo(=N・Ao)と、駆動時間Tと、初期圧力P1から所定圧力P2まで昇圧した圧力差ΔP(=P2−P1)とを用いて、空気供給率Qを、式 Q=Aallo・ΔP/T により算出する。例えば、圧力室37の初期容積Aoが5ml、初期圧力P1(1気圧)から所定圧力P2(1.1気圧)に達するまでの加圧ポンプ28の駆動時間Tが0.4秒とすると、空気供給率Qは、次式により、5ml/sと算出される。
Q=N・Ao・(P2−P1)/T=4・5・(1.1−1.0)/0.4=5ml/s
この演算は、装填された全てのインクカートリッジCが、初期容積Aoが既知の新品(未使用)である初期状態のときに行われ、演算手段61は求めた空気供給率Qの演算値を供給率設定手段66に格納する。なお、供給率設定手段66には、空気供給率Qの初期値(設計値)が予め格納されている。空気供給率Qの演算値が予め定められた規定範囲内にあれば、空気供給率Qがその演算値に更新され、演算値が規定範囲から外れた場合は、測定エラーとみなして空気供給率Qの更新は行われない。
次に、ドット演算処理によりインク消費量を求める処理について説明する。まず、印刷、フラッシング又はクリーニングによって記録ヘッド18からインクが吐出(排出)されると、インク消費量(=d・J)が消費量カウンタ62に加算される。具体的には、印刷又はフラッシングが行われると、演算手段61がドット演算処理を行う。すなわち、印刷制御手段60が記録ヘッド18のノズル18aからのインク滴吐出数Jを演算手段61に送信する。演算手段61は、係数設定手段65に格納された係数dをインク滴吐出数Jに乗算して、印刷又はフラッシングの際のインク消費量(=d・J)を算出する。さらに、演算手段61は、算出したインク消費量を消費量カウンタ62に送信する。また、クリーニングが行われると、クリーニング機構駆動回路53が、クリーニングの際に記録ヘッド18から排出されたインク消費量を、消費量カウンタ62に送信する。消費量カウンタ62は、インク消費量を受信すると、既に格納していた累積消費量Rに加算し、新たに累積消費量R(=R+d・J)を算出する。こうして、クリーニング、印刷、フラッシングが行われる度にインク消費量が演算され、消費量カウンタ62に格納された累積消費量Rが逐次更新される。なお、このインクパック36毎の累積消費量Rのことを、インク消費量Rと呼ぶこともある。
次に図7に示すフローチャートに従ってインク残量判定処理について説明する。この処理において係数dの一律補正が行われ、係数dを用いて算出される累積消費量R(以下、インク消費量Rと称す)の精度が向上する。この処理は、空気供給バルブ30が開弁状態(大気開放状態)にある特定の時期、すなわちプリンタ11の電源投入時と省電力モード(スリープモード)時に実行される。また、電源投入時や省電力モード時であっても、前回の処理実行時から現在までの期間内に、印刷とフラッシングとクリーニングのいずれも実行されておらずインク消費量Rが前回と同じ値であるときは実行されない。また、この処理は、一個目のインクカートリッジC1〜C4が交換されるまで実行される。一個目のインクカートリッジC1〜C4が全て交換された後は、図8に示す係数補正処理のみ実行される。
このインク残量判定処理では、空気送込動作の開始時の初期圧力P1を大気圧としているので、空気圧センサ29として、所定圧力P2以上でオンし所定圧力P2未満でオフする圧力スイッチを使用できる。また、印刷やフラッシングが行われるときはインクパック36を加圧する必要があるので、大気開放を伴うこの処理は行われない。
まずステップS11では、処理開始条件が成立するか否かを判断する。すなわち、電源投入時(初期モード)又は省電力モードにあって、かつ前回の処理実行時から現在までの期間に、少なくとも一つのインク消費量に変化があるか否かを判断する。これらの判断は、予めメモリ(不揮発性メモリ等)の所定領域又はレジスタに用意されたモードフラグ及びインク消費管理フラグの各値を見て判断する。処理開始条件が成立すればステップS12に進み、処理開始条件が不成立であればステップS19に進む。処理開始条件が成立すれば、以後、ステップS12〜S19の処理により空気送り込み動作及び空気量演算処理を行って、インク消費量の演算に用いられる係数dを必要に応じて補正する。
ステップS12では、インク供給バルブ41を閉弁する。すなわち、印刷制御手段60が第2のバルブ駆動回路55に信号を送出してインク供給バルブ41を閉弁させる。
ステップS13では、加圧ポンプ28を駆動する。すなわち、印刷制御手段60が加圧ポンプ駆動回路52に駆動信号を送出して加圧ポンプモータ68を駆動させることにより、加圧ポンプ28を駆動する。
ステップS14では、駆動時間Tを計時する。すなわち、印刷制御手段60は、計時カウンタ64に駆動時間Tの計時を行わせる。
ステップS15では、空気圧Paが所定圧力P2に達した(Pa≧P2が成立)か否かを判断する。Pa≧P2が成立すればステップS16に進む。一方、Pa≧P2が不成立であればステップS13に戻り、Pa≧P2が成立するまで、加圧ポンプ28の駆動(S13)及び駆動時間Tの計時(S14)の処理を繰り返す。
ステップS16では、加圧ポンプ28の駆動を停止させる。このとき加圧ポンプ28の駆動の停止に伴ってその駆動時間Tを計時する計時カウンタ64の計時動作も停止する。計時カウンタ64が計数した駆動時間Tは、計時カウンタ61に格納される。
ここまでのステップS11〜S16の処理によって、まず処理開始条件が成立すると、インク供給バルブ41が閉弁されるとともに、全圧力室37が初期圧力P1(大気圧)にある状態から、加圧ポンプ28が駆動されて空気圧センサ29の空気圧Paが所定圧力P2に到達するまで加圧ポンプ28の駆動が継続される。空気圧センサ29により、圧力室37の空気圧が所定圧力P2(1.1気圧)に達したことが検出されると、加圧ポンプ28の駆動が停止する。加圧ポンプ28の駆動が停止すると、計時カウンタ64が計時を停止し、駆動時間Tは計時カウンタ61に格納される。
次のステップS17では、駆動時間Tから全ての圧力室37の容積の総和(圧力室総容積Aall)を求め、この圧力室総容積Aallから4色のインク使用量の総和(以下、インク総使用量Vallという)を算出する。すなわち、加圧ポンプ28が停止すると、演算手段61は、空気量演算処理を行う。具体的には、演算手段61は、計時カウンタ57に格納された駆動時間T、供給率設定手段66に格納された空気供給率Qを用いて、空気供給量Vaが圧力室総容積Aallに等しいことを利用して、圧力室総容積Aallをまず求める。そして、この圧力室総容積Aallからインクパック36が新品であるときの圧力室総容積N・Aoを差し引いて、インク総使用量Vall(=Aall−N・Ao)を算出する。例えば、加圧ポンプ28の駆動時間Tが0.8秒、空気供給率Qが5ml/s、初期圧力P1=1気圧(101.3kPa)、所定圧力P2=1.1気圧(1.1×101.3kPa)とすると、加圧ポンプ28の空気供給量から、圧力室総容積Aallは、次式により40mlと算出される。
Aall=T・Q/(P2−P1)=0.8×5/(1.1−1.0)=40ml
そして、インクパック36が新品であるときの圧力室37の初期容積Aoが5ml、インクカートリッジ個数Nが4個である場合、インク総使用量Vallは、次式により20mlと算出される。
Vall=Aall−N・Ao=40ml−4×5ml=20ml
このインク総使用量Vallは、係数dが適正な値であれば、ドット演算処理で求められるインク消費量R(累積消費量)の総和であるインク総消費量Rallに等しくなるはずである。
ステップS18では、インク総使用量Vallがインク総消費量Rallより小さいか否かを判断する。Vall<Rallが成立した場合はステップS19に進み、Vall<Rallが不成立である場合はステップS20に進む。
ここで、ドット演算処理に用いられる係数dは、プリンタ11の個体差によるインク滴のドット重量のばらつき範囲(例えば±10%)内で略最大値(+10%)に偏った場合を想定して初期設定されている。このため、大抵の場合、ドット演算処理から得られるインク総消費量Rallよりも、実際のインク使用量に相当するインク総使用量Vallの方が少ないことが予測される。Vall<Rallが成立した場合は、係数dを用いたドット演算処理で得られたインク消費量Rが実際よりも過大な値として演算されたことになるので、空気量演算処理から取得されるインク総使用量Vallを用いて係数dを小さく補正し、インク消費量Rの精度を上げるようにしている。一方、その予測に反してVall<Rallが不成立の場合は、空気供給システム等にリーク等の異常が発生し、空気量演算処理が適正に行われていない可能性がある。このため、Vall<Rallが不成立の場合は、演算手段61は、それまでの係数dを用いて算出されたインク消費量Rを採用する。
ステップS19では、インク総使用量Vallとインク総消費量Rallとを比較して係数dを補正する。図6(b)に示すインク使用状態では、それまで吐出されたインク吐出数がインク色毎に異なるので、インク消費量RはインクカートリッジC1〜C4毎に異なる。例えばドット演算処理から求められた各インクカートリッジC1〜C4のインク消費量を、それぞれR1〜R4とする。
このとき、空気送込動作において加圧ポンプ28の駆動時間が1.1秒であったとする。4色合計の圧力室総容積Aallは、次式により55mlと算出される。
Aall=T・Q/(P2−P1)=1.1×5/(1.1−1.0)=55ml
また、4色合計のインク総使用量Vallは、次式により35mlと算出される。
Vall=Aall−N・Ao=55ml−4×5ml=35ml
その時のドット演算処理で求められたインク消費量R1〜R4が、それぞれ順にインク色がブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)であり、R1=6ml、R2=12ml、R3=6ml、R4=18mlであった場合、それぞれ対応する各色のインク使用量Vk,Vc,Vm,Vyは、以下のように計算される。
Vk=35×6/(6+12+6+18)=5ml
Vc=35×12/(6+12+6+18)=10ml
Vm=35×6/(6+12+6+18)=5ml
Vy=35×18/(6+12+6+18)=15ml
これは、インク総使用量Vallを、インク総消費量Rallに占めるインク色xのインク消費量Rxの比率(=Rx/Rall)を乗ずることにより、インク色xのインク使用量Vxを求めることができることを意味し、インク色xのインク使用量Vxは、次式で示される。
Vx=Vall×Rx/Rall
また、インク消費量を算出する演算機能(演算式)に補正を加える場合(S19)、その演算に用いられる係数dは、上記の例では、以下の補正式に従って補正される。
d=d×35/(6+12+6+18)
この係数dの補正式を、インクがn色である場合に一般式で表現すれば、次式で示される。
d=d×Vall/(R1+R2+…+Rn)=d×Vall/Rall
このように空気量演算処理によりインク総使用量Vallが求められる度に、その時のn色のインク消費量R1,…,Rnを用いて、インク消費量Rの演算に用いられる係数dの補正が行われる。但し、インク滴のドット重量のばらつきは、実際にはインク色毎に異なり、例えばブラックが+10%、シアンが5%、マゼンタが0%、イエロが−10%というように異なる。この処理における係数dの補正は、インク色毎の個々のばらつきは考慮されていない全インク色共通の一律補正になっている。そのために、インクカートリッジCが1回交換された後に行われる、後述する図8に示す係数補正処理では、インク色毎の個々のばらつきが考慮されて、係数dはインクカートリッジC1〜C4毎(インク色毎)に個々に補正されるようにしている。こうして補正された係数dは、係数設定手段65に格納されて更新される。補正後の係数dは前回までの係数dよりも小さく補正される。なお、ステップS18及びS19の処理を実行する演算手段61(CPU)により、第2補正手段が構成される。
ステップS20では、インク残量Zを取得する。ステップS19で係数dが補正された場合、演算手段61は、空気量演算処理で得られたインク総使用量Vallに、ドット演算処理で得られたインク色毎のインク消費量R1〜R4のインク総消費量Rallに占める比率をそれぞれ乗じて、式 Vx=Vall×Rx/Rall によりインク使用量Vxを求める。そして、求めたインク使用量Vxを用いてインク色毎のインク残量Zxを算出する。すなわち、インクパック36の初期インク量Voからインク使用量Vxを差し引いて、インク残量Zx(=Vo−Vx)を算出する。これは、ドット演算処理で得られたインク消費量Rxが、空気量演算処理から得られたインク使用量Vxより大きな値をとるときは、インク使用量Vxが採用され、インク使用量Vxに基づくインク残量Zxが求められることを意味する。
一方、係数dの補正が行われなかった場合、すなわちステップS11からステップS20へ移行した場合と、ステップS18からステップS20へ移行した場合は、残量カウンタ63に格納されている値を読み出してインク残量Zを取得する。これはドット演算処理で得られたインク消費量Rxに基づくインク残量Zxが採用されることを意味する。つまり、このステップS20の処理は、空気量演算処理で得られたインク使用量Vxと、ドット演算処理で得られたインク消費量Rxとの大小関係が、Vx>Rxの場合はインク消費量Rxを採用してインク残量Zxを取得し、Vx≦Rxの場合はインク使用量Vxを採用してインク残量Zxを取得する処理となっている。なお、採用された各インク色のインク残量Zxは、インクカートリッジCの記憶素子38に格納される。
ステップS21では、インク残量Zが所定値(インクエンド設定値)以下であるか否かを判断する。この判断は、インクカートリッジC1〜C4毎のインク残量Zxに対して個別に行われる。インク残量Zxが所定値以下であるインクカートリッジCが一つでも存在すれば、ステップS22に進み、全てのインクカートリッジC1〜C4についてインク残量Zxが所定値以下でない場合はステップS23に進む。
ステップS22では、インクエンドと判定し、インクエンドと判定したインク色がインクエンドである旨を表示部69に表示する。なお、表示部69としては、LED等の表示灯や表示パネル等が挙げられる。また、プリンタ11がホストコンピュータに接続されている場合は、ホストコンピュータにその旨を送信してモニタにインクエンドの旨を表示させる。
ステップS23では、インク供給バルブを開弁させる。すなわち、印刷制御手段60は、第2のバルブ駆動回路55に信号を送信して、インク供給バルブ41を開弁させる。このインク供給バルブ41の開弁により、インクパック36からインク供給路22側へインクが加圧供給される。これは、本実施形態の場合、空気送込動作によるインク加圧をインク供給にもなるべく利用できるようにするためである。省電力モードへの移行後、一定時間の待機期間内に印刷等が開始されるタイミングがくると、印刷等の前処理として空気送込動作を行い、この空気送込動作によるインク加圧をインク供給にも利用する。また、前記待機期間を経過したときは空気送込動作を開始し、このときも空気送り込み動作終了後にインク供給バルブ41を開弁させ、インク加圧供給状態でしばらく待機する。
なお、図7に示す処理が実行されていないときも、インク消費量Rの更新によりインク残量Zが更新される度に、あるいは定期的に残量カウンタ63の値を読み出して、インク残量Zが所定値以下であるか否かの判断が行われ、インクエンドと判定されれば、その時点で表示部69等に同様の報知がなされる。
次に図8のフローチャートで示される係数補正処理について説明する。この係数補正処理では、前述のように、インク色毎に個別に係数dを補正する。係数dの個別補正は、インクカートリッジCが交換される度にその交換に係るインク色について行われる。以下、図6(b),(c)を適宜用いながら説明する。
まずステップS31では、インクエンドであるか否かを判断する。この場合、全てのインクカートリッジC1〜C4のうち一つでもインクエンドであればインクエンドと判断する。インクエンドである場合はステップS32に進み、インクエンドでない場合はステップS39に進んで、新品のインクカートリッジに交換されたか否かを判断する。インクエンドでなく新品カートリッジの交換でもない場合は、当該ルーチンを終了する。
ステップS32〜S38の処理は、インクエンド時の空気送込動作及び空気量演算処理である。この処理は基本的に、図7におけるステップS12〜S17の空気送込処理と同様の処理内容である。なお、インクエンドと判定した場合は、そのとき実行中の印刷が最終頁まで全て終了した後、空気供給バルブ30の開弁が行われ、圧力室37が大気開放されて初期圧力P1(大気圧)になった後のタイミングで、空気供給バルブ30が閉弁される。
すなわち、まず空気供給バルブ30を一旦開弁した後に閉弁し、これに先立つかほぼ同時にインク供給バルブ41を閉弁し(S32)、その後、加圧ポンプ28を駆動させるとともに(S33)、加圧ポンプ28の駆動時間Tを計時する(S34)。空気圧センサ29の空気圧Paが所定圧力P2以上に達したか否かを判断し(S35)、Pa≧P2が不成立の場合は、加圧ポンプ28の駆動(S33)と駆動時間Tの計時(S34)を継続する。そして、Pa≧P2が成立すれば(S35)、加圧ポンプ28の駆動を停止させる(S36)。
次のステップS37では、駆動時間Tから圧力室総容積Aallを求め、この圧力室総容積Aallからインクエンド時のインク総使用量Vendを算出する。すなわち、演算手段61は、計時カウンタ57に格納された加圧ポンプ28の駆動時間Tend、供給率設定手段66に格納された空気供給率Qを用いて、インクエンド時のインク総使用量Vendを算出する。
図6(b)に示す例では、1つのインクカートリッジC4(イエロ)がインクエンドになっている。このようなインクエンド時におけるN色合計のインク総使用量Vendは、次式により算出される。
Vend=Tend・Q/(P2−P1)−N・Ao
このインク総使用量Vendは、メモリの所定記録領域に書き込む(S38)。なお、このインクエンド時の空気送込動作終了後、空気供給バルブ30は開弁される。これは、インクカートリッジC4が加圧されたまま取り外されると、インク供給部36a(図4参照)の供給口からインクが漏出する虞があり、インクカートリッジC4内を大気開放してこの種のインク漏出を回避するためである。
その後、ユーザはインクインドのインクカートリッジC4を取り外し、これに替えて新品のインクカートリッジC4をカートリッジホルダ21に装填する(図6(c)参照)。新品のインクカートリッジC4がカートリッジホルダ21に装填されると、その端子39がプリンタ11の本体側の端子と電気的に接続されることにより、印刷制御手段60に信号が送信される。カートリッジ検出手段57がインクカートリッジC4の記憶素子38から読み出したインク消費量のデータが「0」であるなどの新品特定情報に基づき、印刷制御手段60は新品のインクカートリッジC4に交換されたと判断する。すなわち、ステップS39で新品のインクカートリッジ交換があったか否かを判断する判断処理において、新品のインクカートリッジに交換されたと判断する。
新品カートリッジへの交換が検出されると(S39)、次にステップS40〜S44で空気送込動作が行われる。この空気送込動作も、ステップS40で空気供給バルブ30の閉弁処理が追加される他は、図7のステップS12〜S17の処理と基本的に同じである。但し、インク供給バルブ41は既に閉弁状態にあるので、その閉弁処理は省かれる。
すなわち、まず空気供給バルブ30を閉弁(大気遮断)する(S40)。その後、加圧ポンプ28を駆動させるとともに(S41)、加圧ポンプ28の駆動時間Tを計時する(S42)。空気圧センサ29の空気圧Paが所定圧力P2以上に達したか否かを判断し(S43)、Pa≧P2が不成立の場合は、加圧ポンプ28の駆動(S41)と駆動時間Tの計時(S42)を継続する。そして、Pa≧P2が成立すれば(S43)、加圧ポンプ28の駆動を停止させる(S44)。
次のステップS45では、駆動時間Tから圧力室総容積Aallを求め、この圧力室総容積Aallから新品カートリッジ交換後のインク総使用量Vintを算出する。すなわち、演算手段61は、計時カウンタ57に格納された加圧ポンプ28の駆動時間Tint、供給率設定手段66に格納された空気供給率Qを用いて、新品カートリッジ交換後のインク総使用量Vintを算出する。
図6(c)に示す例では、インクカートリッジC4(イエロ)が新品に交換されている。このように新品カートリッジ交換後の状態では、N色合計のインク総使用量Vintは、次式により算出される。
Vint=Tint・Q/(P2−P1)−N・Ao
次のステップS46では、インクエンド時のインク総使用量Vendを読出す。
そしてステップS47では、交換前のインクカートリッジのインク使用量ΔVを算出する。つまり、インクエンドまで使用されて交換されたインクカートリッジにおける最終的なインク使用量ΔVを算出する。このインク使用量ΔVは、新品カートリッジ交換後のインク総使用量Vintと、インクエンド時のインク総使用量Vendとの差に等しく、ΔV=Vint−Vendにより算出される。
図6(b)のインクエンド時におけるインク残量の合計と、図6(c)の新品カートリッジ交換直後におけるインク残量の合計(共にハッチング部)とを比較して分かるように、交換されたインクカートリッジC4(イエロ)以外の他のインクカートリッジC1〜C3については、カートリッジ交換前後においてインク残量に変化はない。よって、インク総使用量Vint,Vendの差をとれば、その差分ΔVは、交換前後の新旧インクカートリッジC4の差、すなわち、交換前のインクカートリッジC4で満タンVyoからインクエンドZendまで使い切ったインク使用量を表す。もちろん、このインク使用量は、カートリッジ交換前後の圧力室総容積Aint,Aendの差(=Aend−Aint)として求めることもできる。また、ΔVは、ΔV=Q(Tint−Tend)/ΔPにより算出することもできる。
次のステップS48では、交換前カートリッジのインク使用量ΔVと、インク消費量Rとの比較から、カートリッジ交換されたインク色の係数dを個別に補正する。すなわち、インク色xの係数dxは、式 dx=dx・ΔVx/Rx により補正できる。ここで、ΔVxは、インク色xのインクエンドまでのインク使用量、Rxは、インク色xのインク消費量である。なお、この処理においても、補正前にΔVx<Rxが成立するか否かを判断し、ΔVx<Rxが成立する場合のみ、係数dxの補正が行われる。このため、係数dxは常に小さく補正される。なお、本実施形態では、ステップS47及びS48の処理を実行する演算手段61(CPU)により、補正手段が構成される。
こうして他のインク色についても、インクエンドになったインクカートリッジを新品のインクカートリッジCに交換した時に、そのインク色の係数dが個別に補正される。そして、4色全てのインクカートリッジが1回ずつ交換されると、全てのインク色の係数dが個別に補正されたことになる。なお、M個(但し、M≧2)同時にインクエンドになったときは、差分ΔVはM個分のインク使用量になり、しかもそのM個のインクカートリッジCは満タンとインクエンドのインク量の設定は等しく、インク使用量はそれぞれ等しいので、差分ΔVをMで除算すれば、各インク色毎のインク使用量を求めることができる。よって、インク色毎の係数dを補正することができる。
また、インクカートリッジCはインクエンドになる前に早めに交換される場合もありうる。カートリッジ交換時の係数補正は、インクエンドより早めに交換された場合も行われる。但し、カートリッジ交換前に空気量演算処理が行われている必要があるので、例えば空気量演算処理を行った後、インクの消費がないままインクカートリッジが交換された場合に限られる。この場合、カートリッジ交換前の空気量演算処理で求められたインク使用量Vxが所定記憶領域に記憶されているので、カートリッジ交換後に空気量演算処理が行われて係数dの補正が行われる。
例えば図6(b)においてインクカートリッジC4のインク残量ZがインクエンドZendよりも多い状態でカートリッジ交換が行われ、図6(c)に示す状態になったとする。交換されたインクカートリッジC4以外の他のインクカートリッジC1〜C3については、カートリッジ交換前後でインク残量に変化はないので、交換前のインク総使用量Vendと、交換後のインク総使用量Vintとの差分ΔVは、交換前のインクカートリッジC4のインク使用量に等しくなる。このΔVと交換前カートリッジのインク消費量Rとを用いて、係数dは、d=d・ΔV/Rにより補正される。
例えば演算手段61は、空気量演算処理で得られたインク総使用量Vallを所定記憶領域に書き込むと、インク非消費フラグをオンさせる。そして、記録ヘッド18で印刷、フラッシング、クリーニングのうちいずれかによるインク消費があると、インク非消費フラグをオフにする。図8のフローチャートにおいて、ステップS39でカートリッジ交換が検出された場合、演算手段61はインク非消費フラグがオンであるか否かを判断し、オンであればステップS40に進み、オンでなければ(つまりオフであれば)、当該ルーチンを終了する。そして、カートリッジ交換前に最後に空気量演算処理が行われた後、インク消費がなかった場合は、インク非消費フラグがオンになっているので、ステップS40以降の処理を行う。そして、ステップS46では、交換前の最終のインク総使用量Vallが読み出され、これを用いて、交換前カートリッジのインク使用量ΔV(=Vint−Vall)を算出し(S47)、さらに交換前カートリッジのインク使用量ΔVとインク消費量Rとの比較から、その交換カートリッジのインク色の係数dを、d・ΔV/Rに補正する。
このように新品のインクカートリッジCに交換された場合、計算されるΔVは、交換前のインクカートリッジがインクエンドであるか否かに拘わらず、必ず交換前のインクカートリッジのインク使用量に等しくなる。そして、交換前のインクカートリッジのインク消費量RとΔVの比に応じてそのインク色の係数dを個別に補正することができる。
1個目のインクカートリッジが交換された後も、図7に示すインク残量判定処理は行われるが、このとき図8の係数補正処理で個別に補正されたインク色の係数dについては、図7のステップS19における一律補正は行わない。その後、全てのインク色について1個目のインクカートリッジCが交換され、全てのインク色について個別に係数dが補正されると、以降は図7に示すインク残量判定処理は行われない。もちろん、所定のタイミングで、図7のステップS20,S21,S22に相当するインクエンド判定処理は別途行われる。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)空気圧センサ29及び空気供給バルブ30が複数のインクカートリッジC1〜C4で共有されている構成においても、インクカートリッジ交換前後の空気量演算処理で求められたインク総使用量Vend,Vintの差から、交換前カートリッジのインク使用量ΔVを求めることができる。よって、交換前カートリッジのインク使用量ΔVとインク消費量Rとの比から、そのインク色の係数dを個別に補正することができる。この結果、演算手段61により算出されるインク消費量Rの精度を上げることができる。よって、そのインク色の2回目以降のインクエンド時においては、インクエンドの設定残量近くでインクエンドと判定されるので、インクエンド時のインク残量を一層少なくすることができる。
(2)インクエンドで交換したときだけでなく、インクエンドに至る途中でインクカートリッジCを交換した場合も、新品のインクカートリッジCに交換されれば、そのインク色の係数dを個別に補正できる。よって、インク色の係数dが個別に補正される機会が増えるので、それだけインク消費量Rの精度を向上させることができる。また、この場合、インク非消費フラグで交換前の最終の空気量演算処理が行われた後にインク消費がないままカートリッジ交換がなされたか否かを判断できるようにした。よって、インクエンド以外のときにインクカートリッジが新品のインクカートリッジに交換された場合でも、空気量演算処理後にインク消費がないままカートリッジ交換が行われたことを適切に判断し、インク色の係数dの個別補正を適切に行うことができる。
(3)空気圧センサ29及び空気供給バルブ30が複数のインクカートリッジC1〜C4で共有されて1個ずつ設けられた簡単な構成であるので、部品点数の低減により、プリンタ11を簡単な構成にすることができる。
(4)1個目のインクカートリッジCが交換される前においても、図7に示すインク残量判定処理において、空気演算処理で得られたインク総使用量Vallと、ドット演算処理で得られたインク総消費量Rallとを用いて、係数dを、式 d=d・Vall/Rall により一律補正した。よって、1個目のインクカートリッジCの交換前においても、一律補正ではあるものの、係数dが補正されるので、インク消費量Rの精度を上げることができる。
(5)図7のインク残量判定処理では、Vall<Rallが成立するか否かを判断し、Vall<Rallが成立したときのみ係数dを補正した。また、図8の係数補正処理では、インク色毎にVx<Rxが成立したときのみ係数dxを補正した。よって、空気送込動作がリーク等によりエラーしたときには、そのとき求められた空気量演算処理による補正が行われない。つまり、インク消費量演算で得られたインク消費量Rよりも空気量演算処理で得られたインク使用量Vの方が多い(R<V)場合はインク消費量Rを採用する。よって、誤ったインク使用量Vの値によって、係数dを誤補正してしまうことを防止できる。
(6)図7に示すインク残量判定処理において、空気演算処理で得られたインク総使用量Vallに、インク総消費量Rallに占めるインク色個別のインク消費量Rxの比率を乗算して、インク色毎のインク使用量Vxを求めた。そして、求められたインク色毎のインク使用量Vxをインク消費量Rとして更新した。よって、補正後の係数dをインク滴吐出数Jに乗算するなどの計算をしなくても、更新後のインク消費量Rを簡単に更新できる。
(7)インク供給システムを構成する加圧ポンプ28、空気圧センサ29、空気供給バルブ30、空気供給路27などを流用して空気送込動作を行うので、空気送込動作専用の装置を別途設ける必要がなく、プリンタ11の構成を簡単かつ小型にすることができる。
(8)圧力室37が大気に開放される初期モード及び省電力モードにおいて、空気送込動作を行うので、大気圧である初期圧力P1は検出する必要がなく、所定圧力P2のみを検出できれば足りる。よって、空気圧センサ29として、圧力を連続的に検出できる高価な圧力センサでなく、所定圧力以上でオンする圧力スイッチのような比較的構成が簡単で安価なスイッチ式の圧力センサを採用することができる。
(9)省電力モードにあるときに、印刷等のためにこれからインク加圧供給を開始するタイミングで空気送込動作を行い、空気送込動作終了後、インク供給バルブ41を開弁し、空気送込動作で加圧された空気圧をそのままインク供給に利用するので、無駄がなく効率的である。
(10)加圧ポンプ28で圧力室37に供給した空気流量を求めるのに計時カウンタ64で加圧ポンプ28の駆動時間Tを計時する構成としたので、空気量演算処理の演算に使う計測値を簡単に取得できる。例えば空気供給量を取得するのに流量計などを用いることも可能ではあるが、この構成に比べマイクロコンピュータが内蔵する計時カウンタを利用できるので、余分な計測装置を設ける必要がない。
(11)空気送込動作はインク供給バルブ41を閉弁した状態で行うので、加圧された空気圧によりインクパック36からインクが導出して圧力室37の容積が加圧に起因して変化する事態を回避できる。よって、圧力室37の容積をより正確に算出することができ、補正の精度を向上させることができる。
(12)全色が新品のインクカートリッジである初期状態のときに、空気送込動作を行って空気供給率Qを算出し、加圧ポンプ28の個体差によるポンプ能力のばらつきに応じて空気供給率Qを補正するので、係数補正の精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。前記第1実施形態では、カートリッジ交換時にインク色毎の係数dについて個別補正を行ったが、この実施形態は、カートリッジ交換時以外のときに、インク色毎に個別に係数dを補正する方法を採用している。以下、図7に示したフローチャートを用いつつ処理の異なる部分を説明する。
図7の処理において、インク総使用量Vallとインク消費量(Rk,Rc,Rm,Ry)の演算値を複数回分(インク色の数と同数回分(4回分))取得するようにし、これらを用いてインク色毎の係数dk,dc,dm,dyを補正する。これらの関係は次式で与えられる。
Rk(j)・dk+Rc(j)・dc+Rm(j)・dm+Ry(j)・dy=Vall(j) …(1)
ここで、式(1)における記号中の(j)は、j回目のデータであることを示す。
例えばインク消費量Rk,Rc,Rm,Ryのうち少なくとも1つが他の回と異なる値となるタイミングで4回分のデータが取得されると、インク消費量Rk,Rc,Rm,Ryのうち少なくとも1つの値の異なる上記の式が4つ得られる。これらの4つの式を用いてインク色毎の4つの係数dk,dc,dm,dyを演算する。
空気量演算処理は、プリンタ11の電源投入時に必ず行われるので、少なくともプリンタ11を4回使用(電源投入)した以後にインク色毎に個別に係数補正が行われる。処理手順としては、例えば図7において、ステップS11〜S23は基本的に同様であり、さらにステップS18とS19の間に次の処理が入る。すなわち、ステップS18でVall<Rallが成立した場合(つまり空気送込処理にエラーがなかった場合)は、次のステップS18−1として、インク総使用量Vallとインク消費量(Rk,Rc,Rm,Ry)の演算値が4回分記憶されているか否かを判断する。4回分記憶されていれば、次のステップS18−2として、上記(1)の関係式に4回分のデータをそれぞれ適用して得られる4つの式を用い、これらの式中の変数である4つの係数dk,dc,dm,dyを演算する。この場合、式中における係数Rや定数Vallの値は計測値から導かれるもので誤差を含むので、係数dk,dc,dm,dyは、コンピュータを使用した公知の反復解法を用いて近似解として算出する。一方、4回分のデータが記憶されていない場合は、ステップS19に進んで、全インク色に共通に用いられる係数dの一律補正を行う。なお、本実施形態では、ステップS18,S18−1,S18−2の各処理を実行する演算手段61(CPU)により、補正手段が構成される。
なお、演算手段61は、空気量演算処理を行う度に、その回のインク総使用量Vallとインク消費量(Rk,Rc,Rm,Ry)の演算値を、不揮発性メモリの所定記憶領域に順番が分かるように記憶する。そして、データが4回分を超える場合は一番旧い回のデータを消去し、直近4回分のデータだけを記憶する。また、ステップS18でVall<Rallが不成立で空気送込動作にエラーの虞がある場合は、その回のデータは保存しない。また、この処理を採用し、インク色毎に個別に係数dを補正する場合は、図8の処理については廃止することもできる。
この実施形態によれば、インク色毎に個別に係数dk,dc,dm,dyを補正し、インク色毎にドット重量に応じた適正な係数dk,dc,dm,dyを設定できる。よって、インク消費量Rk,Rc,Rm,Ry及びインクエンド時のインク残量Zendk,Zendc,Zendm,Zendyの精度を向上できる。よって、インクカートリッジC1〜C4をインクエンド表示されるまで使用した際に、ドット重量がばらつき範囲の小さい側に偏っているインク色であっても、そのインク色に対応するインクカートリッジCを実際のインクエンド近くまで使い切ることができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態を説明する。前記第1及び2実施形態では、空気送込処理を開始する際の圧力室37の初期圧力P1を大気圧としたが、本実施形態では、初期圧力を大気圧以外にすることも可能な構成となっている。空気圧センサ29としては圧力を連続的に検出できるものを使用する。すなわち、空気圧センサ29は検出圧力に応じた検出値の信号を出力する。
処理手順は、図7のフローチャートで示された内容と基本的に同じである。但し、図7におけるステップS11の処理開始条件は、「印刷、フラッシング及びクリーニングが行われていない」という条件とする。つまり、初期モード及び省電力モード時に限定されず、補正の機会が増えることになる。この処理開始条件が成立すると、空気送込動作を行う。このときインク供給バルブ41を閉弁し(S12)、空気供給バルブ30については開弁(大気開放)することなく、初期圧力P1が大気圧を超える空気圧のまま、加圧ポンプ28の駆動を開始する(S13)。この加圧ポンプ28の駆動開始に先立ち、空気圧センサ29が検出した初期圧力P1を予め所定記憶領域に記憶しておく。この初期圧力P1の記憶処理は追加される。加圧ポンプ28の駆動開始後、空気圧センサ29の空気圧検出値Paが所定圧力P2に達したら、加圧ポンプ28の駆動を停止する(S16)。その間、計時カウンタで駆動時間Tを計時する(S14)。この駆動時間T、初期圧力P1、所定圧力P2、空気供給率Qの各値を用いて、次式により、4色合計のインク総使用量Vallを算出する。
Vall=T・Q/(P2−P1)−N・Ao
この場合、初期圧力P1は、毎回異なる値をとることになるが、上式により、インク総使用量Vallは算出できる(S17)。
この構成によれば、初期圧力P1を大気圧にする必要がないので、インクカートリッジC内に加圧供給された空気を係数補正のために抜く必要がない。このため、圧力室37が大気開放される初期モード及び省電力モード以外の時期にも係数補正を行うことができる。また、空気量演算処理のためのインクカートリッジC1〜C4の加圧を、その後の印刷時のインク加圧供給にそのまま利用できる頻度が増える。
なお、ステップS15の判断処理内容を「Pa≧P2」に替え、駆動時間Tが所定時間Toに達したか(T≧To)否かを判断する内容に変更してもよい。T≧Toが成立すると加圧ポンプ28の駆動を停止させるとともに、そのとき空気圧センサ29が検出する空気圧検出値Paを所定圧力P2として取得する。この場合、駆動時間Tが一定で、初期圧力P1及び所定圧力P2が共に毎回異なる値をとることになるが、上記の式により、インク総使用量Vallは算出できる(S17)。この第3実施形態の構成は、第1実施形態のみならず、第2実施形態においても適用可能である。
なお、前記各実施形態に限定されず、以下の形態も採用できる。
(変形例1)前記各実施形態では、インク滴吐出数Jに乗算する係数dを補正したが、これに限定されない。前記各実施形態では、クリーニングのインク排出量のばらつき分は、インク滴吐出数Jに乗算する係数dの補正に組み込まれる構成であったが、係数dを補正するときの補正係数Vall/Rallを、クリーニングによるインク排出量にも乗算して補正を加える構成を採用できる。ドット重量のばらつきに比べ、クリーニングによる吸引インク重量のばらつきは小さいので無視してもよいが、吸引ポンプモータ等の個体差のばらつきにより、吸引インク重量のばらつき範囲が比較的大きい場合に有効である。
また、吸引インク重量のばらつきが小さくクリーニングによるインク消費量Rclの信頼性が比較的高ければ、インク総使用量Vallからクリーニング総消費量Rallclを差し引いて、吐出によるインク総使用量Vallinjのみを求め、このVallinjの値を用いて係数dを補正する構成を採用できる。この場合、吐出によるインク消費量Rinjとクリーニングによるインク消費量Rclとをインク色毎に個別にカウンタに格納する。そして、式 d=d・(ΔV−Rcl)/Rinj により、カートリッジ交換されたインク色の係数dを補正する。この方法であれば、係数dを一層適正に補正でき、インク残量Zの精度を一層上げることができる。
(変形例2)前記各実施形態では、空気送込処理の際はインク供給バルブ41を閉弁させたが、必ずしも閉弁させる必要はない。例えばインク供給バルブ41を開弁したまま加圧ポンプ28を駆動させてもよい。例えばインク供給路22内にインクが充填されるとともに下流側に設けられた圧力調整弁42が閉弁していることによって、インク供給路22内に充填されたインクが加圧されてもインクにほとんど流れが生じない構成である場合は、空気送込動作の際にインク供給バルブ41が開いていても、圧力室37の容積が加圧時に変化することがない。
(変形例3)前記各実施形態では、インクカートリッジごと交換する方式であったが、これに限定されない。例えばケース内のインクパックのみを交換してケースは繰り返し使用できる方式でも構わない。この方式であっても、インクパックの交換前後の空気送り込み量から交換前のインクパックのインク使用量を算出して、係数補正を行うことはできる。
(変形例4)前記実施形態では、インクパックが一つひとつ別々のケースに収容されたインクカートリッジであったが、これに限定されない。例えば1つのケース内に複数のインクパックが収容されたインクカートリッジでも構わない。この場合、ケース内に複数のインクパックがそれぞれ個別に密閉された区画室に収容された構成であれば、空気送込量からインクパック毎のインク使用量を算出できるので、同様に第1の演算手段の演算機能にインク色個別の補正を加えることはができる。
(変形例5)前記各実施形態では、第1の演算手段と第2の演算手段は、インク消費量(インク使用量)を演算する構成であったが、インク残量を演算する構成としてもよい。この場合、図7のステップS18では、第1の演算手段によるインク残量の総和Zall1が第2の演算手段によるインク残量の総和Zall2より小さいことを、係数dを補正する条件とする。また、図8のステップS37では総インク残量Zallend、ステップS45では総インク残量Zallintを算出する。そして、ステップS47において、交換前カートリッジのインク使用量ΔVを、式 ΔV=Zallint−Zallend により算出する。
(変形例6)圧力検出手段は空気圧センサ29に限定されない。例えばインク供給バルブ41の上流側(インクカートリッジ側)のインク供給路22上に設けた液圧センサ23の検出インク圧から、圧力室37の空気圧を間接的に検出しても構わない。さらに圧力検出手段は、圧力センサにも限定されない。例えば加圧ポンプ28を駆動する加圧ポンプモータ68(電動モータ)の負荷を検出して間接的に圧力室の圧力を検出する負荷検出器を採用することもできる。要するに圧力室が所定圧力に到達したことを検知できればよい。
(変形例7)前記実施形態では、計時カウンタにより計時された駆動時間Tを用いて流量(空気供給量)を計測する構成としたが、空気量演算処理における演算に用いる計測値を取得する計測手段は、圧力検出手段だけでもよい。例えば印刷制御手段60は加圧ポンプモータ68を所定回転数だけ駆動させる制御を行う。そして、所定回転数の回転で送り込まれる予め既知の空気送込量のデータを、メモリから読み出して用いる構成としてもよい。
(変形例8)前記実施形態では、圧力室の容積を求めるために加圧ポンプ28を駆動させて圧力室に空気を送り込んで加圧したが、これに限定されない。例えば圧力室から空気を吸引可能なポンプ(吸引ポンプ)を使用して圧力室から空気を吸引することにより圧力室の容積を求める構成も採用できる。例えば初期圧力P1(大気圧)から所定圧力として0.9気圧まで減圧させる場合、インク総使用量Vallは、駆動時間T、空気吸引率Qs(例えば5ml/s)を用いて、Vall=Qs・T(1−0.9)として算出できる。この吸引用のポンプとしては、例えば記録ヘッド18のノズルからインクを吸引するクリーニング機構に備えられた吸引ポンプを流用することができる。この場合、例えば流路切換弁を設けてクリーニング時と圧力室吸引時とで吸引先を選択できる構成とすればよい。
(変形例9)前記各実施形態では、インク加圧供給システムを有するプリンタ11に適用し、インク供給システムを構成する加圧ポンプ28、空気供給路27、空気圧センサ29及び空気供給バルブ30等を流用して、空気量演算処理で必要なデータを取得する空気送込処理を行ったが、流用ではなく、空気送込処理専用の装置として設けることもできる。
(変形例10)前記各実施形態では、プリンタ11は4個のインクカートリッジCを装填する構成であったが、インクカートリッジ装填数は2個以上の範囲で適宜変更できる。例えば6色、7色、8色以上のインク色で印刷できるプリンタにも適用できる。
(変形例11)前記実施形態では、室としての圧力室に供給する流体(圧縮性流体)を空気としたが、空気に限定されない。例えば窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなど他の気体を用いても構わない。特に液体噴射装置で他の用途で使用される気体であると好ましく、例えば産業用の液体噴射装置において、噴射された液滴の酸化防止など特定の目的で供給される気体を用いてもよい。
(変形例12)特許文献2に記載の構成のように、複数のインクカートリッジ毎に個別に空気供給バルブ及び圧力検出手段を備えた構成において適用してもよい。インクカートリッジ交換時の補正の追加により補正の機会を増やすことができ、このとき空気送込動作をインクカートリッジ毎に個別に行う必要がない。
(変形例13)空気供給率を、駆動時間Tと圧力変化ΔP(P2−P1)との対応関係を基に算出したが、他の方法で算出してもよい。例えば駆動時間ではなくポンプ又は加圧ポンプモータの単位回転数当たりに供給(又は吸引)される流体量で示される供給率(又は吸引率)として算出することもできる。この構成によっても、ポンプの個体差等によりばらつくポンプ能力を適正な値に設定できるので、第2の演算手段による演算精度を向上できる。
(変形例14)前記実施形態では、液圧センサ23の検出圧が下限圧力未満になったことをトリガとして、加圧ポンプ28の駆動を開始させたが、加圧ポンプ28の駆動を開始するトリガはこれに限定されない。例えば空気圧センサ29の検出圧が所定値未満になったことをトリガとしてもよい。さらに、前回の加圧ポンプ駆動停止時から演算手段61により演算されたインク消費量が所定値以上になったことをトリガとしてもよい。また、これらのうち2つ又は3つが共に成立したことをトリガとすることもできる。
(変形例15)前記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化したが、その他の液体噴射装置にも適用できる。インク以外の他の液体(機能材料の粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料が分散または溶解された液状体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
以下、前記実施形態および各変形例から把握される技術的思想を記載する。
(1)前記制御手段は、前記室に所定の圧力変化が生じるまで前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
(2)前記室を大気に開放する空気供給弁を備え、前記制御手段は、前記室を大気に開放した後、前記室が所定圧力に達するまで前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液体噴射装置。これによれば、ポンプ駆動開始時の初期圧力が大気圧に定まるとともに、圧力検出手段として所定圧力に達したことを検知可能な構成の簡単な圧力スイッチ等のスイッチ式のものを使用できる。
(3)前記計測手段は、前記ポンプの駆動時間を計時する計時手段であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液体噴射装置。これによれば、ポンプの駆動時間(T)と、ポンプの流体供給率(Q)と、ポンプ駆動前後における室の圧力差(ΔP=P2−P1)とから、二以上の室の総容積が求められる。
(4)請求項1乃至13及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項において、前記ポンプと前記室とを繋ぐ流路上には該室を大気に開放・遮断する選択が可能な流体供給弁(30)が設けられ、前記流体供給弁は前記複数の室に共有されていることを特徴とする液体噴射装置。これによれば、流体供給弁が複数の室に共有された一つで済むので、液体噴射装置の構成が簡単になる。また、ポンプ駆動時には、複数の室に共通に流体が供給されたり、あるいは複数の室から共通に流体が吸引されたりして、室個別の容積を求めることが困難な構成ではあるが、第1の演算手段における演算機能を液体種毎に個別に補正することができる。
(5)前記技術的思想(4)において、前記圧力検出手段は、前記複数の室に共有されていることを特徴とする液体噴射装置。これによれば、圧力検出手段は複数の室の圧力を共通に検出する一つ備えられるので、液体噴射装置の構成が簡単になる。
(6)前記二以上の室に対し供給又は吸引される流体量を規定する計測値を取得する計測手段をさらに備え、前記第2の演算手段は、前記圧力検出手段により検出された前記圧力変化と、前記計測値とを用いて前記液体収容部の消費量又は残量を演算することを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。なお、前記計測手段は、前記ポンプの駆動時間を計時する計時手段であることが好ましい。
(7)前記第1の演算手段における演算機能は、前記液体噴射ヘッドから吐出される液滴のドット重量がばらつき範囲内の大きい側に偏っている場合を想定して前記消費量が算出されるように設定されており、前記第1の演算手段により求められた消費量の総和よりも、前記第2の演算手段により求められた総消費量の方が多い場合は、前記補正手段は補正を行わないことを特徴とする請求項2、3乃至11のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
第1実施形態のプリンタの平面図。 インク供給システムを説明する模式断面図。 インクカートリッジの初期状態を示す模式側断面図。 インクカートリッジのインクエンド状態を示す模式側断面図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 (a)〜(c)空気供給率、空気量演算処理及び補正処理を説明する説明図。 インク残量判定処理を示すフローチャート。 インクカートリッジ交換時に行われる係数補正処理を示すフローチャート。
符号の説明
11…液体噴射装置としてのプリンタ、18…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、18a…ノズル、23…液圧センサ、25…インク供給路、27,27a…空気供給路(流体流路)、28…ポンプとしての加圧ポンプ、29…圧力検出手段(計測手段)としての空気圧センサ、30…空気供給バルブ(流体供給弁)、35…ケース、37…室としての圧力室(空気室)、36…液体収容部としてのインクパック、38…記憶素子、39…端子、41…液体供給弁としてのインク供給バルブ、50…マイクロコンピュータ、57…カートリッジ検出手段、60…制御手段としての印刷制御手段、61…第1の演算手段、第2の演算手段及び補正手段としての演算手段、63…残量カウンタ、64…計時カウンタ(計測手段、計時手段)、65…係数設定手段、66…供給率設定手段、69…表示部、C,C1〜C4…液体収容体としてのインクカートリッジ、d,dx…係数、P1…初期圧力、P2…所定圧力、ΔP…圧力差(圧力変化)、T,Tend,Tint…駆動時間、Aall…圧力室総容積、Vall…インク総使用量、Rall…インク総消費量、Q…空気供給率(ポンプ能力)、Z…インク残量、ΔV…インク使用量、R…インク消費量(累積消費量)。

Claims (15)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
    異なる種類の液体をそれぞれ収容する複数の液体収容部が個々に密閉状態に収容された一以上の液体収容体と、
    前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、
    前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1の演算手段と、
    前記室の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記液体収容部が未使用の液体収容部と交換された交換前後に、当該交換に係る液体収容部に対応する室を含む二以上の室に前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ前記ポンプによる流体の供給又は吸引を行わせる制御手段と、
    前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から決まる前記二以上の室の総容積の交換前後の差が交換前の前記液体収容部の消費量に等しい関係を用いて該交換前の液体収容部の消費量又は残量を演算する第2の演算手段と、
    前記第1及び第2の演算手段による前記交換前の液体収容部に係る各演算結果に基づいて、前記第1の演算手段における演算機能に当該液体収容部に対応する液体種個別の補正を加える補正手段と
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
    異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部が個々に密閉状態に収容された一以上の液体収容体と、
    前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積が増える前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、
    前記室の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1の演算手段と、
    前記ポンプを駆動して二以上の前記室に対し前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ流体の供給又は吸引を行わせる制御手段と、
    前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から該二以上の室に対応する二以上の前記液体収容部の総消費量又は総残量を演算する第2の演算手段と、
    前記第1の演算手段による液体収容部毎の前記消費量又は残量と、前記第2の演算手段による前記二以上の液体収容部の前記総消費量又は総残量とを対応させて、異なるタイミングで複数回取得したデータに基づいて、前記第1の演算手段における演算機能に液体種毎個別に補正を加える補正手段とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 前記複数の液体収容部がそれぞれ個別に筐体内に収容された複数の液体収容体を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記ポンプは、前記室に流体を供給して該室の室圧を加圧する加圧ポンプであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記加圧ポンプにより室圧が所定圧力に到達するまで前記室に流体を送り込むことによって前記液体収容部を加圧し、前記液体収容部から液体を前記液体噴射ヘッドへ供給することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体収容部から前記液体噴射ヘッドへ液体を供給する液体供給路上には液体供給弁が設けられ、前記制御手段は前記ポンプを駆動させる際は、前記液体供給弁を閉弁させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記補正手段による前記演算機能の液体種個別の補正が行われる前において、前記制御手段は前記ポンプを駆動させて前記二以上の室に対する流体を供給又は吸引を行わせ、前記二以上の室に供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から前記第2の演算手段が演算した該二以上の液体収容部の総消費量と、前記第1の演算手段が演算した前記二以上の液体収容部の消費量の総和との比に応じて前記第1の演算手段における演算機能に補正を加える第2補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記第1の演算手段は、液体噴射指示データに基づく前記液体噴射ヘッドからの液滴の吐出数及びフラッシング動作による前記液体噴射ヘッドからの液滴の吐出数に、それぞれ係数を乗じて液体の消費量を演算することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 前記補正手段は、前記係数を補正することを特徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。
  10. 前記液体噴射ヘッドは、液滴重量の異なる複数種の液滴を吐出可能であり、前記係数は複数の液滴重量に対応して複数管理されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の液体噴射装置。
  11. 前記第1の演算手段は、前記液体噴射ヘッドから液体を吸引排出させるクリーニングの動作毎に該クリーニングに対応する所定の消費量を計数して前記消費量又は残量を求めるように構成されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  12. 前記第1の演算手段における演算機能は、前記液体噴射ヘッドから吐出される液滴のドット重量がばらつき範囲内の大きい側に偏っている場合を想定して前記消費量が算出されるように設定されており、前記第1の演算手段により求められた消費量よりも、前記第2の演算手段により求められた消費量の方が多い場合は、前記補正手段は補正を行わないことを特徴とする請求項1、3乃至11のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  13. 前記制御手段は、前記液体収容部が満タン状態にあって二以上の室の総容積が既知であるときに前記ポンプを駆動させて該二以上の室に流体を供給又は吸引させるように構成され、該供給又は吸引の際にポンプ駆動時間又はポンプ駆動回転数と、該二以上の室の圧力変化とを取得して両値の対応関係から、前記ポンプにより単位時間当たり又は単位回転当たりに供給又は吸引される流量を算出して前記第2の演算手段における前記演算機能に設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  14. 一つ以上の液体収容体に個別に密閉状態に収容されるとともに液体噴射ヘッドに供給される異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部の液体残量を演算する液体噴射装置の液体残量演算方法であって、
    前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記室の圧力を検出する圧力検出手段とを用い、
    演算手段が前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1演算ステップと、
    前記複数のうち一つの液体収容部が未使用の液体収容部と液体収容部ごとあるいは液体収容体ごと交換された交換前後に、当該交換に係る液体収容部に対応する室を含む二以上の室に前記圧力検出手段により前記二以上の室の圧力を検出しつつ前記ポンプによる流体の供給又は吸引を行わせる制御ステップと、
    前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との関係から決まる前記二以上の室の総容積の交換前後の差が交換前の前記液体収容部の消費量に等しい関係を用いて該液体収容部の消費量又は残量を演算する第2演算ステップと、
    前記第1演算ステップ及び前記第2演算ステップの前記交換前の前記液体収容部に係る各演算結果に基づいて、前記演算手段における演算機能に前記交換に係った液体収容部に対応する液体種個別の補正を加える補正ステップとを備え、
    前記演算手段が補正後の演算機能に従って前記液体収容部毎の残量を求めることを特徴とする液体噴射装置の液体残量演算方法。
  15. 一以上の液体収容体に個別に密閉状態に収容されるとともに液体噴射ヘッドに供給される異なる種類の液体がそれぞれ収容された複数の液体収容部の液体残量を演算する液体噴射装置の液体残量演算方法であって、
    前記液体収容部が液体の導出分だけ体積を減少させることにより容積を増やす前記液体収容体内の室への流体の供給又は該室からの流体の吸引を行うポンプと、前記室の圧力を検出する圧力検出手段とを用い、
    演算手段が前記液体噴射ヘッドで消費された液体の消費量又は残量を前記液体収容部毎に演算する第1演算ステップと、
    二以上の前記室に対して前記圧力検出手段により圧力を検出しつつ前記ポンプに流体の供給又は吸引を行わせる制御ステップと、
    前記二以上の室における供給又は吸引された流体量と圧力変化との対応関係から該二以上の室に対応する二以上の前記液体収容部の総消費量又は総残量を演算する第2の演算手段と、
    前記第1の演算ステップによる液体収容部毎の前記消費量又は残量と、前記第2の演算手段による前記二以上の液体収容部の前記総消費量又は総残量とを対応させて、異なるタイミングで複数回取得したデータに基づいて、前記演算手段における演算機能に液体種個別に補正を加える補正ステップとを備え、
    前記演算手段が補正後の演算機能に従って前記液体収容部毎の残量を求めることを特徴とする液体噴射装置の液体残量演算方法。
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